作家でごはん!鍛練場
神楽堂

線香花火

《駿佑が見た線香花火》

線香花火が落ちる前に、俺は告白する。

最後の一本になった。
火をつけて、そっと線香花火を持つ。
俺の手は震えていた。
俺の向かいには、かわいい美和子(みわこ)がいる。
美和子も線香花火を手に持っている。


ちりちりちりちり……


線香花火はかすかに音を立て、火花を散らしている。
夏は終わってしまう。
この火が落ちる前に、俺は美和子に告白するんだ。


ちりちりちりちり……


俺は呼吸を整える。


ちりちりちりちり……


線香花火は今にも燃え尽きそうだった……


俺は意を決し、美和子の顔を見つめる。



「俺と付き合ってください」



美和子は言った。

「はい。よろこんで」


* * *


こうして、俺は夏の終わりに、憧れの美和子と恋人同士になることができた。

「ひと夏の恋なんて、すぐに終わってしまう」

そんな風に言う人もいるらしいが、俺はこの先もずっと彼女と仲良くしていく。
そう決意していた。

* * *

秋の風が心地よい。
彼女との交際も順調だ。

冬が始まる頃、同棲を始めた。
狭い部屋ではあったが、俺たちは幸せだった。

* * *

春になった。
去年、美和子と花火をした公園で彼女にプロポーズした。
桜は満開だった。

もとより、お互い結婚を前提とした交際のつもりだった。
彼女はとても喜んでくれた。
桜の花も俺たちを祝福してくれているかのようだった。

所帯を持つんだからしっかり稼がないと。
俺は仕事に邁進した。

しかし、仕事はうまくいかなかった。
失敗が続き、給料が減らされた。
このままでは結婚なんて無理だ。
しかし、頑張れば頑張るほど俺の努力は空回りし、会社に損害を出し続けてしまった。
上司から病院を受診するよう言われた。

* * *

診察の結果、うつ病と診断された。
会社は休職となった。

彼女に謝った。
結婚するって約束しておきながら病気になってしまった。
傷病手当金は、給料の3分の2だ。
生活は当然、苦しくなった。

それでも、彼女は別れようとはせず、一緒に生活してくれた。
俺を支え続けてくれた。

「ごめん」

毎日謝り続けた。

「|駿佑《しゅんすけ》くん、謝らないで」

彼女は言ってくれた。
それでも、俺は自分の不甲斐なさに打ちのめされていた。

* * *

夏がやってきた。
俺は日々の生活を送るのにも難儀していた。
気分転換に散歩に出てみた。

ここはどこだろう……

いつの間にか、知らない土地にいた。
もうすぐ日が沈む。
通りすがりの人に聞いてみた。

「ここはどこですか?」

「大丈夫ですか?」

その人は携帯を取り出すと、どこかに電話をしていた。
しばらくすると、パトカーがやってきた。
その人が、警官と話している。
警官は俺に尋ねた。

「どうされましたか?」

「あの……ここがどこか分からなくて……」

名前や住所を聞かれた。
どうにもうまく話せない自分がいた。
俺はパトカーに乗せられ、警察署に連れて行かれた。

美和子に迎えに来てもらい、ようやく帰宅できた。
彼女は泣いていた。

「|駿佑《しゅんすけ》くん。もう、どこにも行かないで」

「ごめん……」

申し訳なかった。
そして、情けなかった。
まさか自分が迷子になるなんて……
いつまでも家にいるからこんなことになるんだ。

家事をしても失敗ばかり。
美和子の役に立てていない自分が惨めだった。
早く、復職しなくては。

* * *

復職には、産業医の診断書が必要だった。
いろいろな検査を受けさせられた。

結果は……


復職は認められなかった。

俺は解雇された。

「ごめん。結婚するって約束したのに……」

彼女は黙っていた。
いつか別れを切り出されるのではないか。
俺は怯えていた。

「駿佑くん、これからも一緒にいようね」

よかった。
こんな俺だけど、やっぱり、美和子といつまでも一緒にいたい。
それが本音だった。

美和子、すまない。
頑張ってみる……

* * *

夏ももうすぐ終わる……

線香花火が落ちる前に、俺は告白する。

最後の一本になった。
火をつけて、そっと線香花火を持つ。

俺の手は震えていた。

俺の向かいには、かわいい美和子がいる。
美和子も線香花火を手に持っている。


ちりちりちりちり……


線香花火はかすかに音を立て、火花を散らしている。

夏は終わってしまう。
この火が落ちる前に、俺は美和子に告白するんだ。


ちりちりちりちり……


俺は呼吸を整える。


ちりちりちりちり……


線香花火は今にも燃え尽きそうだった……


俺は意を決し、美和子の顔を見つめる。



「俺と付き合ってください」



美和子は言った。

「……はい。よろこんで」

─────────────────────

《美和子が見た線香花火》

夏の終わりに、憧れの|駿佑《しゅんすけ》くんから、一緒に花火をしようと誘われた。
私は舞い上がった。
まるで夢のようだ。

夜になった。
昼間はとっても暑いけど、日が沈むとだいぶん涼しくなる。
夏の終わりの夜を、憧れの彼と一緒に過ごせるだなんて、私はなんて幸せ者なの。

私達が手に持っている花火から、勢いよく華やかな色の光が吹き出していく。
そして、あたりに白い煙が立ち込める。

「花火、きれいだね!」

「そうだな」

駿佑くんは私を見てうなずく。
そして、こう言った。

「線香花火をしないか」

「いいね!」

やっぱり、花火の締めは線香花火だよね!

ちりちりちりちり……

二人で向かい合って、ちりちりと光る線香花火を見つめた。
もうすぐ夏が終わる。

ちりちりちりちり……

夏が終わっても、駿佑くんと一緒にいたいな。

そんなことを考えながら、私達は線香花火を楽しんでいた。

ちりちりちりちり……

そろそろ、花火もなくなってきた。

駿佑くんは、線香花火を持ちながら、私の顔を見つめてこう言った。

「俺と付き合ってください」

え?

