作家でごはん!鍛練場
えんがわ

岩田聡と歩く道 岩と糸/竜王町で会いましょう 編


   岩田聡と歩く道

   岩と糸

 1998年、武豊がスペシャルウィークを駆り日本ダービーを征した年、長野五輪で原田雅彦が大ジャンプをした時代。

 東京は深夜。それでもネオン華やぐ繁華街に糸井と岩田は並んで歩いていた。二人ともいささか酒を帯びた赤い頬をしていた。三次会の帰りの二人だけの道。少し路地をビル裏に折れる。闇が濃くなる。

 岩田は当たり前すぎて少し恥ずかしい誉め言葉を、酒の勢いでやっと言う。
「子供も大人もおねーさんも。良いキャッチコピーですね」

 MOTHER2のキャッチコピーだった。それは木村拓哉のCMと一緒に流れた会心の言葉だった。同時に万人に開かれたゲームの広さへの糸井の自信の現れでもあった。

 しかし糸井は黙している。何時もなら「そう、岩田さん、僕としては」なんてつらつら饒舌になるはずなのに。
 岩田は糸井の異変を察して、察したからこそ、岩田も沈黙する。

 しばらくの歩み。オカマのホステスから「寄ってかなーい」なんて勧誘をあしらって、しばらく。糸井は口を開いた。

「岩田さん、僕はコピーライターという職業に限界を感じているんだ」

 岩田は言葉を失った。第一線で活躍し続ける彼がそんなことを言うとは。

 つらつらと話が続く。

 糸井は広告業界に限界を感じていること。自分の力が衰えて馬鹿にされる未来が耐えられないこと。

 岩田は聞き続ける。
 聞き続けながら、少しずつ少しずつ糸井を陽の方向に誘おうと相づちを打つ。

 糸井は言う。
「秋葉原でMacを購入してさ、仲間たちと昼間会ったときには話さないことを、夜中にメールでいっぱい出して、みんなが相手をしてくれるのが面白くてたまらなくて」

 岩田も言う。
「僕もアップル派だから分かりますよ。HAL研でマックのような機器を作ったんですけどね、これが売れなくて売れなくて。何せ起動するのに何分もかかる代物で」

 糸井はまたMOTHERの続編みたいなゲームも作りたいなんて言って、岩田も是非是非と言って、しかしその後思ってもみないことを言った。

「ぼくはインターネットを使って、あたらしい自前のメディアをつくってみたいんだよ。僕だけじゃなくてみんなの遊び場になるような」

 糸井は思い切って吐き出した。今まで誰にも言えなかった、取って置きのプランだった。
 ヘビースモーカーだった彼は、ピースライトに火を点けた。ふぅと煙を吐く。

「でも、うるさい人たちが集まって、石を投げ合ってつぶれていくのは、ぜったいに嫌だ! ことばの編集権はこちらに置いたまま、みんなが自由に遊べる場をつくる。コミュニケーションできる場を作る!」

 それがどれほど難しいか。
 1998年当時、隆盛を誇っていたのが匿名掲示板「あめぞう」。
 翌年に便所の掃きだめとも呼ばれる極めてネットモラルが自由な、それ故に荒れに荒れる2chが創設される時代。

「責任を負って自由に遊べるコミュニティを作る」

 という言葉がどれほど虚しく響くかは糸井が一番知っていた。思わず煙を吸い過ぎてむせてしまう。

「そんなこと考えてるんだけどね。出来るわけないよなぁ、無理だよなぁ」

 しかし岩田は断言した。
「出来ますよ!」

 糸井は岩田の方を振り向く。
「難しくない……?」

 岩田は応える。
「難しくないですよ!」

 糸井の「難しい」には場所を維持する収益を果たすことが可能か、それこそ最も困難に思えたものだったが、岩田はそれでも大丈夫だと糸井を信じていた。コピーライター業を退いて、転身する糸井にエールを置きたかった。

「出来ますよ!」

「人がたくさんいるでしょ?」
「極端なことを言えば、僕と糸井さん2人で出来ますよ! あとアルバイトを雇ったりすれば」

 何時の間にか大通りに戻っていた。でも引っ切り無しに交差する車も、飲みの会も、二人にはお構いなしになっていた。
 糸井は星の見えない東京の空で、それでも一番星に誓うように宣言した。

