Trick Night 2
「それじゃあ、これからする授業について説明していくから、よく聞いとけよ?」
よう!俺は二ケン アビス 今は入学初の授業の説明をうけているところだ。初って言っても、さっき自己紹介したばっかなんだけど…。まあ、本格的な授業になるってことだ!
「これからお前たちにはこの教室の窓から見えるあそこの森に行ってもらう。だが、ペアでだ。そのペアってのがこれから先一緒に戦ったりする相棒となる。」
カングラ ショウ こと俺等の担任は黒板にペアのイラストを描きながら説明している。2つの丸に手足が生えてる、なんかかわいいイラストだ。
「戦闘には協力がつきもの!そして、そのペアは3年間基本的に変わんねえし、ほぼ毎日一緒に活動することになる。戦闘をする際に相性がいい奴同士組み合わせてるから互いに高め会えるし、俺等が教えるときに都合がいいからな。お前らが成長していくにつれて変わることもあるが、めったにねえからそのつもりで。分かったか?」先生はみんなを見渡して、俺等が理解したのを確認した。
じゃ、言ってくぞぉ。言われたペアから森に迎え。と名簿を取り出して、早速呼んでいった。
「暮葉ツインズ!」
暮葉 モミジ と暮葉 イチョウが、やっぱりねと言うような感じで出ていき、5分ぐらいしたら、また別のペアを呼んだ。
うわあ✨ 俺はすべてがキラッキラに見えた。シャンデリアいっぱいつけたみたいに。
相棒 かぁ!いいなあ~かっけえ!誰となるんんだろっ!すげえなぁ〜!やっぱ本格的だなこの学校。来てよかった!
こころなしか鼻の穴が膨らんでしまう。そのときに教室の匂が鼻にすっと入った。新しい、校舎の匂い、教室にお守りとして飾ってあるパンプキンの甘い香り。みんなの新品特有の制服の匂い。
それらがニケンを掻き立てた。
みんなが呼ばれては教室から出ていく様子など、今のニケンには見えていない。
「あとは残った、ニケン アビス・黒狼 白夜 ペア!行って来い。」先生は名簿を見ながら言った。
あれっ!もう俺等が最後か。すっかり興奮しきって気づかなかった。 落ち着け〜俺。こういうときは深呼吸!すうーっ 胸を大きく膨らませ、
は〜〜〜 吐いた。・・・・ん?黒狼って確か…
「おい、雑魚野郎。行くぞ。」
俺が思い出した瞬間に言われた。そこには背の高い、ウォーウルフに対応している黒髪の、金の目が目立つ青年が立っていた。上から見下すように、黒狼の鋭い眼が俺を突き刺す。その言葉には怒りがしっかりとこもっていた。
「おお!わりい!」
俺は慌てて立ち上がって、先をいく黒狼のもとに走った。
広い校舎の廊下を二人で歩いていく。朝日が入った廊下は、とてもきれいで、窓から入ってきた風は、入学を祝ってくれているかのように優しかった。
「にしてもなんでペアで森に行くんだろうな?」と
俺は黒狼に話題を振ってみる。黒狼を見上げながら俺は思った。初めてあったときも思ったけど、やっぱすっげえ魔力の量だ。
俺は魔力の流れが見える。流れと言っても、空気中に出ている魔力は見える人は世界を見れば案外いるし、噂では訓練すれば見えるようになるって話だ。でも体内に巡る魔力。それが見える人は本当に世界で少数だ。
黒狼はこちらをちらりと見た。多分睨んでるんだけど。
「そんなこともわかんねえのか。俺等はこれからペアとしていろいろ活動するようになるっつてただろ。森まで、なんか話して互いについて知れっつうことだよ。森に行ったあと何があるかわかりゃしねんだからな。」
案外ちゃんと答えてくれた。睨んでくるし、入学一発目から嫌味的なこと言われた。でも、俺の本能が、悪いやつじゃないと言っている。しかも、何と言ってもちょーかっけえ。だから
「なあ!黒狼!俺と友だちになろうぜ!!」こいつを初めて見たときに思ったことをそのまま言った。
「・・・・・・・・は?」
黒狼は目を見開いている。その顔は今まで見たことがないくらい年齢層といった感じだった。おいおい。さっきまでのトゲトゲした空気はどこいったんだよ。と内心突っ込みながら、俺は続ける。
「いや俺さ、お前を見た時、ちょーかっけえ!て思ったんだよ。だから友だちになりてんだ!」
「はあ!!?」
などとはなしているうちに森の入口についてしまった。しかし、そこには壮大な緑には似合わない新しく建てられた看板
{この先に俺がいるぜ!奥まで来い!}
と手書きで書かれていた。
俺達はしばらくそこで沈黙した。
そして森の中に入っていったわけだが、
「なあなあ、なってくれよー友達。」
「だっれがてめえみてえな能力を持ってねえ雑魚と友達になんかなんねーといけねんだよ!」
「いーいじゃねえか〜」
「駄目だっつってんだろ!」
「なあ、じゃあ、友だちになるためにさ、白夜ってよんでいいか!」
「はあ?!それ友達になるためにすることじゃねえし、そもそもなんでてめえみてえな雑魚に、馴れ馴れしくファーストネームで呼ばれないといけないんだよ!」
「いいじゃねえか!お前の名前かっけえし、細かいこと気にすんなっって!」
ザクザクと足を鳴らしながら俺達はこの会話をかれこれ10分はしている。そしてついに黒狼の限界が来た。
「てめえ!いいかげんにしろよ!うっとおしんだよ!!」
そう黒狼が叫んだ時、「「!?」」
ドガン!
ドオオオオオオオン!!!!!
「っっ!」腹に鋭い衝撃が走ったと同時に、俺は木に背中を強くぶつけた。意識が一瞬朦朧とし、そのまま地面にうつ伏せに倒れる。
何が起こった!どうなってる!?俺は何かにふっとばされたのか!さっきまでちゃんと地にあしをつけて立ってたぞ!?
さっきまでの朦朧とした意識なんてどこかに行ってしまった。痛みを我慢して、ゆっくりと立ち上がる。そして視界に入ったのは、信じられない光景だった。
鋭い牙、爪に、つの。恐ろしい目つき、羽、漂う大量の魔力。その目は、恐ろしい狂気だけに染められていた。
心臓が、脳が、本能が言っている。コイツはまずい。やばいと。化け物だと。見た目からして、間違いなく悪魔だ。
「なんでこんなとこに悪魔がいるんだよっっっ!」
冷や汗が流れ、地面の草を濡らした。
そいつの鋭い爪は、黒狼の左肩を貫き、血がたれ、地面の草を赤く染めた。黒狼はそいつの腕を掴み、睨んでいる。
そして俺は黒狼のいる位置を見て絶句した。そこは、俺がさっきまでいた位置だ。俺がいたはずの場所だ。
ああ、そうか・・・・。俺の腹が痛くなって、ふっとばされたのは、お前が俺を守るために、蹴ったからなんだな。
俺は拳を強く握りしめた。
怒りが渦巻く。自分自身への怒りと、その悪魔に対する怒り。
「おい!そこの悪魔!俺の友達にっ、けがさせてんじゃねえっっ!」
俺は強く足に力を込め、その悪魔に殴りかかった。
執筆の狙い
今回は2話です。前回の皆さんのコメントを参考に書いてみたのですが、うまくかけていないところもあると思います。今回もなにかアドバイスがあれば、教えてくださると助かります。