作家でごはん!鍛練場
飼い猫ちゃりりん

憎しみの河

 序章・悲しみを超えて

 降り続いた雨がようやくやみ、秋の夜は不思議な静寂を湛えていた。
 奈津子の両親は堤防の決壊を心配したが、夜の10時に警報は解除され、少し水かさが増した程度の流れに変わっていた。
 奈津子は二階の子供部屋の二段ベッドの下段で寝ていた。上段は妹の佳代子の寝床だ。
 佳代子は姉と一緒に寝ることが好きだったが、その夜は腹痛を起こし、一階で両親と川の字になって眠った。
 奈津子は夢の中で水が流れるような音を聞いた。やがてそれは、サラサラという砂利の流れのような振動に変わり、彼女は突然目を覚ます。
 なんだろう?
 振動が急に激しさを増し、奈津子の体がベッドの上で小刻みに揺れた。
 明かりが消え、家が船のように揺れると、彼女は思わず悲鳴を上げた。
 揺れはすぐに収まり、不気味な静けさが訪れた。
 暗闇の中、彼女は階段を駆け降りたが、足を濡らす泥水に気づき、その場で立ち止まった。
 1メートル四方ほどの、どす黒い水面の下に家族がいる。
「お父さん! お母さん!」
 水面は分厚いガラス板のように冷たく、どんな叫びも通さない。
「佳代子! 返事をして!」
 11歳の奈津子に泥水に潜る勇気はなく、ただ泣き叫ぶしかなかった。
 誰がそれを責めることが出来よう。しかし、彼女は自分を責め続けた。

 土石流の発生から二日後、奈津子は仮設された安置所で家族の遺体を確認した。
 青いビニールシートの上に三人の遺体が並べられていた。両親の遺体はひどく傷ついていたが、幼い妹の遺体には傷ひとつなく、ただ眠っているかのように見えた。
「姉ちゃんだよ。起きて」
 何度呼んでも、妹が目を覚ますことはなかった。
「佳代子! 姉ちゃんを赦して!」
 しかし、彼女自身が自分を赦さなかった。
 あたしは妹を見捨てた……
 そのトラウマは悲しみを憎しみに変え、彼女は自分の処罰を望む。処罰とは一種の救済なのだ。
 親類が彼女を引き取らなければ、彼女は自分の手首を切っていただろう。

 奈津子を引き取ったのは牧場を営む親類であった。
 その牧場は祖父母と、奈津子の母の姉である叔母と、その夫の四人で営まれていた。
「今日からここは、なっちゃんの家だから」
「おばさん。お世話になります」
「思いっきり甘えていいからね」
 叔母夫婦には子供がおらず、ふたりには奈津子が我が子のように思えた。彼らは実の親以上の愛を示すと心に誓い、祖父母も優しい目で奈津子の成長を見守った。
 その甲斐あってか、奈津子に明るい笑顔が戻り、心の傷は、やがては癒えるものと思えた。

 第二章・クズどもの軌跡

 その翌年の夏、奈津子が住むその田舎町で事件が起きようとしていた。
 二人のチンピラが、駐車場で煙草を吸いながら店内の様子をうかがっていた。拓哉と慎吾が、コンビニを襲うタイミングをはかっていたのだ。
 拓哉という青年は、救いようのないクズだった。
 母親は若いころからアル中で、吹き溜まりのような安酒場に入りびたり、春を売って酒代を稼いだりした。
 彼女は赤ん坊をほったらかして呑んだくれ、眠っている拓哉を指差して、「お酒と交換してよ」と言い、客にからんだりもした。
 拓哉は父を知らず、母からはクズと呼ばれて幼少期を過ごした。
 一瞬たりとも愛されることなく育ったからか、ひどく短気で、こらえ性のない性格をしていた。
 彼はシンナーを吸い、万引きや恐喝に明け暮れた。
 ある日、拓哉は、肩が当たったと言って通行人をいきなり切りつけ、警察が出動する事態となった。
 その逮捕劇も、滑稽で愚かだった。
 彼はナイフ片手に狂犬のごとく吠えた。
「かかって来い、ポリ公! 刺されたい奴はどいつだ!」
「ナイフを捨てなさい!」
「馬鹿野郎! なめんじゃねえぞ!」
 ついに警官は拳銃を構えた。もちろん撃つ気などさらさらない。
「上等だ! 撃ってみろ!」
 拓哉はナイフを振り回したが、警棒で打ちのめされて身柄を拘束され、お決まりのレーンに乗った。
 彼は少年院でも、些細なことで騒ぎを起こしたから、慎吾以外に相手をする者はいなかったのだ。

 かたや慎吾という青年は、相棒とは真逆な性質を有していた。
 彼には本質を見抜く洞察力があり、知能検査でも高い数値を示した。だが、その知性を有益に使おうとはしなかった。
 彼の父は家庭をかえりみない遊び人で、パチンコに狂い、持ち玉が尽きれば幼い慎吾に玉拾いをさせた。
「このクズが。もっと拾ってこい!」
 何の冗談か知らないが、慎吾も相棒と同じように、親からクズと呼ばれて幼少期を過ごした。
 殴られて唇を切った慎吾は、ゴキブリのように店内をはいまわり、店員に注意されるまで玉を拾い集めた。
 慎吾の父は子供の愛し方を知らない。彼も親から虐待されて育ったからだ。結局、慎吾の父はよそに女をつくって出て行ってしまった。
 慎吾には美咲という二つ年下の妹がいた。
 母親は育児を放棄していたから、美咲の面倒はすべて彼がみた。美咲はそんな兄のことが大好きだった。
 しかし、給食や教材の費用までは、慎吾ではどうすることも出来なかった。
「お母さん。美咲が使うノートを買いたいんだけど……」
「あんた! 母さんに何の恨みがあるの! 顔も見たくない。とっとと出て行け!」
 母親は髪を掻きむしって声を上げた。慎吾は父の暴力以上に、母の金切り声を恐れていた。
 結局、彼は万引きに手を染めることになる。たまに店員に見つかったが、その場で叱られるだけで、警察や学校への通報はされなかった。

 慎吾は周囲から心の優しい少年と思われていた。
 数人のクラスメイト相手に殴り合いをしたことがあるが、それは彼がイジメを止めようとしたからだ。
 優しく、正義感もある彼であったが、ある事件をきっかけに人生の歯車が大きく狂った。
 彼が中三のとき、妹が河に身を投げて死んだのだ。
 いつも陰でいじめられていた美咲は、ある日工場の跡地にある倉庫に呼び出され、クズどもに取り囲まれて自慰を強要された。総勢十人ほどの少年少女が、笑いながら携帯をかざした。
 美咲は画像を拡散すると脅迫され、金がないなら稼ぐ方法を教えてやると言われた。
 彼女は勇気をふり絞って警察に行ったが、学校で相談しろと言われて帰されてしまった。
 しかし、学校での相談など無意味なのだ。教師は隠蔽しか考えていない。イジメを受けている生徒は皆そう思っていた。
 美咲はクズどもに言われるまま春を売り、ずるずると地獄にはまり込んでいった。
 それでも兄に相談をしなかった。いや、出来なかったのだ。
 慎吾は彼女が死んでから、日記の存在を知った。
「おじさんにホテルに連れて行かれた。やめてって言ったけど、無理矢理ベッドに寝かされた。兄ちゃん、助けて。でも、兄ちゃんに、こんなこと言えない。言いたくない……」
 そこから先は文字が涙でにじんでいた。
 慎吾は真相を知り、怒りと悲しみに打ち震えた。
 なんで俺は気づかなかったんだ。この糞野郎…… お前が死ね!
 加害者の親たちは、自殺の原因は美咲の家庭環境にあると口をそろえて証言し、学校と警察は事件化を見送った。
 イジメ事件は教育者のキャリアの汚点になるし、警察にとっても、少年事件は評価されない『美味しくない事件』だったのだ。
 慎吾は美咲が身を投げた河を見つめながら、彼女と過ごした日々を振り返った。妹の後を追って、流れに身を任せたいとさえ思った。
 しかし、やるべきことがあった。彼は憎悪を抱きながらも、冷静に復讐の機会をうかがった。
 主犯格の二人は、彼と同じ三年生の男女だった。
 彼は平静を装いながら二人の一部始終を観察し、二人が美咲を呼び出した倉庫でやっていることを突き止めた。
 彼は二人は卒業式の日も必ずヤルと確信し、式が終わると倉庫に先回りして待ち伏せをした。
 案の定、二人が現れてヤリはじめると、彼は鉄パイプを握りしめて絶好のタイミングをうかがった。
 女子は作業台の上で股を開いてあえぎ、男子は立ったまま腰を動かしていた。
 男子が女子の腹にまき散らした瞬間、その後頭部に鉄パイプが振り下ろされた。
 慎吾は男子がのたうち回っている間に、女子を後ろ手に手錠で固定し、ロープで作業台の脚に縛りつけた。
 そして男子の体に鉄パイプを何度も振り下ろすと、スポーツバッグから斧を取り出した。
「おい。まだ死ぬなよ」
 慎吾が男子の体を解体すると、床一面が血の海と化し、女子の方に振り向くと、口から血があふれていた。恐怖のあまり、自分で舌を噛みちぎったのだ。
 慎吾は女子の前髪をつかんで言った。
「どうだ? 気分は」
 彼女は血の泡を噴きながら命乞いをした。
「俺の妹は、お前らに殺されたんだ」
 慎吾がナイフで彼女の喉元をえぐると、鮮血が流れ落ち、胸から下腹部までを赤く染めた。
 慎吾は死にゆく姿を眺めながら煙草を吸い、妹を救えなかった自分を責めた。
 俺が間抜けだから、美咲は死んだ……
 彼は吸いかけの煙草を握りしめた。手のひらを焼く火でさえも、悲しみを打ち消すことは出来なかった。
 彼は自ら出頭して身柄を拘束され、拓哉と同じようにお決まりのレーンに乗った。
 妹の後を追って、河に身を投げようとさえ考えた慎吾だったが、少年院で自殺を図ることはなかった。
 同じ様な境遇で育った者がたくさんいたし、なんと言っても、拓哉との出会いが大きかった。
 それは昼食のときのこと。
「おい。この肉を食ってくれよ」と拓哉は慎吾に言った。
「いいのか?」
「こんな安い肉は食えねえんだよ。俺は上流階級の出だからな」
「本当か?」
「見りゃ分かるじゃねえか」
 慎吾はクスクスと笑った。
「馬鹿野郎! 俺はセレブなんだ!」
「そうだな。確かにセレブだ。でも悪いから、俺の飯を半分食ってくれよ」
「おう、悪いなぁ。やっぱ米が一番だぜ」
 慎吾は拓哉といると不思議に心が休まった。拓哉には裏表がなかったからだ。ただ、裏表がないと言うより、裏表を作れなかったのだ。彼は裏表を作る前に爆発してしまうから。

 滑稽なまでに愚かな拓哉。一瞬も愛されたことがない拓哉。ある意味において、慎吾以上に不幸な存在だった。
 そんな彼を慎吾は不憫に思い、憎しみを募らせたのだ。
 社会への復讐。その冷たい炎を胸に秘め、慎吾は生き続けることになる。

 第三章・愚か者の所業

 そんな過去を背負った二人のチンピラが、奈津子12歳の夏の日、彼女が住む田舎町で事件を起こそうとしていた。
 二人が狙っているコンビニは、片田舎で競争相手が少ないからか、なかなか繁盛していた。
 彼らはクソみたいな過去を振り返りながら、客が消えるのを待っていた。
 拓哉は慎吾に言った。
「あの野郎、検査だとか言って俺のケツの穴に指を入れやがった。ありゃ絶対奴の趣味だぜ。きっと股間を大きくして、喜んでやがったんだ」
 慎吾はげらげらと笑った。
「いいじゃねえか。けつの穴くらい貸してやれよ」
「馬鹿野郎! いつかあいつ、ぶっ殺してやる!」
「おい、客がいなくなったぜ。そろそろやるか」
「おう。派手に行こうぜ」
「いや、ちょっと待て」
 小さな女の子がまだ店内にいた。
「ガキなんて気にするな」
「だめだ。あの子が行ってからだ」
「じれってえなぁ」

