作家でごはん!鍛練場
三語即興文有志

三語即興文 2025/05/28

三語即興文有志

三語即興文2025/05/28〜

【形式】
 (1)前の方の作品に批評・感想を書く。
 (2)出されたお題で50字~1000字程度の文章を作る。
     ※三語を使用した小説であること。三語は順不同で使用可。
     ※漢字(ひらがな・カタカナ)は変えないこと。
 (3)次のお題(三語と課題)を出す。三語は名詞が基本、各語の関係が遠いほど望ましい。


【ルール】
 ・第一目的は文章と発想の瞬発力、及びショートショートの構成鍛練です。
 ・同じ方の書き込みは一日一回です。言いかえれば毎日でもどうぞ。
 ・同じお題の投稿が重なった場合、最初の投稿者のお題が次に継続されます。
 ・上記の場合、後の方の作品は残します。事故と見なしますので謝罪などは不要です(執筆の遅い投稿者保護)。
 ・感想のみのレスはご遠慮ください。
 ・事故作品にもできれば感想を書いてあげてください。また、他の作品に感想を書くのは自由です。
 ・何事も故意の場合は釈明必須ですが、多少の遊び心は至極結構です。ただし、基礎の未熟な方の遊びはお断わりいたします。
 ・課題は強制ではなく、努力目標です。お互い無理のないようお願いします。
     例)「主人公の性別は○○で」「ハードボイルドっぽくお願いします」「三人称で書いてください」

 ・三語即興文の新スレッドは参加者皆さんによって立ててください。
 ・フォーマット・ルールなどの改正は必ず伝言板で意見を募ってください。
 ・重複スレッドが立った場合は運営に削除依頼を出してください。


【新スレッドの立て方】
 ※現行スレッドが最終面に来ましたら、次に投稿予定の方or有志の方が新スレッドを立ててください。
    作者名:三語即興文有志
    題 名:三語即興文  年/月/日    ←年/月/日 はスレッドを立てた日付となります。
    本 文:ここの本文を改変せずにコピー&ペーストしてください。
  執筆の狙い:執筆の狙いをコピー&ペーストしてください。

 ※感想欄の一番最初には、前スレッドの最後の投稿者のレス(投稿者名、三語即興文、次のお題)をコピー&ペーストして投稿してください。

 ※新スレッドを立てましたら、最終面にある前スレッドに
 「このスレッドは終わりました。次の三語即興文は新スレッドに投稿してください。」
 の一文を、三語即興文有志の名前で投稿してください。


