作家でごはん!鍛練場
浮離

ポッシブルインポッシブル

 ほとばしるものを柔くみくびるな。
 憂うが無難かはぐらかすものだねかなんだかともあれお相伴にあずかるもくさくさと、お節介に挑むつもりもおろおろとまあまあ、人というものはまあまあ詳らかにはほとばしろうってものだよね。
 流麗かつクラシックなテイスト。
 もしくはたかが物好きらしくそれを眺めるものとして、趣味嗜好なり蓼食う虫どもが織りなす持続可能社会やらもとっくに普通に普通以下、気安いんじゃなくて明らか気まずいばっかとか捉える方がとっくに正常ってあたしはとっくに学んだつもりの上でのこんな言い草、そんな自覚の上での所詮は言い草ですかどうなんですか。
 なんなんですかねこの澄み渡りながら込み上げる、満たされながらもよおすみたいな招かれざる膨満感、買い被りすぎならせめてはピザ食い過ぎた直後のたかが胸焼けもしくは恍惚と蔓延る倦怠感だとかそんな身近さでどうですか、やれやれですか。いや、なにごとかと。
「おほ、気ぃんもちいいぃー」
 犬みたいにはしゃぐなサル。
 ふつうに不快だし、それって道端のプラカードみたいかなんか、願望的だし急所っぽく享楽的なばっか、きっとでもつまりでもいいどうでもいいなりのなんかっぽいばっかだしやっぱりきみってきのうのきみのまま、きのうの前からきみのまま、きみの世間もきみのまま。だからって世間はきみが見るものばっかでもなくって当然なんだし、なのにきみったらさ、どうしてかそんなに足取り軽やかなんだかな。
「な?」
「は?」
 だよね、って。
 ほらね、でもいいよ大して変わらないんだし。なんなりでもおいおいでも基礎として相変わらず、粛々と、溌剌と、負い目深く自惚れ臭く背を向けるふりばっか、それがまとうべき正当な不服だとかもちろんちっとも本音じゃないだとか、なんでわかんないのかなそれってはっきりちっともなんだよね、お祭りの帰り道、日毎着せ変わる新品の不服の着こなしは据え置きでもとりわけ真に受けるばっかは我がものらしくふてぶてしく、獲得し損ねたくるくるスピナー、そればっかとして駄々をこねるなんてとっくに屈辱でしかないってすっかりのぼせ上がった日の少年みたいなんだよね、ほとばしるよねぜんぜん知らないのに。でも仕方ないよね、きみが過ごしたきのうは今日のきみのためにやさしくあるべきってさ、きみはきみとして体現するだけ、きみが思うことなんかではちっともないだとかそれってスゴくない? ズルくないの。
「煉獄」
「レンゴク?」
「よもやよもや」
「……ああ、煉獄さんね」
「どんなああ」
「知り合いでもなしに」
「忖度きもい」 
 わがままに、物欲しげにちっともバレたくない呪いにこれっぽっちも疑いがない。かけらもない。そんなきみに躾けたのは、ううん違うな、呪いに無理やり引き込んだのはきみのお母さんじゃないし、もちろんきみはそんな呪いなんてちっとも望まないし想像するも身構えるも一生ないし、でも日の本の国の民として涙するべきとして行列も辞さない享楽でも憂いでもともあれ準備万端も疑いなしに万感すっとぼけられるなんてとっくに酔狂。無自覚すら意図的だとか自惚れほっかむってもまんまと偏狭。それってきみばっかじゃないってことくらいもちろん割り引くし、そんな愉快の一部っぽくきみはずけずけと貪ったもたかが麻痺でもご愛嬌、あまねくもろく同化する愉快の一部っぽく躾けられた、ううん違う、呪われて気づかずにいるだけの由々しき素っ頓狂。もしくは。
 健やかすぎるんだな、たぶん。