私の心臓が高鳴る。

駿佑くんが持っていた線香花火から、火がぽとりと落ちた。
私が持っていた線香花火からも、火がぽとりと落ちた。
あたりが暗くなった。
私は言った。

「はい。よろこんで」

こうして、私達は付き合うこととなった。

夏の恋なんてすぐ終わるよ、と友達からは言われたけど、二人の気持ちが強ければ大丈夫だと思う。

* * *

秋になっても、私達は交際を続けた。
駿佑くんはとっても優しかった。
背が高く、肩幅もがっちりしていて、たのもしかった。
デートする時、私はいつも、彼の腕に抱きついていた。
こんなにかっこいい彼氏ができるなんて、夢のようだった。

「一緒に住もう」

そう言われ、ついに私達は同棲を始めた。

季節は寒い冬になったけれども、心はいつもぽかぽかだった。
だって、私には優しい駿佑くんがいるのだから。

* * *

春になった。
去年の夏に花火をした公園で、駿佑くんにプロポーズされた。
嬉しかった。
結婚前提で付き合っているつもりだったけど、やっぱりこうして、言葉ではっきり言ってくれて安心した。
公園の桜は満開だった。
それは、私の心、そのものだった。

はらはらと桜の花びらが舞い降りてくる。
嬉し涙が一筋、頬を伝って落ちていった。

駿佑くんには、身寄りがなかった。
小さい頃にお父さんが亡くなり、最近になってお母さんも亡くなり、兄弟は元からいなかった。
だから、彼のご両親に挨拶、なんてことはできなかった。
ちょっと憧れていたんだけどな、その状況。

私の両親への挨拶は、もうちょっと先にすることにした。
結婚資金を貯めてからにしようと、二人で話し合った。

* * *

幸せは長くは続かなかった。
駿佑くんは、仕事でミスをするようになった。
家にいるときも、彼の携帯が鳴って、やり忘れた仕事があるからと、急に会社に戻ることが多くなった。

食欲もなくなり、夜も眠れないと言ってつらそうだった。
ますます、仕事で失敗するようになっていった。

私が悪いのかな。
私と付き合っているから、駿佑くんはダメになったのかな。
私は駿佑くんをきちんと支えることができていないのかな。
私もつらかった。

駿佑くんは診断書を見せてくれた。
うつ病だった。
会社は休職することになった。
私のせいで駿佑くんは病気になったのだろうか。
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

* * *

ある日、仕事から帰ると、部屋は焦げた匂いで満ちていた。
そして、白い煙が立ち込めていた。
駿佑くんが、いつもより落ち込んだ様子でソファーに横たわっていた。

火事?

台所を見ると、そこには真っ黒に焦げた鍋が……

「駿佑くん! お鍋を火にかけたまま、どこかに行ったの?」

「……分からない……」

「分からないって何? 火事になったらどうするの!」

「…………」

日に日に駿佑くんの様子はおかしくなっていった。
火事になるのはさすがにまずい。

うつ病は、いつかは寛解するはず。
今は駿佑くんに寄り添って、病気を治すことに専念しよう。

私は仕事を辞めた。

* * *

駿佑くんはずっと家にいて、頭を使わなくなったからか、以前のようなキレの良さがなくなってきたように思えた。
何もしないでいるのもよくないので、私と一緒に料理をすることにした。
駿佑くんは、段取りや要領が悪かった。
これまで料理をしてこなかったからかも知れない。
これを機会に、料理を教えてあげようと思った。
けれど、駿佑くんの料理は、まったく上手にならなかった。
駿佑くんは言った。

「ここで塩を入れるんだよね?」

「駿佑くん、さっき自分で入れてたよ」

「いや、まだだよ」

「さっきここから小さじ2杯、すくって入れてたよ」

「入れてないよ」

呆れた。
男の子って、みんなこうなのかな?

* * *

ある日のこと。
うとうとと居眠りをしている間に、駿佑くんがいなくなっていた。
散歩に行ったのかな。
それとも、買い物にでも行ったのかな。

結局、日が沈んでも、駿佑くんは帰ってこなかった。
彼の携帯電話は、家にあった。
だから、連絡を取りようがない。
心配だった。

私と付き合うのが嫌で、家出をしたのかな。
私が怒りすぎたからかな。
後悔した。

仕事もしないで家にいて、家事もまともにできない駿佑くんを叱ることが多くなっていた。
だんだんイライラが募っていたところだった。

けれども、いなくなってしまうとやっぱり寂しかった。
駿佑くんのいない生活なんて考えられなかった。

* * *

夜になって、警察から電話がかかってきた。
駿佑くんは隣町の警察署に保護されていた。
何をやってしまったの?
私は彼を引き取りに行った。

駿佑くんは無事だった。
けれども、とてもしょんぼりした顔をしていた。

「|駿佑《しゅんすけ》くん。もう、どこにも行かないで」

「ごめん……」

駿佑くんの声を聞いた途端、私の目から涙があふれてきた。

警察の人が言うには、駿佑くんは迷子になっていたとのこと。
迷子って……
いい歳して、まるで子供みたい……

「駿佑くん、家に帰りたくなかったの?」

「……違うんだ。どこにいるのか、分からなくなったんだ……」

冗談で言っているようには聞こえなかった。

「駿佑くん、これからは出かける時は私と一緒に行こうね」

彼はしばらく黙っていたけど、やがて、うなずいてくれた。

* * *

休職期間が明けようとしていた。
駿佑くんは早く職場に戻りたいと、前々から言っていた。
それはそうだろう。
駿佑くんは、すっかり自分に自信をなくしていたからだ。
バリバリ仕事をすれば、また自信を取り戻せるかも知れない。

しかし、復職は叶わなかった。

「回復の見込みなし」

そう診断され、駿佑くんは会社をクビになってしまった。
駿佑くんは、ただのうつ病ではなかった。

『若年性認知症』

駿佑くんはまだ若いのに……
認知症だなんて……

けれども、思い当たることはたくさんあった。
駿佑くんは、確かに物覚えが悪くなっていた。

これから、どうしたらいいんだろう……

駿佑くんとこれからの人生を生きる自信がなかった。
何度も別れを考えた。

けれども、踏み切ることはできなかった。
やっぱり、私は駿佑くんのことが好きだった。

認知症になったけれども、駿佑くんはとても優しかった。

* * *

ある日、駿佑くんは言った。

「ごめん。結婚するって約束したのに……」

え?
それって、どういうこと?
私を捨てないで……

「駿佑くん、これからも一緒にいようね」

駿佑くんの表情がぱっと明るくなった。
よかった。
駿佑くんは別れたいわけではなかったんだ。

* * *

夏も終わりに近づいた。

駿佑くんは言った。

「美和子、花火をしに行かないか」

「いいね!」

私達は、花火を持ってあの公園に行った。
そう、私が駿佑くんに告白された、あの公園に。

一年前のあの日を思い出し、私はとても懐かしい気持ちになった。

私達が手に持っている花火から、華やかな光が勢いよく吹き出していく。
そして、あたりに白い煙が立ち込める。

「花火、きれいだね!」

「そうだな」

駿佑くんは私を見てうなずく。
そして、こう言った。

「線香花火をしないか」

「いいね!」

やっぱり、花火の締めは線香花火だよね!

