アトリビュート

＞それも、顔も身体も私にそっくりな……。

頭から順当に読んでいった流れとして、ここの体重の落としどころが妙と言いますか、「それも、顔も身体も私にそっくりな絵だった。」じゃないのがよかったと思いましたね。小さなところですが（笑）

デッサンが主題ですが、それ以上に本作がデッサンのために書かれたように感じました。前作を読ませてもらった時にも感じたのですが、ないものをあるように見せかけている練習のための筆致に感じられて、それはとても良いことだと思うのですが、その中にも、作者ならではの独特の筆致があっても良さそうですが、それがあまり見られなかったのが気になったところではあります。

読みました。
前作も読みましたが、文が読みやすく綺麗だなぁという印象です。僕は良いなあと思います。
ただ、作風が違う六番さんの作品も読んでみたいなとも思います。残酷なお話とか冒険物とか、前作今作より少し長めとか、お話が二転三転的なのはどういった感じなるのかなとか。僕は長めなかなか書けずなのですが。すみません。

私は決してヴィーナスのような、崇高で神聖な存在じゃない。魂の宿った、生身の人間だ。だから、さらけ出したものも、奥底に隠れたものも、その全てをあなたに触れてほしいと、私は心から願った。

が、終わり方がこれじゃない方がいいかなとも。
私は力を抜いて身を委ねた。で終わりが良いかなと僕は思いました。その前に先ほどの思いを少し文を変えてスッと入れて的な。
僕の感想でした。

前作読んで今作読みたくなり、読みました。
また読めたらと思います。ありがとうございます。

なんかどんな女なのか全くイメージできない。。特色ないというか。描写うすい
でもここではましな方ですね

しまるこ様

「デッサンのために書かれたようだ」と仰られましたが、正直なところ、図星と言わざるを得ません。
もちろん、私自身はこの作品を「着色済みの完成品」として認識しておりますが、技術向上のための習作として取り組んだ側面があることは否めません。
結果として、ご指摘の通り、この作品の独自性の薄さに繋がっているのだと思います。
そして、「自分の色」の乗せ方にも大きな課題を感じました。より読者を楽しませられるような表現を模索していこうと思います。
お褒め頂いた一文は、自分としても気に入っている部分だったので、とても自信になりました。
また、前回の作品も読んでいただけて嬉しいです。
コメントありがとうございました。

かろ様

今作もお読みいただき、また、お褒めの言葉までもらえて嬉しく思います。
もっと長い、よりエンタメ性のある作品は、私自身も挑戦したいと考えているのですが……なかなか自信が持てず、現在はこういった掌編で体力をつけていこうと思っていまして。
ただ、こうして「読んでみたい」という言葉をもらえたことで、とても前向きな気持ちになれました。ありがとうございます。
ラストシーンは一番すんなり書けたところだったので、特に自分では気にしていなかったのですが、かろ様の提案をみて新たな学びを得られました。
自分の作品を振り返ってみると、心情描写で話を締めくくる癖があることに気付いたので、もっとバリエーションを増やせるよう意識したいと思います。
とても励みになるコメント感謝いたします。また機会がありましたらよろしくお願いします。

茅場義彦様

ご指摘に関して、ごもっともだなと思いました。というのも、私は意図的にキャラクター性を排除したからです。
この長さならば、読者に委ねても良いだろうという甘えがありました。しかし、短くてもキャラが立っている作品はたくさんありますもんね。「余白をあえて残した」と言えば聞こえが良いですが、自分でうまく書き上げる自信がないのも事実です。
今後の課題の一つとしてしっかり向き合いたいと思います。ありがとうございました。

「アトリビュート」読みました。

＞「人ならざるもの」であれば裸で描いても良い、というかつての西洋絵画の暗黙の了解みたいなものから着想を得て書き始めた作品です。＜

たしかに主人公は「人ならざるもの」ですね。
だから先輩は『ヴィーナスの再誕』という主題の絵画を描くにあたり、「ヴィーナス」という「人ならざるもの」をコンクールに出品するにあたり先輩は心の底にあるもう一つの「人ならざるもの」も描いた。
つまり先輩にとって後輩の主人公は「人ならざるもの」のレベル。
それは恋をしているから。

