作家でごはん!鍛練場
飼い猫ちゃりりん

猥褻巡礼記

(わいせつじゅんれいき)
 この作品をマルキ・ド・サドに捧げる。

 その日、私たち法学部の学生は国会の本会議に注目していた。大紛糾が予想されていたのに審議は淡々と進行していた。
 教授は、こんな法案が通るわけないと言っていたが、私は不穏な噂を聞いていたから、隣にいる麗子に聞いた。
「あの法案、通るかな?」
「興味ないの」
 畜生。お高くとまりやがって。それにしても、なんて綺麗な女なんだ……
 法案可決のために、彼女の父が暗躍していると噂されていた。
 法案とは「死刑の執行方法を変更する法案」、すなわち、公開処刑法案のことだ。

 詳細をマスコミがすっぱ抜いていた。
 処刑をオリンピックスタジアムで行い、その模様をライブ中継するというのだ。馬鹿高い有料放送で収益を得るというから呆れてものが言えない。
 死刑囚自ら十字架を背負って処刑台に登り、それを台座にはめ込む。
 最期の言葉を述べたら磔にして火焙りにし、観客は酒を飲みながら惨劇を楽しむ。
 死刑囚が意識を失う寸前に、美女で編成された処刑隊が矢を放ってとどめを刺す。
 盛大なファンファーレが鳴り響き、合唱団が『歓喜の歌』を声高らかに歌う。
 合唱が終わると閣僚たちが遺体の前に整列し、乾杯をして記念写真を撮るというから狂気の沙汰だ。

 モニターから議長の声が流れた。
「賛成の議員は御起立ください」
 まさか……
「賛成多数により法案は可決されました」
 誰もが唖然としていたが、麗子だけは涼しげな顔をしていた。

 麗子は恐ろしく秀才で、論文は教授たちでさえ舌を巻くほどだった。見せてもらったことがあるが、それは冷徹な政治哲学、つまりマキャヴェリズムだ。
「刑罰は迅速かつ厳格に執行し、冤罪を恐れてはならない。冤罪が国家に深刻な事態をもたらすならば、為政者は隠蔽を図るべきであり、そのためには、冤罪被害者及びその家族を抹殺することさえ躊躇してはならない」
 本心かと問うと、「法は支配のための道具に過ぎない。政治は結果が全て。善悪は関係ないわ」と言った。

 大学には麗子以上に美しい女子もいたが、麗子と並ぶと、なぜか百姓女にしか見えない。
 威圧的な麗子の美貌。外見的なものというより、肉体の奥底で燃え盛る「何か」に起因していた。
 彼女がまとう妖しい雰囲気は、男を惑わせるに十分だった。彼女に見つめられた男は、蛇に睨まれた蛙のようになってしまうのだ。
 私は学内の男子から羨望の眼差しを向けられていたが、麗子を抱いたことはなかったのだ。恐ろしいほどの美人なのに、なぜか抱く気にはなれなかった。
 私は疑念を抱いていたのだ。
 本当に俺を愛しているのか? なぜこんな貧相な男を恋人に選んだのだ? 
 私は美男子の部類に入る男であり、成績も優秀だった。だが、私と麗子とでは、あまりにも不釣り合いだった。

 私は自分の出自を恥じていた。
 生まれてすぐ捨てられた私は、浮浪者がうろつく路地裏で発見され、ある財閥が運営する養護施設に引き渡された。
 中学生になると、施設の不穏な噂を同級生から聞かされた。
「あそこのガキどもは金持ちに売られるんだ。いつか、お前もそうなるぞ」
 つまり人身売買だ。からかわれていると思いたかった。だが、思い当たる節があったのだ。
 高級車に乗せられて連れていかれる少女たちを見たことがある。
 疑心暗鬼になった私は、子供なりに施設のことを調べてみた。
 夜中に廊下の隅のトイレにこもって耳を澄ましていると、子供が泣き叫ぶ声や、鞭で引っ叩くような音が聞こえることがあった。
 地下の倉庫に忍び込んで資料をあさってみると、施設のおぞましい実態が見えてきた。
 積まれた段ボール箱の中に当時の週刊誌があり、そこにスクープ記事が載っていた。
 施設に保護された子供たちは洗脳されて調教される。やがて子供たちは高度な性技を体得し、指示されれば何でもする性奴隷になると書いてあった。
 週刊誌の他にも、脳外科手術のカルテなど、沢山のおぞましい記録が見つかった。
 警察が児童虐待の容疑で、施設を家宅捜索をしたが、証拠が見つからず捜査は打ち切られたとの新聞記事もあった。
 それはあり得ない。子供でさえ沢山の証拠を見つけることができるのだ。おそらく、警察に圧力が掛かったのだ。
 集団での脱走事件をスクープした週刊誌の下に埋もれていた書類に、脱走した少年たちの顔写真が貼ってあった。
 私は一人の少年に目が釘付けとなった。
 彼は凄い美少年で、以前どこかで会ったような気がした。
 その少年の資料には、脱走グループのリーダーと記載されており、更にその過去に私は衝撃を受けた。
 その少年は、私が保護された日に、私と同じ場所で保護されており、生まれて間もない男の赤ん坊を抱いていたと記載されていたのだ。
 彼は同じ境遇の少年たちと一緒に脱走したが、私は彼らのように脱走する気にはなれなかった。
 私は他の子供たちとは違い、何不自由ない暮らしをしていたからだ。
 豪華な食事が与えられ、専属の教師が何人もついた。だから高校までの成績はいつも最優秀で、大学でも成績は群を抜いた。ただ、上にはいつも麗子がいたが。