 きみはきみが引き寄せる憂いか綻びかどうかもちっともわかりたくもないものをときたま眺めたつもりになりたかったりおかげで眠かったり飽き足らず憤慨したりもなんもまあまあきみ次第のつもりっぽく、きみっぽく自覚をはぐらかしてなんぼみたいな酔狂を好むか偏狭に生きるみたいな感じがむしろ心地いいらしくそんな気すらないとかすべき周波数かなんかに支配を明け渡したっぽいきみはつまり万端健やかなんだよね、どっかで拾ってきたみたいなコツばっか、そんなことこそちっともきみに思いつかせないきみっていうきみらしさ、パーソナリティでもアイデンティティとも名乗れるだけのまあまあ見たことあるやつばっかをきみはきみとしてきみっぽくはぐらかしたつもりだけのちっとも手放せないものらしく振る舞えるきみっていうありのままがもちろんありのままであるべきって、たとえお門違いでも万事健やかにやり過ごせることを当たり前に願えるし許容できないはずもないあたし自身があたしは猛烈に不服なんですかね、とんだご愛嬌でもめっぽう無愛想ともそぐわない従順な優柔不断、だとかたとえばそんな健やかさってきみのことですか、それともやっぱあたしのせいっぽいですか。
「ももちか口臭くて」
「切れ味ハンパねえなおい」
「シェア民として万策尽きろ。とっくに人災」
「おもろ」
「っていうかもはやテロ」
「やめてあげて。お散歩付き合ってんじゃん、浄化浄化」
「ももちかはきみに恋してる。もうとっくに穏便じゃないしなんならオーバーキル。ってあたし、レベル低いかな」
「おほ、シリアス。したらこのまま二人で旅に出るしかねえな、この河辺から」
 空腹の目覚めって健やかだよね。
 墨汁みたいなコーヒーと肌荒れっぽくひび割れたドライフルーツ。焙煎でいじめられた弱酸性もミイラみたいな糖分もコメ食ったら醒めちゃう程度のたかが夢の続き。充電満タンならデフォ、だとかってきみには自作自演の自覚もないし見るもの聞くことなんなりとすべてガウスでぶっ放すパチンコ玉で籠絡せよみたいな娯楽性、撃ち尽くすまでやり尽くす博打も無邪気も好きにしろでもせめてはTPS、ファーストパーソンとか真に受けてばっか鵜呑みで浸って得意満面も勝手にしろだけど寝言であたしの名前叫ぶのまじでやめて。まじでろくでもないし夢の続きできみが飲み溢したコーヒー、ティッシュで拭ったあとゴミ箱の前で嗅いでたよももちか。
 まじで狂ってんな。
「どうだった?」
「訊くかよ恥ずいなおい」
「いじめたの?」
「お母さんか。通報か」
 健やかにもほどがある。
 上げ膳据え膳満腹に咽ぶ空腹の果て。願う気なんてすっかり失せたみたいに擦っても擦っても醒めない眠りはきみがぶっ放したパチンコ玉を侵食する赤サビのせいだとかと昔の小説みたいなメタ奢られるまでもないたかが道端の無限感染。故意ならまだマシ、嬉々として侵食されながらえげつないだけ。それっぽく然るべく、天上天下猫も杓子も鬱陶しいくらいのほうがそそるんだなそればっかなんだなきっと。
 わかんなくもないし、それってきみのお母さんのことでも、せいでもないよね。わかんなくても体現しまくる証明してばっかのきのうのきみからちっともなんともない今日のきみらしく明日のきみへくれてやりなよ天気予報みたいに授けてごらんよ占いでもスピリチュアルでもなんだっていいんだしそもそもどうだっていい、だってきみはきみこそをどこまでもそそのかすんでしょ、そのためならどんな空腹も厭わないのに手口だとかそんな自覚求められたってきみにはしょんない話でも当たり前だし実際やるまでもないよ、だってきみはきみとしてただの被害者でしかないんだし。