ちりちりちりちり……

二人で向かい合って、ちりちりと光る線香花火を見つめた。
もうすぐ夏が終わる。

ちりちりちりちり……

夏が終わっても、駿佑くんとずっとずっと、一緒にいたいな。

改めてそんなことを考えながら、私は線香花火を楽しんでいた。

ちりちりちりちり……

そろそろ、花火もなくなってきた。
花火が終わる。
夏が終わる。

駿佑くんは、線香花火を持ちながら、私の顔を見つめてこう言った。

「俺と付き合ってください」

え?

私は動揺を隠せなかった。

駿佑くんが持っていた線香花火から、火がぽとりと落ちた。
私が持っていた線香花火からも、火がぽとりと落ちた。
あたりが暗くなった。
私は言った。

「はい。よろこんで」

私は一年ぶりに、再び告白されてしまった。
この一年、いろんなことがあったけど、もう一度、スタートラインに戻ってやり直そう。
そう思えた。

* * *

明くる日。
私は言った。

「昨日の花火、楽しかったね。私、すっごく嬉しかったよ!」

「?」

駿佑くんは、きょとんとした顔をしていた。
そして、こう言った。

「美和子、花火をしに行かないか」

「だって……花火なら、昨日……」

そこまで言って、私は気がついた。
駿佑くんは昨日のことを覚えていないんだ。

「夏も終わるし、俺、どうしても美和子と花火がしたいんだ」

「……う、うん……」

夜にもう一度、花火をすることになった。

昨日したばっかりだというのに、駿佑くんはとっても楽しそうに花火をしている。
私の心は押しつぶされそうになった。

「線香花火をしないか」

私は目を閉じた。

深呼吸をしてから目を開ける。
そして、笑顔を作ってこう答えた。

「いいね!」

ちりちりちりちり……

二人で向かい合って、ちりちりと光る線香花火を見つめた。
もうすぐ夏が終わる。

ちりちりちりちり……

夏が終わっても、私と駿佑くんとの暮らしは続いていく。

そんなことを考えながら、私は線香花火を見つめていた。

ちりちりちりちり……

そろそろ、花火もなくなってきた。
花火が終わる。
夏が終わる。

駿佑くんは、線香花火を持ちながら、私の顔を見つめてこう言った。

「俺と付き合ってください」

駿佑くんが持っていた線香花火から、火がぽとりと落ちた。
私が持っていた線香花火からも、火がぽとりと落ちた。
涙が一筋、私の頬を伝って落ちていった。
あたりが暗くなった。
私は言った。


「……はい。よろこんで」



< 了 >

線香花火

執筆の狙い

作者 神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

前半は彼氏から見た物語、
後半は彼女から見た物語になっており、
同じ時間でも視点を変えることで読者が受け取るものが変わる。
それがこの作品の執筆の狙いでした。

コメント

夜の雨
ai248010.d.west.v6connect.net

「線香花火」読みました。

なるほど、そういう流れですか。

前半は彼氏から見た物語、  ← こちらはさらりと描かれていました。事実だけを書いていく手法。

後半は彼女から見た物語になっており、  ← 彼氏の流れと同じように見せておいて、若干話が深くなりました。
最初の彼氏視点と比べて、事情もわかるように描かれているからです。
この差は、彼氏の「駿佑」の場合は、『若年性認知症』を患っているので、彼の視点だと事実を書くだけのような描き方になる。
その点、後半の彼女視点の「美和子」になると、状況を判断できるから、それだけ二人のあいだにおこっていることを正確に描くことができる。
したがって、読み手に何が起こって問題がこじれてきているのかがわかる。
美和子からすれば駿佑が壊れていくので、先に何が起きるのかがわからなくなる。
『若年性認知症』という病がどういったものなのかは知りませんが、少しSF的な発想をすると、「医療技術の発展で面白い世界の小説が描けるかもしれない」。

その代表的な小説が、『アルジャーノンに花束を』です。
この作品は、知能指数を高める手術とそれに伴う出来事を描いており、知的障害を持つ主人公が天才になる過程で、人間の複雑な側面や闇が浮かび上がってきます。感動的なストーリーで、最後の一文が、実験用のマウスである『アルジャーノンに花束を』という締めです。

御作の場合もアイデア部分を練り込むとレベルアップされた小説になるのでは。


お疲れさまでした。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>夜の雨さん

お読みいただきましてありがとうございます。
彼氏視点と彼女視点とで、微妙に描写を書き分けたのを読み取っていただけて光栄に存じます。
『アルジャーノンに花束を』は若い頃、何度も読みました。名作ですよね。
お読みいただき、感想も書いていただきありがとうございました。

fj168.net112140023.thn.ne.jp

拝読しました。

以前も登場人物の、視点・思惑毎に、物語を構築していましたね。それと同じ趣向なのですね。
題名は忘れましたが、韓国映画に若年性認知症を扱った恋愛ものがありましたね。日本映画にも。

「若年性認知症」

初期症状

若年性認知症の初期症状は、忘れっぽくなる、味付けがおかしい、会話が成立しないなどがあります。また、アルツハイマー病が原因疾患の場合、やる気が起きないなどの症状もみられることがあります。物忘れは普通の物忘れではなく、直前の出来事を忘れたり同じことを何度も質問したりします。
原因疾患が血管性の場合は、障害された部位によって症状は異なります。主な症状として、初期のうちは物忘れは目立たず、手順通りに物事を進められない実行機能障害などがあります。また、感情のコントロールが難しくなったり抑うつ状態になったりすることもあります。

中期

若年性認知症の中期に診られる症状は(原因疾患によってみられる症状は異なります)不安や焦り、妄想、うつなどの周辺症状や徘徊などが現れるようになります。さらに、記憶を維持することが難しくなるのもこの頃です。初期よりも記憶障害が加速して日常生活に支障をきたす場合も増え、自立した生活を過ごすことが難しいです。そのため、介護者の負担も重くなりストレスが溜まりやすいので、周りのサポートを受けることが大切です。本人の「楽しい」や「怖い」などの感情は残っているので、否定したり怒ったりせずに、気持ちに寄り添った対応をしましょう。

