作家でごはん!鍛練場
水野

ゾンビ小説(タイトル未定)のあらすじ プロローグ~12章まで

プロローグ

むかしむかし、極北の国にグズルーンという名の王女がいた。彼女は夫ジグルスをブリュンヒルデという恋敵に殺害されたことで狂える者となり、闇魔術に没頭した。息子の一人に夫の面影を見た彼女は、彼との間に多くの子を設け、彼らを実験材料とした。
ついに死者の復活という禁忌に触れたグズルーンは、夫を現世に蘇らせることに成功する。だが、成功したかどうかを彼女自身が知ることはなかった。なぜなら、死者復活の代償として、グズルーンは生ける屍として正気を失ってしまったからだ。復活を果たしたジグルスもまた魂を持たず、二人は地下深くで永遠の命をいたずらに消費していった。
闇魔術はグズルーンの恐るべき娘たちによって引き継がれた。娘たちが老境を迎えた頃、ついに成果が発揮される。全世界が闇に包まれたかと思うと、埋葬された死者たちが地面から湧き上がり、人間を襲うようになったのだ。
それ以降、命を落とした者は感情を欠落した状態でその後も動き回ることとなる。彼らは「亡者」と呼ばれ恐れられた。
いっぽうでブリュンヒルデは、グズルーンに告発されたことで火炙りの刑となり、遺体は川に流された。彼女は戦乙女の一人であり、死んだ者を生き返らせることができる特別な能力を持っている。このとき彼女は、自分自身を生き返らせるという禁忌を犯してしまった。このことが神々の怒りに触れ、ブリュンヒルデは北方の山頂にて永遠に焼かれ続けるという罰を受ける。
その火は決して燃え尽きることがなく、闇に包まれた世界を温かく照らした。やがてその火を崇める者たちが現れた。彼らは「礼火(ライカ)教」と呼ばれ、教会から異端と蔑まれながら脈々と活動をつづけた。
後に彼らの崇める「永遠の火」が、亡者に有効であることが判明する。分け与えられた聖なる火によって、亡者を完全に葬り去る行為は「浄火」と呼ばれ、国家や教会はこれを推奨するようになった。来るべき復活の日に備え、死者はそのまま土に埋葬するというのが元来の教えであったが、亡者化を防ぐ唯一の方法として、死者の火葬が義務化された。
この文化は教会にとって、異教徒を火炙りに処するための都合のいい材料となった。礼火教は国教に吸収され、国の指導のもと、疑わしき者を浄火により罰する「異端審問」が熾烈を極めた。
火葬が浸透したことで、亡者の発生は局所的なものとなった。しかし世界を覆う闇は一向に晴れず、人々の生活は一変した。
時がたち、西暦一〇九九年。異教徒の支配を受けていた聖地がついに奪還される。正教徒軍は現地にて多くの異教徒を殺害し、遺体は浄火の名のもとに火炙りにされた。
だが、喜びは束の間であった。浄火されたはずの遺体が次々と起き上がり、正教徒に襲いかかってきたのだ。この事件以降、亡者の動きは活発化した。礼火教の総本山にある永遠の火が弱まったことが一因とされているが、生きていた者が死という過程を飛び越えて突然亡者化するという現象も報告されていた。世界は再び絶望に包まれようとしていた。


第一章

一○九九年の悲劇からおよそ五〇年後の世界。各地を守護する騎士団の一員として働く主人公は、派遣された土地で一人の魔女と出会う。
元来、魔女という種族は世間から忌み嫌われている。見た目は麗しい女性だが、本当の姿は見るに堪えない肉塊の化け物と言い伝えられている。
しかし彼女のように、人間の世界で能力を買われて高い地位を得る者も存在した。派遣地では技師である彼女の指導のもと、要塞の建築が進められた。木を運び出す森には異教徒が潜んでいるという噂があり、主人公はそちらの警護を担当した。
周囲に目を光らせていると、魔女に話しかけられた。他の戦士たちが北方出身の顔つきなのに対し、キミだけ南方出身の顔をしている。誰にも言わないから事情を聞かせてほしいとせがむので、主人公は彼女に過去を語り始めた。
かつて主人公は、「カタリ派」という異端の宗派に属していた。教会の命令により二度襲撃が行なわれ、故郷を追われている。一度目は幼少期、ミネルヴの村において。彼はここで領主である父を失った。二度目は青年期、モンセギュールの都市において。今度は将来を誓い合った女性、イゾルデを失ってしまう。
亡者化したイゾルデは異端として処刑される手筈となった。当局から派遣された異端審問官が死者を焼いていく。彼女の番になった時、主人公は意を固めて彼女の手を取り、逃れようとした。
だが、追手はすぐにやってきた。生前の意識を一時的に取り戻したイゾルデは、主人公を茂みに突き飛ばし、自ら囮となって彼の元を離れる。それ以降、彼女は行方不明となる。
その後主人公は騎士団長の夫人に拾われ、今までの人生を捨てて現在の騎士団に入ることとなる。幼馴染のブランガン(イゾルデの妹にあたる)は自らの信仰と溌剌な性格を捨て、かつて主人公が愛した姉のような淑女を目指して礼火教の信者となる。
夫人に対しては騎士の誓いを立てており、だいぶよくしてもらっているが、彼らへの恨みは未だに燃え盛っている。特に騎士団長であるシモンに対しては強い殺意を抱いている。
すべてを語り終えると、魔女は自分の胸元に優しく主人公を抱き寄せた。今の君の実力なら、団長だってやっつけられるはずだよと言われたことで、主人公の心は揺らいでいた。
その揺らぎは、シモン団長が不慮の事故で命を失ったことで霧散した。団長を含む騎士団員が到着し、近くの異教徒の拠点を叩こうという直前の出来事だった。夜襲を仕掛けるべく物陰に隠れていたところ、こちらの動きに気づいた異教徒が先制攻撃。シモンの馬に槍が突き刺さり、落馬したシモンは馬の下敷きになってしまう。
団長の死により、部隊は混乱した。息子であるアモリーが急遽指揮をとるも、うまく統率がとれない。この機に乗じ、主人公は技師の魔女と共に部隊を抜け出した。


