作家でごはん!鍛練場
中村ノリオ

小さな事件

 まあ、何と言いますか、間が悪いっていうことはあるもんですねえ。まさかあんなことになろうとは。夢にも思いませんでしたよ。ハハハ。えっ、笑ってる場合じゃない? 本題を早く話せと、ごもっともで。それじゃあ始めましょうかね。まあ、言ってしまえば同じことの繰り返しみたいなもんで、そんなに内容がありはしないんですがね。
まず私がどういう生い立ちをたどってきたのかから・・・・・・。え? それも必要無い? 参ったな。それじゃあ私のやってきたことを、正確に理解して頂くのは難しいですよ。せめて子供の頃がどんなだったかくらいは話させて下さい。はっ、どうも。ありがとうございます。簡単に済ませますんで。
私の父親は政治家でして、家は中々に裕福でした。子供の頃は何不自由なく育ったもんです。父は外面のいい人でねえ。家の中では口汚く人をののしる癖に演説では歯が浮くようなことばかり言ってました。私もそれを受け継いだのか、外面も人付き合いも良くて学校などでは上手くやっていたものです。私は体力はある方じゃないので、腕っぷしの強いガキ大将に取り入って虎の威を借りていましたかね。悪いこともそれなりにはやりました。でもね、意外に疑われないんですよ。表面上は優等生で、いい家の坊ちゃんと見られていますから。いじめとか、万引きとか、窓ガラスを割ったりだとか、そういった悪どいことほど私のイメージとは違うようで、知らんぷりしていれば疑われず、なあんにもお咎めは無い。 
一度もバレたことは無いですね。私が怒られる時って言ったら成績が学年で十番以下に落ちたとか、宿題を忘れたとか、そんなのばかりなんです。いつしか悪いことっていうのは悪どくやった方が誤魔化せるものだ。というのが経験則みたいになっちゃいましたねえ。まっ、私の誤魔化し方が上手かったせいもあるのでしょうが。
そんな風に要領がいいものだから、私は仕事でも出世しましたよ。ええ。親父の後を継いで政治家になったんです。そうなると、ますますうまい汁は吸った者勝ちだ。という考えになる。一般人がチマチマとやる悪いことなんて馬鹿らしい。政治の世界で大きく悪事をやった方がバレないんだってね。ええ、悪いことはやりましたよ。その方が政治の世界では出世するんですね。ハハハ。世の中はそういうものです。
それでは本題に入りますかね。
私は十年前に結婚しまして。ええ、結構な美人でしたよ。ミス何たらかんたら国内代表の最終選考まで残ったって程の。私は若くて美しい妻を得て得意の絶頂でした。妻はどうして私のプロポーズを受けたのか。結構歳も離れていて、別に私は男前って訳でもないのにねえ。やっぱり金と権力ですか。妻は実家が貧乏でしたしねえ。まっ、それはいいんですが、やっぱり美人ってのは駄目ですねえ。いや、最初はいいんです。私も半年くらいは大満足でした。
ですが、ずっと毎日一緒に暮らすとなると、飽きるんですよ。過剰に整った顔が。どうも人工甘味料のようなくどさを感じてしまってねえ。毎日高級フランス料理のフルコースを食べさせられているようだというか。私はそんなに美食家じゃないし。毎日食べるならパスタとかマッシュポテトとかローストチキンとか、そんなので充分なんです。ええ。それなのに妻はあくまでも自分の美貌を一財産だと思っている。「若くて美人の私が結婚してあげたのよ」っていう感じが、どこかに残っているんですなあ。 
そんなだと、よその素直な娘が可愛く見えるようになりますよ。性格が良くて、話を合わせて私を適当に持ち上げてくれる娘がね。見た目は程ほどでいいんです。あとはあっちの方の相性が、・・・・・・いや、これは口が滑りました。妻が不感症だと言ってる訳じゃないですよ。へへへ。
まあ、そんなかんなで浮気した訳ですよ。ところがねえ、女の勘というのは馬鹿にしたもんじゃあないですな。軽い遊び程度の時には何も言わなかったのに、いざ本気で浮気をしだすと妻は急に嫉妬深くなる。何で分かるんですかねえ。グチャグチャと小さなことを並べ立てて追及しだしてうるさいったらない。それで一度浮気がバレましてね。すったもんだして浮気相手と別れるはめになっちゃいました。いい女だったんですがねえ。私は政治家だし、妻と離婚なんてことになったらイメージダウンは避けられない。選挙も近かったですしね。慰謝料だってがっぽり取られる。これは阿保らしいってことで、とりあえずは我慢してさやを収めた訳です。
いやいや、反省なんてしませんよ。いや、少しはしたのかな。でもそれは逆の方行へで、今度浮気する時には絶対にうまくやる。見つからないようにする。いや、見つかったとしても妻の思い通りになどなってたまるかってなもんで、作戦を考えたりもしたんです。
とりあえず、妻をほったらかしておいたのがいけなかった。人間不満がたまると何かにと人のあらを捜したくなるもんです。空腹の人が食べ物の匂いに敏感になるように神経が鋭敏になって、それで私のちょっとした変化に気づいたんじゃないかってね。だからまた浮気を始めたら、妻への家庭サービスに努めることにした。「お前、毎日家にいて家事をやっていたらストレスが溜まるんじゃないかい。たまには外へ遊びに行こうじゃないか」なんてね。妻は泳ぐのが好きだったので、海へ連れて行くことにしたんですよ。帰りにはエステに寄って高級店で買い物もする約束でね。
休日なのでいつものお付きの運転手も無く、私がハンドルを握っての二人だけのドライブです。私も車好きなもんで、たまにはこういうのもいいかな。なんて思いましたよ。新婚当時に戻ったみたいでねえ。
ところがね、女ってのは馬鹿ですねえ、せっかくサービスしてやるってんだから楽しめばいいのに「どういう風の吹き回し?」なんて疑いやがるんですよ。「君への感謝の気持ちだよ」とか答えたら、さらに眉間に皺を寄せやがるんです。答え方が不自然だと言うんですね。「まさか、あなたまた悪い病気が出たんじゃあないでしょうね」とか言いやがる。頭に来ましたねえ。こうなったら作戦その二の発動です。
いや、何ね、大したことじゃあないんですが、前回は一方的に受け身になったから完全に向こうのペースになってしまった。これじゃあいけない。だからこちらからも攻撃するべきだ。向こうが怒り出す兆候を見せたら、こっちから先手を打って怒ってやれっていうのがそれでして。ちょうどむかっ腹が立った所だったので、演技は上手くできましたよ。元々私はこういうのは上手いタチでしてね。
「君はそんなに僕が信用できないのか」
 こう怒鳴りつけてグイッとアクセルを踏み込みましたよ。まあこれも作戦のうちで、思いっきりスピードを出してやれば向こうは下手をすれば事故を起こすんじゃないかと緊張する。私の機嫌一つでこういう危険が起こる。お前の命は俺が預かっているも同然なんだぞ。というのを見せつけて、それでこっちのペースに引き込もうという考えです。
 ええ、効果はありましたよ。妻はジェットコースターとか、そういったものが苦手なタイプだったんですな。こう、両耳に手を当てるようにして「やめてっ」なんて裏返った声を上げる。普段は偉そうにしてる癖にねえ。こっちはそれが面白くて、さらにアクセルを踏み込みました。
 今考えてみれば、これが良くなかった。そうしたら、ピーポーパーポーサイレンが鳴って、後ろから警官がバイクに乗ってやって来る。「その車、停まりなさい」なんて言ってね。スピード違反です。もちろん停まりましたよ。
 私はバイクの若い警官に対し、ゆったりとした笑顔を作ってやりました。私は大物政治家だぞ。下手な扱いをしたら君の立場が悪くなるかも知れんぞ。と、そういう無言の圧力をかけようとしたのです。ですが、まったく通用しません。当たり前だったかもしれないですけどね。いつもは運転手付きの大型高級車で、私は高級スーツを着て後部座席にゆったり構えている。大物というのは一目で分かる。しかし、この日と来たら、乗っているのは金持ちのドラ息子が乗るようなスポーツカーで、自分でハンドルを握り、その上海へ行くっていうんでアロハシャツを着ているという始末。それは見る人が見れば金持なのは分かるはずだし、私が誰なのかに気づいてもいいようなもんですが、下っ端警官にそこまで求めるのは無理というものです。
警官は横柄な態度で、「免停だ」なんぞと言いやがるんです。そりゃあねえ、私は車が好きで休みの日には自分で運転することが多い。ドライブ先で事故を起こしたことくらいはありますよ。一発免停になるところを警察上層部にかけあって加減してもらった。それを今さらほじくり返すようにしてスピード違反如きで免停だなんてねえ。私は言いましたよ。「なあ君、それは無いだろう。少し考えてくれたまえよ。もちろん罰金は払うがね。少ないが取っておきたまえ」
もちろん渡したのはハッキリと賄賂だと分かる額でね。いくら馬鹿でも意味は分かるだろってなもんですよ。こんなことでまた警察の上の方へ手を回すのは面倒臭かったものでね。そしたら警官は乱杭歯を剥き出してニターッと笑いましてねえ、何事も無かったかのように敬礼してバイクに乗って去って行きました。
そしたらねえ、それを横から見ていた奴がいたんですよ。いや、見てただけじゃない。撮影してた。歩道からスマートフォンをこっちに向けて撮影機能で一部始終を撮っていやがった。パーカーを着て派手なスニーカーを履いた、通行人の若造でねえ。私の顔を知っていたようで、鬼の首を獲ったかのように喜ぶんですよ。こうヒューッと口笛を吹いて「こいつはいい動画が撮れたぜ。大物政治家の買収劇い」なんて言って、そしてすぐにその場でネットに投稿しようとする動きまで見せる。そんな事をされたらたまったもんじゃあありませんや。
