一つの星を見た
口から吐き出された白い息が夜の遠い遠い空の彼方へと消えていく。ただ、それでも空で輝きを続ける星は少女である私の心を強く惹きつけて、私を夜の虜にしてしまった。
私が夜の虜になったのは中学2年生の時だった。その日の夜はいつもと違って、どれだけ時間が経っても、目を閉じても眠ることができなかった。そんなことが起きて、退屈になってしまった私は、人生で生まれて初めて親に黙って外に出ることにした。
初めて1人で夜の空を見た私はキラキラしていてとても綺麗、という感想を抱いた。だって、そもそもこんな時間帯に外に出ることなんて中々ないし、一生1人で夜の街を歩くなんてことはないだろうと思っていた。
でも案外そんなことはなくて、何にも縛られないこの時間は私にとっての楽しい時間になると確信を持って言えた。
私はそれから家の近くにある公園へ行き、ベンチに座りながら空を眺めた。眺めているとやっぱり空は相変わらず綺麗で、雲が一つもないと輝く星が目立って眩しいと思った。でもその中で一際輝く星から、私は目を離すことができなかった。
私の目に焼き付いて離れない一つの星。その星はやけに存在感を放っていて、もはや、一つのものとして存在していた。今となれば、あれが私にとっての一番星で、一番好きな星だった。
執筆の狙い
私の文章の良さと悪いところを指摘してもらうために投稿しました。