 麗子は高嶺の花だったから、スキャンダラスな噂が尽きなかった。どれも根も葉もない戯言で、聞く価値もなかった。
 彼女の父は裏社会を牛耳っているとか、彼女には近親相姦の趣味があるなどという馬鹿げた噂まであった。
 しかし、一つだけ、どうしても気になる噂があった。
 彼女の父は慈善名目で養護施設を全国に設立しているが、その裏で人身売買をしているというのだ。
 調べてみると、彼女の父は、私を保護した養護施設を運営する財閥のトップで、麗子が名誉理事に名を連ねていた。

 麗子との馴れ初めは唐突だった。
 ある日、私はキャンパスのカフェで、哲学者オルテガの著書『大衆の反逆』を読んでいた。オルテガは言う。大衆は大衆に属さない者をひどく憎んでいると。
 カフェの店内は恋人たちで溢れ返り、その会話が私を苛立たせた。
 旅行、グルメ、アイドル。そんなものに何の価値があると言うのだ。
 そのとき一人の女が相席に座った。
「お邪魔かしら。他が空いてなくて」
「いや、別に構いませんが」
 私は平静を装っていたが、間近で見るその美貌に息をのんだ。
「面白くなさそうですね」と麗子は言った。
 私は非の打ち所がない存在というものを憎んでいた。
 麗子は、容姿、知性、家系、財産、何を以ってしても完璧だった。
 彼女の父は政界に強い影響力を及ぼすフィクサーであり、世界各地でホテルやカジノを経営する大富豪だ。
 彼女は、成り上がり者が相手するような女ではなかったが、なぜか彼女は、明らかな好意を私に示してくれた。
 私は天にも登る気持ちだったが、それに比例して苦しみも大きかった。
 彼女といると、乞食という自分の出自に心が引き裂かれそうになった。
 ただ、なぜか、彼女が同類に思える瞬間があったのだ。

 麗子には、以前恋人がいた。
 彼は若手有望株の作家で、小説好きの間で高い評価を得ていた。しかし、その存在はベールに包まれていて、顔までは分からなかった。
 私は麗子がどんな男に恋をしたのか知りたかったから、彼の小説を読んでみたのだ。
 初期のころは素直な文体で恋愛が綴られていたが、やがて難解かつ意味不明な文章が目立つようになり、反社会的な色彩を帯びていった。
 彼の最後の小説は、日本人が家畜として生きる近未来を描いたSM小説で、淫らで退廃的な内容だった。
 やがて彼は精神に異常を来たして姿を消した。怪しい宗教団体を設立したとの噂もあったが、消息を知る者は誰一人いなかった。

 公開処刑法が公布された日の翌日、私は講義にも出ず、朝からキャンパスを散歩していた。
 キャンパスには小さなガラス張りの植物園があり、熱帯雨林の花々を観賞できる。
 私は珍しい花に気づいた。その黄色い花は、パプリカを長くしたような形をしていて、顔を近づけると甘い香りがした。
 すると、一匹の蜜蜂が花びらの端にとまった。蜜蜂はしばらく細長い花の中を覗いていたが、やがて穴の中に入っていった。雌しべに向かって降りてゆく影が透けて見えたが、蜜蜂が戻ることはなかった。
 私は法案の成立に、麗子の父が関与したのか確かめることにした。
 しかし本当の目的は、麗子の関与を確かめることだった。更に言うなら、彼女の正体を確かめることだ。返答次第で別れるつもりだった。