 かわいそうに。
 お母さんの口は、そんなに臭かったですか。
「ももちゃんよりおまえとやりてえー」
「きも。湧いてるまじで」
「暮れてるよ絶望に。俺は馬鹿だ、おまえのエロい夢ばっか見る」
「コスプレも陵辱も趣味じゃないから」
「おほ。アイコニックでアメイジングな民族固有の素質が漏れ出しちまって」
「刺すからまじで」
「それ、この前も言われた」
「無限循環のサル回し」
「もおぉっ。優しくしてくれよ、せっかくの河のせせらぎに耳と心を澄まそうぜ」
 迫害された先住民は気の毒なことだよね。
 思っても思うだけ、うやむやにしてチャラにしていじめ貪る文明的快感。どうしてきみはそこにいたのか、どうしてそんな有り様でいたのか、乗り込むべく乗り込んだばかりに掛け替わる歴史なり文明はようやく動き出すか区切られるか名付けられるのか、なにかしらの認知認識を獲得してきみのせいでもあたしのせいでもなく然るべく備わる暴威暴動、求めたか求められたのかなんてことは常に逆さまにねじれてなんぼの飢えた共有で、誤解っていう必然の需要で保たれて然るべきデフォだか都合だったりをたかが概ねにぼかして濁して上等の有り様だったはずで、それはたったの今ももちろん同じでなにも変わらない、ほとばしる運命も穢らわしき了解も嘯く合図も、きみとあたしとももちかは取り交わす手間もなく取り違えても刺し違えるな、なんてクソ面白くもない暗黙の了解ばっかは迫害されても受け容れない必要としない侵略と解放と反発をそれぞれに目論んでほくそ笑んだはずでしょ。そんなこといちいち自覚したくもない取り決めをそれぞれの都合でフタして、秒で共有したはずだよね。
「ももちかの口臭くなったのきみのせいだから」
「まて。その言われ方はかなり恥ずい」
「恥ずいことして臭いなにかを伝染した」
「モラハラすぎ、泣くぞさすがに。合意の事態にオーバーキルすぎる」
「黙れ。死ね。コンプラ不適合はお母さんの元へ帰れ」
「やば。ただのヘイトじゃん」
「コン不がウザすぎ」
「なんて?」
「くそヤリチン」
「おほ」
「ゴミチン」
 きみってどこまで優しいの。
 抗うフリして傷ついたフリして、ちっとも傷つかない、なんてフリだってぜんぶそう、ちっとも隠さないし隠したってどうせぜんぶ嘘になるって、それもきみばっか勝ち抜けみたいに見せるフリでもお先にどうぞでも応用可能なフリかもはやフリのためのフリでもいいしフリですらないフリとか思われた方がむしろ本望みたいなフリまで当たり前に辿り着くべき、みたいなフリありきみたいなきみっていう日常をそんな日常のフリって真に受けたフリしてでもとどめないとキリがないって辟易するフリするのがあたしにはせいぜいの役割のつもりで眺めるフリのフリをするべきってシンプルにずっと思ってたし、きみにはきみなんて他人事だよね、とか馬鹿しか受け取れないフリを受け取れない馬鹿がきみには一番不便で魅力的なことくらいあたしじゃなくてもフリもクソもなく誰だってわかるフリくらいはするべきってことくらい誰だってわかるみたいなフリばっかなら誰だってしてくれるよねたぶんだけどあたしはそう思ってたから簡単、それがわからないほどきみだって馬鹿じゃないわかってるってそんなフリくらいするべきってこともわかるフリくらいふつうはしてくれるよね、でもわかりたくないフリしたくなっちゃうきみのフリしたくなっちゃうきみ、みたいなフリをフリとして二律背反なり甘ったるい自家中毒症状なんてたかがフリらしくわかったフリして