作家でごはん!鍛練場
上松 煌

冬とひとりの街角に

『なぜこんなに悲しいのか
わたしにはわけがわからない
遠い昔の語り草
こころからいつも離れない』
 ハイネの詩がどうしていつもより心にしみるのだろう?
いつもの道を通って、いつもの白いマンション。
気分によって選ぶエレベータと階段。
3階の部屋から、ちょっとだけ見える空が、どうしてこんなに懐かしい?
 少しだけ陽のあたる窓辺に置いた、ダイヤモンド・カクタスのとがったつぼみ。
かにサボテンっていう古い昔の呼び名が好き。
忘れ去られたものや捨てられたものに心が動くのは?
いつもより寂しくていつもより泣きたいのは、わたしが今日で20歳(はたち)だから?
 使い慣れたカップにいつもどおりのエスプレッソ。
壁の複製画。
立ちのぼるやわらかな螺旋とバロックのスプーンが今夜はなぜか重い。
ひとりだから?
ひとりだよね。
今もこれからも?
いつまでもずっと?
わたしにはわからない。
 バイト先は街角の小さな古本屋さん。
高齢で体の不自由な店主さんにかわって、本の管理やお客様の応対はわたし。
でも、膝の猫さんにはいつもかなわない。
そっと首をかしげてにゃ~ん。
それだけでみんなに幸せな笑顔が広がる魔法。
脚立を使って天井近い本を取ったり、ときどき風を通したり、埃を払う本の香り。
長い知らない時の流れがそっとよみがえる。
お給料は安いけど、わたしはこの仕事が好き。
大学の近代的で膨大な図書館は異世界だけど、ちっちゃなここはなじみの居場所。

    ◇ ◇ ◇

 隣りの花屋さんで買う小さい花束。
たまにおまけしてくれてリッチな花が入る。
人に見せたくて友達を呼ぶ。
「彼、まだいないのぉ?も~。女友達とお花見てなんぼのものよ」
いつもの親しい会話。
「いらないもん。ユッキみたいに続かないんじゃ、いないほうがマシ」
「あ~、それ言う?」
おみやげはいつもあんまり甘くないケーキ。
「これ、新作。カシスがいいでしょ?」
「うん、ユッキはケーキ選び上手いね」
たくさんの笑いと秘密の打ち明け話を残して、友達は彼のもとに帰っていく。
ガランとした黄昏にひとり。
 子供の時から夢は豊富にあった気がする。
画家に学校の先生に小説家、あとは天文なんかの研究職。
夢があるだけで、夢を追うだけで辛くなってしまうのはなぜ?
いまはもう、なりたいものは何もない。
あ、猫さんがいいかな。
静かに膝の上にいて、まわりに安心と癒しを投げかける。
神様の仕事をしてみたいのは、わたしがただの人間だから?
 急に空が曇って、強い風に歩道のほこりが巻いてくる。
ぱらぱらと小雨が店頭の本たちを濡らして、わたしを急がせる。
ビニールかけの前にざっとかけるハタキ。
「いまごろの雨はね、時雨(しぐれ)っていうんだよ。ま、冬の象徴だね。旅人と我が名呼ばれん初時雨って、だぁれだ?」
店主さんのいつもの蘊蓄。
「芭蕉、松尾芭蕉」
すぐに答えると、
「なぁんだ。知ってたかい」
がっかりした声に、もうちょっと考えるふりしたほうがよかったかな?
 雨に追われるように、お客さんがひとり。
奥の棚の古い専門書を抜いてレジに持ってくる。
わぁ、汚れてるのに八千円もするの、この本。
思わず顔を見てしまう。
目が合って、お互いにちょっととぎまぎ。
わたしくらいだから、学生かな?
背の高い、しなやかな体が本を抱えてひらりと出て行った。
目で追ってしまうのはなぜだろう?
少し明るさを増したような空。
雨ももうすぐ止むのかも。

