作家でごはん!鍛練場
細井ゲゲ

『腫瘍』

 饐えた臭いを放つ、目の前にいるホームレスの男性は間違いなく俺の父親だった。
 駅前工事による仮囲いの壁に寄りかかるように座り、足元付近に何も入っていない茶碗を置いている。お金を恵んでもらうための受け皿であると思ったが、こんな全身垢によって茶色くなった異臭を放つホームレスに誰が小銭を入れたいと思うのだろうか。
「なに、みてんだ」
 親父はか細い声で、そう言った。それでも俺は動じず、しばらく変わり果てた姿の親父を、半ば悟ったかのような落ち着いた感情で眺める。
ー―不必要に過剰な増殖を行う細胞の塊
 俺と親父は社会の“腫瘍”なんだ、そう思った。

     一

 騒音、煙草の煙、人と人との負の感情で構成されたパチンコ屋。人間に不必要でしかない存在だけが室内に充満する。
 盤面に無数に打ち込まれた釘の間をすり抜けていく銀玉を、ただ眺めていた。既に財布の中には三千円しかなく、この残金が当分の生活に使う全財産だった。絶体絶命の状況なのに、不思議と焦りは生まれず、根拠もなく「何とかなる」と思っていた。
 ふと隣席のスーツ姿の中年男性に目をやると、膝を激しく揺らしながら、眉間にシワを寄せて台の盤面を睨みつけている。彼も負けているのか。同じ列の反対に振り向けば、そこには落ちそうで落ちないほどの長さになった灰を保った煙草を指に挟み、パチンコを嗜んでいる三十代であろう主婦がいた。パチンコの演出に集中しているせいで、落ちそうになっている煙草の灰に気づかないのだろう。演出用のボタンを煙草を持った手で割と強めに押したが、特に反応がないことからハズレのようだった。パチンコ台の玉を入れる部分に煙草の灰が散乱していた。

 気がついたら財布に千円しか残ってない。
 俺は残り僅かなパチンコ玉を見送った後、静かに席を立ち、十年以上ぶりにやってきた「パーラー足立」を後にした。退店する際、自動ドアを先日打撲してしまった拳で強めに押してしまい、手から電気が流れたような痛みが走った。拳でボタンを押したということは、少なからずパチンコでストレスをため込んでしまったようだ。それは、そうだ。五万円も負けてしまったのだから。

 雲が一つもない晴天に、春特有の程よい暖かさ。目の前に映るのは幼少期から大人になるまで過ごしていた地元の町並みだった。開発工事が進み、ショッピングモールなどが建てられたこともあり、当時の景色とは違う部分も多かったが、地元にいるということだけで、何だか安堵感がこみ上げていた。

 特に行く当てもなかったので、俺は生まれ変わった地元を散歩することにした。バッタリと同級生に会ってしまったら、どんな顔をすればいいのだろうか。知らないふりをするのが一番楽かもしれない。三十代を超えて無職である俺が最も苦手なのは、水準並み、それ以上の生活をしている大人たちだった。俺とその部類の人たちは、そもそも俺と属性が違うのだ。劣等感を抱くのはもちろん、目を背けたくなるほどの対象だと全て壊したくなってしまう。跡形もなく抹消したい、生まれた意味などない、そんな鋭利な言葉たちが俺の心の中で生まれてはうごめく。
 俺は無意識にひとり言を呟いていたようで、横を通り過ぎる人たちは怪しむようにして俺を見ている。それでも俺は思考を続けた。

