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2020/09/24 18:39
匿名希望★(後継)

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匿名希望★(後継)
 2020/09/24 18:48

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どうなるのかな〜 なんか、怖い……ですね……

加茂ミイル
 2020/07/16 18:36

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御手洗の大学時代の友人に、ディテクティブ・フジオカなる人物がいた。
彼は警視庁の警部だったが、今回、彼が御手洗の捜査に協力する意向を見せ、訓練された警察犬を派遣してくれることになった。
警察犬は芝生の中で土がむき出しになっている場所で止まった。
「あそこに何かあるようだ」
フジオカが先にそこに走り、御手洗達もそれを追いかけた。
同行して来た4人の警察官たちがシャベルで穴を掘り始める。
30分後。
「警部。遺体らしきものが見つかりました」
フジオカは慣れたもので、動揺の片鱗すら見せず、穴の中を覗き込む。
御手洗と石岡も、フジオカの隣で掘り出される遺体を注視している。
「御手洗さん、ひょっとして、あれは、二宮君じゃないでしょうか? 僕は怖くてこれ以上見ていられそうにありません」
「これくらいのことでひるむようでは私の助手は無理だよ」
と御手洗からあしらわれて、石岡はもう逃げることが出来ないと覚悟を決めた。
穴の中から掘り出された人物を見て、石岡はもちろん、御手洗でさえも驚きの表情を浮かべた。
その遺体は、二宮少年のものではなく、数日前に元気な姿を二人に見せていた、あの依頼人のものだったからだ。
警官が駆け付けて来て、フジオカに何か報告している。
フジオカは聞き終わった後、御手洗のところまで来て、言った。
「この家の家政婦に事情聴取したところ、この依頼人には妹がいるらしい。で、その妹なんだが……」
フジオカは何かが奥歯に詰まったように、次の句を言いにくそうにしていた。

加茂ミイル
 2020/07/16 18:43

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「この辺では、夜の女王と呼ばれているらしい」
 とフジオカは言った。
「それはどういう意味だね?」
 御手洗が尋ねた。
「実は以前から公安がマークしていた人物なんだ」
 そのフジオカの一言で、御手洗と石岡の表情が変わった。
「こ、公安?」
 石岡は何か大きな事件に自分たちは巻き込まれつつあるのではないかと震えた。
「実は、十年前の、宗教団体ハーブによる政府要人を狙ったテロの黒幕と目されている人物だ」
「この依頼人の妹が?」
御手洗は興味深そうに指先で自分のとがった顎をつまんだ。
「御手洗さん、よしましょうよ。これは我々が扱える業務の範囲を超えていますよ」
「うるさい。嫌なら帰りなさい」
「御手洗さ〜ん」

