作家でごはん!鍛練場
今晩屋

【VO5ネキ】  日付

 銀行員だった父親の転勤に従って、良太は幼い時分から転校が多かった。兄は中学から全寮制に入ってしまったから、良太はいつも一人で慣れない学校に通い、やっと慣れかけてはまた去った。
 途中から割り込んで行く学校には必ず、「あれ」とか「あそこ」とかで通じる暗黙の了解事項があって、転校生をからかうには絶好の手段だった。良太はそうした代名詞やそれに類する言葉を使うのが大嫌いになった。そういった言葉を使えないよそ者は、なんでもいちいち具体的に話し聞く癖がついてしまって、そのせいでこんどは理屈っぽい人間だと受け止められた。
 理屈いらずの、ただなんとなく感じる事を漠然と共有できる友達がいたらいいのにと嘆息する良太だったが、いったん黙ると誰も彼もたちまち良太の知らない世界に戻って行ってしまう。その不安から、休むことなく今と明日の話だけを続けるしかなかった。
 高校二年生の夏休み明けに、良太は広島へ引越した。転入した先は進学校で、二年生は部活動の現役を終える生徒もいて、放課後は進路別に講習もあり、誰もが他人にかまってなどいれれない緊張感を漂わせていた。
 転入生の世話をいいつかって、良太の隣の席に委員長の高橋恵実が座った。委員長を務めるくらいだからさぞ気の強い女なのだろうと思いきや、なんのことはない。この時期にクラス委員の仕事になど時間をとられたくないから、おとなしい恵実が断りきれず任命されていたのだった。
「リョウタ君のリョウは善良の良でタは太い?」
 おっとりと柔らかな声で恵実が最初に話しかけてくれたのは、良太の名前のことだった。良太が頷くと、それから彼女は手を差し出して握手を求めながら、
「弟と同じ名前だ。高橋恵実です。よろしく」
 と和やかに目を細めて笑った。
 その夜、良太は眠れなかった。どうせ卒業まであと少ししかないのだし、わざわざ友人を持とうと働きかけるまでもないと割り切っていたのに、恵実のほうから何かにつけて話かけて来るのを答えているうちに、気がつくととりとめもない話に心を委ねていた。恵実の知らない町の話、恵実の会ったこともない人々の話。そうなふうに一度話してみたかったとおりに、良太はそれまで心の奥にためていたさまざまな思いを遠慮なく恵実にぶちまけることができた。
 良太は布団をめくって机に座ると今日を反芻した。舞いあがった言葉の数々がどんなものであったのか、ありもしない経験を書き留めておきたかった。まっさらなノートをかばんから抜き出し日付を記すとまぶたを閉じた。

「転校先の方言が鍵なんじゃないかな。それを使わない限り、いつまでもお客様扱いなの。ここで標準語なんてウッカリ使ったら、男子だとケンカ売っちゃうようなもんよ。とにかく方言を真似しなきゃダメなんだよね」
「そうだね、高橋さんも県外から引っ越してきたの? めちゃわかってる」
「ううん、わたしはここだけ、親戚もほとんど広島だから、県外にすらほとんどでたことがないの。じゃけぇ、とか、のぉ、って語尾につけるの、男子はだいたいそんな感じ」
「おはようじゃけーいい天気じゃけー、いい天気じゃけーのー、みたいな感じ?」
「おはようはおはようでいいよ。お父さんは、今日はカープの試合があるけのぅー。ってこの時期は毎日いってる」
「なんか違くない」
「なんか違うねぇ。カープ。あ、大事なこと、カープの悪口を言っちゃダメ、他の球団と違って市民が作った球団だから、すごく愛着があるの、あと、お好み焼き。ぜったいに広島風って言っちゃダメ。口にしたら最後よ、コノヨソモノガデテイッテモロテになっちゃうから」
「広島風は御法度じゃけーのー」
「可笑しい。いろんな方言覚えたでしょう」
「覚えてないよ、短くて一年、長くて三年。どうせすぐまた次の土地に引っ越しだから、その場だけでいいんだ。変に覚えすぎちゃうと、次の方言に合わせるときに邪魔になるからさ、よその言葉と大きく違うひと言さえ使えば、一応は馴染むつもりがあるって感じがするでしょ。話の内容なんかどうでも良くて、言葉尻だけで他人を認めたり認めなかったりするんだって、思い知らされた事もある。だからじゃけーは必要だね」
「そっか、横浜から来るって聞いてたから、都会の子ってうらやましいと思ってた。なんか、ごめん」
「その前は新潟」
「えっ、お米の」
「やっぱりそうなるよね。横浜のヤツは新潟から来るって聞いただけで、農業を辞めて出稼ぎに来た家族だって噂まで広まったからさ、笑えるよね」
「笑えない。笑えないけど、いいことも沢山あったよね」 
「いいこと? 嘘を付くのが上手くなったかな」
 良太は目を見開いた。悪意など、これっぽっちも持ってはいなかった。なのにどうしたことか、否定をしない恵実に向かっていると、それまで叶わなかった人間づきあい全てに対して復讐するかのように、皮肉ばかりをぶつけ始めていた。
 高橋さんに嫌われたかもしれない。
 良太は机につっ伏した。

