秋田寒男の「秘密」
「私、気付いちゃったの。あなたの秘密に……」
そう、ユミが言うと秋田寒男は股間にテントを張って言った。
「なんのことだい?僕は隠し事をしない主義だし暴露されて困る秘密も持ち合わせていないよ?」
秋田寒男は股間にテントを張ったのを、隠し切れると思ったのか、顔は平常心を装っている。しかし、股間はあらわに勃起しているのが分かるほどに見事なテントを張っていた。その形から、きっとモンベルのテントだろうと思われた。
「あなたって本当にウスノロで鈍い男ね。フフフ。私はすぐにあなたの隠された秘密も隠していると自分で錯覚している秘密もすぐに暴いたわ。私って産婆術を使ってドクサを破壊するソクラテスの精神を持っているからね。エヘヘ」
二人はじっと睨みあっている。正確に言うと、この二人の精神の戦いが火蓋を切ろうと、そのような瞬間に立ち会ったような面持ちで他者は見るだろう。すなわち、侮辱する精神と尊敬の精神、矛盾した精神を持ち合わせて殺し合いに臨む命のやりとりがそこで垣間見えた。
「私ね、あなたに惚れているのよ?」唐突に先制の攻撃をしたのはユミの方だった。
秋田寒男、通称、早漏持続勃起障害者は言った。
「僕はずっと恋い慕う女性がいるから、その期待には答えられないよ」とまたしても平常心を装って言った。
「あなた、さっきから股間を大きくして、ずいぶん説得力にかける言葉ね。私に欲情してるんじゃなくって?」
そうユミが言い返すと秋田寒男はなぜだか全裸になりたい気持ちになった。そして全裸になったのだ。その早脱ぎスキルはまるで銭湯が好きで週五が通っている潔癖症のオジサンのような早脱ぎだった。秋田寒男はパッと脱ぎ終わるとユミにあらわになった
ペニスを見せつけた。
「これが僕の君に対する気持ちさ。分かってくれたかね?」
全裸の人間ではない声調で言った。まるで、それは全裸で生活している貴族の部族がもし仮に存在すれば、全人類は秋田寒男を貴族として全裸で生活せざるを得ない特殊な人種がいる事を刮目して認めてしまう。そして、彼を崇めただろう。
「あなたはいつもそうね……」とユミが言ったのだが、この声はかすかに聞こえる声だった。ユミはこの場面をまるで何回も見ているような感じだった。そうユミはタイムリープして何回も秋田寒男に告白している女性だったのだ。
「私はね、あなたの心の攻略方法が分からない……まるであなたはお風呂のなかで浮かんでいるゴミだよ」とつい本音をユミは言った。その表情が悲しみに満ちていた。
秋田寒男はユミの表情を察してか、優しく言った。
「僕もねタイムリープしているんだよ、何回も何回も何回もね。でも、君に振られた男でなければならないんだ。君は僕と一緒にいると不幸になってしまうから」
秋田寒男、通称、全裸タイムリープ男は言った。この事を知ったユミは、愕然とした。私以外にもタイムリープできる能力者がいるなんてと思ったのだ。人間のレーゾン・デートルに反する存在。
アンチ・レーゾン・デートルは秋田寒男とユミ。この異常な経験を体験する事になった存在者はある秘密も知らなければならない。
そう、自分の最後の運命に。
勿論、両者ともその事は知っていた。だが二人は何度でも惹かれ合うのだ。海辺の砂浜が何度も波にさらわれるように。太陽と月が一緒に輝かないように。絶対的に必然な理由があって二人は抱き合う事は決してないのだ。だから、秋田寒男は服を着るのをやめた。
執筆の狙い
パソコンのファイルにあった昔書いた小説?を見つけたので投稿しました。
気分で思いつくままに書きました。
表現したいものは、悲しさ・・・。
挑戦は・・・悲しさの中にある笑い。