作家でごはん!鍛練場
黒川憐

煙の残響

 夕暮れの空は、淡い紫と朱色が混ざり合い、ビルの谷間に溶けていた。冷たい風がベランダの手すりに触れ、ほんの少しだけ金属の匂いを運ぶ。遠くの道路では車のライトが点滅し、静かなざわめきが夜の街に散らばる。
 隣家の窓からは、誰かがテレビを消す音や、夕飯の匂いがかすかに漂う。植木鉢の土の匂いが風に混ざり、遠くの線路の鉄の匂いと入り交じる。
 そのすべてが淡く混ざり合った空気の中で、燈奈乃《ひなの》はベランダに膝を抱えて座っていた。
 街の音、遠くの車のエンジンの音、どこかで鳴く猫の声。
 そのどれもが薄く膜を張ったように遠く感じる。その中で、燈奈乃の鼻先だけが、他の匂いとは決して混ざらないひとつの香りを探してしまう。
 ——たばこの匂い。
 もう誰もここで吸っていないはずなのに、ふと風が吹くと胸の奥がざわつく。
 煙が頬を撫でた記憶だけが、時間を飛び越えてくる。ベランダにいると、どうしても思い出してしまう。
 目を閉じれば、ベランダの風と街灯のオレンジが、自然にあの夜の街角と重なり、燈奈乃は一瞬で戻っていた。


‡ ‡ ‡


 コンビニの自動ドアが開くと、冷たい夜風が顔を撫でた。街灯のオレンジ色がアスファルトに長い影を落とし、湿ったコンクリートの匂いが鼻をくすぐる。
 遠くで車のライトが行き交い、踏切の警報音がかすかに鳴る。
 手に握ったアイスがひんやりと溶け、ポケットの小銭が冷たく沈む。その瞬間、背後に低くて不気味な笑い声が響いた。
「ねえ、ひとり?」
「ちょっと遊ばない?」
 肩越しに視線を感じ、心臓がぎゅっと締めつけられる。胸の奥がざわざわして、足元の感覚がふわりと浮く。街灯のオレンジの光が、いつもより揺れて見えた。
 軽く笑って誤魔化そうとしたのに喉が詰まり、燈奈乃はアイスを握りしめたまま走り出した。夜風が目にしみて、足音が背中を追いかけて、街灯の光が逃げる影を長く伸ばす。
 息が苦しくてどこまで走ればいいかわからなくなっていた。
咄嗟に角を曲がる。冷たい風が髪をばさりと揺らし、遠くの車の音が波のように迫る。吐息が白く夜空に溶け、心臓の鼓動が耳に響いた。
 角を曲がった瞬間、赤く揺れる火が目に入った。
「……あー、遅い。待ったんだけど?」
 不意に聞こえた気の抜けた声。薄暗い歩道の端、街灯の光を半分だけ浴びた男が、たばこを口にくわえて立っていた。
 夜風が吹き、赤い火とオレンジの街灯が混ざり合う。
 煙の向こうから見える目は静かで、でもどこか困ったようにやさしく笑っていた。彼が軽く手を引くと、燈奈乃の足は自然とその後を追っていた。
「え…?あの、誰…?」
「初対面のふりしないで。待ち合わせだろ?」
「…あ、あ、そうだっけ!そうです!」
 背後の足音が遠ざかっていき、風の音だけが残る。息を整えながら、燈奈乃は震える声で言った。
「ありがとう…ほんとに助かった……」
「別に。たまたま居ただけ」
 彼は静かに笑い、煙を上に吐き出した。街灯に照らされた煙がやわらかくほどけ、揺れる光と混ざって夜空へ消えていく。
「でもさ、君、逃げてくる時の顔……」 
「え、なに?」
「死んでた」
「え!?ひどっ!!」
「事実だし」
「いや、助けてくれた人が一番最初に言うのそれ?」
 彼は声を押し殺すように笑い、肩をすくめた。その笑い声が、たばこの煙を震わせた。
「まあ…嫌いじゃないけど、その顔」
「はぁ…意味わかんない」
「冗談」
 彼はまた煙を吐いた。

