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きょうの気付き 3枚目
2022/03/12 04:50
そうげん   <sougen0202@gmail.com>
https://twitter.com/sougen2022

スレッドも3枚目になりました。2枚目はムーブメント氏の「アホか」のコメントで無事100件に到達。「あほはおまえじゃ、死にさらせカスが」という言葉を裏の101個目のコメントとしておきます。
それはさておき、井上靖さんの『しろばんば』・『夏草冬濤』を13、4年ほど前に読み、最後の『北の海』だけ読まないままでした(ずっと気になってたのですがなかなか読む機会がなくって)。
しかし、先日立ち寄った書店で新潮文庫の棚に書名を見かけていい加減読んでしまおうと購入し、おととい読み終わりました。
有名な三部作ですので読まれた方もかなりあることでしょう。作者の書きぶりが、どことなく漱石の『坊っちゃん』に似ている。先生、元同級生とのやり取り、柔道か勉強かのあいだで揺れる生活。避けては通れない恋の目覚め。そばで見ているとバカなことしかしていないようで一向に悩みはなく、浪人生活にあってごくらくとんぼのようにいつもふわふわふらふらしている。よく動き、よく食べる。
なんというか、明るくて快活でとても清々しい青春物語でした。

スレッド1枚目 https://sakka.org/opinion/thread/index.cgi?mode=past&no=1664
スレッド2枚目 https://sakka.org/opinion/thread/index.cgi?mode=past&no=1753
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そうげん
 2022/03/12 05:01

きょうの気付き 3枚目
●石原慎太郎×曽根綾子対談『死という最後の未来』(幻冬舎文庫)

先日亡くなった石原慎太郎さんの本を大丸京都店の書店で見かけたので購入したうちの一冊です。電子書籍をスマホで読むより、紙の本で小説を読みたいというお二人の意見は年齢を考えればうなずけるし、わたしもじっくり読みたいものは「紙で」派なので、お二人の意見に同意です。

《曽根 本は、ページの色が年月と共に変わっていくのもいいわね。ちょっと黄ばんできたり。
石原 それでもう一回、あそこを読もう。最後のいちばんいい5行から6行のところを読もうと思って、前のページから読み直してね。その場面に当たる時は、何ともエクスタシーがあるんです。たとえば福永武彦の『草の花』とか、いいんだな。そういうセンチメントは、紙をめくらないと、わからない。》

さらに作家江藤淳氏の自殺の前後の経緯が石原氏から語られてあって、そういういきさつだったかと、寂しさと落胆に最後の一押しをされてしまったのかと感じました。その日、台風さえ来ていなければちがう未来があったのかもしれない。

そうげん
 2022/03/13 15:53

きょうの気付き 3枚目
●石原慎太郎『法華経を生きる』(幻冬舎文庫)

もともと1998年に単行本として刊行された本の文庫化。1998年ということは、日本中を、そして世界を震撼させたオウム事件から三年しか経っていません。作中ではかつて新聞連載のコラムの取材のために、新興宗教の教祖や教主に数多く会ってきた事実が語られ、石原氏と特定の宗教との関りについても力強い言葉で著されていました。

石原氏は熱心な仏教徒であり、自作として、法華経の現代語訳も著されました。(今回買った書店の棚にも訳本が置いてありました。今回は買うのを見送ったんですけどね)

仏教について、法華経が取り上げられ、そのなかでも特に、「実相」について言葉を費やされていました。「色即是空」の、「色」も「空」も多くの人は誤解している。面白かったのは、お坊さんは月命日などにお経をあげにやってきても、あげたらそのまま帰ってしまう。キリスト教の牧師さまのように教えを説く機会をほとんど持たない。そうだよなあと思うところがありました。

機会があれば、石原さんの法華経の現代語訳も読んでみたいと思います。

あとがきは瀬戸内寂聴さんで、石原さんも瀬戸内さんもすでにお亡くなりになったんだよなとしみじみと思いました。

青木 航
 2022/03/15 08:05

きょうの気付き 3枚目
 仏教の話の後、世俗の雑談で申し訳ありませんが、掲示板の覇者・カモさん何処に行ってしまったんでしょうかね。
 今回は不言実行ですかね。そう言えば、表で『ムギュ』の茅場さんも見なくなってしまいましたね。ま、出入り自由ですからいいんですけど……