    ◇ ◇ ◇

 空の手紙が舞う夜は、かるい妄想で遊んでみる。
スープは焦がしオニオン。
かぼちゃのようにゴロンとした黒パンはロシアのサイカ。
トマトとニンジン、ブロッコリーとベビーコーンの温サラダ。
登山用のストーブでわざわざ温める、具だくさんのクラブビスク。 
並べるのはアルミのコッフェル。
同じ素材のスプーンとフォーク。
そばにはコールマンのランタン。
壁の写真は群青と白の冬山。
いつもより白い街の明かり。
エアコンはわざと消しても、ダウンのフードで暑いくらい。
 ひとりなのにひとりじゃないみたいな時間。
幻のハーケンとカラビナ。
ザイルのすれる音。
見えない隣りのテントに仲間の気配。
紙コップで飲むチープなコーヒーが終わるころには、雪山は元の部屋に戻っていく。
 ひとりぼっちはちっとも寂しくないのに、不安になるのはなぜ?
ひとり遊びは楽しいのに、人恋しくなるのはどうしてだろう?
そっと窓を開けるとしーんとくぐもる湿った音。
街はもう、銀(しろがね)の衾(ふすま)の丘辺そのまま。
明日の電車は動くのだろうか。
 しょりしょりとちょっと水っぽい音は、東京の特徴。
みんな、足元に気をつけながらの出勤。 
店主さんのいれてくれたお茶でのんびり休憩。
降りやまない今日は、このまま開店休業かも。
交通の混乱を伝えるニュースを聞きながら、猫さんはストーブのいい位置で伸びてる。
そこにいるだけでこんなにも微笑ましいのは、なめらかで優しいラインのせい?
わたしもこんなきれいで柔らかな体を持てたら、もっと軽ろく生きられるの?
さらさらと空からの手紙がガラスに触れる。
ドアを閉めてあるだけで、いつもの街が遠くかすむ。
うとうとと夢見るように時間だけが過ぎて。
 「この店も終いかな。ばあさんが、もう、やめたらって。十分働いてきたから」
店主さんのつぶやきが氷の風のように心を過ぎる。
黙ってうなづきながら、目はうつろに本をさまよう。
そう、わたしの大切なここはわたしのものではなく、店主さんのもの。
人生を十分頑張ってきた店主さんの居場所。
灰色の空からさらに灰色に、降るのはちぎれて重い心だ。

    ◇ ◇ ◇
 
 「閉店しようか?電車が止まっちまってもいけないから」
わたしの帰り道を気遣う言葉。
心が空っぽのまま立ち上がり、シャッターを一枚下ろしてため息をつく。
後ろに誰かの気配。
「もう、終わりですか?」
「いえ、どうぞ」
とっさに返事して目が合う。
あ、あの人…。
ひらめくしなやかな体がなぜか心に残っていて…。
 「ヘソクリが入っていたって?古い昔の百円札だね。10枚あるな」
店主さんの笑い声。
「銀行に行って取り替えてもらいな。うちに返さなくていいんだ」
「いいんですか?」
その人は手をひっこめたまま、もじもじしてる。
「じゃあ、没収。あんた、お昼まだだろ?」
店主さんはにんまり。
「これにおれが千円足すだろ。香里ちゃんも悪いけど千円出してよ。そこの江戸前から寿司取っちまおう」
その人は大笑いで大賛成。
わたしも笑って、さっそく注文。
3人と1匹がお得セットを囲む。
「東京の今頃はね、だいたい2~3℃だね。乾燥してるともっと気温が高くても降る」
店主さんのいつもの蘊蓄。
なごやかに聞いている、その人の横顔がなぜかうれしい。
部屋の暖かさに店のガラスが白く曇って、空を舞う白さが灰色を深くする。
「あっ、もう、行かなきゃ」
柱の時計の針に、びくんと立ち上がる。
「ごめんなさい。お礼に明日また来ます」
急いで言って傘を広げ、暗くなりはじめた外にひらりと出て行った。
「明日も来るってさ。このぶんじゃ晴れるな」
店主さんの笑顔になんだか見透かされている気がする。
急いで目をそらして外の様子を見るフリ。
小止みになった空に、街の明かりが夕焼けみたいに茜色に映えていた。
明日はきっと、あの人がやって来る。

