作家でごはん!鍛練場
スイカ甘いか

夜の雨さん。偏差値さん。読んでちゃぶ台。

題名「真冬の朝の出来事」


 次は僕の番か。嫌だね。怪談だなんて。でも、順番だから、しょうがないか。
 僕のは、ちょっと変わっていて、怖いと言うより──そう。何だか物悲しいんだ。
 では、

 翔太君というのは元気一杯な幼稚園児なんだけど、その翔太君の近所に一家心中をした家があった。
 心中したのは「山室」という家で、若い夫婦には五歳になる娘がいた。
 夏のことだった。発見されたのは四日後で、
 ──ああ。この部分は省略だ。気持ちのいい話じゃない。

 さて。
 近所に住む人達は、今も建物が残されている山室家の敷地に、間違って子供が入ったりしないよう注意していた。
 翔太君も、
「このおうちに入ってはいけませんよ」
 お母さんから、そう言い聞かされていた。
 なのに翔太君はその家の庭にゴルフボールを見つけてしまった。
 ゴルフボールを取って戻るだけのこと。十秒とかからない。翔太君は自慢の腕時計を見た。ミッキーマウスの秒針が、たった十回動くだけの時間。

 ゴルフボールを手に入れた翔太君は庭から出ようとした。そのとき、更にもう一個、ゴルフボールを見つけた。
 庭に物置があった。スチール製で、自転車が二、三台入るくらいの大きさ。ボールは、その扉の前に落ちていた。

 二個目を手に入れた翔太君は、物置の扉が薄く開いているのに気がついた。
 何か惹かれるものがあった。扉を開けて中に入った。
「あっ!」
 入ると同時に扉が閉まってしまった。
 後悔しても、それは後の祭り。

 物置の扉が開かない──。どうしても駄目だった。
 幸い、中は真っ暗でなかった。壁の細い隙間から外の光が漏れていた。
 大声で何度も助けを求めた。
 不幸なことに、その日は連休だった。隣家は留守になっていた。

 翔太君は気丈だった。それでも相当に心細い思いをしていた。
 しばらくして、翔太君は女の子の存在に気がついた──。同じ年頃の女の子。
 でも、狭い物置の中で、どうして直ぐに気づけなかったのだろう……。

 女の子はワンピース姿だった。
 翔太君はセーターの上にジャンパーを羽織っていた。それでも寒かった。
「寒くないの?」
 女の子に聞いた。
「うん」
「名前は?」
「みゆき。でも、お父さんとお母さんは、みゆって呼ぶ」
「みゆ?」
「うん。ミミが入ったの」
「みみ?」
「子猫なの。この中に入ったの。でも、いないの……」
 みゆきちゃんの言う通り、猫はいなかった。
「出られない?」
「うん」
 翔太君はそう答えるしかなかった。
「どうしてここにいるの?」
「これ」翔太君はポケットからゴルフボールを取り出して、「ゴルフボールだよ」
「知ってる。お父さんが持ってる」
 みゆきちゃんが言った。

 時間は刻々と過ぎて行く。寒さも増していった。翔太君は震えていた。
 不思議なことに、みゆきちゃんは平気な顔をしていた。鳥肌の一つも立ててなかった。
 ミッキーマウスは午後の十時になっていた。もう物置の中は真っ暗だ。

 と。
 いきなり扉が開いて、何本もの懐中電灯の光が入ってきた。
「いたぞ!」
 男が叫んだ。みゆきちゃんを抱き上げて、そのまま物置から出した。
「見つけた! こんなところにいた!」
 大勢の人が行方不明の女の子を捜していた。そして見つけることが出来た。
「みゆきちゃんだね?」
「うん」
「よかった! もうすぐ、お父さんとお母さんが来るから!」
「男の子がいるぅ」
 物置を指して、みゆきちゃんが言った。
「男の子? おい、本当か?」
 別の男性が聞いた。
「ば、馬鹿な! 誰もいるものか! し、しかし、これで二度目だ……ここに子供が閉じこめられたのは……」
 彼の声が震えていた。
「二度目?」
「あ、ああ。越して来たばかりの君は知らないだろう。去年の冬、ここで亡くなった子供がいた。
 見つけたときには、もう冷たくなっていた。手にゴルフボールを持っていてね……。
 あれは吐く息も凍るような真冬の朝だった。その前には一家心中もあったし、本当にこの家は……」