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そうげん
 2022/03/15 16:28

きょうの気付き 3枚目
>青木 航さまへ
加茂さんは新規スレッドを乱立させて、それが一過性のものではなく長期間にわたってましたので、参ったなという感覚でありました。どこかへ去られたのか何かあったのかわかりませんが、(わたしも人のことはいえないけれど)読むかいがあるのかないのかよくわからない書き込みが多かったから、自分の小説を書くことに専心されていればよいかなと思ってます(それこそ、いまのわたしも小説以外の書き込みばかりごはんでやっているわけですけど……)
茅場さんについては名前は知っていても、作風を覚えているほど強く認識していなかったため、そういう人もいたなという認識でしかありませんでした。
来る人がいれば、去る人もいる。去る人はあらかた去って、いまは去る人が出るほどに入る人があまり入ってこなくて、他の小説投稿サイトに比べると吹き溜まりのようになってるのかなと思います。当然、わたしも吹き溜まってる一人です。

そうげん
 2022/03/15 16:41

きょうの気付き 3枚目
●ルソー『エミール(上)』(岩波文庫)

p.237 《こうして子どもの課業を全廃することによって、わたしは子どもに最大の不幸をもたらす道具、つまり書物をとりあげてしまう。読書は子ども時代にとって災厄だが、しかも人が子どもにあたえることができるほとんど唯一の仕事になっている。十二歳のエミールは文字が読めなければなるまい、と人は言うかもしれない。それは同感だ。読むことが役にたつようになったら、かれは読むことができなければならない。しかしそれまでは、読むことはかれをたいくつさせるだけだ。》

服従をしいて、気が進まない読書に子供を打ち込ませることで、読書に苦手意識を持った大人を作ることになる。読書に対する嫌悪が、かれの心を学問から遠ざけてしまう。また読書への没頭が自分の頭で考えることを止めさせてしまう。

《読書は他人の頭に物を考えてもらうこと》ともいうし、寺田寅彦は一冊を読むよりも数節読んだだけで、関連することが頭に浮かんでそちらのほうに集中して想念を膨らませて思索に耽るということを随筆に書いていたように思います。

《少なく読み、多く考えよ》も寺田寅彦の言葉でしたか。

そうげん
 2022/03/29 04:24

きょうの気付き 3枚目
●T・E・カーハート『パリ左岸のピアノ工房』(新潮クレストブックス)

登場人物は実在の人物でノンフィクション、ドキュメントともとれるし、小説として読むことも可能な作品だと思いました。ピアノにまつわる説話も豊富にあって、わたしはピアノというより音楽全般に疎いたちですけど、楽しく読むことができました。カルチェラタンにも近い裏町のピアノ工房に惹きつけられた人たち。その人間関係はけして広範囲に及ぶものではないが、限られた人物ひとりひとりが個性豊かで、それぞれが惹かれあいながらたくさんの人情豊かなドラマを展開させてくれます。日本のヤマハのピアノのことも数か所出てきました。いつかどこかで見たことのある聞いたことのあるピアノのメーカーの名前がごろごろと出てきました。知らない世界を垣間見るって、いい刺激になります!

そうげん
 2022/03/29 11:26

きょうの気付き 3枚目
●映画『ナイトメア・アリー』

とてもよかった。全体にダークな雰囲気があって、ノワール要素もたっぷり。整合性がとれている展開、上映時間も長尺で、ひとつひとつのシーンの雰囲気も、キャストの演技のスタイルも、タメの作り方から動作から(わたしは字幕で視たけれど)台詞回しにいたるまで、これまでのギルレモデルトロ監督の作品に比べても遜色ない、というよりも、大幅にグレードアップされてる印象を受けました。ネタバレの一つなんだけど、作中に示される獣人(ギーグ)は2022年に撮り直された作品として、そしてこの現代日本で映画を観ることの意味からいって、広く見るならばいまのこの国の非正規労働者(あるいは正規社員ですら、かもしれない)、すでに無くしてしまった我執による引っ掛かりを得ることもないまま他者から与えられる要求を唯々諾々と受け取って働くという、自己の立場を地獄とも見まがう位置へと追いやってしまう人間の似姿のようにも見えました。また主要な登場人物ひとりひとりの言動・行動・表に現れない心理を追っていくと、かなり深く、しかも理知的に分析することが可能な作品。エディプス・エレクトラコンプレックスの要素もカギになっています。丁寧に作られている印象でした。