匿名希望★(後継)
 2020/09/24 18:43

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訳あって、削除させていただきます。

加茂ミイル
 2020/07/16 22:25

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「あなたが、依頼人様の妹さんなのですね?」
 と御手洗が尋ねると、
「真理子です」
 と同じ言葉が繰り返された。
 その言い方に何かしら違和感を感じた御手洗が、
「カーテンごしにというのも何ですから、お顔を拝見してもよろしいでしょうか?」
と尋ねると、また、
「真理子です」
と同じ答えが。
御手洗と石岡は顔を見合わせた。
御手洗が一歩妹に近づき、
「あの、このお屋敷のお庭で事件が発生したことはご存じでしょうか?」
「真理子です」
御手洗はさらに一歩近づき、
「失礼なことをお尋ねするようですが、あなた、本当に依頼人様の妹さんなのでしょうか?」
「真理子です」
 御手洗は、カーテンに手を伸ばし、斜めにめくった。
 そこに現れたのは、首から上が金属で出来たサイボーグの顔だった。
 そのサイボーグは突然、カウントダウンを始めた。
「10……9……8……7……」
「石岡君、逃げるんだ!」
 御手洗と石岡は全速力でダッシュし、部屋から出て、廊下を走り、玄関から勢いよくジャンプして庭にダイブした。
 と同時に、ものすごい爆音が響き、依頼人の屋敷は粉々に吹き飛んだ。
 御手洗と石岡は、呆然とその光景を眺めていた。
 そこにフジオカが駆け寄る。
「二人とも、ケガはないか?」
「私は大丈夫だ、石岡君は?」
「僕も大丈夫です」
「消防車を呼べ!」
 とフジオカは部下たちに指示を出す。
 しばらくして、石岡があることに気づいた。
「そういえば、あの家政婦さんは無事でしょうか?」
 と、その時、上空から笑い声が聞こえて来る。
 見上げると、そこには気球に乗って空高く舞い上がって行くエプロン姿の家政婦の姿があった。
「あーっはっはっは!」
 とその小太りの中年女性は、御手洗たちを見下ろしながら、高笑いしていた。
 石岡は、あっ! と叫びながら、顔面蒼白になって、震える声で言った。
「御手洗さん……まさか……」
「君も気づいたようだね。あの女が怪人一面相だ」

加茂ミイル
 2020/07/16 22:27

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御手洗、石岡、フジオカの3人は、プレハブ小屋へと向かって歩いた。
プレハブ小屋は母屋から離れており、爆発に巻き込まれずに済んだ。
中には前来た時と同じ、たくさんのフィギュアが飾られてある。
そして、その中央部。
その位置にあるはずのチェリーボーイの像がなくなっていることに気づいて、石岡はがっくりとその場に跪いた。
「畜生。今回は僕たちの負けか……悔しい!」
と拳で床を叩いた。
すると、
「くっくっく」
と御手洗が笑いをもらす。
驚いて、石岡は御手洗の顔を見上げる。
御手洗はさらに上機嫌になり、
「はっはっはっは」
と腹を抱えて笑い出す。
「御手洗さん、何笑ってるんですか。全然楽しくないですよ。僕たちは怪人1面相にしてやられたんですよ。それをどうして……はっ、まさか、あなた、怪人1面相じゃあるまいな」
「私が? 何バカなことを」
「じゃあどうして笑ってるんですか」
「あそこにあるフィギュア、ここに運んで来て」
御手洗の指さす方を、石岡は見た。
「あの、窓際にあるやつですか? あの髪の長い、おっぱいの大きい女性の」
「そうだよ、早く」
急かされて、石岡は言われた通りにそのフィギュアを運んで御手洗の前に置いた。
「これが、どうかしたんですか?」
御手洗は、ゆっくりと手をそのフィギュアの髪に近づけ、そして、ばっと振り下ろすと、その手にはかつらを握っていた。
「あっ、かつらだったのか。じゃあ、もしかして、これも」
と石岡は両の手でおっぱいを掴み、ぐいっと引っ張ると、シリコンのカップが取れた。
そして、目の前には、あの、数日前に見たのと同じ、りりしい姿のチェリーボーイ像が現れたのだった。
「じゃあ、怪人一面相が盗んだのは」
「そうさ、偽物さ」
「御手洗さん、やりますね!」
「何、これくらい、大したことないよ」

