作家でごはん!鍛練場
パイングミ

「ふうふ」は逆から読んでも「ふうふ」です 他1編

【「ふうふ」は逆から読んでも「ふうふ」です】

(やっとこの苦しみから解放されるんだ)と、妻は心の中で呟き走り出しました。テンポの良い足音に合わせるように、病院のリノリウムの床がキュウキュウ鳴いています。薄暗い廊下の先には、微かな光が見えていました。

 夫との甘い結婚生活は、長くは続きませんでした。病気に罹った夫は、すっかり変わってしまったのです。負の連鎖に巻き込まれないよう、周囲の人たちは自然と去っていきました。残されたのは妻一人でした。

 ベッドの上で苦しむ夫を視界の端に捉えながら、妻はとある夜に出会った不思議な男性の言葉を思い出します。「この瓶の中身を旦那に飲ませれば、あなたの人生が変わるよ」と優しく語る彼は、妻にとって一縷の望みでした。

 夫の息づかいは激しさを増し、苦悶の表情が浮かんでいます。口の端から涎が糸を引き、真っ白なシーツを黒く濡らしました。微かに血も混じっているようです。

 そこで妻は小瓶を取り出して、中身を夫の口に慎重に注ぎます。すると、どうでしょう。魔法のように夫の容体がみるみる変わっていきました。

 見ると、夫は安らかな寝息を立てており、白い毛布が優しく上下しています。幸せそうな笑顔を浮かべているのは、いったいどんな夢を見ているのでしょうか。

「もう寝たのかしら? これなら大丈夫ね」と、妻は小さく呟きました。


※最後まで読んだ人は、下(ラスト)から上(冒頭)に向かって段落ごとに読んで見てください。



【is this your dog?】

 最初に違和感を覚えたのは、散歩の時だった。いつもなら玄関を開けた途端に勢いよく外に飛び出すマロンが、私の後をぺちぺちとお行儀よくついてくる。塀の上で日向ぼっこをしている野良猫を見かけても、全然吠えやしない。家に帰るのが嫌で、折り返し地点で地面にひれ伏すことも無かった。
 体調でも悪いのかと思ったが、ドッグフードが入った餌の容器は空っぽになっている。食欲は旺盛らしい。でも、食後に少しだけ与えていた大好物のバナナには、見向きもしなかった。

「なんだかマロン、ちょっと様子が違くない?」
 祖母に尋ねたが、「いつも通り元気でしょ」とにべもなく返された。たしかにおもちゃのボールを投げれば、カシャカシャと床を滑るように駆けていく。元気が有り余っていることこの上なしだ。
「あんたは久しぶり会うから、そう感じるんだよ」
「久しぶりって言っても、二週間前に会ったばかりでしょ」
「二週間前のことなんて、あたしはぜんぜん覚えていないけどね」
 最近物忘れがとくに激しくなった祖母が、ブラックジョークを投げかけてくる。反応に困っている私の様子を楽しんでいるのか、顔中の皺がより一層深くなった。

 祖母が飼っているマロンとの出会いは七年前。当時、高校二年生だった私が久しぶりに祖母の家に遊びに来た時、いつの間にか我が物顔で存在していた。
 詳しい経緯は分からないけれど、知人から譲ってもらったらしい。少なく見積もっても七歳だから、人間でいえば中年のおじさんだ。でも、豆しばのような見た目・サイズ感のおかげで、散歩をすればみんな「可愛いワンちゃんだね」と褒めてくれる。
 散歩は週二回で、私の担当だ。遠くのスーパーにもバスを乗り継いで行くなど元気な祖母だが、マロンに引っ張られて転倒したことがあって、それからは私が代わりに行っている。
「小型犬でも侮れないもんだねぇ」
 祖母は松葉づえをつきながら感心していたが、母は「もう歳なんだから、あまり迷惑をかけないでちょうだい」とあまりいい顔をしなかった。

「この先も一人で暮らすのは無理なんじゃないか」
「知り合いが運営している老人ホームに空きがでたらしいよ」
「だったらもう預けた方がいいのかもな」
 怪我をしたその夜、祖母の今後について父と母が膝を突き合せながら話し込んでいた。まるでペットを処分するみたいな二人の話しぶりに、なんだか腹がムカムカしてくる。私はお祖母ちゃん子なのだ。
「だったら、ウチで一緒に暮らせばいいじゃん」
 と、思わず言ってしまった。
「冗談じゃないわよ」
 母はそう言い放ってみかんの皮を乱暴にゴミ箱に投げ入れる。その様子を見て、父は苦笑いの表情を浮かべていた。
 その夜の顛末を祖母に話したら、「こっちこそ冗談じゃないわよ。いい迷惑だ」と、一言追加して憤慨していた。その怒った表情は母にとても似ていて、やっぱり親子なんだとふと思い知らされる。
 結局のところ、祖母は老人ホームにも我が家にも行くことは無かった。
「これまでも好き勝手やってきたんだから、今さら他人の世話になんかならないわよ」
「お母さんは娘でしょ。他人じゃないじゃん」
「血は繋がっていたって大した付き合いもないんじゃ、他人とそう変わらんよ」
「そんなもんかな」
「そんなもんだよ」
 二人の間に何があったかは知らないし、聞く気も無かった。もっとも、聞いたとしても教えてくれはしなかっただろうけれど。
 私がマロンの散歩を週二回するついでに、祖母の様子を見てくる。それが、最終的な落としどころとなった。