 女の子が店から出て行くと、彼らは煙草を投げ捨てて目出し帽をかぶり、店に入って若い店員にナイフを突きつけた。
「じっとしてろ」
「長生きはするもんだぜ」
 拓哉がナイフで威嚇している間に慎吾がレジの金を奪った。
「おい慎吾! ポップコーンも頼むぜ!」
「そんなもん、どうでもいい! 行くぞ!」
 拓哉は「サツを呼んだら殺すぞ!」と若者を脅すと、ポップコーンを鷲掴みにして店を出た。
 二人がアクセルをふかすと、カラーボールが拓哉のバイクの横で弾け、彼のスニーカーを塗料で汚した。
 拓哉はバイクから降りるとリュックからバールを出した。
 慎吾は「ほっとけ!」と言ったが、拓哉は完全に切れていた。
「いくらしたと思う? ディオールだぞ!」
 慎吾は皮肉混じりに笑った。
「いくらした? どうせ盗んだ金だろ」
「うるせえ! あの野郎。頭叩き割って脳みそを踏みつぶしてやる」

 警察は二人をすんでのところで取り逃がし、県下に緊急非常配備を敷いた。
 慎吾は目立たぬよう走ろうとしたが、拓哉はマフラーを派手にふかした。しかも、鼻歌混じりにだ。
「盗んだバイクで走り出す。行き先も、分からぬまま〜」
 パトカーのサイレンが山あいの静けさを切り裂き、うるさく響く蝉の声さえかき消した。

 第四章・惨劇の夜

 その日の晩も、奈津子が身を寄せる酪農家の食卓はにぎやかだった。
 叔母夫婦は実の親以上の愛を示すと心に誓っていた。二人は子宝に恵まれなかったから、奈津子が我が子のように思えたのだ。
 だが奈津子は、それに甘えようとしなかった。
 彼女は箸を置くと、祖父に言った。
「なんでもやります! 他人と思って下さい!」
 祖父は笑みをこぼした。
「よし! 朝五時から牛舎で働け!」
 叔母が怒った。
「なっちゃんはまだ小学生よ。意地悪ね!」
 彼女の夫が言った。
「お父さんは冗談を言ったんだよ」
 そのとき「バタン!」とドアが閉まる音が響いた。
「あらいけない。鍵を掛けるの忘れたかしら」
「おばさん。あたし、見てきます」
 奈津子が玄関にゆくと、分厚い木のドアが風に揺れており、ドアノブを持って閉めようとすると、カサカサと草の擦れる音が聞こえた。
 外に出て見回していると、メリーの鳴き声が聞こえた。
 メリー、どうしたの?
 メリーとは母牛と生き別れた雌の子牛である。
 奈津子とメリーは出会った瞬間に心が通じ合った。互いに傷ついていたが、奈津子はメリーを妹のように可愛がり、メリーも彼女に心を開いた。
 彼女がメリーの元に行こうとすると叔母の声が聞こえた。
「なっちゃん! 誰か来たの!」
「誰もいません! でも、ちょっと牛舎を見てきます!」
 メリーは奈津子の姿を見ると鳴き止んだ。
「大丈夫だよ。あたしが守ってあげるから」
 彼女はメリーの頭に頬ずりをし、おでこに口づけをした。

 奈津子がドアに鍵を掛けて居間にもどると、七時のニュースがコンビニで起きた事件を伝えていた。
 祖母は箸をとめると祖父に言った。
「あれ、あんたがお酒を買う店よ。こんな田舎なのに物騒だねぇ」
 ニュースは若い店員の死を伝え、防犯カメラが捉えた犯人たちの映像を流した。
 そのとき牛たちの鳴き声が響いた。
「ちょっと見てくるから食べていてよ」
「おじさん。あたしも行きます」
「ひとりで十分だよ」
 彼が食卓を離れると、叔母はまた自分の父に文句を言った。
「小学生に朝の作業ができるわけないでしょ」
「わかってるよ。しつこい奴だな」
「あんたに似たのさ」と祖母が皮肉を言うと、牛たちの騒ぐ声が遠くから届いた。
「なにかしら? 見てくるわ」
「おばさん。あたしも手伝います」
「なっちゃんはいいの。ご飯を食べていてね」
 そう言い残し、彼女も食卓を離れた。

 歌番組の最初の演歌が終わると、祖父は味噌汁を勢いよく飲み干し、お椀をことんと置いた。
「奈津子。酪農が好きか?」
「はい。動物が好きなんです」
「メリーか?」
「メリーも、ほかの牛たちも大好きです」
「酪農はきついから、まだ無理だな」
「どんな試練も乗り越えてみせます!」
 12歳とは思えぬ受け答えに、祖父はほとほと感心した。
 そのとき木材のきしむ音が響き、居間のドアが少し開いた。
「お疲れ様。牛舎でなにがあったんだ?」
 ドアの向こうから返事はなかった。
「なにしてるんだ? 早く入ってこいよ」
 ドアの向こうは暗く、明るい部屋からでは逆光になり、何も見えなかった。だが奈津子は不穏な気配を感じ取っていた。
 二匹の獣が手を振りながら笑っていたのだ。
 不気味な声が聞こえた。
「なっちゃん。試練が始まるよ。なっちゃん……」
「誰なんだ!」と祖父が怒鳴ると、木のドアが全開し、クズどもが居間に入ってきた。
「なんの用だ!」
「めし食わせろよ」と拓哉が言い、慎吾はビールはあるかと祖父に聞いた。
「娘たちに何をした!」
「さあな」
 拓哉はガツガツと料理をむさぼった。
「いいもん食ってやがるなぁ。畜生」
 慎吾は鎮静系の錠剤をつまみにし、静かにビールを飲んでいた。すると警察が犯人を特定したとのニュース速報が流れた。
 慎吾は錠剤を噛み砕き、拓哉は食い物を口に入れたままテレビに注目した。
 メインキャスターは、二人の容疑者は未成年だから氏名は公表できないと言い、社会部の記者とやらがコメントを述べた。
「少年の人権は十分尊重されるべきです。だからと言って、何をしても赦されるわけではありません」
 正論である。しかし、憎しみに支配された者には、なんの効力もない。
 拓哉は慎吾に聞いた。
「俺たち死刑かな?」
「だろうな」
「でも未成年だぜ」
「三人じゃ無理だろ」
 そのときパトカーのサイレンが遠くで鳴り響き、それを聞いた祖父が罵倒を始めた。
「人殺しめ! 少年だから赦されると思うなよ!」
 慎吾は老人に言った。
「赦して欲しいなんて言ってないよ」
「クズどもめ!」
 クズ…… それは彼らが自分の親から散々浴びせられた言葉だ。
 慎吾はため息をつき、奈津子に聞いた。
「なっちゃん。君はメリーが好きなんだよね?」
「メリーは、あたしの妹なの」
「どうして?」
「あたしの妹は泥水に呑まれて死んだの。だから、今はメリーが妹」
「そうなんだ……」
 慎吾はうつろな目で奈津子を見つめた。
「実は、お兄さんにも妹がいたんだ。彼女も死んじゃったけどね」
「どうして?」
「ひどいイジメに遭ったんだ。誰も助けてくれなかった」
「先生は?」
「学校も警察も見て見ぬふりさ」
 慎吾はしばらく黙り込むと、何かを思いついたように奈津子に聞いた。
「ところで、君はメリーの運命を聞いているの?」
「運命?」
「やはり聞いてないのか」
 そこで拓哉が口を挟んだ。
「ステーキになって食われるんだ」
「おい、拓哉」
 その目に拓哉は怖気づいた。
「なんだよ」
「納屋に斧があっただろ。持ってきてくれよ」
「なにするんだ?」
 慎吾はメリーの運命を、分かりやすい形で再現した。奈津子は耳をふさいで目を閉じたが、老人の悲鳴が微かに聞こえ、鈍い振動が体に伝わってきた。
 慎吾はことを終えると、台所から濡れタオルを持ってきて、奈津子の正面に座った。
「目を開けてもいいよ」
 奈津子が目を開くと、慎吾が彼女の目を見つめていた。
「お兄さんの顔しか見ちゃだめだからね」
 慎吾は奈津子の体に飛び散った血を、濡れタオルで丁寧にふき取ると言った。
「なっちゃん。君の試練が始まった。乗り越えるには、憎しみを捨てるしかない。お兄さんには出来なかった。君はできる?」
「うん」
「そうか。良かった」
 慎吾は奈津子を抱きしめて震えた。気づけば、彼は奈津子を守りたいと思っていた。
 しかし、彼の知性は冷酷な現実を否応なく理解した。
 美咲を守れなかった俺が、この子を守る? ふざけるな……クズ野郎。

 第五章・憎しみの溶解

 事件から二十四年が過ぎ、奈津子は36歳の主婦になっていた。
 夫と一人娘の三人家族。一見幸せな家庭に見えたが、奈津子の心は血を流し続けていた。
 彼女は今も残酷な運命を呪っていた。
 なぜ、こんな目に遭わなくてはいけないの? お父さん、お母さん。佳代子…… この声が聞こえる? 一緒に死んだほうが、幸せだった。
 あたしを愛してくれた人たちは、みんな殺された。ああ、メリー、生きているの? 死んだらまた会えるかな?
 でも、だめ。あたしには守らなきゃいけない人たちがいる。

 奈津子は片時も慎吾の言葉を忘れなかった。
 試練を乗り越えるには、憎しみを捨てるしかない……
 慎吾の運命が、憎しみは破滅しか生まないと教えてくれた。しかし彼女の心には今も、激しい憎しみが渦巻いている。
 彼女は赦すことで、憎しみを断とうとした。しかし、それはあまりに辛く、時に封印された憎悪が顔を出した。でも彼女は試練に耐え続けた。すべては家族のために。

 なんと、奈津子は死刑に反対した。
 事件当時12歳だった彼女の名は伏せられたから、名指しでの非難はなかったが、犯罪を助長するとの声が多く上がった。しかし、彼女の意志は固かった。
 被害者遺族Xの意志が死刑反対運動に勢いを与え、当局が刑の執行をためらうと、死刑囚の一人である拓哉は手を叩いて喜んだ。
 彼は面会に訪れる支援者たちに、いつも愚痴っていたのだ。
「俺がやったのはコンビニの兄ちゃんだけだ。牧場で一家を皆殺しにしたのは慎吾だぜ。二人以上が死刑の相場だろ? なら俺が死刑になるなんて、おかしいじゃないか」

 しかし、慎吾は相棒とは真逆な意志を表明していた。彼は死刑反対運動に反対した。
 奈津子は幾度も刑務所に書簡を送り、愚かなことはやめてほしいと訴えた。
「私はもう、あなたを憎んでいません。お願いだから生きてください」
 だが返信には頑なな意志が綴られていた。
「なっちゃん。もう死刑に反対しないで欲しい。俺は死にたい。でも自殺はしない。俺は偽善者どもに殺しをさせるつもりだ。そうなれば奴らも殺し屋だからな」
 悲しくも愚かな復讐だった。

 慎吾の説得は秘密裏に行われた。奈津子は家族の目に触れないよう、局留めで書簡のやりとりを続けていた。
 慎吾が生まれ育った境遇を知るたびに、奈津子の中の憎しみは少しずつ溶けていき、やがて悲しみに変わっていった。
 慎吾は奈津子を、自分の妹の分身のように思っていたから、彼は死んだ美咲のことや、自分が犯した復讐について赤裸々に綴った。
 彼は奈津子に自分のようになって欲しくなかったから、憎しみの恐ろしさを伝えようとしたのだ。

 実は、奈津子の他にもうひとり、慎吾からの書簡を読んでいる者がいた。
 その者はひっそりと手紙に目を通し、慎吾の過去に己の現在を重ね合せた。
 復讐の否定は卑怯者の言い逃れ。愛する者に対する裏切り。その者には、そうとしか思えなかった。

 第六章・踏みにじられた官能

 綾香は奈津子の一人娘である。
 彼女は中一の春に美術部に入り、すぐ突出した存在となった。彼女は媚びることが嫌いで、周囲に合わせようなんて気はなかったから、部活はおろかクラスでも常に浮いた存在だった。
 中二の春、一人の女子が綾香の前に現れた。それは運命的な出会いだった。
 麻弥(まや)はおどおどしながら教壇に立ち、クラスメイトに挨拶をした。
「よろしく、お願いします……」
 淡い花びらのように存在が薄く、綾香でさえも、彼女の才能にしばらく気づかなかった。
 彼女は美術部に入り、綾香を驚かせた。綾香は自分を超える才能に初めて出会ったのだ。
 綾香の絵は病的なまでに写実的で、妥協を許さぬ性格がにじみ出ていた。
 かたや麻弥の絵は、牧歌的な光に包まれており、その穏やかな性格をうかがわせた。
 素人の評価は圧倒的なものに傾きがちだ。だが天才は天才を理解していた。
 綾香は晩飯時に奈津子に言った。
「お母さん。凄い子が転校してきたの。あたし、その子と友達になるつもりよ」
「なら家に遊びに来てもらったら」
 綾香はキャンバスに向かう麻弥に声をかけた。
「上手だね。あたしなんて足元にも及ばない」
「そんなことないです。綾香さんの絵、とても素敵です」
「さん付けなんてやめて。綾香って呼んで」
「あやか……」
「麻弥。次の土曜、あたしの部屋で一緒に絵を描こうよ」
 こうして綾香の部屋は、ふたりのアトリエとなった。