末期

若年性認知症の末期になると、記憶障害はさらに重度になり、家族のことでさえもわからなくなります。しかし、初期や中期と比べて、末期での記憶障害は自発性の低下、物事への関心が薄くなるなどによって、目立ちにくくなります。
また、歩行障害や運動障害などによってベッドの上で過ごす時間が増え、寝たきり状態になるのもこの頃です。日常生活のほとんどで介護が必要となり、失禁や筋固縮、食べ物を飲み込めなくなる嚥下などの症状が出ることもあります。

《情報ソース》
「若年性認知症について知る」
https://y-ninchisyotel.net/about/about/

介護について勉強した立場から言わせて貰えば、失礼ですが、上記の内容を熟知して書いているとは思えない、薄っぺらい恋愛小説に感じました。
惚れたはれただけでは描いてはいけない、重いテーマだということを作者様は認識した方が良いかと。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>凪さん

お読みいただきましてありがとうございます。
この作品は若年性痴呆症を扱っておりますが、実在の人物を元にして書いております。
凪さんが把握している症状とは異なる点があったようで、
その点はいかんともしがたいですが、
感想を書いてくださりありがとうございました。

fj168.net112140023.thn.ne.jp

要は、「若年性認知症」と診断された際の心の葛藤がふたりして幼稚なのです。この部分をしっかり描かなければなりません。当然ふたりとも、認知症についての知識は書籍を読むなり、ネットで検索するなり勉強したと思います。
男は、壊れゆく自分と知りながら、彼女に愛を果たして求められるでしょうか。結婚前の女はこれからの苦労を考えた場合、今までと同じ気持ちで果たして彼に接することが出来るでしょうか。
前半の駿佑の独白部分に、あえて「若年性認知症」と書かれていないことに、作者の作為的な読者への悪意を感じます。これでは、読者は「あぁ、そういうことだったのか」との感想。悪くいえば「あぁ、そういうオチね」に留まるだけで、物語の深層を理解出来ないですね。

sp1-75-246-120.msb.spmode.ne.jp

ラストのふたりの独白は、全く逆のもののを用意した方がリアルだったと思います。


>俺は意を決し、美和子の顔を見つめる。
「俺と付き合ってください」
美和子は言った。
「……はい。よろこんで」

駿佑のラストのこの部分はあえて書かず、美和子のラスト部分は、

駿佑くんは、線香花火を持ちながら、私の顔を見つめてこう言った。
「俺と、別れてくれないか」
駿佑くんが持っていた線香花火から、火がぽとりと落ちた。
私が持っていた線香花火からも、火がぽとりと落ちた。
涙が一筋、私の頬を伝って落ちていった。
あたりが暗くなった。
私は、何も言えなかった。

としたら良かったと、個人的には思います。

森山威則
mbl122-074.mable.ne.jp

拝読しました。

わかりやすいお話だったかと思います。
作者様の前半と後半で書き方を変える手法もよく理解できました。
ただこれは小説か? というと、シナリオ、プロットに近いような気がします。
私が言うのも何ですが、まだまだ書き込めるのではないか、と思います。
それと三回目の告白をされたラストのシーンの彼女の心情がいまいち私にはわからなかったです。
読ませていただき、ありがとうございました。

青井水脈
om126166240052.28.openmobile.ne.jp

読ませていただきました。
駿佑のパートの迷子になる辺りで、もしかしたら、と思ってはいました。戸田恵梨香・ムロツヨシ主演のドラマ「大恋愛〜僕を忘れる君と」を観ていたせいか。

>韓国映画に若年性認知症を扱った恋愛ものがありましたね。日本映画にも。

日本映画にもいくつかあったはずですが、韓国映画は「私の頭の中の消しゴム」(2004年)?
今作については、アイディアを消化することありき、という印象で。確かにテーマは重たいですから、薄っぺらいという意見も分かります。
スッキリして読みやすい文章で、美和子のパートに至るまで分かりやすくて。また違ったジャンルで挑戦してほしいところですね。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>凪さん

合計3つもコメントを入れてくださりありがとうございます。
凪さんの感想の中に
>作者の作為的な読者への悪意
とありましたので、その点について、凪さんにお話しておきたいことがあります。

読者への悪意 と書かれてしまうのは心外なのですが、そのように思われてしまうのも、ある意味、もっともなのです。
この先、そんなの知ってるよ、という情報が含まれるかも知れませんが、このままお読みください。

私はしばしば「信頼できない語り手」という技法を使います。
作者が意図的に、作品内の情報を制限したり、誤って解釈したりするように書く技法のことです。
「ミスリード」という言い方をされることもあります。
今回、彼氏の情報を前半で制限したのは、後半を読んだ時に読者に驚いてもらおうという私の意図があってのことです。
情報をあえて伏せたり、あえて間違って解釈されるようにしたりするこの「信頼できない語り手」という技法は、賛否両論です。
読者は、作者に騙された、乗せられた、思考を誘導された、という感想を抱きます。
そして、そのことについて作者に対して不満の意を表する人もいます。
「叙述トリック」という言葉もあります(本作では当てはまりませんが)。
ミステリの世界で、作者が叙述トリックを使った場合、その作品は「本格ミステリ」のジャンルには入れなくなります。
ヴァン・ダインが、彼の提唱する二十則第2項で、作者が読者を騙すことを禁止しているからです。
叙述トリックは、本格ミステリの世界では御法度、という文化があります。
逆に言えば、本格ミステリ「以外」のジャンルでは、叙述トリックは「あり」です。
叙述トリックものの作品が世の中に存在する理由は、「それを面白いと思う人がいるから」です。
私はその一人です。
しかし、読者の感じ方は百人百様。
作者が何か仕掛けた作品を読むと不快になるという読者層もまた、あるわけです。
これは人それぞれです。
なんとも思わない人もいます。
で、ですね。
私はまだ、「作家でごはん」で3作品しか投稿していませんが、今後もこのような感じの作品が投稿されるものとご承知おきください。
これが私の作風なので。
私が「信頼できない語り手」という技法で小説を書く理由は単純です。
「読者様に楽しんでもらいたいから」です。
ただし、世の中の人すべてに楽しんでもらえる作品を書けるはずもありません。
私の作品が不快だ、と思う人もいます。
私の書き方に「悪意がある」という感想を持つ人がいるのも、ごもっともです。
感じ方は人それぞれなので。
ということで、今後、私の作品を読む場合、凪さんが不快になる可能性があります。
その点は予め、ご承知おきください。

