月と星の光
こんな恋叶うはずない。ずっとそう思っていた。
私は塾が同じの月島くんの事が好きだ。塾には週2で連続。喋ることもないし、学校も違う。こっちのことなんて気にかけていないと思う。
知的で人懐っこいし、たまに見せる笑顔がとても眩しい。そんな彼が可愛くてつい目で追っている。
こんな恋叶うわけない。私は今中3になったばかり。今は5月。追い続けられるのも後1年か…そう思っていた。
指定されていた席が1ヶ月間月島くんの隣になった。どうせ私は何もできない。隣の席になったところで状況何も変わらない。
「葉山さん」
急に名前を呼ばれたかと思ったら月島くんだった。
「シャーペンの芯無くなっちゃった。持ってる?」
「えっあ…シャーペンの芯?持ってるよ。ちょっと待ってね」
こんな少しの会話でも会話できた事が嬉しかった。
「はい」
「ありがとう!葉山さんってどこの学校なの?」
向こうから話しを広げてくれるなんて思っていなかった。
「え、学校?第一中学校だよ」
「へー!僕は第三中!意外と近いね!」
本当に近かった。校区がほぼ隣。
「うん…近いね。」
キーンコーンカーンコーン
「チャイムなっちゃったね。もうちょっと喋りたかったな。」
え?今もうちょっと喋りたいって言った?いや流石に気のせい?ドキドキしてたせいか授業に集中できなかった。
「問2の答えを葉山さん!」
「あっはい!問2…問2…」
「815.24だよ」
小さな声で月島くんが教えてくれた。
「815.24です」
「正解です。次の問3を…」
先生は次の人を当てようとしている。
小さな声で私は話す。
「月島くん。教えてくれてありがとう」
「全然いいよ。でも珍しいね。いつも先生の話聞いてるのに」
月島くんのせいだよ!
「ちょっと今日考え事してた…かも…」
「ふふっ何それ」
その笑い方ずるいよ!
キーンコーンカーンコーン
「葉山さんって多分だけど僕と帰り道方向一緒だよね。」
「え?」
急にそんなこと言われると思っていなかったからちゃんとした返事を返せなかった。
「いや、その、第一中だったら方向こっちかなって。」
「そうだよ。こっちだよ」
「一緒に帰らない?」
まさかのことすぎて何も言えなかった。
「………」
「嫌なら全然いいよ?バイバイ」
「嫌じゃない!一緒に…帰りたい!」
「じゃあ一緒に帰ろっか!」
満面の笑みでそう言った。すごく嬉しかった。そして可愛い。
「葉山さんの事なんて呼べばいい?」
「えっ、呼び方…?」
「だってせっかく仲良くなったんだし、さん付け外したいなって思って」
「別にそのままでもいいよ!さん付け外したかったら星華って呼んでほしいな」
「分かった!じゃあ星華も光瑠って呼んでほしい」
名前で呼ばれる事がこんなにも嬉しいと感じたことはないくらいに嬉しかった。
「光瑠…くん」
「お互い名前同士で呼び合うのって仲が深まった感じするね」
月島くんの名前呼びが何だか新鮮だった。
「僕道こっちなんだよね。また明日ね星華」
「またね光瑠くん」
その日の夜私はなかなか眠れなかった。当たり前のようにまた明日と言ってくれた。笑顔が忘れられない。
次の日に塾に着いたらすぐに挨拶してくれた。
「やっほー!おはよ。星華。いや時間的にこんにちはかな?」
「こんにちはかもね。」
こうやって楽しい日々が続いていく。学校ではどんなことをしているか。好きなものについて。
大体こんなことについて話していた。
でも今日は違った。
「星華って好きな人いるの?」
「え…」
本人の前で言えるわけがない。
「いないよ」
「そっか…」
どうしてそんなことを私に聞くのか分からなかった。
「何で?」
「べーつに。いた方が楽しくない?」
「片思いで叶わないって思ってたら虚しいよ」
実際の私の今の気持ちだった。