「おれ、それやるよ。いつになるかわからないけど、ぜったいやるよ」

   *

 駅から離れた不便な場所にある一軒家を借りて、糸井の新しい挑戦、ほぼ日刊糸井新聞、通称「ほぼ日」は始動しようとしていた。

 糸井はふふんと
「ここを鼠穴と名付けよう」

 アルバイトは不思議そうに
「なんです? それ?」

 糸井は言う。
「狸穴町のすぐ近くだから。それに古典落語も知らないの? 新人君」

 アルバイトは首をひねり
「窮鼠猫を噛むなら知ってますけど」

 糸井はがははと笑い。
「それも良いね。巨大な虎を噛んでびっくりさせてやろうじゃないかっ」

「うーん」
 とアルバイトは首をひねりつつ
「ところで、このケーブルどこに接続するんです?」

 なんてやっていたらその先には、床を這いずりまわってLANの配線しているおっさんがいた。

「ねぇ、おじさん、これどこに繋げばいいの?」

「あっ、はい、それはですねぇ」

 糸井は慌てて
「こらっ! おじさんって! 仮にもHAL研の社長さんだぞ!」

 アルバイトは信じられない顔で
「えー! 社長さん? ないない! そんなんあり得ませんって」

 岩田は頭をかきながらぼやく。
「ないかもしれませんねぇ」

 糸井は言う。
「ならいっそ、岩田さんをほぼ日の【電脳部長】と名付けようか」

 岩田は満更でもない顔で笑う。

 アルバイトは面白おかしく
「いよっ! 部長!」

 糸井はあきれ顔で
「いや、君は自重して」

   *

 糸井はある日を思い出す。単身、糸井の事務所に押しかけて来たあの岩田との忘れえぬ想い出を。

「お願いします! HAL研究所の顧問になってください」

 岩田の顔は真剣だった。
 糸井がどんなことがあっても「YES」と応えるだろう願い。その「YES」を簡単に言うことを躊躇わせるぐらいの真剣さ。糸井はそれに押され、少しむせてしまっていた。

 岩田は勢いのまま
「まず僕の仕事観を全部お話ししますから、それを聞いたうえで、判断してください」

 そのまま
「自分は、他の人が喜んでくれるのがうれしくて仕事をしている。それはお客さんかもしれないし、仲間かもしれないし、仕事の発注者かもしれないけど、とにかく僕はまわりの人が喜んでくれるのが好きなんです。まわりの人が幸せそうになるのが自分のエネルギーなんです」

 岩田は止まらない。
「みんながハッピーであることを実現したい。自分がハッピーであること、仲間がハッピーであること、お客さんがハッピーであること」

 ハッピーと言う度に岩田の両手がパーに開かれた。真剣な岩田には悪いが、どこかユーモラスで糸井に軽い笑みがこぼれた。

 糸井はその表情のまま。
「俺もそうだぜ」

 これ以上ない「YES」の表明だった。次いで糸井が続ける。

「ハッピーってカタカナなのがイイネ」

   *

 糸井は「ほぼ日」の立ち上げを手伝う岩田を見て思う。
 僕も岩田さんのお陰でハッピーになっている一人だよ。
 だからこそ思う。
 このホームページで岩田さんにもらったものを何か返したい。

 と同時に商売っ気も混じる。

 このユーモアある天才を紹介すれば、ホームページの目玉企画になってお客さんを呼べるんじゃないだろうか。

 糸井は呼びかける。
「取りあえずパン食べようよ、パン。ここの卵サンドかなりおいしくてさ」

 岩田も笑って応える。
「良いですね。ちょうどお腹ぺこぺこでした」





   岩田聡と歩く道

         竜王町で会いましょう

 1999年、競馬ではエルコンドルパサーが海外遠征を成功させ、SONYが小型ロボットペットAIBOを発売した時代。
 HAL研から出たカービィシリーズは、ゲームボーイ、ファミコン、スーパーファミコンと立て続けにヒットを飛ばし、その地位を不動のものにした。それは同時に岩田、桜井のHAL研の名声を高めることにも通じた。

「山梨に夢の理想郷を!」
 その理想は現実のものになっていた。

 だが、桜井の野望はそこに留まらなかった。「カービィシリーズ以外のヒット作を!」バンダナを巻いた桜井は、虎視眈々と機会を窺っていた。

 桜井は機敏に動き回る岩田の、ちょっとしたスキマを見つけて懐の案を持ちかけた。

 桜井は熱を込めて言う。
「今度は対戦アクションゲームを作りたいんです!」

 岩田はまだ煎れたてのお茶をすすりながら
「それって格闘ゲーム? 格ゲーのことかい?」

 桜井はぶんぶんと首を振る。
「似ていますが違います。むしろ従来の格闘ゲームのアンチテーゼみたいな作品です」

 当時はゲーセンでのストリートファイター、バーチャファイターなどの格闘ゲームが隆盛の時代。
 地方都市でも数階建てのビルディングで2階と3階のプレイヤーがバトルするような、そんなタバコ臭いゲーセンが山のように乱立していた。
 だが、少しずつ「格ゲー」は飽きられ始めていた。
 全盛期でありながら、斜陽もまた色濃い。
 その山が大きな音を立てて崩れようとしている悲鳴すらも聞こえる時代だった。
 その悲鳴に桜井は格闘ゲームの隆盛の裏にある危機感を感じていた。