このたび、「作家でごはん」に投稿されている数ある作品の中から私の作品を読んでくださり、長文のコメントまで書いていただきましてありがとうございました。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>森山威則さん

お読みいただきましてありがとうございます。
わかりやすいと言っていただけて、その点は特に注意して書いているつもりでしたので、とても嬉しく思います。
私の作品はよく、プロットのようだ、と言われます。
自分でもそう思っています。
せっかちな性格なので、短編で終わらせたいと思ってしまうのです^^;
私がこれまでに書いてきた作品のほとんどが1万字未満です。
そして、今後も短編専門で書いていくつもりです。
そんなプロット調の短編作品でよろしければ、今後も読んでいただけると嬉しいです。

三回目の告白時の彼女の心情についてですが、
一回目と二回目は
>「はい。よろこんで」
と返事をしています。
三回目は
>「……はい。よろこんで」
と返事をしています。
この……は、ためらいを表しています。

彼女の心情ですが、作者としては次のように設定しました。
認知症になって、どんどん記憶は消えていっても、私に告白するんだという彼の強い意志だけは残り続けている。
昨日の記憶もないのに、私への思いは消えていないという嬉しさ。
しかし、この状態でこれから生活していくのはかなり困難。
よろこんで交際を続けられる状態ではない。
にも関わらず、「よろこんで」と答えている自分。
文字通りの意味での「よろこんで」ではないため、ためらいの……があります。
彼のことを好きだけど、この先の不安も大きい。

2回目の告白
>駿佑くんが持っていた線香花火から、火がぽとりと落ちた。
>私が持っていた線香花火からも、火がぽとりと落ちた。
>あたりが暗くなった。
>私は言った。
>「はい。よろこんで」

3回めの告白
>駿佑くんが持っていた線香花火から、火がぽとりと落ちた。
>私が持っていた線香花火からも、火がぽとりと落ちた。
>涙が一筋、私の頬を伝って落ちていった。
>あたりが暗くなった。
>私は言った。
>「……はい。よろこんで」

気づきにくいですが、3回目に一文、付け足しています(「落ちる」で若干、韻を踏むのに近い演出も狙っています)。

彼氏の認知症の進行状況を、繰り返し告白されるという形で突きつけられている現実に涙を流しています。


彼女は、この物語で三回「はい。よろこんで」と言っていますが、それぞれ、彼女の思いが違っているわけです。
それを読者様に楽しんでいただけたらいいなと思い、このように書かせていただきました。
が、分かりにくかったようで、その点は申し訳ありませんでした。

森山威則さん、私の作品を読んでいただき、感想も書いていただきましてありがとうございました。

浮離
KD111239168153.au-net.ne.jp

>同じ時間でも視点を変えることで読者が受け取るものが変わる。
それがこの作品の執筆の狙いでした。


そもそも表現的な“視点“からまともに扱えていないのにそれを言ってしまうのは本末転倒だよな、と思わされるしかない書き振りだと思いました。


>私はしばしば「信頼できない語り手」という技法を使います。

“技法“とはものも言いようだなってびっくりしました。



上にいる浅野のやつ読んでください。
あたしは恥ずかしくてまったく読み進めることが出来なかったんですけど、書き手は感想書いてましたよね。
あれと同じこと程度のことやってますから。
同じなんだけど、すかすかな分だけ書き手の方がザルです。


読む力。
受け取る力。


無駄な見栄やプライドは、成長の妨げにしかなりませんよ。


まずはそこから自覚して頑張ってください。
あなたは、ポンコツ。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>青井水脈さん

お読みいただきましてありがとうございます。

>アイディアを消化することありき、という印象

私は頭の中で作品を完結させてから書き始めるタイプなので、こういう感じの作品になりがちです。

>スッキリして読みやすい文章で、美和子のパートに至るまで分かりやすくて。

読みやすさ、分かりやすさはかなり重視していますので、このように言っていただけてとても光栄です。

お読みいただき、コメントも書いていただきありがとうございました。

sp1-75-243-186.msb.spmode.ne.jp

青井水脈さん

はい、この映画です。

https://youtu.be/sVWUMn_oBUc?si=GKMkhxAsRmnQfz7t

青井水脈
om126166225053.28.openmobile.ne.jp

そうそう、それです。タイトルもまた秀逸で。

匿名希望者
nat-ftth1.kkm.ne.jp

拝読しました。

 私が病気や障害を題材とした小説が投稿された際に気を付けていることは、作品が事実を含んだ「私小説」である可能性です。どうやら、作者さんが「若年性認知症」ということではないようですね。
 逆に言えば作者さんも、モデルとなった実在の人物に、この作品を見せたときの反応を想像する必要があるように思います。

 全体の印象は、異世界転生でないなろう系のWEB小説のような感じです。「○○視点・△△視点」といった作品はなろうサイトには多くあったように思います。
 個人的には、同じシーン・ストーリーを2度使うのはいかがなものかと考えます。視点者の心情の違いはある物の結末は一緒ですから。
 一文改行と空白行は、スマホなら読みやすいと思います。ですがPCだと、視線の動きが大きくなり疲れます。情報もスムーズに入ってこない。文字を読みながら脳内で映像化する私にとっては私にとっては読みにくかったです。
 WEB小説スタイルが悪いとは申しませんが、この作品のテーマやジャンルが隙間時間を利用して読むライトな読者を対象にしているか考察してみる必要があると思います。
 参考動画を張っておきますので、ぜひご覧ください。
ネット小説を新人賞に応募するときの注意点!【新人賞・小説大賞】
https://youtu.be/lpanXAeNIck?si=pg3xQMFVdTXejFHn
わかつきひかるの小説道場