「おはようじゃけ」
 いかにも重そうな学生カバンを恵実は机に勢いをつけて乗せると「おはようじゃけ」ともう一度いった。
「おはよう」
「今の笑うとこだから。方言は一日にあらず、時間がかかるもんじゃけ、それより、これこれ」
 勢いのつきすぎた昨日の話を良太は謝ろうと決めていた。しかし良太の思いとうらはらに、微塵も気にとめていない恵実の様子は、世話係なのだから、多少の愚痴は忍耐強く受け止めなければならないのだと割り切っているふうだった。
「とりあえず、これだけあれば大丈夫。くらい持ってきたよ。あとは授業で照らし合わせてもろて、ながらやっていこう。これでも学年で十三本の指に入るんだから、いいノートだと思いますぞ」
「十三本って十三番目って事?」
「そこはツッコむとこ」
 恵実の額には汗が滲んでいた。

『転校すると、前の学校と授業の進み具合がちょっとづつ違うんだ。そのときに新しい学校が先に進んでいれば問題無いんだけど、反対だった場合は大変なんだ。もうそこは習いましたなんて余計なことを言ったりすると、シカトするヤツだっていた。だから、いっぺん習ったところも習ってないフリをして、やったことのある実験でも、わぁ、すごいね、って驚いてみせなきゃいけない。それって、嘘じゃん。嘘をついてあげないと、みんなが不愉快になるんだ。高橋さんならどうする?』
『そうするかもしれないね』
『先生だってさ、気に掛けるふうばっかりさ、笑いのネタみたいに、もう習ったのか、じゃあ寝ててもいいぞーなんて無神経なヤツも一人や二人じゃないんだ。だから早くても遅くてもちょうどこのあたりです。って嘘ついとけばさ、笑いのネタにもされないし、シカトだってされない普通の学校生活になるんだ』
『あしたノート持ってくる。わたし結構マメでさ、人に自分のノートで学べるかいい練習にもなる。わたし将来先生志望だから、良太くんが使えれば半分合格したみたいなもんだ』
『先生になりたいんだ』
『うん、両親が先生だから、かえるのこはかえるみたいな感じかな』
『いい親なんだ、同じ仕事をやりたいと思うってすごい』
『良太くんは?』
『東京の大学に行く。奨学金もらって、アルバイトしながら英語の勉強をする。僕みたいなひとはよそ者か流れ者か根なし草って紹介をたぶん考えるんだけどさ。自分の出身地をどこといったらいいのかもわからない。どこの町も方言も親しみなんかこれっぽっちもない。そんなヤツが紛れ込める場所なんて東京くらいしかないだろうと思う。そう思わない?』
 恵実が淋しげに頷いたのを良太は見逃した。
 何かを聞かれれば、また一つ何かを言わずにいられなくなり、そんなふうに意地の悪い答えばかりを言う自分がイヤな人間に思えると、そんなイヤな人間にさせるのは周囲であるのだと、腹を割って少しでも話をすれば、昨日のように歯止めがきかない自分であるのだと良太は自覚できる事が恐ろしくなった。
 世話係は一週間で終わり、恵実は元の席へ戻った。二人の進路は違っていたから、三年になり学級も分かれた。
 辺りをうかがい見る日々を過ごしながら、次第に口数が少なくなっていく自分自身を、良太はこわごわと眺めながら、極力黙っていることが身を守り他人を不快にさせない手段だと決意した。



