作家でごはん!鍛練場
atom

故郷の憂鬱

 パソコンの画面を見つめながら、キーボードを叩き、資料を作成していく。画面には文字が並び、じっと見ていると、ミスがあったことに気が付き、修正をした。ふと視線をそらすと社内は閑散としていた。窓の外から東京の夜景が見える。僕はしばらくの間、作業を行っていたが、期日まではまだ余裕があるので、年が明けてから残りをすることにした。ノートパソコンの電源を落とし、バッグに入れる。バッグの中は様々な書類が乱雑に入っていたので、後々整理しようと思った。
 オフィスを後にして、エレベーターの前で待っていると、同期の田中美緒がちょうどやってきたところだった。時刻は九時を回り、今年最後の仕事だ。田中は僕に手を振るとこちらにやってきた。
「もう今年も終わりだね。年末は何するの?」と彼女は言った。
「実家に帰るよ」
「実家どこだっけ?」
「奈良」
「奈良かー。修学旅行で行ったことあるな」
「田中は?」
「私は北海道でスノボをやるんだ」
 僕らがそんな会話をしているとエレベーターはやってきた。中には人がいなかったので、二人で一階まで向かう。
「実家には帰らないの?」と僕は聞いた。
「帰ってきてから顔を出そうかなと思ってる。私の実家は千葉だからさ。時々帰ってるんだよね」
「そっか」
 エレベーターは一階に着き、僕らは降りた。ビルの外に出ると冷たい風が吹いている。僕らはビルから駅に向かって歩き始めた。田中は寒そうに首元をすくめていた。東京の空には雲一つなく星がまばらに輝いている。地元のことを今でも時々思い出すことがある。
「じゃあまた」と駅に着くと田中は言った。
「またね」と僕も手を振った。
 駅のホームの階段を上り、ちょうど電車が来ていたので乗った。手すりに掴まりながら、窓の外の風景を見ていると、スマートフォンが振動した。メッセージが来ていて、佐々木京子からだった。京子は実家がすぐ近くにある幼なじみで幼稚園から高校まで同じだった。今は体調を崩し、実家で療養をしていると言っていた。
「久しぶり」とメッセージが来ていたので、「久しぶり」と僕も返した。
「年末は帰ってくるの?」
「明日帰るよ」
「そっか。一回どこかで会わない?」
「いいよ。食事でもしよう」
 やり取りが終わり、スマートフォンをポケットに仕舞うと彼女の幼い頃の面影を思い出した。小さい頃から一緒にいるから、僕らは親しかったが、彼女は病気になり、しばらくの間会っていなかった。

