作家でごはん!鍛練場
雛詩

独白

 関東と言えど、都心ほどの栄えは見せていない立地に、ぎこちなく腰を据える住宅街。
 多少の差異はあるものの——しかし横目で流すならば同じようにしか映らない、似たような背格好の家が遠慮し合うように肩を寄せてズラリと並んでいる。

 一見すると何ら変哲のない——悪く言えばありきたりな、ごく普通の一軒家。そんな平凡極まる家では、陽が頭上を越える十二時過ぎにも関わらず、カーテンが全て閉ざされていた。
 灯りはなく、室内の光源はカーテンの隙間から漏れる陽射しのみ。
 だが変わったことはないだろう。家の全てを開放するのも当たり前ではない。出かける際にカーテンを閉ざしたのだろうと、そう思われるか——いや、たかが住宅街に並ぶ家の一つ如きに、そんな考察を巡らせることすらなかろう。
 中に人がいようがいまいが、今を生きる人々にとっては些事だ。

 無論、中に佇む彼とて、道行く人々からどう思われているかなど気にしようものか。

 陽が僅かにも差し込んでいるにも関わらず、暗闇で閉ざされていると錯覚する沈むような空気。
 閉ざされたカーテンのせいか、はたまた鼻腔の奥を裂くような異臭のせいか。鬱屈とした重い空間の中で、何に怯むこともなくその男性は椅子に座していた。

「はじめまして」開口一番に挨拶を飛ばす男性。察するに、彼が向かい合う者とは初対面なのだろう。「早速で申し訳ありませんが、僕の話を聴いてはくれませんか?」

 眉を八の字に傾け、どこか調子を落とした声色で切り出す。さながら、懺悔室に赴く罪人かのように——
 否。この例えは間違っていない。事実、彼は罪を告白すべく口を開いたのだから。

「僕はね、後悔しているのですよ」

 居間に置かれた机を挟み、二人の男女が向かい合うようにして座っている。
 普段は食事や談笑を楽しむ場であろうに、彼はここを教会か何かと勘違いしているのか。

 男は足を組み替え、軽くため息。まだ躊躇いが見えた。こんな話を、それも初対面の女性に話していいものかと葛藤しているよう。

 しかし語り出したからには仕方ない。迷うくらいならば初めから話すなというもの。
 男は一つずつ言葉を紡いでいく。花を手入れするかの如く、柔らかで丁寧な作業だ。

「あなたに、全てを打ち明けようと思います。……ええ、言わんとしてることはわかりますとも」

ふふっ、と糸がほつれたような小さい微笑。

「迷っています。今も、まだ。けれど話さなくてはならない。……僕は、誰かに打ち明けなければならない」

 あなたは後悔したことがありますか? ——と、単調な語り出しで思考を言葉に変える。

「僕はあります。……それも、つい先ほど」

 返事を待たずして、続けた。相手方は話に聞き入ってでもいるのだろう。
 肯定すら見せないその女性に対し、男はそれが当たり前だと感じているのか。不満の一つも抱かない。

「実は、僕に妻がいましてね。あなたには大切な人がいますか? 僕にとっては、それが妻でした」

 当時のことを絞るように思い出しながら、その状況を説明する。

「両親よりも愛しい存在だったんです。そして三年の交際を機に、籍を入れました。三ヶ月ほど前だったでしょうか? ……ええ、結婚したんですよ」

 そこでふと、相手を気遣うように顔を上げた。「何か飲みますか?」と、彼は提案を投げる。
 休まずに口を動かしているからか、喉が渇いたのだろう。自分が何かを飲むついでに女性もどうかと提案した次第だ。

 返事はない。否定と受け取ったようで、男は残念そうに肩を窄めながら言った。

「そうですか。いりませんか。美味しい茶葉を貰ったのですが……」

 緑茶の葉を急須に入れ、熱湯でほぐしていく。その間も退屈させまいと思い、男は世間話を振った。

「僕の実家が緑茶畑でして、父の服には茶の匂いがついて落ちないんです。それほど父は仕事人でした。そしてそんな彼を、僕は尊敬しています」

 体を包むような優しい香りが葉から浮き立つ。湯気に乗って流れるそれに身を預けながら、男はふぅ——と恍惚の表情を浮かべた。
 この瞬間が至高だと言わんばかりの顔だ。よほどいい香りであろうに、女性は眉ひとつ動かさない。
 無言の拒否から、おそらくは緑茶が苦手なのだろう。悪いことをしたな——と反省しつつも、しかし事前の断りもなしに察しろというのが無理な話。

「嫌なら言ってくれればいいのに」小言を漏らしながらも、彼は湯呑みに今しがた出来上がったばかりの茶を吹き込む。
 片手サイズの小ぶりな碗に浮かぶ、緑の彩り。これも楽しみの一つだ。
 先ほどよりも強く、それでいて尚も心を落ち着かせる暖かな匂いは、しかし部屋全体へ広がることはない。他の臭いが壁となり、緑茶のそれを鼻元までに留めていた。

「歳をとって体の自由が効かなくなったにも関わらず、今も彼は仕事を続けています。稼ぎは減りましたが、それでもこうして収穫の一部を僕に送ってくれるんですよ」

 茶の匂いに当てられたようで、自分の身内話が長引いたことにハッと気づく。「ああ、すみません。少しくどかったですね」

 謝罪を告げ、茶の入れられた湯呑みと共に彼はテーブルへと戻った。

 懺悔するとは決めていたが、心のどこかでは未だに迷いがあるのだろう。身の上話が長引いたことにも起因しているに違いない。
 どこか魂が抜けたような表情を見せる彼は、茶をひと口啜り、ポツリと呟く。

「僕には優柔不断なところがありまして、よく妻に叱られていました」何かを察したようで、向かい合う女性が口を挟むよりも早くに男は訂正する。「いえいえ、惚気てはいませんよ。他愛のない、日常の話です」

「そんな妻と、最近までは幸せに暮らしていたのですが……それも、長くは続きませんでした」

 声色から、いよいよ本題に入るのだと頷けた。流石に呆れてしまったようで、女性からは「やっとか」という言葉もない。
 待たせすぎた罪悪感に男は心を痛めながらも、しかしこれは必要な過程だ。覚悟を決めるための、時間だ。
 真っ直ぐと前を見つめ、迷いを振り切った強い眼差しで男は発する。

「そんな妻と先日、喧嘩してしまいまして。理由は意見の行き違い——思想のすれ違いです。……それでも、僕は間違っていないと思っていますよ」

 壁に掛けられた時計を一瞥。まだ時間に余裕があると安堵し、少し遠回りしながら説いていった。

「妻と出会ったのは四年前です。僕は実家を継ぐと言ったのですが、父に反対されまして。お前みたいな狂った奴には任せられない、ですって。心のどこかで妥協していることを見抜かれたのでしょうね。ほんと、今でも父には敵いませんよ」

 本題に入ったのではなかったか? そんな疑問符が湧いてもおかしくないはず。
 全く関係ないとも思える話だが、女性は文句を挟まずに黙って耳を傾ける。

「それから実家を出て、都会に来ました。都会と言っても高層ビルが並ぶような場所ではありません。首都圏という括りにされていれど、他から見ればここも田舎ですよ。知っていましたか? 都会はどこも栄えているわけではないんです」

