作家でごはん!鍛練場
めしたろう

僕と妹?

ある平凡な家で起きた奇妙なきょうだい関係

僕は平山憂太郎20歳実家暮らしのフリーターだ、自分で言うのもなんだけどイマイチぱっとしない性格で学生時代はいじめられたりしてうつ病を発症した事もある
これは僕がきょうだい関係を見直し自分らしく生きるまでのお話しです

「憂太郎~!今日からバイトでしょ?早く起きなさい

「萌香ちゃん?おはよう…

「おはようじゃないよ、バイト初日から遅刻しちゃうよ

「ああっ…そうだった行かなきゃ

「行かなきゃって!アンタ着替えなさい!それから寝癖も直さないと!

この萌香ちゃんは高2の僕の妹なんだがこんな感じでいつも僕の姉貴面をしてくる…

(こんなんでいいのだろうか…?)

こうなったのは三年前僕がうつ病になり高校を休学した時だった

一時寝たきりになってた僕を萌香ちゃんは甲斐甲斐しくお世話してくれた

その頃から「お兄ちゃん」と呼ばれなくなった、それよりずっと昔から僕はいじめられる事が多く両親よりも萌香ちゃんに慰めてもらっていた

中1の頃
「萌香ちゃん…新しい学校馴染めないよ…

「お兄ちゃんまた泣かされたの、よしよしいっぱい泣いていいよ

「わーーーん!萌香ちゃん………ひっく!

「よしよしお兄ちゃんいい子だよ

「おい見ろよ!憂太郎がまた妹に慰めてもらってるぞ!ああいう奴はシスコンって言うんだぞ、やーーーい!シスコン!

「もうちょっと!お兄ちゃんいじめないでよ!

………

「思えば萌香ちゃんとは小さい頃からこんなんばっかりだった、勉強もスポーツも僕より出来たし、両親とも萌香ちゃんを大切にしてた

「僕はこのままでいいのか?

ずっと思っていた事で、どうにも出来ずいつも萌香ちゃんに助けてもらう。

僕がお兄ちゃんなのに…

「平山…平山ー!!

「あっ!梶野さん!

「梶野さんじゃないだろ!なんだこの陳列は!何回も注意してるだろ!

梶野さんはバイト先の社員で、25歳なんだが少し老けていて30歳を過ぎてる様に見える何かと僕に絡んで「疲れるからもう言わん」が口癖の人だ、バイトが終わって帰ろうとしたら店長に呼び出された、個人の売上が最下位なのと梶野さんが昼間の事を話したらしく散々怒られた

………僕はよく怒られる、学校で家で、そして凄くへこむ、でも萌香ちゃんに怒られても平気と言うより怒り方が違う

「憂っ!アンタまた無駄遣いしてッ!

「萌香ちゃん…ごめん…ひっく!

「も~アンタ泣かないの!もう怒らないから、顔を上げて!

そう言ってくれる萌香ちゃんの表情はとても優しく安心するのだった

………

LANEが鳴る

萌香「憂太郎今弓道場なんだけどタオルとスポーツドリンク持って来て

憂太郎「解ったすぐ持って行くね!

萌香「ダッシュだよ!5分以内ね!

憂太郎「えっ!それは無理💦

萌香ちゃんは小学生の頃から弓道をやっている中学に弓道部がなかったので、水泳部に入っていたが、高校ではまた弓道をやりだした

「はあっ…はあっ…

「どうしたのそんなに息を切らして、まさか5分以内って本気にして走って来たのw

弓道着姿で黒く長い髪を後ろで束ねた萌香ちゃんが、笑いながらそう言った

「もう!笑わないでよ!

「ごめんね、タオルとスポーツドリンクありがとう!
帰りこれでアイスでも買いなさい、でもあんまり寄り道しちゃ駄目だぞ!

そう言うと萌香ちゃんは500円くれた、萌香ちゃんはまだ高校生だけどバイトを結構しているのでお金は持っている

(これ他の人が見たら姉貴と弟だよな…姉貴のお使いしてお小遣い貰ってる弟…)

「ねえ、萌香ちゃん…

「なに?

「うっ!うん何でもない!練習頑張ってね

「変な憂太郎!じゃあね!

(言えない…最近お兄ちゃんって呼んでくれないねって言えない…)

そもそも萌香ちゃんはまだ僕の事を兄と思ってるんだろうか ?

………

「憂太郎!留守番頼むわね、萌香ちゃんお兄ちゃんの言う事よく聞いていい子にしてなさい

「はい!お母さん!×2

「じゃ言って来るわね

これは…夢?小学校低学年の頃か?そうだこの頃、母さんがファミレスでパートしてたから萌香ちゃんとよく留守番させられてたっけ

「お兄ちゃんお話しして!