第二章

主人公と魔女はアルフォンス伯爵に拾われる。彼は主人公の父とは剣を交えたことのあるライバル関係にあった。カタリ派にも理解を示し、彼の息子であるレモンとも知り合いだった。
これまでの経緯を説明すると、主人公は正式にアルフォンス軍の部隊に加わることになった。アルフォンス軍はシモンによって奪われたトゥールーズ伯領を奪還すべく、戦地に赴いた。
この時代の戦争は、亡者がはびこっていなかった時代とは性質の異なるものになっていた。単純な殺し合いではなく、話し合いがまず行なわれ、解決できなければリーダーを含む精鋭部隊同士の騎乗槍試合で決着をつける。騎士階級に属する者たちは、この規律を守ることが美徳とされた。
アルフォンス軍とアモリー軍による騎乗槍試合が催されることとなる。興行的な見世物としての側面も強く、会場には多くの人々がけしかけた。
アルフォンスは試合に参加するよう主人公に呼びかけたが、彼は丁重に断った。かつての仲間と戦うことに抵抗感があったし、騎士の誓いを立てた夫人を裏切った自分に、もはや騎士たる資格はないという思いがあったからだ。
残念がるアルフォンスだったが、試合の前日、彼は突然倒れ込んでしまう。床につくアルフォンスを、主人公やレモンを含む団員が囲み、明日の試合のこと、今後の指揮系統について話し合う。
彼が元気を取り戻すまで、息子であるレモンが部隊の最高指導者となることが決定された。そうなると明日の試合において、最終的な決着はレモンとアモリーの一騎打ちが予想される。
空いてしまった参加者の枠を誰が埋めるかという話になった。皆はおしなべて主人公を推薦するも、彼は少し考えさせてくださいと言い残し、夫人と密会する。
事情を話すと、夫人は全身で主人公を包み込んだ。夫が亡くなってしまったのは悲しいことだし、あなたの裏切りは許されるべきではない。でもいつか、争いのない平和な世界が来ることを私は望んでいる。これからはあなたたち若い人たちの時代。共に分かち合える世界を作ることも、あなたたちならできるのではないかしら。
夫人の温かい声に励まされた主人公は、レモン軍の一員として試合に挑むことになった。
試合が始まり、両軍が激突する。迷いを捨て去った主人公は破竹の勢いでかつての仲間をなぎ倒していく。鎬を削ったライバルと最後に激突し、どちらも武器を吹き飛ばされたことで引き分けとなった。残りはレモンとアモリー、両者の一騎打ちである。二人の実力は拮抗し、長時間に及ぶ戦いの末、引き分けとなった。
戦いの中で互いを認めたレモンとアモリーは、トゥールーズ伯領を共同統治するという考えに惹かれる。若い感性を持つ彼らからすれば、亡者化という怪異が存在する以上、最優先で対処すべきなのはその原因を突き止めることにあり、我々が争っている場合ではないというのが共通の認識だった。
しかし、アモリー軍は教会が後ろ盾になっているため、カタリ派を擁護するレモン軍とは相容れない関係にある。助言を請うべく、レモンはアラゴン王国の王女である母親マルグリットの力を借りることにした。


第三章

アラゴン王国への遠征が決まった日の夜、主人公はレモンに呼び出された。北方教会が浄火の力を独占している以上、南方の国々は亡者に対して対抗力を持たない。だが亡者化は南方の国々にも及んでいる。
南方にはリトアニアという国がある。礼火教は北方の山奥で始まったが、時期を同じくして、そちらでも死んだ者を浄火する火の存在が確認されたという。そもそもリトアニア自体、火葬文化の根づいた地域である。永遠の火が確認される以前から、亡者に対抗する力を持っていたのではないか。
そこで、リトアニアに赴き、真実を確かめてきてほしいと主人公は依頼を受ける。そちらには魔女が多く住んでいることから、技師の魔女も同行することになった。
彼女の話では、リトアニアには火に包まれた古城があり、人々はその火を崇めているという。ここを調査するという話になり、信頼のおけるレモンの側近である騎士アルス、そして魔女と共にリトアニアへと出発する。レモンとアモリーは、残りの軍を引き連れてアラゴン王国に向かった。
道中、水浴びをしていたところ、アルスが実は女性であることが発覚する。彼女はレモンの幼馴染であり、いつもそばにいたいという願いから、性別を隠してまで騎士団に入ったという。彼のことを守りたいがあまり、今ではレモンをも凌ぐ剣の使い手となっていた。
リトアニア領内へと侵入した主人公たちは、魔女の案内でプロセリアンドの森へと向かう。そこは瘴気に満ちた妖しげな場所で、この森の中心に古城があるという。謎めいた亡霊や湖で泣く貴婦人などに出会いながら進むと、煌々と燃え盛る立派な城が見えた。
近くに寄ると、あまりの熱気に息苦しくなる。耳を澄ますと、中から歌声が聞こえてきた。主人公以外には聞こえていない様子。彼はその声に導かれるように城の中へと入っていった。
主人公は内部にて鎧を身にまとう騎士に出会う。自分のように謎の歌声に惹かれ、途中で力尽きてしまったのではないかと心配した主人公は、彼に声をかけ、返答も聞かぬまま彼を背負い、上へと進んでいく。やがて最上階に辿り着いた途端、これまで微動だにしなかった騎士が動き出した。背中から下ろすと、彼は兜を取って主人公に対峙する。
その騎士は女性だった。実は彼女が歌声の正体だったのだ。主人公を運命の人と豪語する彼女は、城を包んでいた火を自らの内に取り込むと、体をめらめらと燃やしながら主人公に覆いかぶさる。
混濁した意識の中で、主人公はシグルドジーヴァと名乗る彼女から、母親ブリュンヒルデと仇敵グズルーンにまつわる過去の因縁についての話を聞いた。
全てを語り終えると、シグルドジーヴァは、北方に囚われている母親を共に救いだすことを主人公に約束させる。主人公はその代わり、癒しの火を用いて世界にはびこる亡者を滅ぼしてほしいと持ちかける。
契約を成立させた二人は、古城を出て仲間たちと合流する。浄火という新たな力を得た主人公は、レモンやアモリーと合流すべくアラゴン王国へと急いだ。