 この夜が、京《きょう》との出会いだった。ただ偶然で出会ったはずなのに、どこか安心して馬があった。
 京は静かで、不器用で、でも優しくて。燈奈乃はそんな京にどんどん惹かれていった。たばこの匂いが強いはずなのに、不思議と安心する温度を持っていた。
 そのたばこの匂いを、燈奈乃は今でも忘れられない。
 ベランダの風がまた吹くと、その匂いが今もふっと鼻先に蘇る。


‡ ‡ ‡


 同棲を始めてから、京はいつもベランダでたばこを吸った。昼は柔らかい光が煙を金色に染め、夜は街灯のオレンジがそれをゆらめかせる。そのどの時間にも、京の煙だけが一本の線のように立ち上って、風に消えていった。
「ねぇ京。今日の晩ごはん何食べたい?」
「燈奈乃が作るなら、なんでも」
「…なんでもって言われても困るんだけど!」
「じゃあ…燈奈乃の好きなやつ」
「余計困る!!」
「えーじゃあ…味噌汁」
「渋っ!…ねぇ、京?」
「んー?」
「たばこ吸いすぎ」
「うん、吸ってる」
「開き直らないでよ!寿命縮むからやめてよ!」
「燈奈乃より先に死にたいんだよ」
「ほんとそれ言うのやめて!!」
 ふざけているのに、京の声はいつもどこか本気みたいで。
 燈奈乃は怒るふりをしながら、内心ではその言葉に胸が少し熱くなるのを感じていた。
 燈奈乃はたばこの匂いは嫌いじゃなかった。京の笑い声と混じった煙は、いつも温かかった。肩をすくめる京の声も、笑い声も、煙の匂いも、どれもが同時に燈奈乃の胸に刻まれ、温かくて少し痛かった。


‡ ‡ ‡


 今、ベランダに立つ影は燈奈乃だけ。
風が洗濯竿を揺らし、遠くで車のライトが通り過ぎる。胸の奥には、京が居続け胸をくすぶっていた。
 子供を庇って死んだと聞いたときから時間は止まったままなのに、煙の匂いだけはいつも燈奈乃を引き戻してくる。
 あの頃と同じベランダなのに、空気がまるで違う。
 「……京」
 呼んだ声は、夜にすぐ吸い込まれた。目の前には街の灯りだけが点々と続いている。震える指でポケットを探り、ひとつの箱を取り出す。
 京がいつも吸っていたたばこ。新品のまま残された最後のひと箱。
  一本抜き、ライターで火をつける。パチッという小さな音が、やけに大きく響いた。オレンジの火がゆらりと揺れた。
 火をつけたたばこは、京の匂いがした。
 ゆっくり口元に近づける。この煙を吸ったら、少しでも京に近づける気がした。
 その瞬間———
 『燈奈乃は吸うな』
 耳の横で、煙の温度を持った声がした。ベランダに差し込む風よりも近く、煙よりも確かで、いつもみたいに同じ声で。
 笑いながら、冗談みたいに優しい声で。
 反射的に振り向く。誰もいない。でもそれは確かに京の声で、ベランダの空気に染み込んでいた。
 胸がぎゅっと縮まり、視界が歪む。指先が震え、灰がゆっくり落ちる。たばこの火が小さく揺れながら白い煙がゆらりと立ち上る。
 涙がぼとぼと落ちて灰を濡らす。
 「…京…なんで、そういうこと言うかなぁ…」
 火は消えかけ、煙がゆっくりと立ち上っていく。京の声はもう届かないはずなのに、煙はまるで彼の手のように、燈奈乃の頬を静かに撫で空へ溶けた。
 燈奈乃の世界に残されたのは、一本のたばこと、消えない声だけ。
 立ち上る煙が、街の光に照らされゆらりと細く伸びる。その線はすぐに風にゆがんで、夜空に溶けた。
 胸の奥で消えない京の声がいつまでも響いていた。

煙の残響

執筆の狙い

作者 黒川憐
M014011049192.v4.enabler.ne.jp

短編に挑戦してみました。
たばこの匂いは苦手です。ですが、たばこを吸っている姿が様になって見えるのはなぜだろう、なんて思います。
みんなココアシガレットをたばこと交換してしまえばいいのでは、とか考えてます。