     二

 日雇いとして勤務していた工場には、岩原舞華という俺よりも五つも年下の女性社員がいた。俺が日雇いという一般の身分よりも低い人種だったのに、優しく話しかけてくれたことで、俺はすぐに彼女を女性として見るようになった。さらに彼女は休憩中も話しかけてくれて、さらに仲を深め、一緒に夜ご飯を食べにいくことにもなった。そして、二人で居酒屋で晩酌を楽しんだ後、近所にあった彼女の家にお邪魔させてもらい、その晩に俺と舞華は体の関係を持った。
 しかし、その関係は長く続かなった。半月もした頃に、工場内での態度があからさまに冷たくなり、彼女の家にも呼ばれなくなった。
 ある日、焦った俺は仕事終わりに彼女の家にやってきた。突如の訪問に、彼女は迷惑に感じていたのか、インターホン越しに「帰って」とひと言だけ言い放つ。俺は食い下がり、「一度だけ話してくれたらもう諦めるから」と伝えたら、彼女はしぶしぶ家の中に入れてくれた。
 要約すると、俺はただの遊び相手で、あの日だけ一緒に過ごしてくれたら、それで良かったとのこと。そして交際中の彼氏がいて、来月には入籍するとも彼女は言った。説明している間、彼女は俺と一回も目を合わせようとしなかった。やはり彼女は日雇いという低い身分をどこかで見下しており、声さえかければ自由に扱えると思っていたのだ。
「ま、顔は悪くなかったし、その時期は彼氏とうまくいってなかったから、心配させるためにって感じ」
 俺は目の前にあったガラス製のテーブルを持ち上げて、彼女の頭上に勢いよく振り落とした。

     三

 今も残る、舞華を何度も殴った時の感覚。右手の拳の出っ張った部分はもれなく紫色に変色している。舞華の顔は血にまみれ、両方の頬も紫色に腫れ、瞳は開いているのに瞼の晴れで目が塞がっていた。どのくらいの時間を殴り続けたのかもわからない。気づいた頃には別人のような容貌になった舞華はぴくりとも動かなくなった。

――見慣れた電車の架道橋が現れた。

 ようやく俺の知っている場所にたどり着いた。そこは小学生から中学生まで通学路として通っていた架道橋。昔を思い出すために自然と足が向き、仄暗い架道橋の下を歩き始めた。
 半ばまで歩いた時、そこには、いわゆるダンボールハウスがあって、その横にはホームレスが座っていた。別に珍しいことではないと思ったので、俺は見ないようにして通り過ぎようと思ったが、何となくそのホームレスに一瞥する。
 俺は言葉を失った。しばらく髪を切っていないのか、長髪の白髪だらけで、髭も生やし放題、ボロボロにすり切れたジャージのズボンに、色が擦れたネルシャツを纏っているその男は、俺が小学生の頃に母と離婚した親父。親父はダンボールの上に胡坐をかいて、一点をぼうっと眺めている。
 母と離婚してからのことは知らなかったし、俺にとって無関係の存在だった。俺が十五歳の頃、母は末期のガンで死んでしまったが、その時に母を不倫などで苦しませた存在である親父を憎んだことはあった。しかし、それは一瞬の感情のことで、それっきり彼を思い出すことは殆どなかった。
 だが、その親父が社会の落ちこぼれとして、そこにいる。
「なに、みてんだ」
 徐に顔を上げた親父はそう言った。咄嗟に俺は装着していたマスクを目元ギリギリのところまで引き上げ、「すいません」と謝った。
「お腹空いてますか?」
 そのまま立ち去る気にもなれず、俺はそう親父に話しかけていた。
「空いてる。昨日なけなしの千円をパチンコで使って」「それから何も食べてない。なあ、お兄さん、百円でもいいから恵んでくれないか」
 声量は変わらないものの、急に流暢になる親父。
 俺は、彼と俺の違いについて考えてみたが、これといって差がないように感じていた。むしろホームレスと人殺し。俺の方が社会の腫瘍なのではないか。こんな俺を作った親父を憎む以前に、腫瘍からは腫瘍しか生まれないことを痛感し、たとえ人を殺めていなくても、そこから脱却することの難しさに対して絶望した。
 俺は財布から残りの千円を取り出し、親父の目の前に差し出した。親父は礼もいわずに手荒に取り上げ、俺を睨みつけた。