 彼女たちは絵ばかり描いていたわけではない。好きな小説や将来の夢などを語り合った。そして恋についても。
「麻弥は好きな子がいるの?」
 麻弥は何も答えなかった。
「ねえ。教えてよ」
「いないと思う。綾香は?」
「えっ、あたし?」
 綾香は一瞬言葉に詰まり、「あたしも、いないと思う」と慌てて取り繕った。
 麻弥は「本当に?」と言い、澄んだ瞳で綾香の目を見つめた。
 綾香は観念した。麻弥の知性を欺けても、彼女の感性を欺くなんて出来るはずがない。
「麻弥。あたしが好きな人はね……」
 すると麻弥が言葉を遮った。
「綾香。ごめん。あたし、嘘を言った。本当は好きな人がいるの」
「だれ?」

 夏休みに入ると、ふたりはクーラーの効いた部屋で大胆な手法を採用した。
「麻弥。あたしを描いてくれる?」
「うん」
「服を脱いでもいい?」
 麻弥は綾香の『肉体』を正確なタッチで描いた。麻弥の眼差しは肉体の表面から、その奥底にある実体を正確に捉えた。
 麻弥は描き終わると言った。
「あたしも描いて欲しいの」
「わかった」
「綾香。綺麗に描かないでね。嘘はいやよ」
「麻弥、あたしがそんな間抜けだと思う?」
 彼女たちは十四歳にして官能を知った。それは人間の手垢にまみれていない、純粋な情熱だった。

 夏休み明けのある日、麻弥のカバンからA4のスケッチブックが消えた。
 そこには綾香の裸体が描かれていた。そのデッサンは麻弥が想像に任せて描いたものだ。肉体はおろか、心まで描いたようなデッサンで、麻弥はそれを綾香に贈るつもりだった。言葉では届かない何かを絵に託して。

 麻弥はカバンの中にノートの切れ端を見つけた。
『返して欲しいなら、明日の放課後、一人で体育館の倉庫においで。来なければ、絵をコピーして学校中にバラまくからね』
 麻弥は綾香に相談をしなかった。
いや、出来なかった。
 あたしは、なんて馬鹿なんだろう。綾香の裸をカバンに入れて、教室に放置しておくなんて……
 麻弥は自力で解決しようとしたが、ゴミクズどもが彼女を待ち受けていた。
「よく来たわね」
 その女はマスクとサングラスで顔を隠していたが、同じクラスの女子だと声で分かった。彼女も美術部だが、彼女を歯牙にも掛けない綾香を心底憎んでいた。綾香を傷つけるために麻弥を狙ったのだ。
「お願い。スケッチブックを返して」
「これがそんなに大切なの?」
 彼女は麻弥の足元にそれを投げ捨てた。
 麻弥がスケッチブックを拾って倉庫から出て行こうとすると、五匹の獣が行く手を塞いだ。全員仮面を付けていたが、クラスの男子だと声で分かった。
 彼らは麻弥の腕をつかみ、服を引き裂くと、四つん這いにさせてその手足を押さえた。輪姦されて泣き叫ぶ麻弥の口に肉棒がねじ込まれ、その様子を鬼畜女子がスケッチブックに描いていた。
「もっと口を開けろ」
「おいおい。顎が外れんじゃねえのか?」
 彼らはげらげらと笑った。
 「歯を立てんじゃねえ!」
 その瞬間、拳が振り下ろされた。鈍い音が響き、麻弥の鼻から噴き出した血が、倉庫の床に赤いしみを作った。
「あーあ、こいつ鼻いったな」
「早く血を拭け!」
「このまま返したらバレるぞ」
「兄貴に頼んで車を回してもらうから、マットの袋をはがせ」
「なんで?」
「馬鹿野郎! このまま乗せたら車が汚れるだろ!」

 翌日の早朝、麻弥の携帯からメールが届いた。
『郵便受けを見て』
 綾香は郵便受けから麻弥のスケッチブックを取り出すと、何度も彼女の携帯を鳴らした。しかし、いくら呼んでも彼女が出ることはなかった。
 信じられないことに、麻弥の死は自殺として処理された。遺書もないのにだ。
 犯行を疑われた少年の中に、地元を牛耳る政治家の孫がいたからだ。
 殺人の可能性は無視され、まともな検死すらされず、鼻骨の損傷は河への落下が原因とされた。
 綾香は犯人が分かっていた。クズどもは綾香を横目で見ては、明からさまに笑っていたのだから。
 やがて綾香は、クラスの誰もが、自分の方を見てニヤニヤと笑っていることに気づいた。麻弥が描いた綾香の裸体が拡散されていたのだ。
 それでも綾香は学校に訴えようとはしなかった。教師は隠蔽しか考えていないし、そんなことをすればクズどもは警戒をする。
 綾香は両親にも相談しなかった。
 父に相談すれば担任に相談しろと言うだけだし、母は人を憎んではいけないと口癖のように言っていた。
 綾香は麻弥のスケッチブックを机の引き出しの奥にしまった。
 麻弥。仇をとってあげるからね……

 第七章・憎しみの継承

 麻弥の死からほどなくして慎吾の元に薄い封書が届いた。封を開けると、一枚の便箋に奈津子の筆跡で書かれていた。
『一度だけ面会してください。それでもあなたが死を望むなら、私はあきらめます』

「彼女」が指定された時刻に面会室に入って待っていると、やがて慎吾が目の前に現れた。
 二人はアクリル板越しに互いを見つめ合った。
 なぜか彼女は薄いサングラスを掛けたまま黙っていた。だから慎吾から話し掛けた。
「俺の意志が変わることはない。だから、もう死刑に反対しないで欲しい」
 すると彼女はサングラスを外して小さな声で言った。
「あたしが誰か分かる?」
 奈津子の顔は慎吾の脳裏に焼きついていた。ただ不思議なことに、その顔は少女のままだった。
「君は誰だ?」
「やっぱり、お母さんにそっくりなのね」
「君は彼女の娘なのか?」
「小さな声で話して。看守に聞こえるから。筆跡を真似して免許証を偽造したの。録音もされてないわ」
「なんの真似だ。看守を呼ぶぞ」
 綾香は彼の目を見つめた。
「あたし、知っているのよ。あなたが優しい人だって」
「ガキが知ったような口を聞くな」
「あなたがした復讐のことも知っている。あなたは妹の美咲さんをとても愛していた。あたし、あなたの気持ちがよく分かるわ」
「黙れ。お前に何がわかる」
「お願い。ひとつだけ教えて。そしたら、すぐに帰るから」
「何が聞きたい?」
「復讐したことを、後悔してる?」

 綾香が林間学校に出発する日の前夜、奈津子は海外にいる夫と電話で口論をしていた。
 奈津子は綾香を林間学校に行かせたくないと言ったが、夫は耳を貸さなかった。
「お願い、分かって。どうしても行かせたくないの」
「なぜ?」
「なにか悪い予感がするの」
「なに馬鹿なこと言ってるんだ」
 いつの間にか綾香がそばに立っていた。
「お母さん。あたし、みんなと仲良くなりたいの」
「でも……」
「奈津子。そこに綾香がいるんだろ。代わってくれ」
 奈津子は娘に受話器を渡した。
「綾香。一人で絵ばかり描いてちゃいけない。気持ちを切り替えて、新しい友達を作りなさい」
「うん。そうする」
「持ち物は全部用意したのか?」
「大丈夫。準備はもう出来ているわ」
 指定された持ち物はもちろんのこと、綾香はカレーに入れる特別な食材を用意していた。わざわざ郊外の山奥まで足を運んで採ってきたのだ。

 翌日は朝から青空が広がり、絶好の遠足日和となった。
 紅葉を迎えた渓谷で飯盒炊爨をし、キャンプ場の近くで合宿する予定だ。
「みんなでカレーライスを作るのよ」と綾香は嬉しそうに言った。だが彼女は香辛料にアレルギーがあった。
「あなた、カレーなんて食べて大丈夫なの?」
「あたしは作るだけ。美味しいカレーを作って、みんなに食べてもらうの」
 あることが奈津子の不安を駆り立てていた。綾香の机の引き出しの奥にあったB5のノートだ。
 綾香の裸体が描かれたスケッチブックの下に、B5のノートはあった。教室の風景が描かれていたが、クラスメイトの顔に目が無かったのだ。
 あの子はクラスの子たちを憎んでいる。合宿に行きたがるなんて、どう考えてもおかしい……
「綾香。やっぱり何か悪い予感がするの」
「大丈夫。心配のしすぎ」
 綾香はテーブルにつくと、白い皿に乗った目玉焼きを箸で食べ始めた。
「お母さん。フォークとって」
 食器棚からフォークを取り出し、テーブルの方に振り向いた瞬間、奈津子はそれを手から落とした。
 朝のニュースが、十八歳の時に逮捕された二人の死刑囚の最期を伝えたのだ。
 奈津子はがっくりと床に崩れ落ち、両手をついて泣いた。
 致命的な瞬間であった。奈津子は赦す相手を永遠に失い、綾香には処刑された者たちが犠牲者に思えた。
 奈津子が顔を上げると、綾香が目の前に立っていた。
「お母さん。何があったの?」
「なんでもないの。気にしないで」
「お母さんは、なにか恐ろしい経験をしたんじゃないの?」
「なに言ってるの! そんなことないわ!」
「そう。なら、あたしの思い過ごしね」
 綾香は涙を浮かべる母をじっと見つめた。
「お母さん。どうしても行かなくちゃいけないの」
 綾香は大きなリュックを背負って部屋から出て行った。

 その日の午後、奈津子が洗濯物をたたんでいると、学校から緊急のメールが入った。
『林間学校で大規模な食中毒が発生し、警察と救急隊が来ています。詳細は追って連絡します』
 テレビをつけると、黄色いテープが張り巡らされたキャンプ場が映し出された。
 騒然とする現場を背景に、若い女のリポーターが早口で状況を伝えていた。
「カレーを食べた生徒たちが救急搬送されました。すでに十七名の生徒が亡くなり、まだ死者は増える模様。警察は毒物混入事件として捜査を開始しました」
 電話は繋がらず、奈津子はメールを送った。
『綾香、大丈夫なの?  カレーを食べたの?』
 すぐに返信が来た。
『作っただけだから心配しないで』

 トリカブトの粉末がカレーの中から検出された。それは犯行現場周辺の森にも自生していたが、犯人がそれを採取してキャンプ場へ侵入したり、生徒が森に採りにいったとは考えにくい。そんなことをすれば、簡単に目撃されてしまうからだ。
 引率した学校関係者は全員調べられたが、誰にも動機がなかった。いじめの報復という線でも捜査は進められたが、容疑者は多数にのぼった。
 ただし、綾香の名前は早い段階から浮上していた。
 被害者は彼女のクラスに集中しており、彼女がクラスメイトを憎んでいたという証言を、警察は複数の生徒から聴取していた。