「お兄ちゃん怖い話し聞いちゃた、嘘だよね…萌香怖いよ…

「お兄ちゃんお風呂入ろう!

そうか…すっかり忘れてたけど、この頃はまだ兄と妹だったんだよな

そうだ!萌香ちゃんに今聞いてみるか?

「萌香…あのさ

「えっ?どうしたの?

「僕の事お兄ちゃんと思ってる?

「えっ?それさもちろん…

……………

「はっ!

真っ暗な自分の部屋

「そうか寝落ちしてたか…

「憂!ただいま!

「あっ!お帰り!

「今からシャワーするから冷たい飲み物なんか出しといて!

「うん、解った

冷蔵庫からりんご100%ジュースを出して萌香ちゃんのグラスに入れ氷を3個入れる

萌香ちゃんが弓道から帰って来たらいつもこれを出す

しばらくして萌香ちゃんがお風呂から出てきた、裸にタオルを巻いたまま居間に来てこう言う

「わっ!これこれ!やっぱり憂は解ってるね!

勢いよくりんごジュースをのむ萌香ちゃん

いくら兄妹と言ってもそんな無防備な格好はどうかと思うけど

「憂太郎最近どう?バイトは上手くいってるの?

「う~んあんまり…

「やっぱりそうか、仕事覚えるの難しいん?

「そうだね、なかなか覚えられない

………

「そうだ!このシャツ着ない?憂太郎似合うと思うんだけど!

「やだよそれ女物じゃん!

「えーでも似合うよ着てみてよ!

無理やり女物のシャツを着せられる羽目に…

「えー!髪をこうしてほら!女の子みたい!可愛いくない

………

「ねえ、萌香ちゃん…さっ最近…

「えっ?なに?

「さっ最近…お兄ちゃんって言わないよね…

「はっ…そうだね、それでどうしたの?

「あのさ…僕の事まだお兄ちゃんって思ってる?

「あはっ…それな…私も言おうかどうかと思ってたんだけどはっきり言っていいん?

「うん…いいよ…

「あのさ…憂の事は正直お兄ちゃんとは思えないよ、きょうだいとは思ってるけど年上とも思えない、心配な弟みたいにしか思えない

「あっ…うん…そうなんだ…

「ごめんね傷付いた?

「いや、そんな事ないよ僕もなんだか萌香ちゃんが先に大人になって行く気がしてたし、姉貴みたいに思ってあまえてる所あるって解ってた…でもこれでいいのかなって思ってるところもあってさ…

「だから最近態度が変だったんだね…ねえ!それならさあんた私の弟にならない?きょうだいの順番入れ替えるの、どう!名案でしょ!

「えっ?そっそれって?

「なんてね…そんな事無理だよね…ははっ…忘れて!ご飯にしよう!

…………………

数日後

僕の小学校の頃からの友達で島津と言うやつと飲んでいた

「しかし平山フリーターじゃ金大変だろ、大検取ってみたらどうだ?

「大検か、あんまり気が進まないな…

「そうかよ、ところで萌香ちゃん元気か?もう高校生なんだろ

「えっ?萌香ちゃんなら元気だけど、どうした?

「昔から可愛いと思ってたんだよ、最後に会ったの中3の時だったよな

「萌香ちゃんか…

「何だよ萌香ちゃんと何かあったのか!?

「実はさ高校うつ病やったじゃん、あの時世話してもらったんだけど何か兄貴として見られなくなかったと言うか…

「おいおい!どうしたんだよ!

僕は島津にこの前の事を話した

「おい!それマジかよ!

「どうかな?僕はもう萌香ちゃんの弟でいいと思うんだけど何処か釈然としないと言うか…

「そりゃ当たり前だろ!お前な…アニキなんだからしっかりしろよ!

「萌香ちゃんの事姉って呼んじゃダメかな?

「本気で言ってるのか?キモきぞ、萌香ちゃんだって本気でお前を弟しようなんて思ってないぞ

「そっそうかな?

「あーあ久しぶりに会ったのに昔とお前全然変わってないな、しっかりしろよ萌香ちゃんに頼るとかマジであり得たねえわ!

確かに島津の言う通りだ、妹に姉になってもらうなんてあり得ない話しだ、だけど僕は納得が行かないと言うかまだモヤモヤしたものがあったのでネットに書き込みをしてみた

回答は

あり得なえー

私も兄いますがそんな事言われたらドン引きですよ

まあ冷静になれや

「やっぱりこんなもんかな…


回答

ありだと思います、と言うか羨ましいです!