三語即興文2025/05/28〜


お題【吸血鬼】【タコス】【残像】
課題:ホラー

三語即興文 2025/05/28

執筆の狙い

作者 三語即興文有志
softbank111191120164.bbtec.net

作者 三語即興文有志 2025-05-28 23:51


感想レスを使ったやりとりです。
興味のある方は参加してください。初めてのみなさんも歓迎します。
前の方の作品に感想を書くのを忘れずにお願いします。

コメント

夜の雨
ai203231.d.west.v6connect.net

 お題【吸血鬼】【タコス】【残像】
 課題:ホラー

  『ガード下の吸血鬼』

 ネットで日雇いの仕事を見つけて生活をしていた。
 今日の仕事は、夜逃げの手伝いらしくって日当はそれなりにもらった。
 ガムテープでがんじがらめにされた衣装箱とかをいくつも運ばされたが、一般の引っ越しとはちょっと雰囲気が違っていた。
 秘密厳守という事で、マイナンバーカードの身分証明書とかもコピーをとられて、なんかやばそう。
 帰りに腹が減ったので、ガードの下の屋台でタコスを喰った。
 トウモロコシの生地に野菜やら鶏肉を挟んでいるらしい。
「だんな、味付けはどうでしょうかね」とたずねられて「濃い味付けで、好みだよ」と笑った。
 実際うまかった。
 スマホで日常の情報をチェックしていると、行方不明になった20歳の女性がどうたらと記事になっている。
 まさかと私は思った。
 それにしても、近ごろは行方不明者が多い。
 SNSとかで知り合いになり誘い出されるとか、いろいろある。
 屋台のおやじもラジオを鳴らしていて、そのニュースでも、行方不明者がどうとか話している。
 気持ちが悪いなぁと思っていると。
「だんな、疲れているのじゃないの」と、おやじが言葉を投げてきた。
「そうだね、今日は引っ越しの手伝いで重いものを結構運んだからね」と言った。
 引っ越しの依頼主というのが頬がこけた男で笑うと歯がないのか牙のような入れ歯を使っていたので驚いた。
 その男の顔が残像のように脳裏をよぎる。
「もしかしたら運ばされたのは、死体ではないだろうなぁ……」そう思うと、気持ちが悪い。
 しかし疲れているのか屋台の缶ビールは結構うまい。
「このタコス、うまいね」お愛想ぬきで言った。
「気に入ってもらえて光栄です」そう言っておやじは笑う。
 タコスの食感がよい、歯ごたえもあるしで、たしか鶏肉を挟んでいると。
 こんど自分でも作ってみようかと思う。
 そんなとき「疲れた疲れた」と言いながら、男が入ってきた。
 椅子に腰をかけている私を見て「人間がいるのじゃねえか」とおやじに言う。
 ギョッとして隣を見ると体の大きいがっしりとした男が座って、こちらを見ている。
「ああ、そのお客さんは人間じゃないですよ、我々の同類です。いま食べているタコスだって、人間の肉ですから」と、おやじは笑う。
 私は、吐きそうになったのを我慢した。
「さっき、このガードを通った若い女を締めあげて料理したものを喰っているのですよ」
 隣の男は「そうかいそうかい、近ごろは俺たち吸血鬼のことが噂になっているようだからな。気を付けるに越したことはない」そう言いながらニタァと笑った。
「じゃあ、生血はあるんだな」
「ああ、ありますよ」
「それじゃ、とりあえずジョッキーで生血を一杯」
「はいはい、だんなもいかがですか」
 と、話を振ってきたので、「引っ越し先でたらふく飲んできたところだ」と、返答しておいた。
 そして立ち上がると「いくら」と言って金を払って屋台を後にした。
「本当に人間じゃねえんだな」と背後でおやじと会話を交わす声がする。
「ああ、間違いない、いまも、人肉のタコスをうまいうまいと喰っていたよ」
 そんな話声を聞きながら夜空を見上げると、血の色をした三日月がどろりと滴り落ちそうになっていた。


     了


  次のお題【田舎】【暴走】【下水道管】
  課題【詐欺師を主人公にする】

 それでは、よろしくお願いします。

ぷりも
pw126034021229.24.panda-world.ne.jp

【三語即興文】
夜の雨さま
 お題【吸血鬼】【タコス】【残像】
 課題:ホラー

  『ガード下の吸血鬼』

の感想です。

お題の使用も自然で程よい長さの中にもホラー感があって良かったと思います。
ただ、「このタコス、うまいね」のところで、察しがありましたが。
(`・ω・´)✨✨

新規の方もモノガタリストの方も気軽にご参加してほしいものですね。monogataryはすぐ埋もれちゃうけど、なかなか8面落ち(鍛練場から消えるの意)しないのがごはんのいいとこでもありますね。

んでわ、お題いただきます。
次のお題【田舎】【暴走】【下水道管】
  課題【詐欺師を主人公にする】


『海千山千』

 かつて一流マジシャンとして名を馳せた霧島弦一郎は博打と女に暴走して業界を追放された。その後詐欺師に身を落とし、今は地方の片田舎を拠点としている。

「アニキ、こんなど田舎でシゴトなんかして儲かるんっすか? 田んぼと畑しかないっすよ」
「馬鹿野郎、こういうところに住んでる年寄りがたんまり溜め込んでるんだ。よし、まずはあの家からだ」
 ハルトは言われるままハンドルを切った。

「ごめんください、水道局の方から来ました。近くで下水道管の破裂がありまして、ただいま周辺のお宅訪問をさせていただいております」
「ああ、そうかい。ワシは居間で横になってるから、終わったら声かけてくれ。じゃよろしくたのむよ」

(アニキ、チョロいっすね)
(馬鹿野郎ムダ口聞くな)

