夏祭りの鬼
私は鬼沢美優(おにざわみゆう)。今、学校で友達の丸井真凛(まるいまり)ちゃんと、夏祭りの話をしている。ちょっぴりボーっとしていると、衝撃的なことばが私の耳に入ってきた。
「今年はさ、盆踊りないんだってよ」
ん?今真凛ちゃんなんて言った、、?
「ま、真凛ちゃん。もう一回言って、、」
「盆踊りないんだって」
「え、、」
私は少しの間息を止めた。盆踊りがない?毎年あったのに?しかも去年の夏祭りの日、「来年も楽しみましょう!」って言ってたのに?なんで、、?
「なんかね、毎年、鬼が来るんだって」
「は?それが盆踊りとなんの関係が?」
「毎年盆踊りしているから。盆踊りのせいかもって。管理人さんが言ったんだ」
「意味わかんないよ!盆踊りが厄災を呼ぶ?」
「私も思ったよ。それ。でも、仕方ないよ。もう決まったことだしね」
、、まぁ仕方ないよね。。盆踊りがなくても楽しめるしね、、。でも残念だなぁ。真凛ちゃんと踊りたかった!
「盆踊りがないからね、その代わり、いつもより屋台飯が増えるんだって。新しく増えるのはイカメシ、大豆入り餅米!」
「大豆入り、、餅米、、?なにそれ。美味しそうだけどさ、、、」
「まぁ鬼を追っ払うようでしょ」
「そ、そう言うことね」
「じゃ、そろそろ休み時間終わるし、解散!夏祭りの日は、浴衣着て、神社前集合ね」
「OK!」
私と真凛ちゃんはそれぞれの教室に向かった。
__夏祭り当日。
神社前は賑やかだった。みんな浴衣やじんべえを着て、友人や、家族を待っていた。
真凛ちゃんは、神社の狛犬のところで待っていた。やばい。意外と待たせたかな?
「おはよう。真凛」
「おはよう!みゆうちゃん。早く、行こう。お面とか買おうよ」
「うん。そうだね。行こう!」
真凛、めっちゃ浴衣似合ってるな〜。桃色の髪とすんごいお似合いだ!
私は似合ってるかな〜これ、ママのお下がりなんだよな〜。
「おーい!美優ちゃん!遅いよ。もう私上にいるよー!」
「ああ!ごめん!今行くー!」
神社の階段長いから苦手なんだよね。
「ゼェハァ、、着いた、、」
「ふふ!さあ、満喫しよう!」
「うん!満喫しよう!」
私と真凛は走っていった。屋台飯を食べ、射的をし、ヨーヨー釣りとかもした。盆踊りがない分、デラックス!になっていたよ。いっぱい満喫していたら、あっという間に、、本来だったら盆踊りの時間になった。私と真凛、そしてみんながお賽銭箱の近くに集まると、管理人さんが階段を登り、お辞儀をした。私たちもお辞儀をすると、管理人さんは、口を開いた。
「えー。この度は盆踊りがなくて本当に申し訳ない。盆踊りの代わりに、花火でも楽しんでくださえ」
管理人さんが手を挙げると、ぱんぱん!と花火が打ち上がった。わぁ、、綺麗だよ!とてつもなく!
15回くらい、花火が打たれると、クライマックスの花火が打ち上がった。
ぱんぱん!ぱんぱん!ドンドン!私はその花火に見惚れていた。だから聴こえなかった。大親友の悲鳴も、管理人の叫びも、他のみんなの、喚き声も。全部。次の瞬間。
私の体は炎に包まれた。一瞬の事。私は絶句した。熱い。熱い。全身を炎がまとう。あっという間に私は炎の中に閉じ込められた。嗚呼。そんな。そんな。なんで、こんなことになるの。盆踊りがなくなっても、意味はないじゃない。これは、神の怒り、、?とうとう、熱いと言う感情が消えた。
手を伸ばす。でも、あたりは真っ赤だ。薄れていく意識。狭くなっていく視界。私の体は仰向けに倒れた………。
「____________きて!」
誰の声?はっきりしない。でも、だんだんと意識がはっきりとしてきた。
「起きて!」
嗚呼。真凛の声だ。私、生きているの?
目を開けると、目の前にいたのは真凛、、、じゃなくて、、桃色のかわいらしい鬼だった。
__伝説の鬼はすぐそばに。身近なところにいたんだ。
執筆の狙い
伝説の鬼は身近なところに居た、、。
夏は過ぎましたが、夏祭りを舞台にしました。約1551文字。短いですが、アドバイス、感想をお願いします。