春夏秋冬物語
春夏秋冬それぞれの季節に人々は色々な行事があり、季節を楽しむ人もいれば、また人との出会いと別れもある。なかには春夏秋冬がある国は日本だけかと思っている人も意外と多いようだ。ところが逆に春夏秋冬がない国の方が圧倒的に少ないのだ。ただ時期がオーストラリアのように日本とは真逆で八月前後が冬で二月前後が夏である。それは良いとして此処に若い三人の女性が体験した春夏秋冬の物語があった。
いま日本は夏を迎えていた。夏と言えば海、佐々木愛は友人達と海水浴に来ていた。
愛を含めた三人は会社の同僚で入社時から仲が良い。しかし三人とも恋人が居ないのが悩みだった。しかも二十台後半となれば尚更だった。
こうなったらこの機会に良い出会いに巡り合えるようにと三人は冗談交じりに話していた。同僚の一人は宮本里佳子、積極的で三人の中ではリーダー的存在だ。もう一人は吉本香奈、性格はきついが三人の中では一番明るい。佐々木愛は控えめなタイプであり真面目派。
その性格が水着にも表れていた。愛は少し照れ屋で水着になる事態勇気が必要だった。その結果選んだのはホルターネックといって下はスカートのような感じで極めて清潔感がある水着だった。里佳子と香奈は大胆なビキニで三角ビキニと言われ特徴は極めて水着の面積が狭く男を挑発するつもりだろうか?
三人はひと泳ぎした後、パラソルを広げカキ氷を食べている時だった。
「こんにちは、涼しそうですね。僕らはこれからスイカ割しようとしている所です。どうです、一緒に参加しませんか」
相手は二十代後半だろうか、年齢的には同年代みたいだ。見た目は遊び好きの男に見えた。その誘いに三人は顔を見合わせてヒソヒソと話した。
「あれナンパよ。どうする?」
「いいんじゃない、こっちは三人だよ油断しなければ大丈夫じゃない」
と里佳子はチャンス到来とばかり乗り気になっている。それに賛同するように香奈もその気でいる。こうなれば愛だけ反対する訳には行かない。脈があるとみた男は追い打ちを掛ける。
「どうです。他にビールや食べ物もありますよ」
愛は調子の良い男だなぁと思っていた。ちょっと心配もあったが里佳子と香奈は最初からそれが目的かのように二つ返事でスイカ割り、に参加すると言い出した。もはや愛だけ行かないと言えない状況に渋々と言うより心配性だが友人と一緒ならと賛成した。
相手の男達も三人、人数的には三対三、彼等は同じく三人組に合わせていたのかもしれない。もはや合コンみたいな感じでスイカ割りが始まった。勿論ゲーム式で目隠しをして一回転しスイカを割るというゲームだ。警戒心はあったものの、その後は彼等が用意していたビールや生ハムに酒のつまみなどをご馳走になった。すっかり仲良くなった六人は夕暮れまで遊んだ。夜は都内に戻りカラオケに行こうと誘われたが流石にそこは遠慮したが、互いに名前を名乗り、それぞれメール交換して別れる事になった。
愛は心配していたより感じの良い三人組だと思った。あのあと強引にカラオケに誘う事もしないし以外に紳士的な所があると感じた。翌日会社の昼休み時間、愛と里佳子と香奈三人は社内食堂で、昨日の感想を語り合った。
「ねぇねぇ私は吉野くんがいいなぁ、愛と香奈は誰に決める?」
里佳子は吉野という男に目を付けたようだ。他の二人に断りなしに付き合う相手を宣言している。
「ずるいよ里佳子。私も吉野くんがいいと思ったのに。もう仕方ない原口くんで我慢するか」
香奈は仕方ないと言って自分の相手を宣言した。少し奥手の愛は乗り遅れた格好になった。残されたのは橋本くんしか居ない。橋本くんが残された三人の中では比較的おとなしいタイプだ。愛も奥手の方だから相性の良い相手かも知れない。しかし橋本くんが良かったなんて喜ぶ訳には行かない。残り物の橋本さんでいいわと返事をした。もっとも本人が聞いたら残り物で悪かったなというだろう。