スマホの写真を整理していたら、マロンと散歩している様子を撮影した動画を発見した。違和感を覚える以前のマロンは、向かいからやって来た大型犬のグレート・ピレニーズに吠えている。白いモフモフが本気を出せばマロンなんて一飲みなのに、無謀な奴。ワンワンと吠えているその動画を見ている内に、今のマロンと声質が違っていることに気がついた。
 動画のマロンは、少し低音の「ワンワン」で、全ての音に濁音が混ざっている感じ。それに対し今のマロンは、どちらかと「キャンキャン」に近い「ワンワン」だ。もちろん、これまで気づかなかったのだから明確な違いというわけではなく、「ワンワン」という音階の中で少しだけ高低のズレがあるぐらい。比較対象がなければ、私自身もきっと気づかなかっただろう。
 翌日、祖母に声の違和感のことを告げたら、
「知らなかったのかい? 犬にも声変わりってのはあるんだよ」
 と、お気に入りの紅茶を啜りながら言った。
「ほんとに? あまり聞いたことないけど」
「本当だってば。動物病院の先生に聞いたんだから」
「マロンはメスなのに?」
「犬はメスだって声変わりするんだよ」
「でも、声が高くなることってあるの? 普通は低くなるもんじゃないの」
「それは私に聞かれてもねえ。マロンに尋ねてみればいいじゃない」
 そう言うと祖母は、「夕ご飯は食べてくだろ? カレーにするから材料を買ってきてちょうだい」と私に財布を投げよこす。散歩後に祖母とご飯を食べるのも、すっかりルーティンになった。
 近所のスーパーに行って、グラム108円の豚コマとしめじと人参とバーモントカレーの中辛をカゴに入れる。冷凍ストックできるよう、メモ書きより多めに買うことにした。スーパーを一回りする頃には、紅茶や羊羹、食パン、豆腐、長ネギもカゴに追加していた。
「足りないものがあれば自分でスーパーに行くからいいよ」
 祖母はそう言うだろうが、高齢者の独り暮らしだと思うと、ついつい余計な物まで買ってしまう。カレー屋さんで外食したと思えば、安いものだ。
 祖母は恐らく、私以外に食卓を囲む人はいない。旦那さん――つまり私の祖父は十数年前に癌で亡くなったらしい。私は幼かったからほとんど記憶に残っていない。ただ、タバコの匂いを嗅ぐと祖父を思い出すから、きっとそう言うことなんだろう。

 祖母と祖父は当時には珍しく恋愛結婚で、しかも略奪愛だったらしい。
「ウチの旦那さんには当時、奥さんと子どもがいてね。」
 珍しくお酒を飲んで上機嫌だった祖母が、懐かしむように話してくれたことがあった。
「なにそれ、妻子がいる男を盗ったってこと?」
「そうなるのかね。もっとも、私たちが出会った頃には夫婦関係はすっかり冷え切っていたみたいだけれど」
 ドラマでしか聞いたことがないような話が、祖母のしなびた唇からするすると零れ落ちる。
 私の反応に気を良くした彼女は、押し入れから昔のアルバムを引っ張り出して見せてくれた。色褪せた写真の中には、私によく似た女性が映っていて、彫りの深い男性と腕を絡ませている。
「なんだかうまく言えないけれど、お祖母ちゃん凄いね」
「そうかい、照れるねえ」
「略奪愛ってことはみんなから反対されなかったの?」
「そりゃされたさ。時代も時代だしね。旦那さんの親戚はもちろん、ウチの親戚一同からも総すかんさ」
「そんなにもお祖父ちゃんのことが好きだったんだ」
「それもあるけれど、私自身の生き方の問題だね」
「生き方?」
「そう、私は欲しい物はどうやっても手に入れる性分なんだよ。そうやってこれまで生きてきたからね」
 なかなかにしんどそうな生き方で、私にはいまいち理解できない。
「でも、みんなに祝福されたいとは思わなかったの?」
「そんなの糞くらえだよ。私の人生に責任を持ってくれない連中の言うことを、どうして聞かなきゃいけないんだい」
「かもしれないけどさ」
「まああの連中たちは、今でも許してはいないんじゃないかね」
 祖母はそう言うと、くっくっと愉快そうに笑った。
 たしかに、私以外の孫が祖母の家にやってきたという話は、これまで聞いたことが無かった。その上、たった一人の娘である母との折り合いも悪いのだ。 
 祖母の家を訪れるのは、孫である私の他には週二回だけやってくるヘルパーさんだけ。同年代の友人と遊びに行ったとか、習い事をしているとかも聞いたことがない。表面上は「よけいな付き合いがなくてせいせいする」と言っているが、本心はどうなのだろうか。
 夕食後のデザートを準備するために台所に立つ祖母の背中が、いつもより小さく見えた。

 目についた商品を適当に放り込んでいたら、買い物かごはいつの間にか満杯になっていた。レジ画面の表示は4325円と表示。物価が上がったことを最近特に実感する。祖母の財布から千円札を三枚出して、私の財布からは2005円を出した。
 母と同じぐらいの年齢の店員さんから、レシートとお釣りを受け取る。小銭が多かったせいだろうか、財布を持った左手がずしりと沈んだ。
 マイバッグに商品を詰め込んでいると、壁の掲示板に目がとまった。『リトルリーグで野球を始めて、未来の大谷選手を目指そう』『スパイク打ってストレス発散!ママさんバレー団員募集』といった類のポスターが所狭しと貼られている。その中の一枚に、私の目は釘付けになっていた。
『迷子の子犬を探しています。名前はココちゃんです』
 こういう時に「ちゃん」と書いてしまう無神経さに微かな嫌悪感が湧いたが、それよりも気になるのは犬の特徴と一緒に貼られていた写真だ。ピースサインをしている小さな女の子の横でおすわりをしていたのは、マロンによく似た子犬だった。
 念のためにと、私はポスターに記載されていた電話番号をスマホに登録した。あくまで念のため。