加茂ミイル
 2020/07/16 22:33

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「フジオカさん、あなたのご協力があったおかげで、怪人一面相に勝利することが出来ました」
御手洗が感謝の想いを述べると、フジオカは、
「何、私の力など微々たる物です。全て御手洗さんの天才的な推理力の為せる業です」
「いやいや、そんな」
「ところで、お二人とも、ここに来る時、手の消毒はされましたかな?」
「あ、そういえば、忘れていました。フジオカさんは偉いですね、こんな場所でもきちんとフェイスシールドをされていて」
「今からでも遅くない。さ、両手を出してください。私がエタノール消毒液をスプレーしてさしあげます」
フジオカはバッグの中からスプレーを取り出した。
御手洗と石岡は、両手をフジオカに向かって差し出した。
と、その時だった。
フジオカは、スプレーを二人の手ではなく、顔に向けて噴射したのだった。緑色の煙が巻き起こる。
「うわっ、何を!」
二人は抵抗する間もなく、激しい眠気に襲われ、その場に倒れこんでしまった。
「こういう時のために、フェイスシールドはしておくべきなのだよ」
と、フジオカは既に深い眠りに落ちている二人に向かって忠告をした。
「さて、と……」
フジオカはチェリーボーイ像の方に向き直ると、感極まったようなまなざしで、その像をしばしの間、じっと見つめていた。
窓からはセンチメンタルな夕陽が差し込んで来る。
十分に感慨にふけ終わったところで、フジオカは、
「よっこらしょ」
と掛け声を出しながら、肩にかつぎ、プレハブの裏口の扉を開けた。
左右に誰もいないのを確認すると、茂みの中に入り、姿勢を低くして、道を進んだ。
県道に出ると、一台の黒い車が道の脇に停められていた。
フジオカはそのトランクにチェリーボーイを隠し入れ、自らは運転席に乗り込み、エンジンをかけ、車を発進させた。

匿名希望★(後継)
 2020/09/24 19:10

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寝てたら……投稿されている……!!

匿名希望★(後継)
 2020/09/24 18:44

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訳あって、削除させていただきます。

匿名希望★(後継)
 2020/09/24 18:44

気が向けば投稿するスレッド(復活)
訳あって、削除させていただきます。

加茂ミイル
 2020/07/17 22:14

気が向けば投稿するスレッド(復活)
横浜港の倉庫内で、ロープでぐるぐる巻きにされ、口をガムテープで塞がれたフジオカが発見されたのは、それから2日後のことだった。
「不覚をとった。怪人1面相を逃したのは俺の責任だ」
フジオカは目に涙を浮かべていた。
「じゃあ、やはりあのフジオカさんは偽物だったわけですね」
と石岡。
「まさかこの俺にまで変装するとはな。それから、鎌倉材木座の砂浜に、穴の開いた気球が墜落しているのが発見された。それと一緒に、家政婦のマネキンも。スピーカーからはひっきりなしに笑い声がリピートされているのが聞こえていたそうだ」
とフジオカ。
「あの家政婦まで偽物だったとは一本取られましたね。1面相はそれで僕らの気を引き付けて置いて、その間にフジオカさんに変装していたんだ」
と石岡。
「おかしいと思いましたよ。フジオカさん、最初はフェイスシールドつけてなかったのに、いつの間にか装着していて、しかも急に潔癖症みたいになって、消毒に熱心になっているんだから」
と御手洗。
「それで、お詫びと言ってなんだが、これは警視庁内部の極秘情報なんだが、あなたたちだけに特別に資料をお見せしようと思う」
とフジオカ。
御手洗と石岡は、突然の棚からぼたもちに興奮した。

「これは、10年前、ハーブ教団の施設をガサ入れした時に押収した資料だ」
とフジオカは、段ボールをテーブルの上にどかっと置いた。
「その中でも特に興味深いのがこれだ」
と言って、彼は、一枚のパピルス紙を取り出して見せた。
そこには、様々な象形文字が羅列されていたが、その下に、その日本語訳が併記されていた。
それにはこう書かれてあった。
「チェリーボーイを手に入れた者が、この世界の支配者となる」
「チェリーボーイ……これは、10年前の資料なんですよね。その時から既にチェリーボーイを狙っている人間たちがいたということか」
と御手洗。