第四章

アラゴン王国に到着した主人公たちは、レモン、アモリーと合流する。現在、王国は海を挟んだ南方の国からの攻撃に苦しんでいた。この国が興るよりずっと前から争い続けている因縁の相手であり、近年は民間の傭兵部隊の台頭により、騎士道文化が廃れつつあった。殺された戦士は亡者と化し、敵味方の区別なく襲いかかってきた。
主人公はレモンたちと共に、王国連合軍の一員として戦う。初めのうちはやや優勢だったが、やがて敵軍の様子がおかしいことに気づく。一夜が明けた後、敵軍の傭兵部隊全員が亡者化して襲いかかってきたのだ。彼らにははっきりとした意識があり、敵と味方を区別できている。
連合軍は彼らを「不死部隊」と命名した。前線は後退を続け、連合軍側は追い詰められていた。浄火の力を得た主人公だったが、なかなかその能力を使いこなせないでいた。火の範囲も限られているため、物量で圧倒する相手にどうしても侵入を許してしまう。
そして、ついに城を制圧されてしまう。捕虜となった主人公は、連行された地で指導者ハサンと対峙する。
主人公はそこで、世界で今何が起きているのかを知る。伝説によれば、極北の国の王女グズルーンによって亡者という存在が生まれた。国や教会の働きかけによって亡者化は収まったかに見えたが、我々は亡者についての研究を重ねていった。
そしてついに、生きた人間を直接亡者化することに成功したのだ。研究の成果は一〇九九年の悲劇によって立証されている。我々は彼らを部隊として編成し、世界を支配する予定でいる。
全てを話し終えると、ハサンは真実を知った主人公を葬り去ろうとする。しかし直前で謎の女性に引き留められた。それはブリュンヒルデのかつての仇敵、グズルーンだったのだ。彼女は主人公の身に炎の力が宿っていることを疑問に思った。
言い伝えによれば、彼女は正気を失い、夫ジグルスと共に地下に囚われているはず。これまで正体を隠していたシグルドジーヴァは我慢できなくなって姿を顕現させ、なぜここにいるのかを問うた。
彼女が現れたことで、グズルーンの態度が一変した。夫ジグルスを殺された恨みをブリュンヒルデに抱くグズルーンは、その娘に対しても並々ならぬ感情を抱いていたのだ。
グズルーンはハサンに、主人公を幽閉するよう命じる。ハサンは主人公に謎の薬を与え、意識を朦朧とさせる。それはかつてジグルスが与えられたのと同じ惚れ薬だった。シグルドジーヴァはここで、どうしてジグルスがブリュンヒルデを捨ててこの女のところに行ったのか、過去の真実を知った。怒りに燃えるシグルドジーヴァは辺り一帯を焼き尽くそうとするが、癒しを主体にした彼女の火ではどうにもならなかった。
諦めたシグルドジーヴァは、聖なる火によって主人公を癒し続ける。彼女のおかげでどうにか正気を保っていられた主人公は、自分は絶対に裏切らないことをシグルドジーヴァに誓う。度重なる拷問にも耐えながら、助けが来るのを待った。だが助けはいつまでも来なかった。


第五章

囚われてからおよそ二年が経過した。シグルドジーヴァの癒しの力で効かないことがわかると惚れ薬は早々に与えられなくなったが、拷問と束縛は続けられた。ブリュンヒルデの娘を痛めつけたいというグズルーンの思惑と、万が一脅威にならないために力を削ぐことが目的だった。
彼女の思惑通り、シグルドジーヴァの力は空前の灯火となった。最近は呼びかけてもまったく反応がない。主人公もまた、心身ともに限界を迎えていた。
転機は突然訪れる。外から叫び声がしたかと思うと、主人公たちを捕える牢屋の扉が開いた。そこにいたのは全身を黒い布で覆った怪しげな人物である。見張りは全員殺されていた。謎の人物は主人公の手足の鎖を破壊し、外の世界へと連れだした。
草木の枯れた大地を走り抜け、同じく黒服に身を包んだ者の集まる地下洞窟に到着する。そこは暗殺教団アサシンのアジトだった。主人公はアサシンたちに率いられ、「山の老人」と呼ばれるリーダーに会うこととなる。主人公は彼の口から、この二年間で何が起きたのかを知る。
ハサンによる人為的な亡者化は世界規模で巻き起こった。生き残った人々は地下などでひっそりと暮らすようになった。
だが、人類はやられっぱなしではなかった。各地の騎士団が次々と参戦したのだ。暗殺教団アサシンも動き出した。彼らはとある情報をもとに主人公の囚われている場所を発見し、救出に至ったという。
礼火教は自らの重要性を認めつつも、浄火の力を独占しているという。各地に散らばる礼火教信者の中には、世界のために自分たちの力を使う者も少なくないが、「永遠の火」を抱える北の総本山は、門を閉ざして周囲を固めている。そしてそれは、火の力が以前と比べて弱まっていることを公表しているようなものだった。
一方で新しい動きも出始めている。騎士団と修道院が手を組み始めたのだ。彼らは「騎士修道会」の名のもとに各地を巡り、亡者たちと戦い続けている。騎士団の持つ戦闘能力と、修道院の浄火の力が合わさったことで、組織化する亡者に抵抗できるようになったのだ。
しかしこのままでは、増え続ける亡者に抵抗できなくなるだろう。山の老人は、浄火によって亡者を打ち払うことはもちろん大事だが、死者の復活自体を阻止することが重要と説く。それには亡者発生の元凶を討つことが必要だが、失われた古代ルーン文字に、死者の甦りを封じる呪文が存在したという。そのルーン文字を発見し、効力を発揮させることがこの戦いを終わらせる方法の一つと主人公に伝えた。
主人公は自分を助けてくれた女アサシン、サンシーと共に、隠れ家を出発する。まずは騎士修道会の力を頼ることにした。レモンやアモリーなどかつての仲間の消息がわからないため、彼らと合流したいという思いもあった。


