作家でごはん!鍛練場
偏差値45

ニセモノ

 最近の俺のビジネスは順調にもうかっている。
 俺の仕事を簡単に説明すればゴーストバスター。または霊能者と呼ぶ人もいる。
 いずれにせよ、ニセモノであることは間違いない。
 実際、俺は除霊も出来ないし浄霊も出来ない。
 しかし問題はない。なぜなら幽霊なんて最初から存在しないからだ。
 言ってしまえば、ゴミのない部屋を掃除するようなもの。
 
 依頼人宅。
「お疲れ様でした。またお困りの時にはお電話して下さい」と俺。
「ありがとうございます。本当に助かりました」と依頼人の女性。
 三万円の報酬を得て、俺は依頼人の家から出た。
 俺がしていることは、とても簡単だ。暗示をかける。
 そして規則正しい生活をするように言うだけ。
 これだけで95%の人たちが解決している。
 そもそも幽霊なんて最初から存在しない。人として正常になれば当然見えなくなる。
 問題は残りの5%だ。この人たちは重症と言ってもいい。だから本物の霊能者を紹介している。
 これで解決率は100%になる。

 ところが、大問題が起きた。
 提携先の本物の霊能者が危険な状態に陥った。
 日本でも数少ない優秀な霊能者である塚原悦子が、ネット上で
「死にたい」と……。
 これは余程のことである。
 いつもひょうきんで明るい四十代の塚原悦子に何が起きたのか?
 その答えを俺は知っている。
 それは霊能者殺しと呼ばれる悪霊の存在だ。
 悪霊と言っても元々は人間。
 生前、とある霊能者に騙されて大きな借金をすることになった。
 最終的に経済的に破綻。そして霊能者を呪って自殺をする。
 その復讐の為に悪霊となって次々と霊能者を狩っている。
 もちろん当初は都市伝説ではあったが、まさか本当に実在するとは思わなかった。
 
 俺は霊能者である塚原悦子の自宅へと行かざるを得なかった。
 彼女は、一人で住むには立派なお屋敷に住んでいた。
 庭には池があり、ししおどしまである。
 その自宅の玄関扉には、彼女の仲間の霊能者とおぼしき男性が心配そうに佇んでいた。
「キミも霊能者だったら知っているだろう? 霊能者殺しがいる」
 言って、その男性は俺を見つめた。
「面白い」 俺はそう言い残して玄関扉を開ける。
 別に格好をつけて言っているわけではない。
 単純に悪霊を見たかっただけ。
 強い悪霊は一般人にも見ることが出来るらしい。俺は一度も本物の悪霊を見たことがない。
 見ることが出来れば信じてもいいだろう。

 塚原悦子の寝室のドアを二回鳴らしたけれども、反応はなかった。
 仕方がないのでドアノブを回して、寝室をのぞく。
 どうやら彼女はカーテン付きベッドの中で丸くなっている。
 俺は彼女のそばまで近づき「もし、もーし」と声を発した。
「生きていますかー」
「うううぅぅぅ……」
 重症だな。
 これは間違いなく、本物の霊能者に引き継ぐ案件だ。
 しかし、その本物の霊能者がこのような状況では……。
 もちろん、俺は他にも本物の霊能者を知っている。  
 だが、彼は現在、東南アジアに旅行中なので応援は期待できない。

 さてはて、どうしたものか……。
 流石に布団をめくって、「こんにちは」なんてことは出来ない。
 だから、背中と思われる場所に手を当ててゆすってみた。
「だいじょうぶですかー」なんて呑気に言ってみたりして……。
「うううぅぅぅ……」と唸って、突然、塚原悦子はベッドから飛び出した。
 寝室の真ん中で、おえーー、おえーーと、まるで汚物を吐いているような様子だ。
 いつも気丈でマナーにうるさい塚原悦子にしてはあり得ない光景だ。
 そして、ゴホゴホと咳き込んだ後で、俺の身体に抱きついて来た。
「うぅぅぅ……。死ぬかと思ったよ。死ぬかと思ったのよ。ありがとね。あなたは命の恩人だわ」
 彼女は鼻水をすすり半泣きになっていた。
 だから、その鼻水が俺の衣服に触れるのではないかと、とても怖かった。