私は慌てて車から降りて、その若造の手からスマートフォンを叩き落としました。話し合う暇も無い感じだったので。スピード違反で停められてしまった後なので、これ以上妻にかっこ悪い所を見せる訳にはいかない、ってな気持ちもありましたかね。
若造は「何しやがる」と憤激して落ちたスマートフォンを拾おうとした。だから私はその前に一歩前に出て足で踏み潰してやったんです。器物損壊という犯罪になりますかね。私としては、とりあえず証拠の映像さえ破壊してしまえば後は何とでもなる。スマートフォンを弁償して多めに慰謝料を与えれば、こんな若造なんぞ簡単に黙らせられる。ってな感覚でね。
しかし、これは間違いでした。若造はカンカンに怒って、私の説得に応じようとはしなかったんです。
「なあ君、よく考えたまえ。そんな映像を広めるよりも、お金をもらって口を閉じている方が得というものだろう」そう言って金を握らせようとしたんですが、イヤイヤをするように首を横に振って手を開こうとしない。
まったく最近の若者は損得勘定もできないんですかねえ、簡単な足し算なのに。学校じゃあ何を教えてるんだって話ですよ。それどころか、大きな声を上げ始める。
「政治家だからって、こんなことをしてただで済むと思うなよ。思い知らせてやる」なんてねえ。力関係からしたら痛い目を見るのはどっちなのかは分かりそうなものなのに。声を聞きつけて人が集まり始めたので、私は若造をなだめなくちゃあならなくなってしまいました。ええ、スマートフォンを壊したことについては謝って、この場じゃあ何だから場所を移して話をしましょうってね。
 まったくつまらぬことで休日の予定が狂っちまった。場所を変えたら若造は「弁償代に慰謝料を付けて払った上に公共の場で謝罪しろ。その映像をネットに流せ」なんていう要求をして来るんですよ。まったく無茶苦茶な話で、いったい何を考えているんだか。事をおおやけにしたくないから慰謝料を払うっていうのにその意味すら分からないとは本物の馬鹿ですね。
私は若造の立場をわきまえない増長ぶりに腹が立って、社会のためにもこういう輩をのさばらせてはいけないと思いました。ええ。こういう時には力で分からせてやるに限ります。今思えば弁護士に連絡すべきだったんでしょうけど、マフィアの顔役に電話しちゃったんです。ええ、マフィアとは以前から懇意にしていて、揉め事を潰す仕事を何度か頼んだことがある。その便利さを知っていたので、つい、ね。私も世間とは感覚がズレていたんでしょうなあ。
「話の分からない若造からごねられている。お灸をすえて黙らせてくれないか」てなもんで、もちろん連中は二つ返事で駆けつけて来ましたよ。私は後を彼らに任せて妻と海水浴場へ行ったという訳です。
 まあ何とか、ご機嫌取りと逆切れの押したり引いたり作戦が功を奏しまして、ショッピングを終えて帰る頃には妻は機嫌を直して浮気の疑いも引っ込んだようすでした。ああ、やれやれと思ったそこへ、マフィアの連中から報告の電話が入ります。若造には殴る蹴るの制裁を加えた。その上、銃を突き付けてロシアンルーレット式で脅してやったからもう文句はつけてくるまい。とのことで、ああやっぱり餅は餅屋だと胸がスッとしましたよ。ハハハ。
 それで終われば良かったんですけどねえ・・・・・・。
 あっ、どうも。水をお願いできますか。喉がカラカラなんで。まったくここは暑いですなあ。水分を補給しなかったら口が回りゃあしませんや。はあ、それも駄目ですか。中々厳しいですねえ。まっ、いいですが。
どこまで話しましたっけ。若造を懲らしめたところまで、ですね。
 ええ、話はそれで終わらなかったんですよ。若造の野郎、あきらめが悪くてね。とんでもないところへ助けを求めやがった。いや、弁護士なんかじゃないですよ。若造はヒスパニック系で、親戚にギャング団の人間がいたんですな。それも組織の中じゃあそれなりの地位だったらしくてね。どうりであの野郎、私を相手にした時も態度が大きかった訳だ。いざとなったら親戚にギャング団員がいるのを持ち出して、それで私を威嚇できると踏んでたんですねえ。畜生、それならそうと早く言えばいいのに。切り札が一つしか無いのに出し惜しみしやがって。
 問題はね。その若造が泣きついたヒスパニック系ギャング団と私が懇意にしているマフィアは、激しい縄張り争いをしていて一触即発の状態にあった。ということなんです。ええ、この揉め事は単なる物を壊したの暴力をを振るったののトラブルじゃあ済まなくなりました。二つの大きな暴力組織の衝突点に発展してしまったんです。
 とは言っても、いきなりドンパチ、じゃあありませんよ。裏の社会にもルールってものがありましてね。一応最初は話し合いをして、それが拗れたら力で、となるのが順序。ギャング団の奴らも、まずは金を出せと言って来た。賠償金やら治療費やらを、謝る気持ちを込めて多めに積めばチャラにするということですな。まあ要求としては分からないではない。私もこうなったら仕方がない、常識的な額なら応じてもいいと腹をくくりましたよ。
ですがね、すぐにそれを言い出したらいけない。最初に下手に出たら、足元を見られて思いっきり吹っ掛けられるに決まっていますからね。マフィアの連中には「ギャング団との交渉ではとにかく最初は強気に出てくれ」とお願いしましたよ。
 妻との駆け引きが上手く行って、やっぱり強気に出た方が結果がいい。というのが経験としてあったもんだからそれを当てはめようとしたんですが、まずかったかなあ。ハハハ。あんまり上手くはいかなかった。
 元々マフィアは血の気が多いんだから、強気に出ろなんて言ったのは火に油を注ぐようなものでしたね。若造を脅す時にも銃を突き付けてロシアンルーレットまがいのことをやらせたくらいの連中なんだから。ほっといたって喧嘩腰の折衝にはなる。ヒス系ギャング団もそれをちゃんと考えていて、交渉の場に銃を持ち込んで来た。ちょっとしたきっかけで撃ち合いが起こりかねない状況だった訳ですよ。ええ、実際にそれは起っちゃった。
 最初に発砲したきっかけが何だったのかは、私はその場にいなかったから分からない。多分つまらない事だったんでしょう。相手のちょっとした動きを銃を抜こうとしていると勘違いしたとかいったような。ですが、それで放たれた一発の弾がその場にいたマフィアの兄貴分の胸を撃ち抜いちまったらしいんですな。もう治まりはつきませんや。たちまち撃ち合いになって先制攻撃を食らったマフィアは全滅。ギャング団も撃たれたが、死者までは出なかった。
この不均衡も良くなかったですねえ。双方同じ被害なら痛み分け的に手打ちに持っていく事も可能だったでしょうが、一方的に皆殺しにされて、マフィアがその後黙っている訳はありませんや。もちろん報復となりました。倍返しでね。それに対してギャング団も報復を返し、双方の幹部が撃ち殺されるってな事態にまで発展して血で血を洗う全面抗争になった。
抗争は、半年ばかり続きましたかねえ。その間に死んだ人は流れ弾に当たった一般人を含めて五十人を超えた。もう私はどうにでもなれってな気分でした。だってそうでしょう。元はと言えばスピード違反で、それを誤魔化すために買収をし、さらにそれを誤魔化すために器物破損、またそれを誤魔化すために暴行、それがさらには殺人へと発展して行ったんですから。あれよあれよってなもんですよ。
 話がここで終わったらまだ良かったんですけどねえ・・・・・・。
 困ったことにマスコミがこの抗争事件を熱心に取材してまして。正義派を気取った新聞社が、特集を組んで事件の核心を暴く的な報道をし始めたんですな。「この抗争事件の陰には大物政治家が」、的な論調でねえ。一応匿名にはしていますが私のことを言っているのは明らかでした。
 ですがねえ、結構ピントはずれているんですよ。私が裏社会のすべてを手中に収めるためにマフィアをけしかけてギャング団を潰しにかかっている。とか、国家諜報部の長官とも通じていて、諜報部やマフィアと手を組んだ大掛かりな政治的陰謀を画策している。とかねえ。そりゃあ私は国家諜報部の長官とは仲が良かったが、それは右翼系鷹派の権力者側という共通点があって気が合ったというだけでねえ。
 えっ、私の右翼主義ですか。いやあ、私のはなんちゃって右翼で、ただ威勢のいいことを言ってれば右傾向の人たちは喜ぶので、簡単に人気を集めるのにはソッチ系の立場を取っていた方が有利だっていうだけのものですよ。私は演説が上手かったので、それを最大限に生かすには威勢よく振る舞うに限る。そのためには右の立場で。とね。合理的でしょう。
 私は新聞記事に困ってしまい、国家諜報部長官に相談しました。彼なら情報には通じているし、良からぬ噂を記事にされて迷惑しているということでは同じ仲間なんだから何とかしてくれるかも知れないと思ったんです。
 ああ、その前に、その国家諜報部がどういう組織かについて説明しておいた方がいいですかね。
私の国は小国なので、先進大国とは作りがだいぶ違っている。十五前まで軍事政権が続いた名残りで今だに軍の力が強く、警察はその傘下にいると言ってもいいような状態です。国内外の情報を収集管理する国家諜報部も、軍事政権の時に発達して今だに大きな組織網を保持している。軍事と国内治安に関する情報を一括管理し、盗聴などによる情報収集も当然行う。場合によっては超法規的な謀略活動もやると噂されてもいます。
まあ、一般市民が絶対に敵に回したくない、独裁者が権力を固めるために利用しようと思えばいくらでもできる組織と考えればいいでしょうか。今の首相は穏健派なのでこういった組織の力を弱める方向に動いていますが、しっかりと抑え込めるかどうかは軍同様に不透明といった状態です。
考えてみると、新聞社もよく国家諜報部長官を批判するような記事を書いたもんですねえ。首相の政策が功を奏して今では諜報部も骨抜きだとでも思っていたんでしょうか。とんでもない感違いです。