 午後に麗子とキャンパスのカフェで待ち合わせをした。
 彼女は開放されたカフェの入り口に現れると、真っ直ぐ私の席に向かって歩いて来た。
 広いカフェでは何組もの男女がお茶を楽しんでいた。
 男たちは麗子に視線を向けると、すぐに自分の女に視線を戻した。
 女たちは自分の男の仕草に気づいていても、気づいていない振りをしていた。
 麗子は席に座ると、私の目を見つめて笑った。
「何かしら? 話って」
 彼女のコーヒーを持って来たウェイターが去ると、私は彼女をまっすぐに見つめて言った。
「君のお父さんは、例の法案に関係していたの?」
「父のしていることは知らないの。でも、もしそうだとしたら、私たちの間に何か問題でもあるの?」
「いや、少し気になっただけさ」
 彼女は笑って誤魔化す私をじっと見ていた。
「本当は、あたしが父に頼んだのよ」
 私は一瞬息を飲んだ。
「嘘よ。びっくりした?」
 彼女はにっこりと笑った。
 畜生、なんて女だ……
「もうそんな話はよそう。それより誕生日はどうしたいの?」
「気にしないで。私に計画があるから」
 そのとき、コーヒーカップがカタカタと揺れた。プロペラの音がガラス越しに聞こえ、窓から空を見上げると、何機ものヘリが港の方に向かっていた。
 すると店内のテレビの大画面が切り替わった。カルトの信者たちが野外コンサートに乱入したとの緊急速報だった。
 暴動さながらの映像が大画面に映し出された。
 大観衆が規制線の外から信者たちに罵声を浴びせ、物を投げつけている者までいた。
 赤色灯を光らせている大型バスが何台もとまっていて、大勢の機動隊員が遠巻きに舞台を包囲していた。
 白い僧衣を着た信者たちは、自分と同じくらいの年齢に見えた。彼らは女性アイドルたちを盾の代わりにしたから、特殊部隊も狙撃が出来なかった。

 そのアイドルたちは全員が未成年で、抜群の歌唱力と踊りを武器にしていた。
 私は元々アイドルに興味はなかったが、そのアイドルたちには関心があった。
 マスコミが彼女たちの過去を感動的に報じていたからだ。
 彼女たちは全員養護施設の出身で、人の何倍もの努力をして歌と踊りを身に付けたそうだ。
 ただ、その養護施設は、私を保護した施設を運営する財閥が設立したものだった。
 私は疑っていた。少女たちの本業は歌や踊りというより、要人相手の性的サービスではと。異様なまでに完成された歌と踊りは、調教によるものではないかと。

 膠着状態の最中、黒い僧衣に身を包んだ若者が、堂々とした足取りで舞台の中央に歩み出た。
 彼が教祖だったのだ。
 その顔には熱帯雨林の花を想わせるエロティックな雰囲気があった。
 そして、その顔が大きく画面に映し出されて気づいた。彼は、養護施設を脱走した少年たちのリーダーだったのだ。
 彼は包囲する部隊や、罵声を浴びせる野次馬に向かって演説を始めた。
「家畜どもよ。貴様らは己が家畜であることを知っているか。貴様らは自由を知らない。自由は与えられるものではなく、奪うものなのだ。そして、貴様らは自由を求めてはいない。俺はお前らが求めているものを知っている。お前ら自身も良く知っているはずだ。いくら知らないふりをしても、その焼けつく欲望が貴様らの本性なのだ。家畜から奪われた権利。それは野獣の権利。つまり殺しの欲求を満たすことだ。家畜どもよ。喜ぶが良い。たっぷりと血を見せてやるからな」
 野次馬が罵声を浴びせても、彼は構わず演説を続けた。
「もう遅い。全ては終わった。餌をもらうことが自由と呼ばれ、緩慢な死が人生と呼ばれる」
「黙れ! きちがい!」と罵声が飛んだ。
「俺を狂人と呼ぶのか。しかし、俺の狂気は貴様らの理性を凌駕する。貴様らの理性とは、ケチな狂気でしかないのだ。俺を殺すが良い。しかし、貴様らが俺を裁くことはできないからな」
 教祖が演説を終えると、信者たちが刀を抜いた。
 驚くことに、死を前にしても少女たちは無表情なのだ。むしろ動揺しているのは信者たちの方だ。彼らは泣いていたのだ。
 少女たちは、人形のような表情をしていた。まるで感情が失われているかのように。
 また罵声が飛んだ。
「やめろ!」
「人殺し!」
「早く撃て!」
 信者たちが刀を振り下ろすと、少女たちの首が転がった。すると信者たちはその場に膝をつき、己の腹に短刀を突き刺した。
 信者たちが目を閉じて首を垂れると、教祖が長刀を抜いて介錯を始めた。
 教祖が断首を終えると、カフェの店内に鈍い音が響いた。見渡すと女性が数人床に倒れて失神していた。
 しかし麗子はカップの縁についた口紅をふき取っていた。いかなる時も彼女は令嬢であり、作法を逸脱することはない。
 野次馬が教祖に、「お前も切腹しろ!」と罵声を浴びせると、教祖は、「なら、お前が介錯をするんだな」と嘲笑った。
 教祖は長刀を鞘に収めて床におくと、悠々とした足取りで投降した。