 最終章・憎しみを超えて

 事件から一カ月後、一台の捜査用車が奈津子の家の横で止まった。
 ベテランの刑事はダッシュボードに駐車禁止除外車証を置き、若い刑事に指示を出した。
「お前だけで行ってこい。二人で行ったら相手に構えられるからな」
「わかりました」
「さりげなく娘の部屋に入れて欲しいと言え。くれぐれも無理をするなよ」
 若い刑事は奈津子の家のインターホンを鳴らした。
「どちら様ですか?」
「警察です。少しお聞きしたいことがあるんですが」
 奈津子がドアを開けると、背広姿の若者が警察手帳を見せた。
「警視庁捜査一課の稲垣といいます。綾香さんのことで、少しお聞きしたいのですが」
「なんでしょうか?」
「ここではなんですから、上がらせてもらっていいですか?」
 奈津子は彼を居間に通すと、熱いコーヒーを出した。
「娘が何かしたんですか?」
「いや、綾香さんがってわけじゃないんです。例の事件のことで、生徒全員の自宅を周っているんです」
「そうですか」
「事件のことで、綾香さんは何か言ってませんでしたか?」
「あの子は香辛料にアレルギーがあるんです。だからカレーを食べなかったんです」
「ええ知ってますよ。綾香さんを疑っているわけじゃありません」
「家で事件のことなんて話しません。暗い気持ちになるので」
「そうですか。もし良ければ、ちょっと綾香さんの部屋を見せてもらえないですか? 無理なら結構ですが」
「いえ。別に構いませんが」
 彼は部屋に入ると、壁に張ってある絵に注目した。
「綾香さんは絵が上手なんですね」
「あの子は美術部だったんです」
「今は違うんですか?」
「周囲に馴染めなくて、辞めてしまったんです」
「そうなんですか。いや、それにしても上手だなぁ。自分も学生のころ絵を描いていたんです。でも、とてもかなわない。綾香さんはきっと天才ですよ」
「いえ、そんなことは」
 彼は机の上の分厚いスケッチブックに触れた。
「見てもいいですか?」
「ええ。どうぞ」
 彼は描かれた人物を確かめながら、ゆっくりと紙をめくった。
「これはお母さんですね」
「はい」
「見事に特徴をとらえてますよ。この男性は?」
「それは夫です」
「ご主人の絵が少ないですね」
「主人は海外に赴任しているんです。それに仕事だけの人だから、絵のモデルなんて」
「そうですか」
 ほとんどが奈津子の肖像画で、たまに父親や俳優の絵があった。
 やがて絵は途絶えて白紙が現れたが、それでも彼は紙をめくり続けた。すると最終ページ近くで、暗い目をした男の肖像画が現れたのだ。
「これは誰ですか?」
 奈津子がその男と対面したのは二十四年前。当時彼は十八歳で、奈津子は十二歳。顔つきは変わっていたが目つきは昔と同じ。当時は憎しみに満ちた目をしていたが、今は悲しみが勝っている。
 綾香は悲しみが氷結したような彼の眼差しを、たった一度、それも数分しか会っていないのに、見事に描き切っていた。
 奈津子は息を呑んだ。
 あの子は知っている……
 急に目眩がして床に崩れ落ちた。
「奥さん! 大丈夫ですか!」
「貧血がひどくて」
「すみません。立たせたままで」
「その男の人、知りません……」
「いいんですよ。誰かの写真を見て描いたのかもしれませんし」

 彼は奈津子をソファーに寝かせた。
「突然お邪魔してすみませんでした。今日のところは、これで失礼します」
 彼は一礼し、ドアを閉めて出ていった。

 奈津子は綾香が自分の過去を知っていることを悟った。もう隠すことに意味はない。
 その夜、奈津子は娘にすべてを打ち明けた。
「母さんは、あの事件を忘れたかった。一瞬たりとも思い出したくなかった。でも、すぐに憎しみが渦巻いて、気が狂いそうになった。そのたびに、あの人の言葉を思い出した。試練を乗り越えるには、憎しみを捨てるしかないって。母さんは赦すことで、憎しみを断ち切ろうとした。家族を巻き込みたくなかったから……」
 涙が頬を伝い、言葉はそこで途切れた。
「お母さん。明日、警察に連れて行って」
「だめ! そんなことをしても、亡くなった子たちは戻らないのよ!」
「なら、あたし一人で行く。ごめんね。お母さん」
 奈津子は、迫り来る憎しみの激流を予感した。だが、たとえそれに呑まれても、娘の手は決して離さない、そう心に誓ったのだ。
 その夜、奈津子は綾香と一緒に寝た。
 眠れなかった。いや、眠りたくなかった。娘を抱いていれば、幸せを感じることが出来たから。
「綾香、ごめんね……」
 娘は母のことを思い、その温かい腕の中で、静かに泣いていた。

 終わり

憎しみの河

執筆の狙い

作者 飼い猫ちゃりりん
14-133-219-4.area1a.commufa.jp

原稿用紙約39枚の作品です。よろしくお願いします。
章で分けると読みやすくなるんですね。

コメント

ぷりも
pw126253102057.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】
拝読しましたというか前読んだ。相変わらず変わり映えのしない雑な推敲お疲れ様でございます。SMAPのメンバーの名前使ってるやつだね。

さて、馴れ合い褒め合いを嫌う飼い猫パイセンにはビシーンビシーンといくよ!

>サラサラという砂利の流れのような振動に変わり、彼女は突然目を覚ます。

まずここだ! およそ日本人なら使わないような言葉のチョイス。砂利をサラサラと例えるひと初めて見た。さらにそれが振動を修飾しているのだから話にならない。


日本語は苦手かい?


>明かりが消え、(略) 暗闇の中、彼女は階段を駆け降りたが、足を濡らす泥水に気づき、その場で立ち止まった。
> 1メートル四方ほどの、【どす黒い水面の下に】家族がいる。

暗闇の中、どす黒い水面の下に家族がいることが視認できるとはフクロウ並みの夜目ですな。


さて、雨は止み警報解除。にも関わらず堤防が決壊したのは地震かと思いきや土石流。
土石流って、山の渓流で起きるものでしょ。堤防があるような下流ではおきません。そもそもその土砂どこからくるんですか? 山の斜面が崩れて流れてくるんでしょ? そんな下流までこないでしょ。フツーに考えて。


>土石流の発生から【二日後】、奈津子は【仮設された安置所】で家族の遺体を確認した。
 青いビニールシートの上に三人の遺体が並べられていた。両親の遺体はひどく傷ついていたが、幼い妹の遺体には傷ひとつなく、【ただ眠っているかのように見えた】

周辺一帯は一階が浸かるほど水浸し。遺体引き上げにも時間がかかる上に仮設安置所。
眠ってるような状態なわけないでしょ。大丈夫ですか?

一旦ここまで

ぷりも
pw126253099103.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】
色々書き忘れた💦
そういや、作品対決の質問って返答ないまま音信不通になったもんだから心配したっすよパイセン。元気してました?

奈津子は二階。水浸しの一階には降りられない。ここから仮設安置所にとんでるんっすけど、自衛隊とかが二階からボートで救助にかけつけたってことで合ってますかパイセン?
水がひいたなら、仮設安置所で対面するのはおかしいっすよね。


>奈津子の【母の姉】である叔母

それなら叔母じゃなくて伯母でしょ。何年物書きやってるんっすかパイセン。

つづく

飼い猫ちゃりりん
sp49-96-238-221.msc.spmode.ne.jp

ぷりも様
いつもありがとうございます。
本当に遠慮はいらないので、心に響くピシーン!ピシーン!をお願いします。

飼い猫ちゃりりん
sp49-96-238-221.msc.spmode.ne.jp

ぷりもさん。
伯母さんですね! そこは全く意識していなかった。ありがとう。どっちでもいいので母の妹さんでいきます。

飼い猫ちゃりりん
sp49-96-238-221.msc.spmode.ne.jp

ぷりもさんは、土石流と土砂崩れを混同していないですか?
全然違う災害なので。市街地まで到達する土石流もありますが。

ぷりも
pw126253122031.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】
パイセンはズレてるので、心響かせようとは思ってないっす。おかしなところをただただ指摘するのみっす。

母の妹とするか、伯母にするかはどうでもいいけど、偉そうな講釈垂れる飼い猫パイセンがそんなことも知らないのかと思いました☆

土石流とは
https://www.sabopc.or.jp/library/debris_flow/#:~:text=土石流とは、山や,とよぶところもあります%E3%80%82

飼い猫ちゃりりん
14-133-238-229.area1a.commufa.jp

ぷりもさんの指摘はありがたいのですが、少し思い込みが過ぎるのでは?
土石流は広範囲に及ぶ災害なので、土砂崩れと違って山や崖のそばとか関係ありません。
ただ、ぷりもさんに勘違いをさせる文章を書いた猫の落ち度であることは間違いありません。
つまり、描写の手抜き。

ぷりも
KD211004242066.ec-userreverse.dion.ne.jp

【飼い猫パイセン】
>土石流は広範囲に及ぶ災害なので、土砂崩れと違って山や崖のそばとか関係ありません。

これは大変失礼しました。実例を挙げていただけませんか。せいぜい発生源から2キロ程度のはずですが。


二章、三章は気になる点はありつつも、あり得なくはない、間違いとはいえない表現ということで細かい指摘は置いといて、

> そんな彼を慎吾は不憫に思い、憎しみを募らせたのだ。

曖昧性。慎吾が拓哉に憎しみを募らせたんじゃ文脈合わないので、社会にでしょ。目的語補ってください。


>そのとき「バタン!」とドアが閉まる音が響いた

どこの?


> 奈津子が玄関にゆくと、分厚い木のドアが風に揺れており、ドアノブを持って閉めようとすると、カサカサと草の擦れる音が聞こえた。

ってか、開いてるのだが。


続く

飼い猫ちゃりりん
14-133-238-229.area1a.commufa.jp

ぷりもさんの2キロ程度は何を元に言っているのですか? ネット上では「数キロに及ぶこともある」という表現がされているようです。
災害というのは大きいものあれば小さいものもあると思うのですが。どれもが2キロ程度に収まるのでしょうか?
まあ、この話題はつまらないのでやめますか。

それよりもドア。バタンと閉まる音がした。でも奈津子が見に行くと風で揺れていた。不思議ですねぇ。笑

飼い猫ちゃりりん
14-133-238-229.area1a.commufa.jp

ぷりもさん。そこ目的語を省略しましたんです。だって不憫に思っている相手を憎むって、どんな感情?
文脈で分かると思ったのですが、やり過ぎかなぁ。

ぷりも
KD211004242066.ec-userreverse.dion.ne.jp

【飼い猫パイセン】

>ぷりもさんの2キロ程度は何を元に言っているのですか? 

https://www.forest.rd.pref.gifu.lg.jp/rd/shigen/mori240501.html#:~:text=土石流の到達距離に関する,ことがわかっています%E3%80%82

もっかい聞こうか、実例を上げてくれたまへ。


>それよりもドア。バタンと閉まる音がした。でも奈津子が見に行くと風で揺れていた。不思議ですねぇ。笑

だから聞いているのだが。
何度も何年も推敲繰り返してこのザマってのは、パイセンの研ぎ澄まされた感覚ってのも当てにならんっすね。


>そこ目的語を省略しましたんです。だって不憫に思っている相手を憎むって、どんな感情?

だもんで、ん?となる。
んで次の文読んでわかる。
さて、僕が気になるのは、敢えてわかりにくくする意図である。
何か狙いがあって省略したならそれを教えてくれたまへ。

飼い猫ちゃりりん
14-133-238-229.area1a.commufa.jp

ぷりもさん。
広島豪雨だと10キロ以上だったとネットにはありますが。あくまでネット情報なので、間違っている可能性はありますね。
もうこの話題はいいんでは。ただ洪水という設定にした方が良かったかもしれません。

意図も何も、書く必要がないことは書かないが基本だと思いますが。

ぷりも
KD211004242066.ec-userreverse.dion.ne.jp

【飼い猫パイセン】
この話題はいいんではってキミがウジウジ言ってるから突っ込んでるだけなのだが。


>意図も何も、書く必要がないことは書かないが基本だと思いますが。


それなら


>やがてそれは、【サラサラという砂利の流れのような】振動に変わり、

【】いらない

軸ブレとる。

ぷりも
KD211004242066.ec-userreverse.dion.ne.jp

【飼い猫パイセン】

そもそも、奈津子が災害で家族を失い、伯母さんに引き取られやり直せると、そんな感じになってたところ慎吾がそれを壊したわけですよ。

なんで慎吾をそこまで庇うの?
憎しみは何も生まないとか慎吾に言われたから?
大切な人を殺した相手の言うことですよ?
説得力なさすぎ。

確か前も指摘したと思うけど、慎吾の死刑が報道されたわけですよね。当時の事件も報道されるでしょ。んで、スケッチブックに描かれていた慎吾の絵をベテラン刑事は気づかなかったのかと。

あ、んで最初の方の指摘。夜目がききすぎとか、二階から遺体安置所までの空白の件に対するコメントはないんすかパイセン?

あとタイトル『憎しみの河』
これって家族を奪った河のことっすよね?
ストーリーの根幹じゃなくないっすか?

別に不慮の事故で家族失って伯母に引き取られたってだけでもストーリー成立しますよね。
家族を見殺しにしたという呵責もその後に絡むものでもないじゃないっすか?

