作家でごはん!鍛練場
神楽堂

 主治医から告知された。

「|喉頭《こうとう》がんです」

 頭が真っ白になる。
 自分ががん患者になったという事実は受け入れ難かった。

「……あ、あの……治るんですよね?」

「……進行していますが、治療は可能です」

「やっぱり、手術とかするんですか?」

「これからの経過次第ですので今はなんとも言えませんが、手術は選択肢の一つとなります」

 こうして、私は抗がん剤と放射線治療を受けることになった。
 まずはがんを小さくし、それから切除するとのこと。

 思えば、声のかすれはあった。
 何となく食べ物が飲み込みにくいこともあった。
 鼻詰まりの感じもあった。
 まさか、それががんによるものだったなんて……
 抗がん剤と放射線治療だけで治ればいいのだが。

* * *

 数カ月の治療の後、今後の方針が告げられた。

「手術をした方がよいでしょう」

 大きな手術になるということで、家族を呼んでの説明となった。
 私のがんは進行しており、喉頭を全摘出するという。
 主治医は告げる。

「手術後は声を出せなくなります」

 声を出せなくなる……
 想像できなかった。
 今まで当たり前のように声を発し、しゃべってきた。
 それが、これからは一切の声を出せなくなるとのこと。
 主治医は、のどの構造図を見せながら説明してくれた。

「ここからここまでの部分を手術で取り除きます。ここは『声帯』と呼ばれる部分で、声を出すところです。声は肺から出す空気が声帯をふるわせることで出ています。手術で声帯も取ってしまうので、手術後は声を出せなくなります」

 手術をしないという選択肢も選べたが、それはすなわち、死を意味した。
 声を失うのは辛いが、命の方が大事。
 私は手術を受ける決心をした。
 家族も同意してくれた。

「手術を受ける前に、声をたくさん録音しておくといいですよ」

 なるほど……
 声帯を失ってしまっては、もう自分の声でしゃべれなくなってしまう。
 しゃべれるうちに、私の声を残しておくことにしよう。

 私はスマホを手に取った。
 まずは何を言おう。
 録音ボタンを押し、私は話す。

「ありがとう」

 最初に録音する言葉はこれにした。
 さっそく、再生してみる。

「ありがとう」

 自分の声を自分で聞くのは恥ずかしい。
 しかし、これから私は感謝の言葉を自分の声では言えなくなってしまうのだ。
 もっと気持ちを込めて言わないと。

「……ありがとう……」

 録音しては再生し、しっくりこなくて消去。もう一度録音……
 これを何回繰り返しただろう。

* * *

 だんだん自分の声に慣れてきた。
 聞けば聞くほど、自分の声に愛着がわいてくる。

 あぁ……
 この声ともお別れとなるのか。
 録音された声は、もう一人の自分だった。

* * *

 何度も録音しているうちに、気持ちを込めた言い方がだんだんと分かってきた。
 たくさんの「ありがとう」を録音した。
 ちょっとしたお礼用の「ありがとう」から、とても重大なことのお礼用の「ありがとうございます」まで、いろいろな「ありがとう」を録音した。

 他にはどんな声を録音しておくといいのだろう。
 今までの自分の生活を振り返ってみた。
 どんな言葉が生きていく上で必要なのか。
 やはり、基本は挨拶かな。

「おはようございます」
「こんにちは」
「おやすみなさい」
「いただきます」
「ごちそうさま」
「ごめんなさい」
「すみません」
「お願いします」

 あとは……あとは……
 何があったっけ?
 しゃべれるうちに……しゃべれるうちに……

 私は録音を続けた。
 家族の名前もしっかり録音した。
 お世話になった知人の名前も録音した。

 あとは……あとは……

 身近な人へのお礼は、健康なうちはなかなか照れくさくて言いづらかったりしたものだが、今となってはスムーズに感謝の言葉が出てくる。

* * *

 家族に残しておきたい言葉。
 それを考えると、涙が出てきた。
 私は死ぬわけではない。
 けれども、なんだか遺言を残しているような気持ちになった。

 今までしてくれたことを思い出しては、そのお礼を録音した。
 子供たちには、親としての願いを録音した。
 いや、そんなことをしたら重荷になるかな。
 録音して、聴き直しては消去。その繰り返し。
 挨拶よりも願いの録音の方が難航した。

