私
私は、変わった子だった。
でも、本当に変わった子ではなかった。
自ら進んで成っていたのだ。
別に、楽しかったわけじゃない。
でも、そうすると
自分=変わった子。と言うアイデンティティを
それで掴んでいたんだと思う。
でも、只単に変なことをするだけじゃ、
成れなかった。
だから、幼稚園の頃覚えた周りの使い方
を駆使してちょうどいい変な人を造り上げた。
大変ではなかった。むしろ、周りをいいように使うのは今でも得意だ。
幼稚園の時も、自分を造っていた。
自分は無意識に憧れていた。でも自分がそれを
否定したかった。憧れた事実を受け入れたくなかった。
だから、その否定したかった人を
超えられるように、より先生、クラスメイトからの評価が良くなるようにオリジンを造り直した。
もっとも、模範的な幼稚園児は
外面など気にしなかっただろうが。
小学校一年生。
その時から周りとの同調でなく、どれだけ
周りとの逆をいけるかを気にした。
同性と違う防災頭巾の色。
当時周りには殆どいなかった珍しい色の
組み合わせのランドセル。
周りとは違う非凡な名前。だが、キラキラネームとは言われない、古風な、かっこいい名前。
間違った鉛筆の持ち方。
書き順の違う平仮名。
何故か片付かないお道具箱。
周りとの違い。その一つ一つに酷く陶酔した。
その瞬間、
自分のプライドと承認欲求の塊のような人生に生きることが決まってしまったようだった。
中学校。
自己紹介をした。
最初は普通に行こうと思い、普通に自己紹介を
した。
言い終わった。
後ろの方から、なまったるい、人を馬鹿にしたような笑い声が聞こえた。
理解ができなかった。
然し、
自分は「理解ができない。はい。おしまい」
そんなふうには終わらせなかった。
「そうか!薄々気付いていたが、コイツらは
馬鹿なんだ!」
そんな結論に至った。
間違っていたわけではなかった。
事実、このクラスの9割は馬鹿だった。
このクラスで何も学ぶことがなかった。
とはいわない。
何故なら、大事なことに気づいたから。
「馬鹿が得をする世界」
気付いてしまったよ。今まで自分が
報われなかった理由。
ははは!やっぱり善人は可哀想だ。
……
ここで一つ、自分が嫌いな人を話そうじゃないか。
それは「自分より特殊な状況にある人、
または悲劇のヒロイン(笑)な人だ。」
自分より特殊な状況にある人なんて
いない状況がないって?
そうだよ。
だからいつもこの世界への強い憎悪を抱いているんじゃないか。
悲劇のヒロイン(笑)は、よくいる人だよ。
「私、忘れ物とかなくしもの多いんだよねー」
「陰口言われる辛い、、、」
とか、事実であったとしても虫唾が走る。
どうしようもない憤りを感じる。
最近、自分より特殊な状況にある人が、
こんなことを呟いた。
「前衛的な人なんていっぱいいるんだ。
結局みんな何に関しても自分だけは特別、
例外だ。とか思ってるんだろうな。」
…それには、自分も当てはまってるんじゃないの?
気付いた瞬間、汗が吹き出た。
吐瀉物がもう喉まで迫り上がってきていた。
でも、もう大丈夫。
気付かされた相手が嫌いな相手だったのは
驚きだけど、それで自分で認められないで
反論するのは、普通の人だ。
でも自分はそれをも自分で乗り越えた。
ーやっぱり、自分は例外だから!
執筆の狙い
思いつきで書きました。
物語は初めて書きました。拙い文章ですが。
表現したいことは、自分が特別だということです。