冬とひとりの街角に

執筆の狙い

作者 上松 煌
69.61.105.175.ap.yournet.ne.jp

 旧作です。
おれ時々、自分の中の女の子の部分が出るので、そんな時の作品を1つ。
えっ、キモチ悪いって?
はいはいwカンベンねw

 実は今、別荘取得に動いていて、12月半ばの権利の委譲でやっとラスト・ランって感じ。
ちょっと作品書きは休止中。

コメント

夜の雨
ai193241.d.west.v6connect.net

「冬とひとりの街角に」読みました。

なかなかうまいですね。

作風はさりげなく若い女性、大学生という感じでナイーブな文章で主人公の心情風景が描かれていました。
その心情風景のところに店主との交流などが描かれていて、人間味の部分がちらほら出て来てこの書店も「店じまい」するのかと、店主夫婦の時間の流れみたいなものと若い主人公の時間の流れが交差しているところが夕暮れを思わせる時間帯の雨により味わい深くなっています。
このあたりは文章を丁重に書き込んでいるので、伝わってきました。
しかしこのままだとちょいと足らないなぁと思っていると、若い男性が登場しました。
主人公の女性が意識したところで、後半をどう展開させるのだろうかと思っていると、書店を出た男性が閉店まじかに戻ってくる。
それも「買った本に、古い百円札が10枚挟まれていた」というネタの仕込みよう。
これで店主から寿司をたのもうという事になり、主人公もお金を出し、みなさんで楽しい一時が。
金を出していないのは「書店の猫だけ」で、猫はお相伴をうけている。
店主が彼女の気持ちを察して機転を効かした、というお話でオチ(笑)。

なかなかよくできています。
伏線も張ってあるしね、友達との「彼氏いないの、いるの?」みたいな会話。

御作は別に男が書いていても違和感はなかったです。客観的な感じで主人公の女性を中心に描かれていましたので。
むかし小池真理子のミステリー系の作品を何冊か読んだことがありますが、これは女性の作者だなぁと感じました。たぶん主人公である女性の心理面がぞくぞくするほど伝わるような描き方をしていたからだろうと思います。

上松さんの 「冬とひとりの街角に」という作品は、全体に手抜かりなくバランスよく描かれた、良い作品だと思いました。


お疲れさまでした。

大丘 忍
p4666134-ipxg00k01osakachuo.osaka.ocn.ne.jp

夜の雨さんの感想では、作者は女性であろうと書かれておりましたが、どうなんでしょう。私はこれまで男性だと思っておりましたが。
それはさておき、本作は大した事件が起きるわけではありませんが、面白く拝見しました。文章のうまさも貢献しているのでしょね。

夜の雨
ai224153.d.west.v6connect.net

作者はもちろん「男」です。

「執筆の狙い」で「作者 上松 煌」さんが、

>おれ時々、自分の中の女の子の部分が出るので、そんな時の作品を1つ。
>えっ、キモチ悪いって?
>はいはいwカンベンねw

と、書いておられるので、『御作は別に男が書いていても違和感はなかったです。客観的な感じで主人公の女性を中心に描かれていましたので。』と、感想で、書かせていただきました。
あと、私の感想の最初の部分で『作風はさりげなく若い女性、大学生という感じでナイーブな文章で主人公の心情風景が描かれていました。』なども、書きましたが。