コメント

夜の雨
sp1-73-26-193.nnk01.spmode.ne.jp

黒川憐さん「煙の残響」読みました。


燈奈乃が「京」というたばこ好きの男と出会うきっかけから同棲して、彼の死などが、たばこの煙のようにはかなく空に消えゆく様子を描こうとしたのでは。

で、描けていたのかというと微妙です。
心理描写が風景と溶け込むように描こうとしたのかな。
内容を伝えるには、燈奈乃の一人称のほうがよかったのではと思ったりしますが。

何やら風景に物語の方が呑み込まれているような気がしました。
燈奈乃の一人称で描くと、燈奈乃の世界が伝わるので、彼女から見た「京」の個性やら、たばこやら、その煙、風景などが読み手に伝わるのではないかと思いますが。

何やら、難しい文体でした。

黒川憐
M014011049192.v4.enabler.ne.jp

夜の雨さん、読んでくださりありがとうございます。

>心理描写が風景と溶け込むように描こうとしたのかな。
心と情景が共鳴してる感じで描こうとしたんですけど…燈奈乃の一人称のほうがよかったですね、たしかに…
ありがとうございます!次に活かします!

>燈奈乃の一人称で描くと、燈奈乃の世界が伝わるので、彼女から見た「京」の個性やら、たばこやら、その煙、風景などが読み手に伝わるのではないかと思いますが。
たしかにですね…
燈奈乃の一人称でないと読者に伝わりにくい部分が多くなってしまいますよね…
アドバイス助かります!

>何やら、難しい文体でした。
燈奈乃一人称ではないのが大きな原因でしょうか?
他に原因で思い当たる部分があれば教えてくださると嬉しいです。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

タバコの煙が目に染みる。
涙を誘うのはそれだけではない。
情緒があると思います。

描写が過多だった気がします。
自分は夜の雨さんとは反対に、心情と結ぶような描写があまり見当たらなく、むしろ場面を飾るための描写が多かった感じがします。装飾が多すぎちゃって、ピントがぼやけたような。

話としては短い中で起承転結しっかりできてるし、分かりやすい感じもします。
むしろ古典的というか、ありふれた話になってしまっている気もします。

もう、ここ、難しいんですけど、ありふれた話で良いと思うんですよ。でも単にありふれた話じゃなくて、少し心を動かすありふれた話になれば、ほんとに良い作品になると思うんです。この微妙なニュアンスはなかなかうまく言えないんですけど。

ウチの父はタバコの吸い過ぎで肺がんになりました。今は普通に生活してますが。
なかなかロマンチックと現実の折り合いは難しいですね。
むしろ本作は、もう少しロマンチックに現実を混ぜても良いかもね。
キスの時、タバコの匂いがしてなんたらかんたらとか。

夜の雨
sp1-73-27-226.nnk01.spmode.ne.jp

再訪です。

>何やら、難しい文体でした。
燈奈乃一人称ではないのが大きな原因でしょうか?
他に原因で思い当たる部分があれば教えてくださると嬉しいです。<

この部分。

御作は燈奈乃の一人称に近い文体でしたが、やはり一人称とはちがうので、内容が読み手の私へ、入り方が違ってきます。

下記の冒頭について。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 夕暮れの空は、淡い紫と朱色が混ざり合い、ビルの谷間に溶けていた。冷たい風がベランダの手すりに触れ、ほんの少しだけ金属の匂いを運ぶ。遠くの道路では車のライトが点滅し、静かなざわめきが夜の街に散らばる。
 隣家の窓からは、誰かがテレビを消す音や、夕飯の匂いがかすかに漂う。植木鉢の土の匂いが風に混ざり、遠くの線路の鉄の匂いと入り交じる。
 そのすべてが淡く混ざり合った空気の中で、燈奈乃《ひなの》はベランダに膝を抱えて座っていた。
 街の音、遠くの車のエンジンの音、どこかで鳴く猫の声。
 そのどれもが薄く膜を張ったように遠く感じる。その中で、燈奈乃の鼻先だけが、他の匂いとは決して混ざらないひとつの香りを探してしまう。
 ——たばこの匂い。
 もう誰もここで吸っていないはずなのに、ふと風が吹くと胸の奥がざわつく。
 煙が頬を撫でた記憶だけが、時間を飛び越えてくる。ベランダにいると、どうしても思い出してしまう。
 目を閉じれば、ベランダの風と街灯のオレンジが、自然にあの夜の街角と重なり、燈奈乃は一瞬で戻っていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
上の冒頭は、三人称視点で描かれていて、「燈奈乃」の物語のはずなのに、遠回しに書いているような気がします。
これを燈奈乃の一人称視点で描くと、内容がもっと、伝わりやすくなるのではありませんかね。
作品の冒頭なので、いかに読み手を作品に引っ張り込むかが、だいじだと思いますが。
●ところが、下記のように「三人称視点」でも、わかるようになるのだと、思いました。