見逃してあげるべきが穏便っていうやっぱたかがフリの方がたぶんこの世の優しさとかそんなフリに努めたフリのつもりかなんかとはいえせめてもの最適解っぽく受け取るフリのつもりのフリの方がより穏便って捉えがちなものかもしれないしそれがあたしにはなによりの不安材料みたいな気がずっとしてたはずだし、そうしてきみはそんなきみのフリらしくきみとしてきみのフリのフリのフリのフリみたいな無限かプリズムでもなんでも好き放題のフリで許されたいフリがきみっていうとめどないフリのせめてもの最小公約数ってことでも締まりないけどそれでいいよ、ってそんなフリのフリってことでも全然問題ないんでしょ。一なる個でもそのフリかフリのフリでもいかようにでも、ってさ。
 のれんに腕押しって、きみみたいなことなんじゃないの。
 嘘とか言われても知らねえしそんなのお前らの望みでしかねえだろ、ってそんな依存か要求丸出しみたいな目つき隠さないのってどんな優しさ。そんな鬱陶しいものをきみは飄々と、信じるも疑うも疑いたくないもなんも一緒くた、そもそもすべてが決定事項で結構みたいな感じ隠さないしなんなら、やっぱそれも嘘、かもねって、伝われってそれが本気みたいでもいいじゃんってまた嘘つきたがるばっかみたいなとこあるよね、っていうかそればっかだよね。
「あそこでいいよ」
「あ?」
「アホづら」
 そんなきみに習おうとか、どうかしてる。
 散歩行こ、って連れ出したのはきみのことじゃないし、でもそれはあたしばっかの企みなんかじゃないからただのおあいこ。もちろんきみにはぜんぜん関係ないことであるべきでもあたしにはきみが一番重要だったのがなにより残酷で退屈な事実だよね、きみにはまったく運命でしかなかったでも万事丸儲けでもぜんぜんいいし、いままでもいつだってそのつもり。ケチっぽいのは嫌だしももちかに舐められるし、思えば出会ったばっかの頃すっごい熱っぽかったのって結構必然っぽい使命かなんかが焚き付ける炎症みたいかなんかだったのかもね、決断させたはずだよね、安心も自信もあって要するにどうでもいいみたいな後ろ盾、ももちかのネイルへし折ってやるって即決したのにきみってば「よろしくぅ」なんか言って満面の笑み、単純すぎるアラートまじで震えたって。
「なにがよ」
「そこだってば、橋の下」
「あ?」
「馬鹿か。金太郎飴か。なんども同じ顔すんな」
 ホームレスの住処かもしれない。いまどきそんなんもいないか。でもきったないダンボールとかすすけた酒瓶、仮想神棚か位牌的偶像みたいな瓦礫とか共存した猫の頭蓋骨だとか、軒並みソリッドかつドラスティックな痕跡に出くわす予感ハンパない。萎れた雑草にまぎれて潜むくしゃくしゃの紙切れ、未来永劫匂い立ちそうな有機的黄ばみは無頼派天然保存型DNA、第五人類の学者なり博士宛てに保存されるタイムカプセルなんて掛け変わる伝言ゲームか当てずっぽうの人類ガチャ、吐き出される不潔こそが滅亡回避のカギ、なんてそんな聡明すぎて破廉恥な伝言はちっともクリエイティブでもテクノロジックでもないし人類のせっかくの嘘がバレるだけだからほっかむるべき、すり替えるべきってそんな虚飾ばっかで紡いだ服着てきみもあたしもももちかもきっと生かされるかしがみついてるだけだよね、あたしもきみもももちかもちゃんと繋がってるのに、この世に時間は存在しない、すべては仮想で実存しないだとか馬鹿の傷口に蜂蜜塗るみたいな、カロリートリックみたいなエンタメくれて認知だぶつかせる都市チューバーだとかそんな感じ、親切で熱心で時代の仕組みに柔