 東京駅から新幹線に乗り、窓の外の移り変わっていく景色を眺めていた。家々が立ち並び、郊外の住宅街の景色が見えた。スマートフォンには京子から来たメッセージが残されている。車内で先ほど買ったビールを開け、弁当を食べ始めた。アナウンスはもうすぐ次の駅に着くことを告げている。
 弁当を食べながら、窓の外の風景を時々眺め、段々と風景が閑散としていくのを感じる。僕は東京から地元に帰る度にこの景色を眺め、その時自分に起こったことを思い出していた。
 弁当を食べ終えると、ビールの缶を飲み干し、ビニール袋の中に仕舞った。席を少しだけ後ろに倒し、目を閉じる。今までの記憶の断片が蘇り消えていく。
 京都駅に着くと、僕はバッグを持って降りた。懐かしい光景が目の前に広がっている。学生の頃、よく京都に遊びに来ていた。
 在来線に乗り、実家まで帰った。車内は空いていたので端の席に座っていた。駅に着くと、バスに乗って、実家まで向かう。慣れ親しんだ住宅街が続いていて、バスを降りると、昔から馴染みのある道を歩いて行った。
 所々昔とは変わって、新しい家や店が建ち並んでいる。実家のインターホンを押すと、母親が出た。
 ドアが開くと、「おかえり」と母親が言ったので、「ただいま」と言った。
 階段を上り、自分が昔使っていた部屋に行く。勉強机や本棚などが今も置かれていて、懐かしい気持ちになった。
 リビングへ降りていくと、母親がお茶を淹れていた。
「帰って来たのは夏以来だね。元気にやってる?」
「それなりにやってるよ」
 僕は母親が淹れてくれた緑茶を飲んだ。リビングは前に来た時と変わっていない。カレンダーがあり、時計があり、ソファがあり、テレビがあった。
 母親は僕の向かいに座り、緑茶を飲んでいた。
「京子は元気?」と僕は聞いた。
「今は休んでいるみたいね。いろいろ大変みたい」
「そうなの?」
「この間、体調を崩して入院したみたいよ」
 テレビを付けるとニュースがやっている。僕はしばらくの間、母親と取り留めのない話をして、自分の部屋に戻った。
 ベッドに寝転がりながら天井を眺めていると、不思議な気持ちになった。昔はこうして毎日ここで過ごしていたが、今は遠くに住んでいる。あの頃は将来こうなるなんて予想もしていなかった。特に将来について考えないまま、地元の大学を卒業し、就職と共に上京した。こうして家に帰ってくると心が休まる気がする。知らず知らずのうちに抱えていた緊張感がほどけるような気がした。

 部屋の中で小説を読みながら、ぼんやりと様々なことを思い出していた。昔から使っていた本棚には好きな小説が残っている。窓の外は日が暮れ始めて、オレンジ色の夕日が見えた。小説を途中まで読むと、起き上がり、リビングへ行った。母親がソファに座ってテレビを見ている。冷蔵庫からチョコレートを取り出して、テーブルに座って食べながらテレビのニュースを見ていた。部屋に戻ると、スマートフォンに連絡があった。
 明日の昼に京子と会うことになり、僕はスマートフォンを置くと、天井を眺めた。様々なことが過ぎていく。いつの間にか自分は大人になり、今の生活をしていた。
 夕食は母親が作ってくれたとんかつを食べ、風呂に入り、歯を磨き、その日は夜の九時に眠った。
 目が覚めると、朝の七時だった。洗面台で顔を洗い、歯を磨く。母親が朝食を作り終わった頃だったので、朝食を食べた。父親も休みのようで三人でテーブルに座って、食事をした。テレビではニュースがやっていて、ちょうど天気予報が始まった。今日も明日も晴れるようだ。
 午前中は近所を散歩した後、昼になると駅前に向かった。駅前には焼きたてのパンを出すレストランがあり、そこで京子と待ち合わせをしている。
 時間になると、京子がやってきた。ダウンジャケットを羽織り、寒そうに首をすくめながら、こちらへ歩いてきた。
「久しぶり」と僕は声を掛けた。
「久しぶりだね。元気だった?」
「それなりに」
 レストランの中に入ると、中は暖房が効いていて暖かい。二人掛けのテーブル席に通されたので、コートをハンガーに掛けた。
 向き合って座っていると、京子は以前よりも大人になっている気がした。僕らは小さい頃から一緒に過ごしてきたが、お互いが変わっていくのを見ていたので、時間が経つのは早いと感じる。
 ランチのコースを頼むと、パンが運ばれてきたので、バターを塗って食べた。前にも来ているがそれなりにおいしい気がする。
 京子は僕の方をぼんやりと見ていた。僕は何を話そうか考えていた。
 スープが運ばれてくると、食べ始めた。
「体調はどうなの?」と僕は話し始めた。
「あんまり安定しないんだよね。この前も入院したし」
「良くなってはきているの?」
「微妙なところかな」
 スープを食べ終えると、サラダが運ばれてきたので食べた。僕は京子のことを見ながら、食事をしていた。以前に比べると少し痩せているかもしれない。その日は昼食をレストランで食べ、家に帰った。

