どっぷり献
むかし昔あるところに、ラズリというそれはそれは気の短いおなごが住んでおりました。ラズリは夫のヨシヒコと共にKYBへ仕事に向かいます。暮らしはエステに海外旅行にと決して楽ではありませんが二人は幸せに暮らしておりました。そんな日々がずっと続いたらというラズリの願いは脆くも崩れ去ります。
ある日、恐ろしい鬼たちがやってきて次々に人間を襲うようになりました。お上は鬼から身を守るため、謎の御神酒を飲むよう人々に勧めました。しかし、ラズリはそれを飲むことはありませんでした。知り合いの祈祷師から呪われるから飲んではいけないと言われていたからです。人間とは違い研ぎ澄まされた感覚を持っている猫は跨いで通ります。
幸いラズリは鬼に襲われることなくその後の日々を過ごしておりました。しかしそんなある日社長から信じられないことを聞かされます。
「えー、御神酒が危険だなんて陰謀論! いいですか? あなたたちは何ヶ月も何ヶ月もありもしない御神酒の呪い話に花を咲かせているのです。職場で。大体よく考えてみてください。本当に御神酒は危険なんでしょうか? ですがそうですね確かにお酒の飲み過ぎは体に悪いかもしれません。実際やけにいい香りのジンなんですけどとお酒を呷っている女性は話の途中でトイレばかり行っています。トイレが近くなるみたいな? そこで私が発見しました! お酒を飲んでもトイレを我慢できる方法! これって多分私が最初! ネットを調べても出てきません! 世界初……」
社長の話は長すぎて何が言いたいのかよくわからず本当うざい、消えろ、この世から消えてしまえといった感じですが、御神酒を飲むようにと仄めかしているようです。
これにはヨシヒコも黙っていませんでした。そんなもん飲まされるくらいなら尻の穴でも舐めた方がマシだと言い放ったのです。しかしそれが社長の逆鱗に触れてしまいます。翌日、ヨシヒコとラズリに辞令が出てしまったのです。
辞令
以下の者に伯方支店への異動を命ずる
ヨシヒコ
ラズリ
ショックのあまり立ち尽くすラズリ。ヨシヒコは正気を失って叫びます。
支店支店支店 現地の支店
支店支店支店 現地の支店
支店支店支店 現地の支店
支店支店支店 現地の支店
支店支店支店 現地の支店
支店支店支店 現地の支店
支店支店支店 現地の支店
KYBフォーエヴァーーーーーー
悔やんでもしょうがありません。ラズリはおかしくなってしまった夫の手を引き、辞令に従って伯方へと移り住みます。
悲劇は続きます。お上は鬼を退けるために信じられない方法をとります。それは鬼の生き血を元に作られた新型御神酒どっぷり献。従来の御神酒とは異なり、飲んだ人の体内で神通力が無尽蔵に生み出され、そのパワーは息として吐き出されるとのことです。妹をおかずにして息の匂いを嗅いでハァハァするようなシスコンお兄ちゃんには非常に危険というか、そんなお兄ちゃんの性癖が危険極まりありません。
さらに悪いことにどっぷり献の醸造所は近所ではないものの地元といえるほどの場所にあります。まずは高齢者を対象にどっぷり献が振る舞われました。
ラズリは思いました。「どっぷり献飲んだやつ千里眼で見えるようにして欲しい。避けるから」と。一方ヨシヒコは思ったほど悪くない伯方の生活に正気を取り戻しつつありました。そこでラズリはヨシヒコに相談を持ちかけます。
“どっぷり献から身を守る方法を模索しようとしたのです”
「ねぇ、あなた、どっぷり献の醸造所が近くにあるのって危ないと思うの」
「そうかな、結局従来型御神酒も騒いでたわりにはあんまり実感ないけど」
「お上なんて信用しちゃダメ! きっと何か隠してんのよ! そんなこともわからないなんて、あなた洗脳されてんじゃないの?」
思いあまって吐いてしまった言葉にヨシヒコは顔色を変えます。
「隠してんのだって?」
「かく"してん"の?」
支店支店支店 現地の支店
支店支店支店 現地の支店
支店支店支店 現地の支店
支店支店支店 現地の支店
支店支店支店 現地の支店
支店支店支店 現地の支店
ダメだったみたいです。
夫は当てにならないと、ラズリは職場の同僚と団結します。接種者からのバイオハザードを防ごうとしたのです。もともと気の短いラズリの発言はどんどん過激になって行きます。無人島で暮らせ! どっぷり献飲んだ者を隔離しろ! ここゴミ屑ばっか!
その矢先のことでした。ラズリ率いる団体全員に心疾患が認められたのです。これはどっぷり献の呪いに違いないわとラズリは声をあげます。
「え? そうなの? じゃ島流しね」
こうしてラズリ一団はごはん島へと送られたのでありました。
おしまい
執筆の狙い
時間がない。手短に話す。俺はアキタという人物に狙われているので、名乗ることができない。そんなことをすればたちまちこの世界から消されるだろう、このメッセージもどうなるかわからない。だが危険が迫っているのを黙っているわけにはいかない。なんとしても警鐘を鳴らさないと。
婉曲的に表現したが、賢明なごはん民の君達ならきっと細かいネタも汲み取ってくれると信じているが本題は、そう医療関連の話しだ。医療といえば今さっき薬のCMを見た。細かくは覚えてないのだが確か
「ドラッグストアで突然の尿意とお伝えください」
と言っていた。俺は思った。
もっと他に言い方あったはず
しまった余計なことを書いてしまった。ともかく俺は本気だ。ここがやられたら余所でノンフィクションを書いてやる。
名乗ることができずすまない。もう行く。じゃあな。