 二人は点検作業を装い家の中を物色する。

「点検終わりました」
「ああ、ご苦労様。お茶淹れてあるからどうぞ」
「いただきます。それで耐震補強もやっておきましたんで、こちら請求書です」
 二人は出されたお茶を啜る。
「200万? 結構するね」
「ええ、最近は円高やら何やらで資材が高騰していまして」
「大変だね。今用意するよ」一万円札を数えるところを二人は込み上げる笑いを押し殺して眺める。
(これだから詐欺師はやめられねぇ)

「はいでは確かに200万円いただきました。こちら受領書になります」
「また何かあったら頼むよ」

 ——アジトにて
「よし、上に報告だ。って、あれ? 俺のスマホがねぇ。ジジイのとこに忘れてきちまったか。お前のよこせ」
「もう何やってんっすか」ハルトは渋々スマホを手渡す。
「もしもしカシラ、ええキッチリ100万とってきました。このあともう2、3軒回ってからアガリ納めに行きますんで。はい、では失礼します」
 それを不安気に眺めるハルト。

「アニキ、やばくないっすか。誤魔化してることバレたら殺されますよ」
「黙ってたらバレやしねぇ。7割もアガリとられたらたまったもんじゃねぇ。頭使え」
「それもそうっすね」
 ハルトは包みを手に取り札束を取り出す。

「アニキ! これ全部新聞紙だ。札なんか1枚も入っちゃいねぇ!」
「そんなわけあるか! あのジジイ目の前で確かに……」

RRR

「アニキのスマホからだ」
 男はハルトからスマホをひったくる。

「ジジイ! 手前ぇ騙しやがったな! ふざけるなキッチリ200万払ってもらうぞ!」

「払えも何もキミたちの目の前で払ったじゃないか。受領書もあるし、おやキミたちの母印入りの借用書も出てきたぞ。私が貸した300万はいつ返してくれるんだい?」
「ふざけるな! そんなもん払えるわけねぇだろ」

「そうか残念だ、それじゃキミの上司に連絡しないとね。私が”200万円”払ったことを。キミたちのアジトはGPSで割れてる」
「待て待て! わかった俺の負けだ。だから見逃してくれ」
「わかってくれて嬉しいよ。それじゃ500万で手を打とう。支払い方法は追って連絡する」
「そんなの無理に決まってんだろ! 待て!」
 男の問いかけ虚しく電話は切れた。


「ひよっこどもが。頭使え」
 霧島弦一郎は微笑みを浮かべてお茶を啜った。



次のお題は鍛練場作品上から抜き出し。

お題【宝くじ】【少女】【羽化】
課題【人名使用禁止】

でお願いします。

紅月麻実
softbank060066098154.bbtec.net

プリモ様 『海千山千』
感想を述べさせていただきます。詐欺師って私いまいちよくわからないのですがここまで丁寧にかけるものなのかと思いました。なんか詐欺師が詐欺師を騙すっていいですね!

お題いただきます。お題【宝くじ】【少女】【羽化】 課題【人名使用禁止】

虫好きの少女

 「ねぇねぇお母さん! 宝くじやってみてもいい?」
ある少女は母親にこうおねがいした。当然そんなもの、通るわけがない。
「はぁ? いいわけないでしょ、急にどうしたのよ?」
少女は潤んだ瞳を見せつけながら言った。
「お願い! どうしてもお金が必要なの!」
その様子を見て、母親はひどく悩んだ。いきなりどうしたというのだろう。
 母親はとうとうため息を付いてこう言った。
「はぁ……、一回だけよ? 外れるのを承知でやりなさい」
宝くじなどそうそう当たらない。当たるわけがない。
 だが、この時ばかりは、その予想は外れるのだった。
「やった! ありがとう!」
少女はそういうなり何処かへ駆けていった。