 過去の自分を思い出し、照れ隠しのついでに自虐的に笑った。

「恥ずかしながら、僕は神奈川や東京はどこも横浜や渋谷のような場所だと思っていたのですよ。しかし意外なことにも、神奈川や東京にも畑はあるのです。僕は驚きました。横浜に来ているつもりが、知らず知らずのうちに地方へ行ってるのではないか、と。方向音痴はないつもりでしたが、さすがに自分の頭を疑いました」

 同情か。はたまた嘲弄か。
 またしても女性に言葉はない。今回も聴きに徹しているようだ。
 何とも聞き上手な人を選んだな——と、男は自分の人選を誇りながら話を続ける。

「しかし地図を見てもそこは僕の知る横浜なのです。いやはや、自分の目を疑いました。あの時ほど自分の目を信じられなかった時はなかったと思いますね。そこで出会ったのが彼女——僕の妻でした」

 懐かしさ故、微笑が漏れた。

「彼女は困惑していた僕に真摯になって接してくれました。あれほど親切な女性は後にも先にも彼女だけだろうと確信したほどです」

 そこでふと、説明不足に気づく。相手が聞き上手なあまり段取りを忘れていたらしい。「そういえば僕が実家を出て横浜に来た理由を説明していませんでしたね」
 男は動揺を隠すように、会話の粗を取り繕う。

「実のところ、僕は職人になりたかったのです。茶を淹れる急須と湯呑みを作っている人がこの辺りにいるのですよ。実家で使っているのも彼の物でして。僕もそれを作りたい。そう思い至り、彼の工房に足を運んだわけです」

 男は目の前に置かれた、緑を引き立てる美しい湯呑みを見据えた。

「実はこれも彼が作った物です。本当にいい仕事をする人だ」

 見惚れながらも、心を抑えて説明を再開させる。

「そして彼女も、そんな僕の夢を応援してくれました。僕の憧れる職人は、それはもう偏屈な人なのですが、後継者がいないことにも悩んでいたようです。僕の弟子入りを渋りながらも了承してくれましたよ」

 尊敬の念が節々から漏れていた。現に、その人を語るときはどこか誇らしいような表情を浮かべている。

「そんな彼ですが、もうこの世にはいません」

 一転。
 彼の顔は暗い室内を映しとるかの如く沈んだ。

「七十と決して若くはありませんが、それでもこの世を去るには少し早い歳でした」

 学びたいことがまだあったと、そう男は悲壮感溢れる声で言葉を乗せる。

「僕の腕はまだまだです。それでも何とかやってますよ。父の育てた茶を、僕の作った急須で淹れることが今の夢です」

 ——当分先でしょうけどね。
 そう、誤魔化すような笑みと共に付け加えた。当然のことながら、女性から返事はない。

「僕の夢を誰よりも応援してくれた彼女に、僕は惹かれていきました。そして交際を申し出たのです。あの時ほど緊張した日はないでしょう。今思い出してもドキドキしますよ」

 気を伺うように相手の表情に目を配り、

「失礼。これは惚気話でしたね」と、申し訳なさそうに謝罪する。

「それから三年間の交際を挟んで、僕たちは無事に結婚しました。それから幸せな日常が続きましたよ。同棲は一年前から続けていたので、改めて不満に思うこともありませんでした。僕から言うのもなんですが、絵に描いたような新婚だったと思います」

 忘れてはいないか。
 彼は一度口にしている。愛する妻と、破局したことを。

 気を病んでしまいそうな空気に負けない、重たいため息。
 刹那、
 男の目の色が変わった。

 幸せを語っていたはずが——
 しかし気づけば、その奥底に憎悪を覗かせている。

「そんな僕ですが、実はもう一つ夢がありまして」

 夢——。人を殺す前触れのような低い声からは想像も付かない言葉だ。

「子供が、欲しかったんです。そしてそれを妻にも伝えました。勿論、子供を作ること自体は賛同してくれましたよ」

 奥歯を噛み締めた。
 当時を振り返り、怒りが煮える。

「しかし……ッ、しかし! 彼女は僕の夢を! 否定したのです⁉︎」

 どこか落ち着いた語り口調の彼はどこへやら。今では全くの別人と思えるほどの豹変ぶりだ。

「……すみません。あなたに当たるつもりはなかったのですが、思い出せば出すほど、怒りが噴き出てしまって」

 言い訳にはなりませんよね。そう微笑を浮かべながら、作ったような困り顔を見せた。
 対する女性は何も感じていないのか、顔色ひとつ変えていない。

「先に、僕のもう一つの夢を説明すべきでしたね。これを言わなければ同情も何もないでしょう。これを聞けばあなたにも僕の気持ちがわかるはずだ」

 男の言葉には自信で満ち溢れている。語り出す直前の迷いはとうに消えていた。
 一体どんな非道を受け、そして理不尽に晒されたのだろうか?
 掛け時計も期待に胸を膨らませ、急かすように針の音を奏でる。カッ、カッ——という一定のリズムを刻む時計の心音は、今ではうるさいくらいに大きい。
 そして満を持して、男は核心となる言葉を告げた。

「僕は職人肌のようでして、何かを作りたいという欲求が強いのです。いつだったでしょうか。十三……四ほど。中学二年生でしたね」

 若き日の夢。
 どこかで薄れ、消えかけてしまえど——それでも、手放すことの叶わない、若さ故の至り。

 夢を抱くことは若者の特権に非ず。
 夢を忘れることは——大人の証明に非ず。

「その頃に自分の赤子を使って、『鞄』を作ってみたいと、そう感じたのですよ」

 手放してもおかしくはないそれを、彼は今も尚、大事に抱えている。

「ああ、そうだ。あたなに見てほしいものがあるんです」

 何かを思い出したようで、彼は勢いに任せて立ち上がり、真後ろに立つ棚へと手を伸ばした。
 宝物を親に自慢する子供のような。そんな輝かしい笑みを浮かべている。

「あった、あった。……いやはや、いつ見ても不細工ですね。僕の腕では、やはり師匠には敵いません」

 そう言って取り出したのは、話に出てきていた彼の師匠の——湯呑み職人の老人だった。

 正確には、その老人の一部。
 彼の骨と皮で作られた湯呑みを、誇らしげに女性へと見せる。

「実は我慢できなくなってしまいまして。僕の腕が未熟なのはわかっていましたが、しかし待ちきれなかったのです。これは師匠の腕——『茶腕』と言ったところでしょうか」

 茶『碗』ではなく、茶『腕』。
 上手いことを言ったつもりか。彼は鼻を鳴らしながら得意げに語った。
 部屋に漂う異臭。その正体。
 ——否。この湯呑みを取り除いたとて、異臭は消えはしない。その原因となるだろう食器や家具の数々が、この家の隅々に置かれているのだから。
 妻がいたときは置かなかった品々。借りていた倉庫に保管していたが——今は問題ない。

「実は一時期、シェフになりたいと思っていました。今はもう挫折したのですが、それでも料理には多少の自信があります。夕飯はいつも僕が作っていたくらいですよ。それで、妻を使ってシチューを作りたいと思ったのですが、やはり僕のイメージでは懐妊後じゃないとダメなんです。料理の完成度を大きく左右しますからね。妊娠前でも、妊娠中でもいけません。あなたにはどうでもいいことでしょうけど、僕には大事なことなんです。やはり、細部にはこだわりたいもので」