 桜井は言う。
「格ゲーってマニアックなものになっちゃったでしょ? ←↓→パンチとか、PPPPPPKKとか複雑なコマンドを覚えたり、初心者は入りにくくなってしまった」

 岩田は笑う。ユーザーのことを第一に考える。桜井の信念が変わっていないのが実に頼もしい。
「うん、桜井クンらしいアプローチだね。でもそれでゲームが美味しくなるわけじゃないよ。対戦コマンドもゲームをより良くするための味付けなんだから」

 桜井は食い下がる。
「別の味付けだってアリじゃないですか? 僕ははじめて格ゲーをした時のような純な喜びをもう一度ブラウン管に取り戻したい!」

 その熱弁に、岩田は何処か誇らしげに応える。
「いいね、じゃあさっそく明日から作ろうか」

 桜井は驚いてしまう。
「え? まだ企画段階前で。直ぐには無理じゃありません?」

 岩田はどんと胸を叩く。
「さっさと作って動かしたほうがいい。僕がプログラム書くから、企画、書きな」

 その格闘ゲームのプロトタイプは、HAL研のある竜王町にちなんで「格闘ゲーム竜王」と呼ばれた。
 企画と仕様、デザイン、モデリング、モーション、それらをすべて桜井がやって、プログラムは岩田ひとり、それにサウンドをつける人が一人。ある意味、究極の手作り作品となっていた。謂わばファミコン時代のゲームみたいな体制だった。

 と言っても岩田は社長だ。岩田は平日は社長業に勤しみ、土日の休日を竜王町のプログラムに当てた。激務である。休日など無いに等しいものだ。
 その中で、お互いにキャッチボールをしながらゲームは練り込まれていく。桜井の言うとおりにすればするほどゲームとして面白くなっていく。それに岩田は嬉々としていた。まだのっぺらぼうのキャラクターがパンチやキックをしている段階だが、動きがしゃきしゃきして、手ごたえが心地よかった。それが純粋に楽しかった。

 他の社員は羨まし気に桜井にクレームを言ったりした。
「桜井クン、困るなぁ。あっちのプログラムをやってるときの岩田さんすっごく生き生きしてて」

 「ゲーム竜王」の画期的なところは、蓄積ダメージの導入だった。攻撃を受けて上昇していくダメージ率に比例して、キャラが攻撃された際の吹っ飛ぶ距離が変わる。常に毎回違った立ち回りが要求される。ゲームに常にアドリブ性や自由が行きかうような、コマンドやコンポ的なゲームとは違う後味。また吹っ飛ばされて画面外や落下死すると負けというシステムも独自の緊張感を作り出していた。

 そしてバトルロワイヤル形式。ニンテンドー64というハードのコントローラー4個付けの特徴を上手くつかんで、4人対戦を可能にすることで、わちゃわちゃとした賑わいを生むことに成功していた。

   *

 順調に磨き上げられていく「格闘ゲーム竜王」。
 だが、桜井の前に「それだけでは何かが足りない」という危機感がよぎった。

 桜井は独り言つ。
「これは売れるのか? いまいち親しみが沸かないんだよな」

「なんだろう? わからない……」
 桜井は研究室を兼ねているテレビルームで、ゲームを遊びこむ。

「なんだろう? 何かが僕の竜王町には足りない……」

   *

「やっほー!」

 そんな葛藤の中のある日、桜井の自宅にHAL研の同僚たちが遊びにやって来た。桜井はビールとツマミを用意して、そしてリビングの大型テレビと無数のソフトが保存されている「ゲームセンター桜井」に同僚を招き入れた。
 宵も深まった頃、同僚らと共にストリートファイター2ターボを遊ぶ桜井たちの姿があった。

「俺、リュウな」
「じゃ、俺ケン」
 微妙に性能の異なる空手着の二人のキャラクターが波動拳や昇竜拳を繰り返している。リュウは白い空手着で清潔な印象。ケンは金髪で道着も赤く、ちょっとお茶らけた印象。流石にガチのゲーマーのHAL研。皆、プレイが上手だ。

 桜井はにやりとして
「じゃあ、俺エドモンド本田」
 選んだのは相撲力士だった。歌舞伎模様の顔、回し一丁の姿。如何にも色物であるし、その癖の強さから余り誰も使わない死にキャラだった。
 だが、桜井はそれを使いこなす。

 張り手の連打で体力ゲージを削り、接近したキャラに対しては容赦なく上手投げを食らわせる。

「つえー! エドモンド本田!」
「いや! 桜井が上手すぎるんだよ! でもガチで強いな。ジャパニーズ相撲レスラー」

 相撲力士でさえ、ゲームにスパイスを与える素材になる。記号となる。ならば!