第六章

サンシーの紹介で巡り合ったのは、「消防騎士団」と呼ばれる騎士修道会だった。剣を振るう騎士と、浄火の力を操ることのできる礼火教信者がタッグを組んでいる。聖職者が騎士の武器に火の加護を与えることで、その武器で斬られた亡者は二度と復活しなくなる。そのようにして亡者を打ち払い、各地を遠征している。
主人公は消防騎士団の一員として働く。自分が癒しの火の力を使えることは、団長以外には秘密にしていた。そもそも今も、その力が残っているかどうかは怪しい。自分が解放されてからも、シグルドジーヴァの存在がまるで確認できないからだった。いくら呼びかけても、彼女は姿を現さなかった。
修業を続けていき、ついにパートナー選びの時間となった。タッグを組んでいない騎士は、通常修道女たちとは離れて暮らしているが、定期的に開催されるパートナー選びの時間、通称「合コン」の時だけは別で、一緒に食事をとったり、話したりする時間が設けられている。
流れとしては、まず三分間という制限つきで騎士は修道女全員と会話をする。そこで出身国であったり、趣味であったりを話し、相性のよさそうな相手を見つける。次に修道女は自分の気に入った騎士のところに赴き、そこで食事をとる。人気のある騎士のところには十数人もの女が押しかける。無論逆のパターンもあり、その場合はお気に入りの修道女のところに騎士たちが押しかける。ただ、過去にトラブルがあったため、後者のパターンは現在では廃止されている。
翌日、騎士は自分の選んだ修道女の前で騎士の誓いを立てることになる。しかし修道女が彼を受け入れなければ誓いはなかったことになり、その騎士は次の合コンまでパートナーを得られない。
主人公は気乗りがしなかったものの、仲間に誘われて合コンに参加することになる。次々に登場する修道女と会話をしているうち、見知った顔に出会う。それはかつての幼馴染、ブランガンだった。彼女は礼火教の信者となり、行方不明の姉にとどめを刺すために浄火の使用を許可されるまでに至ったのだ。
長期間の修業により、ブランガンはもはや以前の彼女ではなくなっていた。パートナーが誰であろうと私は自分の使命を果たすだけだと言い残し、彼女は主人公の前から消えた。夜の食事の場になると、何人かの修道女が主人公のところに来たが、ブランガンの姿はなかった。
翌日、主人公はエレインという修道女に騎士の誓いを立てた。彼女は最初から主人公狙いだったようで、猛烈にアピールしてきていた。彼女はもちろん主人公の誓いを受け入れた。
主人公に敵対心を持つ男がいたが、彼はブランガンの前で膝をついていた。彼女は長い時間悩んでいる様子だったが、最後に彼の手を取り、誓いを受け入れた。
タッグを組むことになった主人公とエレインは、もしどちらかが亡者となった場合、責任を持って始末することが義務づけられた。
そんな中、何人かの特別な亡者の噂を耳にする。一人は人間離れした腕力で各地を荒らしまわり、ある一人は類い稀な剣捌きで騎士団員を葬っているのだという。前者は「力の亡者」、後者は「剣の亡者」と呼ばれている。
消防騎士団は臨時のチームを組み、討伐遠征に向かわせる。主人公組とブランガン組は剣の亡者討伐部隊に組み込まれた。


第七章

戦場に到着した主人公たちは、地元の騎士団と協力して亡者に立ち向かう。シグルドジーヴァの癒しの力は失われたが、エレインの加護によって主人公の剣に亡者の復活を阻止する力が付与された。
戦いの中で、主人公は剣の亡者との一騎打ちとなる。だが、主人公が兜を打ち払ったとき、そこで彼が見たのはレモンの側近アルスだったのだ。
両陣営は撤退命令を下し、一時休戦となる。主人公は一人、陣地の外へと出た。もし彼女が今もこちらを憶えていれば、彼女も必ずやってくるだろう。
予想は的中した。主人公はアルスと合流し、まずは再会の喜びを分かち合った。二人で夜空を歩きながら、今まで何が起こっていたのかを話した。
アルスは主人公と同じく囚われの身となり、ハサンの実験台となった。生きながらにして亡者となり、身体強化のため体内に謎の薬を注入された。実験に成功したハサンは、彼女を不死部隊のリーダーとして組織化した。
レモンが人質に囚われていることにより、彼女に抵抗の術はなかった。もし逆らえば、彼を亡者にすると脅されている。貴公やアモリー殿が再び結集すれば、ハサンに立ち向かうことができるはずだとアルスは言って、主人公に協力を求めた。
主人公は悩んだが、最後には彼女の申し出を断った。騎士修道会のもとで、世界を脅かす亡者を、それが誰であろうが討ち取らねばならない。そして自分は今、剣の亡者と呼ばれているあなたを葬るためにここに来ている。
アルスは悲しそうに涙を浮かべたが、やがて吹っ切れたように笑い始めた。レモン様のため、私は貴公を討ち取らねばならないと言い放ち、茂みに向けてナイフを放ち逃亡した。放った先にはエレインがサンシーと共に潜んでいて、その一撃でエレインは深い傷を負った。
翌日より、再び人間と亡者の熾烈な戦いが始まる。討伐部隊はアサシンと協力し、亡者戦力を追い詰めていった。そしていよいよ、敵の本陣を叩くことになった。
ついに主人公はアルスと対峙する。彼女の剣の腕は主人公以上だったが、エレインによる剣の神聖化、またブランガンやサンシーの支援もあり、あと一歩のところまで追い詰める。あとは剣を振り下ろすのみだった。アルスは浄火によって体を焼かれ、自意識を失いかけていた。
そのとき、主人公の腕を何者かが掴んだ。その華奢な腕は見た目に反して力強く、身動きができない。どうにか振りほどいて新たな敵と向き合うと、そこにいたのは、かつての恋人イゾルデだった。
突然の衝撃に、主人公とその場にいたブランガンは戦意を失ってしまう。サンシーが代わりにとどめを刺そうとするも、イゾルデは軽く腕を振るう。その衝撃でサンシーは建物の外まで吹き飛ばされた。彼女こそまさしく、人間離れした腕力で各地を荒らしまわる「力の亡者」だったのだ。
イゾルデは主人公にまたどこかで会いましょうと囁いてから、アルスを抱えてその場から姿をくらましてしまう。戦いとしては勝利に終わったものの、特別な亡者を討つまでには至らなかった。