 実家から帰ってきたのは午後の五時だった。窓の外は日が暮れて暗くなり始めている。部屋のカーテンと窓を開け、ベランダから街の風景を眺めていた。スマートフォンが振動したので出ると、京子からだった。
「もしもし」と声がした。
「どうしたの?」
「いろいろあったけどさ、来年から就職しようと思うんだ」
「それはよかった」と僕は言った。
 電話をしながら、冷蔵庫を開けビールをソファに座って飲んだ。京子は今までの仕事の経験を生かし、就職活動をするつもりだと話していた。
「いろいろあったけどさ、人生はわからないよ。でも最後はなんとかなる気がするんだ」
 京子はそう言うとしばらくの間、黙っていた。それから電話を切り、僕は夕食を作ることにした。
 冷蔵庫から野菜と肉を取り出し、カレーを作る。カレーを鍋で煮ている間に、テレビで最近起きている事件のニュースを見た。
 時間はあっという間に過ぎていく。ぼんやりと過去のことを思い出しているうちに眠くなってきたので、カレーの鍋の火を止めて、ベッドに寝転がった。
 仰向けで天井を見ていると、幼少期の頃の情景を思い出す。京子と一緒に川で遊んでいた。あの頃は今の自分がこうなるなんて想像もしていなかった。
 当たり前のように毎日を過ごし、学校では友達と遊んでいた。京子が今回こうなったことは、僕にとっては意外だったが、仕方のないことかもしれない。
 そういえば大学の友達で弟を自殺で失った人がいた。彼は明るいタイプで誰とでも仲良くなれるような人だったが、酒を飲みながら弟の話をしていると泣いていた。
 もしかしたら京子だって危ないかもしれないと、その経験から思う。人生は何事もなく進んでいくことの方が珍しいかもしれない。
 カレーが出来上がると、皿によそい、テーブルに座って食べ始めた。テレビではクイズ番組がやっていて、なんとなく見ていた。時間は過ぎていき、風呂に入って眠る時間になった。
 ベッドの中で目を閉じていると、レストランで会った京子の顔を思い出す。もしかしたら今も辛いのかもしれない。僕は果たして適切に彼女と接することができたのだろうか。
 しばらくすると僕は眠りに落ちた。夢の中で、京子がメリーゴーランドに乗っている。僕らはまだ子供だった。遊園地の中で、二人で遊んでいると、京子がいなくなってしまった。僕は一人で遊園地の中を彷徨った。その時不安を感じ、目が覚めると夜中の二時だった。

故郷の憂鬱

執筆の狙い

作者 atom
KD106179132252.ppp-bb.dion.ne.jp

純文学を書いてみようと思いました。村上春樹の「ノルウェイの森」に若干影響されています。

コメント

夜の雨
ai226092.d.west.v6connect.net

atomさん、「故郷の憂鬱」読みました。

たしかに「故郷の憂鬱」ですね、タイトルがぴったりです。

それでどこが故郷の憂鬱なのかというと、「京子」という幼馴染が原因なのですよね。
京子が体調を崩し、実家で療養しているが、その彼女から東京から実家に帰ったら会おうと連絡が来た。
主人公は東京から実家の京都(もしくは奈良)に帰って来て、実家の母に会い飯を食って翌日の昼に京子と逢うが。

京子は、一見体調に問題がなさそうだが、東京に帰った後、連絡が入り「いろいろあったけどさ、来年から就職しようと思うんだ」という『就職』がらみの話をしてきました。
ふつうなら実家に帰って逢ったときにすればよいものを東京に主人公が帰って来てから連絡してきたという事は「話しにくかった」ということなので、まだ、「京子は就職にストレスを感じている」ということになる。
主人公は大学の友人が弟を自殺で失っていて泣いていたのを思い出したので、京子とその話を結んでしまう。
そんなことを考えながら眠りに落ちたのだが、夢の中で主人公が京子と遊んでいて彼女がいなくなってしまう。
このあたりが主人公の彼女に対しての不安の現れなのだと思うが。