加茂ミイル
 2020/07/17 19:27

気が向けば投稿するスレッド(復活)
「それから、もう一枚、これを」
と言ってフジオカはパピルス紙を見せた。
それには、依頼人のプレハブで見たのとそっくりそのままのチェリーボーイ像の設計図が描かれていた。
御手洗が気になったのは、その胸の部分だった。
「ちょうど心臓の部分に、uraniumと書かれていますが、これは?」
と御手洗がパピルス紙のその部分を指さしてフジオカに尋ねた。
「ウラニウム。つまり、核兵器の原料だね」
とフジオカ。
「これは、どういうことで?」
と御手洗は眉をひそめる。
「これは、トップシークレットなので、本来、門外不出なのだが、私はあなたを信頼しているし、あなたがこの問題を解決に導ける唯一の人間と思っているから、あなたにだけは教えるのだが……チェリーボーイ像は、マネキン型核兵器なのです」
「えっ!」
石岡はびっくりして叫んだ。
「そんなものが怪人1面相に盗み出されてしまったというのですか?」
石岡はうろたえている。
「それから、あのプレハブにあった30体ほどの裸体のマネキン。あれも、開発中の新型兵器の可能性があり、現在押収して、解析している最中です」
とフジオカ。
「怪人1面相はその核兵器を一体どこで使うつもりなんだ。あるいはあくまでもそれを外交カードとして使うつもりでいるのか」
と御手洗。

加茂ミイル
 2020/07/18 00:56

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一方、依頼人の住居跡。
黒焦げになった芝生の庭に、一台のポルシェが停まった。
運転席から、I (ハート) LONDONとプリントされたTシャツを着た、少女が降りた。
マッシュウルフカットの髪、きわどい丈のミニスカート。
すらりとした長い脚。
彼女は、つかつかと芝生を歩き、かつて依頼人の屋敷があった場所が今は瓦礫の山になっているのを眺めている。
彼女はサングラスを取り、目を細めた。
「真理子お嬢様」
と、木陰から声がした。髪の毛が爆発し、顔中煤だらけになっている小太りの家政婦がよろよろと少女に近寄って来た。
「城之内ではないか。久しぶりじゃのう。どうしたのじゃ、その恰好は?」
「私も何が何だか……。真理子お嬢様からEメールで指示された通りに、探偵を真理子様のお部屋に案内し、言われた通り真理子様がいるということにして、それから台所で夕飯の支度にとりかかろうとしたら、突然大きな音がして……そこから先の記憶は途切れております」
「それは難儀であったな」

加茂ミイル
 2020/07/17 19:57

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「ところで、お嬢様。執事の北条が、お嬢様と来月、東京駅で待ち合わせをしていると申しておりましたが。こんなに早くお帰りになられるのであれば、一言、この城之内か北条に連絡を入れてくださればよかったのに」
「すまぬの。じゃが、気遣いは不要じゃ。わらわはこのたび、急用が出来たゆえ、プライベートジェットで戻って来たのじゃ」
「そうでございましたか」
「北条も元気か」
「北条も今年で75になります。50年間勤めたこのお屋敷がこのような姿になって、ずいぶんと気落ちしたようでございます」
「今、どこに?」
「逗子の自宅で療養中でございます」
「容態の方はどうじゃ」
「食欲はあるみたいですし、心配するほどのことはないようですが、お屋敷を守り切れなかったことに責任を感じて、お嬢様に会わせる顔がないと嘆いておりました」
「そうか。北条らしいな」
「ところで、お嬢様。近頃、御手洗という探偵がこの周辺を嗅ぎまわっているようでございます」
「御手洗……どんなやつだ」
「何と言いますが、顔や風体が太宰治にとてもよく似ているんでございますのよ」
「ほう。それは、ちょっと気になるな」
「それから、お嬢様、プレハブのマネキンたちが警察に押収されてしまいました」
城之内は視線を足元に落として言った。
「そうらしいな」
真理子は、少し考え込んでから、ポルシェに戻り、運転席に乗りこんだ。
「御手洗……少しはこのわらわを楽しませてくれそうじゃ」
彼女が運転するポルシェは、正門を過ぎて、小動物たちの王国となっているうす暗い林道をまっすぐに走って行った。