御作は話しを遠回しに描いて物語を伝わりにくくしているのではと思いました。
この冒頭の部分の風景描写ですが、「三人称でも、視点が誰なのか」がわかるように「燈奈乃は見ていた。」と挿入して、前の文章を一部変更するだけで、内容がわかりやすくなりますが。ということで、御作は一人称にするまでもなく、三人称でも「誰の視点なのか」が、頭で考えるのではなくて、「読んだ時点でわかる」ようにしておけば、よいのでは。
要するに、イメージをしやすくするという事です。

●====================================
 夕暮れの空が、淡い紫と朱色に混ざり合い、ビルの谷間に溶けていくのを燈奈乃は見ていた。冷たい風がベランダの手すりに触れ、ほんの少しだけ金属の匂いを運ぶ。遠くの道路では車のライトが点滅し、静かなざわめきが夜の街に散らばる。彼女の髪が夕暮れの風に揺れる。
 隣家の窓からは、誰かがテレビを消す音や、夕飯の匂いがかすかに漂う。植木鉢の土の匂いが風に混ざり、遠くの線路の鉄の匂いと入り交じる。
 そのすべてが淡く混ざり合った空気の中で、燈奈乃《ひなの》はベランダに膝を抱えて座っていた。
=====================================

「彼女の髪が夕暮れの風に揺れる。」も、挿入しましたが、かなりわかりやすくなりました。
なので、三人称でも誰の視点(誰が関係しているのか)が、わかるように描けば、問題はないのでは。

冒頭から風景の描写を長く入れると、そのあとで主人公が出て来た時点で「意味がわかる」という事になります。読み手の理解が主人公が出て来るまで、解決しません。
したがって、早い段階で何が起こっているのか、わかるようにしたほうがよいのでは。

ミステリーとかで、特殊な状況を作る場合は、別ですが。それは、作者の仕掛け(トリック)があるので。


こんなところですかね。

黒川憐
M014011049192.v4.enabler.ne.jp

えんがわさん、読んでくださりありがとうございます。

>場面を飾るための描写が多かった感じがします。装飾が多すぎちゃって、ピントがぼやけたような。
心情と結びつけながら必要な描写のみを書いていくのが大事ってことですよね…
その描写に意味を持って書かないとダメですよね、どこかにピントを合わせながら書かないと…
アドバイスありがとうございます。助かります。

>ありふれた話になってしまっている気もします。
書いている最中も、ありきたりだなぁと思いながら書いてました。

>でも単にありふれた話じゃなくて、少し心を動かすありふれた話になれば、ほんとに良い作品になると思うんです。
>むしろ本作は、もう少しロマンチックに現実を混ぜても良いかもね。
キスの時、タバコの匂いがしてなんたらかんたらとか。
ありふれた話の中にロマンチックさを混ぜたり、一つ要素を加えるといいってことですね!
もう少し燈奈乃と京の間に甘さか儚さがあってもよかったですね…

アドバイスありがとうございました。えんがわさんの次回作楽しみにしています。

黒川憐
M014011049192.v4.enabler.ne.jp

夜の雨さん、再訪ありがとうございます。

>これを燈奈乃の一人称視点で描くと、内容がもっと、伝わりやすくなるのではありませんかね。
作品の冒頭なので、いかに読み手を作品に引っ張り込むかが、だいじだと思いますが。
燈奈乃一人称視点で描くことで主軸の世界線が変わって、読者にも伝わりやすくなりますよね。
作品の冒頭のつかみを大事にしたほうが良い、とほかの方にもアドバイスをもらったことがあります。冒頭でつかめないと読者も読む気は失せてしまいますよね。