 後日談。
 知らぬが仏なんて言葉がある。今回はまさにそれだった。
 塚原悦子の説明によれば……。
 寝室に入って来た俺の前で悪霊は姿を現し、死ね、殺すぞ、呪ってやる、そんな暴言を
吐いたらしい。またラップ音でその存在を示したが、俺はまったく無視をした。
 そもそも気付いていなかった。
 そして俺が塚原悦子に間接的ではあるけれど、身体に触れることで悪霊の強力な金縛りから解放されたらしい。その後、悪霊は俺に猛攻撃を仕掛けて来たが、完全にハネ返したそうだ。
 一方で塚原悦子は、自分の口から霊能者殺しと呼ばれる悪霊に加勢していた手下の霊を吐き出して、ようやく自分の身体を取り戻した。
 とりあえず、提携先の本物の霊能者を失わず、一安心だけはした案件だった。

 そうそう。俺は塚原悦子に報酬として三万円を求めたが、悪霊の憎悪が増す行為なので渡せないらしい。無報酬こそ俺にとって一番怖かったことなのに……。 あの感謝の言葉は何だったのだろうか。

ニセモノ

執筆の狙い

作者 偏差値45
KD106180001188.au-net.ne.jp

「★鶏肉の味噌焼の企画の参加作品」 参加することに意義があるらしい。
文字制限があったので、だいぶカットしましたね。
その分、雑になった感は否めないです。
忌憚のないご意見をお持ちしております。

コメント

夜の雨
ai192124.d.west.v6connect.net

「ニセモノ」読みました。

ビジネスとしてゴーストバスターというか霊能者をやっている「俺」(一人称)。
話をラストまで読んでみたが怖くない。
設定部分が悪霊やら霊能力者が出てくるので、怖くなる要素はあるのだが、幽霊、悪霊の類を信じていない者の一人称で話が展開しているので、怖くなる要素が少なくなる。
なので御作をそれでも怖くしょうと思えば具体的なエピソードで怖さを演出すればよいのですが、それをするには紙面が足りない。
要するに2000字以内という規定に引っかかる。

まあ「無報酬が一番怖い」というようなオチにする場合は「俺」がどんな生活をしているのかを描く必要があるのかもしれませんが。
お金が必要な私生活の裏事情を描く。
闇の部分があればあるほど、怖くなる……。


お疲れさまでした。

偏差値45
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夜の雨様、ご意見ありがとうございます。

>ビジネスとしてゴーストバスターというか霊能者をやっている「俺」(一人称)。
話をラストまで読んでみたが怖くない。

おしゃっる通りで……。
そもそも怖くさせる気がなかったかも。
オカルトの話って、自分自身が怖いと思ったことがないので、仕方ないです。
もっと言えば、本物の幽霊も世間で思われる程、怖いものではないです。
余程、歯医者さんの治療の方が怖い気がしますね。

>まあ「無報酬が一番怖い」というようなオチにする場合は「俺」がどんな生活をしているのかを描く必要があるのかもしれませんが。

確かに……。
物語上の背景が足りなかったですね。
簡単に言えば、理由付けでしょうか。

青木 航
sp49-96-30-246.msd.spmode.ne.jp

インチキ霊能者で霊の存在も信じていないはずの『俺』が5パーセントの重症者に対応するため本物(?)の霊能者と業務提携を結んでいる。それって、信じていると言うことなのか、自分の力では客を丸め込めないからなのか、良く分かりません。

 それで、塚原悦子が霊能者に騙されて自殺した霊に襲われた話に移行すると、何やら霊の存在を認めているような話になってしまう。それは、塚原悦子の後日談によるもので、自分は信じていない。