軟で、メリットデメリットしか映さないとっくに死んでるみたいな目でこの世を謀るばっか狡猾なばっかの守銭奴だとかそんなもんばっかによほど世界は、たかが人類は親和的だし偏見ありきでもそれぞれの希望観測に寄せて高を括って曖昧に便乗してなんぼ、ひたすら流れる時間の中で粛々と黄ばむものなんて自分じゃないしとっくの過去に置き捨てられても生臭いままの事実なんて、のっぴきならない生命の痕跡なんてちっとも進歩的じゃなくて因縁もトラウマもふっかけられたくない見たくも知りたくもないたかが敗残者のなげかわしき営み、っぽく黄ばんだものなんて饐えて落ちぶれた他人ごとでしかないって饐えた本性で見下げることで文明は、人類はとっくに、そんな粗末なもののはずはないってそそのかされて自惚れて、掻き捨てた垢は世代だのバージョンだのって棄て置きながらすり替えられるフェーズとかリテラシーだとかって、それがとっくの嘘でも仕様かなんかかすっかりその気でもそんなフリでもどっちでもいいばっかなんだし。
「ホットスポットだったりしてよ。ってかどんな穴場かよ」
「あは。エモ」
 こわいな。
 違う。懐かしいとか、そっちなのかな。
 気配ばっか濃くて実存する事実価値あきらかゼロのくせに圧倒的すぎる根拠ばっかいかんなく標榜する、現存する、かたまり。社会ゴミ。リアル屑。
「パワースポットとかな。おほ、なつい」
 まじか。
 嘘ばっか、ものは言いようなんてこと誰だって知ってるし自分ごとにしたくないだけ、そうあるべきってそればっか丸出しばっかが救われたがる遠ざけたがるたかが事実でしょ。それこそが動機、なんて誰も言わない、言えない、秘匿こそがマナーだとか然るべく標榜すべき社会性。はあ? そんな美徳、清潔に振る舞うべき習俗。馬鹿か、たかが日和見の共謀。憧れより恐れの方が百倍強いなんて、そんなむごいこと絶対に言わない、言えない、言うべきじゃないありがたい清浄な布切れ引っ被って毛嫌いするばっかのたかが卑怯を唾棄する、反転する強靭な暴露、有機的無敵の痕跡。ダイバーシティ? あは。なっつ。
 せっせと拾って、きみに食わせたい。お仕置きのつもりもなんもないしそんなことどうしていちいちあたしがさ、ってこれ当たり前だし失礼でしょ、ふつうに追求し難いでしょ人柱でも生贄でも奴隷でこそない、なんでもないとした感謝のもときみなりとした心当たりにさっさと震えろ。絶望の快楽を脱げ。あたしはそんな恍惚とした知恵なんていらないしそれでも優しい嘘つくきみが見たいのはきみばっかへのことなんかじゃないことくらいわかってるから勘違いすんな、でもずっと見たかった。見たかったし見たってどうせ呆れるだけってもわかってる、わかってるしフリとかじゃないから逃げんな。事実は醒めてから降ってきがちでもなんでもいいけどでもそれって所詮たかが言い方、夢占いとか気になっちゃってもまあまあ滑り込む失礼に敏感にさ、覚醒拒否もたかがクレームもご愛嬌でいいよわかるわかるよそれってかなりふつうかと思うしお互いさまであるべき警戒への憂慮こそがデフォとかくそだるいよね実際、でもそんなこと言わないし言えないし期待すらしないよだって、つまんないって、それってきみなんかに易々と思ってあげられるはずもないもったいないあたしばっかの今現在っていう事実でしかないはずだから気にすんな。思い知るべききみにきみらしく感謝をもって身を捧げろ。
「きみが下ね」
「あ?」
「あは。だって痛いじゃん、背中」
 心して、きったないダンボールであたしを慮れ。
「おほ。なんそれ」