>御作は一人称にするまでもなく、三人称でも「誰の視点なのか」が、頭で考えるのではなくて、「読んだ時点でわかる」ようにしておけば、よいのでは。
誰がその風景を見て、誰がその風にあたっているのか。これがわからないまま進んでも読者はつまんなくなってしまいますよね。
読んでわかる、これって大事ですよね。的確なアドバイスとても助かります。

わざわざ書き足し、書き直してくださりありがとうございます。
とてもわかりやすくて、助かります。

>早い段階で何が起こっているのか、わかるようにしたほうがよいのでは。
いつも書くときに最初、つらつらと情景描写を書いてしまう癖があります。それを直したほうがよいですよね。改善できるよう努めます。

夜の雨さん、本当に丁寧にありがとうございました。
今後もアドバイスをもとに創作に努めます。ありがとうございました。

飼い猫ちゃりりん
sp49-98-8-154.msb.spmode.ne.jp

黒川さん。美しい文章を書きたいと言う気持ちは理解できます。
猫からのアドバイスですが、もし良ければ、やってみて。
小学生で理解できる言葉だけで文章を書く。
実はこれ、簡単なことじゃない。童話や俳句の難しさを思い知ることになる。俳句は描写の訓練になります。

古池や
蛙飛び込む
水の音

難しい言葉ないでしょ。なのに凄い描写。なぜか、わかりますか? 考えてみてください。

『煙の残響』
もう題名の時点で力みすぎ。
残響? 煙が響くの? 作者さん、肩の力を抜いて。

黒川憐
M014011049192.v4.enabler.ne.jp

飼い猫ちゃりりんさん、読んでくださりありがとうございます。

>小学生で理解できる言葉だけで文章を書く。
ありがとうございます!やってみます!

>難しい言葉ないでしょ。なのに凄い描写。なぜか、わかりますか? 考えてみてください。
多く語らない代わりに余白が出来上がり、読者に想像させることができることができるから。
蛙が池に飛び込み水に波紋ができるのは誰もが知っている場面で、だからこそ無駄なことを語っていないから。
情景→動き→情景にすることで動き一点に集中させることができる。
こういうのが重なりあっているからでしょうか?

>もう題名の時点で力みすぎ。
残響? 煙が響くの? 作者さん、肩の力を抜いて。
力みすぎましたかね…?パッと思いついてしっくりきたので題名にしたのですが…
残響は比喩表現で、『物事が終わった後も、その影響や余韻、印象が長く心に残ること』を京の死や京の存在、たばこの匂いと紐づけたのですが…
飼い猫ちゃりりんさんならどのような題名されましたか?

飼い猫ちゃりりん
sp49-98-8-154.msb.spmode.ne.jp

黒川さん。猫が言いたいのは、もっと単純なことです。描写をするときはアプリオリな言葉で、アプリオリな表現を使うのです。アプリオリって言葉がアプリオリじゃないですね。苦笑
アプリオリな言葉とは、要するに、なーんも考えなくていい単純な言葉。
例えば「猫」。何か考えることありますか?

ただアプリオリには個人差があります。
>古池や
俺Z世代。都会育ちでゲームばっか。池なんて見たことねーし。
>蛙飛び込む
蛙も実際に見たことない。子供のころ風呂場に浮かんでた奴?
>水の音
シャワーの音?