ともあれ私は国家諜報部長官に相談してみた。そうしたらねえ、彼は私以上に怒っていたんです。無理はないかもしれませんね。私のような政治家は基本的に目立ちたがり屋で、人の目につくのは慣れている。ある程度は有名税的なものも覚悟しているという所はあるんですが、役人は完全に裏方で、特に諜報部長官なんてのは誰よりも秘密を重んじる立場。他人の秘密情報は誰よりも知っていたいが、自分については絶対に誰にも知られたくない。そういう感覚で生きてきた人です。
人柄もそれを反映して、陰険な所がありましたかねえ。しつこいというか、妥協を知らないというか。今考えると、少し性格に問題があったかも知れないですね。優秀はすごく優秀なんですが、どこか血の通わない冷たい所が感じられました。身体つきも小柄で頭でっかちで、ちょっと蟻っぽい。フリークっぽい雰囲気もあったかなあ。
その彼がねえ、言うんですよ。「盗聴などをして詳しく調べた結果分かったんだが、あの新聞社ではあなたがマフィアと繋がっている証拠を完全に掴んだようだ。近々実名でそれを報道しようとしている。どうしますか」ってね。
「どうしますか」って言われてもねえ。そりゃあ私は今回の件に限らずマフィアを使って悪どいことを散々やってきたので、それを報道されたら一巻の終わりだ。だからと言ってどうすりゃいいんですかって話ですよ。そうしたらねえ、長官はニタリと笑うんですな。蛇のような、酷薄そうな表情でね。
「何とかできないこともない」低く抑えた声でそう言いました。その内容を、詳しく聞いて驚きましたよ。何と、「新聞社を丸ごと爆破すればいい」って言うんですな。ははあ。私もたいがいは悪い方だと自認していましたが、上には上がいるんですな。勉強になりましたよ。でもね、よくよくその計画を聞けば合理性はあった。さすが諜報部長官、よく考えてある。・・・・・・とか言ったら、今となってはお笑い草ですが、とにかくその時の私にはよく練られた計画だと思えたんです。
 長官は、「新聞社を爆破してもテロ組織の犯行に見せかければ大丈夫だ」と言うんですな。言われてみれば最近はテロ組織による爆破事件が続発していて、「我々の主義主張に反するマスコミもテロの標的にする」的な声明が発表されたばかりだったんです。そして私の悪事を暴こうとしている新聞社は、テロ組織糾弾の急先鋒でもあった。さすが正義派を自認するだけのことはありますな。
 国家諜報部長官は頻発するテロに手を焼き苛立っていた。こんなテロ組織なんぞに好き勝手に暴れられたら治安を手中にしていると自認している諜報組織の名折れ。軍や警察とも協力して何としてでも叩き潰さなければならない。と考えていた。だがあまりに強引にやったら政治家や国民や、その他もろもろからの反発を招く。だから反発が出なくなる程の大きな事件を起こしてテロ組織の犯行に見せかければ、国民総応援の元に無茶苦茶強引なテロ組織一掃作戦を実行できる。という訳です。同時に私を仲間に引き込めば、政治家方面への根回しもできて一石二鳥だという計算ですな。
 テロ組織を犯人に見せかける具体的な方法についても説明してくれましたよ。爆弾はテロ組織が使用するのと同じものを使い、新聞社近辺の防犯カメラにテロ組織の一員らしき人物が映り込むよう細工をする。犯行声明も科学的に分析して作った精巧なものを用意する。エトセトラ、エトセトラ・・・・・・。
 私はそれらの専門知識を動員した話に、騙されてしまったのかも知れないですねえ。よくよく考えれば「新聞社が私の悪事の証拠を掴んでそれを報道しようとしている」なんていうのは長官から知らされたからそう思っただけで、本当かどうか何て分かりやしない。そう気づいたのは大分後になってからのことで、後の祭りなんですが・・・・・・。
まあ、その時には身の破滅が迫っていると信じて気持ちが動転していたし、長官の話の持って行き方も上手かった。それにね、私は少々後悔してもいたんです。あの例の、すべての始まりとなった若造の件ですよ。私はマフィアに若造を黙らせるように頼んだが、どうしてあの時にもう一歩踏み込んで「永遠に口を利けないようにしろ」と言わなかったのか。
ええ、あの若造一人さえいなくなればね。その後にマフィアとギャング団の抗争が始まることも無く、五十人を超える死者が出ることも無かった。流れ弾に当たって善良な市民が死ぬことも無く、そして今こうしてさらなる困難に直面することも無かったのにって。そう思わない訳にはいかないですよねえ。
やっぱり悪事というのは大胆にやった方が発覚しない。徹底的にやるべきなんだ。と子供の頃からの経験則を今さらながらに思い出したりしていたんです。
だから私は思い切りましたよ。「えーい、こうなりゃあ毒を食らわば皿までだ。どうせこのままじゃ身の破滅なら、やってやろうじゃないか」てなもんで。ええ、新聞社爆破計画にゴーサインを出し、積極的に関わることにしたんです。
それからは話が早かった。新聞社がボーンと吹っ飛ぶまでがほんの三日です。ええ、計画は成功しましたよ。死者が六十二人。負傷者は、ええと何人だったかな。覚えてないですが、とにかく新聞を出すどころじゃなくなったのは確かです。その後の国家諜報部長官主導によるテロ組織一掃作戦もすごかったですねえ。軍隊を動員してテロ組織アジトに突入して小型ミサイル砲をぶっ放して皆殺しって騒ぎ。
一般人の犠牲者も三人ばかり出てしまいましたが。でもねえ、これに関しては私はいいことをしたと思ってますよ。国内のテロ組織は根絶されて、テロ事件は大幅に減りましたからね。ハッハッハ。奴らが言ってる政治的な主張の中身がどんなのかは知らないが、あんな奴らを野放しにしていたら新たなテロで死者が増えるだけだってもんです。
国家諜報部長官は自分の力をまざまざと見せつけて権力を盤石なものにし、私も積極的に動いて大いに名を売ることができた。いつしか国内のタカ派政治家のリーダーだと言われるまでになったんです。
しばらくの間はいい事ずくめでした。
しかしね、やっぱりいいことばかりは続かない。新聞社爆破事件について、疑惑が囁かれるようになってきたんです。
いったいどこから情報が洩れたのか。最初のうちはまったく分からず、まるで狐につままれたようだったですねえ。驚いたことに、ネットに私と国家諜報部長官の会話の録音音声が流出していたんです。それも結構きわどい内容で、「それにしても新聞社の爆破は上手く行ったなあ」「諜報部の力をもってすれば当然の結果ですよ」とか、そんなやり取りまであったんだから。まあネットっていうのは出まかせが多いので、それを聞いても半信半疑の人は多かった。私らも「こんなものはフェイクだ」と言って誤魔化そうとしたんですが、火種は中々消えない。 
その頃には私も大物になり過ぎていたんですかねえ。政治家までがその騒ぎに乗って、「専門家の分析で本物の音声だと分かった」などと言ってわざわざ国会で取り上げて、よってたかって私を攻撃してくる始末。国会ってのは政策を決める場であって個人攻撃をする場じゃないってのに。自分だって裏じゃあ悪いことをしている癖にねえ。
えっ? 殺人まではやってない? まあ、そうかもしれないですけどね。私の言ってるのは悪人仲間の癖にって事ですよ。
後で分かったんですが、どうやら情報を流したのは国家諜報部内部の人間だったらしいですね。それも長官自らが目をかけて出世させてやった若手幹部だった。いったい何をトチ狂ったんですかねえ。まさか今さら正義感に目覚めたなんてことは無いと思うんですが。もちろんそいつは長官によって消されました。あっ、ついでに言うと、最初に私に難癖をつけて来た若造も、その頃には海に沈められてました。私に命じられたマフィアの手によってね。ハハハ。
しかしね、火元の人物を始末したからと言って疑惑が晴れる訳じゃあない。
私はまたもや困っちゃいました。国家諜報部長官も同様です。私らは再び相談をしまして、この危機を乗り越えるためにはこんなスキャンダルなどどうでも良くなるような事態を引き起こすしかないと話がまとまりましたよ。もうこの頃には私もこの事態の一連の流れが分かってきていまして、これまでと同じことをやればいいって考えになってました。
はい。テロの次って言ったら戦争ですね。
幸い・・・・・・って言ったらいいのかどうか分かりませんが、その頃わが国と隣のB国の間には領有権問題が発生していまして、一つの島をめぐってお互いに我が国の領土だと主張しあって小競り合いが起こるといった状態にあったんです。近海で漁船同士が衝突したり、民間の右翼活動家が上陸して旗を立てたりといった事があった後、お互いに軍の船が乗り出して来て島を挟んで睨み合うといった状態になってた。軍の飛行機も島の上空を飛んだりしてます。
そういう所へね、軍事情報をも扱っている国家諜報部が意図的に偽情報を流す訳ですよ。B国戦艦が発砲してきたとか、B国戦闘機が爆撃作戦を敢行する模様だとか、そういったたぐいの情報をね。どうなりますか。いや、本当のことを言えばどうともならない。現場の兵だって馬鹿じゃあないから自分で確認して間違った情報らしいと判断するでしょう。おそらくはね。しかし、その軍の一部に戦闘を誘発するような行動を取れという指令を受けた兵が混じっていたらどうなるか。
国家諜報部長官は、それを行う用意があるという軍の幹部を紹介してくれました。
軍内部には野望を抱く不平分子と言いますか、軍事政権時代に青春時代を送ってその夢を捨てきれないでいる一派がいたんですね。軍事政権が終わった時にはまだ若手で、そう高い地位にいた訳じゃあないから排除されなかったが、今は出世してそれなりの兵を動かせる。時代が時代なら国のトップに立てる可能性もあったのに。などと考えている時代錯誤の馬鹿者です。