 自分以外の臭いと暮らすってふつうにエロいし、そんなこともわかんなくなるのがいよいよエロいとかぜんぜんない。あたしにはわからない。嗅ぎ回る生存本能かたかが習性かもわからないそんなもんをとりあえず鵜呑みにすることからすべてが始まるってふつうに試練、違う、快感なのかな。野蛮にはたかが原理原則、脊髄反射みたいな生臭い道理が相対的社会認知なり世俗的理解においてはそれなりに贅沢っぽかったり一部の性質には羨望どころか壮絶なる失意すら思い付かせかねない特異で標榜的すぎる優位性っぽさらしく疎まれながらも許容されて見えなくもなかったりするのは、適切っぽく嘯く認知認識を盾に蔑みを標榜しつつたかが苦手から目を背けたがるばっかの臆病が自ら捻転して刺し違える事実なりにもまあまあ淡白すぎるたかが事実っぽさでしかないし、とはいえ逆らうまでもなく手加減でもなく然るべく慣れたかそれほどまででもなかったかでもともあれまあまあ、まんまと興味深くなるんだな、衝動とも欲求とも汲み難い病み少女の家出ハイでも立ちんぼに金的喰らうフェチの貧乏おじでも括りなんてなんだっていい、永遠無限に繰り返す命あっての物種だとかなんでもいい現在過去未来、懲りずたくましく編み出す絶対性回避、分類して説明できる願望にこだわればこだわるほど人なんて簡単に傷つくし傷つけられるだけ、自覚するだけ地獄なだけ、この世はそれを食いものにしてなんぼの仕組みのはずだし食いものにされるのは食いものであることばかりがその理由でもなさそうなことがたぶん、願望とか、自覚だとかそんなもんにとってなによりの危機とか脅迫、されるんじゃなくて自覚するばっかの生理的脅威、脅されても脅すのは所詮自分自身で、そんな親和的捻転を自覚してしまったら人は案外簡単に諦めてしまうのかも。諦められるのかも。
「……わかんないよ、なに言ってんのか俺にはちっとも」
 願望的に、無自覚に食いものでありたくて、なれない、されないなんて絶望すぎて最悪。なりたいのは願望じゃなくて脅迫する自覚からの逃避。逃避を自覚する脅迫の拒絶。食いものになりたい。願望のまま拒絶したい。抱きしめるけど知りたくもない。理由なんてないしわかりたくもない。そんなのおっかなくてやってらんない。なんて、そんなの面倒臭くないの馬鹿馬鹿しくないの。
 さっさと諦めて、降参しちゃったらいいのに。
「……ただいま、ももちゃん」
「おかえり」
「……なにしてた」
「見ての通り。爪研いでる」
 そのブラトップ、昨日も着てたよね。とかそんなこととっくに思わない。その有り様でセルフネイルに精出すとかくっさいほど自覚放り出しながらノールック「おかえり」もカッコよ。なんてあたしがふつうに思ってるなんてとっくに珍しくもなんともないのはなんともなくなければたちまち滞ってしまう事実っぽさだけで事足りる事実っていう事実っぽさへの忖度とか執着だとか、それに優しい適切な温度で捏造されて流通するなりたかが模倣の連鎖に従うしかないことにはフタをしてとっくの既成事実を疑うべきではないレイヤーだとか高を括るまでもなく了解なり脅迫にさえ依存したがる脆弱で肉体っぽい忖度を遠ざけるもおもねるも自由自在に模倣するばっかでなめらかっぽく顕現する事実っぽいだけの忖度的事実のせいなんだからあたしにはぜんぜん関係ない。
「もも。ごはんは食べたの?」
「余計なお世話だしおまえは黙れ」
「心配してるんだよ」
 円滑でも怠惰でもそんなのどうでもいい、模倣らしく極めて生臭い動機をなめらかに流通させたがるノールックだとか露骨な意図こそをコミュニケートする「おかえり」をディスコミュニケーションっぽくまんまと顕現させたのはももちかじゃなくてももちかの露骨な意図を望んだきみなんだし、それってきみの事実っぽさとか忖度にちゃんと親切だし憂鬱っぽくて都合いいんだしなんだっけ? ”思考は現実化する”みたいなチャンバラ? だっけ、手の内付き合わせてまったく事実っぽいばっかでいたい同士だってこと、そうやっていちいち確認し合わないと自覚芽生えそうでおっかないんでしょ。
「……ってかなに、その格好」
「……オーバーキル。ももちゃん……、俺やべえかも」
「やめて。なんなの」
 あは。
 ももちか顔やば。シカトからの二度見びっくりかわよ。願望ばっか、願うばっかとして疑ったら食い物にされないなれない気がしちゃうのはわかるけど疑わなすぎるのって培養してこと足りるあれこれとか次から次へみたいなどれそれと同じに扱ってもむしろなめらかみたいな気なんてとっくにしてるしフラグだとかとっくのこと、選挙もテクノロジーもなんも仕組みなんて似たり寄ったり、っていつかどこかで誰も彼も得意げに言ってたはずだしそんなんもとっくの忖度でしかなくて当たり前だよね、ぜんぜん気にしないし忖度なく共有できるよあたしは。