「リョーター、極厚カツ食いに行くんだろー」
「あちいから、やっぱやめとこうかな」
「馬鹿野郎!おめぇが誘ったんだろが!」
「場所どこだっけ」
「中野坂上。急げ、間に合わねぇ」
 同期の矢上がまくしたてた。初ボーナスが入金されれば、流行りのとんかつ屋に行こうと計画していたのだ。日本で一番分厚いロースかつをサービスランチで先着二十名に提供しているらしく、開店時の並びで売り切れてしまうらしい。
「いくらだっけ」
「二千五百円」
「たっか。かつやでよくね」
「ざけんな、はやく着替えろ!」
 ボーナスが入れば良太にはもう一つ計画があった。九月に初めての有給休暇を取得して広島へ行こうと決めていた。
 ふるさとを持たない良太はこれまで暮らした場所に未練は無かった。だが、日付だけを記したノートを見開くたびに後悔がいつもこみあげた。
 会う必要はない。行きたい場所もない。ただ、広島へ行こうと感じた。
 いえなかった事が二つある。一つは「高橋さんは絶対にいい先生になる」
 戸口から外に出ると、矢上がずいぶんと先で手招きしている。
 晴天にはぐれた雲が、良太のうえを通り過ぎた。陽の欠片がひと粒とびこんで、良太は目をしばたたかせた。

【VO5ネキ】  日付

執筆の狙い

作者 今晩屋
133-32-183-18.west.xps.vectant.ne.jp

 私自身が小学で二度転校をした事があり、そんな印もあったな。と、書きました。
 子供の話なので、それらしくは少しできたかなと思っております。
 感想を頂けますと励みになります。宜しくお願い致します。

 ※コピペしたので読みにくいかも

コメント

佐藤
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拝見しました。

これだけ書ける方が、どうして伝言板であんな問題外のふるまいをされているのかが理解に苦しむくらい、見事なストーリーだと思いました。企画外と仰っていますが、敢えて企画の内容に沿ったもの、として扱った上で感想を書かせて頂きます。


・日記とストーリーの絡み
「日付だけを示したノート」の存在はいいと思うのですが、それを就職後も後生大事に持っている、と言う部分についてはやや接続が見えづらいように感じました。高校、大学、そして就職後。そうした経緯の中でどのように日付だけの記入されたノートが存在していたのか、をもう少し描き出してくれれば、「日記」のテーマとしてもっと存在感が出たように思います。

・「パース」を見渡した際の流れ
冒頭から流浪人的な存在であった主人公が、就職によって一つの居場所を手に入れる。居場所を象徴するのが同僚である、と言うのと、「一瞬の、しかし鮮烈なランドマーク」であった恵実との日々が、決して存在感として大きすぎずとも、どこかで確かな拠り所であったと伝わるのは、この話が劇的な変換を描くものではなく、あくまで穏やかなひとりの人生の流転と安定の中の一シーンとして機能していることも、いい意味で突出しすぎておらず、いいと思いました。
唯一の欠点を挙げるとすれば、恵美が握手を求めた、と言うことでしょうか。まだまだ日本において握手は、特に異性の高校生同士が気軽に交わせるものではないよう思います。この点は、全体的にしっとりと進む物語の中において突出して映画的なものであり、違和感を抱かされました。