>俺は塚原悦子に報酬として三万円を求めたが、悪霊の憎悪が増す行為なので渡せないらしい。無報酬こそ俺にとって一番怖かったことなのに……。

この部分になると、『怖話』ではなく寧ろお笑いネタではないかと思えてしまいます。

 とは言え人を食ったような話でま面白かったです。

 参加有難うございました。

偏差値45
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青木 航様 ご意見ありがとうございます。

>インチキ霊能者で霊の存在も信じていないはずの『俺』が5パーセントの重症者に対応するため本物(?)の霊能者と業務提携を結んでいる。それって、信じていると言うことなのか、自分の力では客を丸め込めないからなのか、良く分かりません。

主人公の内面で言えば、半信半疑でしょうね。
たとえば、神様は信じてはいないけど、
賽銭箱にお金を入れて両手を合わせるようなものです。
確かに矛盾はしているのですが、人間はそんな行動を意外にするものです。
いずれにせよ、顧客サービスという点では不備があってはいけないわけです。

>それで、塚原悦子が霊能者に騙されて自殺した霊に襲われた話に移行すると、何やら霊の存在を認めているような話になってしまう。それは、塚原悦子の後日談によるもので、自分は信じていない。

見えない人には信じがたいですね。科学的に証明はできません。
しかしながら、「幽霊を見た」そんな人はわりと多いです。
もちろん、幻覚もあるし、錯覚もあるし、勘違いもあるわけです。
その中で判断することは難しいですね。
だからこそ「面白い」のです。だから行って確認をしたい。そんな心境ですね。

>この部分になると、『怖話』ではなく寧ろお笑いネタではないかと思えてしまいます。
とは言え人を食ったような話でま面白かったです。

お笑いネタにしたかったですね。
もっと面白、可笑しくしたかったのですが……。
より感情的な言葉を入れたかったのだけれども、ちょっとそこが残念なところですね。

で、自分で言うのもヘンな話ですが、
この物語の面白い点は、ニセモノが本物を助けることです。
そのラインを鮮明に出来れば、超面白いものなったかも。
しかし力量が足りませんでした。残念。これも鍛錬ですね。次回頑張ります。

鶏肉の味噌焼
softbank060071250255.bbtec.net

企画に参加して頂き、ありがとう。
頻繁にお金の話が出てきて、偏差値さんらしいのかなと。
「その後、悪霊は俺に猛攻撃を仕掛けて来たが、完全にハネ返したそうだ。」
個人的には、この部分が一番面白かったです。
僕は面白い怪談とかエロい怪談があっていい派です。
枚数制限は申し訳なかったです。

偏差値45
KD106180001188.au-net.ne.jp

鶏肉の味噌焼様 ご意見ありがとうございます。

>企画に参加して頂き、ありがとう。
こちらこそ楽しいイベントに参加させていただき有難うございます。

>個人的には、この部分が一番面白かったです。
励みになります。

>僕は面白い怪談とかエロい怪談があっていい派です。
同感です。

>枚数制限は申し訳なかったです。
いえいえ、それは皆、同じ条件なので悪くはないです。
ただ、物語の尺が思ったより長かったというだけなので、
それはこちらの責任ですから気にする必要はないと考えます。

夜の雨
ai226230.d.west.v6connect.net

スプラッター系のホラーにするのなら、御作を怖くするのは簡単なのですが。
わたしの前の感想で。

>お金が必要な私生活の裏事情を描く。
>闇の部分があればあるほど、怖くなる……。

で、主人公の「俺」がどんな私生活をしているのかというと。

 >そうそう。俺は塚原悦子に報酬として三万円を求めたが、悪霊の憎悪が増す行為なので渡せないらしい。無報酬こそ俺にとって一番怖かったことなのに……。 あの感謝の言葉は何だったのだろうか。<