 架道橋を抜けると、目の映る範囲に交番があった。
 俺は腫瘍から正常な細胞に戻すために矯正をする必要があることに気づいた。罪滅ぼしではなく、正常に戻るために刑務所に入る。俺はその時に初めて、交番という存在が心の底から素晴らしいものと思えた。教会と似ているかもしれない。そこに行けば救われる。俺は社会にいてはいけない存在なんだ。
――けたたましい車のクラクションが鳴り響く。
 視界全体を一台の大型トラックで埋め尽くす。
 激しく跳ね飛ばされた時、自分本位のことしか考えられない時点で、俺はいつまで経っても腫瘍から抜け出せない、そんなことを思った。
 地面に叩きつけられた瞬間、俺は差別のない身分である死人となったのだ。了

『腫瘍』

執筆の狙い

作者 細井ゲゲ
p7666138-ipoefx.ipoe.ocn.ne.jp

ご無沙汰しております細井ゲゲです。かなり久しぶりの投稿になります。

30代半ばになって仕事をしながらの執筆がいかに難しいかを痛感し、これではダメだということでマッチングアプリでたまたまマッチした方(最終選考まで残った経験あり)と月1回にテーマを決めて小説を書こうとなり、その第1弾となる短編小説が、この『腫瘍』になります。テーマは「腫瘍」でした。

正直、書くことだけを目標にした作品になるので、質に関して自信はありませんが、
何か思うことがあれば、コメントをもらえると幸いです。

コメント

クレヨン
softbank060106206216.bbtec.net

 細井さん、拝読しました。

 社会の腫瘍、という言葉がこの小説にはでてきます。主人公と主人公の父がそれであるということは納得できます。

 ただそれを主人公が簡単に肯定してはいけないと思いました。

 社会の腫瘍って言いかえると生きる価値がないってことになると思います。しかし生きてる価値のある人なんてほとんどいません。普通に生きてたら代わりのきかない人になんてなれませんし悪いこともします。そうするとこの腫瘍って言葉が一定数の読者を攻撃することになります。

 攻撃が効かなかったとしても、今度は共感を得られません。自分とは程遠い存在ということになるので。

 たとえ純文学だとしても小説である以上、単純に主人公が社会の腫瘍であるという結論を出させるべきではないと思います。そうでなければ得るものが不快感以外にありません。僕はこの小説を読んでいて「この人は生きていていいかもしれない」っていうものがほしかったです。
 
 そこで不快感ではなく考えさせる余地をもたせることができたら、「社会の腫瘍ってなんだろう」ってところへ読者を持っていけて、後を引く読後感を残せたのではないかと思います。

 人を殺しても悪いと思っていなければ主人公は悪魔になれたかもしれません。人殺しでなく浮気者とかの話題性ある小物だったら主人公は太宰先生みたいになれていたかもしれません。
 

金木犀
116-91-69-85.east.xps.vectant.ne.jp

 お疲れさまです。拝読させていただきました。

 全体を読ませていただいたとき、「物語の構成」としてはすっきりしていると感じました。
 主人公が腫瘍になってしまうエピソードも、父親がおちぶれてホームレスしているというエピソードも、非常に読者の興味を誘うものになっていますし、ストーリーとしてシンプルだからこそ感情移入しやすい「舞台」は整っているように見えます。

 ですが、もう少し書き加えないと「読み応え」は薄い。そんな印象です。
 一つ一つのエピソードは十分な魅力があるのに、それに反して「犯行を犯すまでの心理」「ホームレスになった父親に衝撃を受ける心理描写」「自分を腫瘍と結論づける過程」があまりにも省略されすぎているような気がしました。
 もう少しじっくりとそこらへんの心理、過程を掘り下げて書いほしいと思ってしまいました。
 あと最後のとこは……もうちょっとひねったラストがほしいかもです。