 桜井にひらめきがよぎった。
「わかった!」

 同僚が聞く。
「何をだよ!」

 桜井は額に手を当てながら
「ゲーム竜王に足りないもの! それは分かりやすくて開かれたキャラクターだ。ロールプレイングゲーム、RPGなら物語に沿って一人ずつキャラを紹介していけばいい、だが複数のキャラクターから最初に操作するキャラを選ぶ格闘ゲームではそれが出来ない」

 桜井の分析は止まらない。
「だからゲーセンでまずは認知度を上げたり、極端なキャラ付けが必要なんだ」

 同僚はははんとし、次いで諦め顔で
「桜井、お前の言うことは良く分かった。プレイヤーが投影しやすい、親しみやすく分かりやすいキャラクターが必要なんだな。でも、ウチにそういう資本キャラっているかー?」

 他の同僚も考えている。
「確かに、ウチはカービィしかない。でもカービィってキャラクターとしてそんなに豊富なものはないし。それこそマイナーなもので終わっちゃうんじゃないか」

 桜井は言う。
「いえ……」

 同僚二人は何か不信がり
「なんだ、答えが出ているような顔をして」

 桜井は思い切って
「ウチは任天堂のセカンドパーティですよね。つまり、カービィだけじゃなくて」

 同僚は唖然として
「マリオやルイージも?」

 もう一人の同僚も言う。
「いや、それは無理だろ―」

   *

 しかし、岩田の答えは違った。
「面白そうだね、桜井クン」

 そして次の週には
「MOTHERのネスと、ポケモンのピカチュウならなんとかなりそうだよ。僕もコネがあるからね」

 桜井は「やった!」という顔をする。岩田もまたそれを決意の表情で上書きして

「これからです」

 岩田はあの人に会おうと京都に行く決意を決めた。

   *

 ニンテンドーオールスター。面白い。これが単に任天堂の名物のキャラクターを使ってゲームを作る、という発想からでたものではなく。独自のゲーム企画を作ってそこに任天堂のキャラを乗せる、という発想だからこそ面白い。
 まるで宮本がマリオというキャラクターを、このデザインを先に決めたから決定したのではなくて、点で描かれるドット打ちのマリオの性質上、皆から少ないドットでも良くわかる口ひげやオーバーオールを機能的にデザインすることに似ている。機能的なデザイン。宮本と桜井の発想の近さ。きっと宮本なら同意してくれる。

 岩田と宮本は、ラーメン屋にいた。同じ味噌ラーメンを食べている。岩田は半チャーハンもセットで。

 眼鏡が曇る。だがその奥の瞳を凛とさせ語る。
「面白いアイデアだと思うのですけど」

 宮本は「うーん」と唸る。

 岩田は少し背伸びをして
「宮本さんのアイデア力を僕なりに分析してね。良いアイデアとは複数の物事を解決する。と僕は定義しました。この任天堂キャラを使うというアイデアは、格闘ゲーム竜王に親しみやすいキャラを乗せる、だけじゃなくてバラエティ溢れる見た目の任天堂オリジナルキャラで視認性を上げる、だけじゃなくて色んなゲームのキャラにスポットを当てることでまだ遊んでいない原作へとファンの興味を移す、だけじゃなくて64のコントローラーが4つ付けれる仕様、まだ活用されていない仕様を活かす、とか」

 刻々と岩田は語る。語り出すと止まらない。

 宮本は岩田を遮り
「もうええよ、岩田さん。麺が伸びてしまうやないか。確かに良いアイデアかも知れない。だけどマリオ、ゼルダ、ドンキーの原作者としての僕の意見はこうや」

 岩田は息を飲む。宮本は続ける。
「2つ返事でOKするというわけにはいかないよ。『これはマリオじゃない』ってぼくらが思ったらそれはそれでだめだし、逆にすっごくいいものが出来たとして、それはそれで今後のマリオはそれを全部引き継がなきゃいけなくなって、そんなことが出来るかどうかわからないし」
 岩田だけではない。宮本の顔も曇る。
「だから、結構うまくシンクロしないといけないんで、むずかしいと思うんだよ、他の方法はないの?」

   *

 宮本からはNOを突き付けられた。だが、この任天堂オールスターというアイデア、悪いものではない。岩田は敢えてその日のラーメン屋の宮本との会合を伏せることにした。伏せて任天堂キャラが動くプロトタイプのゲームを作ることにした。指名したキャラは、マリオ(スーパーマリオブラザーズ)とドンキー(ドンキーコング)とサムス(メトロイド)とフォックス(スターフォックス)の四名のキャラだった。その四人がゲーム上で大乱闘している。