 プライドというやつですかね——と、男はわかりやすく説明し直す。

「だから妻を殺してしまうのはまだ早かったのですが、しかし僕たちの赤子を鞄にすると言ったら妻はそれを冗談だと受け取ったのです。信じられますか? 僕の夢を、冗談だと笑ったのですよ。彼女ならわかってくれると思いましたが、僕が浅はかでした。……ショックだったんです」

 相当根に持っているようで、男はこれでもかと言わんばかりに訴えかけた。

「そして……っ、僕の夢を否定したのです! 冗談だと笑うならまだしも——嘲るならまだしもッ!」

 大声で、
 吐くように彼は言う。

「人の夢を、それも夫の夢を⁉︎ 三年間歩んできた僕の夢を! 否定したのですよ⁉︎」

 その最後。ついでと言わんばかりに、付け加えた。

「だから、殺しました」

 やましいことは何もない。
 そう、示すかの如く。

「本当に、何も言いませんね」

 ひとしきり語り終えて胸の支えが落ちたようで、男は疲労をため息と共に吹きながら椅子へと腰を落とした。

「まぁ、当然ですか。もう死んでいるのですから」

 彼はそう、目の前の女性に——自身の妻である————
 否。
 妻だった、『大本冬江』に対して放った。
 いや。更に訂正。正確に表現するならば、『大本』という名は違うだろう。
 彼女はつい三ヶ月前に籍を入れたのだから。
 男の姓、『越前』と呼ぶ方が適切だ。

「それでも今は後悔しています」

 ポロポロと涙を溢しながら、心中を吐露する。
 この話をするきっかけとなった、懺悔の言葉。

「妻をシチューにするのは、もっと待つべきだった。今殺してしまうのは、いくらなんでも早すぎる。彼女だからこそ作れるシチューだったのです、他の女性では変わりになれない。あなたもそう思うでしょう?」

 今が初対面であるかのような、どこか他人行儀な口調で尋ねた。
 一貫して、彼はこの姿勢だ。

「僕は自首をするつもりです。人を殺してしまったのだから。殺人はいけないことだ。過ちは、償わなければならない」

 今まで人を殺したことは一度もないと言いたげな口ぶりで、言う。次いで立ち上がり、固定電話に向かって歩みを進めた。

「もしもし?」

 番号を押す。
 無論、いちいちぜろ。百十番だ。

「はい。事件です。殺人です。……はい、僕の妻です。僕が殺しました。……ええ、その通りです。居間に僕の話を聞いていた女性もいますが、まぁ、些細なことでしょう。こちらの住所は————」

 そうして一通りの懺悔を終えた後、男は自らの罪を白状した。
 男の罪は殺人罪。越前冬江の殺害以外に、二十を超える余罪があるとして警察は調査を開始する。

 後の事情聴取で、「なぜ越前冬江の死体を妻はでないと否定したのか?」と言う質問が投げかけられた。
 その問いに対し、

「いやいや。だってそうでしょう? あれは僕の妻ではありません。あなたは死体と結婚する趣味でもあるのですか?」

 当然だろうという態度で、嘲笑混じりに男は続ける。

「可愛らしい笑顔を浮かべる女性と、僕は結婚したのです。白目を剥いたまま動かずに、首から血を流す女性を、僕は知りませんよ」

独白

執筆の狙い

作者 雛詩
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友人から「サイコパス」というお題を出さらて書いたのですが、難しいですね。どうしてもわざとらしさが出てしまう。
参考になりそうな書籍などがあれば教えてください。

コメント

ぷりも
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拝読しました。文体が綺麗で
音の響き、とりわけ文末の言葉選びに意識されているように思いました。
ストーリーのほうですが、サイコパスをテーマということで、常人には理解し難いキャラになるのは仕方ないといえば仕方ない気はします。でも、狂人といえど不動のルールを持っていることが伏線的に示されていたら良かったのでは。
あと、私は色々疑って読んでしまうので、異臭のところで、ある種の察しがありました。

茅場義彦
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大石圭っぽいっ。。。

雛詩
g210002250088.d111.icnet.ne.jp

ぷりも様、感想ありがとうございます。
地の文で「〜した」、「〜していた」という言葉が続くのが気持ち悪く、避けていたのですが、意外とわかるものなんですね。
嬉しさ半分、驚き半分です。

さて。ストーリーの方ですが、私自身この作品の欠点は自覚しています。
「自分の妻を、死体だから他人だと思って話し続ける男」と言うアイデアありきで、それ以上の捻りがなかったような気がします。
一応、自首をしたのは「作品にするための必要な殺害」ではなく、「夢を否定され、口論になり揉めた上での突発的な殺害」という理由があるのですが、文に記すべきでしたね。いやまぁ、両方普通に犯罪で普通に逮捕なのですが。
序盤と湯呑みの下りで記した「異臭」の一文ですが、読み返したときにフェアではないような気がしたので後から付け加えたものだったりします。
やはり「一向に返事がない」だけの表現で貫き通すべきでしたかね。……いや、それもわざとらしく悟られてしまいそうです。
作品の肝である、「男が話しかけている死体が実は妻だった」という伏線も記せばよかったな、と今になって思いました。人物像の表現を序盤に書いて、男の口から似たような特徴を語らさる、とか。

長くなりましたね。まだまだ語り足りませんが、この辺りで打ち切りましょう。
拝読。そして感想、ありがとうございました。
これからの執筆の参考、励みにさせていただきます。

雛詩
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茅場義彦様、感想ありがとうございます。
大石圭……誰だ?となりましたが、なるほど。「呪怨」や「アンダー・ユア・ベッド」の執筆者でしたか。作品自体は知っていましたが、作者までは存じ上げていませんでした。勉強不足です。
私自身、ホラーが苦手で一切触れてこなかったのですが、調べてみたところ大石圭先生は「なんだかんだで一番怖くて醜悪なのって人間だよね」的な小説が多く見受けられたように思います。あっていますかね?読んでいないので私の勝手な偏見のですが、あっていることを願います。
ホラーを避けるあまり認知していませんでしたが、呪怨のイメージに引っ張られすぎましたね。これを機に触れてみようと思います。

茅場義彦
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最初から対面女は死体アンド嫁は見えてますなあ。あんまりモノローグに引き込まれんかなあ。でも 読みやすいっす

ぷりも
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何も考えずに書くと「た。」「だ。」と過去形で終わっちゃうんですよね。
その辺を意識しだすと、「ない」と否定、「いる」状態を表す、「だろう(か)」推量あたりを使うんですが、雛詩さまは更に体言止めしてるので、相当気を遣っているのかと思いました。プロはどうしてるのだろうと意識して読むのも小説を読む楽しみだったりしますね。

女性のセリフがないのでどうしても察しがありますね。それについてはちょっといい方法が思いつかないですけど、私なら案として

「実はこれも彼が作った物です。本当にいい仕事をする人だ」の後に
「それに比べたら僕の作品は師匠の魅力を十分に引き出せていない」男は自嘲気味にオフホワイトの茶碗を手に取る。

