作家でごはん!鍛練場
♧ヒロカ♧

取り戻せ、日常を。

バアァァンッッ
突然,耳をつんざくような爆音が響いた。

私の婚約者候補を探すためのパーティーの途中だった。名門の家系の人となんか,婚約なんてしたくない。未知の病気で母が亡くなった時も,親友だと思っていた子に裏切られた時も,孤独に苦しんでいた時も,楽しくて笑っていた時も。ルイスだけがいつも私のそばにいてくれた。兄弟はいなくて,父は忙しくてほとんど毎日家にいなかった。『王族と結びつきが強いフォーカル家の娘』として,私と仲良くしてくれる友達はいなかった。ルイスは私が11歳の時に私の執事となった。ルイスは,母を亡くして泣いていた私を抱きしめて言った。
『……お嬢様。私は,ずっとあなたのお側にい
 ます。』
『……本当に?約束,だよ……?』
ルイスは『約束です』と優しく微笑んでくれた。


「きゃあああっ」
パーティーに参加していた人の悲鳴。と,物が割れた音がした。
私はバルコニーでルイスと話をしていた。一瞬にして視界が真っ白になった。
「お嬢様ー!」
隣の方から私を呼ぶ声が聞こえた。ルイスの存在を確かめるため,私はルイスのいた方へと手を伸ばす。
「あっ」
温かいものに触れたその時,再び轟音が鳴り響いた。
「っ……!」
突然の衝撃に耐えられなかった私は,後方へ思いっきり飛ばされた。多分,手すりを飛び越えているだろう。地面に叩きつけられ,意識が薄れていった。
「ル……イス……。」
気が完全に失われる前に,私は彼の名を呟いた。


瞼を開くと,私の視界は灰色に染まっていった。さっきの衝撃から,さほど遠くまでは飛ばされていないだろう。そう考えながら痛む体を無視して上半身を起こすと,私は周りの景色に驚愕した。
「ここは……どこなの?」
ここでさっきまで華やかに着飾ったたくさんの人々が,楽しそうにパーティーをしていたとは思えない。私の住んでいた屋敷は跡形もなく消え,建物の骨組みさえ残っていない。庭に咲いていたはずの色とりどりの花は無惨に荒れ,まるで未知の生物が襲来したかのようだった。微かに焦げ臭く,薬物のような匂いが広がり,眩暈がしてきた。くらむ頭を手でおさえながら,私はゆらりと立ち上がった。そして,ぐるりと周囲を見渡した。ちりのようなものがいくつも空気中に揺らめいていて,空は雲で覆われ太陽は見えない。この世から生物が滅亡したのかと思うほど,辺りは静まり返っていた。私の全く知らない世界だった。……私以外の人たちはどうなったのだろうか。全く姿が見えない。私は破れた服の裾を手でちぎり,それを口の方にあてた。匂いに耐えきれなかったのだ。私はゆらゆらと力なく一歩を踏み出した。これからどうなるのかわ分からないけど,何かしないと心が落ち着かない。だから,私は歩き出した。消えた人を見つけるために。何が起こったのかを知るために。あの平穏な日常を取り戻すために。
ールイスに,私の大切な執事に会うために。

取り戻せ、日常を。

執筆の狙い

作者 ♧ヒロカ♧
KD106154160096.au-net.ne.jp

「滅亡」をテーマにした雰囲気の物語を一度書いてみたくて,執事とお嬢様の恋愛に興味があるのでこのような物語を作成いたしました。素人作品なので,良ければアドバイスを下さい!意味がわからないところや,もう少しこんな風に工夫をしたらいいなど,作品の感想でも大丈夫です。何かしらの評価をいただければと嬉しく思います。よろしくお願いします🙇‍♀️あと,できたらハッピーエンドで終わりたいので,この後どうやってルイスと出会い,生きていくのかという提案もできれば欲しいです……!(ちなみになぜ破壊されたかは,いくつか候補はあるのですが,具体的にはこの続きを考えることがある場合に決めようかなと思っております汗)
作品を読んでくださってありがとうございました😊