「はぁ、はぁ、ここが、宝くじが買えるところよね」
「おやまぁ、嬢ちゃん、こんなところに何しにきたんだい?」
店主のバァさんは不不思議そうに少女の顔を眺めた。
「えっとね、私も宝くじのやつ買いたいの! はい! お金!」
少女は問答無用で金を差し出した。言葉こそ和やかだが、その表情は険悪そのものだった。
 そんな彼女の様子に押し負けた店主はやむなく宝くじの券を差し出した。少女は早速その券を擦る。するとなんと、
「当たった……」
本当に当たってしまったのである。店主は大慌てであちらこちらに電話をしている。お金の手配でもしているのだろう。
「おばさん! お金! 早く!!」
少女はなぜだか店主を急かす。何を焦っているのだろう?
「あぁ、今持ってくるから待っときぃ」
しばらくして、店主のバァさんは賞金の10億円を持ってきた。(間違ってたらすんません)
「やった! これであの子を助けられる!」
彼女はその十億を持って、最寄りのホームセンターへと向かっていった。

「はい、そうです。はい、お願いします!」
彼女はなにかの買い物を終えて家に戻る。その帰り途中で、彼女はポケットにいる瀕死状態のサナギを撫でる。
「もうすぐだからね……」

家に戻ってしばらくすると、ありとあらゆる飼育キットが届けられた。彼女の母親はとても驚いている。
「何やってるの!? なぁに!? この飼育キットは!?」
そうなるのも仕方がなかったろう。少女はすぐさま飼育キットの組立を始める。その中には、親ですらよくわからない謎の器具なども含まれた。
「おかーさんは手ぇ出さないで! 今から治療するんだから!」
「えぇ!? 何言ってるのよ!?」
少女はポーチに入れていたサナギをケースに移し替えた。
「……、良かった、死んではないみたい。通気性のいいやつで良かった」
少女は続いてなにかの薬物を用意し始めた。
それを順番にサナギに与える。母親には何がなんだかさっぱりで、見ていることしかできなかった。
「大丈夫。明日になれば、元気になれるからね……」

 翌日
例のサナギは順調に回復していた。美しい羽の予感がしていた。
「もうすぐ羽化するね、頑張れ。頑張れ」
少女の思いが届いたのか、そのサナギは、少しづつ羽を広げた。

それから、彼女は昆虫博士として、様々な賞を獲得したらしい。彼女は記者会見でこう話していた。
「あの時、あの子がちゃんと羽化してくれたから、私は今ここにいます。今はもう、この世にはいないけど、きっと見守ってくれているに違いありません」


お題 【デスゲーム】【年明け】【美しい】
課題 【血の表現なし】

きさと
p97230-ipoefx.ipoe.ocn.ne.jp

紅月麻美さん『虫好きの少女』の感想です。

現実性を半ば度外視したトチ狂った爽やかさがあって良いですね。微笑ましく可愛げがあります。

お題 【デスゲーム】【年明け】【美しい】
課題 【血の表現なし】


「生命のためのデスゲーム」のチラシが届いた。とある年末のことだ。俺は学生マンションに一人で暮らす大学生で、普段から自炊はせずコンビニやスーパーで食い物を調達したり割高な出前を取って怠けたりする優れ者なんだが、ある朝いつものように近所の自販機でコーヒーを買おうと外に出たとき、自室の郵便受けに真っ赤なチラシが押し込まれてるのを見たんだ。それは人ん家の郵便受けに入れられることをはなから想定してないような大判で、他の飲食店やら物件やらのチラシより少し分厚めの紙を使っててみっともなかった。ところが俺はそのチラシをつい郵便受けから取って目を通してしまったんだ:



 スーパーハイパーカンパニー主催
【注意! これはデスゲームのチラシです! 読まないで!】

 このチラシを読むことができたシアワセな皆さんへ、《生命のためのデスゲーム》のご紹介です。これはありふれたデスゲームとは全然違う良いデスゲームになっています。どう良いかと言うと、よくあるデスゲームが理不尽に人が死んだりして野蛮なのに対して、この生命のためのデスゲームは、人が一切死なないどころか、むしろ人が生まれるデスゲームなんです。え? どういうことかって?? 詳しく説明しましょう。まず、生命とはなんでしょうか? 私が思うに、生命とはこの青い地球を地球たらしめるシステムの一種であり、生命が生きるために生命は死に、生命が死ぬために生命は生きるんですよ。つまりですね、死ぬっていうのは別に怖いことじゃなくて、むしろ生きることの方が怖いんですね。で、生命のためのデスゲームっていうのは、その論理を逆に利用した部分がありまして、ゲームの内容があまりにも優しすぎるせいで、かえって死にたくなるという、画期的なところがあるんですよ。凄くないですか?
 以下が、具体的なゲーム内容です(私たちが考えました!)。