というのを出しておいて、後半で
「オフホワイトの別名は知っているかい? ボーンカラー、骨の色だ」
師匠のことはみなまで言わないでお察し系にしたら伏線ぽいような。
でも茶腕は活かしたいですね。

クレヨン
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 拝読しました。

 冒頭が説明で始まるのはよくない気がします。「はじめまして」のところから始めてしまったほうがいいかな、と思いました。

 それと、視点が気になりました。誰から見ているか、っていうのは結構面白さに直結する部分だったりすると思うんです。そこでいくと、この作品は語り手がいない、と思いました。殺人犯の一人称だったらそういう問題もないですが、この作品のオチにつなげにくくなってしまうかもしれない。しかし殺人犯が狂ってたら、気づいて当たり前のことに気づかないかもしれない。その辺は結構考えどころだと思います。

 >茶『碗』ではなく、茶『腕』。
 上手いことを言ったつもりか。

 これ読んで、これってギャグじゃないかって思いました。で、よく見ると、他にも面白いところがあって。

>「いやいや。だってそうでしょう? あれは僕の妻ではありません。あなたは死体と結婚する趣味でもあるのですか?」

 当然だろうという態度で、嘲笑混じりに男は続ける。

「可愛らしい笑顔を浮かべる女性と、僕は結婚したのです。白目を剥いたまま動かずに、首から血を流す女性を、僕は知りませんよ」

 ユーモアのセンス、めっちゃあるじゃないですかって思いました。多分、ユーモラスな掛け合いのほうが向いてると思います。
 
 サイコパスの参考になる資料としては、ジョン・ゲイシーって名前をネットで検索するといいと思います。アメリカでも有名なシリアルキラーの一人で、れっきとしたサイコパスですよ。

神楽堂
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>雛詩さん

読ませていただきました。
他の読者様もおっしゃっているように、
私も冒頭から、死体と話しているんだろうな、と分かってしまいました。

>閉ざされたカーテンのせいか、はたまた鼻腔の奥を裂くような異臭のせいか。

ここですね。
部屋に死体があるんだろうな、と思いました。

あと、他の方も言っていますが、ずっと返事がないので、これは死体だろうと読者は思ってしまうわけです。
作者様は、前半は話し相手が死体であることを隠したかったのかどうか、ですが、
別に隠さなくても話は成立するように私は思いました。
で、ですね、
もし、話し相手が死体であるということを伏せて、後半の驚きにもっていくのであれば、ミスリードが必要になると思います。

返事がない、ただのしかばねのようだ、ではバレバレなので
返事をしているかのように書くとよいでしょう。
目を見開いた死体だとして、

私の言葉を聞き、彼女は目を丸くして驚いている。とか、
この言葉は衝撃を与えるかと思ったが、意外にも冷静な面持ちで聞いてくれていた。とか
彼女の瞳は、私の話への同意を表しているかのようだった。とか。

ず~っと返事がない、だとさすがにバレるので、さも生きていて聞いているかのような書き方にしておけば、後でそれが死体だと分かった時の驚きを読者に与えることができると思います。

ただですね……この物語って、死体と話していることよりも、
死体となったらそれはもはや妻ではない、という彼の心理の異常さをサイコパスらしさとして書きたかった作品のように思えました。
そっちがメインであれば、話し相手が死体であることが最初から読者にバレている書き方でもよいよう思います。

俺の話を聞く彼女の目は見開いたまま、瞬き一つしない。とか、
俺の話を否定したいだろうけど、その首を振ることは叶わないだろう。とか、
口からはだらしなく涎が垂れ、彼女の下半身からは糞尿の匂いが漂ってきた。とか、
明らかに死体と分かる描写を入れながら、それに向かって主人公が淡々と話すという書き方でも、彼の異常さを描くことができると思います。

あと、お茶の道具やシチューなどのキーアイテムは、序盤に出しておきましょう。
読者には、最初から部屋においてある道具とか、作りかけの料理として認識させておき、真相がわかったときにぞっとさせる、みたいな演出に使えそうです。
妻の体の一部分が切り取られていて、冒頭に出てきたシチューはその部位を使って作ったものだった、みたいな展開でも猟奇的な雰囲気が出せると思います。

「あなたはシチューは好きですか? 私は大好物ですよ」
なんて独り言を言いながらシチューを食べるシーンが前半にあってもいいですね。
後半で、それが人肉だとわかればよいわけです。

作品を読ませていただきありがとうございました。

浮離
KD111239171188.au-net.ne.jp

昨日からずっと、馬鹿だなあ、全然わかってないんだなあ、って呆れながら眺めてたんですよね。
でも今朝起きてみたら驚いた。
やっぱりまともで真面目な人は学びも成長も早いんだな、心掛けが身につけさせることって大きいな、ってつくづく思わされて感心したんですよね。

正しい、っていうか普通の観察できてるの、クレヨンだけですよ。
とはいえ十分ではないんですけど、ちゃんとわかっててそれを言語化することちゃんと考えてるのがわかるから、立派ですよ。
さらに頑張って欲しいと思う。


このお話の問題点って、わかってますか?
わかってないからおかしな感想恥ずかしげもなく書けるんでしょうけど、自覚足りなすぎると思うんですよね実際。

このお話って、“三人称“で書かれてるんですよね。
それもバッキバキの神視点。
だって、お空から街を俯瞰して建物突き抜けて、

>初対面の女性

なんて言っちゃうんだし、

>彼は罪を告白すべく口を開いたのだから。

なんてことまで知ってる。


“死んでる妻“がバレちゃう、とか言ってる人いるんですけど、それって誰にバレてる話なのかってことは考えないのかと。
だって、語り手“神“ですよ?

神、嘘ついてるんですか? ってことですよ。

語り手神が知ってるだけで言わない進行を“ミスリード“って許容できるつもりなら、“小説“なんて片っ端から夢オチまっしぐらで楽ちんすぎみたいなもんじゃないですか。
言ってる意味わかりますか?