時間を軍事政権時代に巻き戻すためには、一番いいのは戦争を起こすこと。そうすれば軍の存在感は嫌がおうにも高まり、戦いに勝利した暁には政治に口を出せる所まで軍の発言権は高まっているかもしれない・・・・・・。
困ったことに、それはまったくの絵空事とは言い切れないんですな。我が国のような歴史の浅い小国においてはね。
その連中のリーダーだという軍幹部の顔を最初見た時には厭な予感がしましたよ。どこか国家諜報部長官と同質な、昏い目の光りがあるんですな。長官とは違って軍人らしく筋肉質でシャキッと背筋が伸びていましたが、頬がこけて頭は禿げてまるでガイコツのようだった。類は友を呼ぶと言いますか、ちょっと危ない雰囲気がある。さすが長官の友人だなと思いましたよ。
ともあれ、これで体制は整いました。情報操作は長官がやり、現場での戦闘誘発行動はガイコツ軍幹部の一派がやる。政治家への根回しは私の担当です。戦争になるB国は我が国よりも国土は広いが、人口、資源共に少なく、数年前からの経済危機により国力が疲弊している。ほどほどに戦って勝利するには格好の相手でもありました。
こんなことを言ったら不謹慎かもしれませんが、私らにはどこかワクワクするような、浮ついた気分がありました。何と言っても戦争ですからねえ。善悪はともかくとして、一般人の想像を超えたような大きなことをするのは、気分の高揚が伴うもんです。自分が一回り大きくなったような気がしてねえ。
本当にそんな事が私らにできるのか? いや、できる。できるはずだ。てなもんで。ロケットを月へ飛ばしたアポロ計画の関係者はこんな気持ちだったかもしれないな、などと思ったもんです。
ええ、計画は上手く行きましたよ。
B国も、よっぽど国内が混乱していたんでしょうねえ。こっちの戦闘誘発行動にあっさり乗って、思いもかけず簡単に戦闘機で攻撃してきた。戦闘は激烈だったが、元々我が国の方が軍の装備は整っている。計算通りに戦闘は次第に優勢になりました。制海権を手にすると、一気にB国本土へと攻め込みましたよ。もちろん私は大いに旗を振って、不埒なB国は懲らしめるべきという世論を盛り上げて戦争続行を首相に迫った。
目論見は大成功でしたねえ。もうこんな状態じゃあ、私らのスキャンダルなんて追及する人はいなくなった。しょせんは国民が退屈しているからこその追求騒ぎだったと知りましたよ。
そしてね、この戦争は、思いがけない果実を私にもたらしたりもしたんです。首相は根っからの平和主義者で、戦争なんていう事態には向かなかった。当然優柔不断な態度になる訳で、そんな事で戦争に勝てるのかと、国民の不満は高まる。
B国は自分の国だけでは戦争に勝てないと見て大国に助けを求めましてねえ、その結果R大国が力を貸して最新兵器を大量に提供してきた。それで我が国の旗色が悪くなってしまったんです。B国は攻め込んだ我が軍を押し返し、逆に我が国本土まで攻め込もうという勢いを見せていた。
国民の間に悲鳴が上がりました。機を見るに敏と言いますか、ガイコツ軍幹部はそのチャンスを見逃さなかったんです。彼は私の想像を越えた野心家だったんですなあ。国家諜報部長官とも協力し、兵を動かして一気に国会を制圧しました。
ええ、クーデターです。大義名分は、「このままでは国が破滅してしまうから、軍を中心にして国をまとめてB国と戦う他はない」といったようなものです。まあ、一理ないこともないんですが、その戦争を起こしたのがガイコツ軍幹部自身なんだから、なにをかをいわんやです。
驚いたことにクーデターは成功しましたよ。そしてガイコツ軍幹部は、私を首相の座に据えた。
まあ、名目だけの傀儡に近いんですが、それでも嬉しかったですね。元々私が政治家になったのも、中身が伴わない上っ面だけのことだったんだし、それで曲がりなりにも首相になってしまったってのはねえ、感慨深い訳ですよ。ハッハッハッ。あるいはこの時が、私の人生の絶頂だったかも知れないですねえ。
私が首相になって最初にやったことですか? それはもちろん大国に助けを求めることですよ。向こうがその気なら、こっちだってやるに決まっているじゃないですか。R大国の最大のライバル、U大国に速攻で助けを求めた。「このままだと我が国で産出する希少金属の利権がR国に奪われちゃいますよ。助けてくれたら無条件で採掘権を差し上げますからあっ」て、美味しい条件を付けてね。
そうしたら、大国ってのはさすがですねえ、驚くような速さで援軍を差し向けてくれました。希少金属の利権がよっぽど欲しかったんでしょうねえ。
本当に、一歩遅れたらお終いっていう所だったんですよ。その時にはR国を後ろ盾にしたB国は我が国の本土まで攻めて来ていまして、首都が総攻撃される寸前だった。私にもまだ悪運が残っていたっていう所ですか。
U国軍は世界最強と言われるだけあってさすがに強かった。B国軍を押し返し、戦況はまた我が国の有利になって来た。あと一歩でB国軍を我が国土から一掃できるという所まで来たんです。そうしたらねえ、B国はどうしたと思います? 国際条約で禁止されている化学兵器を使って来やがったんですよ。B国の指導者は悪名高い独裁者で、かねがね悪い奴だと思っていたが、こっそりと化学兵器を作ってため込んでいやがったんですなあ。自分の国内ではそんなものは危なくて使えない。だから敵国内で戦闘が行われているうちに使っちまえ、となったんですな。まったくいい加減な奴で。
その被害は酷いもんでした。さすがに国際法で禁じられているだけの事はありますな。最強のU国軍も、さすかにこれには手を焼いて戦況不利とならざるを得なかった。また首都総攻撃の恐怖が蘇った訳です。しかも今度は化学兵器というおまけつきでね。
私はたまらずU国大統領に泣きつきましたよ。「もう何でもいいから助けてくれえ。奴らが禁止されている化学兵器を使うなら、こっちもその上を行く兵器を使えばいいじゃないですか。核兵器でやっつけちゃって下さい」てな感じでね。
いえ、言ってみただけです。これまでの流れから言ったら普通の戦争の尻ぬぐいをするには国際条約を破った犯罪的戦争。さらに大きな犯罪的行為で窮地を脱すればいい、となる。理屈では分かっているんですが、まさかねえ。超大国の大統領ともあろう人が核兵器の使用に同意するとは思いませんでした。
ええ、今のU国の大統領は右傾向が強くて人種差別的な、ポピュリズム的人物だ。という評判は聞いていましたよ。怒りっぽくて、外交でも無茶な要求を次々他国に押し付けるので国際社会の迷惑になっている。それは知っていました。ですがねえ、あそこまで短気で後先を考えない自分勝手な人物だとはねえ。驚きました。世も末です。U国大統領は私以上にB国から化学兵器を使われた事に怒り心頭だったんですな。だから私から懇願されるとポーンと核兵器の使用ボタンを押しちゃった。
ハッハッハッ。笑うしかないとはこの事ですな。
・・・・・・。どうなるかは、分かりますよね。
ええ、その後の展開については私も思い出したくない感じですし、みなさんも良く知っておられるでしょう。B国の後ろ盾になったR国は、U国と同じくらい核兵器を大量に持っています。これまでは絶対に使わないと、暗黙のうちに取り決めがしてあったのが破られたんですから。
しかも悪い事にはB国内にはR国軍が秘密裡に駐留していたんですなあ。主に兵器の運搬と戦闘の指揮をするためだったらしいんですが、それが丸ごと核兵器の犠牲になってしまった訳ですから。ええ、全面的な核戦争に、発展しますよねえ・・・・・・。
ハハハ。それでは私の話はこの辺でおしまいという事にしていいですか。話すことはもう残ってはいないんです。
本当に間が悪いっていうことはあるもんで。最初はほんのちょっとした小さなことだったんですがねえ。私はそれを誤魔化そうとしただけなんで。ええ、元は浮気を誤魔化そうとしただけなんですから。そう大した罪じゃあないんですよ。運が悪かった。と、それだけでしてね。事態を悪化させたのはマフィアや国家諜報部長官や軍内部の不平一派の連中で、私は彼らに引きずり回されただけなんです。だからなるべく寛大な処分を、お願いしたいんですがねえ。
しかしここは暑いですねえ。いや、暑いなんてものじゃない。文字違いの熱い、ですか。こんなに火が燃えていちゃあお勤めする方々も大変ですね。えっ、人間じゃないから大丈夫? ごもっともです。
それじゃあ、もうそろそろ判決を出していただけますか。後ろにはまだ七十億人近い人が控えていますんで、お早めの処分決定がよろしいかと。
こうパーンと思いっきりよく、天国行きっていうハンコを押していただけたら嬉しいんですがねえ。そんな訳にはいかないですか。
本当にねえ、間が悪かっただけなんですよ。うん。運が悪かっただけ。これだけ不運が続くっていうことは、ひょっとしたら神様も、もうそろそろ人類を滅ぼそうと考えられておられたんじゃあないですかねえ。人類は神様の教えをろくすっぽ守らないで、ろくでもない事ばっかりやってきましたから。だとすると私は神様の思し召しをお助けしただけ。かえってよくやったと褒められてもいい立場なんじゃないですか。
ねえ、もう一度だけ確認して下さいよ。きっとこの件には神様の意思も働いているに違いないんだから。そうでなければ私のような者がこんな大きな事件に関われるもんですか。私はノアとか、えーと、あと誰ですか。名前は知らないがソドムやゴモラの町が焼き尽くされるのに協力した者なんかと同じなんです。
だから、ね。もう一度確認してから、天国行きの判決を、出して下さいよう。ねっ、ねっ、ねっ、私は何も悪いことはしていない。ただ運が悪かっただけの小人物に過ぎないんですから。お願いですよう・・・・・・。
 