「でも僕は片思いでもその人と過ごすことが楽しいから」
学校の人だろうな。結ばれなくても応援はできる。
「その人の特徴は何?」
特徴から聞いてみて何らかのアドバイスをしてみたい。
「えー。特徴?優しい、喋ってて楽しい、でもちょっと鈍感でそんなところが可愛い!」
考えて考えた結果…
「喋ってて楽しいならたくさん喋ったらいいんじゃないかな」
こんなアドバイスしかできない。
「そうしてみるね」
光瑠くんの恋応援してるよ。
「その…来週の授業終わり教室に残っててくれない?」
どうして?なんで残るの?何も分からなかった。
「明日じゃなくて?」
「……うん」
「分かった!」
明日じゃなくて来週なんだ。何するんだろう。
考えていたらあっという間に1 週間が経った。
「今日の授業終わりで合ってる?」
「うん。合ってるよ」
笑顔で答えてくれた。授業だってすぐに終わった。叶わない恋なのに。片思いでも楽しいってこう言うことなんだよね。
教室で2人きりになった。
「僕の好きな人って誰だと思う?」
「え?急に聞かれても…」
分かるわけがなかった。
「本当に分かんないの?」
「そもそも私その人知らないし…」
「ちょっとどころじゃないくらいに鈍感だね」
どう言うことか分からなかった。
「どういうこと?」
「どういうことじゃないよ!僕が好きなのは今僕の目の前にいる星華だよ!」
「え、えぇぇぇぇ!ひ、光瑠くんが好きなの私なの?」
びっくりした。絶対に別の人というかそもそも私自身を眼中に入れていなかったから。
「星華は僕のこと好きじゃないかもしれないけど、でも!僕は星華のこと大好きだから!」
そんなことない。私だって…!
「わ、私も。光瑠くんのこと好き!恋愛感情で!」
「ほんと?好きな人いないって…」
そういえば本人の前で言えるわけがないと思って「いない」って答えた。
「あれは…その…光瑠くんが好きだけど光瑠くんに聞かれたらいるとか言えなかったの!」
「そうだったの?いつから僕の事好きだったの?」
「えぇ…それは…中2後半くらい?…かな」
実際にそれくらいだった。
「えっ!僕中2終わる頃なんだけど!一緒じゃん!」
無邪気に笑う彼が可愛かった。
明るく話す光瑠くん。
「実はね。僕シャーペンの芯ないって言ったじゃん?」
「うん」
「あれ嘘なんだよね」
「そうだったの?」
完全に信じてた。口実だったんだ。
「だって急にどこの学校とか聞くの完全に変だと思われちゃうじゃん!」
「あの後だいぶ急だったと思うけど…」
「そう?」
「そうだよ!光瑠くんって…」
コミュニケーション力がものすごく高いと言おうとした。
「その光瑠くんって呼び方じゃなくて光瑠って呼んでほしい!」
呼び捨て?????
「光瑠……………くん」
慣れないし照れくさい。
「なーんーでー?ほらもう1回言ってみてよ。ひ・か・るってせーの!」
「光瑠…」
「よくできました!」
8ヶ月後…
「高校同じところ行ける!」
「やったね!光瑠!」
「星華これからもよろしくね!」
「光瑠もね!」
パンッ!
心地よいハイタッチの音が空に響いた。
さらに5年後
「月島星華。私の名前だよね?」
「そうだよ。僕が月島光瑠で、星華が月島星華!」
「何だか呼び慣れないね!」
「新鮮だね!」
「「ふふふふっ!」」
微笑み合う2人の薬指に輝くのは銀色の指輪だった。
執筆の狙い
小説を書くのは初めてです。物語が好きなので書いてみました。「こんな恋をしてみたいなー」みたいな思いで書いていました。素直になれなかったりする事はあるけど、自分の思いにまっすぐでいたい事が作品に表されていると思います。意外と書くのに時間がかかりました。初めてなので文とかおかしいかもしれません。
そのあたりは正直に言ってくれるとありがたいです。