早速男どもからそれぞれのメールが届いた。こちらが選んだ相手を里佳子が報告していたからだろう。男達はそれで構わないよとの返事だ。こうしてそれぞれの相手が割り当てられた。互い指名した相手らメールが届いたのだ。妙な交際がそれぞれスタートした。
愛は橋本雄介からメールを貰い悪い気はしなかった。一度目は宜しくと返信を返したに過ぎない。そして二度目、今度一緒に食事に行きませんか。勿論三人ずつグループでという意味でなく二人で食事という意味だ。愛は二度目で誘いに乗るなんて軽いと思われると思い『その内にねと』上手く交わした。そして四度目流石に誘いに乗らないと不味いと思い誘いに乗った。指定された場所は銀座にある店だった。普通は若い人なら渋谷か六本木、或いは新宿周辺かと思ったのに銀座とは驚いた。そして指定された夜七時に向かった場所はなんとインド料理の店だった。橋本はすでに店の前で待っていた。
「ごめんね、勝手に店を決めてしまって」
「いいえ、銀座というから少し驚きましたけど」
「さあ中に入りましょう。一応下調べしてあるので。きっと佐々木さんも気にいって頂けるかと思います」
中に入ってみると二十人も入ればいっぱいになる程の店だが一見和風を思わせる落ち着いた店だ。
「この店はタンドール料理(インドで使われる粘土で作られた土釜のオーブン)が売りらしいですが、日本人には馴染みのナンを色んなスパイス味のソースを付けて食べるものや、他にも焼き鳥のようなものなど気軽な食物ですよ」
そう説明してくれてもインド料理は初めてだ。二人はナン料理と焼き鳥のような物を頼んだ。飲み物はワインにした。
「銀座と言えば最低二万円以上する店が多いですが、ここは高くても一万円前後に収まるし、気軽な店だと思いますよ」
なかなか話の分かる男だ。高級店に誘われれば、こっちも気になる。また安ければケチ臭い男だと思われる。その点では妥当な店を選んだようだ。
ナンは流石に本場の味というか、ナンに付けるスパイスはカレーや他に三種類のものがついていた。本場と言っても此処は日本人に合うように作っているようだ。勿論、インド人がくればお国の味に合わせた物を出すらしい。
予想以上に美味しく愛は満足した。橋本が言った通り二人一万二千円で収まった。銀座にはこんな店もあるのだと初めて知った。銀座といえば高級店のイメージがある。そんなイメージが寝強く若い人は六本木や渋谷が圧倒的な人気が高い。でも愛は銀座も悪くないと思った。支払いは橋本が誘ったから全部出すと言ったのだが愛もそう行きませんと割り勘を申しでたのだが、此処は僕を立ててください、と言われれば強引に割り勘という訳にも行かない。ともあれ最初のデートは橋本の紳士的な振る舞いで好感が持てた。それから銀座をブラブラしてから別れた。
それから三日後、愛たち三人はデートの報告会を開いた。場所は三人で良く行くカラオケだ。二杯ほどビールを飲んで一曲ずつ唄って、順番に印象を話し合うというものだ。普通はなんでデートの内容まで話し必要があるのかと思うのだが、今回ばかりはナンパされるのを承知で海水浴に行ったのだ。相手はナンパしたつもりだろうが、こっちが逆にナンパしたと思っている。だから収穫した獲物は報告しなくてはならない? まぁ仲良し三人組ならでは遊び心だろう。
なんと待ってましたぁと最初に手を上げたのが宮本里佳子だった。
「吉野くんって積極的なんだよ。初日のデートだと言うのに四軒くらい飲み歩いてさぁ、あれはね。私を酔わせて、なんかとしょうと目論んでいたんじゃないの。しかし彼は知らなかったのね。私は酒豪で社内でも有名でしょ。笑っちゃうわよ。彼の方がグロッキーになって私が送っていったのよ」