加茂ミイル
 2020/09/22 11:53

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フジオカは一枚の写真を見せながら言った。
「平真理子。坂東で最後まで源氏の勢力に対抗した平家の末裔と言われている」
御手洗と石岡は、目を丸くしてその写真を見つめた。
「この少女が、夜の女王……ハーブ教団の教祖なのか」
御手洗はまるでその写真の女性に魅了されるかのようだった。
「まるでアイドルみたいに可愛いじゃありませんか」
と石岡は目を輝かせながら言った。
「人を見かけで判断してはいけない」
とフジオカ。
「10年前のテロ事件では、東京、大阪、札幌、仙台、名古屋、広島、福岡の7都市で、ハーブ信者たちが一斉蜂起して、政府関連の施設を爆破させた。犠牲者は巻き添えをくらった市民も含めて、一万人を超えた」
とフジオカは暗い声で言った。
「それは、この真理子という少女が指示した作戦によるものなのですか?」
と御手洗。
「決定的な証拠は最後まで上がらなかった。だが、全ての状況が、彼女をクロと示唆している」
と悔しそうなフジオカ。
「僕も当時ニュースで見てましたよ。あれだけ状況証拠が揃っていて、真犯人を逮捕出来ないというのは……まるで、教祖の身代わりのように、下っ端の信者ばかり検挙されてましたよね。その時は、さすがに教団の教祖がそんな少女だったとは……ちょっと待ってください、10年前というと、その頃、真理子は何歳だったんですか?」
と石岡。
「おそらく、5歳の子供だった」
とフジオカ。
「5歳の子供にそんなテロを指示することが出来るんでしょうか?」
と石岡。
「彼女のIQは一説には350と言われている。5歳の子供でも、大人以上の犯罪を計画することは可能だ」
「ひゃあ……」
石岡は背筋の凍る思いがした。
「それから、もう一つ問題がある。それは、当時の警察庁長官と真理子の関係だ」
「何ですか、それは?」
「当時の警察庁長官は、真理子に骨抜きにされていたみたいなんだ」
「何ですって?」
「しかも、マインドコントロールを用いて。つまり、真理子には、人の心を操る危険な能力がある。それは科学では説明できない次元の力だ」
「そ、それて、つまり……」
「そう。魔力と呼ばれるものだ」

加茂ミイル
 2020/07/18 00:43

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「魔力? そんなものを私は信じませんよ」
と御手洗は嘲って言った。
「もちろん、私だって、最初はそんな話信じられなかった。だが、真理子という人物について調べれば調べるほど、科学の常識では説明できないことが次から次へと明らかになって来たんだ」
とフジオカ。
「魔力ですか……さすがに、僕もそれはちょっと信じられないなあ」
と石岡。
その時だった。
3人のいる部屋がガタガタと揺れ出し、しまいには立っていられないほどの大きな揺れになった。
それから、本棚が倒れ、窓にひびが入り、床に散らばった本たちが宙に浮いて、ぐるぐると飛び回り始めた。
大きな本棚が、床を擦りながら、部屋の端から端に移動する。
「何だ、これは!」
魔力を信じないと言った矢先にこのような超常現象を目の当たりにした御手洗は、悲鳴を上げた。
「テーブルの下に隠れて!」
フジオカの指示に従って、御手洗と石岡はテーブルの下に隠れた。
騒動は5分の間続いたが、3人はその間、生きた心地もしなかった。
やがて、ぴたっと騒ぎが収まり、3人はテーブルの下から這いずって出て来た。
「どうやら、真理子はこの近くにいるようだ」
とフジオカ。
「何だって?」
御手洗と石岡は怯えた。
「これほどまでの力を及ぼせるのは、真理子が半径100メートル以内にいる時だ」
とフジオカ。
「このオフィス街のどこかに真理子はいて、こちらを監視している、そういうことですか?」
と御手洗。
「御手洗さん、石岡さん、あんたがたはもうこれ以上、この件に関わらない方がいいと思う」
御手洗と石岡は、進退に窮していた。