 結局のところ、家族には健康でいてもらいたい。
 それが私の願いのすべてであることに気がついた。

 あとは……あとは……

 私の声帯があるうちに録音しておくべきこととは……
 いくら録音しておいても、あとからあれを録音しておけば、と後悔するのは嫌だ。

 そうか!
 そのとき、私はひらめいた。
 声帯を失ってからも、何か言いたいことが思いつくかも知れない。
 後から何を思いついてもいいように、こうしておけばいいんだ。
 私は録音する。
 「あ」から「ん」までの五十音を。
 そして、「が」などの濁音や、「ぱ」などの半濁音。
 「しゃ」などの拗音もすべて録音した。
 小さい「っ」はどうしよう?
 「あ」とは別に「あっ」も録音した。
 伸ばす音は?
 これもまた、すべての音で長音も録音した。
 「あ」「あっ」「あー」
 「い」「いっ」「いー」
 あとは……あとは……
 録音し忘れているものはないだろうか?
 そうこうしているうちに、手術の日を迎えた。

* * *

 家族が見守る中、麻酔科医がやってくる。
 怖い……
 麻酔から目を覚ましたときには、私は声を失っているのか……
 怖い……声を失いたくない……
 目からボロボロと涙がこぼれてくる。
 もう自分の声帯をふるわせて声を出すことができなくなるのだ。
 最後に……最後に……私は何を言えばいいのだろう。

 自分の喉をそっと手で触れてみた。
 声を出してみる。

「あー」

 指先に、ふるえが伝わってきた。
 ふるえる、ふるえている、私の声帯がふるえている……
 さようなら、私の声帯……

 家族は私を見て、涙を流している。
 私は家族一人一人の顔を見つめ、

「ありがとう……」

と、声帯をふるわせた。
 これが今の私にできる精一杯だった。

「それでは処置室に行きますので、ご家族の方はここまでとなります」

 私はストレッチャーで運ばれていく。
 麻酔科医は言った。

「息を吸ってください。はい。では口から吐いてください。次、鼻から息を吸って~、はい、鼻から出してください」

 麻酔の前に深呼吸が必要なのかなと思い、指示に従い呼吸してみた。
 麻酔科医は言う。

「口で呼吸ができるのは、これで最後になります。息が口や鼻から出る感覚、今のうちに覚えておいてくださいね」

 !!
 そうか、そうだった……
 主治医から説明はされていた。
 手術で体に呼吸用の穴をあけるとのこと。
 手術が終われば、私の口は食べ物を食べるためだけのものになってしまう。
 もう口を使って呼吸することはできなくなる。
 口呼吸や鼻呼吸と、私はお別れすることになるのか……

 息を吸う。
 空気が口の中を通っていく。

 息を吐く。
 空気が口の中を通っていく。

 今度は鼻呼吸をしてみた。

 息を吸う。
 空気が鼻の中を通っていく。

 息を吐く
 空気が鼻の中を通っていく。

 この感覚がなくなってしまうだなんて……

 喉頭は口から入った空気は肺に送り、食べ物は胃に送る、いわば分岐路のような場所。
 手術で喉頭を全摘出するため、食道は胃への一本道となる。
 誤嚥することは、これでなくなる。

 気管は、声帯ではなく体の外にあけた穴へとつながれる。
 口や鼻を塞がれても、私は息ができるということになる。
 口や鼻を使わずに息ができるという感覚が想像できない。