総体として、もう少し「ノートに日付を入れる」シーンがあったほうがいいなとは思いましたが、転校ばかりの少年の揺らぐ気持ちを心地よく読ませて頂ける佳品だと思いました。ありがとうございます。

今晩屋
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 佐藤さん。読んで頂きありがとうございました。
 ご指摘のとおり、おじぎ、会釈が正しい選択でした。おとなしい委員長と書いておきながら、積極的でしたね。
 ノートに記す印象が薄いですね。そこは一番考えたんですが、収拾がつかなくなり、やっつけになってしまいました。
 伝言板では色々ありましたが、こうして感想を頂けたのはうれしいものです。
 ありがとうございました。
 

矢野
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まともだ! 正統だ! びっくりぽんや!

夜の雨
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「【VO5ネキ】  日付」読みました。

主人公の良太と高橋恵実の人間的な交流が温かく描かれていました。
両親の仕事の関係で転校を繰り返す良太ですが、やはり転校は人間関係に悪影響を及ぼすもので、一から人間関係の構築が必要になります。
そのあたり良太は開き直っていて広島の学校ではそれなりにと思っていたようですが、隣の席に臨時で座ることになった、恵実の人柄にふれて心が開く。
この良太と恵実とのやり取りが自然でよかったです。
しかしこの良太は転校をよく繰り返すので、新しい級友たちと最初から距離をおくように考えているようですが、御作を読んでいて、そんなに新しい級友を意識する必要もないのではと思ったりしました。
たぶん、この良太という人物の個性なのでしょうね。
人間関係でそれなりに距離をおくというのは。
恵実の人柄の良いのは良太との話の中で、よく伝わりました。

一つは「高橋さんは絶対にいい先生になる」 ← これは私も同感ですね(笑)。

 いえなかった事が二つある。 ← もう一つは
>だが、日付だけを記したノートを見開くたびに後悔がいつもこみあげた。<
この後悔ですかね。
「高橋恵実」に、メール交換しょうよとかは、アリだと思いますが。

良太の生きざまに、こういう個性の持ち主もいるんだなぁと思いました。

そういった意味では、御作は良い作品でした。


お疲れさまでした。

ラピス
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転校生である良太の悩ましさがリアルですね。借り物でない作者自身の優しい言葉で深く綴られています。
女の子も自然体で、とても好感が持てます。

ただ、ストーリーはむりやり縮めた感じがありありとしますね。
「転」がない! いきなり時空が飛んで結びになってる、、、。

しまるこ
106154190011.wi-fi.kddi.com

今晩屋さん。

伝言板のやりとりを見るに、ピュアな方なんじゃないかなと思っていましたが。素敵な感性だなぁと思って読み進めていて、特別ここが悪いというところも思いつきませんが、いくらか物足りなさは感じました。この空気感を形にできるってことは、今晩屋さんのパーソナリティに深く刻まれているものなんでしょうね。

霜月のゆき
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こんにちは。

多感な時期に何度も転校してそのたびに新しい人間関係を構築しなきゃいけないなんて大変だよね。
霜月は転校したことないから実感はできないけど、中学の時の友達(転校してきた子)を思い出した。

良太が高橋さんに気持ちを寄せて心を開き、甘えていく様子が微笑ましい。

ノートを借りる前後。
構成逆にしてるよね。これはこれでいい効果だと思う。んだけど、そのあと

>世話係は一週間で終わり、恵実は元の席へ戻った。

の前に空行入れるとわかりやすいっちゅーか区切りが付くっちゅーか。
話が締まる気がする。
ただ霜月の好みだけかも。

どっちかっていったらふるさとがテーマっぽく感じたかな。

日付だけの日記ってのもおもしろいよね。
正真正銘、誰にも見せることのない本人だけの日記(記憶)。

おもしろかった。

今晩屋
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 矢野さん

 史上最大級の賛辞をありがとうございますw

今晩屋
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夜の雨さん

 その節はご意見頂き重ねてありがとうございました。
 私自身が、転校の初日は孤独と怖れではじけ飛びそうな気持ちで、逃げ場のない檻にいるような感覚を教室に持ちました。
 それを繰り返す子供はどんな心なのだろう。と書いたのですが、スムーズに読んで頂けたようでホッとしております。