飼い猫ちゃりりん
14-133-238-229.area1a.commufa.jp

ぷりもさん。読者に伝わらないなら、作者の文章が下手くそということです。

HC
p7606195-ipoefx.ipoe.ocn.ne.jp

以下、気付いた誤字・脱字です。
 第二章・クズどもの軌跡 → 序章の次なので第一章ではないでしょうか?
 いや、出来なかった。 → 冒頭一字空けの抜け
 「歯を立てんじゃねえ!」 → 冒頭に一字空けがあり
 「彼女」が指定された時刻に面会室に入って待っていると、 → 冒頭一字空けの抜け
 「みんなでカレーライスを作るのよ」と綾香は嬉しそうに言った。 → 冒頭一字空けの抜け


 スラスラと読みやすくテンポ良く読めました。
 淡々と容赦なく殺すものは殺していくという一見冷酷に見える展開に、思い切りの良さを感じました。
 自然災害と同じように事件に巻き込まれた場合、自然災害と違い事件には加害者がいるのでその加害者に対する断ち切れない憎しみの連鎖というものに思いをはせました。

 
 気になった点としては、綾香が刑務所にいる慎吾と面会をしに行ったシーンですが、受刑者の面会には原則として刑務官が付きます。特別な事情がない限り刑務官なしでの面会は認められないため、刑務官なしとするならば刑務官なしで面会が認められた理由を一文でも加えたほうがよいかと思います。

青井水脈
softbank114049142217.bbtec.net

読ませていただきました。
>奈津子の両親は堤防の決壊を心配したが、夜の10時に警報は解除され、少し水かさが増した程度の流れに変わっていた。 奈津子は二階の子供部屋の二段ベッドの下段で寝ていた。
>事件から二十四年が過ぎ、奈津子は36歳の主婦になっていた。
10時、二階、二十四年、36歳 etc.
統一感がほしいところ。


本題に入りますが
◯小学生の奈津子は水害(豪雨災害、土砂災害、洪水)で家族を亡くし、酪農業を営む祖父母・叔母夫婦に引き取られる。温かく迎え入れられたが、翌年、ある二人組が田舎町に惨劇をもたらすのだ。
時は流れ、奈津子は一児の母に。中学生の娘・綾香に襲いかかる悲劇、更に過去の惨劇がどこまでも奈津子を追いかけてくるようでーー。

ご覧の通り、非常に重たい内容です。
この題材で、もし東野圭吾だったらーー。一章につき四〜五十枚以上のボリューム。奈津子・慎吾・拓哉・綾香のストーリーをそれぞれの視点から追う章も差し込む。二十四年を経て、奈津子を取り巻く社会も、少年法一つ取っても大きく変化したはずで(学校からメールが届くのは今どきですね)、それも追う。
このようにして、読み応えある社会派サスペンスの長編を書き上げるのでは、と思いました。
この題材、酪農家での事件とカレー事件。一人の女性の過去と現在の交錯、登場人物それぞれの交わり。憎しみを赦しに変えられるのか、という大きなテーマ。これらを描き切ろうと思ったら、相当な筆力がいるかと。あくまで一読者の意見で、東野圭吾も例えで名前を挙げたんですが(ドラマから入って、原作も読んだりしたので)


>奈津子は、迫り来る憎しみの激流を予感した。だが、たとえそれに呑まれても、娘の手は決して離さない、そう心に誓ったのだ。
「憎しみの河」
河、大河は水が絶え間なく流れる一つの連続体。水害をもたらした河川という、場所的な意味だけでなく。奈津子の中の憎しみが注がれる河という、心象のイメージでもあるとは思いました。

飼い猫ちゃりりん
sp49-96-238-221.msc.spmode.ne.jp

ぷりも様
念の為言いますと、土石流に関する指摘のことで、ぷりも様を否定したわけじゃありません。むしろ適切と思っています。
要するに、ぷりもさんが言いたいことは、川の上流という風景を描いてから書いた方が、読者はイメージしやすいと言うことでしょ。
その通りだと思います。

飼い猫ちゃりりん
27.230.33.81

ぷりもさん。やっぱ目的語があった方がいいですね。実は最初は「人間への」があったんです。
いきなり「社会への復讐」では階段二段飛ばし。

ピシーン!途中経過

土石流の発生から、

砂防ダムの決壊から、

憎しみを募らせた。

人間への憎しみを募らせた。

母の姉の叔母

母の妹の叔母

ぷりもさん、3連勝じゃん!

飼い猫ちゃりりん
27.230.33.81

HC様
読んでくれてありがとう。
序章の次は第一章ですね!
やっば。慣れないことするといかんなぁ。
序章→第一章、に修正します。

その空白誤字の件なんですけど、飼い猫画面ではそうなってないんです。どうなってんの?

最大の問題は慎吾と綾香の面会シーン。
刑務官が慎吾の背後3メートルに立ち監視しています。
だから、結論描写に無理があるから修正あるのみ。

> 「彼女」が指定された時刻に面会室に入って待っていると、やがて慎吾が目の前に現れた。
 二人はアクリル板越しに互いを見つめ合った。
 なぜか彼女は薄いサングラスを掛けたまま黙っていた。だから慎吾から話し掛けた。
「俺の意志が変わることはない。だから、もう死刑に反対しないで欲しい」
 すると彼女はサングラスを外して小さな声で言った。
「あたしが誰かわかる?」
 奈津子の顔は慎吾の脳裏に焼きついていたから、大人びた化粧をしていても、見間違えるとは思えなかった。ただ不思議なことに、彼女の顔は少女の雰囲気を湛えていた。
「君は誰だ?」
 彼女は慎吾の背後3メートルに立つ刑務官をチラッと見てから、さらに声を小さくして言った。
「お母さんにそっくりなのね」
「君は彼女の娘なのか?」
「お願い。小さな声で話して」
 綾香は母の筆跡を真似して免許証を偽造したのだ。
「なんの真似だ。刑務官を呼ぶぞ」
 綾香はじっと彼の目を見つめた。
「あたし、知っているのよ。あなたが優しい人だって」
「ガキが知ったような口を聞くな」
「あなたがした復讐のことも知っている。あなたは妹の美咲さんをとても愛していた。あたし、あなたの気持ちがよく分かるわ」
「黙れ。お前に何がわかる」
「お願い。ひとつだけ教えて。そしたら、すぐに帰るから」
「何が聞きたい?」
「復讐したことを、後悔してる?」

大河とせきがはらあ!
M106073079225.v4.enabler.ne.jp

手順であって、しぶつやしちょうりつでも100パーセになったりもするんです、おつかれさまでしたあ。

飼い猫ちゃりりん
27.230.33.81

青井水脈様
お読みいただき嬉しく思います。
そーですねー。以前、しまるこ様や金木犀様にも言われたんです。
これ本一冊にするストーリーじゃんって。
200から300ページくらいですかね。
なんとか詩編風でまとめたいのですが。
おもな登場人物が、奈津子、慎吾、拓哉、綾香、麻弥…… やっぱ一冊か!
実は若い刑事の回想録として書いてみようとも思ったんです。
最初は綾香の取り調べのシーンから始まって。
序章(第一章)が「悲しみを超えて」
最終章が「憎しみを超えて」
題名は「憎しみの河」
憎しみって、個人的なものじゃなくて、隔世遺伝する集団的精神病なんですよ。
ああ、アーミッシュに生まれても良かったな。

ぷりも
KD211004242066.ec-userreverse.dion.ne.jp

【飼い猫パイセン】
>ぷりもさん、3連勝じゃん!

???
キミは何を言っておるのだね。そもそも勝ち負けじゃないだろうに。より良くするためのアドバイスをしとるだけだよ僕は。

そしていつも言っておろう。文章を映像化するようにと。停電で暗闇の中どす黒い水の中に家族がいるなんて視認できるはず無いと。

「奈津子には見えたんです。猫の目だから」なんてド寒いこと言うのはナシだ。

伯母さん一家惨殺の時奈津子12才。
そこまでらいきなり24年飛んで主婦になっとる。この間奈津子はどのように生活してたのか。

施設に引き取られたってことなら、伯母さん一家出さなくても、もともとの家庭に拓哉&慎吾推し入りでよくない?

あとキミは「隔世遺伝」の意味を調べたまへ。なんで隔世なのだね。

ぷりも
pw126253048032.6.panda-world.ne.jp

いけね。なんでこうなった
×そこまでら
⚪︎そこから

飼い猫ちゃりりん
27.230.33.81

ぷりもさん。
水面のところは、ぷりもさんの意見はちょっと採用できないですね……
指摘してくれるのは嬉しいけど。

飼い猫ちゃりりん
27.230.33.81

だから、ぷりもさんは固いんですよ。もっと柔軟に。隔世遺伝って、完全に断絶したら遺伝なんてするわけないじゃん。必ず連綿と繋がっている。だから遺伝は全部普通に遺伝ですよ。

ぷりも
pw126253048100.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】

飼い猫パイセンのありがたいお言葉を引用するよ☆

“小説は作者が語ってはダメ。人間と景色を描写して、絵に語ってもらう。でしょさんの作品もそうですけど、作者が語ってしまっている。
もっと言うなら、小説に言葉はいらない。むしろ邪魔。意味分かりますか?
小説は言葉で書きます。当たり前。
でも完成した小説は映画みたいなもの。そこにあるのは音楽と映像です。役者の台詞も映像と音楽の一部です。

おさらいすると。
言葉で直接説明しちゃダメ。
作者が語ってはダメ。
キャラと景色を描写して、それらに語ってもらう。”


なるほど💡💡💡‼️

それを踏まえて読み返してみるといかにこの作品がダメかよくわかりました。

ぷりも
pw126253048100.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】

>水面のところは、ぷりもさんの意見はちょっと採用できないですね……

採用するかどうかはキミの自由だ。
それはそうと、キミには見えるの?その状況で。

ぷりも
pw126253048100.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】

>だから、ぷりもさんは固いんですよ。もっと柔軟に。隔世遺伝って、完全に断絶したら遺伝なんてするわけないじゃん。必ず連綿と繋がっている。だから遺伝は全部普通に遺伝ですよ。

何がいいたいのかさっぱりわかりません。
なんで隔世遺伝という言葉を使ったんですか?それなら遺伝でよくないですか?

作中の憎しみが隔世遺伝なんてしてないでしょ。大丈夫ですか?

飼い猫ちゃりりん
115-37-194-195.area1a.commufa.jp

ぷりもさんは救助隊には不向きですね。

ぷりも
pw126253039210.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】

飼い猫パイセンはこちらが質問しても具体的な答えが返ってこないっすね。

>ぷりもさんは救助隊には不向きですね。
大抵の人は向いてないのでは。

というか、これは暗闇の中でどす黒い水の下に人が見えないからという理由なんでしょうか?
レスキューとかの人が暗視ゴーグルなしで見れるんですかね。気になります。

飼い猫ちゃりりん
sp49-96-238-221.msc.spmode.ne.jp

ぷりも様の御要望により、第一賞・悲しみを越えて、を修正しました。

> 第一章・悲しみを超えて

 奈津子11歳の秋の日の午後。彼女は妹と川で遊んでいた。草を編んで冠を作り、妹の頭に乗せた。七歳の花であった。その可愛さに思わず涙がこぼれ、空を見上げると、いくつかの雨粒が顔を打った。
「お姉ちゃん。どうしたの?」
「雨が降ってきた」
 山の上の雲が暗い。
「佳代子、帰るよ」
「やだ。もっと遊ぶ」
「だめ。言うことを聞いて」
 奈津子は鉄砲水の怖さを親から聞かされていた。
 急いで側道まで上がると、雨が本降りとなった。氷のように冷たい雨であった。突然の秋雨は豪雨となり、姉妹はずぶ濡れとなって家に着いた。
「あなたたち、どうしたの」と母。
「急に雨が」と奈津子。
 佳代子は「すごく寒い」と言ってくしゃみをし、母の胸に抱かれた。
 
 午後10時。降り続いた雨がようやくやみ、山あいは不思議な静寂を湛えていた。
 奈津子の両親は上流での決壊を心配したが、警報は解除され、川は穏やかに流れていると思われた。だが、徐々に水かさが増していたのだ。
 奈津子は二階の子供部屋の二段ベッドの下段で寝ていた。上段は佳代子の寝床だ。
 佳代子は姉と一緒に寝ることが好きだったが、その夜は、一階で両親と川の字になって寝た。
 奈津子は夢の中で水が流れるような音を聞いた。やがてそれは砂利の流れのような振動に変わり、彼女は突然目を覚ます。
 なんだろう?
 振動が急に激しさを増し、奈津子の体がベッドの上で小刻みに揺れた。
 明かりが消えて木材が軋む音がし、家が船のように揺れた。
 彼女が悲鳴を上げると、揺れは収まり、不気味な静けさが訪れた。
 暗闇の中、彼女は階段を駆け降りた。だが足を濡らす泥水に気づき、その場で立ち止まった。
 1メートル四方ほどの、どす黒い水面の下に家族がいる。
「お父さん! お母さん!」
 水面は分厚いガラス板のように冷たく、どんな叫びも通さない。
「佳代子! 返事をして!」
 11歳の奈津子に泥水に潜る勇気はなく、ただ泣き叫ぶしかなかった。
 誰がそれを責めることが出来よう。しかし、彼女は自分を責め続けた。

 砂防ダムの決壊から二日後、奈津子は仮設された安置所で家族の遺体を確認した。
 青いビニールシートの上に三人の遺体が並べられていた。両親の遺体はひどく傷ついていたが、幼い妹の遺体には傷ひとつなく、ただ眠っているかのように見えた。
「姉ちゃんだよ。起きて」
 妹の手には草の冠が握られていた
「佳代子! 姉ちゃんを赦して!」
 しかし、彼女自身が自分を赦さなかった。
 あたしは妹を見捨てた……
 そのトラウマは悲しみを憎しみに変え、彼女は自分の処罰を望む。処罰とは一種の救済なのだ。
 親類が彼女を引き取らなければ、彼女は自分の手首を切っていただろう。

 奈津子を引き取ったのは牧場を営む親類であった。
 その牧場は祖父母と、奈津子の母の妹である叔母と、その夫の四人で営まれていた。
「今日からここは、なっちゃんの家だから」
「おばさん。お世話になります」
「思いっきり甘えていいからね」
 叔母夫婦には子供がおらず、ふたりには奈津子が我が子のように思えた。彼らは実の親以上の愛を示すと心に誓い、祖父母も優しい目で奈津子の成長を見守った。
 その甲斐あってか、奈津子に明るい笑顔が戻り、心の傷は、やがては癒えるものと思えた。

ぷりも
pw126253053058.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】
とりあえず、

> ぷりも様の御要望により、第一賞・悲しみを越えて、を修正しました。

僕そんな要望だしてないので盛大に取り違えるのやめてください。
どうしたらそんな解釈になるんですか?
大丈夫ですか?