そうげん
 2022/03/29 11:59

きょうの気付き 3枚目
昨日、映画二本、「ザ・バットマン」と「ナイトメア・アリー」を観たのですけど、時勢を反映してのことでしょう、どちらの映画のスタッフロールにもコロナ担当班のキャストがクレジットされていました。

「コビッド・コンプライアンス」などという役職名でした。ナイトメア・アリーはブルーレイの購入を決めているから、きっとこの映画を観返すたびにこの映画が撮影時に蒙った困難、コロナ蔓延による長期間の撮影休止みたいなのを思いだすことになるんだろうなと思ってます。

ザ・バットマン。ザ・バットマンはこれはこれですさまじかったです。ゴッサムシティの人々のことを思うウェインの気持ちがちゃんと表現されていて、混沌としている情勢の中でいかに自分なりの正義を見失わずに自己を立脚するかというところにもしっかり力点が置かれていた。社会と個人という対置がしっかり示されてあった。自身の周囲に纏わる過去にも向き合う強さがある。次回作が作られることを望んでいます。今回の敵役。つねに問いかける重要性は失うべきでないということは思いました。真実は常に灰色の要素の中に紛れ込んでいる。

そうげん
 2022/04/02 10:17

きょうの気付き 3枚目
ギルレモ・デル・トロ監督の最新映画『ナイトメア・アリー』を今週の月曜日に観て以来、この作品のことをもっと知りたいという気持ちが湧きあがってきました。エディプスコンプレックスにエレクトラコンプレックス、タロット占いに、読心術の表と裏、降霊術かと見まがうようなトリックの虚実のほど。原作小説にはどんなふうに書かれてあるんだろう。それが気になって、翻訳本として出ている扶桑社ミステリー文庫版とハヤカワ文庫版の2種類を手許に取り寄せました。昨夜、第三章「女教皇」の章まで読んでみました。メモを取りながら慎重に。言葉の細部にも多くの記号が採り入れられてあって、第二章では早々にモリーのエレクトラコンプレックスについて語られる。スタンとモリーにとってジーナはどんな存在なのか。幼いころから不在であった母を象徴する存在として見えるけれど、実の母とはどこが異なるのか。その「母」と交わるスタンは、何を得て何を失うことになるのか。獣人(ギーク)、オオカミ、ヘビ、サル、競走馬、たくさんの象徴的な言葉が入り乱れて、ひとつひとつ整理して関係性を探りつつ読んでいくことで作品世界を十全に楽しむことができそうです。とりあえず、わたしは扶桑社版をはじめて読む本に選びました。

そうげん
 2022/04/08 00:30

きょうの気付き 3枚目
●映画「ルーム(吹替版)」
プライムビデオで視聴。第88回アカデミー賞ノミネート作。実際にあった監禁・強姦事件をもとに構成された小説原作アリの映画。前半一時間は部屋に閉じこめられて、生活する母子の様子が描かれる。何年も太陽を見ていない母と、生まれてから一度も外の世界を認識したことのない子供。部屋の中を世界と認識する子供の行為・言動と、外の世界を知りながらずっと鬱屈に耐えてきた母との間のすれ違いも静かに描かれて心をうつ。後半は部屋を脱出してから後の顛末。社会と順応することの難しさ。それは子供よりも母親の方に大きく響いて、一時自殺未遂まで至ってしまう。重い作品だけど、観た甲斐はあったなと思いました。観ている間、ずっと重苦しさに押しつぶされそうになりながら画面を見守ってました。祖母もパートナーも良い人でよかった。子役の演技もよかった。

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