 この作品の核となる「自分は社会が生んだ腫瘍」というのは、社会的にも反響を呼べるテーマでうまく書けばそれだけ多くの人を勇気づけたり、自分を見直したり、「自分の事が書かれてある」という安心感を与えたりできるものだと思います。
 だからこそ「自分は腫瘍のような気がする」という曖昧な空気感で書くのではなく「こんな環境で育ち、こんな状況であれば自分を腫瘍だと結論づけるのも無理はないな」という納得感はあるべきではないかと思いました。

 いや、でも僕よりしっかりした作品を書かれる方だなと思いました。これからどんな作品を書かれるのか楽しみにしたいと思います。


 以下、少しきになったところに触れさせていただきます。

・目の前にいるホームレスの男性は間違いなく俺の父親だった。
→なぜ父親だと確信したのか、もう少し情報がほしかったです。
・騒音、煙草の煙、人と人との負の感情で構成されたパチンコ屋。
→なぜパチンコが負と負の感情で構成されていると思うのか、感じるのか、ちょっとわからず、ここはちょっと作者が雰囲気に酔っているだけに見えてしまいました。その後の情景描写も、もうちょっと具体的な情報で「負の空間」「必要がない存在」を読者の脳内に映像として結んでいただきたいと思いました。
・盤面に無数に打ち込まれた釘の間をすり抜けていく銀玉……
→無数に打ち込むほどの釘……というのは大げさなのではないかと感じました。
これらは主人公を通して語られているので、問題ないと言えば問題ないのですが、読者からすると「結構大げさに物事を捉える性格の人物である』と私は感じました。

 それの何が問題なのかというと、そういう「大げさに物事を捉える性格の人物」だから「社会の腫瘍」だと考えるのだと思ってしまったからです。
 結局感じ方と、読者に受け取られてしまえば「腫瘍」で描きたい社会の問題点を矮小化してしまうことになりませんか?
 ま、私の勘違いなのかもしれませんが、そう考えるともう少し読者がこの主人公を通して「腫瘍と感じる」過程を増やすべきなのではないかと考えてしまいました。

 色々と書きましたが、私は川端康成とかいう作家の書いた作品は総じて「うすっぺれえ! 読むに耐えねえ!」と虫酸が走るような人間です。上述した点は単なる好みの問題であることを前提に読んでいただければ幸いです。

 執筆お疲れさまでした。

夜の雨
ai193003.d.west.v6connect.net

『腫瘍』読みました。

また、重い内容で。

世の中の底を生きるといえば、かっこう良すぎて、世の中の底を這いずる、といった世界ですね。
ニュースなどでこの手の犯罪はよく報道されています。
女を拳で何度も殴るシーンなどでニュースであったなぁと思いました。
また、ホームレスになっている父親と主人公の出会いのエピソードなどもよく描かれています。

しかし、こういった作品はあまりストレートに描くと需要がないと思いますが。
御作の良いところは表現力が高いという事です。構成なども悪くないし、なので、どこが問題なのかと考えれば答えはすぐに出ます。

ネタが悪い。
その一点です。

文章の技術などは高いものをお持ちなので、「世界を見る視点を変えてみれば」いかがですかね。
30代半ばということで、まだまだ未来はありますのでちよっと「発想力を変えて描けばよい」のではないかと思います。
何を書くべきか、だと思いますが。
たとえ文章力で文学賞やら書き物で飯が食えなくても、「ものの見方が明るくなるだけでも儲けもの」だと思いますが。
まだまだ長い人生を重くるしいものの考え方で小説を書くよりはよいのではありませんかね。

それでは頑張ってください。


お疲れさまでした。

p7629010-ipoefx.ipoe.ocn.ne.jp

架道橋、という言葉のつらがまえが良いなと思いました。パチンコ屋さんのいささか大時代な描写も、そういう雰囲気の物語なんだろうな、という了解は冒頭でできていたので、自分にはすっと入ってきました。