 物置の中、翔太君は、
「どうして僕が見えないの? お母さんはどこ? ねえ。僕、ずっとここにいるよ。ああ。すごく寒い……」
 ポケットからゴルフボールを取り出して、
「よかったね。子猫はきっと見つかるよ……」
 そのとき、
 ミッキーマウスの針が、
 猛スピードで
 逆回転を始めた──
                              了

夜の雨さん。偏差値さん。読んでちゃぶ台。

執筆の狙い

作者 スイカ甘いか
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夜の雨さん。偏差値さん。読んでちゃぶ台。

コメント

スイカ甘いか
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不思議なことに、みゆきちゃんは平気な顔をしていた。鳥肌の一つも立ててなかった。

不思議なことに、みゆきちゃんは、それでも平気な顔をしていた。鳥肌の一つも立ててなかった。

に直します。

渡辺沙羅
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前衛的にしようとして失敗した例。すごく凄い。寒い。

夜の雨
ai192056.d.west.v6connect.net

「真冬の朝の出来事」という作品の怪奇現象の正体は……。

要するに「翔太君」が「行方不明になった『五歳のワンピースを着た女の子』よりも先に、亡くなっていた」という事ですよね。
しかし、翔太君がゴルフボールに連られて物置の中に入ったときには『五歳のワンピースを着た女の子』が、居たということなので、「御作は、設定の、つじつまが合っていません」。

だから、「真冬の朝の出来事」という物語は、設定ミスという事になります。
その設定ミスを「ホラー仕立てにして、ごまかしている」のが、御作の正体です。


お疲れさまでした。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

読ませていただきました。

語り手が実は幽霊だった
というオチはよく見かける手法なので、設定自体はちょっと古臭いかなと思いました。
それ以外の設定が魅力的であればよかったのですが、ゴルフボールを取りに行くという、今ひとつ牽引力のない設定だったので物足りなく思いました。
語り手が幽霊だったという展開で、読者には「あぁ、この手のパターンの話か」と思わせておき、そこからさらにもう一回、どんでん返しがあれば読んでいて楽しかったのかも知れません。
作品を読ませていただきありがとうございました。

偏差値45
KD106180000198.au-net.ne.jp

もっとシンプルに構成してもいいかな。
たとえば、ボールを手にしたことで閉じ込められてしまったわけですから、
ボールを庭に投げ返すことで脱出可能になる、そんな展開でも良かった気がしますね。

スイカ甘いか
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夜の雨さん。
いや、女の子が閉じ込められてから、ぼーっと男の子が現れたという設定なので、ミスってないと思ってます。

スイカ甘いか
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渡辺さん。
本人は失敗したと思ってないです。

スイカ甘いか
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神楽堂さん。
語り手は幽霊ではないのですが……。

スイカ甘いか
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偏差値さん。
本人はシンプル過ぎる話だと思ってます。
ご提案は作者的には却下です。

スイカ甘いか
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一応、説明しておくと、この作品は、亡くなった女の子、亡くなった男の子、行方不明になった女の子、の三人のことを書いてます。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>スイカ甘いかさん

失礼しました。
翔太くんは語り手ではなかったですね。

スイカ甘いか
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夜の雨さん。
男の子は多分、自身の死を繰り返してるんですね。
過去の出来事が繰り返されている。
それが偶然、女の子の時間と重なった。
最後に時計を出したのは、そういう意味です。
男の子が本来の時間に戻るということ。
設定ミスはしてないつもりです。
分かりにくい話ではありますが。

夜の雨
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再訪です。

>題名「真冬の朝の出来事」<

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 次は僕の番か。嫌だね。怪談だなんて。でも、順番だから、しょうがないか。
 僕のは、ちょっと変わっていて、怖いと言うより──そう。何だか物悲しいんだ。
 では、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「物悲しい」という設定になっていませんが。
どこが、物悲しいのですか?

