作家でごはん!鍛練場
枝豆

あの暖かさが心地よかった

 春の陽光が冬の終わりを告げるように暖かな季節を演出した。
 目映いほどの青は時々雲をまぶしながら大空を爽快な色に染め上げている。
 雑木林の隙間から二羽の鳥が片方が片方を追いかけるように飛び立った。
 広い草原の片隅に咲いたゆらゆらと揺れるたんぽぽの綿毛たちは止まり木を失い、風に乗せられどこかへと旅立っていく。
 その様はいつまでも同じところには留まってはいられないことを示唆しているようにも感じれた。
 瞼を閉じればあの頃の思い出が輝かしかった日々が鮮明に浮かび上がる。

 先輩との出会いは三年前の春にまで遡る。入学式を終えた放課後、どんな部活があるのか知りたくて校内を散策していた時のことだ。
 部活の勧誘もなくなり、行き交う生徒がすっかり見られなくなった東棟の渡り廊下。なんとなくで歩いていた私はそこに迷い込んでいた。 突き当たりまで行ってそこでUターンする。マップを埋めるゲーム感覚でそんな漠然とした考えがふと湧き上がっていた。
 終着点に差し掛かると耳元に誰かの声とギターの音色が聞こえてきてドキリとした。こんなところに人がいるなんて驚きだった。
 ただもっと驚いたのは演奏されてる曲は私の良く聞く洋楽で、あまりメジャーなものではないにも関わらず、まさかここで聴くとは思っていなかったからだ。
 紡がれる歌詞に乗せたひとつひとつの思いが扉越しに伝わってくる。そのメロディをもっと身近に感じたくて、目の前の一枚の木の板が邪魔に感じれて夢中で引き戸を引いてしまう。
「あ」
 私の鳴らしてしまった無粋な音によって、演奏は中断され、代わりに椅子に腰掛けギターを手にした演奏者からは不審な目を浴びせられることになる。
「演奏の邪魔しちゃってすみません! あまりに綺麗な歌声が聞こえてきたものですから!」
 大慌てで弁解する私をまん丸な瞳でジッと見つめる彼女。しばらくすると彼女はこくりと頷き口を開いた。
「そ。ありがと。邪魔だから出てってくれない?」
 素っ気ない態度に愕然とするが、邪魔をしてしまったのは事実なので何も言い返せない。それでもなんとかここに居座る理由が欲しくて自分も知ってるんだとアピールすることにした。
「この曲ってジェレミー・ザッカーとチェルシー・カトラーのbetter offですよね!」
 再び弦を弾こうとした彼女の手がピクリと止まる。
「知ってるんだ?」
「はい!」
 そこで初めて彼女は私に興味を持ったかのような顔になり、暫く私たちは意気投合して語り合った。
 彼女の名前は楠木 楓というらしく、私より二個上の三年生の先輩だった。
 どこか影のあるクールな人かと思ったら、音楽のことになるとすごい熱量をもって語り出したものだから最初は驚いた。
「よかったらさ、この曲も聴いてみてくれない?」
 奏でられたメロディはどこか切なくてしんみりとしていた。歌詞もそれに沿った辛く悲しげなもので何かに縋ってるようにも感じれた。そして最後はそれでも前を向いていこうという気持ちにさせてくれる曲だった。
「はじめて聴く曲です・・・・・・なんていうんですか?」
「題名はないよ。ただその時の気持ちを歌詞にしただけだから」
「自分で作ったんですか!?」
「うん」
 さも何でもないように先輩は頷いたが、その歌はとても完成度が高く、何も知らず聴いただけではプロが作詞作曲したかに思えるほどのクオリティだった。
「すごいですよ! 先輩ならプロになれますよ!」
 私の言葉にはにかみながらも先輩は「一応、目指してる」と小さな声で言った。
「わたしね、自分の歌ですこしでも多くの人を笑顔に出来るようにしたいんだ」
 気恥ずかしくしつつも将来はどうしたいかと語る先輩は、しっかりとした目標をもっていて、まっすぐ目を向けてる姿はとてもかっこよく映った。
 先輩の使ってる部室は元はオカルト研究部という名前で使わせて貰っていて、ほかの部員は名前だけ借りて顔も出さないため、実質先輩一人の部活のようだった。
 そして私が先輩のいるオカルト研究部に入ることはとても自然なことだった(理由は不純だが)。
 私たちはお互いのことをよく話した。何が好きとか、何の曲を良く聴くとか、好きなバンドはどこかとか。不思議なほど嗜好は一致して話題はいつもかみ合った。