ただ、冒頭の文章にはちょっと気になるところもありまして。というのは、「お金を恵んでもらうための受け皿であると思ったが」という一文の「である」、これは一体どこから目線の言葉なんだろうなーと、そこがいきなりひっかかってしまったんです。その前の「目の前にいる」や「置いている」といった表現は、主人公の「俺」がいまここで見たままを話している(実況している)印象を受けるんですけど、そこで急に「である」が出てくると、不意にまったく別人のナレーターが割って入ってきたような違和感を覚えるのは自分だけなのか……。いや、この主人公がいつも「である」という語尾で話したり考えたりしている人なら良いのですが、ほかの所ではそうでもないので、そうなるとなんというか、ちょっともやもやするのである、のです。

まあただ、こういう違和感は川端とか芥川とかを読んでいても頻繁に感じるものなので、単に趣味の問題かもしれません。

もう一つ気になったことを書いておくと、社会的な弱者や悪を「腫瘍」に喩えるという、きわめてありふれた(失礼!)言語表現への批判が欲しかったな、と思いました。スーザン・ソンタグが『隠喩としての病』という本で似たようなことを論じていたと思いますが、こういう比喩は社会的な弱者に対するレッテルになるだけではなくて、実際に病気で苦しんでいる人たちにもネガティブなイメージを付与することになるので、安易に使ってしまうとちょっと危ないんですよね。AをBで喩える前に、まずはAとBを結びつけている世間の無意識の構造を疑ってみてもよいのではないかと思います。


青山シナリオセンターからプロが多く輩出する秘密は、実はなんのことはない、毎回の合評会をモチベーションにして皆とりあえず何かを書きつづけるからだ、という話を聞いたことがあります。行動の結果、執筆のパートナーが得られたとのこと、素晴らしいことだと思います。ぜひこれからも書きつづけてください。

細井ゲゲ
p7666138-ipoefx.ipoe.ocn.ne.jp

クレヨンさま

まずはお読みいただきありがとうございます!
また的確なご指摘も大変感謝しております。

確かに扱うテーマや共感などをポイントにした時、
今の状態では及第点といいますか、作品として
物足りない箇所が多いと自分でも感じております。

とても稚拙な意見で申し訳ないのですが、僕が物語を作るうえで
「殺人」「常人では理解でいない人(サイコパスや薬物中毒など)」を描きたいと思ってしまい、
テーマが腫瘍と決まった時に突発的に書いたものなので、
自己満足でしかない作品になってしまったのだと自覚しています。

本腰を入れて書く際は今回の指摘箇所も踏まえて、
書ければと思いました。

お忙しいところ、ご感想ありがとうございました。
また、よろしくお願いいたします。

細井ゲゲ
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金木犀さま

まずはお読みいただきありがとうございます!

小説としての構成や形については
良い印象だったことは大変うれしく思います。

僕の悪い癖はもともと国語が苦手だったのもあり、
文章を書く際に「間違った文章になっていないか」だけを
優先的に考えてしまう癖があり、リアリティのある言葉遣いなのか
まで意識しきれてないところなんだと、ご指摘で気づかされました。
深度は置いといて、ある程度の深堀も今後の執筆に置いて
欠かせないポイントにしていきたいと思います。

お忙しいところ、ご感想ありがとうございました。
また、よろしくお願いいたします。

細井ゲゲ
p7666138-ipoefx.ipoe.ocn.ne.jp

夜の雨さま

大変ご無沙汰しております。
覚えておられるかわかりませんが、
以前も『腹痛戦闘』という小説を投稿した際に
ご意見をいただき、また今回もコメントをもらえて
大変光栄です。

その時も小説として表現力はお褒めいただいたのですた、
やはりテーマが悪い(大の方をもらしそうな主人公の話)
というご指摘で、やはり結論も同じく続けていけば、
何かしら形になるのではというものでした。