 マロンが脱走したのは、ちょうど十日前のことだった。私が大学の前期試験中で一週間ほど祖母の家に行けなくて、代わりに祖母がマロンの散歩をしようとした時らしい。なんでも、リードとハーネスを繋ぐ留め具が上手く嵌っていなくて、そのまま走り去ってしまったのだそうだ。
 大学からすぐ駆けつけると、祖母は想像以上に打ちひしがれていた。無理もない。週二日だけの私とは違い、ずっと同じ時間を共にしてきた相棒が居なくなったのだから。心なしか最後に会った時よりも萎んで見える。試験期間だからと甘えず私が散歩すればよかったと、ふつふつと後悔の念が湧きだしてきた。
「そんなに落ち込まないで、私も一緒に探すからさ」
「お腹が空いたらきっとすぐ戻ってくるよ。犬って帰巣本能があるらしいからさ」
「いつ帰ってきてもいいように玄関を開けっぱなしにしてさ、ドッグフードも置いておこうよ」
「朝から何も食べてないの? 駄目だよ、まずは人間様が元気でいなきゃ」
「とりあえず弁当買ってくるから、ちょっと待っててね」
 私の呼びかけに祖母は小さく頷く。相変わらず目は虚ろだが、意識ははっきりしているみたいなので少しだけ安堵した。

 コンビニに行く途中、母に一応連絡だけしておいた。
「そういうわけだから、今日はお祖母ちゃんの家に泊まるね」
「了解。まあお祖母ちゃんの力になってあげな」
「お母さんもマロンを探すの手伝ってよ」
「私は別にいいけれど、あっちが嫌がるでしょ」
「仲直りするチャンスなのに」
「子どもが生意気いって。大人には色々あるのよ」
「どうせ大した理由じゃないくせに」
「かもね。まあその件はまた今度ね」
 電話を切ると、スマホの画面にうっすら汗がついていた。闇の向こうからカエルの大合唱が聞こえてくる。昼と夜との境界線が曖昧なだらしない熱気が、全身にまとわりついてくる。
 そうか、もう夏なんだ。弁当と一緒に祖母の好きなアイス饅頭を買って帰ろう。それはとても良い考えのように思えて、自然と歩調が速くなった。

 マロンが見つかったのは脱走から三日後で、ちょうど全ての試験が終わった時に祖母から連絡が入った。
 急いで祖母のアパートに駆け付けると、マロンが部屋の中をウロウロと動き回っていた。少し痩せた気もするが、三日間ずっと外にいたにも関わらず汚れはほとんど付着していなかった。食パンを焼いたような毛並みも、思ったよりも艶やかだ。
 もっとも、週二回だけの付き合いだったから、以前の姿を明確に思い浮かべることはできないのだけれど。まあなんにしても元気なら何よりだ。
 その夜、私は祖母の家に泊まり、マロンの帰還記念に簡単な祝杯をあげた。祖母は日本酒を冷で、私は賞味期限が切れかけのビール缶をたらふく飲んだ。だらしなく酔っ払う二人にビックリしたのか、マロンは終始落ち着かない様子だった。まるで初めて訪れた家をくまなく探索しているみたいと、酩酊状態の中でふと思った。


 自宅のテレビでバラエティ番組をぼんやり眺めていたら、警察から連絡があった。
「お宅のお祖母ちゃんがスーパーで万引きをしたので、身元引受人として警察署に来てください」
 男性警察官の事務的な声が、雑音に交じってスマホの向こう側から流れてくる。明け方に見る現実感のない夢みたいだった。「ウチのお祖母ちゃんに限って……」と思ってしまった私は、将来立派な親ばかになることだろう。
 間違いや詐欺の電話でないことを伝えるために、警察官は一文字ずつ区切りながらゆっくりと祖母の名前を口にした。どうやら夢ではないらしい。
 コンビニに行く用のくたびれたダウンジャケットを手にとり、警察署に向かう。どうしようか悩んだが、母には連絡を入れずに家を出ることにした。その代わり、『夕飯は先に食べてていいよ』と殴り書きしたメモをテーブルに置いておいた。
 夜のネオンを縫うように、両足を懸命に動かす。こうして祖母のために走るのは二回目か。マロンが脱走した夜のことをふと思い出す。あの日から約五ヶ月経ったことを、肌を刺す冷気が告げていた。