 私は麻酔科医と最後の言葉を交わす。

「ありがとうございます。どうか、よろしくお願いします」

「わかりました。それでは、麻酔をかけます……」

* * * * * * * * *

 目が覚めた。
 手術は終わったようだ。

 麻酔科医が、「声は出さないでください。私の手を握ってください」と書いたボードを見せていた。
 私は麻酔科医の手を握り返した。
 麻酔科医は、私の反応を見て微笑んだ。

「手術は終わりました。成功です」

 私はまだ夢を見ているような感じだったが、それでも、手術が終わったということは何となく理解できた。

* * *

 やがて、はっきりと目が覚めた。
 手元には筆談用のボードが置かれている。
 それは、声を失ったという事実を示す物でもあった。
 現実を知らされた感じがして、ショックだった。

* * *

 術後の経過は順調で、立って歩けるまでに回復した。
 点滴ではなく、口で食事を摂ることもできるようになった。
 しかし、あまりおいしく感じない。
 術後だからそう思うのだろうか。
 いや、違う。
 匂いを嗅げないからだ。

 私の口は肺に繋がっていないので、息を吸うことができない。
 つまり、自分の意志で匂いを嗅ぐことができなくなったのだ。
 けれど、まったく嗅覚がなくなったわけでもなかった。
 食べ物に鼻を近づけてみる。
 すると、かすかに匂いがした。
 こうすれば、なんとか匂いを感じることはできる。

* * *

 家族が面会に来た。
 私は笑顔を見せ、ボードを使って筆談する。
 分かっていたとはいえ、声を出せない体になったのを見て、家族はショックを受けたようだ。
 だから、私は終始、笑顔を見せ続けた。
 私は不幸じゃない。
 私はかわいそうな存在ではない。
 私は生きている。
 私は元気だ。
 私はみんなに見守られて生きている幸せ者だ。

 だから、だから……

 私をかわいそうだなんて思わないで欲しい……

 私だって……私だって……本当は……

* * *

 訓練士の指導の元、発声練習を行うことになった。
 音とは空気のふるえのこと。
 私にはふるわせる声帯がない。
 では、何をふるわせるのか。
 食道だ。
 しかし、これは難しかった。
 まず、口が肺につながっていないので、空気を自由に取り込むことができない。
 では、どうやって食道をふるわせるのか。
 ゲップ。
 胃から出る空気で食道をふるわせるのだという。
 自分の意思でゲップを出すのは難しかった。
 お茶を飲む時に一緒に空気を飲み込むように言われた。
 そうすれば、ゲップが出やすくなるという。
 しかし、ゲップで出せる声は、とても小さかった。
 騒がしいところでは、私の声は聞こえないだろう。
 三ヶ月は練習しないとうまく発声できないとのこと。
 心が折れそう……

* * *

 機械を使った発声の練習も行うことになった。
 電動の機械を当てて、口を振動させるのだ。
 練習してみると、なんとか声のようなものは出せた。
 しかし、人間味のない声のように聞こえた。
 それもそのはず。
 一人一人の声が違って聞こえるのは、一人一人の声帯が違っているからだ。
 しかし、私には声帯がない。
 私の口から出ている声なのに、それを自分の声とは思えなかった。

* * *

 発声の訓練とともに、私はパソコンを使っての発声にも取り組んだ。
 手術前に録音していた自分の声を編集して、それをつなぎ合わせ、自分の声で言いたいことを言えるようにするのだ。
 久しぶりに聞く自分の声は懐かしかった。
 自分に会えた気がした。
 声のデータを携帯用会話補助装置に入れていく。
 機械とはいえ、自分の声を出せるのは嬉しかった。
 たくさん録音しておいてよかった。

* * *

 私はすぐには声を出せない暮らしを続けていた。
 何か言いたいことがあっても機械を取り出す手間が必要だ。
 言いたいことをすぐに言えないということが、こんなにももどかしいとは。