 ありがとうございました。

今晩屋
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 ラピスさん

 時空がぶっ飛んでますよね。メインの話から、6年後になる訳ですから、もう少し何かが必要でした。ご意見ありがとうございます。

 ありがとうございました。

今晩屋
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 しまるこさん。

 はい、ピュアパーソナル今晩屋です。
 いくらか物足りないのは私もでして、それが現状の力量なのでしょうね。

 ありがとうございました。

今晩屋
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 霜月のゆきさん。

 たしかに、空行を作ったほうが、時間の流れを読者に把握させやすいですね。
 そうですね、タイトルにしている日付の印象が薄すぎて、ふるさとを求める主人公のような形になってますね。ご意見ありがとうございます。

 ありがとうございました。

ののあドール
kc116-12-3-29.ccnw.ne.jp

はい、酷評しますよー。といっても、これ、できないかも。もう私には手の施しようが……

文章がおかしいですよ。わざとへたに書いているのかと疑うくらいデタラメもとい自由奔放。それが全体に散らばってますね。

語り手がどういうスタンスなのかちゃんと意識して書いてます? なりふりかまわず思いついたままに書いてませんか? へんな文章を書いているのは、人格をもった語り手ですよ。

冒頭、「父親の転勤に従って転校が多かった。」まあこれはいいとしますよ。「兄は全寮制に入ってしまったから。」入ってしまったから? でもまあこれも良太の視点を取っているのだとしますよ。「やっと慣れかけてはまた去った。」また去った? って、え? 誰の視点?

内容的にも、母親はどこ? とか、なんで銀行員だと転勤が多いの? とか、謎があるけど、次の段落はさらにひどく、ええー……です。

転校を「途中から割り込んで行く学校」でウッときて、「転校生をからかうには絶好の手段だった。」に気圧され、「大嫌いになった。」「受け止められた。」で、もう頭クラクラ。

内容も、そんなのでからかうとか大袈裟だし、代名詞を大嫌いになるとか、なにそれ? ですよ。よそ者は、具体的に話し聞く癖がつく、それで理屈っぽい人間にされる、って、どういう理屈、どういう無敵の論破術なんですかそれ。

漠然と共有できる友達がいたらいいのに、と嘆息する小学生。いったん黙ると誰も彼も良太の知らない世界へ戻っていく? その不安から、今と明日の話を続ける? しかない?

逐一やってたらもうキリないですね。三人称の小説はやめて、もう一人称一本でやっていったらどうですか。語り手が人格をもっちゃって、一人称のその癖がぬけないというか、視点を器用にコントロールできていないのです。

内容としては、じつは恵実が自分のことを好きだったのではないか、という甘いロマンス? 夢? 淡い期待? でしょうか。個人的には勘違いだと思いますけど。

たった一週間でもやさしくしてくれたから、未練はないと言いつつも、広島に行く、「高橋さんは絶対にいい先生になる」と伝えに。一見さわやかそうに見えるけど、怖いですよ。

今晩屋
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 ののあドール様

 あなたの作品を少し読みましたが、素晴らしい作品で、為になるご意見でした。

 残りの人生もその調子で過ごして下さい。

 ありがとうございました。

偏差値45
KD106180001058.au-net.ne.jp

転校が多いのは、子供にとって迷惑なことですね。
転校するたびに新たに人間関係を構築をしないといけません。
その苦労は大変なものでしょう。
世の中には、いろいろな人がいるわけで、全員が善人ではありません。
意地悪な人もいるわけです。
そういう意味では高橋恵実のような存在は頼もしいですね。
ある意味、友人であり守護者みたいな存在ですから。
御作においては、陰で支えてくれた人物にスポットを当てている点で
好感が持てますね。