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 翔太君というのは元気一杯な幼稚園児なんだけど、その翔太君の近所に一家心中をした家があった。
 心中したのは「山室」という家で、若い夫婦には五歳になる娘がいた。
 夏のことだった。発見されたのは四日後で、
 ──ああ。この部分は省略だ。気持ちのいい話じゃない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「怪談」で「怖い」というより「物悲しい」らしいのですが、「──ああ。この部分は省略だ。気持ちのいい話じゃない。」という事らしいのですが、「一家心中」しているので、気持ちの良い話でないのは確かです。
しかし、「何が原因で一家心中」したのかを書いてもらわないと、「物悲しい」部分が、わかりません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 さて。
 近所に住む人達は、今も建物が残されている山室家の敷地に、間違って子供が入ったりしないよう注意していた。
 翔太君も、
「このおうちに入ってはいけませんよ」
 お母さんから、そう言い聞かされていた。
 なのに翔太君はその家の庭にゴルフボールを見つけてしまった。
 ゴルフボールを取って戻るだけのこと。十秒とかからない。翔太君は自慢の腕時計を見た。ミッキーマウスの秒針が、たった十回動くだけの時間。

 ゴルフボールを手に入れた翔太君は庭から出ようとした。そのとき、更にもう一個、ゴルフボールを見つけた。
 庭に物置があった。スチール製で、自転車が二、三台入るくらいの大きさ。ボールは、その扉の前に落ちていた。

 二個目を手に入れた翔太君は、物置の扉が薄く開いているのに気がついた。
 何か惹かれるものがあった。扉を開けて中に入った。
「あっ!」
 入ると同時に扉が閉まってしまった。
 後悔しても、それは後の祭り。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ゴルフボールが庭に落ちていたり物置の前に落ちていたりは偶然かもしれませんが、翔太君が入ったら扉が閉まったって?
どうして翔太君が入ったら閉まったのか? 
このあたりの原因を怪談というか、因縁でも超常現象でもよいので、原因が読み手にわかるように書いてもらわないと。

●●
続く。

夜の雨
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続き。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 物置の扉が開かない──。どうしても駄目だった。
 幸い、中は真っ暗でなかった。壁の細い隙間から外の光が漏れていた。
 大声で何度も助けを求めた。
 不幸なことに、その日は連休だった。隣家は留守になっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翔太君が自宅に帰らないと両親が心配して警察に届けると思いますが。
警察が動くと翔太君の行動半径を調べます。
そうすると「山室」家はご近所だし、近くの防犯カメラを調べると、「山室」の敷地に入ったという事がわかるのでは。
というか、警察が近所で翔太君に呼びかけるので、そのときにスチール製の物置から大声を出せばよいだけ。
大声の代わりに物置の中にあるものでスチールの壁を叩けばよい。
かなりな騒音が出ますが。
ということで、子供が閉じ込められていることがわかる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 翔太君は気丈だった。それでも相当に心細い思いをしていた。
 しばらくして、翔太君は女の子の存在に気がついた──。同じ年頃の女の子。
 でも、狭い物置の中で、どうして直ぐに気づけなかったのだろう……。

 女の子はワンピース姿だった。
 翔太君はセーターの上にジャンパーを羽織っていた。それでも寒かった。
「寒くないの?」
 女の子に聞いた。
「うん」
「名前は?」
「みゆき。でも、お父さんとお母さんは、みゆって呼ぶ」
「みゆ?」
「うん。ミミが入ったの」
「みみ?」
「子猫なの。この中に入ったの。でも、いないの……」
 みゆきちゃんの言う通り、猫はいなかった。
「出られない?」
「うん」
 翔太君はそう答えるしかなかった。
「どうしてここにいるの?」
「これ」翔太君はポケットからゴルフボールを取り出して、「ゴルフボールだよ」
「知ってる。お父さんが持ってる」
 みゆきちゃんが言った。

