「Bing」(Ai)が私の小説の続編を書いた。その出来とは。
この「ネズミ花火」は私が創作した小説なのですが、主人公の阿久太郎が大人になって猫男と出会う小説書いてくれませんか。 ← これを「Bing」(Ai)に依頼しました。
後半の続編が「Bing」(Ai)が書いた小説です。
ネズミ花火 夜の雨
澄み切った空気が水のように夕暮れの公園に満ちていた。
阿久太郎は母にお使いを頼まれて、商店街の魚屋でさんまを買っての帰り道にぶらぶらと小石を蹴りながら公園を横切っていた。すると拍子木が打ち鳴らされる音が聞こえた。
見ると、街灯の下に紙芝居を積んだ自転車が停めてあり、灰色の服を着た猫男が近所の子猫たちを集めて、紙芝居をやるところだった。
阿久太郎が興味ありげにそばを通ると「坊ちゃん、坊ちゃん」と猫男が鼻をひくつかせながら呼び止めた。
阿久太郎は幼稚園ではおっさんと呼ばれていたので、猫男から坊ちゃんと呼ばれても自分のことだと気が付かなかったが、手招きされたので何だろうかと近づくと、紙芝居を見ていかないかと誘われた。阿久太郎はこけしのように広く飛び出たおでこにしわを寄せて、お金は持っていないよと断った。
「ああ、お金など入りません」
そういって猫男は飴色の紙芝居の引き出しから、水飴を出して阿久太郎に渡した。阿久太郎のおでこの下に陥没している細い眼が久しぶりに笑った。まだ幼稚園児なのに顔の造作は大人のようで、笑うと乱ぐい歯が見える。
紙芝居の題名は『にゃん・わん大戦争』と言って、要するに猫と犬の喧嘩の話だった。
猫男は紙芝居を始めるとすぐに「坊ちゃんが持っているのはさんまでしょう、そんな物を持っていると犬に狙われますよ。奴らは鼻がいいですからね。坊ちゃんが紙芝居に夢中になっていて気が付いたら、さんまは犬に食べられた後ですよ」そう言って、猫男が紙芝居が終わるまで預かると言った。阿久太郎はあまり深く考えずに、お使いで買ってきたさんまを猫男に預けてしまった。
紙芝居が再び始まると、猫男はまるで魔術師のようにしゃべり出した。時には声をひそめ時には大声を上げて、紙芝居は進んでいった。そしてバチで太鼓を叩きながら犬の仕打ちに涙まで流して猫と犬の戦争を語った。
阿久太郎までもらい泣きをしていると、猫男はどさくさにまぎれて預かっているさんまをむしゃむしゃと食べ始めた。阿久太郎と視線が合うと、これは紙芝居を始める前に買って置いたもので坊ちゃんのさんまはちゃんと預かっていますよと言ったので、阿久太郎は安心して水飴を舐めながら紙芝居に夢中になった。
そして紙芝居は終わった。
猫男が紙芝居を片づけ始めた。
子猫たちはブランコや滑り台をしたり、家に帰るものもいた。
阿久太郎も帰ろうとして、猫男にさんまを預けているのに気が付いた。
「さっき、預けたさんまを返してください」
しかし猫男は知らん振りをして自転車にまたがり公園を出ようとした。
阿久太郎は追いすがった。
公園の出口のところでタイミングよく犬のお巡りさんに出くわした。
すると猫男があわてて「この坊ちゃん、困るんですよね紙芝居をただ見して、水飴も食べたくせに、ネズミ花火までくださいとか言うんですよ」
阿久太郎の頭は混乱してしまった。
犬のお巡りさんは、阿久太郎の姿形をしばらく眺めてから言った。
「猫男さん、彼はまだお子様なんですから、ネズミ花火もあげたらいかがですか。それでみなさん平和に暮らせるんですよ」
猫男は困ったような顔をしていたが「そうですね、犬のお巡りさんがおっしゃるなら仕方がありませんね」そう言って、灰色の服のポケットからネズミ花火を出して、阿久太郎に渡した。猫男はベルをチャランポランと鳴らして、ペダルをこいで自転車を走らせ行ってしまった。
阿久太郎が自宅に帰ってくると、母にさんまはと訊ねられて、ポケットからネズミ花火を出して叱られた。
父の夢太郎の所に行くと、彼は電気マッサージ器のプラグをコンセントに差し込んでいた。
「お父ちゃん腰の方は大丈夫か」阿久太郎は泣きそうになりながらも父を気遣った。
事情を訊いた夢太郎は、ネズミ花火でも庭で見ようじゃないかと言って、腰にコルセットを付けた。
庭でネズミ花火に火を点けると、花火は赤く燃えながら高速回転してシュワ――シュワ――と、阿久太郎を追いかけてきた。
阿久太郎は最後の最後まで猫男にやられっぱなしだったが、結構ネズミ花火は面白かった。
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● ここから下は「Bing」(Microsoft Bing(マイクロソフト・ビング))の創作です。
詰めて書いてあったので、見やすくするために段落をいじった程度で、内容はそのままです。
阿久太郎は興味深そうに猫男の紙芝居を見に行った。猫男は阿久太郎に気づいて、笑顔で手招きした。
「ようこそ、ようこそ。今日は特別なお話をしますよ。ネズミ花火という不思議なものについてね」
猫男は紙芝居の最初の絵をめくった。そこには、夜空に輝く星と月が描かれていた。
