作家でごはん!鍛練場
ちゃんまる

屋上

俺は文化祭の準備をサボり、屋上でただひたすら雲を眺める。

こんな暑い日に、グラウンドでテントの設営とかやってられっかよ。

ダン、という金属音が空に響く。

間違いない。バレた。

「おーい。またサボってるの?」

ゆずだ。

今年、同じクラスになってから話すようになった。不思議なヤツで、いつも飄々としている。

「そんなとこで寝てたら、人肉バーベキューになっちゃうよ」
「ならねぇよ。こっちの方が風が来て涼しいんだわ」
「ふーん」

雲が流れる。

メガホンの起動音が、頭の上から聞こえてきた。

「えー、二年三組、二年三組の高崎氏。現在職務放棄し、屋上にて休憩中」

「ちょ、マジでやめろ! バレるって」

後ろを振り返る。

彼女が笑っていた。

肩にも届かない髪が、風に揺れている。

「俺は休むったら休むんだよ」

ガ、ザザッ。

メガホンがノイズを吐く。

「……すき」

……。

……え?

「……暑すぎ」

なんだ。

「……別に、メガホンで言うことじゃないだろ」

「はい、サイダー。ここ置いとくね」

もう一度振り返ったときには、彼女の後ろ姿は半分、屋上のドアに隠れていた。

床には、サイダーとメガホン。

なんとなく、サイダーを飲む。

美味しい。

そして俺はメガホンを拾った。

空に向かって、誰かさんみたいに小声で呟く。

「……あー、あー。マイクテスト。マイクテスト」

返事はない。

雲だけが、ゆっくりと流れていく。

「これが恋ですか?」

屋上

執筆の狙い

作者 ちゃんまる
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daoko(現Daoko氏)の”真夏のサイダー”という曲にインスパイアされて、浮かんだ情景をそのまま掌編の小説にしました。

コメント

偏差値45
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基本的に会話だけのワンシーン。
どこが面白いのか、分かりませんでした。
もう少しストーリーを考えてもいい気がしますね。

通りすがり
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だらだら説明もなく、起きてることを書いたのは評価できるんではないでしょうか。

夜の雨
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ちゃんまるさん「屋上」読みました。

daoko(現Daoko氏)の”真夏のサイダー”もYou Tubeで視聴しました。
初めて聴く歌でしたが、キャッチ―でよかった。
daokoさんの作った声質と動画の歩きながらビルやら空に雲やらが描かれているのとが合っていました。

で、御作ですが。
歌の歌詞よりもまだ短い掌編で、「えっ!?」という感じ。

しかし、雰囲気は描かれていました。

真夏の文化祭のテントやらの設定がグランドで進行中。
そりゃ、暑いしで、やる気をなくしますよね。
で、屋上でさぼっている「俺」

>ダン、という金属音が空に響く。

>間違いない。バレた。

>>「おーい。またサボってるの?」<<

〇 ゆずだ。

というような流れで、このシチュエーションはコメディのノリ。
青春ど真ん中の友情ではなくって、恋する夏の日。の、始まり。

>「俺は休むったら休むんだよ」

>ガ、ザザッ。

>メガホンがノイズを吐く。

>「……すき」


この流れはよいですね。

きたきた、きたよ~~、と、思いました(笑)。

>>「……暑すぎ」

には、こけましたが(良い意味で)。

サイダーも出て来るし。

彼女こと「ゆず」と主人公の「俺」との恋の行方は……。
こうご期待、と言ったところです。

ドラマになっていました。


それでは、創作を楽しんでください。

ちゃんまる
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偏差値45様

読んでいただきありがとうございます。

場面をなるべくリアルに、生き生きと描写できるようになりたいと思い、本作ではこのシーンに絞って書いてみました。が、ご指摘の通り、ストーリー等はほとんどなくなってしまいました。

展開という展開もほとんど描けないくらい短いので、面白くなかったかもしれません。

いずれまた、別の機会でご評価していただけることを期待しております。

ちゃんまる
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通りすがり様

ご感想、誠にありがとうございます。

>だらだら説明もなく、起きていることを書いたのは評価できるんではないでしょうか。

いつも物語の辻褄を合わせるために、余計な説明が多くなってしまう悪い癖があったので、今回は余計な説明をなるべく省いて、一場面のシーンに焦点を絞って書いてみました。

そのように評価していただけて、とても嬉しく思います。

ありがとうございます。

ちゃんまる
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夜の雨さま

「屋上」を読んでいただき、ありがとうございます!

そして「真夏のサイダー」まで聴いてくださったとは……!
曲の雰囲気と作品を重ねて読んでいただけたことが、すごく嬉しかったです。

「歌の歌詞よりもまだ短い掌編で、『えっ!?』という感じ」というところには、思わず笑ってしまいました(笑)。

実は「真夏のサイダー」の歌詞全体ではなく、その一節にある「メガホン片手に小声で愛を叫ぶ」というフレーズから妄想を膨らませて、この掌編を書きました。

なので、とても短いです!
……言い訳にしかなりませんが(笑)。

今回は、とにかく「真夏の屋上で始まる恋の一瞬」を短く切り取ってみようと思って書いたので、そこから雰囲気やドラマを感じ取っていただけたことが、とても嬉しいです。

特に「きたきた、きたよ~~」と思っていただけたのは嬉しいですね(笑)。
そこからの「……暑すぎ」でこけていただけたのも、狙い通り……と言っていいのか分かりませんが、楽しんでいただけたようで何よりです。

ゆずと「俺」の恋がこの先どうなるのかは……いつか続きを書くかもしれませんし、書かないかもしれません(笑)。

素敵な感想をありがとうございました!
これからも楽しみながら創作していきます。

えんがわ
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清涼感ありますね。
べたべたしてない、すっきりした文章というか。

こういう雰囲気、好きですよ。

これはこれで良いんですが。

このタッチでの、もう少し長いのも読んでみたいですね。

ちゃんまる
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えんがわ様

続きまで読んでいただき、ありがとうございます!

「清涼感」「べたべたしてない、すっきりした文章」と感じていただけたのは嬉しいです。
自分でもそういう空気感を意識していたので、伝わっていてよかったです。

「このタッチで、もう少し長いものも」とのお言葉も、次を書く励みになりました。

素敵な感想をありがとうございました!

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