 桜井は言う。
「これはイケますよ。頭の中で描いていたのと実際に遊ぶのは大違いだ。これはイイ!」

 岩田は思う。
 いや、これから許可を受けるところなんだけど。モチベーション的に伏せないとなあ。ちょっとネゴシエーターっぽいな。と、最近の映画を思い出す岩田だった。

 テストプレイしている宮本。
「なるほどね」
「暴力はイカンと思ってたけど、これはちょっと違うね」
「バットでカキーンと打つというか」
 宮本はぺこりと頭を下げる。
「岩田さん、ごめんな、僕の方が頭硬かったみたいや」

 岩田は応える。
「いえ、桜井クンのアイデアを褒めてやってください」
「よし、OK」

 そうやって少し悔しそうに笑う宮本の顔が、岩田には微笑ましかった。出会いの頃あれだけ困惑させた宮本のその表情が、今では「面白い昆虫を発見した少年」のように見え、しかもその奥は底が知れない深みがあった。

 岩田は思う。
「この男をうならせてやろう。何時かギャフンと言わせてやる」

   *

 桜井が言う。
「ネーミング、なにが良いですかね?」

 岩田は答える。
「桜井クンならどう?」

 桜井が真面目に
「任天堂オールスター スーパーファイターズ」

 岩田は言う。
「流石、ティンクル★ポポを一回跳ねられて、カービィにしてもらったことがある」

 桜井はにははと笑い
「もう! 僕にネーミングセンスないですよ。だったら岩田さんだったら何ですか?」

 岩田は言う。
「任天堂オールスターは採用することにして、スマッシュブラザーズはどうかな?」

「良いですね! 4文字に略せるのが良い。スマブラ!」

 岩田はうんと言い。

「やっぱり殺伐とし過ぎないで、ブラザーズ、兄弟げんかのようなそんなはちゃめちゃとした楽しさがあったら良いなって」

   *

 数か月後、東京の糸井事務所、通称ねずあなに桜井は居た。
「うう」

 糸井は思わず声をかける。
「どうしたの?」

「みんなスマブラに対してこう言うんです」

「ピカチュウがマリオを殴るなんてけしからん」
「任天堂らしくない」
「底の浅い格ゲー」」

 糸井は言う。
「気にしなくていいよ。最初にやる人は何だって向かい風を受けるんだから」

 桜井はいう。
「末はファミ通レビューで31点/40点。なんでですか。本当に遊んだの? このゲーム?」

 糸井は言う。
「これは手厳しい」

 桜井は吠える。
「偏見だー。やり込めばわかってくれるのに」

 何時の間にかふらりと来ていた岩田が言う。
「だからそれを正すためにも出版社行脚してるんじゃないか」

 糸井は言う。
「ウチのほぼ日にもね」

 桜井はううと言いながら。
「僕もホームページ作った方が良いのかな。題してスマブラ拳とか」

 糸井が言う。
「インターネットと相性良いと思うよ。桜井クンの作るゲームは」

 岩田はふと立ち止まる。
(そうか。情報はもうネットで通じる時代になりつつあるんだな。肝に銘じておこう)
   *

 岩田と桜井のメディア行脚と桜井の創設したホームページ「スマブラ拳」もあって、スマブラは徐々に口コミから火が付き、ニンテンドー64待望のキラーソフトとなる。

 HAL研はまたもやヒット作を生み出したのだった。
 もう満身創痍のHAL研と言う人はいなかった。

 とある家族の日曜日の昼下がり。

「マリオ! ジャンプだ!」
「このネス、嫌な動きするなー、お兄ちゃんの?」
「僕はフォックスだよ! よし! いけ!」
「マリオ! 任天堂の看板だろ! しっかりしろ!!」
「残念、時代はピカチュウのものなんでしたー」
「お母さん! 年甲斐もなく!」

岩田聡と歩く道 岩と糸/竜王町で会いましょう 編

執筆の狙い

作者 えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

岩と糸編 と 竜王町で会いましょう編 の二本立てです。
自由にコメントしてくだされば嬉しいです。

コメント

青井水脈
171.3.86.145

「岩田聡と歩く道」2本立てです。
「岩と糸」
1998年、日本ダービーを制した武豊と長野冬季五輪に列島が湧いた頃。タイトルの通り、前回に続いて交流を深める岩田と糸井。本業はプログラマーとコピーライター。畑違いと思われたが、「Mother2」の開発という難所をともに乗り越えた二人なのだ。コピーライターとしての未来に限界を感じていた糸井は、自前のメディアを立ち上げるという夢を岩田に打ち明けるのだった。
後日、都内某所。アルバイトとともに、コンピュータをセットする岩田と糸井だった。「ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)」が始動しようとしていた。