ということで、御作は主人公の青年が年末年始の休暇を故郷に帰って、幼馴染の京子と逢って、「彼女が生きていくうえでの不安を共有する」というお話でした。
登場人物、とくに主人公の青年と幼馴染の京子はキャラクターが立っていました。
なので、物語に説得力がありました。

しかし御作には欠点があります。

文章がかなり荒いです。

要するに、手抜きなので、作品が出来上がってもすぐに投稿するのではなくて、少し寝かせてから読み直すとよいのでは。

具体的には。


>窓の外から東京の夜景が見える。<
窓から東京の夜景が見える。

>期日まではまだ余裕があるので<
期日までにはまだ余裕があるので

>オフィスを後にして、エレベーターの前で待っていると、同期の田中美緒がちょうどやってきたところだった。時刻は九時を回り、今年最後の仕事だ。田中は僕に手を振るとこちらにやってきた。<
 オフィスを後にして、エレベーターの前で待っていると、同期の田中美緒が手を振りながらやってきた。時刻は九時を回っていた。
「もう今年も終わりだね。年末は何するの?」と彼女は言った。
「実家に帰るよ」

>テレビを付けるとニュースがやっている。<
テレビを点けるとニュースをやっている。(点ける「電源を入れる」)

>母親が朝食を作り終わった頃だったので、朝食を食べた。<
母親が朝食を作ったので、食べた。

 >実家から帰ってきたのは午後の五時だった。窓の外は日が暮れて暗くなり始めている。部屋のカーテンと窓を開け、ベランダから街の風景を眺めていた。<

>実家から帰ってきたのは午後の五時だった。<
実家から東京に帰ってきたのは午後の五時だった。
または
実家から帰ってきたのは午後の五時だった。窓の外は日が暮れて暗くなり始めている。部屋のカーテンと窓を開け、ベランダから東京タワーを眺めた。

と、いろいろと、指摘させてもらいましたが、御作の世界観は成立していて、かなり良かったです。「テーマ」を、設定やキャラクターなどで構成するのがうまくて純文学になっていたのでは。


お疲れさまでした。

atom
KD106179132252.ppp-bb.dion.ne.jp

夜の雨様 

コメントありがとうございます。
まず作品の解釈からですが、そのように捉えられていたと認識できました。
どのように伝わっているのかわかってよかったです。
またご指摘の文章の欠点につきましては確かにその通りだと思います。
推敲は一度したのですが、直しきれませんでした。
正しい日本語を使えるように努力しようと思います。
読んでいただきありがとうございました。
次作に生かそうと思います。

青井水脈
softbank114048251234.bbtec.net

読ませていただきました。

>その日は昼食をレストランで食べ、家に帰った。

この文章の前では、レストランの中に入り、運ばれてきた料理を食べ、と順序よく流れているので、最後に「その日は昼食をレストランで食べ〜」となるのは、少々回りくどいというか。「食べ終えて店を後にして、その日は家に帰った」みたいにした方がスムーズかと。

タイトルは「故郷の憂鬱」ですが、東京の会社員である主人公にとっては、日々の仕事で張りつめていた神経が休まる実家でもあり。
夢に出てくるメリーゴーランド、遊園地は無邪気さ、子ども時代の象徴として。そこから京子がいなくなり、主人公は一人園内を彷徨い、目覚めると午前二時。主人公の潜在意識、不安の表れと取れますね。

atom
KD106179132252.ppp-bb.dion.ne.jp

青井水脈様

コメントありがとうございます。
レストランの描写は気を付けるべきだったかもしれないです。
夢の解釈ですが、そのように捉えていただき、よかったと思います。
読んでいただきありがとうございました。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>atomさん