そのZ世代の子供には、池も蛙もアプリオリには響きません。その俳句は無効です。

さて『煙の残響』という題名。
『残響』は作者様にはアプリオリな言葉ですか? 日常会話で使う、馴染み深い言葉ですか?
『残響』という言葉を聞いた読者は、残響ってなに?と考え、ああそうか、煙の香りが微かに残っているって意味かな、と思考する。
読者に思考させては損。直接心に響く言葉にした方が良い、と飼い猫は思いますが。
ただ作者様が敢えて読者に考えさせることを狙っているなら、それで結構です。

飼い猫の考える題名は?との御質問ですね。大変恐縮ですが、まだ題名をつける段階じゃないと思います。

黒川憐
M014011049192.v4.enabler.ne.jp

飼い猫ちゃりりんさん、再訪ありがとうございます。

>描写をするときはアプリオリな言葉で、アプリオリな表現を使うのです。
正直に言わせていただきますが、「アプリオリ」とはなんでしょうか。馴染みがないせいもあるのでしょう、考えれば考えるほどわからなくなってしまいました。上の文章も理解が難しかったです。自分の知識の無さのせいもあります。すいません。
いろいろ調べてみたのですが、よくわからなくて…
AIに聞いてみた返答がこちらです。

Q.描写をするときはアプリオリな言葉で、アプリオリな表現を使うのです。こちらはどういう意味ですか?
A.描写するときは、経験的な細部よりも、
“あらかじめ共有されている概念・普遍的なイメージ・本質を示す表現”を使いなさい。

この回答を見ても、それを実際どのように小説に組み込むべきなのか、なにが正解でなにが間違いなのかがわかりません。知識不足ですいません。

>例えば「猫」。何か考えることありますか?
あります。かわいいです。

>俺Z世代。都会育ちでゲームばっか。池なんて見たことねーし。
奇遇ですね。私もZ世代です。池は見たことがあります。なんなら学校に池がありました。
>蛙も実際に見たことない。子供のころ風呂場に浮かんでた奴?
蛙は実際見たことがあります。

このように私と飼い猫ちゃりりんさんの間でも差があるのも、アプリオリの特徴にあたるのですね。

>『残響』は作者様にはアプリオリな言葉ですか? 日常会話で使う、馴染み深い言葉ですか?
日常会話では確かに使いませんが、残響だなーっと思うことはありますよ。日常と直接触れるような言葉ではないですが、大半の方が知っている言葉だと思ったのですが。

>読者に思考させては損。直接心に響く言葉にした方が良い、と飼い猫は思いますが。
題名から読者に思考させたかったわけではないのですが…
何にしろ、創作物は題名が大事だと思っています。単純明快な題名では読者を惹きつけることができずに読んでもらえなくなるのでは、と私は思います。
題名から読者を思考させることで、この小説はどのような物語だろう、と手を取ってくれるものだと思っていました。

>大変恐縮ですが、まだ題名をつける段階じゃないと思います。
題名を付けれない段階である、ということでいいですか?私は、飼い猫ちゃりりんさんなら、どのような題名にするのか、ただご意見が聞きたかっただけなのですが…

飼い猫ちゃりりん
sp49-98-8-154.msb.spmode.ne.jp

黒川さん。悩ませないために説明したつもりですが、余計に悩ませてしまったようですね。申し訳ありません。

黒川憐
M014011049192.v4.enabler.ne.jp

飼い猫ちゃりりんさん、自分知識不足と理解能力の無さのせいです。飼い猫ちゃりりんさんが謝ることではありません。
飼い猫ちゃりりんさんの親切心でご説明してくださったのに、理解できず、申し訳ありません。
今後、もっと勉強を重ねていきます。小説も飼い猫ちゃりりんさんや、ほかの方々の意見をもとに少しでも成長できたらな、と思います。
飼い猫ちゃりりんさん、ありがとうございました。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

あのせっかくの機会なので、読み直してコメントしなくても良いかなとも思ったんですが、もう少し具体的に指摘したものを、せっかくなので書いてみます。

やはり冒頭というかプロローグがネックな感じ?

遠くの道路では車のライトが点滅し、「静かなざわめき」が夜の街に散らばる。
誰かがテレビを消す音
街の音、遠くの車のエンジンの音、どこかで鳴く猫の声。

どれも小さな音なんですけど、文章だと一つの単語として主張するので、文字面では全体として「賑やかな」印象を感じてしまいます。
そうすると「静かなざわめき」
それにタバコが混じるからタイトルが活きるのでしょうけど、その静けさをこの静けさの畳みかけでは却って表現していない気がするのよん。

音の表現は絞った方が良いと思います。
個人的には遠くからかすかに聞こえる排気音とかが、タバコと「煙」で結びついてお洒落かなって気がしますけど。
今の車はハイブリッドだからダメかー。ありゃ。