「寒いところをわざわざすみませんね」
 先ほどの電話での事務的な対応とは違い、その警察官はこちらが申し訳なくなるぐらい平身低頭だった。
「それで祖母は大丈夫なんですか?」
「ええ、最初は取り乱していましたが、今はすっかり落ち着いていますよ」
「逮捕とかされちゃう感じですか」
「いえ、初犯ですし金額もそれほど高くはないので、微罪処分にしました。簡単に言えば、被害金額を払えば帰宅できるってことです」
「じゃあもう帰れるんですね」
「ただ財布にお金がほとんど無かったので、万引きした商品料金を代わりに払ってもらうことになるのですが……」
 そう言うと警察官は、ポケットの中からメモを取り出した。リンゴ、どら焼き、ひき肉、人参、ツナ缶、切り昆布、突きこんにゃく、たらこ……合計で3347円だった。
「これだけのお金が払えなかったんですか」
「ええ、だいぶお金に困っていたみたいですよ」
 いや、私自身も薄々感づいてはいたのだ。祖母が私に財布を預けるのは、年金の支給日である偶数月の15日以降であること。その時でも財布の中身は決して多くなかったこと。プライドの高いはずの祖母が、私のお金で買ってきた数々の商品を黙って受け取っていたこと。
 夏休みの宿題をギリギリまでやらない子供のように、気づかないふりをして問題から逃げ続けていただけ。でも、二十歳の小娘である私に何ができたのだろうかとも正直思う。せいぜい、マロンの散歩をして、祖母と一緒に夕ご飯をたらふく食べるぐらい。その結果が今。きっとそれだけのことだ。

「お孫さんとして複雑な気持ちかもしれませんが、お祖母さんをあまり責めないでやってくださいね」
 警察官は私からお金を受け取ると、声を潜めて取り調べた内容を話してくれた。
「お祖母さん曰く、週二回あなたが来て一緒に夕食を食べるのが、とても楽しみだったそうですよ。だから美味しい物を食べさせたくて、ずっと無理をしていたそうです」
 先ほどのメモのリストをよく見ると、全て私の好物だった。
「だったら言ってくれればいいのに。私だってバイトしているからそれぐらい出せるのに」
「これは私の想像ですが、彼女にもプライドがあったのではないでしょうか」
「でも、そんなプライドのために万引きするとか」
「もちろん正しいとは言えませんよ。警察官という立場では尚更ね。でも、大人も色々あるんですよきっと」
 警察官の言葉が、いつかの母の台詞と重なる。「大人も色々…」の箇所だけを脳内でリフレインさせながら、私はマロンのことを思い出していた。祖母は犬の散歩という繋がりが無くなってしまうと、孫がやって来ないと思ったのだろうか。そのためだけに、悪い足を引きずってココちゃんを連れ去ってきたのだろうか。だとしたら、すっごくバカで愚かで可哀そうな人。でも、きっとそんな彼女のもとに、私はこの先も通うのだろう。

 警察署を出た私と祖母は、横に並んで歩いた。理由は単純で、その方が祖母の姿を見なくて済むと思ったから。前を歩いて「ついてきてるだろうか」と振り返るのも、後ろを歩いて祖母のくたびれた背中を見るのも、どちらもごめんだ。「万引きぐらいでガタガタ言いなさんな」と力強く笑う、そんな祖母であって欲しかった。
 祖母のアパートが視界に入ってきた頃、等間隔に並んでいる電柱に例のポスターが貼られているのを発見した。私は祖母に見せつけるように、『迷子の子犬を探しています。名前はココちゃんです』をべりりと剥した。
 祖母は怯えた子供みたいに瞳を潤ませている。私は彼女を安心させるために、そのポスターをくしゃくしゃに丸めて近くのごみ箱に捨て去った。そして、スマホに登録していた電話番号を消去する。
「お腹も空いたし、帰ろっか。マロンも待ちくたびれているよきっと」
 祖母の全身を覆っていた緊張が少し緩んだように見えたのは、気のせいだろうか。私たちはゆっくりと家路を目指した。
 アパートに到着すると、私たちの存在に気付いたマロンがドアの向こう側から吠えていた。濁音交じりではなく、キャンキャンに近い「ワンワン」が、静かな夜に響いていた。

「ふうふ」は逆から読んでも「ふうふ」です 他1編

執筆の狙い

作者 パイングミ
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半年ぶりぐらいの投稿になります。今回はエブリスタで掲載している(別名義)2作です。1作目は550文字ぐらい、2作目は7000文字ぐらいなので、さくっと読めるかと思います。2つ読んで貰えるとありがたいですが、1つだけでも感想を頂けると嬉しいです。厳しい批評も歓迎なのでよろしくお願いします。

★1作目(「ふうふ」は逆から読んでも「ふうふ」です)を読む際のお願い
最後まで読んでくださった方は、ぜひ下(ラスト)から上(冒頭)に向かって段落ごとに読んで見てください。異なるストーリーが顔を見せる、一粒で二度おいしい(?)物語です。

コメント

中小路昌宏
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 読みました。

 どうも、私の理解力の及ばないところを最初にお詫びしなければなりません。

 【「ふうふ」は逆から読んでも「ふうふ」です】 というのは病気に罹った夫の扱いを持て余している妻の様子を描いたものだと思いますが、不思議な男性から貰った瓶の中身は、一体何だったのでしょうか? 睡眠薬?それとも、ゆっくりと死に向かう毒薬だった?
 あともうひとつ、読み終えて、下から上に向かって読むと、どうなるのでしょうか?

中小路昌宏
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 次の【is this your dog?】 ですが、

 祖母と母と、私、の関係はよく分かります。それで、祖母の負担を軽くするために散歩を引き受けるということですが、ふつう、犬の散歩はだいたい、1日2回、少なくとも1回はするものだと思います。犬は散歩の時にうんちとおしっこをするので、週に二回ではとても貯めておくことが出来ず、散歩に行かない日はどうしているのかが気になります。

 あと、両親が祖母を老人ホームに預けるかどうかの話をしていたという顛末を祖母に話したら・・・とありますが、そんなことは話せば祖母の怒りを買うことは明らかなので、普通はそんなことは言わないと、私は思います。

 それと、迷子犬のポスターは祖母が自分で書いて、貼ったのでしょうか?それなら何で、マロンではなくて、ココちゃんという名前にしたのでしょうか?