ゲームその①:階段から落ちないようにしようゲーム

ルール:階段を上り下りする。くれぐれも落ちないように気をつける。もし落ちちゃったらアウトで、こっぴどく怒られる。

ゲームその②:転ばないようにしようねゲーム

ルール:一旦外に出て公道を歩く。くれぐれも転ばないように気をつける。もし転んじゃったらアウトで、こっぴどく怒られる。

 実はゲームは他にもあるんですが、今日はここまで! 残りは実際に来てからのお楽しみですよ? ワクワクしますね。

日時:年明け
場所:ホテル
参加費:25,000円

 参加してくれた人全員にボールペンと美しい絵本をプレゼント! 待ってまーす!



 俺は生命のためのデスゲームに興味は湧いたが、興味が湧いただけだった。




お題 【深層】【狂想】【奔走】
課題 【特になし】

よろしくお願いします。

夜の雨
ai200037.d.west.v6connect.net

三語即興文です。

上の、三人様の感想を書いていますので、よろしくお願いします。

●ぷりもさん。
『海千山千』
なかなかいいですね。
いつのまにか逆転しています、詐欺の立場が(笑)。
御作には、怖さがあるのが効いています。
これは、謎めいているからだと思いますよ、知らない間に騙されているので。

●紅月麻実さん。
『虫好きの少女』

美しいお話ですね。

虫を羽化させるために宝くじから始めるとは。
話が「人(虫)助け」になっているところが、ミソですね。
それで少女は昆虫博士として成功する。

希望があり未来が見えます。

●きさとさん。
「タイトルはなし」ですね。

ラストに至る過程はしっかりと練り込まれています。
つまり「ごまかすため」に、構成(設定)されているところが、笑えますが。
わかりやすく言うと、「Aを説明しなければならない」のに「Bを説明して」結局は「Aを説明」していない。

なので、下記「C」のオチになるのは、当たり前ですね。
C>俺は生命のためのデスゲームに興味は湧いたが、興味が湧いただけだった。<


● 私の作品です。

お題 【深層】【狂想】【奔走】
課題 【特になし】

『霧』

永いあいだ逃げていた気がする。
それは記憶の奥深く【深層】にまで遡らなければ、なんだったのかはわからない。

おまえは自由だからいいよなぁ。

だれだ?

いつまで逃げているんだ?

ああ、そうか、君は、どこへ行くんだ?

【狂想】のなかへ行くと楽しそうなんだ。

いろいろ【奔走】すればいいさ、ものごとが、うまくいくようになるかも。

だと、いいがな。

あはは、霧の中から、とりあえずは出ることだな。
時の過ぎゆくままに
まかせて……。

ああ、君もな。

この坂道の向こうに、barはあるのか。
人魚の血を売っているbarが。

おまえ、永遠の人生を望むのか。

ああ……。

退屈だぞ、永遠の命なんて……。

そうか、やはり、先が見えない霧の中を歩いているほうが楽しいか。


   了


次のお題と課題。
お題【考え事】【ライブ】【ボタン】

課題【小悪魔を登場させる】


それでは、よろしくお願いします。

ぷりも
pw126034025125.24.panda-world.ne.jp

【三語即興文】
まずは感想から。一応念のため、感想義務は直前の作品で、あとは任意です。

麻実ちゃんの『虫好きの少女』
テンポよく進むのが良いのでは。スクラッチで、ほい10億円! はそういう世界観なのかと思って読みましたが、わりといい話なので、現実味を持たせて5万円くらいでも良かったかも?
あ、あと基本お題は名詞ですぞ。【美しい】は形容詞じゃっ!
と、まあ細かいことである。