コメント

♧ヒロカ♧
KD106154160096.au-net.ne.jp

すみません。本文中の「このあとどうなるかわ分からないけど,何かしないと心が落ち着かない。」の「どうなるかわ」を間違えていました💦

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>♧ヒロカ♧さん

読ませていただきました。
主人公がなぜ執事のことを好きになったのか、そのきっかけエピソードがあればいいなと思います。
それは回想シーンでもいいですけど。

で、主人公がいったん変な男に捕まる。
ピンチのところを、「約束ですから」とかいって執事が救出し、再会を果たすとか。
ベタな展開ではありますが、王道のほうが書きやすいと思います。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

ビジュアル面が弱いかもしれません。
主人公の容姿(姿とか服とか、これは一人称だから鏡を使うなど何かしら描写する際に一工夫必要なのですが)
爆発前のお屋敷の様子(これがあるとギャップが生まれて、破壊がより際立ちます)
ルイスの容姿(これがあると二人の仲が恋愛に発展するのか、お爺さん的なモブキャラなのかとか、キャラが立ちます)

そしてそのビジュアル描写にさり気なく心理描写を混ぜるのです。

ルイスのタキシードの後姿はぴりりと強張った。ルイスは険しい中にもいっしゅんわたしに眉を下げ警告しわたしの手を取った。「お嬢様―!」
(ルイスの男としての異性の魅力とお嬢様への好意と優しさを含んでみました。これはあからさますぎる悪い例です)

そんな感じでこれをプロットにボリュームを2倍程度まで膨らませながら描くと、読みごたえが出ると思います。
とりあえず読みながら、映像シーンをイメージするような読書にチャレンジしてみてください。
良い本というのは映像的にも優れていることが多いです。
また、自分の文章を読み返すときに、文章だけ流れて絵が浮かばないとき、あるいは脳内の絵に保管されだまされているな(全く初見の読者になり切るのがコツです)と思ったら要注意です。
なにかしらハウツー本を手に取ることをお勧めします。

♧ヒロカ♧
KD106154160096.au-net.ne.jp

神楽堂さん,えんがわさん,コメントありがとうございます。

∇神楽堂さん
そうですね。今後続きを作る時に考えて取り入れてみようと思います。自分も読んでみて,もう少しそのきっかけなど恋愛を感じさせる方が作品が良くなるかなと思いました!今後の展開のネタ提供ありがとうございます!参考にさせていただきます♪

∇えんがわさん
私も書いて投稿し読み返して思ったのがもう少しビジュアル入れた方がよりわかりやすく,状況のイメージがしやすいなと私自身も感じました。ビジュアル面を改善させるアドバイスもありがとうございます!今後に活かそうと思います♪

お二人とも読んでくださり感謝です!!

夜の雨
ai224238.d.west.v6connect.net

♧ヒロカ♧さん「取り戻せ、日常を。」読みました。

●素人作品なので,良ければアドバイスを下さい!

小説と言ってもいろいろあると思いますが、御作はエンタメの部類になりますね。
物語は『起承転結』の構成から成っているので、冒頭を頭の中でイメージして、次にラストがどうなるのかをイメージする。
そして後は、頭の中だけでどんどん妄想をおもしろく膨らまして話を創る。
そしてラストに着地させるわけですが、少々の無理があっても、とりあえずラストまでは頭の中で物語をイメージしてしまう。
そうすると、物語にいろいろ違和感があっても、頭の中で、第一稿の作品は出来上がります。

で、だいたいの物語が頭の中でできると、それをパソコンなどで、ワードほかの文章ソフトで書いていく。
すると不思議なことに、先に頭の中で妄想をふくらまして、冒頭からラストまでイメージしているのが「ひとつひとつのエピソード」として、文章で形として残っていきます。
しかし頭の中で妄想した作品は細部までイメージできていないので、文章ソフトで書いていると、途中で引っかかるところなどが出てきます。
そのときに「引っかかる」部分があっても、とりあえず、ラストまで文章化します。

すると、作者が最初にした頭の中での妄想の物語がパソコンの中の文章ソフトに具体的に残ります。
これが第一稿になります。
第一稿の作品を読み直すと違和感があるストーリーであちらこちらに矛盾点とかがありますので。
第二稿で、それらの矛盾点などを「つじつまが合うように」修正して、話が違和感なくラストまで読めるようにします。
これを何度か繰り返すと、完成度が高くなります。