読ませていただきました。
作者様のもつ「純文学」のイメージがどういうものなのかが、この作品に表れていると思いました。
が、正直、文体が単調すぎて、文学性が感じられません。
AするとB。CするとD。EするとF……
ずっとこんな感じで進行していき、メリハリがないです。
また、何気ない日常描写が連なっていますが、その連なりがどこに向かっているのかが不明瞭で、ただただ描写を続けているだけのように思えます。

>手すりに掴まりながら、窓の外の風景を見ていると、スマートフォンが振動した。

意味は通じますし、変というわけではありません。ただ、おもしろくないのです。
出来事を順番に書いているだけで、小学生の作文みたいな感じです。
(推敲例)
スマートフォンが振動した。窓の外の風景からスマホへと目を移す。


>メッセージが来ていて、佐々木京子からだった。

(推敲例)
佐々木京子からのメッセージだ。



>東京駅から新幹線に乗り、窓の外の移り変わっていく景色を眺めていた。

仕事帰りだと思っていたのですが、ここで急に新幹線に乗って、いったいどこに行くのかと思いました。


>僕は東京から地元に帰る度にこの景色を眺め、その時自分に起こったことを思い出していた。

ここで、帰省するのだと分かったのですが、小さい描写はたくさんある割には、肝心の主人公の行動目的は書かれていないのもどうかと思います。
ちなみに、私は勤め先からそのまま帰省するという経験はないのですが、東京から京都へ帰省だとこんな感じなのでしょうか?
なにか見落としていたのかと思って、冒頭に戻って読んでみました。

>僕はしばらくの間、作業を行っていたが、期日まではまだ余裕があるので、年が明けてから残りをすることにした。

仕事を切り上げて帰る、という描写だと思って読んでいました。
実際はこのあと、新幹線に乗って帰省するので仕事を打ち切ったんですよね?
地の文の説明が多い割には、肝心なことが書かれていないですね。
そもそも、冒頭でこれから帰省をすることを隠す必然性もないですし。

>「もう今年も終わりだね。年末は何するの?」と彼女は言った。
>「実家に帰るよ」

(推敲例)
「もう今年も終わりだね。年末は何するの?」と彼女は言った。
「実家に帰るよ。これから新幹線に乗るんだ」
「これから?」
「そう。これから」


>東京駅から新幹線に乗り、窓の外の移り変わっていく景色を眺めていた。家々が立ち並び、郊外の住宅街の景色が見えた。

ここは、いつもの通勤風景との違いを描写してほしかったです。


>スマートフォンには京子から来たメッセージが残されている。

これは、実際にスマホを見ているわけではなく、先程の着信のことを思い出しているという解釈でよろしいですか?
もしそうであれば、視線はスマホではないところを見ていつつも、頭ではスマホのことを思い出している、といった描写のほうがよいと思います。


> ドアが開くと、「おかえり」と母親が言ったので、「ただいま」と言った。

こういうところが小学生臭いというか、センスがないというか。
前回の帰省はいつなのでしょうか。
「おかえり」という母の声はどんな感じだったのでしょうか。
それを聞いてどう思ったのでしょう。
ドアが開いたのですから、母の姿が視野に入ったはずですよね。
服装、表情、声の感じ。
何も伝わってきません。


>「帰って来たのは夏以来だね。元気にやってる?」

ここまで読んで、いつぶりの帰省なのかがやっと分かりました。
夏ぶりであれば、先程の車窓の描写は季節の変化を交えるべきでしょう。


帰省してすぐ自室に向かっていますけど、世の中のみんながこんな帰省をしているのでしょうか?
東京で買ったお菓子とか渡さないんですか?
日常的に家に帰るのと、帰省で家で帰るのとで、場面描写はまったく同じでよいですか?