 事件から一ヵ月後が麗子の誕生日だった。
 それにしても、大富豪の一人娘に何を贈れば良いと言うのだ。ワンカラットのダイヤでさえも、彼女には小銭程度の意味しかないのだ。
 悩み抜いた末にエメラルドのネックレスを贈ることにした。彼女はダイヤなんて腐るほど持っていたし、エメラルドの方が彼女に相応しいのではと思ったのだ。
 エメラルドには不思議な言い伝えが数多くある。
 ギリシャではヴィーナスへの捧げ物とされ、中世ヨーロッパでは予言の力の象徴とも言われた。
 それらの言い伝えが、彼女にとても似合っているような気がしたのだ。
 ただ、エメラルドの輝きが蛇を盲目にするという伝説だけは気にも留めなかった。
 
 ディナーの最中に彼女にネックレスを渡した。
「ダイヤよりエメラルドが好き。金銭的な価値なんてどうでもいい。個性こそが本当の価値なんだから」
 レストランを出ると黒いリムジンがとまっていて、彼女が近づくと後部座席のドアが独りでに開いた。
 後部座席は豪華な個室に改装されており、高級なワインが用意されていた。
 乾杯をして口づけをした後、彼女の首にエメラルドのネックレスを掛けた。
 車内は走行していることを忘れてしまうほど静かだった。しかし、スモークガラス越しに見れば、高速を物凄い速度で走っていることは明らかだった。
 彼女は私の耳元で、「もうすぐ着くから、楽しみにしてて」とささやき、私の首筋に口づけをした。

 車から降りると辺りは異様なほど静かで、波の音しか聞こえなかった。
 駐車場は高い崖に囲まれていて、その岩壁に巨大な洞窟が口を開けていた。
 麗子は、「行くわよ」と言うと、その穴に向かって歩き出した。
 洞窟の中は鍾乳洞になっていて、奥へ向かって水平型エスカレーターが稼働していた。
 地底湖に光が屈折し、ゆらゆらと揺れる不気味な影が映し出されていた。
 恐ろしくなり、引き返したくなったが、銀色に輝く歩道が、私を鍾乳洞の奥へ運んで行った。
 水平型エスカレーターは両開きのドアの前まで続いていた。
 麗子がドアの前に立つと自動で開き、中に入ると、100階までの階数表示があった。
 エレベーターは物凄い速度で上昇し、外に出ると頭上に星空が広がった。
 そこは高層ビルの屋上全体を、分厚い強化ガラスで覆ったドーム型のスイートルームだったのだ。
 遥か彼方の闇の中に、ゆっくりと動く光の粒が見えた。それは太平洋を航行する豪華客船だった。
 その高層ビルは、溶岩でできた孤島の頂上に建っていたのだ。

 そこにあるウォーターベッドは10メートル四方もあり、その横に巨大なスクリーンが設置されていた。
 波打つプールは蒼い光を屈折させており、ジャグジーは泡で溢れ返っていた。
 バーに並ぶウイスキーの瓶が宝石のように輝き、巨大なワインセラーには数千本ものワインが揃っていた。
 本土と孤島をつなぐ高架、高層ビルとその屋上にあるスイートルーム。そこにある全ての物が、父が娘に贈った誕生日プレゼントだった。

 大理石の壁は宗教画で埋め尽くされており、その中にはルーヴル美術館で観た絵画まであった。
 麗子は全部本物だと言った。
 高さが五メートルほどもある石板が部屋の真ん中に立っており、『聖セバスチャンの殉教』と刻まれたプレートのみが飾られていた。
「その絵は手に入らなかったの?」
「もうすぐ飾られるから、楽しみにしてて」

 麗子が赤い錠剤を差し出した。
「なに、これ?」
「魔法の薬よ」
 彼女の目を見ながらワインで胃に流し込むと、凄まじい食欲が沸き起こった。
 私はディナーを家畜の如くむさぼり、甘い果実にかぶりついた。ロマネ・コンティを胃に流し込み、ドンペリを浴びるほど飲んだ。
 麗子も下品さでは負けていなかった。
 左手でワインの瓶を握り締め、右手でステーキを鷲掴みにして食い散らかしていた。口元を血だらけにした彼女が野獣に見えた。
 彼女がオーディオのスイッチを入れると、ヘンデルの合奏協奏曲が二人の欲情を煽り立てた。
 彼女が服を脱ぎ捨ててプールに飛び込むと、私も裸になり飛び込んだ。
 いくら水を蹴っても彼女を捕まえることはできず、気づけば、彼女はバスローブを羽織ってソファーに座っていた。
 私は急いで水から上がると彼女に襲い掛かった。狂ったように彼女の唇をむさぼり、その瞳を覗き込んだ。
 彼女は、「見せたいものがあるの」と言ってリモコンに手を伸ばした。すると、巨大なスクリーンに公開処刑の様子が映し出されたのだ。
 観客席は大観衆であふれかえり、罵声と嘲笑の最中、上半身裸の美青年が十字架を背負って階段を登っていた。
 巨大な処刑台はハマグリを上に向けたような形をしており、少し開いた貝殻の隙間に当たる部分が階段になっていた。
 処刑台を登っていたのは、あのカルトの教祖だった。
 彼が十字架の重さに耐えられずに崩れ落ちると、先導する美女が容赦なく鞭で打った。意識が戻らなければ、冷水を浴びせて打ちまくった。