 駿佑視点に「若年性認知症」なかったのですが、うつ病だと思っていた私は、再度、駿佑視点を読み直して記述があったかどうかを確認しました。正直無駄な作業だと思いました。
作品を読み終えたとき、作者さんは「アルジャーノンに花束を」からインスピレーションを受けたのだろうと思いました。IQの上下により地の文が変化する。
 通常一人称小説は、主人公がストーリー上の出来事を経験した後、読者に語るという形式です。ですので、ストーリー初期の主人公の心理状態や考え方は、語り手の主人公とは相違するはずですし、変化していなければ小説としての面白みはありません。冒頭の美和子とラストの美和子の駿佑に対する好きという感情も、多かれ少なかれ変化しているはずです。
 問題は駿佑視点です。一人称の通常の形式だと、認知症の主人公は、過去の出来事を忘れていて語ることができません。過去の描写が細かくなるほど、読者は「認知症は嘘じゃないか?」と疑います。この点において「アルジャーノンに花束を」は日記式という形で矛盾を回避しています。
 御作の場合も、月日の代わりに季節を使い、場面転換の記号を使い、語り手が語っているタイミングが未来軸に移動しているような工夫をされているとは思いますが、読者には上手く伝わらないと思います。特に”~~ことができた。~~だった。~~いた。等の一定期間を置いて、後から見たような文末は、リアルタイムに近い一人称小説にはならないと思います。
 また「信頼できない語り手」は、『読者が語り手の言葉を信頼できない』といった状況が必要です。
>>結果は…… (知っているのに隠した?)
 この作品の場合は認知症ですが「診断相は提出したから病名は忘れた」等の伏線と言っていいのか、読者に対する”臭わせ”が必要になると思います。視点人物が知っていることで、読者の判断に必要な情報をあえて隠す・話題にしないことは、それではなく「信頼できない作者」になるのではと、私も思います。
 
つづく

匿名希望者
nat-ftth1.kkm.ne.jp

つづき

 前の感想は辛口になりましたが、工夫次第では面白い作品になるような気がします。テーマは「愛し合う二人の化かし合い」

最初が美和子視点。改編するところは、「駿佑がもし私のことが分からなくなったら、あなたにはもう会いに来ないからそれまで、会いに来させて」という。
しかし、彼が彼女を誰だか分からなくなっても、通い続け(時には)お世話もした。駿佑が無反応になったとき、駿佑のは母から手紙を渡される。

駿佑視点(手紙) ←夏目漱石の{こころ」
駿佑は彼女を誰だか分からないフリをした。しかし彼女は足しげく見舞いに来てくれる。嬉しさと申し訳なさ。しかしいずれ、彼女のことは分からなくなるので、最後の感謝メッセージとして手紙に託した。

ラスト(神視点)
彼の寝ているベットのそばで、手紙を最後まで読んだ美和子は立ち上がると、天井を見つめている彼の顔を覗き込み彼の唇にキスをする。 そして病室を立ち去る。
と、まあ、私なりに考えてみました。

これまで申したことはあくまでも個人の意見ですので参考程度でお願いします。
頑張ってください。

金木犀
sp49-109-99-46.smd02.spmode.ne.jp

面白ければなんでもありですよ。
媒体によって求められるものも違いますし。

エブリスタで読まれそうな作品だと思います。どうかご自分が思う面白いを貫かれてください。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>匿名希望者さん

お読みいただきましてありがとうございました。

この作品のモデルとなった人物は、すでに亡くなっております。
なので、この作品を読まれることはありません。
というか私が小説を書いているということは親族は知らないのですけどね^^;
当事者が読んだ場合どう思うかについて想像しておくことはたいせつなことだと思います。ご意見ありがとうございます。

『アルジャーノンに花束を』を直接意識したわけではないですが、潜在的に作品には影響が出ていたかも知れません(彼氏と彼女とで、情景描写の深度を変えてみたところなど)。
自分としては回想ではなく、リアルタイムのつもりで書いていましたが、そうであればもっと現在形の割合を増やしておくべきでした。ご指摘ありがとうございます。

信頼できない語り手はほぼ、信頼できない作者と同義と考え、作者が読者を騙すということに違いはないと思っています(なので、こういう作品を嫌う人がいるのは当然だと思っています)。
ただ、私自身が、作者に騙される小説が大好きなもので……そういう作品を自分でも書きたくなってしまいます。
そういうことか、やられた、悔しい、と思うのが大好きという、私はとんだMですね^^;
ネット小説は、気に入らなければ画面を閉じればそれですむので、嫌な嫌で読まれないでしょうし、これからもこういう作風でいこうと思っております。
匿名希望者さんが考えた、愛し合う二人の化かし合いという展開もおもしろそうですね。

数ある作品の中から、この作品をお読みいただき、また、たくさんコメントを書いていただきありがとうございました。
このような作風の私ですが、ご理解いただけるのであれば今後もお読みいただけると幸いに存じます。

* * *

「わかつきひかるの小説道場」へのリンクを貼っていらっしゃったので、見てみました。
本来、この動画を見ての感想は、動画作者であるわかつきひかるさんに対してコメントするべきものであり、匿名希望者さんに返信する筋のものではないと思いますが、動画を見てみて、あぁなるほど、だから紹介したのか、と思えるシーンがありましたので、そういう意味でここに書きます。

わかつきひかるさんの考えでは、
>同じシーンを複数視点で繰り返し書くのは、Web小説ならOKで、紙の小説なら読みたくない
ということのようでした。
この作品は、はじめからWeb小説として書いているので、この動画の指摘は私にはあまり関係ないかなと(紙媒体の作品ではないので)。
紙媒体の縦書きの公募に出すわけでもないですし。

> 一文改行と空白行は、スマホなら読みやすいと思います。ですがPCだと、視線の動きが大きくなり疲れます。情報もスムーズに入ってこない。文字を読みながら脳内で映像化する私にとっては私にとっては読みにくかったです。

匿名希望者さんにとって、私の書式は読みにくかったようで、それは心苦しく思います。
私としては、紙小説を書いているつもりはなく、Web小説を書いているつもりです。
改行については、どれがよいのかいろいろな考え方があるのですが……

・会話文の前後に空白行を入れる。
・一文ずつには空白行は入れない。空白行は段落分けを目的として入れる。
・空白行は必ずしも一行ではなく、時間の経過の程度や、ある特定の文章を目立たせるための手段として、あえて複数行を空ける場合がある。
・空白行を入れることで段落分けをするため、縦書き小説のような段落開始時の1マス下げは行わない。

私は上記のルールでWeb小説を書いております。
使っているルールは人それぞれですので、これ以外のルールもありだと思っていますし、他の作者様がもっているルールも尊重しています。
こうした方が読みやすくなるというアドバイスをするために空白行をおすすめする場合はありますが、最終的には作者様の判断ですよね。