一体なに読んでなに考えてるのかちっともわからないあたしばっか悪口言われるの、ほんと意味わかんないんですよ実際。

浮離
KD111239171188.au-net.ne.jp

『独望』


 相談があるんだ。
 男はソファーに背中をあずける素振りもなく、言い急ぐ。かぶりつくように、前のめりな姿勢で両肘を膝に構え、もじもじと握り込んだ両の手で口元をいじいじとなぶる。そわそわとフローリングを踏みしだく。
 地団駄の始まり。
 そんな子どもじみたクセか習性をまったく違和感なく不自然に振る舞う、誰の目にもきっと明らかな、その芝居じみた有り様こそがまさしくその男自身のありのままの姿であるらしいことは、女にとってはもはやどうでもいいことなのかもしれない。冷静に見据え、真っ直ぐに背を伸ばし、両の手を膝上にしなやかに重ねる。
「わからないんだ。僕にはもう、どうしていいかわからない。でもずっと懸命にやってきたんだ。嘘じゃない、本気でやってきたつもりなんだ。何もかも」
「わかってる。とりあえず落ち着いて。誰だってそんな気分になるときくらいあるわ」
 ピタリと静まる。とてつもない即効性で男はその性分をますます活き活きと白状する。異様に、深刻そうに振る舞いたがるらしいその恍惚を隠す気など微塵もないらしく。
「君には申し訳なく思ってる。でもすべては君のため、君と僕の人生を思って必死でやってきたんだ。僕なりに必死に」
「大丈夫、わかってる。あなたの悪い癖、そうやって自分ばかり責めるのは。愚痴を言うより、今やるべきことを一緒に考えるの。だから落ち着いて」
「ああ、すまない。つい君に甘えてしまうことはわかってる。でも、君のことを思えば思うほど混乱してしまうんだ、許してほしい」
 女は甲斐々々しい面持ちで立ち上がり、キッチンへ向かう。その後ろ姿を見るともなく見遣りながら男はぶり返すように、組んだ両の手をもじもじと持て余す。壁の時計をちらりと窺い、喉仏を深く上下させる。言い草とは裏腹に、広く構えた両の足をさらに広く取り直しながら、女がキッチンで何かを操る微弱で硬質な音にしばし耳を傾ける。
「すごいよね、君は。いつだって落ち着いていて」
「そんなことない。あなたが困っているなら、私はどう振る舞うべきか考えるだけ」
「感謝してるんだ、これでも」
「わかってる。そんなに気を遣わないで」 
 急須と茶碗を載せた盆を静かにテーブルに設える。
 再び目の前に戻った女のその手つきより、男の視線はよほど辛辣に盆を捉えるものらしい。それは急須と茶碗の端正な佇まいには似つかわしくなく枯れた質感の、エキゾチックな意匠をその輪郭に施された、女の好みに寄ったものらしくうかがえる。オリエンタルな柄と色使いのランチョンマットを敷物代わりにした装いも目に余るらしく。
「すぐに沸くから。お義父さんからいただいたお茶でも飲みましょう、きっと落ち着くわ」
「冗談だろ、親父は僕のことなんてとっくにどうでもいいんだ」
「だとしたら、わざわざ育てたお茶を届けてくれるはずないでしょ。思い過ごしよあなたの。結婚を反対されたのはあなたじゃなくてきっと私が原因だし、でもそれもきっと今のうちよ。いつまで飲めるものかもわからないのに、そんなこと言わないで」
「もういい歳なんだ。でも君に親父の世話なんてさせるつもりはない」
 女は倹しくか思い遣るようにそれを聞き流し、さっそく湯気を噴き始めたポットに素振りを遣り逃す。
「本当に早い」
 誰に言うでもなく、とはいえ話す相手は男一人しかいないことを承知の上で返事を求めてはいない。女はそんな言い方をしたらしいことに男は素直に従う。
 空の急須に沸いた湯を注ぐ。蓋をして、じっと見つめる。なぜそんなことをするのか、男は今ひとつわからないことにむしろ女への信頼を自覚するらしくうっとりと、落ち着きのなかった両の手や足元の仕草を鎮める。きっとそれを見逃さなかっはずの女は、無言で男を見遣る。
「捨ててくるね」
 再び立ち上がったその後ろ姿を男は見遣りながら、もしかしたら自分に注がれかねなかった場面を想像するらしく、沸いた湯の温度とそんな女の魂胆を推して思い遣るものらしく、再びそわそわと両の手と足元を揺り動かす。
 和盆ではないことに、自らの至らなさを思いついたのかもしれない。
 それはお互いに感じたものらしく、ただ男は率直に思い、女は思わせたつもりなのかもしれない、そんな憶測の相違が走らせる緊張か、怯えに近い困惑がリビングを包み、息切れのような閉塞を二人は互いに窺い、扱いかねるのかもしれない。
「注文がすっかり落ち込んでる」
「大丈夫よ。あなたの作品にはあなたの良さがある。きっと伝わるわ」
「そうかな。そうだといいけど、でも自信がないんだ。僕にはまだ早すぎる、師匠の技のすべてを受け継いだとは自分でも到底思えない」
「いいじゃない、それがあなたなら。悩む必要なんてない」
 男は肩透かしでも食らったかのように意気地なく女を見遣る。いつものことだとでも言いたげに女を見遣る。ほとんど羨望に近い怠惰な安堵が漏れ出して見えなくもない。
「それもこれも親父のせいだ。僕を家から追いやって、茶づくりの跡目からも外した。でも君ならわかってくれるだろう、僕は親父が作るお茶が好きなんだ。ずっと自慢だったんだ、わかるだろ? だからせめて」
「わかってる。そのお茶を、あなたが作った茶碗に注ぐ。それはもう目の前にあるでしょ。怯えないで」
「僕と君だけじゃない、世の中に伝わらなければ意味がない。生きていけない」
 適当な量の茶葉をティースプーンで急須に仕込む。茶漉しは施されていない。湯を注ぐと茶葉がぬらぬらと踊り、やがて急須の縁を藻で溢れた沼のようにぐつぐつと満たす。男はその有り様を露骨に不満気に眺め、視線を逸らす。女はまるで意に介さず、蓋をする。
「少し待つの。タイミングがコツなのよ」
 男は子どもじみて不服そうに、蔑ろに頷いて見せる。それでも女は顔色一つ変えず、しなやかな両の手の指先を、一方は急須の手に、もう一方を蓋に添えながらゆっくりとゆらゆらと揺り動かす。目の荒いごわついた生地で出来たランチョンマットは少しもよじれることなくその動作を受け容れる。すべての有り様が女の見込み通りであるらしいことに男は、失望か不機嫌を思いついて隠す気もないらしい。隠すより先走るものを、女はとっくに慣れきったものらしく眺めるのかもしれない。
 