今回もほぼ同じご指摘で、腫瘍というテーマの縛りはあったものの
腫瘍に対する知識がほぼない、勉強して腫瘍そのものを活かした物語
にすることは短編以上の長さになりそうなので避けた、こういった理由から
安直な「腫瘍=社会の落ちこぼれ」というつなぎ方にしてしまいました。

内容は置いといて久しぶりの創作にもかかわらず、
ある程度形にできたのは、やはり一時期に意欲的に活動してきた時の
賜物なんだ、まだ腐りきっていないんだという勇気につながったので、
個人的には今回の投稿は悪くなかった選択だと自負しております。

次回はいつになるかわかりませんが、
また夜の雨さまからコメントをいただけることを
楽しみにしております。

また、よろしくお願いいたします。

細井ゲゲ
p7666138-ipoefx.ipoe.ocn.ne.jp

獏さま

まずはお読みいただきありがとうございます。

執筆をきっかけに「あれって名称があるのだろうか?」という疑問が
多くでわき上がったのですが、そのひとつが「架道橋」でした。

すでに上述してますが、
「腫瘍=社会の落ちこぼれ」は僕自身も
安直だったな、と思っております。腫瘍を掘り下げる内容が書けそうになかったので、
言ってしまえば逃げた形になりますね。また医学的な話になれば、文字数をもっと要しそうと
思ったので、そこも避けた形です。

小説を形にしていくことまでの道のりは、まだまだ険しいものと思っていますが、
小説仲間との交流をきっかけに、ゆっくりでもいいので前に進められたらと思っています。

改めまして今回は僕の拙作にコメントしていただき、
ありがとうございました。

また、投稿するかもしれないので、
その際はよろしくお願いいたします。

細いゲゲ
pw126234030240.21.panda-world.ne.jp

小説を形にしていくことまでの道のりは、まだまだ険しいものと思っていますが、
小説仲間との交流をきっかけに、ゆっくりでもいいので前に進められたらと思っています。

改めまして今回は僕の拙作にコメントしていただき、
ありがとうございました。

また、投稿するかもしれないので、
その際はよろしくお願いいたします。

浮離
KD111239169181.au-net.ne.jp

ゲゲ。久しぶりでしょです。
まったくもって”年イチ”キャラのくせに”ご無沙汰しております”ってもわかるのあたしくらいなんじゃないですか実際。
たまに見てくれてるならまあ、いいんですけどね。



っていうっか。
なんか、このお話おかしくないですか?

書き方がおかしいのか、あたし以外の読み手がおかしいだけなのか。
おかしなこと言ってしまうかもなんですけど、あたしはその両方だと思いたいんですよね、っていうかそういう風にしか読めなかったってことなんですけど。

端的に一番の問題は書き出しにあると思ってます。
誰も突っ込まないのが不思議なんですけど、あたしがおかしいんですかね。

>一つ一つのエピソードは十分な魅力があるのに、それに反して「犯行を犯すまでの心理」「ホームレスになった父親に衝撃を受ける心理描写」「自分を腫瘍と結論づける過程」があまりにも省略されすぎているような気がしました。

っていう指摘があるんですけど、あたしはそういうことではないと思ってるんですよね。
”腫瘍”っていうネタの紐付けの悪さ、その感触についてストーリーとして定まるのか定まりきらなかったのかとかっていう疑いの掛け方は多分誤読のはずで、あたしは書き出しの悪さ、あるいは書き手自身が見立てから理解出来ていないつまりは”設計不良”、”俯瞰不良”みたいな疑いを無視できない気がするんです。

言ってる意味わかりますか?