「竜王町で会いましょう」
翌年1999年、HAL研。桜井は、カービィシリーズの次は対戦アクションゲームを開発したいと岩田に申し出た。当時はストリートファイターやバーチャファイターなど格闘ゲーム(格ゲー)全盛だったが、アンチテーゼとなるようなゲームが桜井の理想像という。早速企画が進行し、「格闘ゲーム竜王」というプロトタイプが完成する。
※プロトタイプとは、製品やサービスの完成前に、機能や操作性・デザインを検証するために作る試作品や試作モデルを指す。
「格闘ゲーム竜王」の独自性は、相手にダメージを蓄積させる従来の格ゲーと違い、相手をベーゴマやおはじきのように場外に弾き出す、動きの自由度が高いこと。ニンテンドー64で、最大四人でワチャワチャと遊べることなどだった。
ヒットするための一押しが足りないと悩む桜井の元に会社の同僚が集まって、ストリートファイターで遊ぶのだが、そこで桜井はあることを思いつく。桜井のアイディアを聞いた岩田は、京都の任天堂本社へ飛んだ。「任天堂のキャラをゲーム上で大乱闘させたい」この申し出を一度は断った宮本だったが、テストプレイで面白さに気づくのだった。ここまでが、「任天堂オールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ」開発秘話である。
数ヶ月後、桜井と岩田は糸井の元を訪ね、スマブラのファミ通のレビューが厳しいと愚痴をこぼすのだった。


まず気になった点ですが。
「岩と糸」
>ゲームに常にアドリブ性や自由が行きかうような、コマンドやコンポ的なゲームとは違う後味。

後味が悪いなどの後味より、醍醐味の方が個人的にいいかと。


「竜王町で会いましょう」
>数か月後、東京の糸井事務所、通称ねずあなに桜井は居た。

はじめは桜井だけかと思ってて、
>岩田はふと立ち止まる。

>数か月後、東京の糸井事務所、通称ねずあなに岩田と桜井は居た。 ←場面転換の最初に書いておくといいかと。


二編に共通するのは、新しいメディアでしょうか。今では重大な発表なども、SNSで個人が発表してからテレビや新聞で報道される、といったことが主流ですが。「ほぼ日」「スマブラ拳」など、当時は新時代のメディアの黎明期だったと伺えました。
スマブラが世に出るまでの流れで、大人気なのは知ってはいましたが、改めてその要因などわかった気がしました。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

青井水脈さん

どうもー。こんばんわー。
今回もありがとー。


>ゲームに常にアドリブ性や自由が行きかうような、コマンドやコンポ的なゲームとは違う後味。
後味が悪いなどの後味より、醍醐味の方が個人的にいいかと。

醍醐味……うん、そっちの方が良い。改稿します。

>数か月後、東京の糸井事務所、通称ねずあなに岩田と桜井は居た。 ←場面転換の最初に書いておくといいかと。

あう……思い込みで書いてしまいました。こっちの方が親切ですね。これも変えます。

>二編に共通するのは、新しいメディアでしょうか。

ネット黎明期は僕は大学生辺りだったので、直撃でした。
吉野家コピペやら侍魂やら、懐かしいな。

>スマブラが世に出るまでの流れで、大人気なのは知ってはいましたが、改めてその要因などわかった気がしました。

ありがとうございます。
スマブラの肝みたいなものは、桜井さん本人がこれまたネットのyoutube動画や自著で明らかにしているのですが、出来るだけかみ砕いて分かりやすく伝えようと思いました。少しでも伝われば幸い。

ありがとでしたー。

平山文人
zaq3d2eff12.rev.zaq.ne.jp

えんがわさん、本作も読みましたでございますよ。

なるほど、糸井と岩田ってこんなに仲良かったんですね。糸井が意外とゲーム業界に近い活動を
していたんだな、というのがよく分かります。糸井重里の人柄を思い出せば、岩田と仲良くしていた、というのは
頷けるものです。後、MOTHERシリーズは思想というか、メッセージ色の強いRPGだと思っていますが、
糸井がこれだけ関わっていたなら、なるほどね、と改めて思えましたね。

ゲーム竜王ってなんだ? 聞いたこともないな、と思ってたら、スマブラの原型版なのですね。
この少し前に、コナミがワイワイワールドって作ってましたが、これまでの人気キャラが登場するのはいいとして、
ぼかすか殴り合うってのはある意味斬新でしたね。これ、もし私が作るとなると、かなり怯える気もします。
キャラのイメージを崩すな、マリオは殴らないからいいんじゃないか、とか、ファンの声が聞こえてくるようです。
しかし、結果としては大ヒットするわけですが、この辺りの決断はかなりバクチ入ってますよね。