 というように、私には、ボケのせいで、理解できなかった部分があり、申し訳ないと思っています。ごめんなさい。

fj168.net112140023.thn.ne.jp

拝読しました。

読みながら、パイングミさんておいくつなんだろうと考えていました。
リズム感があり老練とした文体には舌を巻きました。一瞬、俺は小酒井夫木の小説を読んでいるのか? と、錯覚したほどです。今まで、相当数の小説を書いてきた方なのでしょうね。
感服しました。

fj168.net112140023.thn.ne.jp

「小酒井不木」

またやらかしました。
失礼しました 笑

ぷりも
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拝読しました。
「ふうふ」はこんな手法があったのかといたく感心しました。叙述トリックの一種になるんでしょうか、面白いですね。ちょっと短いのが勿体無いかなと思いましたが、長くするとネタバラシ前に離脱してしまう人もいるかもしれないので、匙加減が難しいですね。
あと、二人の登場人物を用意してセリフが逆転するなんてしても面白いかと。
「ふうふ」だと逆から読んでも同じになっちゃうので「かない」とかのがあっているかなと思いました。
2作目については、洗練された文章で読みやすかったです。ただ私は、ミステリー派で、文章に潜んでいる仕掛けや、驚きの結末を期待してしまう人なので、ちょっと気の利いたコメントが思い浮かびませんでした。好みの問題ということでご容赦を。

fj168.net112140023.thn.ne.jp

ふうふ。漢字で書くと「夫婦」となります。これは、「めおと」とも読みますね。しかし「めおと」と「夫婦」では、男女の順が逆になっています。おもしろい現象です 笑

パイングミ
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中小路昌宏さま

お読みいただきありがとうございました。分かりにくいとのこと、こちらこそ大変申し訳ありませんでした。自分では理解しているため、執筆の狙いなども含め言葉足らずだったかもしれません。反省です。

■「ふうふ」
>不思議な男性から貰った瓶の中身は、一体何だったのでしょうか?
>あともうひとつ、読み終えて、下から上に向かって読むと、どうなるのでしょうか?

一応、普通に読むと「病気の夫をかいがいしく看病した妻が、不思議な男から謎の小瓶を貰う。その小瓶の薬を飲ませると病気が治る」というお話です。それに対し、反対(ラストから冒頭に向かって)読むと、「病気の夫を看病して疲れた妻が、不思議な男から貰った謎の小瓶の中身を飲ませる。それは夫を殺すための毒薬だった(夫を看病する苦しみから解放される)」というお話になります。つまり、「夫を治す」と「夫を殺す」という全く正反対のストーリーが現れる仕掛けにしました。

■is this your dog?
>犬の散歩はだいたい、1日2回、少なくとも1回はするものだと思います。

室内犬+小型犬というのと、祖母の緊急事態ということで週2回にしたのですが、無理があったのかもしれませんね。ちなみに実家の犬は室内犬ですが、トイレ(大小とも)はペットシートでするよう躾されていました。ただ、それが一般的ではないようなので、そのあたりが分かる会話文を補足するべきでした。

>両親が祖母を老人ホームに預けるかどうかの話をしていたという顛末を祖母に話したら~

たしかに!これは納得です。この部分はもう少し考えてみたいと思います。

>迷子犬のポスターは祖母が自分で書いて、貼ったのでしょうか?

ここも分かりにくくてすみません。一応、ポスターを作成したのは全く別の飼い主(ココちゃん)という扱いです。マロン脱走→似た犬であるココを祖母が盗んでくる→ココの飼い主が迷い犬探しのポスターを作成 といった時系列になります。これは私の悪癖で、過去のシーンを良く挟むため混乱させることが多いのかもしれません。

色々とご指摘いただき、ありがとうございました。私が気づかなかった点も含めとても参考になりました。中小路さまの次回作も楽しみにしています。

パイングミ
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凪さま

お読みいただきありがとうございました。多分にお褒めいただき、嬉しいと同時に恐縮するばかりです。公募に本格的に挑戦しようと思ったのが今年の夏ぐらいで、それまでは気が向いた時に趣味で書いていました。なので、短編含め10作品ぐらいかと思います。ただ、広告系のライターをしているため、書くこと自体にはある程度慣れているかもしれません。

ちなみに「小酒井不木」さんは恥ずかしながら知りませんでした。この時代の作品は興味があるのですが何から手をつけてよいか分からなかったので(夢野久作とか江戸川乱歩ぐらいです)、これから読んで見たいと思います!

>「めおと」と「夫婦」では、男女の順が逆になっています。おもしろい現象です

「夫婦」「妻夫」「女夫」など色々あるんですね。日本語って面白いです。今の時代だと女性が先に来るのもありかもしれません。タイトルをもっと工夫するとより奥深さが出る気がしました。ありがとうございます!