「あれ?こんな事言う人もいるんだ!

「少し話そう

………

そうか!やっと解った!僕達きょうだいはそれしか無いんだ!萌香ちゃんと本来のあり方に戻ろう

僕がしっかりしなきゃ行けないんだ!最初から答えは出てたんだ!

……………

「萌香ちゃん!入っていい?

「いいよ

「何?どうしたの?

「萌香ちゃんの弟になりたいです、姉貴と呼ばせて下さい!

「えっ?もしかしてこの前の事本気にしてたの?キモきよ~

「僕本気なんだ!萌香ちゃんも解ってるでしょ、本当は僕達姉と弟として生まれてくるべきだったんだよ!

「………う~ん………憂の言いたい事は解るよ、でもさそんな事出来るのかな

「出来るよ!本当に考え抜いた末に出した結論なんだ!萌香ちゃん…いや萌香お姉ちゃん!改めて宜しくお願いします

「はい、解った!でもちゃんと言う事聞くんだよ

「もちろんだよ姉貴!嬉しいよ!

「あはっ!何だか私も嬉しくなって来た!

僕と萌香お姉ちゃんは長い間お互い思っていた違和感が無くなり、すごくすっきりした気持ちになれた、多分他の人が見れば異様に見えるんだろう、恐らく島津なんかが聞いたらドン引きされるな(笑)
でもこれが僕達らしい関係なんだ!今は心からそうおもえる!

「私がお姉さんになったお祝いのパーティーしよう!ジュースとケーキ買ってきてね、5分以内だよ

「ええっ!それは無理!

走ってジュースとケーキを買いに行く僕

その日はいつも以上に姉貴に承認した萌香お姉ちゃんと楽しく騒いだ

それから…

「憂!これ着てみなさい!

「ええっ!そんなの嫌だよ!

「絶対似合うよ!

「いらっしゃいませ~!あら弟さんの服選びですか?

「そうなんです、これいいですよね?でもこの子着ないって言うんですよ!

「そんな着ないなんて言ってないじゃん!

「あらあら仲がいいんですね、でも弟さんくらいだとこれなんかもいいですよ

どうやら他人から見ても萌香お姉ちゃんの方が年上に見えるまでに姉弟が板に付いて来たらしい

こだわりや固定概念は誰もが持ち時にいい方向へ人を導き時に悪い方へ導く…僕達は兄と妹と言うしがらみから解放され姉と弟になり、今凄く幸せで仲のいい姉弟だ!

※この話は筆者の実体験わ元に作った創作です、正確には脚色に脚色を加えフィクションも交えた話しです

僕が情けない兄だった事と妹を姉貴と呼ぶ事になったのは実話です、今もそうやって逆転きょうだいをしてます


終わり

僕と妹?

執筆の狙い

作者 めしたろう
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固定概念や拘りを捨てると見えて来る事もある

コメント

偏差値45
KD106180001040.au-net.ne.jp

なんとなくストーリーとしての線が細い感じがする。
小さなエピソードはあるものの、全体的にはボヤけている。
作家さんがなんとなく書いてみたような気がしてならないです。

たとえば、アルバイトをするにしても具体的に何をしているのか、
分からないです。そうなるとイメージが出来ないので、良くないですね。

そして総じて言えば「雑」ですね。
単純な会話であっても顔の表情を描いてもいいですし、
周囲の状況を書いて読者にイメージさせることが大事のような気がしましたね。

めしたろう
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偏差値45さん

ご意見ありがとうございます。
別サイトで何度か投稿した事はありましたが、コメントをいただいた事がないので気付きませんでした、今の姉貴との関係やきょうだいの立場を入れ替えた事でかえって仲良く出来たと言う事が伝われば面白いと思ってましたが、まだまだ甘かった様です。

頂いたご意見を参考に書き直してみようと思います。

のべたん。
210-203-233-190.ppp.bbiq.jp

読ませていただきました。

作品の出来についてはコメントしませんが、

>※この話は筆者の実体験わ元に作った創作です、正確には脚色に脚色を加えフィクションも交えた話しです

作品を読みながら、これは実体験ではないかと思っていました。
よい妹さんに恵まれて、めしたろうさん幸せですね。

執筆お疲れさまでした。

めしたろう
sp1-72-5-207.msc.spmode.ne.jp

のべたんさん
コメントありがとうございます。
作品の出来はお世辞にもいいとは言えないので、仕方ないです。

姉(元は妹)とは以前はギクシャクした関係でした、今はお互い素直になれなお陰でいい姉と弟です。

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