以上です。

上松 煌
69.61.105.175.ap.yournet.ne.jp

夜の雨さま、こんばんは

 昨日のうちに感想を付けてくださっていたのですね。
ありがとうございます。

   >>なかなかうまいですね<<
    ↑
 あなたはどなたの作品でも必ずホメるのを信条となさっているので、「え? ホント? ショージキに言ってぇ」と思っているおれがいますw
   >>作風はさりげなく若い女性、大学生という感じでナイーブな文章で主人公の心情風景が描かれていました。その心情風景のところに店主との交流などが描かれていて、人間味の部分がちらほら出て来てこの書店も「店じまい」するのかと、店主夫婦の時間の流れみたいなものと若い主人公の時間の流れが交差しているところが夕暮れを思わせる時間帯の雨により味わい深くなっています。このあたりは文章を丁重に書き込んでいるので、伝わってきました<<
    ↑
 とてもよく読み取ってくださりうれしいです。
ただ、「店じまい」の話になったのは、時雨の日のあとなので日時が違います。
「空からの手紙」は雪のことで、雪で店が開店休業状態になったため、店主の老人が、ふと弱気になり「閉店」を口にした場面です。
 でも、
   >>店主夫婦の時間の流れみたいなものと若い主人公の時間の流れが交差しているところが夕暮れを思わせる時間帯の雨により味わい深くなっています<、
    ↑
 というあなた文章は非常に文学的な感想と感じました。

   >>これで店主から寿司をたのもうという事になり、主人公もお金を出し、みなさんで楽しい一時が。
金を出していないのは「書店の猫だけ」で、猫はお相伴をうけている<<
    ↑
 はい、その通りです。
看板猫さんについてのコメントは笑えましたww
猫様は古来、世界中で「神」だった動物ですので、「お供物」を提供されている、といったところです。

   >>店主が彼女の気持ちを察して機転を効かした、というお話でオチ(笑)<、
    ↑
 はい、おっしゃる通りで、20歳になってもカレもいず、1人で生きていくことにちょっぴり不安や寂しさを感じていた彼女に、新しい出会いの予感が……、といったところで〆にしました。
ラストの1行、
【明日はきっと、あの人がやって来る】
に、これからの希望ある日々の予感を語らせました。
我ながら印象的な1文だと思っています。


   >>御作は別に男が書いていても違和感はなかったです。客観的な感じで主人公の女性を中心に描かれていましたので<<
    ↑
 ありがとうございます。
ちょっと気持ち悪いんじゃない? と言われなくて安心しました。

   >>むかし小池真理子のミステリー系の作品を何冊か読んだことがありますが、これは女性の作者だなぁと感じました。たぶん主人公である女性の心理面がぞくぞくするほど伝わるような描き方をしていたからだろうと思います<<
    ↑
 へ~、女性の文章ってすごいんですね。
女の情念には興味があって、書いてみたいなぁと思うのですが、おれにはムリっぽいな。
女性はやっぱ謎ですもん。
夜の雨さまも女性になりきって、なにか書いてみたらいかが?
なんとなく書きながらクネクネしている自分が面白いですよw

上松 煌
69.61.105.175.ap.yournet.ne.jp

大丘 忍さま、こんばんは

 久しぶりの感想をとてもうれしくいただきました。

   >>どうなんでしょう。私はこれまで男性だと思っておりましたが<<
    ↑
 はい、おっしゃるとおり、おれは♂です。
ただ、だれしも自分の中に、男は女性を、女は男性的な部分を含有していると言われるとおり、時々は異性として普段とは違った視点で文章を書いてみたくなります。
それがわざとらしかったり、異様に女を誇張したものであっては興ざめですから、みなさんのお目に晒してみたのですが、まぁまぁ及第点と行ったところでしょうか?
初期のものなので文章文脈の未熟さは否めないと思いますが、ごくフツーの女の子の気取らない日常風景としては、多少の起伏や人間関係もあったり、カレが出来るという希望ある予感で終了する、穏やかで心温まる掌編と思います。

   >>本作は大した事件が起きるわけではありませんが、面白く拝見しました<<
    ↑
 ありがとうございます。
静かな語り口で淡々とした日常の1こまを切り取ったものですので、特別印象的な事象はありません。

   >>文章のうまさも貢献しているのでしょね
    ↑
 ありがとうございます。
おれの文章は個々の作品のテーマや雰囲気、主張したい事柄などにより文体が違ってきてしまうので、多分、無意識にその作品に一番ふさわしい書き方になっていると思います。
そこのところをおホメいただけて幸せに感じました。