この書き出し、単なるプロローグとか入れ子式みたいな安易な設計のつもりならただの下手くその不理解でしかないみたいでダサい気がするんですよね。
単純な読みに留まるなら騙される人は騙される程度の手抜き感っていうか。


あたしはこのお話、”腫瘍”っていう無限ループする遺伝子を呪う系譜のお話なんじゃないの? って思ってます。


違ってたなら申し訳ないですけど、その上で”なんで?”っていう不足の嘆きをお伝えしたい気がしてしまったわけで。
その程度の書き手だったっけ? ってあたしはもちろん思いたいわけで。

そういう前提からお話させてもらうと、あたしはこのお話、単純な設計ミスっていうか構成として手抜きか不良みたいな退屈を誤魔化せない気がしてしまうんですよね。
あたしが思う手っ取り早い改善策として提案するなら、

”手当たり次第に引っ掴んだ。”

だとか、例えばですけどそんな書き出しから始まるエピソードに”腫瘍”なる遺伝子を配置すると思うんですよね。
わかりやすいですし、とはいえそれでも改善しきれない”不良感”みたいなものも承知の上でってことなんですけど、意味わかりますか?

あたしはこのお話に一番に感じる”違和感”って、”語り手”ってことだと思ってます。
このお話の退屈さの一番の原因は、語り手が道端のレゲエ父を見下ろす、っていう語り人称の単調さに終始している点なんだと思ってます。


伝わるといいんですけど、わかんない人にはわかんない話なので下手な外野は諦めてください。
あたしはゲゲに話してるので。


これをあたしの指摘に触れて改編を練るとして、下手くそな人は閃いたように視点を、語り手を章ごとに入れ替えたりとかするんですよたぶん。
そういうの、あたしは間抜けだと思うし、それって読み手への映り方伝わり方にばっか引っ張られる所詮書き手自身の都合とか筆力や発想や基礎の低さが思い付かせることでしかない気がするんですね。

”腫瘍”

ってテーマに”親子”っていう連鎖をフィッティングとして求めたらしいんですけど、個人的にはただそのままを書かれても文字通り”そのまま”として退屈に思うし、”いちいち書く”とする”作品”っていう動機として企みに乏しい気がしてしまうんですよね。

あたしは、”無限ループ”って言った。

ゲゲがあたしが思っていた程度の書き手でいてくれるんだとしたら、だんだんわかってきてくれてもいいはずなんですけど、どうなんですかね。
このお話における例えば”奇妙さ”って、

>・目の前にいるホームレスの男性は間違いなく俺の父親だった。
→なぜ父親だと確信したのか、もう少し情報がほしかったです。

そういうことに潜むものなんだろか。
瑕疵となるものなんだろか。
あたしには、なんだか瑣末な読み違い方のように思えなくもないんですけど。

”腫瘍”、道端に出くわす因縁の邂逅、プロローグ、無限ループ。

どうですか、これだけを材料として想像するなりにも”いちいち書きたいお話”らしく俯瞰出来るアイデアコストに優れた”設計”って、どんな感じだと思いますか?
あたしはせっかちだからすぐ答えを言いたくなってしまうけどせっかくゲゲ来たんだから少しだけお話しましょうよどっかの言い逃れみたいなつまんない返信とかいらんし。
回答待つので。

あたしが勝手に読み替えて勝手なこと言ってるんだとしてもいいですよ、あたし以外の読み手が同じく読み取ったらしい体でこれを読んでもあたしには作り込みゼロみたいに思えて見どころなくてつまんなすぎるし、そんなわけないよね? って期待させて欲しいところなんですよね実際。


これはお慰み的筆汚しなんですけど、
ここの読書レベルに合わせた観察で印象だとか感想に化かすなら、表現的にレベル低くないですか。
”小説”ってこういう書き方、眺め方だったっけかな? ってあたしは読ませてもらいながら”ゲゲ下手くそになっとらんかいな”ってずっと思ってました。


せっかくのマッチングパートナーに叱られてみてください。

細井ゲゲ
p7666138-ipoefx.ipoe.ocn.ne.jp

浮離さま

ご無沙汰しております。記憶が正しければハンドルネームだけはお褒めいただいた方ですよね。
確か全然ダメだけど「ゲゲは見込がある(そんな言い方ではないですが、そんな感じのこと)」みたいな
書き込みをしてくれてたような気がしていましたが、狙いにもあるように長い時間、執筆から離れていました。