岩田の優れているところは、そういった判断力、大局観が飛びぬけていたところでしょうね。
何が売れるか、売れないかって、アマ作家の私でいうと、何が読まれるか、読まれないか、に近いものがあって、
岩田が存命なら聞いてみたいですよね。「どんな小説が読まれると思います?」って。こう答えてくれるでしょうか。

「とにかくまわりの人が喜んでくれる小説じゃないかな。まわりの人が幸せそうになるのが作家も大事なんじゃない?」って。

いよいよ21世紀にまでやってきました。続きも楽しみにしています。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

>平山文人さん

ありがとです。

>糸井と岩田ってこんなに仲良かったんですね。

糸井さんはゲームのMOTHERにはガッツリ関わってます。
芸能人が名を貸すレベルではなく、設計図からアイデアだし、モブの会話まで。

糸井さんのほぼ日は岩田さんの記事を多く残していて、こういう特集もあります。参考までに。
https://www.1101.com/iwata20150711/index.html

他に岩田さん関連の本としては恐らく2冊しかないうちの1冊を「ほぼ日」が刊行してます。アメリカでベストセラーになったとか。
「岩田さん」(3章まで無料公開されています)
https://www.1101.com/books/iwatasan/free/

「岩田さん」という本は岩田さんの人柄、思想に触れるにはベストな本なんですが、業績については敢えてノータッチで描いているので、僕が岩田さんの伝記を書く意味があるのかなと思っています。
また「岩田さん」の岩田さんは余りにも聖人君子なんで、僕タッチの「岩田聡と歩く道」では情熱家というか頑固な側面も書こうと思ってます。

そんな感じで糸井さんのほぼ日関連の岩田さん情報でした。


>ゲーム竜王ってなんだ? 聞いたこともないな、と思ってたら、スマブラの原型版なのですね。
この少し前に、コナミがワイワイワールドって作ってましたが、これまでの人気キャラが登場するのはいいとして、
ぼかすか殴り合うってのはある意味斬新でしたね。これ、もし私が作るとなると、かなり怯える気もします。
キャラのイメージを崩すな、マリオは殴らないからいいんじゃないか、とか、ファンの声が聞こえてくるようです。
しかし、結果としては大ヒットするわけですが、この辺りの決断はかなりバクチ入ってますよね。

実際に発売当初は任天堂関連の人もファンも難色を示したらしいです。
それでも岩田&桜井のメディア行脚とスマブラ拳と、口コミヒットで64でもスマッシュヒット、後のキラーソフトシリーズになるのだから、やはりゲームとして面白い。

僕はスマブラ64の時に一緒にやる知人がいなくて買わなかったんだけど、前身となる熱血硬派くにおくんのオリンピックので仲間内でワイワイやって盛り上がった記憶があります。バトルとパーティゲームが上手く融合してるんですよね。

桜井さんはスマブラ新作、作るのかな。もうswitch版が決定版になってて作れない気がするけど、遊んでみたいな。


>岩田が存命なら聞いてみたいですよね。「どんな小説が読まれると思います?」って。こう答えてくれるでしょうか。

「とにかくまわりの人が喜んでくれる小説じゃないかな。まわりの人が幸せそうになるのが作家も大事なんじゃない?」って。

僕もそう答えてくれると思います。
また昨今の小説離れから、小説を読んでくれない人を振り向かせるようなものを作りたいな、みたいなことも言うかも。
言うは易し。行うは難し。その発想をしてしまうのが、岩田さん宮本さん任天堂スタッフの凄味なんですが。


ありがとでした。

夜の雨
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えんがわさん「岩田聡と歩く道 岩と糸」読みました。

「岩と糸」

岩田が糸井と「コミュニケーションができる場を作る!」
それも荒れる「2ch」が創設された時代。
というところが面白いのですが。

>匿名掲示板「あめぞう」<
は、知りませんでした。

まあ、「あめぞう」が隆盛を誇っていたのが1998年当時なら、ネットをしていなかったので、知らなかったのは当たり前ですが。

で、御作の糸井と岩田が、
「責任を負って自由に遊べるコミュニティを作る」
ということで、
>通称「ほぼ日」こと「鼠穴」<
こちらも知りませんでした。

ちなみに、今回の顛末ではアルバイトを雇ったりしてで、エピソードとしては面白いのですが、具体的にどんな活躍を「鼠穴」が、したかなどは描かれていなかったのが、残念でした。

「作家でごはん!」も、「あめぞう」から分派した「2ちゃんねる」では、書き込みをされていたのは読んでいて知っては、いましたが。
もちろん「1998年当時」のお話ではありません。
その、のちの話です。

思えば、こちらのサイトの「作家でごはん!」も歴史がありますね。


『竜王町で会いましょう 編』は、明日の日曜日に書きます。


お疲れさまでした。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

夜の雨さん

お久しぶりです。最近、顔を見なかったので心配してましたーん。


僕もあめぞうについては、馴染みがありません。
2chにはどっぷりハマって、アスキーアート書いてたし、今も書いてるんですけど。(ちょうど紅白Flash合戦とかあった時代から)