 
     

小さな事件

執筆の狙い

作者 中村ノリオ
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アメリカでトランプ大統領が激しい賛否を巻き起こしていた頃、それに影響を受けて書いた作品です。政治家が浮気スキャンダルを揉み消そうとする話。

コメント

青井水脈
om126167087096.29.openmobile.ne.jp

「小さな事件」読ませていただきました。
>軍内部には野望を抱く不平分子と言いますか、
不満分子なら聞いたことありますが、不平分子?

>だから私から懇願されるとポーンと核兵器の使用ボタンを押しちゃった。 ハッハッハッ。笑うしかないとはこの事ですな。 ・・・・・・。どうなるかは、分かりますよね。
>後ろにはまだ七十億人近い人が控えていますんで、お早めの処分決定がよろしいかと。

そして最後は、天国行きか地獄行きか。審判を待つところで。ブラックコメディですね、小さな事件どころじゃなく。間が悪かったと、何度も出てくるのが印象的でした。

>元はと言えばスピード違反で、それを誤魔化すために買収をし、さらにそれを誤魔化すために器物破損、またそれを誤魔化すために暴行、それがさらには殺人へと発展して行ったんですから。

こちらで一旦、これまでのまとめみたいな。ここから国同士の戦争、核兵器という文言が出てきたら一気にカタがつくのですが。
政治家になるまで、妻のエピソード、警官が出てくるシーンなど。文章を短くしたり、削れそうなところを削ってスッキリさせた方が読みやすくなりそうですが。独演会のイメージで、冒頭から改行なしに一気に進むので、よりスラスラ読めるように、ですね。

中村ノリオ
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青井水脈様。コメントありがとうございます。
ご指摘頂いた不平分子という表現について調べてみましたところ、今は不満分子という言い方が一般的のようですが、不平分子という言葉も一応あるようです。不平不満を持った分子ということで、どちらも同じ意味になるのではないでしょうか。
私は結構いい歳なので、二、三十年前に一般的だった言葉を使ってしまったのかもしれません。今は不満分子の方が通りがいいと判ったので、改めることに致します。貴重なご意見でした。
「ブラックコメディ」と作品の意図を正しく読んでくださったのは有難く思います。この手の話は嫌いな人はかなり嫌いと思われるので、拒否的な反応が返ってきたらどうしようかと心配していました。
ありがとうございます。

浮離
KD111239165213.au-net.ne.jp

策士策に溺れる、なんて言い方もかさばるなりに書き手がどこまで真面目に書いたつもりか推し量るつもりもないんですけど、一読者として率直に感じさせられたのは書き手自身がこの作品のテーマを理解していないというか単純に、何が面白いはずだったか、そのフォーカスを杜撰に見下した無責任さのような感触ばかりが読み心地や読後感を汚している印象、ということなんですね。


語り手のキャラなのだから仕方がないんですけど、下品だしムードがない、というのは造りの悪さではなく単純に物語世界の設定をがさつに曖昧に濁すばかりでそれはオチにあっていよいよブレた印象に帰着したもののように感じさせられたものなんですし、単純な読者はこの世界は例えばどこの国なのか、そんな宗教観に立つものなのかだとか、その整合性なり必然性を要求するかもしれないんですけど個人的にはそういうことではなく、この世界としてのただのムードとしての設定について、成形について書き手は案外愛情に薄く下品な印象を隠さないものらしく感じさせられて、作為としてのデリカシーにはかなり低めの好感を設定せざるを得ない気にさせられます。