第八章

先の戦いにおいて、深い傷を負ったまま戦闘に参加したエレインは、瀕死の状態で動けなくなってしまう。自分は亡者になりたくない、だから浄火の力で人間として死なせてほしいとエレインは主人公に頼むも、パートナーである彼女を生きたまま焼き尽くすことはできなかった。
また、サンシーの告発により、主人公とブランガンは亡者を目の前にしながら彼らを見逃したという話が明るみに出た。
主人公とブランガンは、あの亡者が自分にとって大切だった人であり、そのため躊躇してしまったことを正直に打ち明ける。しかし相手が亡者である以上そうした情けは無用であると窘められ、亡者と裏で繋がっているのではないかという噂まで流れた。二人は騎士修道会の中で徐々に孤立していき、嫌がらせを受けるようになった。だが、エレインだけは主人公のことを信じていた。
結局二人は騎士修道会を退団せざるを得なかった。主人公がここを去るのであれば、パートナーである私もここを去ると言ったエレインも、まだ回復していないにもかかわらず投げ出されるようにして外へと追い出された。主人公はエレインを背負い、ブランガンと共にあてもなく各地をさまよい歩いた。
彼らが無意識のうちにたどり着いたのは、生まれ育った故郷であるミネルヴの地だった。シモンの手によって破壊されたこの領地は、二年の時を経て少なくはあるが人が集まり始めていた。元々野菜づくりを得意としていたこの地域は、日射量が少なくても作物がよく成長する方法を確立したことで一目置かれ、新たな領主が着任してからは復興の兆しも見えていた。カタリ派の信者も、農業に真面目に従事するという条件で領主から見逃されていた。
主人公が小さい頃、よくお世話になった人たちも多く戻ってきていたため、手厚く保護された。主人公の父がここの元領主だったというのもある。かつての信仰を思い出しながら、主人公たちはミネルヴの村に溶け込んでいった。
主人公はこの地で自警団を結成し、亡者から身を守る術を男たちに伝授した。ブランガンは立派な教会を建てさせ、礼火教の教えを一部カタリ派に取り入れた。聖なる火によって村を囲い、人々を安心させた。
エレインもまたブランガンと協力し、浄火の力を広めるために尽力した。村での療養により、傷の具合もよくなった。彼女は常に主人公のそばにおり、一緒に暮らしていたが、騎士と修道女のパートナー契約を結んだ彼らに不純な動機は一切なかった。だがある時、自分たちがもはや騎士修道会に所属していないこと、そして自らの意志に基づいてこれからも一緒にいたいと願っていることがわかると、二人は結ばれた。
三人は今までの戦いのことなどすっかり忘れて幸せに暮らした。シグルドジーヴァの声も存在も、今の主人公には感じ取ることができなかった。こうして瞬く間に四年の時が経った。


第九章

領主の養子となった主人公は、人々から慕われていた。領主の息子ダニエルとは年も近くライバル関係にある。一人娘であるアリエノールは主人公に羨望の眼差しを送っており、主人公と一緒に暮らすエレインに敵対心を抱いていた。
この村で亡くなった人間は、礼火教を信奉するブランガンやエレイン、彼女たちの教えを受けた信者によって浄火された。時々亡者が村に襲いかかってくることはあったが、単発的なもので脅威ではなかった。
そんな日常を大きく揺るがす出来事が起きた。ある夜を境に、村を囲んでいた聖なる火が一斉に消えてしまったのだ。
突然の事態に村人は恐怖に陥った。主人公たちは領主の屋敷に集まり、周囲を自警団が囲む。エレインは皆に、自分が浄火の力を行使できなくなったことを明らかにした。
このまま待っていては、いつか亡者に襲われてしまう。その前に対策を講じるべきで、まずは明日、周辺の地域を回ってはどうか。話し合いの中で、アリエノールがそう主張した。
この提案が受け入れられ、主人公がリーダーとして行動することとなった。発案者であるアリエノールが同行することになる。翌朝、ミネルヴを出て隣町に到着し、彼女の案内で町長と会う。昨晩に聖なる火が消え去ったことはここでも同じだった。
亡者の襲撃に備え、互いに協力すべきだというアリエノールの提案に、町長はなかなか納得しない。この町は傭兵部隊に警護を頼んでいるが、戦力を他に回せばこの町の守りが手薄になってしまう。隊長に取り次ぐから、直接話してくれないか。
町長の助言に従い、傭兵の駐屯地へと出向く。町の中心地から少し離れたところにあり、酒と煙草の臭いがきつい。武装した人間をかき分けながら進み、一番奥の最も大きな建物に辿り着く。
建物に入ろうとしたところ、傭兵の一人に呼び止められる。彼は傭兵部隊の副隊長で、隊員の健康状態や勤務地の調整などを行なっていた。隊長は忙しいから会うことはできないと突っぱねられるが、欠伸をしながら建物の外に出てきた男を見て、もう少し隊長らしい振る舞いをしてくれと説教した。この男が隊長を務めているようだ。
副隊長同席のもと、傭兵隊長エイリークと村の警護についての話をする。以前はよく戦争に駆り出されて相当な稼ぎを得られたが、最近は稼ぎの少ない警備業務を頼まれることが多くなった。金持ちの町は傭兵ではなく騎士修道会に依頼するから、我々が向かうのは決まって貧乏な土地ばかりだ。傭兵を辞める者も多く、人手不足を補うために外国から傭兵を雇い、暴力行為や規律違反が問題となっている。
我々としては依頼さえあればどこへでも行くし、人数も集められる。しかし外国人傭兵の問題もあるし、雇うとなれば人数分の給料を払ってもらうことはもちろん、食事や住居も現地で用意してもらう。今すぐ用意できるかと問われ、アリエノールは口をつぐんだ。
領主と直接話をしてみなければということになり、エイリークと副隊長、忠実な女部下マシュと共に、主人公たちはミネルヴへと戻った。