アン・カルネ
KD106154136123.au-net.ne.jp

うーん…。上松さんが、なんか、こわい…(笑)。
いえ、冗談です。

なんというか、「自分の中の女の子の部分」って、はい、しっかり可愛らしい女の子になってました。
あれだけ暴力的な作品を書く一方で、ピュアなものはピュアなままに書ききってみせるあたりがお見事でございます。

古本屋の設定も生きています。
私は古本屋での経験は藤村の『若菜集』復刻版ですね。やっぱり老いた店主で、それも怖そうな感じで。
でも本を緑色の薄紙で丁寧に包んで「大事にしてくださいね」と手渡された時には何かじんとさせられました。
>背の高い、しなやかな体が本を抱えてひらりと出て行った。
うまいです。これだけで充分、好青年っていう印象を残させています。
また香里ちゃんもよく出来ていると思います。実に女の子らしい女の子であるところが丁寧に綴られています。
芭蕉も効いています。また「蘊蓄」と出されているところで、蘊蓄が嫌味にならないようにしてあるところも“技術”ですよね。

リリカルな世界観も良く出ていましたし、猫の様子に「神様の仕事」と言わせすぐに「ただの人間だから?」と配するところもセンスを感じさせられます。作者が顔を出し冗長に語ってないところも良い感じ。
タイトルも良い感じ。
ちゃんと心温まる可愛らしい話にしておきながら、店主と猫にさりげなく人生を感じさせているところが心憎い。
ラストも明るさを感じさせて、お上手です。
どこをとっても作者の職人技と言いたくなるくらい細かい設定がよく出来ていて、相乗効果になっています。
読んでいて、ふふって楽しめました。
素敵な掌編になっていましよ。

青木 航
sp49-98-224-32.msd.spmode.ne.jp

 上松様、読ませて頂きました。
 こんなものまで書けるんだと感心する以外無いですね。伝言板でバトってる人と同一人物が書いたとは到底思えません。凄いの一言です。

 新宿駅の前で『私の詩集』と書いた札を首から下げて立っていた女の子を、何故か思い出してしまいました。「あの娘、今、どうして居るだろう」なんて想ったりして。

 ここから先はブラックジョークですから、まともに取って怒ったりしないで下さい。

 文章だけ読んだら杉咲花風の純な娘をイメージしてしまいますから、ネカマやったら釣り堀の魚みたいに阿呆な男共をホイホイ釣り上げられそうですね。画像生成AIを使ってそれらしい女の子の画像を制作して添付したりして……。

 つまらん事を言って、上松さんには二度ばかり激切れされた苦い経験が有るのでちょっと心配ではあるんですが、感心しながら読ませて頂きました。アン・カルネさんが仰っているように、とても親父が書いたとは思えない出来でした。

上松 煌
69.61.105.175.ap.yournet.ne.jp

アン・カルネさま、こんばんは

 19時ごろに感想を下さっていたのにレスが遅くなりごめんなさい。
もう、感想はつかないな? と思っていたのでごはんを覗くのを怠っていました。

   >>うーん…。上松さんが、なんか、こわい…(笑)。いえ、冗談です<<
     ↑
 え~? 怖いですかぁ? グスン。
「うーん…。上松さんって、なんか、ステキ。ホレちゃうw」とか言って欲しかった…。
いえ、冗談です(笑)。

   >>なんというか、「自分の中の女の子の部分」って、はい、しっかりしっかり可愛らしい女の子になってました。
あれだけ暴力的な作品を書く一方で、ピュアなものはピュアなままに書ききってみせるあたりがお見事でございます<<
     ↑
 ありがとうございます。
女性のあなたに >>はい、しっかり可愛らしい女の子になってました<< と言われて、今更ながらにホッと安心しています。
やっぱり、女の人がどのように反応してくれるかが、♂の作者としては最大の関心事だからです。
「なに、この男。これで女心を書いたつもり? キモッ」とか言われたら、もう、爆沈ですもん。
また、暴力的な作品は中2病の発作で、自身への強烈な殺戮願望が書かせるもので、その攻撃性は他者には絶対に向かないのでご安心ください。
それにこのごろはおれも成長(退歩?)したようで、中2病は出にくくなっています。