 麗子は脚を組んでソファーに座り、グラス片手に中継を眺めていた。その表情に恐怖は微塵もなく、女王の風格さえ漂わせていた。
 そのとき、彼女がカフェで言った冗談が頭をよぎった。
『本当は、あたしが父に頼んだのよ』
 公開処刑は彼女の意志だったんだ……
 私は恐ろしくなり震えた。すると麗子は私の方を向いてバスローブの前をはだけ、その美脚を開いたのだ。
 彼女の唇から真っ赤なワインが溢れ出すと、それは蛇が這うように流れ落ち、その淫らな唇を濡らした。

 教祖が十字架を処刑台の頂点にはめ込むと、何本もの火柱が立ち上がり、観客が拍手喝采をした。
「早く殺せ!」
「いい気味だ!」
「きちがいめ!」
 教祖は最期の叫びをあげた。
「妹よ! 聞いているか! 俺はお前の愛を拒絶した。俺は理性という死病に犯されていたのだ。俺はようやく分かった。愛を知らぬ者に生きる価値は無いと。処刑はお前の愛であり、最期の救済なのだ。妹よ! この肉体をお前に捧げる!」
 彼が磔にされて火が放たれると、麗子は炎に悶える肉体を餌にして、淫らな唇をもてあそんだ。
 彼女の肉体は汗を滲ませて淫らな香りを放ち、猥褻なヘンデルの旋律が私を圧倒した。
 彼女は指先に白い粉をつけると、それを己の秘部にすり込んだ。
「こっちに来て舐めなさい」
 その淫猥な蜜を味わうと、蒸せるような香りに頭が朦朧とし、ついに私は意識を失って倒れた。
 目が覚めると、私は蛇に姿を変えていたのだ。
 麗子はウォーターベッドの上から見下ろしていた。
「何してるの? 早く来なさい」
 脚に巻きついてベッドに上がると、彼女は私の鎌首をつかんで睨みつけた。
「理性などという小道具で、あたしを侮辱してはいけない。真実を識りたいのなら、狂気を捧げるのよ」
 彼女は私をベッドの下に放り投げた。
 急いで這い上がると、私は彼女に飛び掛かり、その肉体の聖地を巡礼した。口唇に滴る甘い樹液をなめ、かたい乳首を牙で噛んだ。なだらかな丘稜を下ると小さな茂みを通り抜け、熱いわれめの前に到達した。
 しかし、私はそこで苦悩に駆られたのだ。
「この奥にある灼熱の溶岩を分析すれば、この女の謎が解けるはずだ。顔だけ見てたら騙される。内臓こそが彼女の正体なのだ。しかし、正体を暴くことに何の意味があるのだ? 後悔はしないのか? 本当に行くつもりなのか!」
 私は動くことができなかった。
 すると麗子はまた私の鎌首をつかみ、スクリーンに映る教祖を指差して私を罵倒した。
「たとえ犯罪者でも彼には勇気があるわ。あなたも勇気を見せなさい。あたしのゴルゴダの丘に、あなたの惨めな十字架を突き立てるのよ。二人の案内をつけてあげるから、巡礼を成し遂げなさい」
 彼女が私の口に二つの錠剤を押し込むと、凄まじい勢いで記憶が展開し、生き別れた血族の顔が見えた。しかし私は愛憎に支配され、幻覚の中へ堕ちていった。