飼い猫ちゃりりん
sp49-96-238-221.msc.spmode.ne.jp

ぷりもさん。えーそうなの。笑
でも、こういう感じでしょ。

ぷりも
pw126253042050.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】
相変わらず「笑」の使い所がよくわからんのだが。

「そんな要望だしてない」に対する受け答えが「こういう感じでしょ」はもはや何を言っているのかさっぱりわかりません!

大丈夫ですか?
日本語は苦手ですか?

ぷりも
pw126253042050.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】
飼い猫パイセンのありがたいお言葉を引用である。

“ 読者は作品の中でキャラと出会えることを期待して読むのに、作品の中で喋っているのは作者という人間(人工知能を含む)。”


なるほどなるほど。


> 誰がそれを責めることが出来よう。

> クズどもが居間に入ってきた。

じゃこれは飼い猫パイセンが喋ってるってことだね。

ということは

覆面詐欺とまでは言わないけど、読者はガッカリでしょ。©︎飼い猫パイセン

飼い猫ちゃりりん
27.230.34.145

ぷりもさん。ちゃいまんがな。小説の中の語り部は、作者じゃなくて、1人の登場人物ですよ。

ぷりも
pw126253053158.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】
???????????
何言ってんだかよくわかりません。
『そんなのわからんし〜』も登場人物しかでてませが、私そういう考え方もあるのだなと、飼い猫パイセン的視点にたったつもりでしたが、これはいわゆるダブスタということでよろしいでしょうか?

飼い猫ちゃりりん
118-105-103-131.area1a.commufa.jp

ぷりもさん。一応ぷりもさんのために言ってますが、まあ好きにしてください。別に理解してほしいとも思わないので。

ぷりも
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【飼い猫パイセン】
一応変わり映えのしない飼い猫パイセンの雑な推敲を改善できるよう言ってますが、まぁ好きにしてください。飼い猫パイセンの読解力とロジカルの程度は把握しておりますので。

ぷりも
softbank114049158043.bbtec.net

【飼い猫パイセン】
〜 一家惨殺シーン検証 〜

>そのとき「バタン!」とドアが閉まる音が響いた。

🤔まずこのドアはどこのドアか?


>「あらいけない。鍵を掛けるの忘れたかしら」
>「おばさん。あたし、見てきます」
>奈津子が玄関にゆくと、分厚い木のドアが風に揺れており、ドアノブを持って閉めようとすると、カサカサと草の擦れる音が聞こえた。

🤔次にここで玄関のドアであることが否定される。誰が開けたのか?
慎吾と、拓哉? 開けただけで中に入っていない? なんのため?



> 外に出て見回していると、メリーの鳴き声が聞こえた。
>「誰もいません! でも、ちょっと牛舎を見てきます!」

🤔閉まったドアの音は牛舎?

> メリーは奈津子の姿を見ると鳴き止んだ。
「大丈夫だよ。あたしが守ってあげるから」
> 彼女はメリーの頭に頬ずりをし、おでこに口づけをした。
> 奈津子がドアに鍵を掛けて居間にもどると、七時のニュースがコンビニで起きた事件を伝えていた。

🤔慎吾と拓哉はどこにいたのか

>そのとき牛たちの鳴き声が響いた。

🤔もともと牛舎にいて奈津子が来た時に隠れた?


>「ちょっと見てくるから食べていてよ」
>「おじさん。あたしも行きます」
>「ひとりで十分だよ」
> 彼が食卓を離れると、叔母はまた自分の父に文句を言った。
>「小学生に朝の作業ができるわけないでしょ」
>「わかってるよ。しつこい奴だな」
>「あんたに似たのさ」と祖母が皮肉を言うと、牛たちの騒ぐ声が遠くから届いた。

🤔牛舎でおじさん殺害? 

>「なにかしら? 見てくるわ」
>「おばさん。あたしも手伝います」
>「なっちゃんはいいの。ご飯を食べていてね」
> そう言い残し、彼女も食卓を離れた。

🤔おじさん殺害後に牛舎でおばさん待ち伏せて殺害?

 
> そのとき木材のきしむ音が響き、居間のドアが少し開いた。

🤔なぜ敢えて少し?


>「なにしてるんだ? 早く入ってこいよ」
> ドアの向こうは暗く、明るい部屋からでは逆光になり、何も見えなかった。だが奈津子は不穏な気配を感じ取っていた。

それは逆光とは言わないのだが。

飼い猫ちゃりりん
118-105-103-131.area1a.commufa.jp

ぷりもさん。そだね。逆光とは言わんわ。ぷりもさん、4連勝だ!

ぷりも
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【飼い猫パイセン】
ほんとキミは読解力もない上にロジカルもズタボロでなんど言い聞かせても全く理解できない脅威的な頭脳をお待ちですな。何度も言うておろう。僕は勝った負けたなどの話はしておらぬ。大体キミ程度に四連勝したとして、それが一体なんの自慢になるというのか。

飼い猫ちゃりりん
sp49-98-9-45.msb.spmode.ne.jp

ぷりもさん。それで、第一章の推敲バージョンはどうだったの? ぷりもさんの指摘と意見を十分くみとったつもりだけど。
でも「泥水の下に家族がいる」のくだりは、その前に伏線あるから、暗視ゴールはいらんです。

(第1章・推敲バージョン)

『憎しみの河』

 第一章・悲しみを超えて

 奈津子11歳の秋の日の午後。彼女は妹と川で遊んでいた。
 草を編んで冠を作り、妹の頭に乗せた。七歳の花であった。
 その可愛さに思わず涙がこぼれ、空を見上げると、一個の雨粒が顔を打った。
「お姉ちゃん。どうしたの?」
「雨が降ってきた」
 山の上の雲が暗い。
「佳代子、もう帰るわよ」
「やだ。もっと遊ぶ」
「姉ちゃんの言うことを聞いて」
 奈津子は鉄砲水の怖さを親から聞かされていた。
 急いで側道まで上がると、雨は本降りとなった。氷のように冷たい雨であった。
 突然の秋雨は豪雨となり、姉妹はずぶ濡れとなって家に着いた。
「あなたたち、どうしたの!」と母。
「急に雨が」と奈津子。
 佳代子は寒いと言ってくしゃみをし、母の胸に抱かれた。
 
 午後10時、降り続いた雨がようやくやみ、山あいは不思議な静寂を湛えていた。
 奈津子の両親は上流での決壊を心配したが、警報は解除され、川は穏やかに流れていると思われた。だが、徐々に水かさが増していたのだ。
 奈津子は二階の子供部屋の二段ベッドの下段で寝ていた。上段は佳代子の寝床だ。
 佳代子は姉と一緒に寝ることが好きだったが、その夜は、一階で両親と川の字になって寝た。
 奈津子は夢の中で水が流れるような音を聞いた。やがてそれは砂利の流れのような振動に変わり、彼女は突然目を覚ます。
 なんだろう?
 振動が急に激しさを増し、奈津子の体がベッドの上で小刻みに揺れた。
 明かりが消えて木材が軋む音が響き、家が船のように揺れた。
 彼女が悲鳴を上げると、揺れは収まり、不気味な静けさが訪れた。
 暗闇の中、彼女は階段を駆け降りた。だが足を濡らす泥水に気づき、その場で立ち止まった。
 1メートル四方ほどの、どす黒い水面の下に家族がいる。
「お父さん! お母さん!」
 水面は分厚いガラス板のように冷たく、どんな叫びも通さない。
「佳代子! 返事をして!」
 11歳の奈津子に泥水に潜る勇気はなく、ただ泣き叫ぶしかなかった。
 誰がそれを責めることが出来よう。しかし、彼女は自分を責め続けた。

 砂防ダムの決壊から二日後、奈津子は仮設された安置所で家族の遺体を確認した。
 青いビニールシートの上に三人の遺体が並べられていた。両親の遺体はひどく傷ついていたが、幼い妹の遺体には傷ひとつなく、ただ眠っているかのように見えた。
「姉ちゃんだよ。起きて」
 妹の手には草の冠が握られていた
「佳代子! 姉ちゃんを赦して!」
 しかし、彼女自身が自分を赦さなかった。
 あたしは妹を見捨てた……
 そのトラウマは悲しみを憎しみに変え、彼女は自分の処罰を望む。処罰とは一種の救済なのだ。
 親類が彼女を引き取らなければ、彼女は自分の手首を切っていただろう。

 奈津子を引き取ったのは牧場を営む親類であった。
 その牧場は祖父母と、奈津子の母の妹である叔母と、その夫の四人で営まれていた。
「今日からここは、なっちゃんの家だから」
「おばさん。お世話になります」
「思いっきり甘えていいからね」
 叔母夫婦には子供がおらず、ふたりには奈津子が我が子のように思えた。彼らは実の親以上の愛を示すと心に誓い、祖父母も優しい目で奈津子の成長を見守った。
 その甲斐あってか、奈津子に明るい笑顔が戻り、心の傷は、やがては癒えるものと思えた。

ぷりも
p3548246-ipxg00f01tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp

【飼い猫パイセン】

>ぷりもさん。それで、第一章の推敲バージョンはどうだったの? ぷりもさんの指摘と意見を十分くみとったつもりだけど。

前にも言ったであろう。キミは雑な推敲するしか脳がないんだから、それは次回に回したまへ。
あとキミは僕の質問ろくに答えないのに、論点すり替え逆質問するのをやめたまへ。

>でも「泥水の下に家族がいる」のくだりは、その前に伏線あるから、暗視ゴールはいらんです。

伏線? どれ?
具体的に教えてくれたまへ。

飼い猫ちゃりりん
sp49-98-11-212.msb.spmode.ne.jp

ぷりもさん。一階で川の字で寝たって書いてあるでしょ。

ぷりも
pw126253049178.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】

>暗闇の中、彼女は階段を駆け降りた。だが足を濡らす泥水に気づき、その場で立ち止まった。
> 1メートル四方ほどの、どす黒い水面の下に家族がいる。


百万歩譲って奈津子の夜目がフクロウ並みだとしよう。
映像化して考えてみたまへ。
奈津子は階段の途中で止まった。その1メートル四方のドス黒い水面ということは、少なく見積もっても一階の床から180cmは水没してる。
一段高さ20cm、踏み板20cmとしても、




階段しか見えない



家族は階段で寝てるのかい?
それとも部屋の扉が開いてて流されてきたのかい?

そうではなく、単に水面の下(階下)に家族がいるということなら「1メートル四方」というのはおかしい。単に「この水面の下に家族がいる」で良いだろうに。

省けるものは省くんじゃないのかねパイセン。

ぷりも
pw126253049178.6.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】
いけね、入れ違いになっちゃった💦
まぁ先の返信の通りだよ。
それなら1メートル四方と限定する必要なし。
そんなことよりあれだ、大先生からコメントついてるではないか。
失礼なきようちゃんと返信したまへ。

ぷりも
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【飼い猫パイセン】

途中で一人称か三人称か分からなくなりました

>あたしは妹を見捨てた……

>なんで俺は気づかなかったんだ。この糞野郎…… お前が死ね!