凪さまの作品もこの後拝読させていただきますね。それでは引き続きよろしくお願いします。

パイングミ
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ぷりもさま

お読みいただきありがとうございます。「ふうふ」の手法をお褒め頂きありがとうございます。上手くいったようで良かったです。また、好みに合わないにも関わらず2作目もお読み頂けて光栄です。

>ちょっと短いのが勿体無いかなと思いましたが~匙加減が難しいですね。

そうなんですよね。私の技術だと、これ以上長くするのはしんどいのが正直な気持ちです(笑)。500文字なのに何度も調整してかなり時間がかかりました。それに意味が正反対になるようにすると、難しいストーリー・展開に持っていきにくいのが難点です。一発ネタの宿命でしょうか。

ただ、セリフの逆転は面白そうですね。別のお話になるかもしれませんが、いつかチャレンジしてみたいと思います。作品のヒントありがとうございました。ぷりもさんも積極的に活動されてるみたいなので、とても励みになっています。

パイングミ
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誤字の訂正になります。推敲モレで申し訳ございません。

■is this your dog?

× 当時、高校二年生だった私が → ○ 当時、中学二年生だった私が

× レジ画面の表示は4325円と表示。→ ○ レジ画面の表示は4325円。

中小路昌宏
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 なるほど、ふうふ、については他の皆さんが良い評価をしていらっしゃるのが不思議で、なんでかな?と思っていましたが、私の読みが浅かったということがよく分かりました。
 解説して頂かないと分からない年寄りです。有難うございました。

 犬のお話についても解説して頂いて、よく分かりました。有難うございます。

アン・カルネ
KD106154137053.au-net.ne.jp

面白かったです。
ふうふの話。ラストから上に向かって読むとガラリと印象が変わる。アイディアが凄いなあと思いました。ただ…。
(やっとこの苦しみから解放されるんだ)「薄暗い廊下の先には、微かな光が見えていました。」って、奥さん、次の行き先は刑務所じゃあん、とは思ってしまいました。まんまとしてやったり、になってればもっと良いのになあ、とつい思ってしまいました。
犬の話。味わい深いなあ、と思いました。祖母のキャラクターがバックボーンを含めてとても魅力的でした。語り手の私の「だとしたら、すっごくバカで愚かで可哀そうな人」ここも良いなと思いました。そして貼り紙を破り捨てるところも。理屈じゃない、人間らしい、人間ならではの機微が描かれていて良かったなあと思いました。

パイングミ
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アン・カルネさま

お読みいただきありがとうございます。面白かったといっていただき、とても嬉しいです。

>まんまとしてやったり、になってればもっと良いのになあ、とつい思ってしまいました。

あー確かにこちらの締め方の方が良いですね。悪女感がより色濃くでて、普通に読んだバージョンとの対比が際立ちますね。アドバイスありがとうございました。

>祖母のキャラクターがバックボーンを含めてとても魅力的でした。

私の祖母が少しモデルになっているので、嬉しいお言葉です(もちろん盗みなどはしていません)。祖母は孫だからといって必要以上にベタベタしない人で、一人の人間として付き合ってくれるところが好きでした。

>理屈じゃない、人間らしい、人間ならではの機微が描かれていて良かったなあと思いました。

描きたかった部分を読み取っていただき、ありがとうございます。この作品を書いて良かったなと改めて実感しました。

佐藤コウキ
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拝読しました。

文章にリズムがあって、技巧的な小説だなと感じました。

ただ、上から読んだ後に下から読んでも私には作者の意図が良く分かりませんでした。他の人の解説を読んで、ああそうだったのかと思った次第です。
私のような一般人にも、はっきりと分かるような工夫が必要かなと思ったりします。

チョコッと気になった小さなこと、
万引きした代金を警官が受け取っています。これは普通、スーパーに行って代金を払ってから謝罪をするのじゃないかと思います。
警察官は、そこまでするのかなあと。

上から読むのと下から読むので意味が違ってくる。そういった文章のトリックというか叙述トリックというか、そういった遊びができる能力がうらやましいです。

平山文人
zaq31fb1c44.rev.zaq.ne.jp

パイングミ様、拝読させていただきました。

「ふうふ~」は興味深いトリッキーな小説です。どれぐらいの長さまで
こういう事が出来るだろう、と考えてしまいました。
ちなみに読後私の頭に浮かんだのは「たけやぶやけた」でした……。

「is this your dog?」ですが、細かくて申し訳ないのですが
英文の冒頭は大文字表記です。

作品は高齢化社会を取り扱った時事問題としても価値あるものだと思いますが、
一点疑問があって、何故登場人物は全員名前が出てこないのでしょう。
犬の名前は出てくるので、何か思惑があるのでしょうが、私には分かりませんでした。
普通は肉親同士が話す場合名前は必ず呼ぶはずなので……。そこを教えてもらえると嬉しいです。

祖母のキャラが破天荒なのにどこか憎めない,読んで心温まる物語でした。
次回作もがんばってください、それでは失礼します。

パイングミ
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お読みいただきありがとうございました。「ふうふ」ですが、他の方も「感想欄を見ないと分からない…」と仰っていましたので、かなり改善の余地がありそうです。

>万引きした代金を警官が受け取っています。これは普通、スーパーに行って代金を払ってから謝罪をするのじゃないかと思います。警察官は、そこまでするのかなあと。

ここは私も「微罪処分」のワードを作中で出す時に調べたのですが、どうやらケースバイケースという感じみたいです。

というのも、お店的には「二度と来てほしくない(出禁)」「万引きした商品の分の料金だけ払ってくれれば謝罪は別にいい」といったケースも多いのだそう。なぜなら、万引き犯が無敵な人の場合だと逆恨みで攻撃される可能性もあるわけで、だったら警察を介してやりとりした方が安全だという理由だからです。

もちろん、直接謝れというお店もあります。その際は警察官が一緒についていく形になりますし、謝罪文を書いて届けてもらうケースもあるそうです。ただ、そこまで書くと本筋からどんどん離れる気がして最低限の記載にしました。