きさと様『無題』
読みやすく、一般的なデスゲームとは異なるという導入で興味を持たせつつ、ラストの着地がよかったのでは。

夜の雨さま『霧』
コンパクトな中にお題消化が自然だったのでは。オチにそこはかとない哲学的なテイストを感じます。


んでわ、お題いただきます。
お題【考え事】【ライブ】【ボタン】

課題【小悪魔を登場させる】


『束縛の激しい女』

 ——蒼太の憂鬱
「ねぇ、ちょっと聞いてる?」
「ああ、ごめん。ちょっと考えごとしてて」
 話があると美雪を飲みにつれだしたものの、蒼太はなかなか切り出せず、ジョッキを傾けた。

「ふーん、そうだ! 来月、草津幻師全国ツアーだって。もちろんライブ行くでしょ?」
「ごめん、お金なくて」
「ちょっとー、どうしたの最近? 付き合い悪いじゃん」
 不機嫌な口調で迫る美雪に、蒼太はついに本題を切り出す。

「俺たち終わりにしよう」

「え? どういうこと? 私たちそもそもそういう関係じゃないじゃない。ただの友だちでしょ?」
「ぼ……がさ、」
「何? よく聞こえないんだけど。ボタン? 何のボタンよ」
「押しボタンじゃない。牡丹、5月に咲く花」


——牡丹の憂鬱
「あー、久しぶりに酔っ払ったー! 気持ちいー!」
「牡丹ちゃん、このあと二人で飲み直しに行こうよ」
 克樹は手を握るが、牡丹はそれを振り払った。
「やめて! 私はそんな軽い女じゃないの」
「軽い女って、ただ飲みに行くだけだよ」
「うそよ、男女の友情なんて存在しない。酒でも飲ませば男と女。ヤることはひとつよ。私の友だちだって、飲んだら成り行きでとかいって、さも自分は悪くないような口ぶりでみんなパンツを脱いだわ」

 牡丹がこのような信念を持ってしまったのは理由がある。全ては幼少期に父親が女性と商談に出かけた日。
「俺もそろそろ営業トップを飾って男を立てないと。厳しい条件だが腹を割って話せば分かってくれるはずだ。なんとしても我が社をねじ込まないとな」
 父は意気揚々と語って出て言ったが、接待の席で酒が入った二人はそのままホテルへ直行。

 別のところを立たせて、違うところを割って、そこじゃないところにねじ込んだのだ。

 以来、牡丹は男友達を作るも、その後ルックスに自信のある自分を性の対象としてみる彼らの視線に耐えきれず、ついに男友だち全員を切り捨てたのだ。

 文字数もあるので適当に端折るが、牡丹はその後、運命の人に出会う。それが蒼太。
「この人にならパンツを脱げる」

 そして二人は交際。牡丹はこれほど人を好きになったことはなかったが、一点だけ許せない所があった。

「ねぇ、蒼太。私のこと好き?」
「大好きだよ」
「私のこと降ったりしない?」
「牡丹みたいな素敵な人を捨てるわけないじゃないですか💋」
「蒼太、女友達っている? いるなら全部切って」
「え? いるけど、ただの友だちだよ」
「男女の友情なんて成立しないの! 私は全部切ったよ。蒼太はできないの? 私と女友だちどっちが大事なの?」
「牡丹の方が大事に決まってるじゃないですか💋」
「じゃ、できるね」


 ——美雪の呆れ
「なるほどね。彼女さんにそう言われたんだ。いいわもう連絡しない。最後くらい奢ってよ」
 美雪は席を立ち店を出た。

 ♪♪♪
 蒼太は牡丹からのメールを開いた。

「蒼太遅いよー! もうすぐ付き合って半年と一週間と2日と1時間50分記念だよ。忘れちゃったの? 私お腹すいたー」

 蒼太は素早くスマホを手繰り返信する。
「忘れるわけないじゃないですかー💋 すぐ帰ります」
 蒼太は会計を済ますとダッシュで愛の巣へと走っていった。


次のお題【星】【アイツ】【誘惑】
課題【寝たら最後な話】

ぷりも
pw126034025125.24.panda-world.ne.jp

誤字
×降る
⚪︎振る

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