>なぜ、こんな目に遭わなくてはいけないの? お父さん、お母さん。佳代子…… この声が聞こえる? 一緒に死んだほうが、幸せだった。

> あたしを愛してくれた人たちは、みんな殺された。ああ、メリー、生きているの? 死んだらまた会えるかな?

> でも、だめ。あたしには守らなきゃいけない人たちがいる

>麻弥。仇をとってあげるからね……

>あの子はクラスの子たちを憎んでいる。合宿に行きたがるなんて、どう考えてもおかしい……

途中一人称か三人称か分からんとこ結構ありました。

飼い猫ちゃりりん
27.230.36.244

ぷりもさん。バランスね。バランス。

しまるこ
133.106.212.47

以前、小次郎さんも指摘されていたと思いますが、書き急いでる感じがしましたね。内容と分量が合っていないために、あらすじ色が強くなっているように思います。それは前に読んだ時と同じ印象です。章分けされていることによって前よりわかりやすくなっていますが、その一つ一つが章とはいえない長さですから、青井水脈さんがお話しされていたように、東野圭吾作品の骨格をそのまま真似てみてはどうかなと思いました。東野圭吾どうこうというよりも、この内容を書こうとすると、『白夜行』や『殺人の門』のような書き方や分量に必然的になってくるように思いますから。

今作に限ったことではないですが、キャラクターが全員、「◯◯してよ!」というような、芝居がかったような、一文単位でしかセリフを発さないところが気になったかな。もう少し、普通は、人は話すときに、思考を挟みながら話すと思うのですが。まぁこれは、ちゃりりんさんのスタイルなら、それはそれでいいのですが。いつも登場キャラが同じ口調のような気がします。

この作品の感想ではないのですが、個人的にはmonogatary?で、ぷりもさんと作品を書き合っているときに見せた作品が、私はよくできてるんじゃないかなぁと思いましたね。

>先週はサンダルと付き合ってたけど、突然ベランダからいなくなった。あの別れ方はつらかった。

この部分で、おや? と思い。

>あるにはある。

という表現を見て、これなんかは、そうとう力が抜けてなければできない表現だよなぁ。ふだんのちゃりりんさんからは出てこない書き方じゃないかなぁと思ったり。

>硬くて無口で、まるでセロテープの芯みたいだから。

↑これなんかは相当遊び心がないと出てこない比喩というか、というか、なにかどっか諦めて、捨ててしまわないと出てこないような表現だと思いますね。作品を大事にしていないからこそ、生まれてくるものがあるような気がして。

>「愛ってなんですか?」って聞かれたら、僕はこう答える。
>「ハムをレンジで温めすぎて溶けたプラスチック容器。それが愛。」

いいじゃないですか(笑)これなんてすごくいい。他の作品にも、これくらいの自由さと変化球がほしい気がしますね。こういう自然で楽しい、そのままのちゃりりんさんからストンと出てくる表現がほしい気がします。他の作品だと、作品のカラーを大事にしているせいか、その作品に収まるような、抜けて出てくる表現がない作品よりも、こっちの方が好きかなぁ。

>パニックで店の商品全部裏返して帰った。

個人的にはこの表現がいちばん好きですね。ちゃりりさんこんなことできるんだぁと思って驚きましたね。

飼い猫ちゃりりん
118-105-98-107.area1a.commufa.jp

しまるこさん。
ありがとう。真面目に書くと、言葉に躍動感や遊び心がなくなるんですね。
どうしても作品のリズムや雰囲気を意識するから。
この作品は原稿用紙39枚で8章だから、一章平均5枚つまり2000字。うーん短いなあ。前回よりもエピソードを増やして厚くしたけど。
やはり本一冊ですか。だとここに投稿できませんね。

小次郎
121-81-132-203f1.hyg1.eonet.ne.jp

この小説は、短い間に複数の登場人物が切り替わります。
一応ついていけるんですが、あっという間に、登場人物が切り替わってしまうことで、損していると思います。
没入する前に、別の登場人物に切り替わる。
犯罪に関して思う事なんですが、環境ってありますからね。
特に、二章。
クズって言葉で切り捨てるのはどうかと?
僕も猫さんも、ご飯を食べられる以上の経済力はあるでしょう?
ご飯を食べられない経済力の人もいますからね。
普通の人が、強盗しないのはリスクが高すぎるからなんですが。
明日も食べられない。
そこまでいかなくても、経済力が低すぎるレベル帯あるじゃないですか?
そういう人は犯罪にいきやすいかもです。
経済力低いからといって、犯罪犯してもよいと犯罪を助長する立場はとっていません。
ただ、そういう人達が犯罪を犯したときに、クズと切り捨てるよりも、もっと建設的なものがあるかもしれませんね。
拓哉と慎吾は環境悪すぎる。
僕の感覚では、一概にはクズには出来なかったです。
全体的にキャラクターの描写が出来てないかもです。
他の章も含めて。

飼い猫ちゃりりん
118-105-98-107.area1a.commufa.jp

小次郎さん。ありがとうございます。
第二章ですよね。世間の一般的な感覚で言えば、拓哉と慎吾は「クズ」なんです。でもクズになった責任が、全て彼らにあるわけじゃありません。
二章は拓哉と慎吾のキャラ紹介の場です。もっと丁寧に、そして2人の絆まで描くべきですね。
修正中バージョンを下に。

 第二章・クズどもの絆

 その翌年の夏、奈津子が住むその田舎町で事件が起きようとしていた。
 二人のチンピラが、駐車場で煙草を吸いながら店内の様子をうかがっていた。拓哉と慎吾が、コンビニを襲うタイミングをはかっていたのだ。
 拓哉という青年は、救いようのないクズだった。
 母親は若いころからアル中で、吹き溜まりのような安酒場に入りびたり、春を売って酒代を稼いだりした。
 彼女は赤ん坊をほったらかして呑んだくれ、眠っている拓哉を指差して、「お酒と交換してよ」と言い、客にからんだりもした。
 拓哉は父を知らず、母からはクズと呼ばれて幼少期を過ごした。
 一瞬たりとも愛されることなく育ったからか、ひどく短気で、こらえ性のない性格をしていた。
 彼はシンナーを吸い、万引きや恐喝に明け暮れた。
 ある日、拓哉は、肩が当たったと言って通行人をいきなり切りつけ、警察が出動する事態となった。
 その逮捕劇も、滑稽なまでに愚かであった。
 彼はナイフ片手に狂犬のごとく吠えた。
「かかって来い、ポリ公! 刺されたい奴はどいつだ!」
「ナイフを捨てなさい!」
「うるせえ! なめんじゃねえぞ!」
 ついに警官は拳銃を構えた。もちろん撃つ気などさらさらない。
「上等だ! 撃ってみろ!」
 威嚇が目的だから撃つわけがない。
「おらおら! どうした! 撃てねえのか!」
 拓哉は調子に乗って腕を振り回し、手からナイフを飛ばした。彼は警棒で打ちのめされて身柄を拘束され、お決まりのレーンに乗った。
 彼は少年院でも、些細なことで騒ぎを起こしたから、慎吾以外に相手をする者はいなかったのだ。

続く

飼い猫ちゃりりん
118-105-98-107.area1a.commufa.jp

 かたや慎吾という青年は、相棒とは真逆な性質を有していた。
 彼には本質を見抜く洞察力があり、知能検査でも高い数値を示した。だが、その知性を有益に使おうとはしなかった。
 彼の父は家庭をかえりみない遊び人で、パチンコに狂い、持ち玉が尽きれば幼い慎吾に玉拾いをさせた。
「このクズが。もっと拾ってこい!」
 何の冗談か知らないが、慎吾も相棒と同じように、親からクズと呼ばれて幼少期を過ごした。
 殴られて唇を切った慎吾は、ゴキブリのように店内をはいまわり、店員に注意されるまで玉を拾い集めた。
 慎吾の父は子供の愛し方を知らない。彼も虐待されて育ったからだ。結局、彼はよそに女をつくって出て行ってしまった。
 慎吾には美咲という二つ年下の妹がいた。
 母親は育児を放棄していたから、美咲の面倒はすべて彼がみた。美咲はそんな兄が大好きだった。
 しかし、給食や教材の費用までは、慎吾ではどうすることも出来なかった。
「お母さん。美咲が使うノートを買いたいんだけど……」
「母さんに何の恨みがあるの! 顔も見たくない。とっとと出て行け!」
 母親は髪を掻きむしって声を上げた。慎吾は父の暴力以上に、母の金切り声を恐れていた。
 結局、彼は万引きに手を染めることになる。たまに店員に見つかったが、その場で叱られるだけで、警察や学校への通報はされなかった。

 慎吾は心の優しい少年と思われていた。美咲から友達がいじめられていると聞けば、飛んでいってジャリどもを叱りつけた。
 数人のクラスメイト相手に殴り合いをしたこともある。それもイジメを止めようとしてのことだ。
 優しく正義感のある彼であったが、ある事件をきっかけに人生の歯車が大きく狂った。
 彼が中三のとき、妹が河に身を投げて死んだのだ。
 いつも陰でいじめられていた美咲は、ある日工場の跡地にある倉庫に呼び出され、クズどもに取り囲まれて自慰を強要された。総勢十人ほどの少年少女が、笑いながら携帯をかざした。
 美咲は画像を拡散すると脅迫され、金がないなら稼ぐ方法を教えてやると言われた。
 彼女は勇気をふり絞って警察に行ったが、学校で相談しろと言われて帰されてしまった。
 しかし、学校での相談など無意味なのだ。教師は隠蔽しか考えていない。生徒は皆そう思っていた。
 美咲はクズどもに言われるまま春を売り、ずるずると地獄にはまり込んでいった。
 それでも兄に相談をしなかった。いや、できなかったのだ。
 慎吾は彼女が死んでから日記の存在を知った。
「おじさんにホテルに連れて行かれた。やめてって言ったけど、無理矢理ベッドに寝かされて、服を脱がされた。兄ちゃん、助けて。でも、こんなこと兄ちゃんに言えない。言いたくない……」
 そこから先は文字が涙でにじんでいた。
 慎吾は真相を知り、怒りと悲しみに打ち震えた。
 なんで俺は気づかなかったんだ。この糞野郎…… お前が死ね!
 加害者の親たちは、自殺の原因は美咲の家庭環境にあると口をそろえて証言し、学校と警察は事件化を見送った。
 イジメ事件は教育者のキャリアの汚点になるし、警察にとっても、少年事件は評価されない『美味しくない事件』だったのだ。
 慎吾は美咲が身を投げた河を見つめながら、彼女と過ごした日々を振り返った。放課後の校門の影で、慎吾を待つ姿がふと脳裏に浮かぶ。
 彼は妹の後を追おうと思った。しかし、やるべきことがあった。
 彼は憎悪を抱きながらも、冷静に復讐の機会をうかがった。
 主犯格の二人は、彼と同じ三年生の男女だった。
 彼は平静を装いながら二人の一部始終を観察し、彼らが美咲を呼び出した倉庫でやっていることを突き止めた。
 彼は二人は卒業式の日も必ずヤルと確信し、式が終わると倉庫に先回りして待ち伏せをした。
 案の定、二人が現れてヤリはじめると、彼は鉄パイプを握りしめて絶好のタイミングをうかがった。
 女子は作業台の上で股を開いてあえぎ、男子は立ったまま腰を動かしていた。
 男子が女子の腹にまき散らした瞬間、その後頭部に鉄パイプが振り下ろされた。
 慎吾は男子がのたうち回っている間に、女子を後ろ手に手錠で固定し、ロープで作業台の脚に縛りつけた。
 そして男子の体に鉄パイプを何度も振り下ろすと、スポーツバッグから斧を取り出した。
「おい。まだ死ぬなよ」
 慎吾が男子の体を解体すると、床一面が血の海と化し、女子の方に振り向くと、口から血があふれていた。恐怖のあまり、自分で舌を噛みちぎったのだ。
 慎吾は女子の前髪をつかんで言った。
「どうだ? 気分は」
 彼女は血の泡を噴きながら命乞いをした。
「俺の妹はな、お前らに殺されたんだよ」
 慎吾がナイフを彼女の喉元に突き刺すと、鮮血が流れ落ち、胸から下腹部までを赤く染めた。
 慎吾は死にゆく女を眺めながら煙草を吸い、自分を責めた。
 俺が間抜けだから、美咲は死んだ……
 彼は吸いかけの煙草を握りしめたが、手のひらを焼く火でさえも、悲しみを追いやることは出来なかった。
 彼は自ら出頭して身柄を拘束され、拓哉と同じようにお決まりのレーンに乗った。
 妹の後を追い、河に身を投げようとさえ考えた慎吾だったが、少年院で自殺を図ることはなかった。
 同じ様な境遇で育った者がたくさんいたし、なんと言っても、拓哉との出会いが大きかった。
 それは昼食のときのこと。
「おい。この肉を食ってくれよ」と拓哉は慎吾に言った。
「いいのか?」
「こんな安い肉は食えねえんだよ。俺は上流階級の出だからな」
「本当か?」
「見りゃ分かるじゃねえか」
 慎吾はクスクスと笑った。
「馬鹿野郎! 俺はセレブだ!」
「そうだな。確かにセレブだ。でも悪いから、俺の飯を半分食ってくれよ」
「おう、悪いなぁ。やっぱ米が一番だぜ」
 慎吾は拓哉といると不思議に心が休まった。拓哉には裏表がないからだ。ただ、裏表がないと言うより、裏表を作れなかった。裏表を作る前に爆発してしまうからだ。
 慎吾はトイレ清掃のときに、死んだ妹のことを拓哉に話した。
 便器を拭きながら復讐の件を話すと、らしい言葉が返ってきた。
「そんな奴らは挽肉にしてやりゃ良かったんだ。生き返らせろ。俺が料理してやるぜ」
 さすがに慎吾も呆れた。
「そんな料理、犬も食わないよ」
「馬鹿野郎! てめえ妹が可愛くねえのか? 俺ならソッコーだぜ」
「お前、俺の気持ちが分かるか?」
「分からねえよ。俺はずっと一人だったからな。あーあ、俺にも妹がいたら良かったな」
 滑稽なまでに愚かな拓哉。人の愛を知らない拓哉。ある意味において、慎吾以上に不幸な存在だった。
 慎吾は、そんな彼を不憫に思い、人間への憎しみを募らせたのだ。
 社会への復讐。その冷たい炎を胸に秘め、慎吾は生き続けることになる。