「お漏らし? ……なんか精子臭いんだけど」
「……ももちゃん。……こいつすげえよ」
「なに泣いてんのっ、まじでなんなのっ」
「わかんねえ。……とまんねえ」
「きみって思った以上に依存的。すぐ出ちゃってさ」
「おまえは黙れ」
「すごい唸り声、発狂して」
「黙ってっ」
 疑ってるっぽいだけで疑う気なんて一ミリもない。
 疑っちゃったら台無しなだけで、でもそれって意図っぽいだけで意図的には存在できないのと同じだし謙虚とか捉えるよりむしろ傲慢って思えなくもない、ってわかるかな、旧態依然でしかない事実を遠ざけながらなにかを放棄するフリして強がるとか? なにかに依存しながら甘えるばっか自覚のかけらもないだとか、そういう事実っぽさに忖度するばっかで済ませたいばっかには重すぎるいちいちのたかが事実がなかなかの事実だってこと見透かしていちいちその気にさせてる、させられてるだけみたいな疑いとかそういうこと考えたりしないの。 
「落ち着いてっ、リラックスしてっ」
「無理だって、だってっ、とまらない。……とまらないっ」
「馬鹿っ、自分の体でしょっ」
「あは。なっつ」
「お願い黙ってっ」
 認知とかとっくに古臭いし、事実とか苦手なんでしょ。
 疑うも疑わないも丸ごと忖度でもなんだっていいし、都合で架け替える認知っぽさや忖度なんて地層レベル無尽蔵レベルで圧縮されてとっくに飽き飽きしてるし世の中の仕組みも人類そのものだっていよいよ自覚的に抑制されていくのに、きみたちって副作用みたいに古臭く環流して悩ませるあれこれっていう肉体っぽさ、ちっとも諦めたくないし野蛮にもなるし依存とか執念深さを事実っぽく掛け替えて熱心にはなれても少しも自覚したくないよね、それが野蛮さのコツで手放したくないとかしがみつくみたいにさ? 今どきそんなのショートカットするなりルーツから削除したってぜんぜん平気っていうかむしろ合理的なばっかなのにきみたちって因習か儀式かなんかっぽく複雑でいたい気ばっかしちゃうんだから矛盾してるよね、理由より先走るなんだか物足りない気がするだとかそんなのがなによりの理由みたいな気がしちゃうばっかとかそんな感じでいたいばっかなんでしょ?
 今更だけど。
 だからきみたちって、臭いんだよ。
 飽き飽きすること、辟易すること、削除しちゃいたいこととかないの。いつまでも依存して執着とか忖度ばっか事実っぽいことに縛られたいばっかでぜんぜんいいし、それってたとえばセックスなんかも同じなんだよね。
 すべては概念。
 願望的な不機嫌にいちいち甘えなくてもそれとよく似たもっと合理的でご機嫌な事実っぽい快感なんていくらでもあるのに、きみたちって古臭い野蛮な行為ばっかは事実にこだわるし執着するし忖度との区別こそ明確で、奔放に欲しがる事実を秘めやかに交換する事実っぽくなめらかに濁して共有するでしょ。セックスするけどオナニーもしたいでしょ。それってとっくに概念でしょ。
 概念って非合理の証明だし、それを本能だの欲求とか呼びつけて甘やかすなんて古典的だし生臭いだけ、とっくに野蛮でしょ。
「うひっ」
 きみたちこそとっくに概念だし、それって事実っぽい事実じゃなくて事実を事実っぽく忖度するための依存や執着を無自覚っぽく許容して自ら洗脳して欲しがり続けてきた事実でしかないでしょ。自惚れても事実っぽく誤魔化すばっかでしょ。
「やめでっ、お願いやめでぎもぢいいぃっ」
 宗教も哲学も玉ねぎの皮剥きみたいなものだったならまだマシだったよね、でも実際はサルのオナニーみたいなものでしかないってとっくの昔にバレちゃった。
「おほほぉぉっ、……しっ、死んじゃうっ」
 ああ。ほとばしる。
 それが事実っぽくて気持ちいいならそれでもいいよ。
「お願いやめて彼死んじゃうっ、ただのやきもちだからっ、あなたじゃないから許してお願いっ」
 あは。
 それってどんな忖度なのわかんない、あたしは仲良くしたいし調教するみたいなこととかぜんぜんしたくないのについつい同調したくなっちゃうのって、露骨な意図をコミュニケートしたくなっちゃうのってなんなんだろ、ディスコミュニケーション? なんだか無駄に複雑。
 あは。
 それってあたしの忖度? まさか。
 とっくに概念化しちゃったきみたちのこと、あたしは諦めきれないの? 手放しきれないのかな、なるほどそれって矛盾してるし、それってあたしなりになんだかもの足りない気がしてるってことなのかな、ってなにそれ。非合理すぎてアタマくらくらしちゃうな。
「ももちか。愛してんだ、あたし」
「……やめて」
「生臭くて好き」
「お願いっ、許して」
 あは。
 忖度してよ、とっくの事実だよ。
 事実っぽく願望で遠ざけて、洗脳して依存しなよ。
 もの足りないよ。
 もっと共有してよ。