 時間は刻々と過ぎて行く。寒さも増していった。翔太君は震えていた。
不思議なことに、みゆきちゃんは、それでも平気な顔をしていた。鳥肌の一つも立ててなかった。
 ミッキーマウスは午後の十時になっていた。もう物置の中は真っ暗だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翔太君が物置の中にいると「みゆき」という女の子が現れました。
このみゆきという女の子は幽霊なのですよね、「山室」の5歳になる娘ということで両親の自殺の道連れにされています。
この自殺の原因が必要ですね。
この原因により「物悲しさ」が演出できます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 と。
 いきなり扉が開いて、何本もの懐中電灯の光が入ってきた。
「いたぞ!」
 男が叫んだ。みゆきちゃんを抱き上げて、そのまま物置から出した。
「見つけた! こんなところにいた!」
 大勢の人が行方不明の女の子を捜していた。そして見つけることが出来た。
「みゆきちゃんだね?」
「うん」
「よかった! もうすぐ、お父さんとお母さんが来るから!」
「男の子がいるぅ」
 物置を指して、みゆきちゃんが言った。
「男の子? おい、本当か?」
 別の男性が聞いた。
「ば、馬鹿な! 誰もいるものか! し、しかし、これで二度目だ……ここに子供が閉じこめられたのは……」
 彼の声が震えていた。
「二度目?」
「あ、ああ。越して来たばかりの君は知らないだろう。去年の冬、ここで亡くなった子供がいた。
 見つけたときには、もう冷たくなっていた。手にゴルフボールを持っていてね……。
 あれは吐く息も凍るような真冬の朝だった。その前には一家心中もあったし、本当にこの家は……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このエピソードが、御作をわかりにくくさせています。
ここで見つかった「みゆき」は「山室みゆき」とは、違う「みゆき」ですよね。
どうして同じ名前にしたのでしょうか。
おまけに「山室」の庭にある「スチールの物置」から警察官の手により見つかりました。
この「スチールの物置」には、先ほどのエピソードまで「翔太君」が「山室みゆき」と一緒にいたところです。
その同じ「スチールの物置」に、別の「みゆき」がそれも同じ年齢の少女が行方不明としていた、という事です。

返信を読むと、翔太君はすでに亡くなっていたらしいのですが、「山室みゆき」も「スチールの物置」と関係があるみたいだし、そこに来て、別の「みゆき」が警察により救出されるって、偶然が重なりすぎです。
なので、「設定ミス」だと書かせていただきました。


以上です。

ちなみにここまで書いて思ったのは「山室」の庭にある『スチールの物置』に因縁を持たせると面白くなるというかホラーになるのでは。
この「スチールの物置」の以前の持ち主がマジシャンだったとか。
または資産家でむかし「スチールの物置」に金目のものを入れておいたところ無くなったとか。
それで、屋敷に出入りしていたお手伝いさんを疑ったとか。出入り業者を疑ったとか。

それで疑われた者が自殺したので怨念が宿ったとか。
子供は宝物と俗にいうので、子供が「スチールの物置」に入ると神隠しにあったようにどこかに消えてしまうとか。それで「疑われた者に、それなりの人生を背負わせる」と『物悲しい』物語になりますが。

ということで、現状の御作だと設定ミスになると思いますね。


お疲れさまでした。

スイカ甘いか
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夜の雨さん。
やっぱり勘違いしてますよ。後で説明します。
まあ、分かりにくい作品ではありますが。
重ねて言うと、矛盾していません。

スイカ甘いか
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夜の雨さん。
下は全くの間違いです。

翔太君が物置の中にいると「みゆき」という女の子が現れました。
このみゆきという女の子は幽霊なのですよね、「山室」の5歳になる娘ということで両親の自殺の道連れにされています。

スイカ甘いか
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夜の雨さん。
もう一度、同じ文を書き込んでおきます。

この作品は、亡くなった女の子、亡くなった男の子、行方不明になった女の子、の三人のことを書いてます。

スイカ甘いか
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夜の雨さん。
もの悲しいのは、いつまでも死の当日から逃れることの出来ない、男の子の境遇のことです。

スイカ甘いか
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まだ理解出来てないのかな?
夜の雨さんの盲点に入るような作品だったのかな?
でも、夜の雨さんほどの作家でも理解出来ないとなると、自分で思ってる以上に斬新なことをしてたのかな?