ということで、リンク先動画を見て思ったことを書いてみました。
お読みいただきましてありがとうございました。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>金木犀さん

コメントありがとうございます。
金木犀と同意見です。
私は読者様に楽しんでもらいたいと思い、小説を書いております。
ただ、私がおもしろいと思う感性と、読者様がおもしろいと思う感性は違うので、
楽しんでもらおうとして書いたことがかえって、読者様を怒らせる結果になったりもします。
それを承知の上で、私はこれからも趣味として小説を書いていきます。
金木犀さん、コメントありがとうございました。

匿名希望者
nat-ftth1.kkm.ne.jp

再訪します。

一文改行や空白行について
このスタイルは、ガラケー時代の携帯小説の名残だと私は考えています。今はスマホでも大画面化、高解像度化で表示する文字しいが増えてます。アマゾンのKindleも縦書きです。更にこれからは、テキスト読み上げ機能を使った「小説を聞く」時代になってくるのではと思います。

また、投稿サイトの小説は、隙間時間に読むライトな作品で箇条書き小説が受けていると思います。ライトラノベ作品を求める読者の行動によって、日々のランク付けをするようであれば、あなたのおっしゃるスタイルが有効であろうと私も思います。
ですが、個人でブログ等のWEBサイトを運営しようとした場合、多分ではありますが、そのようなスタイルはGoogleクローラーのアルゴリズムからは良い判定をもらえない恐れがあります。Google検索の順位に影響を与えます。
以前は貴方のおっしゃるようなスタイルが、小説投稿サイトに限らず、ブログやニュースサイトでも一般的でしたが、いまは、形式段落、意味段落(空白行)で、国語のルールに近いスタイルのWEBサイトが主流になってきていると思います。
余談ですが、ここ「作家でごはん」でも、以前はGoogle広告が貼られていたのですが、今は張られていません。理由は分かりません。暴力的表現・過剰な性的表現等が原因だったかもですが、運営でないので分かりません。広告収入がないのでサイトの改善も行われないんだろうと思います。

信頼できない語り手について
>>信頼できない語り手はほぼ、信頼できない作者と同義と考え、作者が読者を騙すということに違いはないと思っています
Wikipediaからの引用で恐縮ですが、

”信頼できない語り手というものがある(ブースを参照せよ)。信頼できない語り手は、しかしながら、単に「真実を言わない」語り手のことではない(フィクションの語り手が文字通りの真実を語ることなどあるだろうか?)。信頼できない語り手はうそを語ったり、情報を隠したり、物語の読者に関して判断を誤る人物であるというよりは、その述べることが、現実世界や著者の聞き手のもつ基準にとってではなく、語り手自身の物語の聞き手の基準にとって正しくないことを言う人物である。……言葉を替えると、すべてのフィクションの語り手は現実の模倣という点で誤っている。しかし本当のことを言う人の模倣である場合もあるし、うそをつく人の模倣である場合もある。[4]」”
Wikipedia「信頼できない語り手」【定義と理論的アプローチ】から引用

Wikipediaを読んでくださいと、私もよく分からないので丸投げしたいところですが、引用の定義で単なる貼り付けだけでは引用の要件にならないので、私の考えを書いておきます。
信頼できない語り手とは、小説上の一人称語り手を読者が信頼できない理由があることを示しています。例えば、主人公が「嘘つき」「記憶喪失」「悪党」「知的障害」等のキャラクター性を持ち合わせていることが読者に解るから、語っている言葉に不明瞭な点が語り手が語りかけている想定上の読者には伝わらないかもしれない、一杯食わされるかもしれない。ということだと思います。ですので、現実の読者や作者は関係ないと思います。
じゃあ「信頼できない作者」とはどんな小説か?と考えてみると、三人称小説の語り手が嘘偽りを語ること、一人称小説リアルタイム型の夢落ちなどではないかと思います。

貴方は貴方自身作家になる未来はないということだろうと思いますが、ここは「作家になって、その収入でご飯を食べよう」という理念をもったサイトです。なので、ここで感想差し上げる読者の方々は、(建前上は)貴方に作家になってもらいたいと思って感想を差し上げていることをご理解いただくと嬉しく思います。
ただし、取捨選択の自由は作者さんにあります。私も改悪の責任はモテません。
参考動画
「やっちまったあ~!?」作品改悪ケーススタディ3選!
https://youtu.be/0ycGuUzh45s?si=HmrDyW2nCkEaTDe6
わかつきひかるの小説道場

今後のご活躍を願っております。
頑張ってください。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>匿名希望者さん

何度もコメントを書いてくださいましてありがとうございます。

>貴方は貴方自身作家になる未来はないということだろうと思いますが、ここは「作家になって、その収入でご飯を食べよう」という理念をもったサイトです。

身も蓋もない言い方をされてしまいました^^;
まぁ、たしかに作家としてご飯を食べていけるとは私自身、思ってはいないですが、「未来はない」と他人に決めつけられるのも不愉快ですね。

私がこれまで小説のコンテストで稼いだ賞金はわずか数万円で、確かにそのお金では食べていけません。
私の受賞作品は、河出書房新社の短編集に収録される候補になりましたが、未だに次の連絡が来ないので、候補のまま終わるのでしょう(笑)
そんな私ですが、今すぐではなくても、いつかは自分の作品が書籍化されたらいいな、という気持ちはもっています。
小説執筆は、趣味としてこれからも続けていくつもりです。

* * *

ところで、前から気にはなっていたのですが、
他の作家さんへのコメントでも、動画へのリンクを張っていますよね?