第十章

ミネルヴに着いた主人公たちは、エイリークたちを領主の邸宅へと案内する。しかし、留守にしている間に村の様子は一変していた。村のあちこちに武装した人間がうろついており、村人は彼らを怖がっていた。
邸宅に入ろうとすると、鎧を着こんだ男に止められた。今は緊急事態であり、安全のためここは立ち入り禁止になっているとのこと。騒ぎを聞きつけたダニエルが外に出てきたことで、主人公たちはようやく中に通された。だが、エイリークや副隊長、マシュについては外で待つよう指示された。
領主の説明によれば、この村を勝手に取り仕切っているのは教会と深いつながりを持つ騎士団とのこと。どうやら全国にこうした部隊が派遣されているらしく、名目としては地域の安全を守るためとなっているが、彼らはこの機に乗じて異教徒を含む敵対勢力を一網打尽にしようとしている。
ところでそちらはどうだったのかという領主の問いに、アリエノールは答える。すでに予想はついていると思うが、隣の町でも聖なる火が消え去っていた。その町の警護は傭兵部隊が担当しており、この村も警護してくれないかと依頼をした。依頼を受けるにはいくつかの条件があるというので、父に相談しなければと思い、傭兵隊長を直接こちらにお招きした。今も外で待たせてある。
話を聞いた領主は、主人公たちと共に外へと出る。だが、外に出るとエイリークたちは姿を消していた。先ほど主人公たちを妨害した騎士によれば、ここはすでに我々が警護しているのだからお前たちの仕事はないと彼らに伝えたら、大人しく帰っていったらしい。
しかし、彼が嘘をついていることは明白だった。彼の息はなぜか荒く、誰かが争った形跡が残っている。つまりエイリークたちは、騎士団の連中に無理やり連行されたのだ。
そうですかとひとまず引き下がり、邸宅へと戻る。だが、屋敷内にて主人公たちは、女部下マシュと再会した。彼女は息も絶え絶えで、顔には生傷もついていた。
彼女はかつてアサシンとして活動していた経歴があり、素早い身のこなしでどうにか逃げられたのだという。屋敷内をうろつく慌てた表情の騎士に見つからないよう彼女を保護し、事情を訊く。
主人公たちが邸宅に入った途端、騎士たちの態度が一変したという。お前たちはお呼びではない、消えろと騎士の一人がエイリークの体を強く押した。俺たちはここで待つとエイリークが言うと、最初から示し合わせていたように騎士たちが襲いかかってきた。
剣を抜こうとしたが、もし騎士団に歯向かうことになればお前たちは牢獄行きか処刑されると脅された。鞘のまま騎士の攻撃を受け止めるも、エイリークは腕を切られてしまう。副隊長も傷を負い、二人は騎士に乱暴に担がれ、どこかへと連行された。マシュは身を隠しつつ、どうにか邸宅内に侵入できたのだという。
やつらは信用できないというマシュの言葉に領主は頷いた。実力は本物だから、下手に動くと悟られると感じた主人公は、ひとまず様子を見ることを提案する。そのようにして日が暮れた。


第十一章

その日の夜は主人公が見張りをすることになった。私は大丈夫だからというマシュに対し、領主様の身にも危険が及ぶかもしれないからと話す。この領地に派遣された騎士団はいわば、教会の権威で好き勝手暴れまわることのできる連中だ。ともすれば領主やその子供を殺害し、領主代理として名乗りを上げることもあり得ない話ではない。
しばらくして、マシュは主人公に静かにするよう命じる。廊下の方を見て、指で「三」と示した。部屋の前で三人、何者かが潜んでいるようである。
主人公はベッドに忍び込み、寝たふりをする。マシュは武器をいつでも出せるよう身構えていた。
その時、外から聞いたことのない咆哮が聞こえた。その声を聞いた外の連中は慌ただしく駆けていき、やがて静かになる。主人公たちはベッドから出て、何が起きたのかを確認する。
外は暗闇に包まれている。だが、その暗闇よりもさらに漆黒の体に包まれた謎の巨大生物が、邸宅前で暴れまわっていた。
主人公たちは部屋を飛び出して領主たちの安全を確認する。全員の無事を確認したところで、メイドの一人が駆けつけ、正体不明の化け物の襲撃を受けていることを領主に報告する。村人も被害に遭っているという話に、ダニエルは走り出した。主人公も外へと出る。
見たことのない怪物が、手あたり次第に攻撃している。騎士たちは反撃しようとするも、彼らの何倍もの大きさの怪物が軽く腕を振るうと、騎士たちは一斉に吹き飛ばされた。
攻撃力は凄まじいものの、動きは鈍い。主人公とダニエルは大声を上げて、馬を使い怪物を人気のない森に誘導しようとした。主人公たちの戦術に気づいた騎士団長も、部下に命令し森へと誘いこんだ。
木々をなぎ倒しながら声の方向へと歩く怪物。主人公たちは怪物を崖近くまで誘導する。大ぶりな拳の一撃を避けると、その衝撃で地面が揺れ始めた。急いで退避すると、周辺一帯が崩れていき、怪物は崖下へと墜落していった。怪物は動かなくなり、戦いは終わった。
しかし、いつ起き上がるかわからないし、他に敵が潜んでいるかもしれない。主人公の助言に騎士たちは頷き、村一帯の警護にあたった。侵入者はこの怪物だけだったが、今まで戦ったことのない化け物の登場に、得体の知れない不安が募った。
翌朝、主人公が怪物の倒れていたところを見回りに行くと、怪物はきれいさっぱりいなくなっていた。見張りの話では、怪物はまるで穴に吸い込まれるようにして姿を消したのだという。その証拠に、墜落地点周辺に怪物の移動した痕跡がまったく見られなかった。