続く

浮離
KD111239171188.au-net.ne.jp

「葉が浮くよ。口当たりの邪魔になる」
「そう? 私は風味を感じるけど。欲張らずにゆっくり注ぐのよ。お茶に混ざるのは細かな茶葉だけ。野生味としてならむしろ物足りないくらいよ」
「日本の文化は丁寧で洗練されたものを好むんだ」
「そうなの。だったら次からそうする。問題ないでしょ?」
 言いながらコツを見せつけるように、女は執念深くか細い湯の注ぎ方で急須から流れ出したがる茶葉を極力とどめて見事に操る。それでも注がれた茶の中で細かな茶葉は舞い踊り、男は不服そうに視線を逸らす。
「素敵な色だわ、この急須。これってあなたが焼いたものでしょ?」
「……師匠だ。僕にはそんな釉薬の色は出せない」
「ごめんなさい。悪気はないの」
「教えてはくれない、見て真似るしかない世界なんだ」
「わかってる。あなたなら出来るわ。ううん、とっくにやってる」
 怯えるように、とはいえ迸るなにかを隠す気こそないらしく女は盆を手に取り立ち上がる。
「淹れ直すね」
「いいよ、面倒だ」
「ダメよ、それじゃ」
 女は明らかな態度で見下ろし、男はその妙な間にえも言われぬ信頼か安堵を思いつくより仕方ないらしく、今しがたまでの不機嫌を易々と柔にひそめる。
 そそくさと立ち去り、突如として鳴り響く。
 女はキッチンのシンクに急須を乱雑に投げ入れ、続けて手にした茶碗で投げ撃つ。一つ、二つ、たったそれだけで確実に粉砕されたそれぞれを恍惚として見下ろす。
「慌てなくていいの。きっと思い通りになるから」
 リビングを振り返った女の頬に、赤いものが一筋滴る。飛び散った急須か茶碗の破片が掠めたらしい。男はそれを直視できず、じっと構えたきりの両の手を、膝を、両足を尚一層揺らす。
「お義父さんだってもうすぐ。根が丈夫なんだよね、もう少し混ぜる量増やすから。きっとすぐだから」
 がちゃがちゃとけたたましく、女はシンクに散らばる破片を素手で掻き集める。少しくらい破片が皮膚に食い込んでも、荒々しく蛇口をなぶり噴き出す水にごしごしと両の手を曝す。シンクに滞留する透明な水にほのかに朱が交わる。徐々にその濃さを増す。
「ああっ、面倒臭い。血が出ちゃった、また血が出ちゃった。ねえ、こんなことばかりしてられないよね、仕方ないけど。どうでもいいけど」
 もぞもぞと忙しく揉みしだく両の手に隠された男の唇がわなわなと震えている。両の手から腕、肩、背中、やがて足元まで伝播する、男はまるで雪山で遭難して凍える登山者のようなその震えにもはや堪えようもないらしく従う。
「大丈夫なのか、僕は。このままで大丈夫なのか、君は。僕は」
「大丈夫。だってなにもないでしょ、全部焼いちゃったから」
 失踪したい人間の理由なんてわからない。それは女の論理で、男にはわかりかねる安堵か宿命らしく蔓延るもはや逃れる術のない震源として男をどこまでも揺らす。
「やりたいことやるなんて簡単。だからあなたはやりたいことをするべきよ。誰かに邪魔されるなんて馬鹿馬鹿しい」
 シンクを激しく叩く水の音に撹乱されながら、男は聞いたのか、聞こえないのか。うずうずと親指の爪を噛み、イライラと床を踏み鳴らす。
「早めにご飯にしようかな。片付けのついでに」
「そんな気分じゃないよ」
 はたと、静まる。
 我に返ったのは男か、それとも女なのか。同時に振り返り、互いを見つめる。
 女は手にした盆でイライラと自らの腿を打つ。男は意気地なく天を仰ぐけれど、そこには見慣れた薄暗い天井しか見当たらない。
「……そんなつもりじゃなかった」
 女はもう一度、さらに強情に腿を打つ。
「どうして。どういうこと?」


 了







またしてもお節介で勝手な改稿すみませんなんですけど、ムカつかないで読み比べてみて欲しいんですよね。
あくまでも原作の舞台に則ってベベっと急いで書いてみたんですけど嫌だしムカつくってことなら別にいいんですけど。


“サイコパス“ってテーマですぐに猟奇的な思考の変調か偏重っていう奇特性を想定したがることに違和感にはないんですけど、その根本をなんと見るか、みたいな些細な着眼か観察の違いを意識したとこあるんですよね。

このお話って、話し相手が“死んでる妻“が“サイコパス“っていうテーマを支えるんですか?
あたしはそうは思わないし、殺したのはその旦那で“サイコパス“も旦那。
そんなお話の世界にあって、“死んでる妻“がバレるかバレないかとか、そのならないためのミスリードが必要だとかって、その観察の視点が創作理解としてすでに間違ってることに当たり前に気付けるべきだと思うんですよね。

“サイコパス“なのは旦那ですよ。
“サイコパス“である原因は“死んでる妻“じゃないことくらい誰でもわかりますよね?

つまり、“小説“ってなに書くの? ってことだと思うんですよね。

先にお話した通り、お話の設計から間違えてる作品には難しいし先走った話かもしれないんですけど、物語としての構成出来不出来以前に当たり前に理解しなきゃいけないことの方がよほど多そうですよね? ってことだと思うんですよね個人的には。
トリックだのミスリード云々とかそんな問題じゃないことくらいそもそもから明らかなはずなんですよね。

そもそも出来てないのに、余計な材料持ち込んで手間増やすからますますおかしくなるってこと、書き手はちゃんと自覚した方がいいと思う。


自分は一体なにを描こうとしているのか? っていう基本的な視座から書き手はわかっていないと思うし、それはここに連なる読み手にこそ言える盲目さっていう恥ずかしさだと思うんです。
客観っていう然るべく働く感性において、読み手がそれにままならないことは余分にまぬけなはずなんですよね実際。
もちろんクレヨンは除いて。


これ、普通に基本的な話してるだけですから。

通りすがり
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雛詩さま「独白」を拝読いたしました。
フォーラムのほうで、ぷりも氏が書ける方だと評しておられて
興味を抱きました。

面白いです。ありがとうございました。
「~だった」「~した」「~である」「~でした」
なんでもいいんですけど、同じ文末が3度続くと、
個人的には(上手ではない、かな)(あるいは、手練れで、なにか効果を狙っているのか?)とチェッカーが作動して、お話、キャラに没入しにくくなります。
冒頭からそれで、(残念ながら、上手ではない~下手)とわかると、
またお話の展開、キャラに戻れます。
そういうのなく、一気にラストまで読みました。
いろいろと、注意、留意しながら書いておられますね。

最初の住宅街の描写が硬くて、すこし退屈かなと思いました。
粗探しですので、ご容赦を。
それで、会話に入る前を、少々、流し読みしてしまったので、
告白を聞いているのは男性かと誤読していました。
取材に来た記者かなー、なんて。ゴメンナサイ。
長くするなら新たな仕掛けも必要でしょうが、短編なら、
閉め切った部屋で始まるのもよろしいかな、と。
夜だから、寒い季節だから、カーテンを閉めてると思ったら、実は、とか。

もうひとつ、
閉め切った部屋で、嗅ぎながら話を聞いて、シチューの匂いも混ざったら、
黙って拝聴していられるものだろうか、と少し?がつきます。
昔、年季の入った一間を物置がわりに借りていたことがあったのですが、
チューチューが出て、あの粘着シートで一匹だけ捕獲できたのですが、
部屋に行ったのが死後数日目くらいだったので、軽く腐敗してたのですが、
チュー一匹でもなかなかの臭いでした。
ましてや人ですよね。
あ、でも、迅速にすべて処理する。業務用の冷蔵庫を購入して、そこに隠す。
なら、臭い問題は解決するかな、と。
知人が、東欧圏だったかな、留学していた時に、政情とかいろいろあって、
本当は禁止らしいですが、みなさん、人恋しいのと退屈なので、異業種交流みたいに
楽しいこともあったそうです。そんなご縁と機会で、モルグを一度だけ見学できた
そうで、すごい死因や状態ではなかったけれど、消毒薬とかいろいろも混ざって、
一生記憶に残る異臭だったそうです。チュー一匹、数日でも、自分も
思い出すとちょっといやですね。
そういえば、小学生の時にクラスで誰かが、水槽ごとカエルの卵を持ってきて、
オタマジャクシが大量に育ってきた頃、タガメを一匹混ぜたら、週末に
全部餌食になって、初夏のあたたまった水温もあり、月曜の朝、教室の中が
下水のにおいになってました。
グロ話が長くなって申し訳ございません。