>具体的にどんな活躍を「鼠穴」が、したかなどは描かれていなかったのが、残念でした。

ですねー。書きませんでしたー。
ちょくちょく「ほぼ日」の名前をこれから出す下準備なんですが、岩田さん以外のところで「ほぼ日」が何をやっているのかってのが僕も良く知らなくて。

有名なのは「ほぼ日手帳」ですよね。あと各界の有名人とインタビューしたり、さまざまな特集をしたり、良い意味で自由なサイトを作ってるなって印象でした。
そういうのをもっと描いても良かったですね。

ここは僕の手抜きというか下調べ不足の部分でした。しっかりしなくちゃ。


>思えば、こちらのサイトの「作家でごはん!」も歴史がありますね。
ですねー。色んなことがあったな―。


>『竜王町で会いましょう 編』は、明日の日曜日に書きます。

ありがとうございます。また明日会えたなら。
面白いと言っていただいて嬉しいです。もっと面白くしていきたいです。

通りすがり
116-220-47-204.rev.home.ne.jp

竜王町で会いましょうの続き、明日なんですね。合わせて読んだら、感想いたします。

夜の雨
sp49-109-68-114.nnk01.spmode.ne.jp

えんがわさん「竜王町で会いましょう 編」読みました。

今回は、HAL研の桜井が活躍するお話で。
新しいゲームを作るエピソードが具体的に語られていました。

つまり「格闘ゲーム」の隆盛の時代に現在ある「格ゲー」とは別の楽しみ方ができる「ニューバージョン」を作るという「桜井」の活躍編と言ったところ。

「蓄積ダメージの導入」とか、「吹っ飛ばされて画面外に落下死すると負け」とかのシステムで、独自の緊張感を作り出した。
そこにニンテンドー64というハードのコントローラー4個付けの特徴を上手くつかんで、4人対戦を可能にした「バトルロワイヤル形式」を取り入れた。

で、ここまでは、HAL研で独自に進められるのですが、何かが欠けていると考えていたところ。
キャラクターの斬新性に気が付く。
任天堂で活躍している名物キャラを使えばみんなに受けるのではないかと。

で、京都の任天堂で有名キャラのゲームを作った宮本に会って承諾を取り付けるのですが、御作はノンフィクションなので、作り物めいたような展開やら構成にするわけにはいかないので、自由度がない分、話がストレートになりますね。
と言っても、これまでの流れがありますので、岩田と宮本との関係は描かれているので、違和感はありませんでした。

私は格闘ゲームはやったことがないのですが、御作でのニューバージョンは任天堂のオールスターで、登場キャラはふだんゲームをしない者でも名前やら姿かたちは知っているという知名度で、楽しさが伝わってきます。
「スマッシュブラザーズ」に商品名は決まったようですが。

今回は桜井が活躍するお話でしたが、岩田はHAL研の社長として宮本と交渉する立場にあるので、しっかりと桜井のサポートをしたのでありました。また、この岩田さんはプログラムもやりましたので、寝る時間が削られて大変だなっと。

今回のラストでは、商品が発売されて、ある家庭での親子が「スマッシュブラザーズ」をやっている場面が短いながらも描かれていてよかった。

「竜王町で会いましょう 編」は、御作の『岩田聡と歩く道』のひとつのエピソードなので、ノンフィクションとしては、これでよかったのではないかと。


それではラストへむけて頑張ってください。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

夜の雨さん

>今回は、HAL研の桜井が活躍するお話で。
新しいゲームを作るエピソードが具体的に語られていました。

今回のスマブラ開発秘話はエピソードが数多く残されているので、どれを採用しどれを除くか、なかなか難しかったです。
スタッフのエピソードとか全部入れちゃうと、ごちゃっとしちゃいそうで。


>で、京都の任天堂で有名キャラのゲームを作った宮本に会って承諾を取り付けるのですが、御作はノンフィクションなので、作り物めいたような展開やら構成にするわけにはいかないので、自由度がない分、話がストレートになりますね。


宮本さんとの交渉エピソードはそのまま史実を重視して書きました。
もうちょっと大げさに書けるかもしれないけど、そういうのは自分は苦手で。

>今回のラストでは、商品が発売されて、ある家庭での親子が「スマッシュブラザーズ」をやっている場面が短いながらも描かれていてよかった。

ありがとうございます。ユーザーに伝わるところまで書きたかったので、嬉しいです。

ありがとでしたー。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

通りすがりさん

どうもこんにちわー。書いてくれるととてもありがたいですが、ゆっくりでいいですよー。

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