結局、言い訳みたいなことになってしまうのですが、
今回『腫瘍』については「どんな長さであれど終りまで書き切る」ことを目標として
書き始めました。浮離さまが指摘される点についてお答えするなら「そこまで考えてなかった」という
味気ないものになり、腫瘍というテーマから執筆、完成に至るまで2、3時間しかかかっておらず、
そりゃ小説としての完成度は低いものだよねっていう仕上がりになったことは自覚しております。

ご指摘の通り、冒頭は「小説っぽい」「引きだけを考えた」ものであり、
言ってしまえば「小説風のものを書き上げた」というものだと思います。

では、なぜ日雇い、失恋、殺人、パチンコ、出来損ないの父親などを材料にしたかといえば、
単なる「憧れ」「興味が引かれるワード」「実体験」だけで選んだけにすぎず、
さらに最も好きな映画が「トレインスポッティング」だったので、そんなようなジャンルに
近づきたいというアラサーの妄想で描き上げたものになります。

浮離さまのご指摘に対し、僕は、いわゆる小説偏差値(読んだ本の数や知識)が乏しく
的を射た返答ができるレベルに達しておらず、恐らく本腰を入れて“ガチ”で臨んだ時に
見える景色なのではないかと思います。

やり取りを拒否しているのではなく、正直に言えばご指摘が100%の意味で理解できていないと
言った方が正しいかもしれません。もちろん、何となくは心得ているつもりです。

この作品に対して作者である僕の思い入れはほとんどなく、
かなり久しぶりの執筆に対し、目の肥えた人はどのような反応をしてくてくれるのか?
その程度で投稿させていただきました。

完全なる自己満ですが、僕としては復活とまではいかなくても、
これをきっかけに再び創作活動に力を入れ、「本気で頑張った自分」に
なりたいと思い、今年はそこを目標に活動したいと思っています。

恐らく浮離さまの印象の自分、信頼を取り戻すまでには
相当な時間がかかると思いますが、また投稿した際は
いつも通り、真っすぐなコメントをいただければと思います。

軽い気持ちで執筆、投稿して失望させてすいません、
ここから這い上がれるように尽力してまいります。

浮離
KD111239169181.au-net.ne.jp

ってことはですよ、

仮囲いの壁にもたれたホームレスと、架道橋のダンボールハウスホームレスは同一人物で、その場面も同じ場面そのままってこと?

あたし、納得いかなくて何度も始めと終わりスクロール行ったり来たりで確かめたんですよ。
別の場面でしょ? 最初の語り手は架道橋のホームレスでしょ? ってさ。

だから、”無限ループ”って言ったんですよ。
だから、語り手人称に違和感、って言ったんです。
それはそうですよね、じゃないと例えば

>・目の前にいるホームレスの男性は間違いなく俺の父親だった。
→なぜ父親だと確信したのか、もう少し情報がほしかったです。

みたいなことが本当にお荷物みたいな手間になってきちゃうはずなんだし。
つまりあたしにはこれって例えば”叙述トリック”的な楽しみを採りながら、その上で人間の性だとか遺伝子的ままならなさみたいな意図もちゃんと果たせる気がしたんだし、そういう読み物としての企みを積極的に負うべきと思ったわけなんですね。

誰もが知ったふうにわかる気がするだけのお話なんてつまらないし、負荷の掛かる読み口ではあるけれど”人間的”なわかり味を描けるお話としてちゃんと書けるはずのテーマだとあたしは思ったわけなんです。


リハビリには少し厳しすぎる物言いでしたか?

寝覚めの悪い人は必ず失望されてモテなくなってしまうので、このくらいでちゃんと目を覚ましたほうが自分のためですよ絶対。



楽しんでくれたまえ、なんです。






お返事はいらないでっす。
おつかれでしたまたね。

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