 了

ポッシブルインポッシブル

執筆の狙い

作者 浮離
KD059132153162.au-net.ne.jp

欲しいとなりたいとけしからんとおっかないばっかの馬鹿には馬鹿げた話であること。

コメント

そらまめ
133.106.196.6

浮離さん

『ポッシブルインポッシブル』、圧倒的なリズム感と文体、凄まじい熱量に圧倒されました。

この作品は、ストーリーを追うものではなく、「感覚の渦」に身を投じるための装置ですね。

句読点の少なさ、畳み掛けるような反復、口語と抽象語の乱反射。まるでラップのフリースタイルのような疾走感があります。

他方で、あえて厳しく申し上げれば、この作品はあまりに「饒舌すぎる」と感じます。

言葉がほとばしり、重なり、反復される中で、読み手は心地よいトランス状態に陥りますが、同時に「書き手の照れ隠し」も感じてしまいました。あまりに語彙が豊かで、リズムが完璧すぎるがゆえに感じたのですが、その過剰な言葉の裏側に、本当の「静寂」や「孤独」を隠してはいないでしょうか。

中盤の「フリ」を巡る無限ループや、「概念」についての独白は、知的な遊戯としては面白い。けれど、生臭い事実に辿り着く前に、読者がその言葉の奔流に疲弊して立ち止まってしまうリスクを感じます。もっと「言葉を殺した瞬間」を見てみたい、そう思いました。

特に、後半の「お漏らし」からクライマックスにかけての、あの暴力的なまでの生理描写と絶望の交錯。そこには、技巧を超えた「本物の絶望」が立ち上がっていました。あの瞬間の、逃げ場のない生々しさは、作者にしか書けないものでしょう。

賢明な浮離さんが、その「賢さ」をすべてかなぐり捨てて、言葉の贅肉を削ぎ落とした時に、どんな恐ろしい景色を見せてくれるのか。

非常に刺激的な読書体験でした。ありがとうございました。

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