「それでどうなったの?」
「だってどうもこうも半分意識が飛んでいるんじゃぁしょうがないじゃん」
「なぁんだ。自慢にもなりわしないじゃない」
そう言う吉本香奈は得意げに話し始めた。
「原くんって意外とシャイで驚いたわよ。最初は何処に連れて行くと思ったら喫茶店よ。今どき信じられる? 原口くんって何でもゲコだって。まぁそれは仕方ないにしても次に行ったのはカラオケ。それが意外と歌が上手いのよねぇ。驚いたわ」
「なにそれ? 食事はしなかったの」
「結局、カラオケで食べ物を頼んでね。私も唄うのが好きだから意気投合して楽しかったわ」
「ずいぶんと安上がりなデートね。大丈夫?」
そう言って里佳子と愛は顔を見合わせ吹き出してしまつた。
「なにそれ、高校生のデートじゃあるまいし。まぁ香奈がそれで良いなら好きにすれば」
今度は里佳子と香奈が次は貴女の番よ、とばかりに愛に眼を向けた。
「やはりそう来るか。言わなきゃ駄目?」
「当たり前でしょう。人の恋愛話聞いて逃げる気? こうなったらキッチリ聞かせて貰うわ。それとも言えない訳でもあるの。まさか初日からホテルに行ったんじゃないわよね」
「な! 何を言っているの。そんな事をする訳ないじゃん」
「あれ無気になって怪しいなぁ」
「もうからかわないでよ。橋本さんは見た通り三人の中で一番おとなしいでしょ。待ち合わせたのは銀座の一丁目よ。そこで食事する事になったの」
「へぇ銀座なら結構高いんじゃない」
「私もそう思ったの。でも入った店はインド料理の店よ」
「あら以外ね。愛ってインド料理食べた事あるの」
「ないわよ。知っているのはインドカレーくらいのものよ」
「じゃ何を食べたの?」
「ナンって知っているよね。でもパン屋さんで売っているナンと違って美味しかったわよ。あとカイバルミックスグリルとかいう盛り合わせの料理。下手なステーキ料理よりよっぽど美味いわよ」
「へぇ三人の中で一番リッチじゃないのよ。で、食事のあとホテルへ直行?」
「もうどうしてそこに持って行くのよ。その後は銀座を歩いて帰って来たわよ」
それぞれ三人の報告会は終わった。愛は自分が一番良いデートしたと思った。橋本とはこれからも上手く行きそうな気がして来た。
それから三ヶ月が過ぎた。しかしその頃にはもう、報告会は行われなかった。遊びじゃなく恋人同士になっていればプラベートの事だから、話したくない事も出でくるだろうと言い出したのが里佳子だった。どうも最近の里佳子は元気がない、最近は彼の自慢話もすることがなくなっていた。それと同時にメッキリと口数が減った。
「里佳子なにかあったの」
香奈と愛は問い詰めた。すると遠い空を見つめながら囁いた。
「夏に咲いた恋は実らないと言うけど本当ね」
「なにそれ? えっじゃ別れたの。なんで何があったの」
「今は秋でしょう。紅葉は美しいけどやがて美しい葉も枯れて散って行くのよ」
「馬鹿を言わないでよ。里佳子が枯れ葉だと言われたの、許せない今から行って取っちめてやろうか」
香奈は怒ったが止めてと言われれば何も言えなくなった。里佳子の恋は秋に早々と散った。一番先に選んだ相手なのに。あんな強気の里佳子も凹むことがあるのかと驚いた。
愛はアパートに帰って里佳子の言った言葉が引っ掛かっていた。夏に咲いた恋は実らない。本当なのだろうか。愛と橋本は順調に交際を進めて今では共に恋人同士と認めている中だった。
そして冬に入り間もなく師走を迎える時期に入っていた時だ。今度は香奈が告白した。別れ話しを切り出されたと言って泣いている。可哀想に香奈はよほど惚れ込んでいたようで慰めるのが大変だった。今度は香奈の恋は冬の寒風の冬空に砕け散った。