>夕食は母親が作ってくれたとんかつを食べ、風呂に入り、歯を磨き、その日は夜の九時に眠った。

このあたりも表現が小学生の日記のようです。
帰省して母が出してくれる食事って、かなりネタになると思うんですよね。
例えばですが、前に帰省したときもとんかつだった、とか、食べきれない量のおかずを次々に出してくる、とか。


>時間になると、京子がやってきた。ダウンジャケットを羽織り、寒そうに首をすくめながら、こちらへ歩いてきた。

久しぶりの再会にしては描写は着ている服だけですか?
もっと他に書くことがあるのでは?
服装を書くのはかまいませんが、その服は見慣れたものでしたか? 新しくおろしたものですか?


>向き合って座っていると、京子は以前よりも大人になっている気がした。

どのあたりから「大人」を感じましたか?
書き手のセンスが発揮されるところなのですが。


>僕は何を話そうか考えていた。
> スープが運ばれてくると、食べ始めた。
>「体調はどうなの?」と僕は話し始めた。

体調を問う話題は、どういう考えで出したのか。
何を話そうか考えつかずに、とりあえず体調を聞いたのか、
あるいは、何を話すか考えた結果、体調を聞いたのか。
そのあたりの描写がないです。


全体を通じて、いらない説明が多い割には、肝心な描写が抜けている感じがしました。
説明的に書くのは無粋ですので、純文学らしく隠喩を使うでもいいですし、もう少し読ませる文体で書いていけたらいいのでは、と思います。

atom
KD106130144208.au-net.ne.jp

神楽堂様

コメントありがとうございます。
繰り返し小学生のようだと指摘されていますが、あなたの推敲した文章が小学生みたいだと感じました。あなたの投稿した小説を読みましたが、まるで文才もなく、基礎もできていない公募では相手にされない小説だと思います。自分が小学生のような作品しか描けないから、今回指摘したのではないですか。失礼します。

偏差値45
KD059132068078.au-net.ne.jp

内容は伝わっているのは、良いとしても……。
劇的ではないですね。ドラマチックではないので面白味に欠ける。
読者があっと驚くような展開を期待したいですね。

atom
KD106179132252.ppp-bb.dion.ne.jp

偏差値45様

コメントありがとうございます。
素人なりに評価してくれたようで参考します。

小次郎
58-191-26-17f1.hyg1.eonet.ne.jp

ノルウエーの森ってだいぶん危うい世界ですよね。
ノルウエーの森の主人公が自殺していてもおかしくないし。
掌編で、ノルウエーの森のような危うさを作るのは難しいかもです。
あと掌編で、
>夕食は母親が作ってくれたとんかつを食べ、風呂に入り、歯を磨き、その日は夜の九時に眠った。
>目が覚めると、朝の七時だった。洗面台で顔を洗い、歯を磨く。
日常シーンの記入ってどうなんだろうって思います。
僕自身があまり分っていないところがありますが、他の情報の方が、必要そうってなんとなく思います。なんとなくです。

文章は読みやすいんですが、苦言を呈すると、読点が多いですね。
読点が多いと、せっかくの読みやすいのに、かえって読みにくくなってしまいますね。

年齢書かれていませんが、この小説の主人公は若いんだろうなって感じました。

atom
KD106179132252.ppp-bb.dion.ne.jp

小次郎様

コメントありがとうございます。
個人的には主人公は自殺しないタイプかなと思います。冒頭の森のシーンで井戸に落ちないと直子が言ってましたから。
日常シーンは確かにいらないですね。読点も改善の余地があると思います。
主人公は20代後半くらいを想定しました。

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ちょっと気になったコメントがあったので書かせてもらいます。小説は前半しか読んでいないので感想ではありません。

小次郎さんのコメント

>文章は読みやすいんですが、苦言を呈すると、読点が多いですね。
>読点が多いと、せっかくの読みやすいのに、かえって読みにくくなってしまいますね。

この小説を音読アプリに読ませてみるとわかりますが、とても聴きやすい文章になっています。
読点については、いろいろと作者の思惑が見え隠れするものです。
例えば、ここは読者に強調したい場面の場合に、あえてその文の前に読点を入れたりするものです。