小次郎
121-81-132-203f1.hyg1.eonet.ne.jp

うーん。
あんまり、伝えるの苦手ですから、伝えられるか自信ないんですが。

>拓哉という青年は、救いようのないクズだった。

この下に生育歴が書かれていますね。

論理的にどうなんだろうと。

一般的な書き方だと、下に、どうクズか書くんじゃないでしょうか?

下に、シンナー吸うとか、恐喝するとかを書くと思うんですが。

で、それを書いてから、クズになった背景、生育歴などを書くと、論理性があがりそうかなと思いますけど?

あとは、一般的な感覚でも作者の感覚でも、実はどちらでもいいんですけど、主観はいれない方がよいのでは?

クズか判定するのは読者かなって。

主観的な言葉書くと損するかと思いますよ。

というのも、主観で断じてしまうと、そう思わない読者からしてみれば、心理的に反発されてしまいますし。

心理的反発は、作品にマイナスになるのでは?

>拓哉という青年は、常日頃から、シンナーを吸い、万引きや恐喝に明け暮れた。←クズという言葉を省いて、読者に人物評価判定させる。

今日は、駐車場で煙草を吸いながらコンビニの店内の様子をうかがっていた。慎吾と一緒に。強盗のタイミングをはかろうろといたのだ。
こんなふうになるのも無理はない。

生育歴などを書く。

僕なら、こういう順番にしますね。少し、文章いじりましたが、あまり他意はないですよ。

小次郎
121-81-132-203f1.hyg1.eonet.ne.jp

僕も説明文ばかり書くタイプなんで、言うのが心苦しいんですが、猫さんも説明文多いかな? 少しだけ言いますね。

例えば。

>慎吾は心の優しい少年と思われていた。美咲から友達がいじめられていると聞けば、飛んでいってジャリどもを叱りつけた。
 数人のクラスメイト相手に殴り合いをしたこともある。それもイジメを止めようとしてのことだ。←(説明文ですが? 具体的な出来事を書くのでは?)
 優しく正義感のある(ここも主観かな? 一般的な感覚ではありますけど)彼であったが、ある事件をきっかけに人生の歯車が大きく狂った。



五感がなかったり、心理描写が少なかったり、説明文です。

>彼が中三のとき、妹が河に身を投げて死んだのだ。
 いつも陰でいじめられていた美咲は、ある日工場の跡地にある倉庫に呼び出され、クズどもに取り囲まれて自慰を強要された。総勢十人ほどの少年少女が、笑いながら携帯をかざした。
 美咲は画像を拡散すると脅迫され、金がないなら稼ぐ方法を教えてやると言われた。
 彼女は勇気をふり絞って警察に行ったが、学校で相談しろと言われて帰されてしまった。
 しかし、学校での相談など無意味なのだ。教師は隠蔽しか考えていない。生徒は皆そう思っていた。
 美咲はクズどもに言われるまま春を売り、ずるずると地獄にはまり込んでいった。
 それでも兄に相談をしなかった。いや、できなかったのだ。
 慎吾は彼女が死んでから日記の存在を知った。



と、まあ言うのは簡単なんですね。言うのは言えますけど、人に言ってる事クリア出来てる? と、問われると僕は出来てないかもです。

飼い猫ちゃりりん
sp1-75-251-172.msb.spmode.ne.jp

小次郎さん。ありがとうございます。
描写と説明の違いってなんでしょうね?
飼い猫は明確に線引きができません。
ひとまず第二章は拓哉と慎吾の履歴書のつもりです。だから説明的になっています。
本格的に書くなら、しまるこさんや青井さんが言うように東野圭吾です。拓哉と真吾の半生を30枚づつで書くべきでしょう。

さて、描写と説明の違いは?
結論から言うと、答えは無く、読者の脳内に映像や音が浮かぶかどうか。だから読者次第とも言えると思います。
例えば、
>田中さんは東大を卒業した。
これは説明か描写か?
実際の東大卒業生であれば、この一行だけで、校内の風景が思い浮かぶでしょう。だから描写の要素が強くなる。
でも、東大を知らない多くの人は、その一行だけでは風景が浮かばない。つまり描写になっていない。だから作者は東大の風景を描いて、描写するわけです。

拓哉の部分もそれと同じかなぁと思います。例えば「救いようのないクズ」と言う一言で、色々な人物を思い浮かべる人は超少数派でしょうから、拓哉の半生を描く。

それと、小次郎さんの勘違いかなぁと思うんですが、「拓哉は救いようのないクズであった」に作者の主観は混ざっていません。その部分は語り部の主観です。

長くなるので、この辺で。

小次郎
121-81-132-203f1.hyg1.eonet.ne.jp

描写と説明ですか。
うーむ。

僕はシンプルに考えてますね。五感あったら、描写、なかったら説明。

>田中さんは東大を卒業した。
これは説明か描写か?
実際の東大卒業生であれば、この一行だけで、校内の風景が思い浮かぶでしょう。だから描写の要素が強くなる。
でも、東大を知らない多くの人は、その一行だけでは風景が浮かばない。つまり描写になっていない。だから作者は東大の風景を描いて、描写するわけです。

もしも読者ターゲットが、東大生でも、五感なかったら説明色かなって。

読者がどんな知識持ってるかわからないし、どんな体験しているかわからないし。どんな精神構造してるかわからないし。

東大生かもしれないし、東大生じゃないかもって思うし。

田中さんは東大を卒業した。だと、たとえ東大生であっても、人によって「心に移る風景」も違うと思いますが?

僕は東大もハーバードも知らないんですけど、ハーバード目指していた人が、ハーバード落ちて滑り止めで東大入った時と、東大を元々目指していた人が、東大入ったら、東大の風景の見え方違うような。そんな気もしますけど。一人称っぽい理論かもですけど。

>「救いようのないクズ」

これ僕の伝える能力不足です。すみません。

言いたかったのは、「救いようのないクズ」と書かなくても、シンナー吸うとか、恐喝するとか、この情報書いたら、読者が登場人物が、クズかクズじゃないかまた、ニュートラルに見るか脳内で勝手に判断する。クズじゃない、もしくは、ニュートラルに見る人からしたら、「救いようのないクズ」は一般的な感覚とわかってても、作者の感覚もそうだと誤解されそうですよ。まあ、そこはいいとしても。
こいつクズと、読者が一致する感覚だったら問題ないですけど。一致しない感覚の人は、クズって書かれることによって、イメージのズレがしょうじますよね。

そのズレが生じると作品にマイナスに働くと言いたかっただけでして。

それだけですよ。

ちょっと、猫さんのお知恵を聞きたかったんですが、時間ないようなので、このあたりで。

おつきあいありがとうございます。

飼い猫ちゃりりん
sp1-75-10-239.msc.spmode.ne.jp

大河とせきがはらあ!様
意味不明だけど、感想をありがとうございます。
危ない危ない。マナー違反になるところだった。

中小路昌宏
60.87.153.75

 感想返しを、と思って読ませて頂きました。

 作品の中身より、ぷりもさんはじめ皆さんの、厳しい中にも丁寧な、真剣なコメントに感服しました。どなたも、決して悪意から言われているのでなく、作品を熟読して、真剣に中身を精査して、その上で疑問点を指摘されていらっしゃるという事がよく分かります。
 改めて私からもひと言、と思ったのですが、気づいた点は皆さんがすべて解説されていて、もう何も付け加えることはありません。

 どうか指摘された問題点を消化して次作に生かし、より素晴らしい作品を書いて頂けるよう期待しています。

 失礼しました。

飼い猫ちゃりりん
sp1-75-8-238.msc.spmode.ne.jp

中小路様
ありがとうございます。皆さん丁寧なコメントを書いてくれているので、感謝感激です。
中小路様のオリジナルな御指摘が聞けなかったのは残念です。

ぷりも
pw126233236094.20.panda-world.ne.jp

【飼い猫パイセン】
>飼い猫の『憎しみの河』の方が、よっぽど問題だと思うのですが。笑

え? え? 飼い猫パイセン「皆さん丁寧なコメントを書いてくれているので、感謝感激です」って言ってましたけど、なんか問題ありました?
私のコメント何回読んでもどこに問題あるのかわかりませんが。
コメント欄でもベタ褒めからの酷評喰らってからのコペルニクス的転回に大笑いしました。見事な軸ブレですね。
飼い猫パイセンもあれですな。金木犀くんみたく狙ったユーモアはズタボロだけど、無自覚ぶりが時々面白いですね。
それはそうと二週間縛り解けてますが新作投稿しないんですか?
また芸のない💩みたいな推敲作品ですか?
酷評に日和って投稿躊躇っちゃってます?

飼い猫ちゃりりん
sp1-72-9-107.msc.spmode.ne.jp

ぷりもさん。生きていたんですか。良かった。
ぷりもさん始め皆様の指摘には何の問題もありませんよ。
この作品の描写のことを言ったのです。
斧でバラバラにするシーンは、問題ありかなって。笑

飼い猫ちゃりりん
sp1-72-9-107.msc.spmode.ne.jp

えー、推敲作品ダメですかー?
その方が「さんざん推敲してこれか!」って攻撃できるから、ぷりもさんには好都合じゃないですか。

ぷりも
softbank111189140082.bbtec.net

【飼い猫パイセン】
僕はキミほど重度のごはんジャンキーじゃないから、自分ベースで考えるのをやめたまへ。まともな人はごはんなどそうそう見ない。

>えー、推敲作品ダメですかー?

いくらいじったところで同じ手品何度もやってたら飽きられるよ。ちょっとなんかユーモアに溢れる面白い話してよ。いつも自分で「笑」って付けてるだけでド寒いからさ。


>その方が「さんざん推敲してこれか!」って攻撃できるから、ぷりもさんには好都合じゃないですか。

へんな言いがかりつけるのはよしてくれたまへ。僕は攻撃する趣味など持ち合わせとらん。パイセンの作品をよくしようとアドバイス感想つけとるだけだよ。

飼い猫ちゃりりん
14-133-219-18.area1a.commufa.jp

ぷりもさん。分かってますよ。冗談ですよ。ジョーダン。

飼い猫ちゃりりん
14-133-219-18.area1a.commufa.jp

ぷりもさん。投稿しましたよ。推敲作品を。

ぷりも
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【飼い猫パイセン】
分かってますよ。冗談ですよ。ジョーダン。

ぷりも
softbank111189140082.bbtec.net

飼い猫パイセンって推敲作品しか書けないの?
そうげん先生とか偏差値先生とかラピス先生とか、枯渇した人って揃いも揃って自分書けないクセに言うことだけは偉そうだよね。なんで?

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