そうなって来ると残るは佐々木愛一人だけ。愛にしてみれば人ごとじゃない。(夏に咲いた恋は実らない)これは母からも聞いた言葉だ。なんでも母は夏に恋して三度とも実らなかったそうだ。その母の言葉が嫌でも頭に残っている。その通り里佳子と香奈は結局実らなかった。今度は愛の番なのか。しかし愛と橋本は益々愛が深まっていった。
やがて季節は年を超えて三月に入った。橋本はとても優しくデートするにしてもまず愛の行きたい所を聞く、料理にしても愛が好む店に行く。やはり最初に行ったインド料理店が一番のお気に入りだった。春になる良く流れる曲がある。キャンデーズの春一番だ。愛もこの歌が好きだった。もう四十五年近く前の歌でも、あの爽やかな歌が人々の心に春を呼び込むのだろう。里佳子と香奈には申し訳ないが私には夏の恋は実らないは無縁のようだった。
そして今日も銀座で愛と橋本が待ち合わせの日だった。何故か今日に限って待ち合わせの時間になっても橋本雄介の姿はない。どうしたろうと思っていたら道路の反対側に慌てて走って来たのだろうか少し息を切らしている。彼は愛に気づいて手を振った。愛も笑顔で手を振る。やがて横断歩道の信号が青に変わった。橋本は真っ先に駆け出した。その時だった。黄信号で交差点に入ったのだろうかトラックが交差点を強引に走り抜けようとしたのだろう。橋本が真っ先に走り出したため一人だけ事故に巻き込まれた。ドーンと鈍い音が響き橋本が数メートル吹き飛ばされた。周辺は騒然となった。愛は茫然と立ち尽くす。誰かが救急車だと大声で叫ぶ。愛は夢中で走った橋本の元へ、しかし頭から血が出ている。顔は真っ青になっていたが愛に気づいたのか弱々しい声で「ごめん遅れてしまって」
「雄介さん!! しっかりしていま救急車が来るから」
「ああ、そうか僕は轢かれたのか。どうりで体中痛いような気がする」
「駄目よしっかりして!」
「ごめん、もしかしたら駄目かもしれない……」
「何を言っているの? 駄目! 死んでは駄目よ。私を一人ぼっちにしないで!」
だが雄介はもう声が出ない。やがて救急車が到着した。救命士が脈を診る。そしてAEDを装着し電源を入れる。橋本の体は大きくバウンドするしかし反応がない。それから十数分が過ぎた。救命士は顔を横に振る。愛は慌てて聞いた。
「どうなったのですか」
「残念ですが……脈がとても弱く難しい状況です」
「そっそんなぁ、お願いします。助けて下さい。助けて下さい」
愛は泣きながら救命士に縋りついた。しかし無理なものは無理なのだ。愛は人目もはばからずその場で泣きじゃくった。橋本は救急車に愛もお願い一緒に載せて貰った。そして病院に到着した。病院に着くとすぐに手術が始まった。もはや愛がする事といった無事を祈り待ちしかない。一人では耐え切れず香奈に電話入れた。
「愛……どうしたの? 自分から電話しておいて何も言わないなんて。もう話がないなら切るわよ。忙しいんだから……なに? 泣いているの。一体どうしたと言うのよ」
「里香、あのね。雄介さんが、雄介さんが」
「あら橋本さんからいつの間に雄介さんになったの。でどうしたの? 落ち着いて意味分かんないよ」
「交通事故に合ったの。今手術中だけど意識がなく危険な状態だって」
「まぁ大変、それで里佳子には電話した。まだ? じゃ連絡取って二人で行くわ。いい、落ち着いてよ。待っていて、すぐ行くから」