文学では、太宰治を読んでみると良くわかると思いますよ。

失礼しました。

小次郎
58-191-26-17f1.hyg1.eonet.ne.jp

atomさんのコメント欄に書くこと書くことお許し下さい。
凪さんのコメント、僕へのメッセージでもあるので。

>読者に強調したい場面の場合に、あえてその文の前に読点を入れたりするものです。

そんなスキルあったんですね。そこは、見落としていました。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>atomさん

ご返信ありがとうございます。
私のコメントに村上春樹ネタを仕込んでいたのですが、
マニアック過ぎて伝わりませんでしたね^^;

飼い猫ちゃりりん
dw49-106-174-240.m-zone.jp

atom様
小学生レベルと言われては、腹も立つでしょう。お気持ちは察しますが……
何点か教えて下さい。
書き上げてから、何回ほど文章の点検しましたか?
音読は何回? 実際に声に出して読みましたか?
ストーリーに矛盾や不自然な点はないかチェックはしましたか?

atom
KD106179132252.ppp-bb.dion.ne.jp

飼い猫ちゃりりん様

コメントありがとうございます。
推敲は一回読み、誤字を修正しました。
音読はしていません。
ストーリーに矛盾はないと判断しました。

飼い猫ちゃりりん
14-133-239-174.area5a.commufa.jp

そうですか。御自身が納得されているなら、それで良いと思います。
ところで、京子はいつ体調を崩したんですか? 半年前の夏は元気だったんですよね? どんな病気? 実家が近所の幼馴染なのに、なぜ母親は主人公に黙っていたのですか? そもそもなぜ京子は主人公に体調が悪いことを黙っていたのですか? 「年末は帰ってくるの?」とメールで聞くくらいの仲なのに。
それと幼馴染のことを自分の母親に向かって呼び捨てで言いますかね?
「京子は元気?」
婚約でもしているの?
普通は「京子ちゃんは元気?」とか。
そもそも知りたいなら自分でメールで聞けばいいと思いますが。
人間関係がさっぱりイメージ出来ません。文章のおかしな点も、あげ始めると切りがない感じですが、ご自身が納得されているならそれでいいと思います。

atom
KD106179132252.ppp-bb.dion.ne.jp

飼い猫ちゃりりん様

コメントありがとうございます。
京子の病気はあえて明記しませんでした。
主人公は京子の病気を知っていた設定ですが。
幼なじみなので呼び捨てでもいいと思いますが。
人間関係が理解イメージできない、文章がおかしな点があるというのはあなたが読解力がないだけでは。

飼い猫ちゃりりん
dw49-106-187-242.m-zone.jp

atom様
主人公は京子が体調を悪くしていることを以前から知っており、直接メールのやり取りもしている。
なのに母親に
「京子は元気?」と聞く。
メール交換をしている仲の良い幼馴染という設定と矛盾してませんか?
母親以上に知ってなくちゃ変では?
母親は京子の実家の近所にいるから、主人公の知らないことを知っていると言う設定なら、母親はなぜ主人公に京子の近況を伝えないのですか? なぜ聞かれるまで黙っているのですか? 主人公と京子が幼なじみであることは知っているんですよね?
非常に不思議なんですが、作者様の頭の中で矛盾なく成立しているなら問題はないと思います。

atom
KD106179132252.ppp-bb.dion.ne.jp

飼い猫ちゃりりん様

京子とは日頃やり取りをしておらず、久しぶりに会わないかと連絡が来た設定です。母親が京子の近況を主人公に伝えなかったのは、入院はしたけれどもそれほど深刻な問題ではなかったからという設定です。

飼い猫ちゃりりん
sp49-98-8-109.msb.spmode.ne.jp

分りました。素敵な設定ですね。

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

テクニカルサポート

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