あと、タバコの煙の匂いの前座となる匂いも妙に凝っていて、植木鉢の土の匂いなんてほんとに嗅ぐことが出来るのかな、もちろん比喩的な意味はあると思うんですけど、そういう微妙な感覚の匂いが4個くらい出てきて、それは作者の感性の豊かさの賜物なのでしょうが、どうしてもリアルとは遠くなっていて、そうするとその空間でタバコを吸う主人公のリアルな像と結びつきにくくなっているような気がします。
夜の雨さんの指摘した情景と人物の乖離みたいなのが出てきたのはその為かなとか思うのですが。

どの匂いが一番リアルにあると感じる匂いなんでしょう。主人公が寄りかかる手すりの金属の匂い? 街のコンクリートの匂い?
冬の夕空のどこかツンとさせる匂い?(これは観念っぽいけどロマンチシズムに入る作ならアリだと思ったのだけど、ここらへん自分のセンス無いですよね)

あの、冒頭の表現したい空間があって音があって匂いがあって、そこにタバコの煙が加わる、というシーンは否応なく惹かれるし。そこにこだわった努力の跡も好きなんですけど。冒頭のね、「夕暮れの空は、淡い紫と朱色が混ざり合い」物凄く好き、この表現、単なる夕方じゃなくて、「夜に近い」ことを鋭い観察眼の色で表現していて、物語も静まっていく鎮魂へと進むのを予感させていて。
そういう光る表現を思いっきり詰め込んだのが冒頭だとして、そこから絞るというか。
何を一番言いたいのか、その時にどの表現が一番良いのかを考えて、リライトする手間と勇気があれば、どうなるんだろう? 良いの書けるのかな? こればっかりは分からない。

前回、全体として飾りが多いみたいなこと言ってしまったけど、それは個々の表現が存在感があるがゆえなんだと思うよ。

ということでせっかく拙作を誉めていただいたのに、返信はなんかツッコミになっちゃってごめんなさい。

黒川憐
M014011049192.v4.enabler.ne.jp

えんがわさん、わざわざ読み直してくださりありがとうございます。

>冒頭・プロローグがネック
もう一度自分でも読み返してみたのですが、ネックですね…
うん。結構ネック。姉にも読んでもらったのですが「はじめ長くない?」と言われてしまいました笑

>どれも小さな音なんですけど、文章だと一つの単語として主張するので、文字面では全体として「賑やかな」印象を感じてしまいます。
うわーそういうことか!なんか書いててずっと違和感だったんですよ!
静かなはずなのに音が多いせいで賑やかになっていたのか…
音は絞ったほうがよいですね…ありがとうございます!

>匂い
小説であっても、やっぱり現実とかけ離れすぎているとよくないですね…
一番印象に残る匂いに絞り情報をできるだけ少なくし、過多にならないようにする…
すごい、どんどん粗が削られていく…

>冒頭のね、「夕暮れの空は、淡い紫と朱色が混ざり合い」物凄く好き
ありがとうございます!空はよく眺めるのでそれのおかげかもしれません。やっぱり経験が活きますね。

>何を一番言いたいのか、その時にどの表現が一番良いのかを考えて、リライトする手間と勇気があれば、どうなるんだろう? 良いの書けるのかな? こればっかりは分からない。
リライトしてみたいんですけどね…次から次へとプロットが頭に振ってくるのでそれを早く小説にしたい!ってなって先送りになっちゃうんですよね…
リライトすることでよりよいものが出来上がるなら、してみたいですね。いつか。
またこのプロットをもとに、すこし手を加えて違う形で書けたら投稿しようと思います。
いつになるかは不明ですが。

>ということでせっかく拙作を誉めていただいたのに、返信はなんかツッコミになっちゃってごめんなさい。
いえいえ、すごくうれしかったです。もう、なんか、すごい。すっきりした感じです。
ツッコんでくれなかったら次作も同じようなことを繰り返していたかもしれません。
すごくうれしかったし助かりました!ありがとうございました!
今後もどんどんツッコんでくれると嬉しいです。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

テクニカルサポート

3,000字以内