夜の雨
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理解していますよ。

しかし、もっとわかりやすく描けると思いますが。

スイカ甘いか
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夜の雨さん。
確かに。いつもの如く省略し過ぎてます。
僕の悪い癖です。
では、下のを撤回してもらえますか?

その設定ミスを「ホラー仕立てにして、ごまかしている」のが、御作の正体です。

夜の雨
ai249101.d.west.v6connect.net

「理解していますよ。」の、意味を書いておきます。

夜の雨
2024-03-13 23:46
「真冬の朝の出来事」という作品の怪奇現象の正体は……。

要するに「翔太君」が「行方不明になった『五歳のワンピースを着た女の子』よりも先に、亡くなっていた」という事ですよね。
しかし、翔太君がゴルフボールに連られて物置の中に入ったときには『五歳のワンピースを着た女の子』が、居たということなので、「御作は、設定の、つじつまが合っていません」。

だから、「真冬の朝の出来事」という物語は、設定ミスという事になります。
その設定ミスを「ホラー仕立てにして、ごまかしている」のが、御作の正体です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この二行部分ですが。
>だから、「真冬の朝の出来事」という物語は、設定ミスという事になります。
>その設定ミスを「ホラー仕立てにして、ごまかしている」のが、御作の正体です。

作品では、下記のように描かれています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
二個目を手に入れた翔太君は、物置の扉が薄く開いているのに気がついた。
 何か惹かれるものがあった。扉を開けて中に入った。
「あっ!」
 入ると同時に扉が閉まってしまった。
 後悔しても、それは後の祭り。

 物置の扉が開かない──。どうしても駄目だった。
 幸い、中は真っ暗でなかった。壁の細い隙間から外の光が漏れていた。
 大声で何度も助けを求めた。
 不幸なことに、その日は連休だった。隣家は留守になっていた。

 翔太君は気丈だった。それでも相当に心細い思いをしていた。
 しばらくして、翔太君は女の子の存在に気がついた──。同じ年頃の女の子。
 でも、狭い物置の中で、どうして直ぐに気づけなかったのだろう……。

 女の子はワンピース姿だった。
 翔太君はセーターの上にジャンパーを羽織っていた。それでも寒かった。
「寒くないの?」
 女の子に聞いた。
「うん」
「名前は?」
「みゆき。でも、お父さんとお母さんは、みゆって呼ぶ」
「みゆ?」
「うん。ミミが入ったの」
「みみ?」
「子猫なの。この中に入ったの。でも、いないの……」
 みゆきちゃんの言う通り、猫はいなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
つまり、「翔太君」が物置に入ったときには、
●しばらくして、翔太君は女の子の存在に気がついた──。同じ年頃の女の子。
 でも、狭い物置の中で、どうして直ぐに気づけなかったのだろう……。

 女の子はワンピース姿だった。●
ということなので、「みゆき」という女の子が男に助けられるのなら、翔太君も当然一緒に助けられるはず。

ところが、御作では、翔太君は過去に亡くなった人間というような扱い方になっています。
が、事実は、「翔太君」も「みゆき」も同時期に物置にいる設定になっています。

それを作者さんは認めない。
だから、その認めないことを「理解しました」と、私は言っているわけです。


以上です。

スイカ甘いか
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夜の雨さん。
あのですね。
自殺した家族の娘さんは、ただのフリです。
語られてるだけで作品には登場してません。
倉庫でいたのは別の女の子です。
男の子が倉庫で亡くなった後、迷い込んでたのです。
だから、この女の子は生きてます。
自殺した家族の娘ではありません。その娘の名前は、どこにも書いてませんよ。
確かめてみて下さい。あるのは倉庫の中の娘の名前だけです。
では何故、自殺した家族の娘のことを書いたのかというと、倉庫に閉じ込められた女の子が幽霊だと思わせるための、先述した通り、ただのフリです。
それだけのことです。
そして作者の思惑としては、男の子ではなく女の子が助けられるという時点で、“あれ? どうして女の子が助けられたの?”と疑問に感じて欲しかった訳です。
これでも分かりませんかね?