アイデアが描きたかったのか、ディテールなのか、構成を魅せたかったのか。
どれについても練られたものは感じさせられるだけにその扱いの安易さにおいて然るべく壊滅するオリジナリティー、というある意味レクリエーションチックな作為程度として読む側としても手加減を差し出すべき配慮を要求されそうな気配が面倒ですしもちろん付き合うつもりはないんですけど、その上で不機嫌を晒されるならほとんど事故っていうか、まあ、都合すみませんって先んじて謝っておこうかなとかそんなところではあります。


このオチで、この語り手のキャラクターであるべき理由が説明できるなら、一応お聞きしてみたいところである気はします。


このサイトでよく言われることなんですけど、例えばジャンルだとか。
このお話はジャンルで例えるなら何だと思いますか。
それがはっきりしたものであるなら、それについてこのオチは作者なりのアイデアとして意欲的に作用したものになってますか。
正確にコントロールされたものになってますか。


一読者として、その辺りのただの感覚において信用ならない気がする、ということなんでした。



不愉快にさせるつもりはないですけど、なるのは勝手ですしその結果この先の無事な活動を損なうような振る舞いを自ら思い立つようなことは努めて避けて欲しいものだよなあ、といった意におきまして先んじて謝っておきます。


どうもすみませんでした。

浮離
KD111239165213.au-net.ne.jp

“ブラックコメディ“って書いてある。


例えばどのあたりが“ブラック“?
白バイにパクられたばっかりに、連なる事態の連結が“コメディ“?

でも語り手は二人称たる下品な大物政治家自身ときてる。
“ブラック“って、一体どこを向いた誰に向けたものなのか。
読者に向けたられたものであるなら、例えば“リーダビリティ“って何なんだろだとか。

文章の成形? 体裁?
個人的には“興味“より先立つ“お作法“なんてない気がするし、とはいえこの作品世界は語り手による“自白文書“ときてる。
語られてるのは、聞き手は誰。
刺さるべき相手役は誰ですか。
効果を定めるのは誰ですか。


わからなくもないんですけど、はっきりとは明かされていないことが一読者としては“読みしろ“には感じさせられ難いもののように感じさせられるのだし、おそらく“聞き手“の反応には一切触れられていないはずだから、ともあれ読者にとってそれは知る由もないこと、ということなる。
良質な“読書“として“推して知る“とか“行間“だとかとは違うもののような気が個人的にはしてしまうものなんですけど、どうなんですかね。


単純な解決なら、語り手の現状を明らかにするか、聞き手の存在なり思惑を明らかにするなりの単純な“意図“を作為として濁すなり化かすなりにもさばかなければ、“ブラック“の行方なり効果は作中を彷徨う亡霊のままのような気がしてしまうんですけど、しつこいこと言ってすみません。


不正確なやり取りで濁しては、せっかくの作品っていう全ての手間を書き手自身が誰より見くびるようで眺めるなりにも居た堪れないもので。


むかついてくれてもいいです。
不正確に自惚れる無自覚な有り様の方が個人的には嫌なので。

中村ノリオ
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浮離様。コメントありがとうございます。
この手の作品はやっぱり嫌いな人にはとことん嫌われるものなのだなということが分かって勉強になりました。
「このキャラクターであるべき理由」はもちろん、悪事をさらなる悪事で誤魔化していく話なので、そういった展開を自然にするためには主人公を悪党にする必要があった。という理由によるものです。どうせ悪党にするのなら、徹底的にワルにした方が話としては面白いのではと考えました。徹底したワルなら下品なところがあるのは当たり前ですよね。
ジャンルに関しては、必ずしも既存のジャンルに規定する必要はないと考えています。決まったジャンルに収まりきらないから評価に値しないと考える人もいれば、別にそんなのは関係無いじゃん。ジャンルに収まらないのはオリジナリティーという考え方もあるよ。という見方をする人もいる。私は後者の考え方に近いということだと思います。
強いて言えばアイデアストーリー。長めのショートショートというのが妥当でしょうか。
〈語られてるのは、聞き手は誰。〉
これついては野暮なので説明しません。
刺さるべき相手は、「常識にとらわれずに小説を愉しむことが出来る人」を想定しています。
読んでお気を悪くされたようすなのは申し訳ありません。
厳しい意見を頂いたことで自作の成り立ちを考える機会が出来、有意義でした。
ありがとうございます。

浮離
KD111239165213.au-net.ne.jp

>一読者として率直に感じさせられたのは書き手自身がこの作品のテーマを理解していないというか単純に、何が面白いはずだったか、そのフォーカスを杜撰に見下した無責任さのような感触ばかりが読み心地や読後感を汚している印象


って書いたんですけど、しつこい気がしたらすみません独り言の延長くらいに思ってもらえたらのつもりでお邪魔してます。


>何が面白い


ひっかることは結局その一点に尽きると思うんですね。
このお話がつまらないって言ってるんじゃないから早とちりは勘弁してほしいです。

>このキャラクターであるべき理由

について返答ありがとうございました。
言ってることはわかるしそのつもりで読んでいるので問題ないんですけど、あたしはつまり

>このキャラクターであるべき理由

からなるその顛末なり伏線としてのキャラとして眺めた上での話をしていたつもりでした。
結局のところ、辿り着いて現れる“根拠“だとか、そんなことなんだと思います。
ワルで下品であることが好ましくない、なんて言ったつもりはなくて、そうであるべきとして待ち受けるなりの展開を期待して読み進めた結果の感触のことを言ったつもりだったんですね。



このお話のことではないです。
ただ、こうしてやり取りをさせてもらってやっぱり、あたしが“エンタメ“にあまり興味が持てない理由みたいなものがやっぱりふわふわと鼻先を掠めた気がしました。


このお話は面白いし、何より書き進める書き手にとって一番おもしろげであっただろうこともわかるのでなおのことなのかもしれないんですけど、あたしはこのお話をそのままに受け止めて“面白い“と思いたがるだけの読み手のことこそがきっと好きではないんですね。
例えばミステリーがどうして嫌いかって、答え合わせするからなんですよ。
馬鹿みたいですよね、そういうものなのに。
でも何だかだめ、全然好きじゃない。
そこに至るまでに読者が思い巡らせるはずの全てを裏切るのか合点がいって腑に落ちるのかその楽しみや爽快は様々なんでしょうけど、合点がいったり見事な顛末を与えられて満たされたりその気にさせられることにあまり興味がない質のものとしては結構むしろ奥行きがないっていうか自由度が低いっていうか単純に窮屈なのかもしれないとか言い訳の仕方は色々あるんでしょうけど要するに、面白いのフックが違うとこにズレてるんでしょうねきっと。


ワルで下品な本人が事態の一部始終を語って、それで?

っていうのが悪口に聞こえてしまうことは残念なんですけど、一読者としてあたしには単純に物足りないというか、仕掛けかと思ったらただ親切なだけの目印でした、みたいな感触だったことは否めないわけなんです。
事態の行方、思わぬスパイラルな展開が“面白さ“であっても全然いいどころかむしろそういうものっていう楽しみ方はもちろんあるはずなんだし、つまりこれってただの好みの問題なので気にしないでほしいんですけど、伝わってない気がしているのは不毛なので余計なことのつもりではなくおしゃべりしてます。



書き方の形式に対して反射的に発動するだけのあたしの偏見? に対する、先に仰られていた


>常識にとらわれずに小説を愉しむことが出来る人


という門前払い的嫌悪にはあまり感心しないというか、売り言葉に買い言葉でもいいんですし仕方ないと思うんですけど、でもあんまり意味ないというかむしろ損な気がするのでちょっと残念な気がしたこともあたしは隠さないですよ。
そんな都合優しいとらわれたくない常識程度なんて、あたしはあまり信用したくないです。


あんまりおしゃべりすると怒らせてしまうのでやめます。
ごめんなさい。



“守破離“なんて偉そうなことばかり言いたがる人は嫌いなんですけど、とらわれたくないなりにも心得て破るべき“ジャンル“という形は個人的には見過ごすべきではない気がする方なので、この度は読み手であるあたしが作品の性格に対する見立てを誤っただけのことでした。


気分を悪くさせてしまったならすみませんでした。

中村ノリオ
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浮離様。コメントありがとうございます。
ちょっと何をおっしゃっているのか分からない所があるのですが。分からないなりに断片的な言葉を拾ってお答えいたします。