匿名希望者さんがよかれと思ってしているのは分かります。
いい動画だから広めたい、見て欲しいということですよね?
その気持ちは十分わかるのですが……

「匿名希望者」というハンドルネームで、
他人が制作した動画へのリンクをどんどん貼っていく行為は(違法ではないですが)、
ちょっとどうなのかな、と個人的には思います。

匿名希望者さんはこの動画シリーズをよく見ていらっしゃると思いますので、
「わかつきひかるの小説道場」が、匿名希望者さんが書く小説にどのように影響しているのか、これからも拝見していきたいと思います。

匿名希望者
nat-ftth1.kkm.ne.jp

再訪します。

>>まぁ、たしかに作家としてご飯を食べていけるとは私自身、思ってはいないですが、「未来はない」と他人に決めつけられるのも不愉快ですね。
>>貴方は貴方自身作家になる未来はないということだろうと思いますが、
言葉足らずで失礼しました。貴方の将来を否定するものではありません。
貴方は作家になるつもりはないと、私は思いますが、の意味です。つまり貴方の考え通りだと思います。
貴方の鍛錬次第で未来は変化すると思います。

>>他人が制作した動画へのリンクをどんどん貼っていく行為は(違法ではないですが)、
ちょっとどうなのかな、と個人的には思います。
他のサイトのリンクに関しては、インターネットそれ自他の仕組みです。Googleの検索順位のアルゴリズム判断材料にもなります。URLはYouTubeの共有ボタンからコピーしています。「作家でごはん!」でも禁止されていないと思いますし、また、引用を使う場合の要件に次のようにあります。
キ 「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)

「わかつきひかるの小説道場」の動画を勧める理由は、小説のルールと言いますか、セオリーがおおむね同意できるからです。冊子であれば、動画より、大沢在昌著「売れる作家の全技術」をお勧めします。

貴方様が将来、大作家になられますことを心から願っています。
失礼しました。

匿名希望者
nat-ftth1.kkm.ne.jp

誤字報告
×それ自他
〇それ自体

失礼しました。

クレヨン
softbank060106192188.bbtec.net

神楽堂さん、拝読しました。

 割とアルツハイマー病って有名なので、小説の前半でアルツハイマーかな、ってわかってしまいました。症状がテレビでしょっちゅうやってるのとそっくりなのでわかる人はわかるのではないでしょうか。

 線香花火の部分は結構いいな、と思いました。回を重ねるごとに意味が違っていく仕掛けがよかったと思います。

神楽堂
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>クレヨンさん

お読みいただきありがとうございます。
世の中には記憶に関する小説や映画はたくさんあるので、
本作では私は「花火」を通じて表現してみました。
よかったとクレヨンさんに言っていただけて光栄です。

お読みいただき、感想まで書いていただきありがとうございました。

平山文人
zaq31fb1c44.rev.zaq.ne.jp

神楽堂様、作品を拝読させていただきました。

これは……ある種の心理トリックを使ったホラー小説だと私は感じました。
もう亡くなった祖母が晩年認知症だったのですが、本当に何もかも忘れます。
最後には私が誰かすらわからず、あんた誰、と言っていました。
そう考えますと美和子のこれからにはかなり同情してしまいます……。

神楽堂様はこのような文体で書きたいようですので、以前からの私の意見はもう述べません。
それと、カクヨムのほうに海軍を書いた面白そうな作品がありましたので、そちらも
読ませていただきますね。それでは失礼します。

ラピス
sp49-104-9-192.msf.spmode.ne.jp

私は不覚にも少し感動しました。リアリティに関しては、もうちょい描写を重ねるべきだと思うのですが。
こういった話は広く需要がありますやね。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>平山文人さん

お読みいただきましてありがとうございました。
このような作風でよれければ、今後も私の作品を読んでいただけると嬉しいです。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>ラピスさん

お読みいただきましてありがとうございました。
ラピスさんの心に響く何かがあったようなので、書いてよかったと思いました。

朧月
59-168-43-237.rev.home.ne.jp

線香花火という題名ですぐに読もうと思いました。

私の思う線香花火って、パチパチと綺麗に輝くけれど、すぐに落ちてしまうものなんですよね。正直、読みはじめはそういう恋の話になるかと思っていました。ですが、いい方向に向かうように受け取られる恋になっていますよね。私、そこが好きです。

そして美和子の駿佑がどんな病でも別れたい、嫌になるなどを思わない性格に胸が熱くなります。

良いものに出会えました。ありがとうございます。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>朧月さん

お読みいただきましてありがとうございます。
良いものに出会えたと言っていただき、ここに投稿してよかったと思いました。
感想を書いていただきありがとうございます。

一平
119-171-161-244.rev.home.ne.jp

鉄拳さんのパラパラ漫画の世界に入り込んだみたいでした。
シンプルで、行間から切ない感情と映像が立ち上がってきます。作者があえて書かなかった文章が、読み手の胸奥にしまっていた思い出とともに蘇ってくるんですね。
 
必要以上に空白行をもうけすぎですが、目頭が熱くなる個所もあり、かなりの秀作だと思いました。特に駿佑が若年性認知症になっても、気持ちの変わらない美和子の姿に胸を打たれました。
 
一言だけ。
この作品に関してはこんなに空白行をもうけなくても、十分に読み手は感動していますよ。自分的には空白行は逃げだと思っています。自信を持ってください。そしてまた、このような感動作を書いてください。鉄拳さんに勝負する気持ちで。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>一平さんへ

少し前の作品であるにも関わらず、こうして読んでくださり、感想まで書いてくださり、とても嬉しく思います。
行間を空けすぎというご指摘、ごもっともです。
今になって読み返してみると、確かにかなり空いていますね^^;
別に逃げのつもりで空白にしたつもりはないのですが、読者には逃げだと取られることもあるということですね。
空白行は、そこに時間の経過があることを表したつもりでした。
>自信を持ってください
との励まし、ありがとうございます。
私は結構、自信満々なタイプで(笑)自信過剰なくらいだと思っておりますので、もうちょっと謙虚になった方がいいかな、くらいに思っております^^;

花火って、火を点けてから消えるまで、それなりに時間がかかりますよね。
それで、空白行でその「間」を表現したつもりでした。

線香花火がちりちりと火花を散らしている間、この二人の間には、時が流れ、それぞれの思いもまた、流れています。
それを、この空白行で表現したつもりでした。
が、他の方からも指摘されましたが、Web小説というか、ケータイ小説のような書き方に嫌悪感をもつ読者様もいらっしゃるので、空白行の多用の是非は再検討してみたいと思います。

鉄拳さんのパラパラ漫画は、いくつか動画で見たことありますが、ホント、感動しますよね。
その世界に近いと言っていただけて、とても嬉しく思います。
一平さんに感動したと言っていただけて、この作品を書いた甲斐があったと思いました。

小説を書く目的は人それぞれに違っていると思います。
私の場合は、読者様の心を動かしたい、という欲求が強いです。
なので、読み手に伝わるように分かりやすく書くことを最重視しています。
一平さんの感想を読んで、この作品が一平さんの心に何か響くものがあったようで、
私はこの小説を書いて本当によかったと思いました。
本作品をお読みいただき、感想やご指摘を書いていただきありがとうございました。

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