作家でごはん!鍛練場
梅蕾

君は宇宙から来た

「えー、転校生を紹介する。入ってこい。」


「田中 空良です。よろしくおねがいします。」






それが、はじまりだった。





「空良の席は…あそこ。陽翔の後ろだ。」
俺の後ろかよ。めんどくせー。
「陽翔くん、よろしく。」
「…よろしく。」
席の周りに人集まるのだけは勘弁してくれ…。





「好きな食べ物は?」
「身長は?」
「体重は?」
「何歳?」
「家族構成は?」
質問攻め…っ!!
「てか同じクラスなんだから年齢わかるだろ。14だよ14。」
「同じクラス…そっか。そうだね。」
そっかってなんだよ。そっかって。




昼休み。俺は空良から逃げていた。
「ねーぇー。おーしーえーてーよー。」
「もういいだろ!?質問は終わりっ!!」
3階。階段の踊り場。人が来ない、俺だけの隠れ場だ。
「こ、ここなら分かるまい…。」
「どこなら分かるまい?」
「ここはめったに人が来な…はぁっ!?」
…終わった。




「ね、キミのこと、もっとよく知りたいんだ。」
「私のことも教えるからさぁ。」
何がそんなに知りたいのか。
「じゃあ…お前、どっから転校してきたんだよ。」
「………。」





「宇宙。」





「え。」




「ま、待て×3。宇宙?…お前って厨二病だったのか…。」
「違いますーぅ。」
それから、なんだか色々と話された。
自分の星は定員オーバーだとか、地球からはめっちゃ遠いとか。
「…というわけ。分かったでしょ?」
「うん。分かんねぇけど分かった。」
「いやそれどっち~。」
「わからん。」
「分かるほうがおかしいだろこれ…。」
「そーかな。ま、そっか。」




その日はそれで終わった。
俺たちは仲良くなった。
軽口を叩きあったり、一緒に登下校したり。
俺がいつも空良をいじるのがテンプレだった。




俺たちは中三になった。
そして。




空良は消えた。





存在ごと消えた。
みんな
「去年?転校生とかいたっけ…。」
「空良ちゃんなんて知らないなぁー。」
みんな覚えてないのかよ。ちくしょう。




去年の修了式。
「二年生も終わりだねーっ。」
「やっとだ…。」
とかなんとかべらべらしゃべってただろ。
どこいったんだよ。
…宇宙?




3階。あの踊り場
窓から空を見上げる。
曇天。
「こういう時は晴れであれよーっ…!!」
空良の嫌がらせか?
最後まで変なやつ。





「やだなぁ。変なんて。ひどくない?」





空良の声が、聞こえた気がした。

君は宇宙から来た

執筆の狙い

作者 梅蕾
M014009075032.v4.enabler.ne.jp

短いです。
ちょっと内容が薄くなってしまったかもしれません。
アドバイスおねがいします。

コメント

通りすがり
116-220-47-204.rev.home.ne.jp

読み始めたら、勢いがあるのと、長くはなかったので、一気読みでした。

先生に、転校生が「入ってこい」と強めに言うのは、そういう先生なのか、
クラスの雰囲気が大らかでなじみやすい雰囲気なのか、最初にもう少し情報を入れるとよろしいかなと思いました。
転校生が来る、うちのクラスに来ると知っているような情報通がいて、みんなに知らせているか、
自分だけが知っていて、どんな人かチェックしてから、どのくらいの親密度でいこうか、ひそかに算段しているとか、
先生、主人公、クラスメイト、情報を増やすことで、そこに現れる転校生に、読者の興味も強まると思います。
制服ですか、私服ですか、どのタイミングで転校生は教室に来たのか、そんなディティールを丁寧に。

席の周りに人集まるのだけは勘弁してくれ…。
とあるので、転校生の周りに人が集まる。主人公はそれがウザいと思っているが、そういう展開になったと
思っていたので、
次に質問攻めにしたのが転校生で、主人公が質問攻めにされたというのが、いまコメントを書きながら
再読してわかったので、このあたり、もう少し、描写を。

「てか同じクラスなんだから年齢わかるだろ。14だよ14。」
若々しい生意気なセリフで、いいなと思いました。
可愛げないとか、反感を抱かなかったなとあとから気づいた、みたいな。
質問攻めにされた転校生が、あとから主人公にグチっぽく言ったのでも面白くなるかなと。
なのに、自分がされたように、主人公に質問攻めをすることで「転校生は、主人公とだけ仲良くしたいんだ」とわかるので。

てっきり男の子同士かと思っていたら、空良さんは、女の子で、ほのかな初恋の話でもあるのでしょうか?
粗っぽい、駆け足、あらすじに近い感じなのに、雰囲気、余韻は出せているので、長くしてみてもいいのではと
思いました。恋敵も出せば「時をかける少女」みたいになれそうな。
楽しませていただきました。おつかれさまでした。

春 れな
p4631006-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

個人的にはかなり好きな作品!
…は二つ続けた方が(……にした方が)読みやすくていいと思います。
あと、かぎかっこじゃないところの文章のはじめは一行空けるとさらに良くなりそうです。

通りすがり
116-220-47-204.rev.home.ne.jp

ごめんなさい。コメントの冒頭、先生に、じゃなくて、先生が、です。失礼いたしました。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

描写最低限で会話主体で書く方法は、僕は好きですよ。
でも、薄い、っていうのも何かわかります。
何が薄いかというと、個性かな。
宇宙人に宇宙人らしい価値観や好みを配置しないと、僕にとって都合のよすぎる話になってしまう気がします。

夜の雨
sp160-249-16-207.nnk02.spmode.ne.jp

梅蕾さん「君は宇宙から来た」読みました。

え~っ、この文体はアリですね。
読みやすいし、イメージはわきます。
一般的な作家の文体とは違いますが、

ただ、芥川賞とか直木賞とかと比べると「テヘヘ」とカエルやイモリほか、爬虫類系の宇宙人が喜ぶのでは。

内容は
かなりシンプルで、文体と内容が世界観が合っています。
ぶっ飛んだ世界観です。
どこがぶっ飛んでいるのかというと、細部を描いていないので、物語は読み手まかせです。
なので、この作品は、気に入る人と気に入らない人との、好みが大きく分かれるのではないかと。

基本、ストーリーが単純で大まかなことしか書いていません。
あとは、読み手が想像を膨らます。
その基本的なところが、面白い。
転校生がある日主人公のとなりに なる。

タイトルが「君は宇宙から来た」なので、内容もそれに合わせて、わかりやすい。

なので、「空良」という名前は「宇宙」の空を思い浮かべてしまうのでよい。
主人公は「陽翔」で、こちらは空良と比べると、わかりにくいが。
なので主人公の名前も作品のキャラクターとして、わかりやすい名前にしておくとよいのでは。

進学すると、空良は、消えたというあたりも、シンプルでよいのでは。

ここから、妄想が広がりそうです。

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