〈例えばミステリーがどうして嫌いかって、答え合わせするからなんですよ。〉
私は子供の頃からのミステリーファンで、正統派の文学はよく分からない人間です。小説に限らずパズルの類が好きで、綺麗に答え合わせをするのは面白いと思っているんです。その分文学派の方のような深みには欠けるかもしれませんが、それでいい。人それぞれ得意な分野は違うのだから。というのが基本的な考え方です。
浮離さんとは感性がまったく違い、鳥と魚が話しているような感覚がいたしました。
価値観の違いをテーマにしたSFなども好きなので、話をさせてもらったのはそれなりに面白かったですよ。

「常識にとらわれずに小説を愉しむことが出来る人」というのは私の本音です。拒絶する意味合いばかりを強く受け取られたのだとしたらごめんなさい。
私は創作に関しては「自由であること」を一つの理想にしているんです。常識は自由を阻害する最大のものなので、出来れば読む人にも常識にはとらわれずにいてもらいたい。自分の分を大きく越えた高望みかもしれませんが、そう思っています。

中村ノリオ
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前回の自分のコメントを読み返し、これでは偉そうだなと思って反省しました。
すみません。どんな方にも読んで頂けたら有難いと思っていますので。

浮離
KD111239165213.au-net.ne.jp

いえいえ、こちらこそお節介なことですみませんでした。

って、何もあたしに言ってるつもりではなかろうことも承知の上で言ってるんですけど、何しろあたしはこのサイトで名うてというか悪名高い感想ストッパーなものですから、何だかご迷惑かけ通しみたいで申し訳なくて。


待ってるばっかじゃなくて、あちこち感想書いて回るとただの待ちよりはお客さん引き込めるはずなんですよね、感想もらえるかどうかはたぶん、あなた次第というわけなんですけど。

まあ、個人的経験則には違いないんですけどほら、誰もやらないじゃないですか。
みんな見せびらかしたいばっかで他人のことなんて面倒臭いばっかの人ばっかみたいなので。

所詮お人柄だと思って励んでみてはいかがですか。
頑張ってください。

中村ノリオ
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浮離様。返信とアドバイスをありがとうございます。
もちろん浮離さんにも自作を読んで頂きたいと思っています。
これから月に一作のペースで何作か投稿してみるつもりですので、もしよろしかったらまた批評をお願いします。
他の人への感想は、私にはちょっと難しいところがあるかも知れません。文学の何たるかが理解できていないので、本格文学志向の人の作品は批評できないと思っているんですよ。
でも、まあ無理しない程度にやってみようかとは思います。
ありがとうございました。

浮離
KD111239165213.au-net.ne.jp

誰かがやらないと誰もやらないんですよ。

あたしはやってるけど、あたしじゃダメなんです。
わかると思うんですけど。


>文学の何たるかが理解できていないので、本格文学志向の人の作品は批評できないと思っているんですよ。

むしろそういうこと引っ張り出したがりどもが片っ端から鬱陶しがれた挙句にあたしに怒られてひん剥かれること例外なし、なこともわかって欲しいんですよね。

酷い言い方しちゃうと、作品なんて意味ないんですよ実際。
ここに限った話のつもりでこそないからあたしこそ疎まれがちなんだと思うんですけど、でも実際世間てそんなもんじゃないですか。

目的で質の高いものを自分で探す人なんてほとんどいないですよ。
評判に従うことで価値を得たがるこじきみたいなセンサーばっか自慢するばっかでしょ世間って。
商業って、それをまんまと貪ることに長けた手口の競争じゃないですか。

主体性ゼロをほっかむりして見栄に化かして誤魔化して満足した気になりたいばっかのイナゴみたいな馬鹿ばっかかき集めるっていうさ。


だったら、どう思いますか?


作品書くのはいいですよ。
でも、黙って置いておいてもお客さんにはそれを手にとる理由は思いつけないらしいんですよ。
そもそも、そんな欲求ないので。
ってことはつまり、何が必要になんのかって、作品を読まなきゃいけない理由ですよね当たり前なんですけど。

宣伝なんて、もはや逆効果でしかない世の中なんですよ。
馬鹿はプライドばっか高いので、押し付けられるのは迷惑なんだってさ。
勝手だよね、奢られたいばっかのくせにね。

死んだら、アルバム売れるじゃないですか。
看板みたいな曲くらいリバイバルするじゃないですか馬鹿みたいに。
こんな名曲があったなんて知らなかった。
もっと早く知りたかった残念、だとかさ。
まじで馬鹿かと。

すみません、脱線した。


でもまあつまりそういうこと。

作品のために、作品以外の理由が必要なんですよ。
それはこんな腐れたサイトですら明らかなことで。

見てくださいよ、ダンマリ作家さん軒並み一桁レスで石ころも甚だしい有り様じゃないですか。
馬鹿みたいだと思いませんか?

せっかく書いたのに、何やってんの? 馬鹿なの?

って、あたしは当たり前に思ってます実際。



極端なこと言って仕舞えば、感想書かないと芯通らないんですよ。

自分の言い分担保できないから言えないんでしょ所詮。
気合い入ってないんですよ要するに。

下手くそが何言ってる、って思われたくないってことでしょ?
あたしこそそれ散々言ってるし、でもその分もっと余計なこと言われまくってますけど、所詮下手くそのつまらん風情がない言ってんだか、ってしか思わないです。

そういう態度がムカつかれるんだと思うんですけど、馬鹿ですよね、ムカついてつけ回すような愚行を晒すだけすでに負けってわかってない人ばっかなんですから。
金持ち喧嘩せず、ってクソムカつくことわざかなんかあるじゃないですか。
とはいえそれって、わかんなくもないんですよ。

結局、面白いので。いろいろ。


変な自意識とか多分損しかないですよ実際。
謙遜とか実際、性格悪いだけだと思ってんです個人的には。

本性晒せないって要するに、ケチくさいじゃないですか。
気遣いや行儀の皮着て、腹の中ではその程度で誤魔化せるって舌出してるだけのことじゃないですか。


性格悪いんですよ、お行儀なんてものは。

一回ぶっ壊すくらいのサービス精神思いついてみてから、そんなもんは心配したって遅くないんじゃないですか、って言ってるんですけど、伝わりますかね。


っていうかこれ、あなただけに言ってることじゃないので返事も要らないし気にしたくないならsなければいいです。
労力赤字は必至だと思いますけど。


あたしこういうことも全部or込み済みでやってますからね。
あたしがなんかやれば絶対ここにいる人全員見るって勝手に決めつけてやってるから、つまりそういうことなんですよね。


作品なんて、それから書いたって遅くないんですよ実際。



あたしは世間なんて馬鹿げたアンテナ程度は、その程度のものでしかないって完全に見くびってるので。




できる範囲で頑張ってみてください。
あなたの作品に何かしてあげられんのって、あなただけですから。
これ重要。

あたしはそんなことばっかのために書くんですけど、何かおかしなこと言ってますかね。

まあいいや、お邪魔しました。


お付き合いいただいたあなたに、コメ赤延長プレゼントでした。

そうげん
60-56-45-165f1.shg1.eonet.ne.jp

浮離さんの言葉、いまのような風潮が蔓延する時代だからこそ、噛みしめるべき含蓄があると思ってますよ。

>目的で質の高いものを自分で探す人なんてほとんどいないですよ。

この自分がいいと思えるものを見つけてそれに接していいものを引き出していきたい。
それが批評の本来の機能だと思ってます。

思想信条的には自身の物とかち合っていても、そのもの自体が持っている価値・甲斐があれば認められる自分でありたい。
だから世間的に左翼といわれるものでも、右翼と言われるものでも、その評価を気にせず、自身の価値観で認めたものは、
自分にとって価値・甲斐のあるものとして信じぬくことにしている。

憲法九条護憲派に懐疑的でも、大江健三郎氏の小説に読む価値を見いだすのはそのせいだし、
山尾悠子さんの幻想小説に価値の一端を見出しながら、島田雅彦さんの作品もいいんじゃないって思ってる自分がいる。
そのうえで、ネトウヨのまつりあげる青山繁晴さんの近著『夜想交叉路』もすでに確保していて、近いうちにちゃんと読みたいと思ってる。

ひとりひとり何がいいか、何がよくないかの価値判断は、本来まちまちなはずなのに、それを均質化させようというような力場が作用するのって異常だと思ってます。同調圧力という言葉でいわれる概念です。日本には社会がなくて世間があるばかり。ごはんも世間のひとつなんですね。そんな枠組みなんてくそくらえです。自分がいいと思えるものはいい。悪いと思えるものは悪い。それをいえるような融通って、それこそ無数の物を洪水のように自分の中に通過させて培って初めて構築される価値観なんですよね。