この続き。

屋敷に帰ってきた俺はため息をついた。


敷地1000坪の先祖からの屋敷を維持するには金がかかる。
それで趣味と実益を兼ねてゴーストバスターをしていたのだが、今回も無報酬でいよいよ金がなくなってきた。
自宅に帰った俺はキッチンにある肉汁が入った18リットルのポリタンクを奥の20畳の部屋に運び絨毯をめくりあげ地下に通ずる扉を開けた。
とたんに腐った匂いがしてくる。
階段の上から見ると、オンナどもの肉片が転がっているのが見える。
腕や脚や胴体、それに頭やらがごろりごろごろ。
下に降りると、蠅やゴキブリなどが肉片に群がっている。
その上にふたを開けたポリタンクの中の肉汁をぶちまける。
ゴキブリやら蠅がいっせいに色めき立つ。
俺は、オンナのちぎれた腕を手に取り指先を折る。
ぽきりと固い音がするのはプラスチックでできているマネキンだからだ。
胴体やら頭やらのマネキンが転がっている。
俺は裸になると自分の体に肉汁をぶっかけた。
ゴキブリやら蠅が俺に群がってくる。
「ははははは、もう、この屋敷を維持していくのは無理だ。金がない」
その俺の口に虫どもが群がる。
近くにあったマネキンを抱き寄せる。
マネキンにすれば何やら柔らかい。
そうか、この女はいぜん幽霊の除霊を頼んだくせに金を支払わなかったやつだ。
女は泣いて媚びたので地下室に放り込んだのだったな。
階段の上からケリ落した。
俺は考えるのが邪魔くさくなった。
マネキンたちの笑い声が聞こえるし、ひそひそとささやきあう声も聞こえる。
バタンという音がして上の扉が閉まった。
だれだ、誰か上にいて扉を閉めやがった。
そうか塚原悦子か、三万円ケチるために俺を地下に閉じ込めやがったな。
階段を上がり扉を押したが開きそうにもなかった。
マネキンたちの笑いさざめく声が聞こえる。

終わり。

これぐらい書けばホラーらしくなりませんか。
まあ、2000字には治まりませんが。

偏差値45
KD106180001188.au-net.ne.jp

夜の雨様、再訪ありがとうございます。

>これぐらい書けばホラーらしくなりませんか。
まあ、2000字には治まりませんが。

想像力が豊ですね。

>スプラッター系のホラー

「スプラッター【splatter】」とは、液体がはねる、飛び散るという意味で、首や手足をはねることによって血しぶきが飛び散る、内蔵が飛び出すというような残虐的なシーンを見せ場とするホラー映画の1ジャンル。

エンターテイメント作品としてはアリなのでしょうけど。
それを以って怖いかと言えば、「いいえ」かな。

たとえば、三、四歳の子供がナマハゲを見て恐怖に感じる。
でも、小学生に上がるころには、ナマハゲは外見だけであり中身は人間であることを
理解しているでしょうから、怖く感じない。
それと似ている。
「ホラーの話」ではんくて「ほら話」になっているわけです。

また、その種に対しての免疫力が強すぎて、怖さを感じなくなっている。
慣れでしょうかね。分かりません。

むしろ、
・一歳の子供が深い井戸の淵で無邪気に遊んでいる。
・猛毒ヘビの足を踏んでしまった少年。
・斎場の死体焼却炉の内部清掃中での誤操作による点火開始。
・誰かを自動車でひき殺して全速力で逃走。
(この場合、ひかれた方も、ひいた方も怖いです)
そんな光景の方が怖いかな。

で、この作品の怖さ……。
・その鼻水が俺の衣服に触れるのではないかと、とても怖かった。
・無報酬こそ俺にとって一番怖かったことなのに……。
実は二つあるんです。ただパンチ力が弱い。表現力も乏しい。
それを補強する必要があるかもしれないですね。