御作を読んで「やるなぁ」と感心したのは、後輩の主人公視点で描きながら実は先輩の「恋心」を描いていた。

文章はかなりうまいです。主人公の内面がよく描かれています。

＞「……私じゃなきゃいけなかったんですか？」
　理由がどうであれ、私はそうであってほしいと思った。ヴィーナスを描くのであれば、私の身体では物足りないはずだ。＜
後輩の主人公視点ですが、このエピソードで先輩が何を考えて後輩の主人公をモデルに選んだかが、「読み手には」読み取れます。
しかし主人公にはまだ、確証がない。
このあたりの描き方がうまい。

御作を読み進めると、上のような主人公の気持ちの揺れがところどころに描かれていて、先輩の気持ちは距離が置かれている。

それがラストで一挙に先輩は主人公への距離を縮めた。
相思相愛で締めました。

御作は主人公の先輩への恋心を描いた作品に見せかけてはいるが、実は先輩から見た後輩の主人公への恋心が「人ならざるもの」を愛したものであったという主題ではありませんかね。

しかし御作の主人公はかなりな人間らしいというか平凡な種族だと思いますが。
それを「人ならざるもの」に先輩が感じ取っているという事は先輩はただものではないという事になります。

つまり天才肌な人種の先輩。

それを平凡な主人公視点で描いているところに御作の凄さがあると思いました。

もしかして作者さんは天才かも。


お疲れさまでした。

レズだという相互認識が無ければ、末尾は唐突な展開かなと私は思いました。
感じたことはそれくらいなのですが、意外と御作にとってそこは大きな欠点になっているのでは、と感じます。
しかし直裁的に相互認識がある、というように冒頭から中終盤にかけて描いてしまったら、デッサンなどなど、作中のガジェットに何も面白みがなくなります。
私は同性愛者ではないのであまり分からないのですが、同性愛者がマッチングアプリ等（いわゆる出会いの場や紹介）意外で、偶然に出会うというのは中々ないんじゃないかと類推します。
要は、御作に何が欠落しているのかというと、偶然出会った二人が同性愛者であった（男女の恋愛とは描き方が異なると思います）、しかも相思相愛である、という"過程"（互いにさぐりあったり…）ではないかと思います。其れを経ずに御作は成り立っているため、悪い意味でショートカットした、あっさりしたものになってしまっていると私は思います。

デッサンが"過程"なのだ、という読みも可能は可能ですが、御作のやり方だと弱いと思います（其れをやるには相当な筆力が必要かと）。御作のデッサンはあくまでも美術的な視点以上のものは読み取れませんでしたし、わざわざデッサンをしなくても、自分の部屋に呼べる関係なのですから、そこで話したりなど、色々と関係を深める手段はあるはずです（デッサンでないといけない理由が無い）。

読ませていただきました。

主人公の内面描写でエロスを表現するのが上手く、ほどほどに品よくまとまっているのが良かったです。
その一方で、先輩がどういう人物なのかの描写はもう少し欲しかった気も。

ラストは私はこれでいいと思います。

夜の雨様

この作品は元々、「自分のヌードを描いて発表した女生徒」を美術教師の目線で書く、という話で構想が始まりました。
紆余曲折を経てこの形になりましたが、「裸で描くことに付帯する神聖視」というテーマが根底に残っています。
つまり、夜の雨様が仰った通り、「先輩の恋」にこそ、この作品の本質があるといえます。
より分かりやすくて良い形があったかもしれないとも思っていましたが、作者の代言かのようなコメントを読んで報われた気持ちになりました。
また、お褒めの言葉を多数頂けて恐縮しておりますが、今後の創作の糧としてしかと受け取らせていただきます。ありがとうございました。

ゐ様

私はこのような女性同士の関係性を描いた作品を非常に好んで読み書きしておりますので、そういった点に関しては一般的な感覚とはズレている部分は恐らくあると思います。
そのため、ゐ様のコメントは私の視野が及ばない部分を丁寧に教示していただいたものとして、非常に興味深く読ませていただきました。
ご指摘された問題点を解消するには、より強度のある構成で文字数を増やす必要があると感じます。
今の自分にはなかなか難しい課題ですが……よりよい作品のために、意識して取り組もうと思います。ありがとうございました。