 私には声帯がないので、以前と同じ声を出すことはできない。
 出すとすれば、録音していた自分の声を再生するか、あるいは器具で口を振動させて出す機械的な声か、あるいはゲップを利用して食道をふるわせて出す声か。
 いずれにも長所と短所があるが、話したい時にすぐに話せないことが私の大きな悩みだった。

 すぐに声を出せなくてもどかしいという思いを、主治医に筆談で伝えてみた。
 すると、声を出すための手術について提案された。
 自分の肺の空気を使えれば、自分で話している実感が持てるのではないか、ということで、次のような手術を提案してくれた。
 気管と食道をつなぐパイプをつける。
 私は今、口ではなく、首の下にあけた穴で息をしているが、その穴を手で塞ぐことで、息はパイプを通って食道へと流れることになる。
 声帯はないので以前と同じような声は出せないが、食道をふるわせることで声が出る、ということだった。

 家族を呼んで再び話し合った。
 私は自分の肺の空気を使って話してみたいと思った。
 家族は私の意思を尊重してくれた。
 こうして、私は手術を受けることとなった。
 不安も大きいが、期待も大きかった。

* * *

 手術は成功した。
 話したいと思ったら、首の下の呼吸の穴を塞ぐだけでいい。
 肺から出した息は、私の食道をふるわせてくれる。
 その声は、これまで聞き慣れていた自分の声ではないけれど、自分で話しているという実感をもつことができた。

 今まで使ってきた発声法は、とても小さい声しか出せなかった。
 けれど、今は肺の中の豊富な空気を利用して発声できるようになった。
 前よりも大きな声が出せるようになったのはとても嬉しい。

 気管と食道を結ぶパイプは一日に数回、自分でブラシを使って清掃しなくてはならないし、数ヶ月ごとに病院で器具を交換しないといけない。
 なかなかに手間がかかるけど、自分の息で食道をふるわせて声を出すというのは、やはり話している実感があり、話すだけでとても幸せな気持ちになれた。

 私は第二の声を手に入れた。
 この声で、私はこれからも生きていく。


< 了 >

執筆の狙い

作者 神楽堂
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約5200字。我々にとって身近な「声」をテーマにしてみました。

コメント

夜の雨
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神楽堂さん、「声」読みました。

なかなか良いお話ですね、「生きる」という人生が語られているという感じです。

「喉頭《こうとう》がん」で声を無くす主人公の物語ですが。
声を無くすという事がどういうことなのか、主人公を通じて伝わってきます。
御作の良いところは、設定が掘り下げられていて手術のことやその背景部分なども描かれているので、声を無くす前に何をなすべきかを医師から伝えられるし、また主人公自体が自覚しているので機器で録音したり編集したりで自分の声を残そうとするところなど、結構深いところまで具体的に描いているなぁと思いましたが。

また家族との関係性なども主人公が考えているあたり、読ませるものになっています。

「喉頭《こうとう》がん」で『声』を無くす場面に遭う場合は、みなさん御作のようなことを考えるのではと思います。

それといつもながら神楽堂さんの作品は情報等をよく調べられて書いている。また、構成や主人公のキャラクターなどもしっかりとしていました。

御作は、情報を伝えるような文体なので、このあたりを一工夫したらさらに良くなるのではと。


それでは本年もよろしくお願いします。


お疲れさまでした。

神楽堂
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>夜の雨さん

明けましておめでとうございます。
丁寧に作品を読んでいただき、コメントも入れていただきましてありがとうございます。
今年もよろしくお願いします。と言いたいところですが、私はあと数作品投稿したらこのサイトを去ろうと思っております。それまでの間、よろしくお願いします。

さて、いただいた感想ですが、主人公の設定がしっかりしていると言っていただけて嬉しく思いました。
文体に関しては毎度のことではありますが^^; 夜の雨さんのご指摘の通りです。
それでも、この作品を読んで、なにか読者の皆様に感じるところ、考えるところがあればよいなと思っております。
いつもコメントありがとうございます。
感謝しております。