   >>古本屋の設定も生きています。私は古本屋での経験は藤村の『若菜集』復刻版ですね<<
     ↑
 藤村の『若菜集』ですか?
あなたも多感でロマンティックな少女時代を過ごされたのですね。
カノが好んでいたのですが、おれにはどうも甘ったるい感じがして有名なものしか知りません。

 >>老いた店主で、それも怖そうな感じで。でも本を緑色の薄紙で丁寧に包んで「大事にしてくださいね」と手渡された時には何かじんとさせられました<<
      ↑
 なぜか古本屋の店主ってぶっきらぼうな老人が多いですよねw
でも、ものすごく良いエピだな。
こういう思い出って、時が経ってみると「珠玉の思い出」って感じでよみがえってきません?
そういう宝を集めて作品にしてみたいと思ったりするんだけど、まだ実現できていないな。


   >>背の高い、しなやかな体が本を抱えてひらりと出て行った。
うまいです。これだけで充分、好青年っていう印象を残させています。また香里ちゃんもよく出来ていると思います。実に女の子らしい女の子であるところが丁寧に綴られています。芭蕉も効いています。また「蘊蓄」と出されているところで、蘊蓄が嫌味にならないようにしてあるところも“技術”ですよね<<
     ↑
 ありがとうございます。


   >>リリカルな世界観も良く出ていましたし、猫の様子に「神様の仕事」と言わせすぐに「ただの人間だから?」と配するところもセンスを感じさせられます。作者が顔を出し冗長に語ってないところも良い感じ。タイトルも良い感じ。ちゃんと心温まる可愛らしい話にしておきながら、店主と猫にさりげなく人生を感じさせているところが心憎い<<
     ↑
 いや、この部分へのアン・カルネさまの反応がすごい。
素晴らしい感性だなぁと舌を巻きました。
これは1度、ごはんに掲載したのですが、その時の感想に、
【「神様の仕事」の意味がわからなかった。で、考えて「静かに膝の上にいて、まわりに安心と癒しを投げかける」ネコさんのことを言ってるのかな? と思ったけどイマイチわからない】
というものがありました。
あなたはまるで神の如く1発で理解してくださり、なおかつ >>店主と猫にさりげなく人生を感じさせているところが心憎い<<
とまで看破してくださり、もう、そのと~りでございます、としか言いようがありません。
うれしいですw

   >>ラストも明るさを感じさせて、お上手です<<
     ↑
 ありがとうございます。
『明日はきっと、あの人がやって来る』
〆のこの1節はおれ自身、気に入ってる一文です。

  >>どこをとっても作者の職人技と言いたくなるくらい細かい設定がよく出来ていて、相乗効果になっています。読んでいて、ふふって楽しめました。素敵な掌編になっていましよ<<
     ↑
 よかったぁ。
楽しんでくださったのですね。
でも、今回はあなたの豊富な読解力と感性、共感力の鋭さにずいぶん助けられた気がします。
良き読者を得ることは作者にとって大きな喜びであり、励みでもあります。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

上松 煌
69.61.105.175.ap.yournet.ne.jp

青木航さま、こんばんは

 え? こんなものまで読んでくださったのですか?
あなたとは作風が全く違うので、スルーだろうと思っていました。
わざわざ読んでくださり、とてもうれしく思っています。

   >>こんなものまで書けるんだと感心する以外無いですね。伝言板でバトってる人と同一人物が書いたとは到底思えません。凄いの一言です<<
    ↑
 ありがとうございます。
あはは、伝言板ですか?
でも、しまるこさんなどは、伝言板の赤裸々なおれを気に入ってくださっていて、そのような小説を書けと言ってくださるのですw