 木漏れ日に照らされて目を覚ますと、木々の間で小鳥たちが戯れていた。私は大木の根を枕にして寝ていたのだ。再び目を閉じて、我が身に降りかかった災難を思い起こしていると、「そろそろ起きて下さい」と声が聞こえた。
 目を開けると、二人の青年が私の顔をのぞき込んでいた。
「君たちは誰だ?」
「自分はフロレスタン」
「私はオイゼビウスと言います。私たちは、女王様に貴方の案内を命ぜられました」
「女王?」
「よくご存知のはずですが」
「そうか! 思い出したぞ! 俺をもてあそんだ女のことだな!」
「そうです! あの性悪女のことです」とフロレスタンが言うと、オイゼビウスが「でも、とても聡明な方です」と口を挟んだ。
「君たちは彼女の家来なのか?」
「家来ではありません。息子です」
「あの女、結婚していたのか」
「私たちは双子として生まれました。音楽の才能に恵まれ、三歳になる頃には超一流でした。私はフルートの名手。フロレスタンはバイオリンの名手です。でも演奏会には出してもらえず、遂に幽閉されてしまったのです」
「君たちの父親は何も言わないのか?」
 するとフロレスタンが言った。
「あの男はだめです。妹に頭が上がらないんだから」
「どういうことだ?」
「父は母の兄なんです」
「あの女、自分の兄と交わったのか」
「はい。そうですよ」
「なんて女だ! 両親はどうなってるんだ?」
「祖母は性に寛容なのです。若い頃から異常なまでに淫猥で、歳を重ねても衰えるどころか一層若々しくなり、淫らな素行では未だ誰にも負けません。誘拐してきた少年をベッドに引っ張り込んで、毎晩お楽しみです」
「とんでもない女だな。父親はどうなっている?」
「祖父は叔父に、いや父に怒り狂っていたそうです。祖父は母に男を一切近づけず、近づく男は全て抹殺してしまいました。でも、自分の息子たちを殺すわけにもいかないから、大きくなる前に引き離してしまいました。幼い兄弟を街の路地裏に捨てたのです。でも兄だけは戻ってきて、妹と恋仲になってしまったと言うわけです」
「とんでもない一族だな。ところで、その弟、つまり君たちの叔父は今どこにいる?」
「ここにいますよ」
「どこだ?」
「だから、ここに……」
「もういい。ところで、俺を何処へ案内するというのだ?」
「よくご存知のはずですが」
「そうか! 思い出したぞ! あの女は俺を侮辱したんだ。今度こそあの女を陵辱してやる」
「そうです! 性悪女の正体を暴いてやりましょう!」
 オイゼビウスがフルートを吹くと、三頭の駿馬が森の中から現れた。
 二頭の白馬にはフロレスタンとオイゼビウスが乗り、ブーケファラスという巨大な黒馬に私が乗った。

 なだらかな大平原を南に突き進んだ。
 その先にある都市国家オマンティスの君主テセウスに拝謁し、『豊穣の三角州』と呼ばれる聖域に入る許可をもらうためだ。
 そこには女神が祀られており、テセウスの許可無くして聖域に入ることは出来なかった。
 ブーケファラスの後に、二頭の白馬が続いた。三頭の駿馬は疲れることを知らず、砂煙を上げて平原を疾走した。
 やがて都市国家オマンティスの城壁が見えてきた。するとブーケファラスは更に勢いを増し、二頭の白馬も後に続いた。
 そのとき、地響きがして丘の向こうに砂煙が上がった。雪崩れ打って降りて来たのは騎兵隊だった。
 一万を超える騎兵隊が私たちを包囲すると、その隊長が馬上から威丈高に言い放った。
「法と正義の番人ジャスティスだ。今すぐ引き返すが良い。貴様らは法と正義を犯そうとしている」
「俺たちは何もしていない。犯罪者呼ばわりはよせ」
「貴様らは犯罪者だ。法を破った者も悔い改めれば神は許してくれる。しかし、愛欲だけに生きる者は、既に犯罪者なのだ」
「従わなかったらどうする?」
「磔にして、火炙りの刑に処する」
 そのとき、城壁の門が開き、金や銀の盾を持った騎兵隊が突撃を始めた。
 彼らがジャスティスの軍隊を包囲すると、君主テセウスがジャスティスに告げた。
「ここは我が国の領土であり、法と正義は我らの手にある。犯罪者は貴殿の方だ。そちらの三人は私の客人であり、我が国を訪れることは予言者から聞いていた。今すぐ解放するのだ。従わないなら剣を抜くしかないが」
「誉れ高きテセウスよ。貴殿の顔を立ててやる。しかし、いつか必ず後悔させてやるからな」
 ジャスティスの軍隊は砂嵐の如く消え去った。

 テセウスは盛大な宴を催してくれた。
 彼は私の陶器に葡萄酒を注ぐと言った。
「貴殿が来ることは知っていた。目的も預言者から聞いている。聖域に入ることを許そう。ただ、一つだけ願いを聞いて欲しい」
「願いとは?」
「聖域はオリーブの樹海になっており、その中心に火山がある。それは二千年前に死火山となり、噴火口が氷河に覆われてしまった。火山が生き返らねば、やがて大地が冷えて、この国は滅んでしまう」
「なぜ死火山になったのだ?」
「クリストという亡霊のせいだ。奴が自分の妹である妖精クリスを追い出してしまったからだ。クリスの魔法だけが火山を熱くすることができるのだ」
「なぜそいつは自分の妹を追い出したのだ?」
「クリスは兄クリストに恋をしたのだ。しかし、クリストは戒律に従い、妹の愛を拒絶した。それでも妹クリスは恋をあきらめなかった。だから兄クリストは彼女を断罪し、追い出したのだ」
「その妖精は今どこにいるのだ?」
「火山の何処かに隠れている。彼女は兄を憎んでいる。だからクリストを殺せば火山を蘇らせてくれるはずだ。しかし我らは聖域に入ることを神に禁じられている。だから貴殿にクリストを殺してもらいたいのだ」
 テセウスは弓矢を差し出した。
「これで心臓を射抜けば奴は死ぬ」