 どうしてそんなに音楽に熱意を持てるのか聞いたことがある。
 なんでも先輩には病気がちの燕という名前の妹がいたらしく、歌もその子に聞いて貰うために始めたらしい。いたらしくというのも、妹さんは去年亡くなったそうだ。
 ならどうして今も歌ってるんですかと訊こうとして、そういえば前に言ったことを思い出した。先輩は今も追いかけてるのかもしれない。
 季節は移って秋になった。
 先輩は部活を引退したあとも、私がいるからと週に一回程度は部室に通ってくれた。
 週に一回と言わずに土日を除いて毎日来てくれてもいいのにと思ったりもした。
 先輩は卒業したら、プロになるために東京に行くと話していた。いつかは遠くに行ってしまうことがわかって寂しかったが、先輩の夢だから素直に応援した。
 そうして卒業を間近に控えた頃、屋上にて。
「私ね、やっぱり東京に行くのやめようと思う」
 先輩の口からなにげなく放たれた言葉に私は耳を疑った。
「だってほら、私レベルの人って世の中腐るほどいると思うんだ、だからここらで現実見ておこうかなって」
 急すぎる宣告になにも言えずにいると取り繕うように先輩は続けた。 正直嬉しかった。大好きな先輩がこの先も私のそばにいてくれるんだと思えたから。でもそれ以上に何かを押し殺してまで言い訳をする先輩がいたたまれなかった。だから私は・・・・・・
「それに気づいたんだ、私、貴女のことが・・・・・・」
「・・・・・・ないで」
「え?」
「ふざけないでください!!」
 先輩はなにか重要な告白をしようとして、私はそれを遮った。
「なんでヘラヘラして、そんな簡単に自分の大切な思いを捨てようとしてるんですか!その程度だったんですか!先輩の夢ってもっと重くて大事なものだったはずでしょ!いつも言ってたじゃないですか、将来は一人でも多くの人を幸せな気持ちに出来る音楽を作っていきたいって!好きだったんですよ、そんなこと言って照れくさそうにする貴女が。大好きだったんです、誰よりも熱意をもって真剣に夢に向かって走って行こうとする貴女の姿が。壊さないでください!私に夢を見させてくれた貴女がそんな言葉で私の大好きな人の夢を終わらせようとしないでください!」
 無意識だった、あふれ出る感情の洪水によって出来た波が私にありったけの思いを先輩にぶつけさせた。
 先輩は口を軽く開いて閉じては何かを伝えようとしてるが、それは音にならずに私の耳元には届かない。
 瞳孔は不規則に揺れ動いて先輩の気持ちを代弁してるようにも感じれた。
「こんな様子じゃ死んだ燕ちゃんも浮かばれませんよ。あーあ、こんなお姉ちゃん見たくなかったって、きっと今頃嘆いてるだろうな。可哀想に」
 それは先輩の前では決して言ってはいけないことだった。瞬間、熱が冷めて、しまったと後悔する頃には頬に熱い刺激が訪れていた。
「燕は関係ないでしょ。いくら紗奈ちゃんでも言っていいことと悪いことがあるよ」
 冷ややかな声をもって告げる先輩の顔は今まで見せたことのない冷徹さを帯びていた。 
 私がどれくらい大きな地雷を踏み抜いたかを判断するにはそれだけで十分すぎた。
 謝罪をしようと口を開けるが、自分が先刻言ってしまったことへの罪悪感と初めて向けられた先輩からの敵意に呂律の機能が正しさを失っていた。
 早く謝らなきゃと思えば思うほど思考はヒリヒリとした頬の痛みも相まってぐちゃぐちゃにかき乱されていく。
「叩いたりしてごめんね、さようなら」
 自分が起こしてしまった事態を収めたくて内心四苦八苦していると無情にも幕引きの言辞がかかる。
 先輩はこちらにはもう目もくれずスタスタと屋上から出て行ってしまった。
 その日の夕焼けは溺れてるように見えた。
 
 風の噂で聞くとあれから先輩は卒業した後、上京してメジャーデビューを果たしたようだった。いまや楠木 楓という名前を知らない若者はいないくらいという人気ぶりだった。
 先輩は前に進んだ。私だけがあの頃に取り残されたまま今も彼女の思い出に縋っている。
 そろそろ私も前を向くべきなのかもしれない。彼女があの日歌ってくれた歌に勝手に題名をつけて私は口ずさんだ。
 

 
 
 
 
 
 
 