夜の雨
ai192244.d.west.v6connect.net

偏差値45さん、お疲れさまです。

説明を兼ねた、再訪です。

>・テーマは「怖話」でお願いします。幽霊でも妖怪でも人間の怖さの表現でも何でも良いです。<
今回の企画のテーマが「怖話」ということで、怖いお話でもいろいろありますが、御作は主人公が「ゴーストバスター」で「除霊」の仕事をして金儲けしている。
ところが仕事をしても金を出さない者がいる。
ここから「お話を一歩踏み込ますことができるのでは」と思いました。
主人公は幽霊などは信じていないが、それを金儲けの手段にしている。

>お金が必要な私生活の裏事情を描く。
>闇の部分があればあるほど、怖くなる……。

上のポイントからテーマである「怖話」は「ゴーストバスター」や「除霊」の仕事をしていて偶然「幽霊」の類に遭ってしまう、「霊の存在を信じない主人公の話し」。

と、思わせておいて、実のところは主人公の私生活の部分が闇であった。
というのが、私が再訪で書いたスプラッターもどきの場面です。

これをほかの怖さたとえば借金がありやくざが金の催促に来るのが怖いとか。
または別の怖さでもよいのですが。
そういった一般的な怖さよりも主人公に闇の部分の趣味があった、それが地下室の出来事という展開にしたほうが「ゴーストバスター」や「除霊」からの流れに合っているのではないかと思った次第です。
ヒチコックのサイコ (1960年の映画)系のキャラクターの主人公だったというお話です。
精神に闇の部分があるから地下室にマネキンの体のちぎれたものを放り込んでいた。
リアルに見せるために肉汁をぶっかけて害虫を這わせていた。
ラスト部分でマネキンにまじり人間の死体もあった。
除霊の仕事をしたにもかかわらず金を支払わなかった女だった。
という怖さに話が展開する。「これは現在もう一人金を支払っていない女(塚原悦子)がいるので、彼女も地下室の住人になる可能性がある」。
ところが誰かに主人公はその地下室に閉じ込められてしまうが、オチ。

●もちろん、下記の怖さでもよいのですが、これだとユーモア系に近いかな。そこを狙っているのなら私のアイデアとは違う怖さになります。

で、この作品の怖さ……。
・その鼻水が俺の衣服に触れるのではないかと、とても怖かった。
・無報酬こそ俺にとって一番怖かったことなのに……。
実は二つあるんです。


以上説明でした。

これで終了します。

偏差値45
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夜の雨様、再訪ありがとうございます。

>精神に闇の部分があるから地下室にマネキンの体のちぎれたものを放り込んでいた。
リアルに見せるために肉汁をぶっかけて害虫を這わせていた。
ラスト部分でマネキンにまじり人間の死体もあった。

うーん、僕の描きたい世界観とは違うかな。
キャラクターに魅力を持たせる。
言わば、好感がもてる人が良いわけです。
それは一見、悪人に見えるかもしれないが、実は良い人である。
それは一見、詐欺師、嘘つきに見えるかもしれないが、実はかなりの有力者である。
言ってしまえば意外性ですね。そういう人は面白いです。

怖いシーンを作ることも大事ですが、
キャラクターに魂を入れることの方が大事のような気がするんですね。

Zen
sp183-74-192-86.msb.spmode.ne.jp

「ニセモノ」読ませていただきました。

ニセモノがホンモノを助けるというのは良いアイデアに思えました。

『そもそも幽霊なんて最初から存在しない。人として正常になれば当然見えなくなる。』

95%の案件の場合は、という事でしょうか。「俺」が幽霊を信じていないと読めました。

『もちろん当初は都市伝説ではあったが、まさか本当に実在するとは思わなかった。』

意味としては「都市伝説だと思っていたが」でしょうか。前半部分は、一般的な認識として都市伝説だったが(今は認められた)と、世の中の見解を述べているように読めました。