↑取りあえず書いたので、あまり推敲をしてません。

夜の雨
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スイカ甘いかさん。

A
>自殺した家族の娘さんは、ただのフリです。
語られてるだけで作品には登場してません。<
その通りです、理解しています。

B
>倉庫でいたのは別の女の子です。
男の子が倉庫で亡くなった後、迷い込んでたのです。
だから、この女の子は生きてます。<
● 問題はここです。
「翔太君」も「みゆき」も同時期に物置にいる設定になっています。
下記に説明しています。

C
>自殺した家族の娘ではありません。その娘の名前は、どこにも書いてませんよ。
確かめてみて下さい。あるのは倉庫の中の娘の名前だけです。
では何故、自殺した家族の娘のことを書いたのかというと、倉庫に閉じ込められた女の子が幽霊だと思わせるための、先述した通り、ただのフリです。
それだけのことです。<
この「C」も理解しています。
ただ、上の「B」が『「翔太君」も「みゆき」も同時期に物置にいる設定になっています。』ので、問題があるだけです。
すべての問題の根源は「B」にあります。

D
>そして作者の思惑としては、男の子ではなく女の子が助けられるという時点で、“あれ? どうして女の子が助けられたの?”と疑問に感じて欲しかった訳です。
これでも分かりませんかね?<
ここも、理解しています。
作者さんが、そういった思惑で書いているだろうなぁという事です。
しかし、「A」や「C」そして「D」を成立させるのは、「B」を矛盾なく書く必要があります。

御作は「B」のエピソードの設定をミスっているということです。


「B」の部分の説明です。
御作では、「B」のところは、下記のように描かれています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
二個目を手に入れた翔太君は、物置の扉が薄く開いているのに気がついた。
 何か惹かれるものがあった。扉を開けて中に入った。
「あっ!」
 入ると同時に扉が閉まってしまった。
 後悔しても、それは後の祭り。

 物置の扉が開かない──。どうしても駄目だった。
 幸い、中は真っ暗でなかった。壁の細い隙間から外の光が漏れていた。
 大声で何度も助けを求めた。
 不幸なことに、その日は連休だった。隣家は留守になっていた。

 翔太君は気丈だった。それでも相当に心細い思いをしていた。
 しばらくして、翔太君は女の子の存在に気がついた──。同じ年頃の女の子。
 でも、狭い物置の中で、どうして直ぐに気づけなかったのだろう……。

 女の子はワンピース姿だった。
 翔太君はセーターの上にジャンパーを羽織っていた。それでも寒かった。
「寒くないの?」
 女の子に聞いた。
「うん」
「名前は?」
「みゆき。でも、お父さんとお母さんは、みゆって呼ぶ」
「みゆ?」
「うん。ミミが入ったの」
「みみ?」
「子猫なの。この中に入ったの。でも、いないの……」
 みゆきちゃんの言う通り、猫はいなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
つまり、「翔太君」が物置に入ったときには、
●しばらくして、翔太君は女の子の存在に気がついた──。同じ年頃の女の子。
 でも、狭い物置の中で、どうして直ぐに気づけなかったのだろう……。

 女の子はワンピース姿だった。●
ということなので、「みゆき」という女の子が男に助けられるのなら、翔太君も当然一緒に助けられるはず。

ところが、御作では、翔太君は過去に亡くなった人間というような扱い方になっています。
が、事実は、「翔太君」も「みゆき」も同時期に物置にいる設定になっています。


要するに、「翔太君」が亡くなって「みゆき」と出会うまでの「期間経過が書かれていない」。
ここの設定が間違っているという事です。


ということです。

ぷりも
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拝読しました。
鍛錬場では初めてお見かけしました。
文章自体は読みやすく、わかりやすいのですが、それだけに設定がわかりにくいと思いました。
まず、翔太君が生きていたときに巻き戻して考えてみます。
庭に落ちているゴルフボールに興味を惹かれたのは真冬の日中ですよね。そして物置に閉じ込められるわけですが、誰が閉じ込めたのでしょう? スチール製の物置というと一般的に引き戸ですよね。勝手に閉まるものではないとすると、心中した一家の誰かの仕業ということになりそうですが、その辺は登場しないので謎のままです。
で、翔太君は閉じ込められて凍死して、翌日以降の朝に発見されたということですね。