雄介の両親が病院からの連絡を受け駆けつけたようだ。慌てて手術室の近くにある待合に現れた。愛は雄介の両親だとすぐわかった。なんと言って挨拶して良いか迷ったが、ありのままに伝えるしかない。両親はどうやら愛の事を知っていたらしい。笑顔はなかったが愛の手を取って「祈りましょう」と言ってくれた。本来なら「雄介さんとおつき合いさせて頂いております」と挨拶するべきだが。
それから三十分ほどして二人は病院に駆けつけた。まだ手術中と赤いランプが付いたままだ。それから二時間が過ぎランプは消えた。
手術を終えた医師たちが出てくる。真っ先に駆け寄ったのは橋本の両親だ。
「先生、雄介は助かるのでしょうか」
医師は深刻な顔で応えた。笑顔ひとつ浮かべることもなく。両親や愛は先生の言葉を待った。
「取り敢えず手術は成功したと言って置きましょう。ただ脳への衝撃が大きく意識が戻るかどうかも分かりません。最悪の場合植物人間になる可能性も秘めています」
医者は生きている事態奇跡だと言っている。ともあれ生きてさえいてくれれば、その祈るしかなかった。それから一ヶ月が過ぎた。愛は時間が許し限り病室に通い続けた。しかし未だ意識がないままだ。やるせない日々が続く。正月は二人で初詣に行って願掛けしょうと言ったのに。雄介は未だに病院のベッドに寝ている。そして四月に入り桜の花が咲きやがて五月椿の花が咲くころ、雄介の母から電話が入った。
「もしもし愛さん。雄介の母ですが。たった今ね、雄介が目を覚まして。それで第一声が(愛さんは何処)と言ったのよ。だから意識がすっかりしているそうよ。早く行ってあげて」
愛はその時、仕事が終わり帰宅途中だった。思わずしゃがみこみ泣いた。周りの人は驚き愛を見る。愛は慌ててなんでもありませんと笑みを見せ病院に向かって走り出した。病室に飛び込むと徹の両親が待っていた。
「雄介、来たわよ。貴方の大切な人が」
真っ先に雄介を見た。眠り続けた雄介がベッドで笑っていた。
「雄介さん……お帰りなさい。本当に良かった。生きて生還してくれたのね」
「うん、デートに行けなかったけど。毎日のようにお見舞いに来てくれたんだって」
「うん、でも正直辛かった。もう目が覚めないのではと」
「僕はあの事故の瞬間から時が止まっていたんだね。長い夢の世界を彷徨っていて、もしかしたら愛さんも夢の中の人かと思ったりもしたよ。でも現にこうして再会出来て嬉しいよ」
「ほら聞いた事がある。夏に咲いた恋は実らないって。私の友達と雄介さんの、友達二人とも実らなかったでしょう。私達はそんな事がないと言い聞かせていたけど。今度こそ信じていいよね」
「そんなジンクスってあるの? そうさ僕は生き返ったもの。これも愛さんの、祈りがあったからだよ。僕達は決して散る事はないよ」
そして二ヶ月後、雄介は退院した。快気祝いに雄介の友人二人と愛の友人である里佳子と香奈も参加したが、別れた二組はなんだか気まずそうだが喧嘩別れした訳でもなく友人として付き合いが続くそうだ。雄介の入院で毎日見舞いに駆けつけた愛と雄介の両親も急接近した。雄介を献身的に支え励ます愛を、両親は彼女なら雄介を幸せにしてくれる人はいないと、愛に惚れ込んだ。こうして二人は婚約した。
♪もうすぐ春ですねぇ。恋をして見ませんか♪ 春になると今もラジオからそんな曲が流れて来る。そしてまた夏がやって来た。里佳子と香奈はまた海水浴に行き彼氏を探しそうだ。もちろん愛は参加しなかった。その代わりきっと良い人をつかまえてと励ました。二人は夏の恋は実らないなんてジンクスは関係ないようだ。
了
執筆の狙い
20代後半の三人の女は海水浴場で知り合った三人の男達と交際する事になった。
友達の一人が(夏に咲いた恋は実らない)そんな話をした。
愛の母も夏に恋したが三度も実らなかったそうだ。
愛はそんなはジンクスよと信じなかったが……
そして三人の恋の行方は?