さようならイボ痔さん
オレはイボ痔。
この女のケツの穴に二十年も住んでいる。超ベテランのイボ痔だ。パチンコ玉よりデカいんだぜ?
このケツの事ならなんでも知っている。
それはある日突然の事だった。
女は肛門科の病院へ行った。
そしたら医者のヤローが言ったんだ。
「このままでは危険です」
そしてオレはケツの穴から追い出されちまうことになったのさ。
医者のヤローはオレを縛り付けた。
「こうしてレーズンみたいにして、カピカピになったらになったら、自然に取れるんですよ」
苦しかった。痛かった。つらかった。
どうしてオレをこんなふうに縛り付けて、ケツの穴から追い出そうとするんだ。
オレとはもう二十年の付き合いじゃないか。
どうして今更、オレを追い出したりするんだよ。オレ達、兄弟みたいなもんだと思ってたのに。
お前に分かるか?
体に血が回らなくなっていく、この感覚が。感触が。
お前に分かるか? この恐怖。
どんどん小さくなっていく、この体。足元がなくなっていく、この悲しみが。
時は来た。
カピカピになったオレは、どんどん足元から腐り落ちていくのを感じた。
女は喜んだよ。俺がいなくなっていくのを。
うんこに押し出されて、オレは便器に落ちて行った。
ぽちゃん。
でもいいんだ。
オレがいなくなる事で、女の便秘が治るのなら。
オレの兄弟が健康になるのなら。
女は最後にこう言った。
「さようなら、イボ痔さん」
オレにはお似合いの最後だろ?
こうしてオレは、孤独になった。寂しいもんさ、一人ってのは。
さようなら、便秘の女。元気でやれよ。
オレとお前、今からは別々の道を歩むのさ。また、道が一つになる日も来るかもな。
それまで、さようならだ。
女はもう一度呟いた。
「さようならイボ痔さん」
執筆の狙い
尻にいぼ痔が出来たので書きました。
絵本にするか悩んでいます。
よろしければ、絵本にすべきか、このままにすべきか、意見を下さい。