話がだんだん緊迫してきた時に、鼓動と時計の音を重ねる演出。
うまいと唸りました。

貴志祐介「黒い家」の出だしと結末を思い出しました。
ジェフリー・ダーマーは、部屋に何体も置いていて、アパート全体が
ひどい臭いだったそうですが、古い汚い建物で、麻薬中毒、売春とか
訳ありの人ばかりが住人だったので、クレームがなかったようで。


サイコパスとは関り薄いですが、最近、無性に読み返したくなって、
クトゥルーものの「破風の窓」がはいっている文庫を再入手、再読しました。
魔法陣にきづいて異界を見る話ですが、異界を見る感覚、こちらでも
味わわせていただきました。
「せどり男爵数奇譚」には、バッグではないものを作る一編があります。

他の方も書いておられますが、死体と結婚しないってブラックな
センスが光りますね。次の投稿も楽しみです。

アン・カルネ
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狙いが扉に出ていて「サイコパスというお題出されて」というところで、え? 何々? と思って、開いてしまいました。
「羊たちの沈黙」みたいなの? なんて思ってしまって。
「参考になりそうな書籍などがあれば教えてください。」とあったのでお邪魔しました。

まず私は「サイコパス」って聞いて真っ先に頭に浮かんだのが「羊たちの沈黙」のレクター博士みたいなの? と思ってしまうくらいサイコパスのことを知らないので、一応、雛詩さんの作品を読んだ後に、ネットでサイコパス、さらってみました。
で、そこで、ああ、こういうのでいいのかもしれないな、と思ったのでそのことを感想に変えさせてください。
水谷心療内科の院長 水谷雅信先生の「私たちの身近にいる人格障害、「マイルド・サイコパス」に書かれた内容が参考になるのかも、と思った為です。

サイコパスの特徴にあげられる「良心の欠如」はよく知られたところだと思うのですが、記事で、私がなるほどなあ、と思ったのは共感には「認知的共感性」と「情緒的共感性」の2つがあるというところです。
「認知的共感性」とは「頭で考えて理屈で共感するだけ」。理屈による理解のことを指し、『理屈ではわかったけれども、同情して涙が出てくるようなことなどは一切無い「共感」』ということだそうです。
逆に「情緒的共感性」というのは、例えば映画などで登場人物に感情移入し、ドキドキハラハラしたりする、あるいは『他人の体験を見聞きして泣けてきたり怒ったりする共感』のことなのだそうです。
そして、サイコパスの人には「認知的共感性」はあっても「情緒的共感性」がないことが特徴なのだそうです。
また、知能の高いサイコパスは「情緒的共感性」がなくとも『「認知的共感」で相手の心理を理解して、推測することができる』のだそうです。
こう聞くと、なんか、ああ、周りにいるわーって思ったりしません?
ちょっと前に流行ったドラマで「あんたAIなんすか、夫GPTなんすか」って台詞あったけど、まさにそれだわ的な人、いますよね。別にDVとか犯罪行為に手を染めてなくとも、「他者の気持ちに共感する、とはどういうことか」を体得出来てない人はいるわけで。
そう思うと、このお題を出してきた人、ちょっと怖い。なんて思わされたりして…。
自分が「認知的共感性」しか持たない人間なのか、それとも「情緒的共感性」を持った人間なのか、そういうことを考えさせられると、なんか自分で自分のことが心配になる…。

あとは、これもある作家さんが「人生とは実社会のなかで展開しうるものであり、作家はそんな人生を書かねばならない」そして「見ていないことをまるで見てきたように書くことはできるかもしれないが、それはまともな原稿にはならない」と書いていて、何故かと言えば「筆者が見ていないものは現れない」例え小説内の世界がファンタジーであっても「そこで描かれるべき実社会と人間ドラマというものは、それを見たことがない人間には書けようはずもない。」と書かれていて、これは本当にそうだなあ、と思わされたからなんです。
心情のアリティというのはそういうことなのかもしれないな、と。
で、作品に関しては、さらっと読めて、ラストにブラック的な笑いを覚えました。
でもやっぱり一番、気になるのはお友達の「サイコパスをお題」にした底意の方かな…。

アン・カルネ
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心情のリアリティ、です。ごめんなさい。

雛詩
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クレヨン様、感想ありがとうございます。
おそらく、私にはこういった系統の話が向かないのかもしれませんね。
ただ、苦手だからこそチャレンジし、そういった場で評価してもらうのは貴重な体験です。
いつか克服したいものですね。

雛詩
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神楽堂さん、感想ありがとうございます。
大変参考になります。
仰っている通り、話し相手が死体かどうかは私自身そこまで深く考えておらず、オチで驚いてもらえたらなぁというのが大半です。
それと、前半でシチューを食し、後半でそれが人肉——それも妻であると明かす。
シンプルで王道なアイデアですが、なぜ私から出てこなかったのでしょうか?悔しさもあり、自分の未熟さに対する不甲斐なさもあります。
本当に参考になりました。いや、もう本当に。
ありがとうございます。

雛詩
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浮離様、感想ありがとうございます。
私の読解力のなさですかね。ごめんなさい、どういった意見なのかがほとんど把握できませんでした。自分の未熟さにうんざりします。
改稿された小説の方ですが、拝見させていただきました。自分にはない表現が多々あり、大変勉強になりました。参考にさせていただきます。

雛詩
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通りすがり様、感想ありがとうございます。
ぷりも様が私の文を評価してくれたようですね。驚きました。ありがたいです。
死体の臭いですが、やはり強いのですね。「作家は経験したことがないことを書けない」とはよく聞きますが、全くもってその通りなのだと身に染みました。
実のところ人生経験が浅く、知見もそこまで深くないんです。他の作家さんに比べてそのアドバンテージのなさを埋めるには、やはり歳を重ねていくしかないんですかね。

雛詩
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アン・カルネ様、感想ありがとうございます。
「認知的共感性」と「情緒的共感性」の話、大変勉強になりました。サイコパスを題材に書くにあたって、一度インターネットで調べるべきでしたね。反省です。
友人がサイコパスをお題に出した理由は私の推測にしかなりませんが、「こういう題材が苦手だろうからチャレンジさせてやろう」か、「最近PSYCHO-PASSのアニメにハマり、面白い面白いとしつこいくらいに言ってくる」のどちらかですが、おそらく後者でしょうね。

クレヨン
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 雛詩さん、まずは返信ありがとうございます。

そのうえでひとつ、訂正させていただきたいのですが、ホラーは向いてない、って言ったわけじゃありません。ユーモアのセンスがあると言ったんです。ホラーは誰でも努力すれば書けます。そして、雛詩さんは、人よりユーモラスなセリフを書くのがうまいんです。

 自分の得意なものや長所から目をそらさないでください。それをやっちゃうと、何を書いていいかわからなくなってしまいます。

 小説ってゴールもスタートもない、白紙から始めるじゃないですか。だから苦手なことをつぶしたり、問題点をつぶしたりしても進まないんです。小説の面白さには正解も間違いも限りなく存在するから、いずれ八方ふさがりになるだけなんです。だから、いろんな面白さがあるってことを理解して、自分の好きなことや得意なことを広げていったほうがいいんです。
 
 そのうえでひとつ、質問します。ホラーでもなんでも書けるようになって、上手な文章が書けるようになって、なんでも書ける人間になったとして、何を書くつもりなんですか? 
 