加茂ミイル
 2020/07/17 22:43

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一時間後、御手洗と石岡は床に手をついて、フジオカに土下座してあることを頼み込んでいた。
「そうですか、どうしてもと言うなら……」
フジオカは二人からの懇願を断り切れず、ある人へ電話をかけた。
「はい。探偵事務所の方たちです。ええ。決意は固いようです……お師匠次第です……そうですか……はい、分かりました」
フジオカは電話を切った。
「待っているそうです。本当に行きますか?」
御手洗と石岡はうなずいた。

3人がたどり着いたのは、山奥のあばら屋だった。
周囲には枯れ葉がうず高く積もっている。
あばら屋の扉をフジオカがノックする。
「入り給え」
という声がして、フジオカは扉を開けた。
中には白いひげをたくわえた老人がいた。
彼は手に杖を持っていた。
「お久しぶりです。お師匠」
とフジオカは頭を下げた。
老人は、杖をくるりと回した。
すると、御手洗の体が宙にふわりと浮いた。
それから地面に下ろされた。
石岡はそれを見て、信じられないといった顔をしている。
「あなたたちが私に弟子入りしたいという変わり者かな?」
と仙人が尋ねると、
「はい。真理子に対抗するためには、私たちも強い魔力を身につけなければならないのです」
と御手洗。
「よかろう。しかし、スキル……わしらは、特別な力のことをスキルと呼んでいるのだが、それを手に入れるのは決して楽じゃないぞ」
「覚悟はしています」
「いい目をしている。よかろう、弟子入りを許す」

加茂ミイル
 2020/07/17 22:55

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「違う、もっと集中して!」
 フジオカがコーチの役割を担って、二人のトレーニングを指導している。
 仙人は大きな岩の上に座って、その様子を見下ろしている。
「御手洗さん! オーラが弱い! もっと、一点に意識を集めるんだ」
 御手洗は、体中の体温を、指先の一点に流入させ、そこにパワーを集め、増幅させる訓練をしているが、なかなかうまく行かない。
 石岡もその隣で同じことをしているが、やはり集中力が乱れる。
「もう駄目だ!」
 と御手洗は弱音を吐いて、疲労のあまり地面にうつぶせに倒れた。
 その時、御手洗の体から、青白いオーラがしゅうっと蒸気のように体から放出されて空気中に分散した。
「ふぉふぉふぉ。一日目にしてはなかなかの出来栄えじゃぞ。隣の石岡とやらは、もう少し努力が必要じゃな」
と仙人からのアドバイス。
石岡は少ししょげている。
仙人は岩からふわっと浮き上がり、そのまますうっとあばら家の中に滑り込んで行った。
「さあ、二人とも、夕食にしよう。君たちはよくやってる方だ」
とフジオカ。
「俺たち、強くなれるのかなあ」
と御手洗。
「自分のスキルを信じろ。スキルは君たちを裏切らない」
とフジオカ。
日は沈み、あばら家の中に白熱灯の明かりがともった。
弱弱しい灯りの中で、4人は簡単な雑炊を食べて、一日の終わりを迎えた。

真理子の心のビジョンに、その4人の共同生活の映像が浮かんだ。
「ふふふ。面白い。この私に立ち向かえる戦士たちがまだこの地球に生き残っていたとは。楽しみだわ。胸が高揚するわ。まるで、初めて恋をした時のように。御手洗……彼の瞳の奥に強大なオーラを感じる……彼をうまく利用すれば、この宇宙を征服できるかもしれない」