ただ、これは私が調べたから分かっていることであり、全ての人が知っているわけではありませんね。違和感があってはいけないので、少し考えてみます。主人公と警察官の会話に入れられる気もしますので。

鋭いご指摘ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

パイングミ
flh2-221-171-44-160.tky.mesh.ad.jp

平山文人さま

お読みいただきありがとうございました。


>「ふうふ~」は興味深いトリッキーな小説です。どれぐらいの長さまでこういう事が出来るだろう、と考えてしまいました。

いつかはもっと長い物も書いてみたい気がしますが、今の技量ではこれが限界です(笑)。また、他の方が「叙述トリック風」と言っていたので、ミステリーの作中作(暗号?)で使うのもアリな気がしてきました。「反対から読むと意味が異なる」が事件解決のヒントになる、みたいな感じです。

>ちなみに読後私の頭に浮かんだのは「たけやぶやけた」でした……。

回文である程度の長さのお話が作れたら凄いですね! 挑戦…はしないでおきます。

>英文の冒頭は大文字表記です。

失礼しました。英語が苦手なもので、グーグル翻訳をそのままコピペしちゃいました。


>一点疑問があって、何故登場人物は全員名前が出てこないのでしょう。

こちらも深い意味はありません(申し訳ありません)。強いていえば一人称なので、「お祖母ちゃん」「お母さん」が一般的なのかなと。でも、祖母が「花子、買い物行ってきて」と最低でも主人公の名前を出した方が、読みやすいですよね。あと、個人的に名前を考えるのが苦手というのも、もしかしたらあるかもしれません。

私が気づかない点をご指摘いただき、ありがとうございます。平山さんの次回作も楽しみにしています。

夜の雨
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パイングミさん、二編読みました。

>【「ふうふ」は逆から読んでも「ふうふ」です】<

たしかにひとつでふたつの、おいしい物語がありますね。
ラストから読んだほうがインパクトがありました。
上からだと、知らない男のススめるモノを果たしてもらって使うだろうかと思いましたが。
下からの作品でもそれは言えることですが、男の描き方しだいで読み手に想像力をふくらまさせることができると思いますが。
なので、容姿を具体的に描いたほうが面白いと思いましたが。


>【is this your dog?】<

こちらはかなりの出来ではないかと、素晴らしいと思いました。
祖母のキャラクターに濃い味がありよいですね。
強い女が描かれていますが……。
若かりし頃に略奪愛で結婚。
まあ、相手の夫婦関係が壊れかかっていたというのが、「よけい」かもしれませんが。
相手の夫婦はふつうにうまくやっていた。
そこに祖母が若かりし頃の祖父を気に入って略奪愛から結婚のほうが、御作の世界観だと筋が通ると思いますが。祖母の強い生き方が描かれるので。
それだと周囲の者が祖母をきらって遠ざかるのもわかります。
しかし壊れかかっている夫婦なら、いずれはわかれる。それなら略奪愛までにはいかないような。
どちらにしてもこの祖母と祖父の結婚のエピソードはもう少し具体的に描いておくとよいと思いますが。
御作だと、「すでにお互いにダメな夫婦関係になっていた」ところだから、祖母がちょっかいを出さなくても、壊れてしまう夫婦だったかもと思います。
それなら、周囲の者(親族ほか)がごたごたゆうほどでもないのではという展開かな。

どちらにしろ略奪愛というのは祖母のキャラクターとして生き方として人生観が漂っていて面白いですね。
それとマロンとココのワンちゃんですが。
これって結局は祖母がココを勝手に連れてきたということですか。
それでばれるとやばいと思い自分では犬の散歩をする勇気がなかった?
そう考えると面白いのですが、孫娘が犬の散歩をしているときに相手側にばれたらどうするのでしょうね。
まあ、迷い犬を拾って飼っていたということにすれば、うまく治まるかもしれませんが(笑)。
そう考えると祖母は強い気性のように思えるかもしれませんが、か弱いところもあるのだなぁと。
祖母は自分の娘には嫌われているようですが、このあたりの人間関係はうまく描いています。
というか、孫娘(主人公)以外は、祖母に近づかないようですが、知り合いやら親族関係は。

ラスト近くの祖母の万引きですが、このエピソードは「なるほど」と思いました。
『起承転結』の『転』にふさわしいエピソードです。
どうして生き方に哲学を持っている気性の激しい祖母が万引きをしたのかが、良く伝わりました。
孫娘がかわいくて仕方がなかったのですね。
というか、『孫娘だけしか人間関係が存在していなかった』なので、孫娘においしいものを食べさせてあげたかった。
そして自分のそばにいてほしかった。
このあたりがよく伝わってきました。

ちなみに「おまわりさん」よいひとですね(笑)。

こちらの作品なら公募に出しても手ごたえがあるのではと思いますが。
作品ぜんたいにエピソードの描き方がすばらしかったです。


おつかれさまでした。

夜の雨
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ほか、自分はこう解釈したというところを書いておきます。

犬の散歩について。
最初は私も犬の散歩に毎日いかないのはいかがなものかと思いながら読んでいたのですが、祖母がよそ様の犬を自分の犬にしていたという展開になりましたので、なるほど、それで犬の散歩の数が少ないのだなと思いました。
頻繁に散歩をしていてココの飼い主に見つかると具合が悪いので。
祖母が高齢なので散歩が少ないというのは表向きで、実は裏事情もあったということ。

