愛のために世界を殺した
崩れゆく王都。空は赤く染まり、世界の終わりかのような様相を呈している。
今、人類は魔王軍に負けかけ最後の決戦が行われようとしている。
その中心に立っているのは、一人の少年と一人の少女。
少女の方はこの世界で有名な『魔王』と呼ばれる者
「何故抗うの?ケント。あなたが、私を受け入れればこの戦争は終わるのよ?」
私が切り出した。
「ディスティナ……いや、魔王。お前の愛は、世界をも壊す。見過ごせない。」
一人の少年…ケントが答える。
「ここまでして俺を手に入れる必要はないだろ!」
「俺は君の一人の友人として、世界を今背負っているものとして、ここで君を倒す。」
ケントが決意表明をする。
これに対する返事はこれしかない。
「私は、あなたが欲しい。」
「世界がどうなろうと、私の中には“あなた”しか存在しない。
ケントを奪うなら、世界を全て焼き尽くす。それが、私の愛。」
そう。この戦争は私の、魔王の、とある愛の為に始まった戦争なのである。
「今の君に話は通じないみたいだ…」
「私のケント。どちらの思いが強いか決めましょう。」
おそらく、私はこの上ないほど恍惚とした表情だっただろう。
こうして、この世界の命運が掛かった聖戦が始まった…
火花が飛び散る。
魔法が飛び交う。
大気が悲鳴を上げている。
始まってかなり経つ。
まだ、決着がつかない。
「いい加減、私のものになって!」
私が叫び、剣を振るう。
「無理だ。俺には、たった一人の友人を止める義務がある。」
ケントは、綺麗に私の剣を受け流しながら言った。
「今の君は世界の敵だ。世界の味方であろうとした俺とは相容れるはずがない」
「世界の味方なんて、それは私が世界を手に入れればそれは私の味方同然よ!」
それ以上の会話は無くなった。
ただひたすらに、
躱し、
受け流し、
反撃して、
自分を表現していく。
私は、“自分を見て”と。
ケントは、“僕以外のものを見て”と。
更に激化した戦いが、大地を軋ませながら続いていく…
変化は突然訪れた。
私の方が先に魔力が尽きたようだ。
剣も折れかけている。
ケントが話始めた。
「ディスティナ…これ以上は無理だろ。降伏しろ。そしたら、命だけは助かるかもしれない。」
「ふふっ…これ以上は無理かも。」
「でもね、これは技術のぶつけ合いではないの。」
「思いのぶつけ合いなのよ!!!」
その瞬間、魔王の魔力が暴走する。
感情の奔流。悲しみ、執着、孤独、すべてが爆発して――
今度はケントが圧倒され始めた。
「っ!」
ついにケントが膝をつく。
声を振り絞って出す。
「終わりましたね。」
「あぁ。」
「君の想いが勝ったみたいだ…」
負けたのに清々しい。
この戦いで色々出し切ったたようだ。
「ほんとは勝ちたかった。だけど、思いの強さでは君に勝てないな。」
「君の勝ちだ。どうとでもするが良いさ。」
ケントが笑いながら言う。
それを見て私も微笑む。
「では、どうとでもさせていただきますね。」
こうして、戦争は終わった。
とある繁栄した世界があった。
しかし、今は死んでいる。
これは、死んでいる世界での物語。
執筆の狙い
狂愛というものを書いてみたくて書きました。
こういう系は、初めて書いたので少し時間がかかりました。
皆さんは、こういう系の物語をどう感じますか?それと感想をお願いします。
追記
初めて使うサイトなのでご無礼があるかもしれません。その時はすみません。