ネコさんだもの
午後二時。冬とはいえ、この時間はあたたかい。
田舎の一軒家の玄関を出れば、二匹の野良ネコさんの姿が見えた。
いつもは白いネコさんが一匹だけ。僕の出待ちをしている。
しかし、今日は白いネコさんのお友達なのだろうか。あるいは通りすがりのネコさんなのだろうか。
もう一匹いた。黒いネコさんだ。
僕はいつものように銀色の器にネコさんのエサを入れて、玄関の手前の定位置にそっと置く。
二匹のネコさんがいたので、いつもの倍の量のエサを用意した。
大量のエサの前で互いににらみ合った。
なにやら険悪なムードがただよっているようだ。
次の瞬間だった。キャットファイト開始。
にゃにゃにゃにゃ! ぎゃにゃにゃにゃにゃにゃー! しゃー!
人間で言えば、殴り合い、怒鳴り合いである。
ほんの少しのホコリが舞い上がった。
それと同時に二匹のネコさんの毛だまりが大量に散らかった。
それらはその場に留まることなく、そよ風が流れてどこかへ飛んでいった。
僕はいつものように散歩に出かけた。
ネコさん同士の争いに興味はない。勝手にすればいい。
よく晴れた日だった。空気が美味しい。
一時間ほどのいつもの散歩道から帰ってくれば、玄関先にぽつんと残された銀色の器がある。
半分ほどのエサが残っていた。
勝者はどちらだったか、分からない。
ネコさんの社会では分け合うという発想はないらしい。
強い者が勝つ。ただそれだけ。
相田みつをの言葉を思い出した。
「うばい合えば足らぬ 分け合えばあまる うばい合えば憎しみ 分け合えば安らぎ」
我々人間は賢いはず。でも最近の僕はそう言える自信がない。
もしかしたら、神様は人間なんて勝手にすればいいと思っているのかもしれない。
執筆の狙い
お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません。
偏差値45の小説を読めるのは、作家でごはんだけ。
忌憚のない意見をお待ちしております。
*段落の最初の一マス下げは、わけあって故意にしていません。