幽霊になった翔太君が、みゆきちゃんにすぐ気づかなかったのは、みゆきちゃんが幽霊と思わせるミスリード。実際のところは、翔太君が常時実体化しているわけではなく、夜の間だけ現れるということでしょうか。
みゆきちゃんがワンピースだけで寒がっていないのもミスリードであるなら、今の季節は少なくとも冬ではないことになりますね。これは、読了後に読者に自力で、そういうことだったのかと気づかせる意図なんですかね。

そうすると謎なのが、みゆきちゃんを閉じ込めたのは誰なんでしょう? 翔太君ではないわけで、翔太君に他の霊が見えるなら、そちらの仕業である可能性もなさそうです。

そして、みゆきちゃんが発見されて、男の子がいると言うわけですが

“ ば、馬鹿な! 誰もいるものか!”

ここはちょっと不自然です。
大勢の人がみゆきちゃんを探していたとあるので、警察や消防とは限らず近所の人たちというセンがありますが、いずれにせよ私が思ったのは、何故いないと断定できるのかということです。普通だったら、

“何だって?”とか言ってまずは確認するかと思います。

で、この時は冬ではない午後十時。
ということは、タイトルの「真冬の朝の出来事」というのは、翔太君の遺体を発見した誰かの視点ということになりますね。

読了後は、そういうことだったのかというよりも、どういうことなのだろうと何度か読み返しました。

スイカ甘いか
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大勢の人がみゆきちゃんを探していたとあるので、警察や消防とは限らず近所の人たちというセンがありますが、いずれにせよ私が思ったのは、何故いないと断定できるのかということです。普通だったら、

“何だって?”とか言ってまずは確認するかと思います。


それは前に男の子が死んでたからですよ。
それで、ちょっとした拒絶反応をしてるわけです。
後、設定が小さな倉庫なので一瞬で見渡せます。

スイカ甘いか
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幽霊になった翔太君が、みゆきちゃんにすぐ気づかなかったのは、みゆきちゃんが幽霊と思わせるミスリード。実際のところは、翔太君が常時実体化しているわけではなく、夜の間だけ現れるということでしょうか。


男の子は何度も死を繰り返してる訳です。地縛霊ですから。
たまたま女の子の時間とマッチしてしまったという設定のつもりです。

スイカ甘いか
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スチール製の物置というと一般的に引き戸ですよね。勝手に閉まるものではないとすると、心中した一家の誰かの仕業ということになりそうですが、その辺は登場しないので謎のままです。


単純に、そういう壊れ方をした扉だったということでしょう。
ショートショートですので、そこまで気にしませんでした。
でも、理由を付けることは可能だと思います。

スイカ甘いか
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夜の雨さん。
ごめんなさい。
コメントがあるのに気付きませんでした。
ぷりもさんのを終えてから書きます。
申し訳ありません。

スイカ甘いか
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読了後は、そういうことだったのかというよりも、どういうことなのだろうと何度か読み返しました。


分かりにくいのは自分も理解しています。
申し訳ないです。

スイカ甘いか
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実は僕はフェラメールなので、既に感想を頂いてます。
色々と名前を変えるので、ある人から、腐れスイカと言われてます。
が、
気に入ってまーす♥

スイカ甘いか
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以上、ぷりもさん。
色々と考えて下さって、ありがとう。

スイカ甘いか
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要するに、「翔太君」が亡くなって「みゆき」と出会うまでの「期間経過が書かれていない」。
ここの設定が間違っているという事です。


男の子は地縛霊です。地縛霊というのは、後ろの百太郎でしたっけ、何度も出現して自殺を繰り返したりします。男の子は自殺したりはしませんが。
よって時間の経過は、そんなに関係ないと思います。
が、去年の冬に亡くなったという設定は書きました。

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