その労苦すらとらずに脊髄反射で好き嫌いを物申す人の物言いに左右されるのはバカらしい。

ちゃんとものを見てる人にはちゃんと見えてる世界があるんですよね。

そこに至ってない人の言葉は無視していいとまで思ってます。

浮離
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っていうかそうげん、感想書け警察が駆けつけちゃうぞ。

中村ノリオ
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浮離様。再度の返信ありがとうございます。
そんな深い考えで厳しい感想コメントを連発されているとは思いませんでした。

〈あなたの作品に何かしてあげられんのって、あなただけですから。
これ重要。〉
この言葉はしっかり胸にしまって置きたいと思います。

中村ノリオ
flh2-122-130-109-65.tky.mesh.ad.jp

そうげん様。コメントありがとうございます。
私はそうげんさんとは逆に、近頃では一周回って「世間の同調圧力に迷いなく同化できる人っていうのは凄い才能なんじゃないだろうか」と考えるに至っています。
生まれつきそれが出来ない人間というのもいて、そういう人間はコミュ障と呼ばれるんですよ。
はい。私の事です。
小説を書き始めたのは、そういったマイナス面をプラスに変えたい意味もあったかも知れません。

通りすがり
119-173-139-201.rev.home.ne.jp

中村ノリオさま、おはよう(おそよう?)ございます。

世の中と、とことん同化できる、とことん同化できない。
どちらが優れているのかなんて、考え出すと、
実際に今まで会った人、目にした事、自分が体験した事、
テレビドラマや漫画や小説や映画やら犯罪ルポとか
幾多の事例がせめぎあって、自分の内部で
渦巻いて、答えが出せない難題です。

私は昨夏、8月の上旬からこちらを訪問して、
200作こえたら、発表が前のものからなくなるルール、
その中で、どんなジャンルにも出会えるという機会、
そして皆様の投稿ペースが、いいなと思って、
読専としておもに、消えてしまう前の7,8面に
おります。

ところで、このサイトの最初のメニュー画面で、
鍛錬場の右隣にある「創作意見室」→「スレッド掲示板フォーラム」の
下から4つ目くらいに「パンツの闇」だか「パンツの間」だかいう
話題がありますが、できたらそちらをご覧ください。
流し読みでけっこうですので、
そこでやりとりしていた方々は、呆れて、あるいは疲れて
去ってしまったようです。
過去の行状を知る人がいなくなると、
こうして新しく投稿する方々に、一見鋭いような、
しかし、具体的に「ここはこうしたほうが」という意見は
ほとんどなく、(だめなんだろうか)(書けてないんだろうか)と
不安におとしこむような事ばかりグダグダ連ねて、
「わたしの企画に参加しない?」というのが本当の目的の
ようです。不安や恐怖を抱かせてから勧誘って、宗教か(笑)

今年のバレンタイン前後にそれをやって、数名さまの参加が
ありましたので、同じタイトルが7,8面にいくつか
あるのはそういうわけです。
7面に
『零vision』生身 〜リアル〜という作品があります。
作品は日本語でおKなので、スルーして、
今日のコメント欄のやりとりご覧ください。

「伝言板」も、この前、chatGPTの事でもりあがっていたので、
読み返したくて、昨夜、行きましたら、
別の話題でもりあがっています。
できたら、最新から4面くらいご覧ください。

この方、2月の企画で、スカウト、とりまとめなどは
別の方にやらせて、誘っても断った方々に暴言を吐いて、
目に余ることがあったので、お知らせするのが自分の役目かなと
思いました。お邪魔しました。

浮離
KD111239165213.au-net.ne.jp

なんでそうやって自分の印象下げることでしか出しゃばれないの?

まともなことできないからでしょ?

あたしより楽なことできないから、卑怯な手口承知で貶めるくらいしかやり方ないの、わかりますよ

自分より他人を貶めて楽したいなんて、碌なことないですよ
因果応報って、その場ばっかのことじゃないからね




みっともないですね
根暗な上に

通りすがり
119-173-139-201.rev.home.ne.jp

中村ノリオさま。せっかく投稿された作品の
コメント欄を汚してしまってすみません。
書き込んだことに、浮離さんから直接返信を
いただいたの、初めてなので、感激してます。

2月に中小路さんの「完全犯罪」のコメント欄で
暴言が目に余ったので、企画なんていって、
もし「この指とーまれ」といっても誰もこなかったら、
「誰もついてこない「民衆を導く自由の女神」」みたいで面白いな、
とコメントしたら、コメント欄ではなく、伝言板で
「あたしは、「この指とーまれ」なんて言ってませんよ」とか、
「こっち見んな、余計なこと言うな」とか書かれてました。
「お行儀」と揶揄していただいたようですが、
ここで「根暗」と新たな称号をいただいので、
ひできカンゲキ!
中村ノリオさま、本当にごめんなさい。
7,8面にいることがほとんどなので、
こちらが200作からお別れになる頃にでも、
また。

浮離
KD111239165213.au-net.ne.jp

あたしのガチファンが自己顕示欲がさせるままに自己申告通り汚して本当にすみません。


ちゃんと感想からやり取りしといて良かったですよ。
面倒に思われてるのは承知してるので、勘弁して欲しいです。

あたしが感想を入れるとこういうことは常に起こりがちなのですが、そんなこともここの醍醐味のうちだと思って投稿頑張って下さい。

 どうもすみません。

上松 煌
138.93.0.110.ap.yournet.ne.jp

 あはは、中村ノリオさんはマジメで真摯で、そして『ごはん』を知らない。

 このごはんにも、『ネット万能感』に冒された精神異常者がいて、
「あたしに逆らうと怖い。叩きのめす。ごはんにいられなくしてやる」
などの看過できない悪意を書き散らし、削除依頼があれば善悪なく削除してしまう愚かな運営といっしょになって、気に入らないごはん民を目の敵にしてアクセス禁止・作品及び伝言板レス削除を繰り返した。

 これがウワサの『70越えの猿ババ(浮離)』。
もちろん、本人の目に余る迷惑行為で、本人自身もアク禁に次ぐアク禁。
しかしながら、アク禁は1ヶ月ほどで自動解除になるので、『70越えの猿ババ(浮離)』は毎回、復帰。

 前回も自分を中心に、にわかじたての思いつき企画、visionとやらを企て、マジメで心あるごはん民の反対や迷惑や懸念、企画の浅薄さを危ぶむ意見などをアクセス禁止・作品及び伝言板レス削除で封殺!

 かく言うおれ自身も、評判の名作「作家でご免物語」を『70越えの猿ババ(浮離)』の奴婢奴隷『そうげん』とやらの讒言(これは複数のごはん民が伝言板で言い、『70越えの猿ババ(浮離)』派のヒトも書いている)で削除され、星空文庫・カクヨムに保存している。

 それだけではない。
バカ運営の加担をイイことに、都合の悪い反対者の伝言板での意見を軒並み削除。
最たるものはおれの謹言で、書くそばからすべて削除、らちがあかないので、5chに転載。
記録として残した。

 ★作家でごはん 108
>>797

以降の太字(細字のものもあり)


 これが頭の悪い『70越えの猿ババ(浮離)』の正体w
やっちゃいけない事はなんでもヤルwwww
言論封殺・他者の存在無視・運営の威を借(か)る狐・平等であるごはん民を差別し、格差と不平等の上に、
「あたしってスゴイ。おまえらはバカ。あたしにヘコヘコしてればいいの。これが改革。おんもしれぇ、楽しいでしょ。キャピピピ」
ったく、バカもきわまれりだぜぇ。


 今回もアクセス禁止から復帰したので、またまた何も知らない新規のヒトをたぶらかして、「あたしってスゴイでしょ。付いて来なさい、馬鹿なあんたのため」wwww
結局、自分上げの他人貶(おとし)。

 読めるヒトはコイツの作文なんか突っ込みどころ満載でボロ糞だし、入選どころか、ごはんですら、
「悪文」「イミフ」「つまらない」「目がすべる」「最初数行で挫折」「読む気がしない」「初心者の文章みたい」
と、見放されている♪

 中村ノリオさんはそれを見破れないほど愚かじゃないよね!

sp49-98-14-100.msb.spmode.ne.jp

中村さんて、タンブリンマンさんではないの?
文体が似てるんだよね。あと話の構成だとか、詳細の描写だとかも。

違っていたらごめんなさい。

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