中村ノリオ様

「品のあるエロス」というのはまさに欲しかった評価でしたので、とても嬉しいです。自分なりに加減を意識しましたが、もっと色々試したいと思いました。
先輩の描写が薄い点は自覚しておりましたが、力不足故に適切な処置ができませんでした。そこがしっかりとできていれば、ラストもより活きたかもしれないですね。精進します。お読みいただきありがとうございました。

六番さま
文章が丁寧で、しっとりとしたエロスを感じました。良い作品ですね。

ただ、もう少し展開に工夫があれば更に良い作品になると思います。
例えば冒頭。
「ヌードデッサンのモデルになって欲しい」
メール？　電話？　部活で？　状況が分からない。普通に考えると、この先輩はかなり押しが強いタイプかなと想像する。後輩とはまだ親密な仲でもない。ちょっと変人？　芸術家にはそういうタイプもいるから、その路線で行くなら効果的。
もう少し丁寧にいくなら、
「今日の帰り、喫茶店につき合ってよ。ちょっと一人じゃ入りにくくて」
と先輩に誘われた。
そこで店自慢のケーキを食べながら
「実はね、あなたに頼みたいことが」
「なんですか？」
「ヌードデッサンのモデルになって欲しいの」
喫茶店の雰囲気を描写しながら展開させれば、冒頭でかなり読者を引き込むことができると思います。

このままでも良い作品とは思うので、参考程度で。

飼い猫ちゃりりん様

冒頭の案、とても勉強になります。
確かに、先輩の個性を序盤からもっと強く押し出しても良さそうですね。
キャラの造形やストーリーの構築・展開に自信が無く、シーンの少ない掌編としてまとめがちです。もっと挑戦しないとですね。
しっとりエロスを感じていただけて、とても安心しました。ありがとうございました。

読ませていただきました。
レズものエロ漫画を大変おいしく召し上がる身としましてはこの、ある意味での予定調和に安心感すらありましたし、先輩の言外の情熱もごちそうさまでございました笑

以下は、そうした「パッションの塊を文字として叩きつけたもの」としてみた場合の話をします。

現状だと、やや饒舌だと思いました。

例えば冒頭の
「それは、たとえ女同士であっても全裸をまじまじと見られるのは恥ずかしいから、という単純な話ではなかった。
　私は先輩に恋をしている。中学の美術部で出会ってからずっと想い続け、この高校も先輩がいるからという理由で選んだ。しかし、この想いはこれまでずっと胸の奥に秘めたままで、「従順な後輩」として振る舞い続けている。
　そんな意中の人の前で裸体をさらして、平然を装いながらモデルに徹することなど、この私にできるのだろうか。」
も、
「恥ずかしさ、云々ではない。ここまで先輩に対し、秘めてきた想いが、さらした身体とともにむき出しとなってしまいかねないのを恐れたのだ。」
ぐらいに圧縮できるかな、と思います。

こうした作風であれば、いかに短い言葉に、いかにより濃密な情念を練り込めるか、が勝負になってくる気がします。

「コンクール作品にモデルへの情念をこれでもかと詰め込んだ」上で、「別途、ありのままのモデルの姿を描く」という作品の枠組みは、そもそもあまり多くを言葉で語ってはいけないもののように思います。行動という名の結果を押し付け、多少強引にでも読者に納得させる。そのくらいの傲慢さがあったほうがいいように思うのです。

何というのでしょう、入賞した作品とは別に想う相手にしか見せたくない作品を用意した、という枠組みが、それだけであまりにもエロすぎます。ここに対しての言葉を最大限削って頂けると、この手のシチュエーションが刺さる変態どもにより深く刺さると思います。御作は下手にわかりやすさを求めず、そうした、「より深く刺さる」方向で振り切ったほうがいいのではないか、と思いました。

ヘツポツ斎様

雑さで描写が少なくなることはあっても、傲慢さでそうなることはほとんど無かったので、ご指摘は目から鱗でした。
確かに、私は語らせすぎる癖がありますので、ときには行動で強引に押し通すことも今後は意識したいです。
ヘツポツ斎様の冒頭の案のような、コンパクトかつ色濃い情念のこもった文をふんだんに活用して、より色気のある作品を書き上げてみたいと思いました。
描写の加減にはいつも頭を悩ませておりましたので、とても勉強になるコメントをありがとうございました。作品に応じてうまく調節できるよう精進します。