あの暖かさが心地よかった

執筆の狙い

作者 枝豆
fp276e74bf.stmb003.ap.nuro.jp

もう少し長く書きたかったのですが、どこをどう肉付けしていいのか分からず、半端なものができてしまいました。
設定は個人的には好きなのですが、もっと設定を加えるなら何がいいんでしょうか?教えてください。

コメント

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

読ませていただきました。
おもしろかったです。

>どこをどう肉付けすればよいのか
>もっと設定を加えるには

ですね。

①登場人物はなるべく冒頭で明確に
この物語は場面描写から始まっています。
作者は、登場人物について当然イメージがありますが、読者の頭の中は始めは真っ白です。
なので、読者は読んでいきながら少しずつ、人物などを想像していくことになります。
冒頭の場面描写は美しいとは思いますが、正直、これは誰目線なの? と思ってしまいました^^;
>先輩との出会いは三年前の春にまで遡る。
ここまで読んでやっと、語り手の情報が明かされます。
ちょっと遅い気もしますが、ギリギリでもあります。
あと、私が読み落としていたら申し訳ないのですが、
物語の後半で
>いくら紗奈ちゃんでも言っていいことと悪いことがあるよ
この紗奈というのは語り手のこと??? 女性???
とびっくりしました。
なんとなく勝手に男子学生のイメージで読んでしまっていたので^^;
物語の後半でやっと主人公の名前と性別が明かされるというのは……
叙述トリックでもあるまいし、ちょっとこれはないかな、と。

②人物の行動をもって、性格などの設定を明かす
主人公がリア充で友達といつもべったり行動しているキャラであれば、先輩とは出会っていなかったでしょう。
部活の勧誘を受けていたにも関わらず、どの部にも入らず、ふらふら歩いて塗りつぶしゲームのように校舎を徘徊する主人公。
このあたりの設定は、もっと深めることが出来そうです。
なぜ、部活の勧誘を断ってきたのか。
なぜ、一人でこんなことをしていたのか。
このあたりを肉付けしてみると、主人公のキャラが明確になっていきます。

③出会いの演出
>先輩の使ってる部室は元はオカルト研究部という名前で使わせて貰っていて
物語中盤で明かされる事実ですが、この設定はもっと生かせます。
もっと早く、この場所のことを明かしましょう。
はじめは、学校の怪談風に、どこからか音楽が聞こえてくる。
それはどうやらオカルト研究室かららしい。
私は興味を持ってこの怪奇現象を調べてみた。
こんなシチュエーションで先輩と出会っていてもよかったかもです。
ここまではしないとしても、オカルト研究室の近くはオカルトっぽい雰囲気になっていて、そんな中で一人演奏している先輩が、はじめは不気味に思えた、幽霊かと思った、みたいな肉付けもいいかもです。

④ツンデレは丁寧に描く
先輩はツンデレ風のキャラのように思えました。
ツンデレとは、始めはツンツン、後からデレデレ、という意味ですが
(もっとも、最近は性格に二面性があり自分に素直になれない態度をとる人、という意味に変化している気もしますが^^;)
この先輩、「ツン」から「デレ」までが短すぎます(笑)

ツン
「そ。ありがと。邪魔だから出てってくれない?」
デレ
「わたしね、自分の歌ですこしでも多くの人を笑顔に出来るようにしたいんだ」

この間、わずか数行。
変化が早すぎますw
夢を語るって、確かに気恥ずかしいです。
なので、もっと心を開いてからもよいのでは?
しばらくは先輩に「ツン」でいてもらいましょう。
先輩に冷たくされても冷たくされても、なお、先輩の演奏を聴きに毎日通う。
そして、先輩も主人公がなぜ毎日聴きに来るのかが分かり、ツンから少しずつデレへと移行する。
こんな感じでどうでしょうか。

④作品を書き終えたら「伏線」を貼りに行こう!
作品を書き終わってから公開するまで間、伏線を貼ることができないかどうか、再度検討してみましょう。
重要な要素が中盤に出てくる場合、その要素の伏線を序盤に貼ってみましょう。
例えばこの物語では「先輩の妹」が重要な要素であるにも関わらず、その存在は中盤以降にやっと明かされます。
こういうのは伏線にしやすいです。
冒頭で先輩が身に付けている何かのアクセサリーなど。
主人公は気になるけど、そのことについては突っ込まない。
で、後から、それは妹からもらった大事なものだった、みたいに明かされることで、
物語の序盤から妹が存在していたかような感じを演出できます。
物語を読み返して、ここはあとから降って湧いたような設定だと思われてしまうかな、という箇所がある場合、伏線を序盤に貼りに戻るといいです。
読者は後出しで情報を出されるとおもしろくないですし、ご都合主義と思う読者もいるかも知れないからです。