   >> 新宿駅の前で『私の詩集』と書いた札を首から下げて立っていた女の子を、何故か思い出してしまいました。「あの娘、今、どうして居るだろう」なんて想ったりして<<
     ↑
 う~ん、あなたも優しく美しい感性の持ち主ですね。
作家にふさわしい。
その思い出と青木さまの心情を小説に起こしてみてはいかが?
テーマとしては魅力的ですよね。


   >>ここから先はブラックジョークですから、まともに取って怒ったりしないで下さい<<
     ↑
 え? おれ、超マジメっ子なので、自信ないなぁw

   >>文章だけ読んだら杉咲花風の純な娘をイメージしてしまいますから、ネカマやったら釣り堀の魚みたいに阿呆な男共をホイホイ釣り上げられそうですね。画像生成AIを使ってそれらしい女の子の画像を制作して添付したりして<<
     ↑
 おほほ~、ス、ステキな提案じゃありませんか。
いや、モロに乗り気ですワ。
あなたもいっしょに組んでやりません??
「ガヤのいた風景」っぽいボーイッシュなあなたと、もろオニャニョコしているおれ。
コリャ、ウケるんじゃない?ww
バッチシ稼いでホスト狂いもいいなぁ♪


   >>つまらん事を言って、上松さんには二度ばかり激切れされた苦い経験が有るのでちょっと心配ではあるんですが、<<
     ↑
 いや、そtrは大変失礼しました。

   >>アン・カルネさんが仰っているように、とても親父が書いたとは思えない出来でした<<
     ↑
 あはは、おれは「チョイ悪親父」ならぬ「オニャンコ親父」なのです。

ラピス
sp49-104-28-183.msf.spmode.ne.jp

ディテールは細かくて読ませます。が、
男のイメージする女感ありありです。
地の文の女言葉がネカマっぽくてちょっと。それに、

「彼、まだいないのぉ?も~。女友達とお花見てなんぼのものよ」
いつもの親しい会話。
「いらないもん。ユッキみたいに続かないんじゃ、いないほうがマシ」

↑ これでは和やかな会話じゃなく、実際に言ったらバトルが始まります。

上松 煌
69.61.105.175.ap.yournet.ne.jp

 えっ? え~?、ほ、本物のラピスさん??
初めての感想をうれしくいただきました。
ニセHNが横行してるので…。

   >>男のイメージする女感ありありです。地の文の女言葉がネカマっぽくてちょっと<<
     ↑
 そうですか、そう感じたのなら残念だなぁ。
でも、あなたは日本人の感覚とはちょっと違う。
感性というか、心の深奥はけっこうエゴで殺伐としているよね。

   >「彼、まだいないのぉ?も~。女友達とお花見てなんぼのものよ」
いつもの親しい会話。
「いらないもん。ユッキみたいに続かないんじゃ、いないほうがマシ」

↑ これでは和やかな会話じゃなく、実際に言ったらバトルが始まります。<
     ↑
 ああ、友達とは言え、信頼関係が出来ていないとバトルかも知れませんね?
字面らだけ見るとキツイと思うかも。
でも、友達同士だとけっこうシビアでも許せてしまう感覚ってあるんだよ。

 おれは♂だから、男同士の会話だとこんなことフツーに言ってる。
「おまえ、カノまだいねぇのかよ。ったく」
「うっせぇな。おめえみたいに続かねぇんじゃ、いねぇといっしょ」
「あ~? それ言うなっつうの」
これでべつにケンカにもならないし、単なる話の接ぎ穂で、お互いフフッと笑ってオシマイ。

 その情景を女性に移してみたんだけど。
おれとしては問題あるとも思えないし、会話の裏にある彼女たちの友情というか信頼関係も垣間見える気がする。

 ラピスさんには心を許せる、つまり気軽に軽口を叩ける友達がいないのかも知れないね。

ラピス
sp49-104-28-183.msf.spmode.ne.jp

私は作品に対する感想を述べただけですが、あなたは私に対して誹謗中傷するんですね?