「昔々、この世にはネズミ花火というものがありました。それは、星や月の光を集めて作られた小さな花火でした。ネズミたちは、その花火を持って空を飛んだり、友達と遊んだりしていました。でも、人間たちはその花火を見ることができませんでした。なぜなら、ネズミ花火は人間の目には見えないからです」
猫男は次の絵をめくった。そこには、森の中に住むネズミたちが、色とりどりのネズミ花火を持って楽しそうにしている様子が描かれていた。
「ある日、森の中に住む一匹のネズミが、人間の村に行ってしまいました。そのネズミは、人間たちが作る大きな花火に興味を持っていたのです。でも、その花火はとても危険でした。火や煙や音が大きくて、ネズミにとっては恐ろしいものでした。それでも、そのネズミは勇気を出して、人間たちの近くまで行ってみました」
猫男はまた次の絵をめくった。そこには、人間たちが祭りをしている様子が描かれていた。夜空には大きな花火が打ち上げられていて、人々は歓声を上げていた。
「その時、そのネズミは不思議なことに気づきました。人間たちの花火は、自分たちのネズミ花火と同じ色や形や模様をしているのです。しかも、その花火は人間たちの目にも見えるようでした。そのネズミは、人間たちが自分たちのネズミ花火を真似して作ったのだと思いました。そして、それが嬉しくて仕方ありませんでした」
猫男は最後の絵をめくった。そこには、そのネズミが自分の持っている一つのネズミ花火を空に投げ上げる姿が描かれていた。
「そのネズミは、自分も人間たちと一緒に花火を楽しみたいと思いました。だから、自分の持っている一つのネズミ花火を空に投げ上げました。すると、その花火は空でキラキラと輝き始めました。でも、その光は人間たちの目には見えませんでした。なぜなら、それはやっぱりネズミ花火だからです」
猫男は紙芝居を閉じて、子猫たちに向かって言った。
「それがネズミ花火のお話です。ネズミ花火は、人間には見えないけれど、ネズミにとってはとても大切なものなんですよ。だから、ネズミたちは今でも夜空にネズミ花火を打ち上げています。もし、あなたたちも夜空を見上げたら、きっとネズミ花火の光を見ることができるでしょう」
子猫たちは紙芝居に夢中になっていた。阿久太郎も感動していた。猫男は阿久太郎に笑顔で言った。
「君もネズミ花火を見たいかい?それなら、僕と一緒に来てくれないか。僕はこの紙芝居を持って、色々な場所に行くんだ。君も一緒に旅をしたら、きっと楽しいよ」
阿久太郎は迷わずに頷いた。そして、自分の買ったさんまを猫男に渡した。
「これはお礼です。僕もあなたと一緒に行きます。でも、あなたの名前は何ですか?」
猫男はさんまを受け取って、嬉しそうに言った。
「ありがとう。僕の名前はねこやんだよ。君の名前は?」
阿久太郎は自分の名前を教えた。そして、ねこやんと手をつないで、自転車に乗った。
「それじゃあ、行こうか。ネズミ花火の旅にね」
ねこやんは自転車をこいで、公園を出て行った。阿久太郎は後ろから夜空を見上げた。すると、本当に小さな花火がキラキラと輝いているのが見えた。
「あれがネズミ花火かな?」
阿久太郎は感激して、ねこやんに言った。
「すごいですね。ネズミ花火が見えますよ」
ねこやんは笑って言った。
「そうだね。君は特別な目を持っているんだよ。だから、君にはネズミ花火が見えるんだよ」
阿久太郎は幸せな気持ちで、ねこやんの背中にしがみついた。
「ありがとう。あなたと一緒にいると楽しいです」
ねこやんも同じ気持ちで言った。
「僕もだよ。君と一緒にいると嬉しいよ」
二人は仲良く話しながら、夜空に輝くネズミ花火の下を走って行った。
●あとがき 夜の雨
「Bing」(Ai)に私の小説の続編を書いてもらいましたが、よくできているので感心しました。
問題点といえば猫男は紙芝居を積んだ自転車をこぐのだから、自転車の荷台には阿久太郎を乗せることはできないという事ぐらいかな。
私が書いた「ネズミ花火」は子供の阿久太郎が出てくるのですが、「Bing」への注文としては「主人公の阿久太郎が大人になって猫男と出会う小説書いてくれませんか。」ということで、雰囲気としては大人になっています。
「Bing」の小説を読んで感心したのは物語が美しいのですよね。
「ネズミ花火」を私の視点とは違った方向性から描いて、人間とネズミたちやら猫などの動物たちの見えるものの違い、そして一歩ふみこんで「純粋な心の人間には」やはり動物たちには見えるネズミ花火が見えるというあたりがよかった。
執筆の狙い
今年の三月に鍛練場に投稿した『夕暮れの童話』の一つの「ネズミ花火」の再投稿ですが、じつは今回は面白い試みをしました。
なんとAiに続編を書いてもらいました。
昨夜からAiに小説を書かしてどの程度のことができるのだろうかと調べていました。
5作品ほどは読んでみたのですが、今回の作品が一番好みだったので鍛練場の皆さんにも読んでもらおうと思いました。
今回の作品の出来で、だいたいどうしたらAiがレベルの高い小説を描くことができるのかの意味が分かりました。
今回の企画が面白いと思った方は、ぜひAiで小説を書くことにチャレンジしてください。
かなり面白いです。