第十二章

共に脅威を排除したことがきっかけで、主人公たちと騎士団は和解した。彼らはエイリークと副隊長を即座に開放して謝罪した。一目見て賊の者だと早合点した騎士たちは、領地の安全のため、すぐさま身柄を拘束したのだという。エイリークは怒りに燃えていたが、治療費という形で騎士団長から大金を積まれた途端、柔和な表情となり全てを許した。
改めて昨晩の怪物が何だったのかの話をする。あのような姿の動物は、本に出てくるような幻想物語の中でしか見たことがない。だがそんな化け物と実際に戦ったことは事実である。今後また、あのような怪物が現れるかわからない。原因を究明しに行くべきだという結論に達した。
我々は教会の命令により、この村を守る義務がある。どうか力を貸してくれないかと騎士団長はエイリークに言った。面倒だと渋る彼に対し、報酬は先ほど渡した額の三倍は保障しようと囁かれたことで、態度を一変させた。隣町の警護はどうするのか副隊長に窘められると、今後はお前が指揮をとれと言い返して副隊長を絶句させた。お前も行くかとマシュに尋ねると、隊長にぞっこんの彼女は迷いなく頷いた。
聖なる火が失われたということは、北方にある礼火教の総本山、そこで奉られている永遠の火が途絶えてしまったということだ。もしかすると、教会が意図的に途絶えさせた可能性があると騎士団長は言う。聖なる火が失われてから各地に騎士団が派遣されるまでの対応があまりに早いだからだ。
総本山で何が起こっているのか、調査をしてもらいたいと団長は言った。行けば必ず、亡者発生の原因にも近づけるはずである。エイリークの傷が癒えるまで、しばらく休息をとることになった。
自宅に戻った主人公は、聖なる火が失われてしまった原因を探るべく旅に出ることをエレインに告げると、彼女もいっしょに行くと言った。しかし今は彼女に無理をさせることはできない[彼女が身籠っていることが後に明かされる]。その夜は二人きりで大事な時間を過ごした。
明け方、外を歩いているとブランガンに出くわす。二人は四年前、仕留めることのできなかった力の亡者のことを思い出していた。私たちは奴を必ず討ち取らねばならない。しかし、次に会った時、迷いを捨てて戦うことができるのだろうか? 浄火の力で葬り去るしか方法はないのか?
それでもやらなければならないことをお互い確認し、二人は騎士と修道女として新しくパートナー契約を結んだ。
アリエノールは主人公に絶対ついていくと言って父親を困らせていた。自分にはあちこちに知り合いがおり、それはきっと旅の役に立つと言ってきかなかった。最終的に一緒に来ることになり、彼女の命を絶対に守ることを主人公は領主に誓った。エイリークとマシュの傷もよくなったところで、文句を言う副隊長をよそに、北へ向けて出発した。

ゾンビ小説(タイトル未定)のあらすじ プロローグ~12章まで

執筆の狙い

作者 水野
fp8393d766.chbd309.ap.nuro.jp

現在執筆を進めている、11~13世紀ごろの中世ヨーロッパを舞台にしたファンタジー小説の概略になります。
3年ほど前から参考書を読み漁りつつアイデアをメモしていき、構想を練り始めたのは最近のことなのですが、本文に着手する前に全体の流れを整理するために書き始めました。

とにかく長丁場の作業になるので、この辺で序盤の展開を固めておきたいという思いがあり、自戒の意味も込めて投稿に至った次第です。
主人公の名前は決まっていません。登場人物の名前は神話や歴史から拝借していますが、生きた年代や相関関係などは変更を加えています。本文を書く際はオリジナルのものに変更予定。

コメント

久々の男
softbank126059016076.bbtec.net

水野さん、初めまして。久々の男と名乗る者です。
御作のプロット版をざっと読ませていただいて、いくつか質問ができました。自分の感想も含めて書かせてください。詳細に読んでいない失礼をお許しください。

①主人公はどういう性格なのか?
御作がプロット段階ということもあり、主人公のパーソナリティが若干、ボクにとってはつかみづらかったです。
騎士団の一人で、どちらかと言えば体制寄りの感があったのですが、具体的に水野さんがこの人物をどのように描いて、どのようなセリフを言わせたいのか知りたいです。かなり女性からモテる感じがあったので、カッコいい容姿だとは思ったのですが……。
ボクは先日、漫画のキングダムを2巻まで読んだのですが、主人公の信は向こう見ずでまっすぐな性格、そして、一国の将軍になりたいという野望を持っている。そんなイメージを水野さんがこのキャラクターでどう思っているのか、よろしかったら教えてください。

②主人公にバディはいるのか?
キングダムでは信には漂というガキの頃からのライバルがいます。しかし彼は秦王政の身代わりになって死んでしまう。でも今度は信と政が決死の覚悟で行動を共にする。河了貂という女の子もついていきますが。
御作のプロットでは主人公と行動を共にするバディとして技師の魔女かな?と思ったんです。前半では行動を共にしますが、後半では主人公は確か結婚してしまうんではなかったですか???
魔女、や~~~い、出てこ~~~い(泣)って感じなんです。
異性のバディって、いい感じだし、恋仲にも発展するうま味もあるし(シティーハンターの冴羽獠と槇村香なんかも)いいと思うのですが、水野さんはそのあたりはどうお考えですか?(パートナーの修道女エレインがその立場なのかもしれませんが)

③光と闇の勢力の設定はどう考えているのか?
プロローグのところでゾンビ側とそれを火で浄化する側と二つの均衡が紹介されたと思うんです。
キングダムでも世界設定は緻密に描かれているように思うんです。例えばアサッシンのムタは中華の南の百越(ベトナム)だとか、山の民は秦の西方に高度な文明を持って住んでいるとか。
このように世界観が史実などを元にしっかりしていると、フィクションであってもストーリーに説得力を持たせることができるようになると思うんです。
水野さんが考えているこの二つの勢力はどこまで、リアルな中世ヨーロッパを参考にしているんですか?差しさわりなければ教えてください。

①~③まで安易な読みで質問させていただきましたが、ざっと読んだだけでも緻密にストーリーと設定が練られた作品だと思いました。頑張って、素晴らしい作品を創り上げてくださいね。

水野
fp8393d766.chbd309.ap.nuro.jp

久々の男さん

はじめまして。コメントありがとうございます。

①主人公はどういう性格なのか?
主人公は元々カタリ派という宗派に属していたのですが、襲撃にあって大事な人を失っています。そして騎士団長に恨みを抱えながらも、今までとは環境のまったく異なる騎士団に所属することになります。
自分自身を殺して生きることを余儀なくされたため、仕事や任務に忠実で、自分を拾ってくれた夫人に信頼を寄せる義理堅い性格を持っています。どちらかといえば体制寄りですね。
またシモン団長に対して恨みと殺意を抱き続けるなど執念深さも持ち合わせており、あまり表には出しませんが、心の奥底で炎を燃やすようなタイプだと考えています。