とりあえず、物語の作り方を書いてみましたが、もちろんほかにもいろいろ作り方はあります。

大事なのは、最初に物語を創るときに、自分の頭の中で基本的なストーリーを面白く作ることです。
目一杯妄想をひろげる。
エンタメの場合は、このあたりが重要ではないかと。

で、今回の御作についてですが。
現状では、頭の中での妄想自体がまだ、ふくらんでいないといった感じです。

「冒頭部分」の、それもイメージしか書けていないといったところ。

●「キーワード」としては。

『王族と結びつきが強いフォーカル家の娘』が主人公。

そこに11歳当時から仕えている『ルイス』と主人公の『フォーカル家の娘』が最終的に結ばれる
ストーリーラインを作る。

物語を盛り上げるために『滅亡』というエピソードが、主人公たちの行く手を阻む。
しかし滅亡のエピソードが大掛かりなほど、主人公たちの冒険が面白くなる。
または、主人公の娘と召使のルイスが行動することで、ふたりの話しがもりあがるし、キャラクターが読み手に伝わる。


御作は『王族と結びつきが強いフォーカル家の娘』と彼女に仕える『ルイス』の物語なので、この二人のキャラクターやら背景部分をしっかりと作っておく。
『滅亡』がどういったモノなのかを具体的に作る。
この滅亡が軸になり、主人公たち二人のエピソードが展開していき、最終的には結ばれるので。

外的世界から『滅亡』がやって来るのか。宇宙ほか異界から。(エンタメ的な傾向)。
内的世界から『滅亡』がやって来るのか。主人公やら民衆やらの精神世界。(文学的な傾向)。

外的世界と内的世界を混合させると複雑で面白くなるが、構成がむつかしい。

外的世界と内的世界の単独で物語の危機を描くと単純な構成になるが、話は創りやすい。

現状の御作はこちらになるかな。王道路線です。
>外的世界から『滅亡』がやって来るのか。宇宙ほか異界、または地球の異変とか。(エンタメ的な傾向)。<
あとは「宇宙ほか異界、地球の異変」これらの「滅亡」を具体的にする。

>主人公、二人のキャラクターやら背景部分をしっかりと作っておく。<
「主人公、二人」だけで、『滅亡』に立ち向かうのがむつかしい場合は、「味方になるようなとんでもなく強いキャラクターを作る。
この強いキャラクターは癖のある人物や「道具」等にすると面白くなるが、王道と言った感じなので、作者さんの力量が問われます。

●ちなみになぜ破壊されたかは,いくつか候補はあるのですが
これは、かなり重要なので、どの「候補」にすると、「主人公、二人のキャラクター」の冒険といった行動が面白くなるかをよく考える。
現状では、滅亡の破壊された原因が何なのかわからないので、この程度しかアドバイスはできません。

●「滅亡」をテーマにした雰囲気の物語を一度書いてみたくて,
この手のテーマはダイナミックで面白いですからね。
現在二面のなかほどにある「石炭紀の雨」という私の作品が、この「滅亡」をテーマにしています。
現代を舞台にした地球再生の物語ですが。

●執事とお嬢様の恋愛に興味があるのでこのような物語を作成いたしました。
上にも書きましたが、キャラクターと背景をしっかりとエピソードで描くとよいのでは。

●意味がわからないところや,もう少しこんな風に工夫をしたらいいなど,作品の感想でも大丈夫です。
●できたらハッピーエンドで終わりたいので,この後どうやってルイスと出会い,生きていくのかという提案もできれば欲しいです……!

このあたりは、「滅亡」がどういったモノなのかが、わからないことには。
「日本沈没」という小説(ほか映画)がありますが、この作品も滅亡ものです。

●何かしらの評価をいただければと嬉しく思います。
妄想をふくらまして創作するのは楽しいので、そういった行動をしているだけでも値打ちものです。

がんばってください。

お疲れさまでした。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

テクニカルサポート

3,000字以内