今晩屋
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 偏差値45さん

 ご感想ありがとうございます。
 随分と私も言葉には悩まされました。それでも「気にしなくていい」と声を掛けてくれた未来の友達もいましたね。親に心配をかけまいよりも、プライドが高く弱音は吐けなかったですね。会社ならぶん殴って辞めてやりますが、逃げ場無しなのでw
最近では教育の観点からほとんどが単身赴任ですが、30年くらい前は一家総出も
当たり前でした。なにより誰かの支えを感じて頂けたのはよかったです。

 ありがとうございました。

久々の男
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どうも、今晩屋さん、初めまして。久々の男と名乗っている者です。

作品とは関係のないのですが、伝言板などを時々覗くと、お互いのののしり合いや皮肉の言葉が飛び交っているのを目のあたりにします。
今晩屋さんもそんな一人だと失礼ながら思っていました。

でも、御作を読んで、そんな一面が外的なものであり、今晩屋さんが立派な創作者だということを実感しました。
僕は小説を書く人は皆、弱い、優しい、ナイーブな一面を持っているのだと信じています。

御作の高橋恵美のキャラクター造形など、その典型ではないですか?
僕自身も20代から30代までは、小説もどきで、そんなヒロインばかり書いていました。

そして、御作の主人公良太とヒロイン恵美の淡いやり取り、とても素敵だと思います。
学生時代の初恋の女性って、この恵美みたいな所がありますよね。

僕が御作で特に共感できたのが、良太が恵美に対してだけは皮肉や本音を言ってしまう所。
今晩屋さんの創作にしろ、そこが特にリアリティを感じましたね。
僕も今の職場でありますよ。同僚の同じ女性でも、本音がス~っと出てしまう人と、他人行儀で喋ってしまう人。

そして、学級が分かれ、離れ離れになる二人。良太は腹を割って話せる相手がいなくなり、無口になり、自分を守るようになる。時間は大分過ぎて、良太は社会人になります。広島の、先生になったであろう恵美と会うために有給休暇を取る。二つのことを彼女に伝えることを決意する。一つは彼女は絶対いい先生になる!ということ。もう一つは……!!!

余韻の残る最高のオチですね(!)

今晩屋
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 はじめまして、感想ありがとうございます。
 伝言板でヤンヤンやってるのが内面の私なので、ありがとうございます。

 弱い、優しい、ナイーブ。そんな人でないと書き物は難しいですよね。小説は客観性の塊ですから、自分自身を客観的に捉えられない人は書けないと思います。
 ありがとうございました。

通りすがり
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今晩屋さま。後れ馳せながら「【VO5ネキ】  日付」の感想です。
実は、発表されてすぐに拝読してたのですが、
いましがた、ひさびさに伝言板のほうを見てみたら、
デビュー歴がおありだというので、これはお知らせしないとと
いう事があって。
幻冬舎は「売る」ことが至上命題なので、デビュー作を出したということは、
キャッチー、売れる人、題材だと評価をもらったということですね。
削除しちゃってたの残念ですが、こちらの課題の時に、伝言板で
別の養子縁組のアイディアと、短い詩の習作を投稿しておられましたよね。
あの時に、(今晩屋さんは、うまい、書ける人だ)と思ったので、
自分の目が間違ってなかったとわかって、ちょっと有頂天です。
おかげで短文のことだと思いますが「「切り文」でホメホメするから、
短い作文ばかりが集まって、「ごはん」の質を落とした」まで
ある方に言われて、絶縁宣言されちゃいましたがwwでも、
気分の波、作品と人を切り離してみる事ができない、上下、勝ち負けに
異常にこだわるといったまるで半島気質がわかるにつれて、
よかった~と思っていますが。

あの時、養子縁組は面白そうだけど、今回の課題は枚数短めだから、
普通の養子縁組との違いを説明するだけで、枚数いっちゃうかも、と
思っていたら、ガラリと違う、こういうナイーブな良品を出して
来られて、意表のつきかた、サービス精神に、やるなあ! と思った次第です。

前置き長すぎましたが、提案です、
締め切りが今月末とタイトですが、坊っちゃん文学賞の
ショートショートに出してみては? 4000字だそうです。
https://bocchan-shortshort-matsuyama.jp/