 テセウスから渡された弓矢を携えて、『豊穣の三角州』と呼ばれる聖域に入った。
 甘酸っぱい香りに満ちた広大なオリーブの樹海を抜けると、白い雲の中に、黒い火山の頂が見えた。
 妖精クリスを誘き寄せるため、オイゼビウスにフルートを吹かせると、妖精が岩場から顔を出した。
「クリスだね。君のために来たんだ」
 妖精は美しい少女だった。
「君は兄さんに拒絶されたんだよね。復讐してあげるよ。兄さんはどこにいるの?」
 妖精は火山の頂を指差した。
「兄さんを殺したら、こっちの願いを聞いてくれる?」
 妖精はけらけらと笑った。
「あなたの願いを知っているわ。真実を知りたいんでしょ。それには噴火口を塞ぐ氷河を溶かし、火山を生き返らせなければならない。それが出来るのはあたしだけよ。兄を必ず殺すと約束できる?」
 私は妖精に弓を見せて、心臓を射抜くことを誓った。

 ブーケファラスと二頭の白馬は外輪山の頂上まで一気に駆け上がった。高い外輪山の真ん中に、ほんのりと赤い内輪山が見えた。
 三人でカルデラを観察していると、フロレスタンが声をあげた。
「あそこに誰かいます!」
 内輪山の縁に十字架が立っており、痩せた男が磔にされていた。
 その男の前まで駆け下りて、馬上から声をかけた。
「お前がクリストか?」
「弟よ、早く俺を殺せ」
「貴様が俺の兄だと……」
「お前が来るのを待っていたのだ」
 その声には懐かしい響きがあった。
「俺は亡霊クリストに取り憑かれたのだ」と彼は言った。
 そのとき、妖精クリスの声が聞こえた。
「彼を苦しみから解放してあげなさい」
「兄よ、許せ!」
 矢が兄の胸に突き刺さると、地響きがして大地が揺れた。
 噴火口をのぞき込むと、氷河を透して赤いマグマが見えた。
 馬の背に飛び乗り、急いで退避した。ブーケファラスと二頭の白馬は外輪山の頂上まで駆け上がると、急勾配を一気に駆け降りた。
 やがて火山は噴火を起こし、沢山の宝石が雨あられと降り注いだ。
 ダイヤ、サファイア、ルビー、エメラルド。全ての宝石が眩しく輝いていた。

 幻覚から解放されると、エメラルドが目の前で輝いていた。私は麗子の胸で眠っていたのだ。
「すごくよかった。次は姉さんが愛してあげる」
 ふと気づくと、部屋の真ん中に立つ石板に、矢で射抜かれた教祖の姿が描かれていた。麗子は、これが本物の『聖セバスチャンの殉教』よと笑いながら言った。

 終わり

 神々に選ばれし者、現世に生くる能はず、呪はれし者
 かみがみにえらばれしもの、うつしよにいくるあたはず 、のろわれしもの
『慕尼黑歌集』より

猥褻巡礼記

執筆の狙い

作者 飼い猫ちゃりりん
118-106-73-169.dz.commufa.jp

約1万2000字の作品です。よろしくお願いします。

※非常に不道徳な内容になっております。自己責任で読んでください。

コメント

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

読ませていただきました。
おもしろかったです。

気になった点をいくつか指摘していきます。

>畜生。お高くとまりやがって。それにしても、なんて綺麗な女なんだ……

なんだか、展開が早すぎる印象を受けました。
畜生と言っているのですから、振った話題に乗ってくれなくてカチンときたのはわかるのですが、そこから容姿に関心が移る。
言いたいことは分かりますが、もうちょっと丁寧に書いてほしかったです。
興味ないと言われて腹を立てたが、その美貌を見て、怒りが収まるといった、そういう心の動きを加筆してほしかったです。

あと、全体を通じて言えるのですが、主人公が彼女をどのくらい好きなのか、見えてきませんでした。
大好きなのか、単純に好きとは言い切れない感情なのか、好きとそれに反する感情ももっているのか。
あと、なぜ彼女にしたのか。
それは容姿だけなのか。
性格も含めてなのか。
フィクサーの娘だから、ということは本文を読む限りでは、それはなさそうですが。

>私は疑念を抱いていたのだ。
>本当に俺を愛しているのか? なぜこんな貧相な男を恋人に選んだのだ? 
>私は美男子の部類に入る男であり、成績も優秀だった。だが、私と麗子とでは、あまりにも不釣り合いだった。

疑念は分かりますが、で、主人公は彼女のことをどのくらい好きなのでしょう?