西山鷹志
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拝読いたしました。

まずは今年も宜しくお願い致します。

今年第一弾ですね。
難しいものに挑みましたね。
私も声を失ったらどうなるか、そんな感じで読みました。
第一に癌と言えば死に直結する病気です。
しかし御作は命は助かるが声を失うという物です。
これも大変な事です。しかし命とどっちを取ると言われれば迷う事はありません。

主人公は声を失う前に沢山自分の声を残して行く事を選択しました。
これは良い方法ですね。まるで声の生前葬みたいな(笑)
後半に入り声帯は失ったも声を出せる手術に踏み切りました。
実際にそのような事が可能なのですか。訓練が必要らしいですが希望はありますね。
このような小説に取り組むとは誰も考え付かないと思います。

ひと言申せば主人公の家族構成知りたかったですね。
それより主人公は結婚しているのか独身とか分かます。

余談ですが娘家族が正月来ました。因みに私が出版した本
家内も息子も娘も興味がないようで、救いは甥が面白いと言ってくれました。
そして孫が面白いと全部読んてれたそうです。
特別にお年玉を多く上げたい気分です(笑)

お疲れ様、楽しませて貰いました。

神楽堂
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>西山鷹志さん

明けましておめでとうございます。
今年も作品を読んでくださりありがとうございます。
ことわざで、失って初めてその価値が分かる、みたいなのがありますが、
「健康」はまさにそれに当てはまると、常々思っております。
歩いてあちこちに行くこと、自分でトイレに行ったりオフロに入ったりご飯を食べたりすること、
そして、自分の言いたいことを声に出すこと……
そういう「当たり前」が急に失われるのが病気や事故ですよね。

主人公の家族構成をもっと詳しく、そうですね。
確かに、そういった背景を充実させるとよかったです。
ご指摘ありがとうございます。
一応は、見舞いに来てくれる家族はいる、という設定です。
本文ではこのように書きました。

> 子供たちには、親としての願いを録音した。
> いや、そんなことをしたら重荷になるかな。
> 録音して、聴き直しては消去。その繰り返し。
> 挨拶よりも願いの録音の方が難航した。
> 結局のところ、家族には健康でいてもらいたい。
> それが私の願いのすべてであることに気がついた。

最終的には「健康」に行き着くのかな、と私は思っております。

話は変わって、
西山さんの本をご親戚が面白いと言って読んでくれてよかったですね^^
私は自分が執筆をしていることを家族にはオープンにしていないです。
身内に読まれるのは恥ずかしいので^^;

西山さん、今年もいい年になるといいですね。
コメントありがとうございました。

青井水脈
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「声」読ませていただきました。
喉頭ガンの手術で声帯を失いーー。というと、有名人では、つんくが経験者ですね。徹子の部屋という番組で、食道発声法のことも話されていて、手元のキーボードに文字を素早く打ち込んで、文章が専用のモニターに映し出されたのも印象的でした。

>私は死ぬわけではない。 けれども、なんだか遺言を残しているような気持ちになった。

今作では、こちらが妙に生々しいと言えばいいのか、録音するときの心境として有り得るかも、みたいに思って印象的でした。

それから気管と食道をパイプでつなぐ手術で、第二の声を手に入れた主人公。

>不安も大きいが、期待も大きかった。

もうちょっと葛藤があってもいいような。事前にデメリット、パイプを洗う手間とか説明されたはずなので。

>その声は、これまで聞き慣れていた自分の声ではないけれど、

第二の声は自分の元の声とは違うそうで、ここはガラガラと掠れている、とか、AI音声に似てやや無機質とか、声の印象が書かれていてもいいかもしれませんね。

神楽堂
s170039.ppp.asahi-net.or.jp

>青井水脈さん

お読みいただきましてありがとうございます。
生々しく感じていただけたということでよかったです。
第二の声については、おっしゃる通り、もっと詳しく書いてもよかったですね。
ご指摘ありがとうございます。