 返信はなくても構いません。答えは雛詩さんだけが知っていればいいですし、かなりぶしつけなことを聞いてしまったと思っていますから、答えを求めるつもりもありません。

通りすがり
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雛詩さま。返信ありがとうございます。

「作家は経験したことがないことを書けない」、ドキッとしますよね。
でも、故・渡辺淳一だったかな、そういう事を座談会で話していたけれど、
(おや、こんな体験なさってないですよね。なのに書いてるぅ)と思ったり、
別の方もそんな発言をなさってましたが、その後、時代小説を発表なさったので、
(おや、タイムマシンがあるのかな。乗せて欲しいナ。わたしをスキーに連れてって、
じゃなくて、連れてってくれるなら、場所、時代、どこでもいいっす)とか思いましたよ。
男性の作家とか、豊富な異性体験をちらつかせる、あるいは、ひけらかす時に
よく言ってる感じがします(笑)
いまは、ネットのおかげで、体験と未体験の間隙を埋めることが、かなりのところまで
できます。昔だと、マスコミが、(こんなノリで書いて、こんな風にしめよう)と
最初から、演出意図があって、最初からフィルターかけられまくりだったのが、
つたなくて、誤字や、語彙の誤用があっても、事件の当事者による発言に触れることも
できます。
SNSはやってないのですが、toggetterまとめサイトとかうっかり見はじめたら
面白いのなんの、ですね。2ちゃん5ちゃん、ガルちゃんとはまた違う面白さ。
ネットのおかげで、遠方の方とコンタクトして、取材できる範囲も広がっていると
思います。売れっ子作家が「〇〇を題材にしたいな」と編集者に頼んで、
取材対象をセッティングしてもらうより、無名時代に自分でコンタクトして調べ上げた
作品のほうが、現実に忠実で、面白い、ということが十分ありえる時代です。

こちらは、他の方のもコメントも大変面白く、得した感じです。ありがとうございます。

通りすがり
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toggetterではなく、togetterでした。お恥ずかしい。
英語と日本語ができたら、世界中の文献のほとんどに触れられるそうなので、
英語に初歩から取り組みたいと思いながら、怠惰な日々を過ごしてしまっています。

夜の雨
ai226055.d.west.v6connect.net

「独白」読みました。

「サイコ」が題材になっている小説にしたら創りが甘いかなと思います。
ウィキペディアで調べてどんなことが「サイコパス」なのかをイメージして、それで妄想をふくらまして描くとよいのでは。
こういったサイコパスの話はミステリーとかサスペンスのようなものが同居していると思いますので、話の設定は練り込んだほうがよいですね。
御作は夫が死人の妻を前にして読み手に話をしています。
このあたりにひねりをかけて、「夫が妻を殺してその死人を前に話をしている」「のではなくて」、逆バージョンとかにすると、それがわかったときに怖さが出ると思います。
妻が夫を殺しておいて、その死んでいる夫を装って対話している。
もちろん自分の服装とかも妻が夫を装っているのだから男装をしていて、夫には女装をさせているとか。
それから一人二役をしていて会話を重ねている。
リアルティーを出すためにときどき「(ぶち)切れる」とか。
「怨みごと」とか、いろいろしゃべらすと面白くなると思います。
それと妻が一人二役で殺した夫を前に会話をしているのですが、その途中でスマホの電話がかかるとか。
このときに緊迫感が出る。
夫と話がしたいとか言うので、妻が亡くなった夫の声色を使って相手と話す。
またはその逆とか。
電話を掛けてきた相手は近頃主人公宅が留守のようなので、もしや事故でも起きたのかと心配してかけてきた。
または「殺されるかも」とかの話を夫婦のどちらかがしていたとか。
相手との会話が終わるとニヤリとする。
こういった会話などでもきわどい話をさせると緊迫感が出て面白くなります。

ラストで妻が正体を現わす。


とにかく「サイコパス」がどういったものなのかを調べてから書くとよいのではありませんかね。


お疲れさまでした。

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基本的に、「三人称小説」ではどの登場人物も語り手ではないため、「信頼できない語り手」の手法は比較的使用されにくい。すなわち、「一人称」であってこそ成立し得る手法とも言えます。三人称で描く場合は、読者に対し相当な配慮が必要となる。
この作品は三人称神視点の描き方になっている為、信頼できない語り手が作中に「二人」存在していることになり、純粋にフェアではなのです。

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>そういうのなく、一気にラストまで読みました。
いろいろと、注意、留意しながら書いておられますね。


通りすがりさんは何を読んでいるのかな?
冒頭から重複が気になりませんか?


> 関東と言えど、都心ほどの栄えは見せていない立地に、ぎこちなく腰を据える住宅街。
 多少の差異はあるものの——しかし横目で流すならば同じ《ように》しか映らない、似た《ような》背格好の家が遠慮し合う《ように》肩を寄せてズラリと並んでいる。

雛詩
g210002250088.d111.icnet.ne.jp

夜の雨様、感想ありがとうございます。
妻、もしくは夫が殺した相手を演じて一人二役の会話劇が続く——とてもゾッとしました。素晴らしいアイデアだと思います。
こういった発想が出るのは羨ましい限りですね。夜の雨様のアイデアの方が『独白』というタイトルともマッチしていますし。
自分の未熟さを痛感しました。精進して参ります。

雛詩
g210002250088.d111.icnet.ne.jp

凪様、感想ありがとうございます。
冒頭の重複の件、お恥ずかしいかぎりではありますが指摘されるまで気づきませんでした。
やはり自分の作品は第三者から評価されるまで、その欠点に気付きにくいものですね。
『他人の作品を好評するかのような冷静な視点』を自分の作品に対しても持てるよう、努力します。
小説に限らず創作活動全般において、厳しい意見がなければ成長できないものです。なぜなら自分の作品は子供のようなものなのですから。自分の子供の粗を自分で探すなど、絶対とは言わないまでもかなり少数派なのではないでしょうか。
だからこそ、冷静な視点による評価が必要なのだと私は思います。
とてもありがたい意見、しかと受け取りました。
青臭い若輩者ではありますが、また機会がありましたら感想の方よろしくお願いいたします。

通りすがり
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たびたびお邪魔いたします。

凪さんの精読、すごいですね。

冒頭は、最初のコメントで白状いたしましたが、
(描写が硬め、退屈かな)と思ってしまったので、
流し読みしてしまい、な、なんと今、再読して気づいた次第です。
文中に繰り返しが続いておいでなのは、ほんと意識してませんでした。
文末チェックだけでなく、文中も丁寧に読まないと、ですね。反省。

おかげで、また面白く再読できました。
異臭の少しあとで、罪を告白すべく、では、手の内をはやく明かしすぎて、
なんだか、もったいないかなと。
告白、打ち明け話ではいかがでしょうね。会話の中で「後悔」とあるので、
それだけでも引っ張っていけるかもしれませんね。
夜の雨さんの提案も、新たな怖さにつながりそうで。
茶碗とか、黒いユーモアと並立しながら、さらに深みと怖さを出して長くできるのでは?
再投稿でも、新作でも楽しみです。

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