それと、漫画家の赤星たみこさんに「花束」という素敵な
短編集があるのですが、小学校の時に、絵の得意な女の子が
上手で色数の多い絵の具をもってる男の子に嫉妬して、
意地悪しちゃうんですが、後日、絵の道で再会できて、
和解できて、恋愛になって、と、最初にこちらの作品を読んだ時から
ずっと連想していました。

他の方のご意見にあった、転校先でちょっと親切にしてくれて、
何年も思ってるのは重い、という指摘ですが、また親の転勤で
近くに移ってきて、学区合同の何かでちらっと再会したとか、
どうにでもできると思いました。
別の漫画でしたが、ヒロインと、複雑な事情で転校して行った女の子の
長い友情の話がありましたが、二人とも足が速いので(陸上をやってたら
またいつか会える)と頑張ってるのがありました。
ヒロインは結局スランプと故障で辞めるんですが、男子先輩のそのまた
先輩が薄幸な女友達とつきあっていて、全員でいい再会。
調べたら、漫画家で少女漫画マニアのきたがわ翔さんが紹介なさって
ました。
h◇ttps://ameblo.jp/sho-kitagawa/entry-12323182144.html
あべりつこ氏「テキは強いぞてごわいぞ」。思わず泣いてしまう佳作です。
出版不況とか言ってないで、過去の名品を大事にしろよと言いたくなります。

今晩屋
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 感想ありがとうございます!

 終えた物なので、意図をいうなら、これは恋愛や純愛を趣向したものでは無く、人間は「振り返る」んだ。ということです。
 何年も思うしぐささえ書いてませんが、そんな感想は発想ですね。
 年齢を重ねれば、現在の自身を振り返る事を人間は必ずやります。それが20歳なのか85なのかはそれぞれです。
 作中の良太は就職してそれが訪れた。ってだけです。
「会う必要もいきたい場所もない」のは、そこに触れたい回帰です。

 

今晩屋
133-32-183-18.west.xps.vectant.ne.jp

 す、すみません、きれた。

 自身の範囲でたまに欲求って湧くじゃないですか。
 あと、坊ちゃんですか、紹介ありがとうございます。
 紹介して頂いた作品はどれもわかりませんが、男と女ならば、恋愛に発展するものなど私には書けませんw
 霜月さんが「ふるさと」と感じたと書いていらっしゃいましたが、私のねらいはそこでした。
 ふるさとを持たないふるさとは、記憶。だから、良太はいきたかったのです。意味は無いんですよ。

通りすがり
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返信ありがとうございます。

恋愛感情より、「ふるさと」とか回帰の思い。
そうか! 霜月さん、読みが深い、鋭い。
それもあり、と思って再読したら、ますます
味わい深いです。
言えなかったこと二つのうち、一つについて、
ちょっと俗っぽい想像をしすぎていました。
やられた!
「坊ちゃん」もマドンナは出てくるけれど、
そのほかの人間模様とか、乳母やとか、
魅力的な要素が他にもたくさんありますね。
気が向いたら、で、推敲して、応募もぜひご一考を。

この文章を思い出しました。
行かない故郷ではなく、行けない故郷のこと。
http://kinoufuzenkazoku.hariko.com/09-03/09-03-09.html

今晩屋
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 もう一つは「ありがとう」です。高橋恵実が言葉でひねくれた良太を説得するのは不自然ですよね。恵実は父親に横浜から引っ越してくる良太を受け持つ相談をしてるんですね。作中では、お父さんはカープのとか、両親は先生であると明かしています。ノートに記した日付を後悔するのは、その懸命な姿に報えない自身の未熟さです。エールである「いい先生になる」未来と、エールであった「ありがとう」を残した場所に、帰りたい。
 まぁ、次あったら、一緒にやりましょう。ありがとうございました!