『どうやら彼女はカーテン付きベッドの中で丸くなっている。』

こちらの言い方が一般的なのかは分かりませんが、一瞬何のことだか分かりませんでした。自分の中ではこの形式のベッドと言えば必ず「天蓋」という単語が出て来るものと思い込んでいました。

『だが、彼は現在、東南アジアに旅行中なので応援は期待できない。』

旅行中ではなく仕事中(除霊に赴いているなど)の方が良いように思えました。

『俺は塚原悦子に報酬として三万円を求めたが、悪霊の憎悪が増す行為なので渡せないらしい。』

なぜ悪霊の憎悪が増すのか良く分かりませんでした。

『無報酬こそ俺にとって一番怖かったことなのに……。』

無理にオチに持って行ったように感じて、怖いというよりむしろコミカルな雰囲気を感じました。

以上です。

偏差値45
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Zen様 ご意見ありがとうございます。

>こちらの言い方が一般的なのかは分かりませんが、一瞬何のことだか分かりませんでした。自分の中ではこの形式のベッドと言えば必ず「天蓋」という単語が出て来るものと思い込んでいました。

素晴らしいご指摘ですね。
個人的には、義務教育を修了した程度の知識を持っている人を対象に
書いています。その点で言えば、「天蓋」という言葉は少々難しいのではないか。
と判断した次第です。

>『だが、彼は現在、東南アジアに旅行中なので応援は期待できない。』
旅行中ではなく仕事中(除霊に赴いているなど)の方が良いように思えました。

これは好みの問題ですね。
とはいえ、仕事中の場合の方が応援の可能性は厳しいですよね。

>『俺は塚原悦子に報酬として三万円を求めたが、悪霊の憎悪が増す行為なので渡せないらしい。』
なぜ悪霊の憎悪が増すのか良く分かりませんでした。

流石ですね。投稿する前に気にはなっていましたね。
理由付けが出来ていなかったかもしれません。

これは裏設定になって表面に出ていない事柄なので無理もないです。
塚原悦子が扱った案件で金銭の授受があった為に、
霊能者殺しの敵意が彼女に向いたと考えているからです。
本来ならば、「あなたに悪霊の敵意が向かわないように」という台詞なのですが、
主人公を怯えさせないようにするために違った表現をしています。

>『無報酬こそ俺にとって一番怖かったことなのに……。』
無理にオチに持って行ったように感じて、怖いというよりむしろコミカルな雰囲気を感じました。

ノーマネーで終わる。ある種の美学ですよね。
一応テーマが「怖話」となっているので、
まったく無視をするわけにはいかなかったのです。

えんがわ
M014008022192.v4.enabler.ne.jp

これはホラーというよりもコメディで、作者もそのつもりで書いたんじゃないかな。
敢えて言えば奇妙な感じはありますけど。

とんとんとんとテンポよく話が展開し、ちょっと外したオチへと持っていくので、軽快な味があります。
残るものはそれほどありませんが、暇つぶしとしては重すぎず、いい感じです。

ただ、本当は幽霊とのバトル? 幽霊に気付かないであれこれ遊んでる主人公とかもっと見たかったけどw

短編シリーズとして展開すれば面白い話になりそうだなー。
偏差値さんらしい、何か低温のユーモアのある話でした。ありがとでしたー。

偏差値45
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えんがわ様 ご意見ありがとうございます。

>これはホラーというよりもコメディで、作者もそのつもりで書いたんじゃないかな。
敢えて言えば奇妙な感じはありますけど。

正解〇

>残るものはそれほどありませんが、暇つぶしとしては重すぎず、いい感じです。

確かに、何もないです。

>ただ、本当は幽霊とのバトル?

……ではないですね。 

>幽霊に気付かないであれこれ遊んでる主人公とかもっと見たかったけどw

それは面白そうですね。

>偏差値さんらしい、何か低温のユーモアのある話でした。ありがとでしたー。

高温にしたかったですね。
フリーで書けたら、もっと違ったカタチにできたかもしれません。
後で書き直します。

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