ただ現状、主人公は物語を動かす側というよりも動かされる側になってしまっているきらいがあり、この辺は改善したいなと思っています。
要所要所で主人公が重要な選択をする場面はあるのですが、もう少し主人公の性格に起因した物語の流れを作りたいですね。そうすれば自然と、主人公の性格が読者にあらわになります。

②主人公にバディはいるのか?
契約という観点からいうと、シグルドジーヴァと主人公は、母親ブリュンヒルデの救出と亡者の殲滅を互いに誓い合ってバディになりました(途中から彼女はいなくなりますが)。
また騎士修道会において、主人公はエレインに押されて、騎士と修道女として彼女とパートナー契約を結びます。ただこの契約は解消されて、代わりに幼馴染であるブランガンと新たに契約を結びバディになっています。
エレインには村にずっと残ってもらう予定で、エピローグまでたぶん登場しません。

その点、技師の魔女に関してはそういった契約を結んでおらず、主人公にとってのバディというよりも気の置けない友人、という立ち位置で考えています。魔女なので他の人には言えないような相談に乗ってくれたり。からかうのも好きで、後に主人公は亡者と同衾まがいのことをするのですが、その際も普通に同じ部屋にいたりします。
ちなみに彼女は、アラゴン王国での敗北以降行方不明なのですが、後に魔女を統べる魔女王なる人物に出会い、彼女の要請で救出される展開になっています。
私自身、魔女に対しては思い入れがあるので、本領発揮は救出以降ですかね。決して決して途中まで存在を忘れていたわけではございません。

私の場合、バディのモチーフは『ソウルイーター』が根幹になっているところがあります。主要キャラが男女のペア(またはトリオ)で、片方が武器に変形する。
そこに恋愛感情は一切なく、あくまで仕事上のパートナーといった側面が強かったと記憶しています。自分が目指しているのもおそらくそういう関係なんじゃないかと。

③光と闇の勢力の設定はどう考えているのか?
光と闇の対立に関しては、実はゾロアスター教が元ネタだったりします。プロローグで「礼火教」とあるのは「拝火教」をもじったものです。
ただゾロアスター教に関して調べても、いまいちピンとこないところが多くあるので、教義などはあまり参考にしていません。火というモチーフであったり、善と悪=光と闇の対立であったり、部分的に取り入れているところはありますが。グズルーンが自分の息子と子を作るのも、どうやらゾロアスター教の古い考え方で近親相姦が奨励されていたからです。
中世史でゾロアスター教はまったく出てきませんので、そこはオリジナルです。

アサシンに関しては、B.ルイス『暗殺教団 イスラームの過激派』という本を参考にして考えました。そこに「山の老人」なる記述があり、これは面白そうだから使ってみようと。
その本拠地については、「彼は二つの山の間のある渓谷を囲い込ませ、そこを今までにはなかったほどの大きく美しい庭園に変えて」という記述を参考にしています。知っている者でないと絶対に見つけられないような秘境、というイメージです。

このたびは貴重なご意見ありがとうございました。

fj168.net112140023.thn.ne.jp

ざっとではありますが拝読しました。
なので物語構成のみのコメントだけにさせていただきます。

プロローグからして相当重い物語ですね。
この小説はエンタメですから時系列で描いて行くと読者は付きにくいのではないかと思います。文学的なものを目指しているならまだしも、禁忌を取り上げた時点で読者が減るのでは?

それに比べ、第二章辺りでは相当動きのある描写や、心情が書けるのでここからスタートしたら良いかと思いました。
同行している魔女をチャーミングに、また、アルフォンヌ伯爵を魅力的に描ければ良いかと。で、ひとつのエピソードをきっかけに回想に入れば、プロローグの重みやらが読者にすんなり受け入れられるのではないかと思います。

趣旨に合っていなかったらごめんなさい。

水野
fp8393d766.chbd309.ap.nuro.jp

凪さん

来てくださりありがとうございます。

物語の構成については今もなお悩んでいます。具体的にはどこから始めるか、です。
プロローグは一旦置いておいて、「魔女と出会って主人公の運命が変わる」シーンを第一章に持ってこようというのは前から決めていました。魔女という異種族がこの世界に存在すること、また彼女との会話を通じて主人公の過去を読者に知らせることができるため、結果的に良かったのかなと。
ただ実際に本文を書いてみた場合、アクションシーンがないため冗長な場面が続く可能性があります。であればそうした身の上話は後に回して、動きのあるシーンを持ってきた方がいいのかもしれません。第2章を先に持ってくるのは目から鱗でした。ありがとうございます。

プロローグに関しては、1099年の聖地奪還と亡者事件のみ取り上げようかと考えています。グズルーンとブリュンヒルデの詳細な物語は、第3章でシグルドジーヴァが主人公と邂逅したときに明かそうかなと。
一方でこの世界は火と亡者=光と闇という対立関係で成り立っており、この辺の特殊な世界観は最低限、冒頭で説明しておくべきかなと思っています。いずれにせよ削るのは間違いないのですが、塩梅が難しそうです。

世界の成り立ちについてもそうですし、主人公の過去に関しても決して明るいとは言えないので、それをいくらか軽減すべく、魔女を含む仲間たちは開放的なキャラクターにする予定でいます。
第12章において、主人公と幼馴染のブランガンは、主人公にとってのかつての恋人でありブランガンにとっての大事な姉であるイゾルデ=力の亡者を討つことを共に約束しますが、けっこう重めの使命なので、周囲を明るくすることでバランスを取ろうかなと。

構想段階では、ミネルヴの村で結ばれるのは主人公と幼馴染の予定だったのですが、なんか違うなと思いエレインという女性キャラを登場させました。彼女は主人公に対して熱い恋心を抱き、そのままゴールしてしまうような猪突猛進タイプです。
アリエノールは物怖じせず意見を正直に言うタイプで、エレインに嫉妬と羨望の感情を抱いています。魔女と合わせてこの三人はけっこうお気に入りのキャラだったりします。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

テクニカルサポート

3,000字以内