同じ意味でも言い方(台詞の書き方や間合いや地の文)があります。現に、あなたが書いた男同士の会話は微妙にもとの台詞とはニュアンスが違ってますしね。

上松 煌
69.61.105.175.ap.yournet.ne.jp

脊髄反射はやめてね、ラピスさん。

   >>現に、あなたが書いた男同士の会話は微妙にもとの台詞とはニュアンスが違ってますしね<<
    ↑
 当たり前だろ。
日本人は男女では話し方や言い回しが微妙に違うんだよ。
でも、間違いなく同じことを言っているぜ。
    
★小説本文★
 「彼、まだいないのぉ?も~。女友達とお花見てなんぼのものよ」
「いらないもん。ユッキみたいに続かないんじゃ、いないほうがマシ」
「あ~、それ言う?」

★男会話文★
 「おまえ、カノまだいねぇのかよ。ったく」
「うっせぇな。おめえみたいに続かねぇんじゃ、いねぇといっしょ」
「あ~? それ言うなっつうの」


 ま、そんなことも理解できないということか。

ラピス
sp49-104-28-183.msf.spmode.ne.jp

あなたにつける薬はないですね。
一から十まで解説する義理もないし面倒なので失礼します。

青木 航
sp49-98-217-99.msd.spmode.ne.jp

 御作への感想以外の事を書くことをお許し下さい。今、鍛錬場に掲載されている作品をいくつか覗いていましたら、上松さんが渡辺沙羅さんの作品に付けたコメントが目に付いてしまいました。

>★書きたいことを書きたいように書いてはいけない
>★その作品を支える知識薀蓄は多ければ多いほどいいが、そのすべてを投入しようとしてはいけない
>★小説は論文や学術書ではないので、出来る限り平易な一般用語を使用し、時としては短い説明をつける
などの配慮が不可欠です。

>作者は絶対に「ほれ、おま~らにこれが読めるか? 理解できるか?」という態度をとってはいけません。
>そんなことをすれば読者は、いとも簡単に、「へっ、じゃ、読まね~よ」と離れていきます。
作者は読者には勝てないのです。

 分野は全く違いますが、これ、俺の作品に付けられても全くいい得ている事ではないかと思ってしまいました。
 自分では全くそうは思っていなかったんですが、やはりそうなんですかね。他山の石としなければと思いました。

京王J
sp1-72-4-77.msc.spmode.ne.jp

御作への感想以外の事を書くことをお許し下さい。

今回は上松=青木さんのおっしゃることが正しいですね。

ラピスさんは「心を許せる、つまり気軽に軽口を叩ける友達」を作りましょう笑

でも私はラピスの作品は大好きです。

青木 航
sp49-96-33-18.msd.spmode.ne.jp

       ↑
 全く、ぶりっ子ファンタジー書きながら、中身は、陰険、悪辣、姑息を絵に書いたような、海野うにをこと京王jがなにかほざいてますね。

上松 煌
246.105.0.110.ap.yournet.ne.jp

青木航さん、こんにちは

 レスをありがとうございます。

 あなたはなんと自省的で謙虚、努力を惜しまない人なのだろう。
ごなんのみんながあなたの作品をこぞって読み、良いアドバイスをつけるのは、ひとえにあなたのこの美しい姿勢からです。
おれも心から尊敬します。

 感想以外どころか、このような心象なら、大いに吐露してください。
あなたは素晴らしいことを言っているのですから。

 あなたはおれが繋がりたいと思った、ごはんの数少ない人の1人です。
女性にはアン・カルネさんがいます。

青木 航
sp49-96-33-18.msd.spmode.ne.jp

有難う御座います。話はですが、上の三つのコメント、一瞬消えてまた復活しました。何なんでしょう?

ご利用のブラウザの言語モードを「日本語(ja, ja-JP)」に設定して頂くことで書き込みが可能です。

テクニカルサポート

3,000字以内