小次郎
58-189-216-78f1.hyg1.eonet.ne.jp

僕も結構重い話しを書くんですが、全体的に重さを感じます。
それがいけないって事ではなくて、印象を語りました。
心理がいろいろ動いていて、これに惹かれますね。
掌編なんで、作中のテーマは見えませんでした。

秋田寒男
104.28.99.199

読みました。人生を考えさせられる作品でした。

私事になりますが、事故でひと月ほど呼吸器を付けてました。その時声が出せず筆談で看護師、医師、家族、友人と会話をしていました。
その時のことを作品を読んで思い出しました。

やはり声がずっと出せなくなるのはかなりのショックだと思います。心理的内面が書かれていて良かったです。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

リアリティがあって良かったです。
主人公を通して、自分も体験を共有したような感覚におちいりました。

長編にしたら、素晴らしい作品になりそうですね。

神楽堂
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>小次郎さん

お読みいただきましてありがとうございます。
病気は思いテーマですが、それだけに生き方を見つめ直すことにも繋がるように思います。
コメントありがとうございます。

神楽堂
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>秋田寒男さん

お読みいただきましてありがとうございます。
人生を考えさせられたとのことで、書いてよかったと思いました。
秋田さんも、話せない時期があったのですね。
コメントありがとうございます。

神楽堂
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>えんがわさん

お読みいただきましてありがとうございます。
読み手が作品世界に入れるように書こうと思っていたので、リアリティがあったと言っていただき嬉しく思います。
コメントありがとうございます。

moshiro
FL1-122-133-150-1.tky.mesh.ad.jp

神楽堂さま

先日私の作品に詳細なコメントを下さった神楽堂さまがどのような作品を書かれるのかと興味がわき、来訪いたしました。
私の作品には「下調べが不足しているのではないか?」というご指摘をいただきましたが、まず本作の情報量の多さ、リアリティの高さに驚かされました。作者さまは本作を書かれるにあたってどのような下調べをされたのでしょうか?それとも、ご自身や身近な方にそのようなご経験がおありなのでしょうか?

>家族に残しておきたい言葉。
>それを考えると、涙が出てきた。
>私は死ぬわけではない。
>けれども、なんだか遺言を残しているような気持ちになった。
・この箇所、シンプルですが胸にぐっとくるものがあって大変良かったです。

以下、気になる点について。
・他の読者さまが少し触れていますが、作品が短いせいか完結後の余韻とか、作品全体を貫くテーマが若干見えずらいように感じました。中長編で書かれるとそのあたりが見えてきて尚良い気がするのですが、そのような予定はあるのでしょうか?
・それから、改行がやたらに多いためか、作品全体が如何にもネット小説だな~という印象も受けました。この点はちょっと意外な感じがしたのですが、作者さまは新人賞への応募や書籍化などは想定されていないのでしょうか?

色々好き勝手にコメントしてしまい申し訳ありません。
疑問形が多くなってしまいましたが、お返しコメントをもらったくらいの感覚で読み飛ばしていただければ幸いです。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>moshiroさん

お読みいただきましてありがとうございます。
下調べについては特別なものはありません。
本やインターネットの情報をもとに再構築しています。

作品全体のテーマが見えにくいというご指摘、ごもっともだと思います。
事実の描写が中心なので、結局のところ何が言いたいのかは、自分でもはっきりしていない自覚はあります。

改行が多いのは、これもご指摘の通り、私はネット小説専門というか、こういうものを書き始めたのが2年半前からで、本の小説はあまり読んだことはありません。

新人賞への応募については、私は1万字以下の短編ばかり書いており、長編の公募にはあまり作品を出していません。
短編ではありますが、出版社主催のコンテストにはそれなりに応募してきて、大賞を取ったり書籍化されたりはしてきております。

作品をお読みいただきまして、コメントも入れていただきましてありがとうございました。

sp49-98-139-87.msd.spmode.ne.jp

拝読しました。

いつも通り、なんとも説明的で、ある意味排他的な自己満足な世界観が歪めないですね。
喉頭ガンと声を失う、という素材はよいのに、やはり神楽堂さんらしく、人間模様を描ききれていない。