加茂ミイル
 2020/07/18 13:05

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修行開始から一年後。
御手洗は仙人が乗っている大きな岩に両手を広げて向けた。
「スキルよ。我に力を与えたまえ」
すると、ゴゴゴと音が響き、その全長10メートルはある岩が1メートルほど垂直に浮き上がった。
石岡もほんの少しではあったが、御手洗と同じようにスキルでその岩を数センチ浮き上がらせた。
「これでわしがそなたたちに教えるべきことは全て教えた」
と仙人。
「本当にありがとうございました」
御手洗はふわっと宙に浮いた。石岡もそれに続く。
「真理子を甘く見ないようにな。彼女には第二形態、第三形態がある」
とフジオカのアドバイス。
御手洗と石岡は、光速で空の彼方へと飛行した。

宇宙空間。
真理子が真空に浮かんでいた。
そこに、御手洗と石岡が到着し、真理子と向かい合った。
「この私に勝てると思ってるの?」
「やってみなきゃわからない」
と御手洗が先手を打つ。
真理子は、御手洗のチョップをかわし、一回転した勢いで、ドロップキック。
御手洗はそれをかわせず、腕を負傷。
石岡が後ろから援護。しかし、真理子に見切られ、腕をつかまれてぐるぐる回されて、そばを通りかかった小惑星にぶつけられた。
苦戦しているところに、仙人の声が聞こえて来る。
「意識を一点に集中するのだ。スキルの力を信じろ」

匿名希望★(後継)
 2020/09/24 18:57

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よく分からんけど、凄い

加茂ミイル
 2020/07/18 16:07

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御手洗と石岡は言われた通りに、心を静かにし、意識を集中した。
スキルのパワーが増幅する。
真理子が油断したその隙に、スキルを一気に放出。
光線が真理子を直撃し、その体が蒸発した、と思いきや、第二形態に変身。
どろどろした泥の塊のような巨大な化け物に変形した真理子。
枝をつなぎ合わせたような長い腕を伸ばし御手洗を掴もうとする。
そこに、もはや10代の少女の面影はなかった。
しかし、その化け物とも何とか互角に渡り合い、かろうじて勝利を収めた御手洗組。
そして、真理子は最終形態へ。
それは、あのチェリーボーイの姿だった。
「お、おまえがチェリーボーイだったのか」
と御手洗。
「ふっふっふ」
真理子の指先からビームが放たれる。
御手洗は肩を負傷。
さらに御手洗の心臓めがけて、第二の攻撃。
もはやこれまでかと諦めた瞬間、石岡が御手洗の前に立ちふさがり、胸を貫かれる。
「石岡!」
駆け寄って、石岡の体を受け止める御手洗。
「御手洗さん……地球を救ってください」
と最後の言葉を残して、目を閉じる石岡。
「石岡ーっ!」
御手洗のスキルが解放された。
御手洗の体が光り輝くオーラに包まれる。
「な、何だ、あれは」
驚く真理子。
御手洗の手から放たれた青白い光が真理子の体を飲み込む。
真理子はその光の中で溶け、そして浄化された。
御手洗は全ての力を出し切って、気を失った。

平和な地球。
騒々しい日常の中で、人々は仕事や遊びに夢中になっていた。
しかし、大気圏のはるか向こう側で、この日常を守るために、御手洗と石岡の活躍があったことを、彼らは知らない。

END

匿名希望★(後継)
 2020/09/24 18:52

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お疲れ様……でした!!

パスタ
 2020/09/22 09:58

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削除〜

パスタ
 2020/09/22 09:59

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削除〜

パスタ
 2020/09/22 09:59

気が向けば投稿するスレッド(復活)
削除〜

パスタ
 2020/09/22 10:00

気が向けば投稿するスレッド(復活)
削除〜

パスタ
 2020/09/24 19:03

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削除!

加茂ミイル
 2020/10/06 19:58

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もう少しうまくなってからじゃないと人に読ませる気になれない

加茂ミイル
 2020/10/06 19:58

気が向けば投稿するスレッド(復活)
まだ人に読ませられる段階じゃない

加茂ミイル
 2020/10/06 19:57

気が向けば投稿するスレッド(復活)
もっと自信ついてから公表することにした

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作家でごはん!