通りすがり
119-173-128-20.rev.home.ne.jp

たびたびの返信ありがとうございます。
ほんと、気が向いたらでいいので、
推敲して、長くして、賞とか出版とか形に、と願います。

自分は、一回転校しましたが、前にいた小学校よりも
先生がよく、クラスの雰囲気もよかったなとか、色々と
思い出しました。さらに、新興住宅地でしたので、
新しい小学校ができたら、住所による振り分けで、
大勢でそっちに移動になりました。
昔のことを思い出してると、自分の心身がそこに
ひっぱられて、やってることも思考も全部、あの時あの場所に
引き戻されるような不思議な感覚になりますね。
悪かったな、謝りたいな、お礼を言いそびれた、
あれは向こうのほうが悪い、とかとか、もう全部、
今さらっていうような。ありがとうございます。

養子の話も、ぜひ実らせていただきたいと思ってます。
連日、話題のJ事務所ですが、メリーさんとジャニーさんの
どちらかが亡くなったら終わり、というのは、もう20年
くらい前、21世紀になったくらいから言われていたことで、
あの事務所が完成したシステムを、おそらく〇ミューズとか、
他の事務所に丸ごと移管して、さらに、ジャニーさんは
興味がなかった女性も搾取の対象にしていく、今までよりさらに、
悪事に進化させるために、J事務所が邪魔になったので、
どこか上からの指示による今さらバッシングだと思っています。
やたら増殖しているこども食堂とか、こどもなんとか庁とか
全部連動しているのではと。そんな事もからめていったら、
養子縁組の話、ものすごい社会派ミステリーにもできるのでは。

何年か前、「闇の子供たち」という小説が映画になって
いましたが、原作は「血と骨」の人でしたね。
「血と骨」は重いいい作品ですし、作者も面白い人だった
ようですが、やっぱり反日で、日本を悪役にしたいんだな、と。
でも、時代を先取りしていて予言になっていますね。
新たな黙示録を、伝言板でトリックスター的な発言で盛りあげる事も
できて、一方で、繊細な知性理性感性もある今晩屋さんに
期待しています。

通りすがり
119-173-128-20.rev.home.ne.jp

わたしも本気にしました。タハハ~。
伝言板は数日に一度くらい寄ってますが、たまたま読めてよかった。
(決定的瞬間にいあわせる星回りが発動したかな)と嬉しかった(笑)
コピペ保存、海外アーカイヴ保存しなかったのを後悔。
「ごはん」をチェックしてる方、ほんとうはかなりいて、
苦々しく思いながらも、読み専に徹していて、という
そんなお一人が書かれたものかなとか、
運営さんのお名前が二つ出ていたり、文章がリアルでしたしね。
筆力があって、行き過ぎにちゃんと抗議をなさるかたが、
運営さんからの返信文をもとに書かれたのかなと思いました。
運営さんだって、労力、時間の面ではおそらく持ち出しが大半で、
プロがばんばん出るかもしれない、このサイトがあってよかったと
喜んでくれる人がいる、そんな気持ちがないと続かないと思います。

運営さんを喜ばせるなら、企画に参加よりも、
どんどん受賞するほうがいいと思います。
しつこいですが、坊っちゃん文学賞、
あの養子のお話を大きくして、大藪春彦賞とか、
松本清張賞とか、メフィスト賞とか、
道はたくさんあると思います。
今晩屋さんは、書きぶりから、不動産、証券、
銀行とか実業の世界をご存じの方ではと
思うので、熟知なさっている業界とからめたら、
長いものにするのは難しくないのでは?

お互いに切磋琢磨していきましょう。
今後もよろしくお願いいたします。

別の方とのやりとりで、三浦しをんの
「マナーはいらない 小説の書き方講座」という本を
Amazonに注文して、昨日届いて、読みましたが
面白いし、鋭い内容でした。
もとは集英社のサイトのネット連載で、
コバルト系の応募者、応募したい人たちに向けた内容。
(自分はこんな風に書いている。応募作品を見ていて
このへんが残念だ)といった事が、わかりやすい。
恥ずかしながら、一冊も読んでなくて、三浦しをん氏の
小説も読みたくなりました。

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