⑤大成功エンドは避ける
先輩はラストで、メジャーデビューしています。
物語を締めるためにこうしたのだと思いますが、ちょっと安易かな、と。
物語を読んでいて、正直、この先輩が将来メジャーデビューできる要素はどこにも書かれていなかったように思います。
主人公から見て、いいな、と思われていはいましたが、この後先輩が努力して大成功しました、はあまり納得できる結末ではありません。
>先輩は前に進んだ。
とあるので、前進は数歩でよいかな、と。
例えばですが、最近は動画投稿サイトがブームですので、
そういった方面で先輩が注目されるようになった、
くらいの「小成功」でもいいかもしれません。
むしろ、その方が先輩もさらに成長できる余地がありますし、未来のあるエンディングになると思います。
で、そのサイトのコメント欄に、
この曲初めて聴きました。いい曲ですね。
みたいなのが投稿されていて、先輩が、
この曲は私が高校生の時……
みたいに、主人公とのエピソードをこっそり語っているのをたまたま目にするとか。

と、いろいろ書いてしまいましたが、
物語全体としては、私はおもしろいと思いましたし、
肉付けする余地もいろいろとある作品のように思いました。
作品を読ませていただきありがとうございました。

偏差値45
KD106180001017.au-net.ne.jp

>もう少し長く書きたかったのですが、どこをどう肉付けしていいのか分からず、半端なものができてしまいました。
設定は個人的には好きなのですが、もっと設定を加えるなら何がいいんでしょうか?教えてください。

個人的には最初から長さを考慮して作るので、長くする発想はなかったですね。
むしろ、カットすることを考えます。読者に余計な文章を読ませたくないですからね。
物語には適正サイズがあると思うので、長くても短くても良くない気がします。
ふつうに書いて、ふつうに出来たものがこれが最適な長さかな。そんな気がしますね。

そういう意味で、僕なら冒頭の六行ぐらいはカットしたいですね。
あってもなくてもどうでもいい気がしましたね。
あえて言えば、明日になれば忘れるような内容ならば、なくてもいい。そういう気持ちになります。

>「燕は関係ないでしょ。いくら紗奈ちゃんでも言っていいことと悪いことがあるよ」
これは先の感想者も述べているようで……。
男性として読んでいたので、ああ、女性だったんですね。
言わば、男性視点での女性の先輩への性的な魅力があるのかな、と勝手に想像していました。
簡単に言えば、ミスリードを誘発させているので、良くないかな。

で、もう一つ気になったことは、これは大学なのか、高校なのか。
>オカルト研究部
とあるので、大学らしいのですが、確証はなかったですね。

>風の噂で聞くとあれから先輩は卒業した後、上京してメジャーデビューを果たしたようだった。いまや楠木 楓という名前を知らない若者はいないくらいという人気ぶりだった。

ラスト。小説としてのまとめ方としては悪くはないです。
僕も似たような展開にするしかなかったかも。
とはいえ、あとはなんらかの理由で先輩をお亡くなりにさせるくらいかな。なんて思ったりして……。

枝豆
fp276e74bf.stmb003.ap.nuro.jp

神楽堂様
読んで頂きありがとうございます。
冒頭の場面描写は最近ノルウェイの森を読みまして、それに触発されて書いてみました。
確かに冒頭で場面描写するくらいならもっとわかりやすく登場人物を書いた方がいいなと思いました。

キャラの設定とかや行動も、なるほどそうやって明確にしていくんですね。参考になります。

先輩との出会いの演出もオカルトチックさを利用するのもいいですね。

ツンデレは確かに早過ぎました。ツンからデレがもうほんとに早すぎました。ほんともう何も言えないです。
本当なら神楽堂様からアドバイスされてる通り時間をかけてお互い仲を深めるパートを入れたかったのですが、私の想像力がいかんせん足りず、変化の早すぎるツンデレと化してしまいました。

伏線の貼り方についても教えてくださりありがとうございます。アクセサリーを身につけさせる発想はありませんでした。
くまのストラップとかもいいかもしれないですか?ちょっとそこらへんも付け足していこうと思います。

メジャーデビューはやりすぎましたでしょうか?上京したらプロとして活躍するって発想は確かに安易でした……
でもなるほど動画投稿サイトのコメントで主人公と結びつけるってなんかいいですね。
それも加えたいと思います。(もしかしたら少し加えられたら加えてみるかも?)