最大はここ

>家族は私を見て、涙を流している。私は家族一人一人の顔を見つめ、

手術を前にした主人公に向かい、家族は泣いたりしません。泣きたくても「大丈夫だよ、きっと成功するよ」と笑顔で対応するものです。

主人公が苦しんだように、家族にも苦悩があります。がん患者を持つ家族の心情をしっかり描写した方がよいですね。

例えば術後に、妻と娘がそれぞれに、喉の穴を隠す為の手作りのカバー(マスクのような、バンダナのような)を用意してくれたとか、電気式人工喉頭の練習を見守ってくれているだとか、喉の穴にたまった粘膜を、嫌な顔ひとつせずガーゼで拭いてくれただとか……

推敲は、自身の筆力向上、感性磨きの為に行うものです。

是非とも自己満足できる作品に仕上げてください。

moshiro
FL1-122-133-150-1.tky.mesh.ad.jp

神楽堂さま
 
コメントにご返信くださり、ありがとうございます。

>下調べについては特別なものはありません。
>本やインターネットの情報をもとに再構築しています。
・そうなんですね!小説を書くために下調べをするというよりかは、日頃からあらゆる情報に耳を傾け興味を持つ中で、自分の中に物語が自然と湧き上がってくる方が、より良い作品が出来るのかもしれませんね。

>短編ではありますが、出版社主催のコンテストにはそれなりに応募してきて、大賞を取ったり書籍化されたりはしてきております。
・大変失礼しました(汗)。私自身はネット小説投稿から入り、比較的お堅い新人賞へ応募しては撃沈を繰り返してきた身なので、賞へ応募する作品といえば「縦書き」「行間詰め詰め」のイメージでした。

わざわざご返信いただき、ありがとうございました。

※補足:私が思ったことをだらだら書き連ねただけですので、本コメントへの返信は不要です。

神楽堂
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>凪さん

お読みいただきましてありがとうございました。
手術を前に泣く家族はいないとのことですが、
私の親戚の手術前の光景を元にして書いておりますので
このような家族もいるにはいるんですよね。
コメントありがとうございました。

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そんな家族もいるでしょうが、小説的にどちらが心に響くと思いますか?
そのような場面に、私も何度か出くわしたことがあります。

瀕死の重症で救急に運ばれた患者を前にしているわけでもあるまいし。

患者(主人公)と一緒に家族は、事前に手術の説明を受けているのですよ。家族も覚悟をもってのぞんでいるのです。

その辺りの背景を考慮した、懐の深い描写を描けるように、心よりお祈りいたしております。

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

コメントありがとうございました。

sp49-98-130-18.msd.spmode.ne.jp

いえいえ、

喉頭ガンのことは書けても、穴に溜まる粘膜や、乾燥を防ぐ為の加湿の大切さ、先ほど述べた、穴カバーなどの家族の気遣いなどはあまり知られていないことです。
そんな情報も調べて加筆したのなら、もっと素晴らしい作品になると思いますよ。

黎め
60-57-49-252f1.hyg1.eonet.ne.jp

いざ、という状況になってはじめて、当たり前といわんばかりに享受していたことのかけがえのなさに気づく、しかも自らの選択により、その喪失へと進んでいく。
お涙頂戴的な、劇的なものではなく、湿度の低い抑えられた文体で綴られることにより、切なさが、一層胸に迫ってくるようでした。
自分のみならず、すべての人の健康を祈りたくなりました。ありがとうございました

神楽堂
p3339011-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp

>黎めさん

お読みいただきまして、ありがとうございます。
私の狙いを的確に読み取っていただけたようで、嬉しく思います。
あえて淡々と語るようにしてみたのですが、それによって切なさを伝えることができていたとのことで、よかったです。
お読みいただきまして、コメントも入れていただきまして、ありがとうございました。

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