誕生日に何かをプレゼントしようとしているようですが、それはどのような気持ちからなのか。
純粋に喜んでもらいたいのか、義理なのか。
プレゼントを贈ることで彼女にこう思ってもらいたい、という欲求も書いてほしかったです。
あと、プレゼントというのは、贈る側の気持ちとしては、これでいいのだろうか、という不安はつきものですよね?
気に入ってくれるだろうか、かえって嫌われたりしないだろうか。
そういう不安や葛藤も書いてほしかったです。

あと、ほとんどの文が過去形ですが、これは回想の物語なのでしょうか?

>成績も優秀だった。だが、私と麗子とでは、あまりにも不釣り合いだった。

ということは、今は成績優秀ではないようにも読めますし、今は彼女と釣り合う存在になったようにも読めます。

物語はリアルタイムで進んでいるのか、回想しているのか。
そのあたり、明確になっていればいいかなと思いました。

途中で蛇になったり、馬に乗った人が現れたりと、現実視点ではツッコミどころ満載の状況で、主人公がそれを疑問に思っていないのは、薬の影響で夢を見ているような感じで、見ているものを不思議だとは思わず受け入れてしまっている、という設定でよろしいでしょうか?

もし、そうであれば、思考がまともに戻った際に、さっき見た幻覚について何かしらの感想をもつシーンがあればいいなと思いました。

あと、食事シーンがいろいろ出てきますが、

>しかし麗子はカップの縁についた口紅をふき取っていた。いかなる時も彼女は令嬢であり、作法を逸脱することはない。

だったのが、

> 麗子も下品さでは負けていなかった。左手でワインの瓶を握り締め、右手でステーキを鷲掴みにして食い散らかしていた。口元を血だらけにした彼女が野獣に見えた。

となっていますよね。
彼女の変わり様について、主人公が何か思うシーンが欲しかったです。

下品な食べ方は、このとき初めて見たのか、
それとも、二人きりのときはこういう姿を見せていたのか。

>「妹よ! 聞いているか! 俺はお前の愛を拒絶した。俺は理性という死病に犯されていたのだ。俺はようやく分かった。愛を知らぬ者に生きる価値は無いと。処刑はお前の愛であり、最期の救済なのだ。妹よ! この肉体をお前に捧げる!」

ここは私の読解力不足で、正しく読み取れなかったのですが、
愛を知らぬもの とは、兄のことですか?

>処刑はお前の愛であり、最期の救済なのだ。

妹から兄への愛 なのか 兄から妹への愛 なのか。
救済とは、誰が救われる側なのか。兄? 妹?

すみません。
これ、両方の解釈ができてしまって、読み取りに悩みました^^;

と、いろいろ書いてしまいましたが、
超展開で進んでいく物語、グイグイ読めて私はおもしろかったです。
ただ、主人公がこのトンデモ状況を、どう思っているのか、
そこはもっと知りたかったところではありますが。

作品を読ませていただきありがとうございました。

飼い猫ちゃりりん
118-105-106-236.area2a.commufa.jp

神楽堂様
このような作品を読んで頂き、大変ありがたく思っております。
貴殿の性別は知りませんが、もし女性であれば、不快な気分にもなったのではないでしょうか。
貴殿が言うように、粗が目立つ作品です。改修箇所がまだ無数にある感じ。
パワー、スピード、繊細な描写を兼ね備えた作品にしたかったのですが、繊細さが大幅に欠けてしまったようです。
それと、キャラがまだ作者自身の中で明確に思い描けていないのかもしれない。近親相姦が大好きな超美人の姉さんなんて、見たことないですから、正直苦労はあります。誰かモデルになる女性はいませんか?
ありがとうございました。

夜の雨
ai225105.d.west.v6connect.net

「猥褻巡礼記」について。
普通に読んだのでは内容が頭に入ってきませんね。
何やらローマの時代というか古代のお話みたいなというか、冒頭では現代の世界だと思っていたのですがね。
特異な世界観で物語ができているようなのですが、設定がややっこしいので、物語を丁重に描く必要があると思います。それか、設定を単純化するとか。
そうしないと理解できないので。
特異な世界のなかに何を描こうとそれは作者さんの自由ですが、それを第三者に読ませるには「丁重に世界を描かないと、頭の中に入ってきません」

主役のヒロインは強烈なインパクトがあり、主人公の男は魅入られてしまっているようで。
そのあたりはよいのですが。
全体では登場人物とキャラクターはよかった。
なので、御作は、題材をそのままにして、物語を単純化したほうがよいかなと。

いろいろ調べて書いているだろうなぁとは、思いました。作品の形を整えようとしているのは、見て取れます。

お疲れさまでした。

飼い猫ちゃりりん
sp1-75-247-64.msb.spmode.ne.jp

夜の雨様
このような作品を読んでいただき、感謝に堪えません。
確かに非常に複雑なストーリーになっています。これについては、御指摘のとおり、単純化しないと、読者に理解してもらえる作品にはならないような気がします。
飼い猫には、この作品の構想をまとめきる実力がまだないようです。やはり身の丈に合ったものを書くべきですね。
ありがとうございました。

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