万引きした代金を警察官が立て替えたことですが。
これは警察官が孫娘に祖母の引き渡しで話をしているときに「私にも祖母との思い出がありまして、優しかったなぁ、いつもニコニコしていて、それがある日のこと、急に怒り出すようなことがありまして。悲しかったと。ちょっとした思い出です」と、そういった警察官個人のエピソードを挟んでおくと、警察官も人間なんだということで、スーパーの代金をとりあえず立て替えてくれたのかも、とかの解釈もできます。
先の感想でも書きましたが、このおまわりさんは「やさしいかた」という雰囲気がありますので、そこに上の話を挟んでおくとよいのではありませんかね。

あと、電信柱の迷子犬のポスターの件ですけれど。
ゴミ箱に捨てたとありましたが、近ごろはゴミ箱が見当たりませんので、このエピソードはそれなりのことにしておく必要があります。
捨てようと思ったが、ゴミ箱がないのでポスターを持って帰ったとか。コンビニで捨てたとか。
どちらにしろ、孫娘が「イラッツ」としたというような表現はちらりと描いておいたほうがよさそうですね。
そうすると、この孫娘はあの祖母の孫なんだと似たもの同士で将来が面白いとも思えるので。
アルバムを見て、祖母の若いころが孫娘(自分)に似ているというようなエピソードがありましたので。

以上です。

パイングミ
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夜の雨さま

お読みいただきありがとうございました。細かい部分までご指摘いただき、本当に嬉しいです。

■「ふうふ」は逆から読んでも「ふうふ」です
>男の描き方しだいで読み手に想像力をふくらまさせることができると思いますが。

これはもしかしたら、リアルではなくファンタジーみたいな設定で書いた方が良かったかもしれません。ラストからは毒でも成り立ちますが、通常通りの読み方だと病気がすぐ治る薬というのも厳密にはありませんからね。中世の王と王妃みたいな設定なら、「魔女が薬(毒)を渡す」ことも自然に見える気がします。

■is this your dog?

>まあ、相手の夫婦関係が壊れかかっていたというのが、「よけい」かもしれませんが。
>どちらにしてもこの祖母と祖父の結婚のエピソードはもう少し具体的に描いておくとよいと思いますが。

こちらですが、「関係は冷えきっているけれど、世間体もあって離婚はなかなか難しい」「でも時代的に、家のごたごたを(親族とは言え)世間に晒すのはちょっと…」といったイメージで描きました。なので、家庭の事情を知らなかった親族は略奪婚に激怒しているという感じです。ただ、たしかに祖母の生き方的にはもっと略奪感があっても良いかもしれませんね。ちょっとここは考えてみたいと思います。

>祖母がよそ様の犬を自分の犬にしていたという展開になりましたので~
>頻繁に散歩をしていてココの飼い主に見つかると具合が悪いので。

細かい部分まで考察して頂き、ありがとうございます。マロンとココは見た目はかなり似ているので、最悪バレてもなんとか言い逃れできるかも…と思い書きました。ちなみに祖母はちょっとだけ無理をすれば散歩はできます(スーパーにも行けますし、小型犬ですし)。

>警察官個人のエピソードを挟んでおくと、警察官も人間なんだということで、スーパーの代金をとりあえず立て替えてくれたのかも、とかの解釈もできます。

なるほど。たしかにそれは良いですね。他の方の返信にも書いたのですが、「万引き後の処理は警察を介してやりとりするケースもある」といった設定でしたが、夜の雨さんのアイデアならより警察官の人となりが分かりますね。

>ゴミ箱に捨てたとありましたが、近ごろはゴミ箱が見当たりませんので、

確かにゴミ箱はあまり見ないですね。ここもちょと直したいと思います。

改めて丁寧にご指摘いただき、ありがとうございます。全てに回答出来ていないのですが、ここに書いた以外の部分もしっかり噛みしめて糧にしたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

匿名希望者
nat-ftth1.kkm.ne.jp

拝読しました。
…が、申し訳ありません。
>>念のためにと、私はポスターに記載されていた電話番号をスマホに登録した。あくまで念のため。
までで、脱落しました。
私は読めない人なので気になさる必要はありませんが、アドバイスとしては次の動画を見ていただきたいと思います。

わかりにくい文章とは?【小説・ライトノベル創作テクニック】
わかつきひかるの小説道場
https://youtu.be/thS6drV4q8k?si=FskD_vnbNL8EofKT

頑張ってください。

パイングミ
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匿名希望者さま

感想ありがとうございました。また、最後までお読み頂けなくて残念です。添付して頂いたYouTubeを参照にもっと精進したいと思います。

次回作も投稿する予定なので、今後ともよろしくお願いします!

フェラメール
softbank060087114085.bbtec.net

一作目
ホラーを書いてる僕は、薬で殺すんだろうなと思いながら読んだので、意外性というのはなかったです。
二作目
夜の雨さんが褒めてるので良い作品だと思います。
が、
個人的には読みたいタイプの作品ではなかったです。
幽霊とか怪物とか殺人ロボットなんかが出ない作品は基本的に読まないのです。
この作品は全部読みましたが。

パイングミ
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フェラメールさま

お読みいただきありがとうございました。
二作品ともお口に合わなかったみたいで残念です。
楽しんで読んで頂けるよう精進したいと思います。

次はもう少しエンタメ寄りの作品を出す予定です。
幽霊とか怪物とか殺人ロボットは出ませんが、地蔵と鬼は出ます。
もしタイミングがあれば読んで頂けると幸いです。

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