私としてもなんかこの物語あったらいいなとふと思い立って書いた作品なので荒削りすぎましたが、少しでもお楽しみいただけたのであれば幸いです。
コメントを読んでる時なんだか小説執筆講座を受けてるみたいでワクワクしました。
改めてご指南いただきありがとうございました。

枝豆
fp276e74bf.stmb003.ap.nuro.jp

偏差値45様
読んで頂きありがとうございます。
冒頭の6行はちょっと遊び心と言いますか。ある作品に触発されて下手なりに真似て書いてみたものなのですが、確かにいらないといえばいらないですよね。結構お気に入りなので消したくないといえば消したくないです。
ごめんなさい。
ただそのままというわけにもいかないなと思ったりするので、もっと手を入れて多少マシになるくらいには仕上げたいと思います。

登場人物の性別はもっと明確にする描写が必要ですよね、すみませんだいぶ迂闊でした。

あともう一つごめんなさい。大学か高校だいぶあやふやな表現をしてしまいましたが、高校です。

ラストの展開について悪くないと言っていただきありがとうございます!
無理矢理終わらせたって思われるんじゃないかと考えたりもしたのですが、私の杞憂でした。

ここだけの話ですが、実はもう一つ考えてた展開がありまして先輩がテレビの生放送のインタビューにて、あの時主人公が自分を叱ってくれたから今こうしてこの場台に立つことができたんだみたいなことを言ってる時、最後にテレビ越しで、先輩を見れて満足した主人公はその言葉を聞くことなく首を吊って亡くなるみたいな謎展開にしたかったりもしたのですが、死なせるのは可哀想かなと思いやめました。(あとやっぱり謎展開なため

改めてご指南いただきありがとうございました。

夜の雨
ai193023.d.west.v6connect.net

「あの暖かさが心地よかった」読みました。

御作は主人公が「楓」の方が作品としては創りやすいですね。
人生の目的があるので。

「紗奈」のほうは目的が描かれていないので、平凡な人物という事になります。
紗奈が主人公で描くのでしたら「オカルト研究会」で楓が歌を唄っていたが、実は彼女は亡霊だったとか。
夢半ばで亡くなっていた。
これなら楓がどういった存在なのかを知り、紗奈の立場からその顛末を描けますが。
『牡丹灯籠』という怪談譚がありますが、こちらの作品は亡霊に魅入られた男の話になっています。
御作も「紗奈」が「楓」の歌をほめたことで彼女に魅入られたという展開にすると話はまとまります。
方向としては、周囲の者を巻き込んで楓を成仏させるという話。
「燕」が妹で亡くなったという話は嘘で実は生きているとか。楓が夢半ばで亡くなっていたとか。
なのでラストは燕と紗奈が楓を成仏させる。
この手の話は怪奇譚としてはありふれているかもしれないですが。

「楓」を主人公にする場合は。
東京に出てからのその後は、複数のパターンがあります。
音楽関係のプロダクションに入りメジャーデビューできるかもと思ったところが、関係者に体の提供を望まれたとか。
それで断って、才能をつぶされたとか。断るときに相手の頬を張ったとかにすると、紗奈の頬も張っているので、同じ殴るにしても、意味合いが真逆になるので深くなるかなと。

まあ、体を提供したあとも、結局、才能がある者はいくらでもいて一、二曲は名前が出るような歌を唄えたが、そのあと鳴かず飛ばずで、つぶれたとか。
ほかにも東京でイケメンのワルに引っかかって男と一緒に生活しているとか。

そういったどん底の生活から自分の才能を信じて動画サイトにオリジナルソングを流したところ、受けて、再生回数が増えたとかで夢が前へ進む。
後半で紗奈と再会する場面を作ると話としてはまとまります。


ということで、御作はどちらかというと「楠木 楓」の立場から物語を創ったほうがやりやすいのでは。

それでは頑張ってください。


お疲れさまでした。

枝豆
KD106155001071.au-net.ne.jp

夜の雨様
読んで頂きありがとうございます。
言われてみれば「紗奈」のほうはちょっとキャラとして弱いですね。
あまりパッとしませんし、おっしゃる通り何か目的を持たせればよかったなと感じました。
「楓」が実は死んでたっていう路線もいいですね。
そうすればもうちょっと「紗奈」もイキイキするかなと思いました。

「楓」を主人公にした場合の選択肢をご提示してくれてありがとうございます。
確かに芸能界や東京ってそんな甘い世界ではありませんもんね、一度主人公を不幸にしてから成功させていくのはヒューマンストーリー味があってなんだかいいですね。
そっちの方が今より面白くなるかも?です。

改めてご指南いただきありがとうございました。

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