作家でごはん!鍛練場
青木 航

SWAT

 私は或るコールセンターの立ち上げにリーダーとして参加することになった。名称も電話番号も外部には一切公開されない特殊な部署だ。
 或る企業とだけ言っておこう。何故なら、企業名、業種を含めて、内容が推定されるような記載をSNS等に書き込むことは厳しく規制されており、違反した場合には、企業が受ける有形、無形の損害に対し賠償責任を負う旨の念書を提出させられているという事情が有る。そう言う事情を含んだ上でお読み頂けると有り難い。

 ところで、新規立ち上げのコールセンターは、内部構想では『SWAT』と呼ぼれている。
 どう言う部署かと言うと、この企業には目的別に複数のコールセンターが存在し、入電者はガイダンスに從って通話先を選択するのだが、当然、どこの部署にも一定割合でクレームと言われる内容の入電は有る。
 オペレーター達はマニュアルに從って対応し、マニュアルで即答出来ないような内容に付いては、入電者の了解を取った上で保留にし手を上げる。すると、リーダーが足音を立てないように走って来る。
「どうしました?」
とリーダーが聞き、オペレーターが質問内容を簡潔に告げると、どう答えるべきかを指示する。これが基本的な処理になる。
 手を上げる場合、オペレーターは、通話中なら一本指を立てるが、クレームと思われる時は二本指、つまりチョキを出す。通話が終わって記録(ログ)をどう書いたら良いかを聞きたい場合などは、パー即ち五本指だ。
 当然、チョキが最優先であり、次に一本指、パーは最後と言うことになる。

 保留に付いてだが、一回、二回で済めば良いが、内容により、また相手により、更にはオペレーターのの性格によって四回、五回と繰り返されることになる場合も有る。当然、入電者も苛立って来て、保留させてくれない場合も出て来る。リーダーはヘッドセットを首に掛け、接続端子をぶら下げている。チョキが上がると、自分のヘッドセットの端子をオペレーターの電話機に差し込みモリタリングしながら、手持ちのホワイトボードに指示を書き込んで伝えたりする。長くなりそうだと“島”を管理するSV(スーパーバイザー)もモニタリングを始める。
「お前じゃ話にならん。上司を出せ」
と言われたら、言い訳はせず、即リーダーが代わる。相手の話の途中にオペレーターがちょっと口を挟んでしまった為にクレームに発展することも多いので、オペレーターの対応を謝罪した上で、口を挟まずに全部喋らせることが基本だ。短く終わらせようとして相手の話を遮り口を挟んでしまうと却って長くなってしまう。
 対応者が代わる。こうした対応で多くはクールダウンする。上司に代わらせたと言う満足感からなのだろう。一方、リーダーに代わってもらいモニタリングに回ったオペレーターは、妙な気分になる場合も往々にして有る。自分にはあんなに文句を言っていたのに、代わった途端、掌返しのようにクールダウンされては、自分の対応が余程悪かったように取られてしまうではないかと思うのだ。
 リーダー対応で納得しない場合は、SV若しくはベテランのオペレーターが折り返し電話することになる場合も有る。
 無理な要求をされても、基本的にオペレーターレベルではマニュアルに從って対応するしかない。同じ回答を繰り返すと、
「お前はロボットか!」
などと罵倒されることも多いのだが、SVは多少フレキシブルな対応が可能なので、多くはそこで収まることになる。

 SV対応でも収まらない案件は有る。事情が有って、この時期、この会社に対するヘピークレームは急増していた。
『お前らじゃ話にならんから、社長直通の電話番号教えろ』
とか、
『少なくとも部長級の人間が手土産持って誤りに来い』
とか、
『社長の記名と押印が有る謝罪文を送れ』
とか大真面目に言って来る。多数存在する顧客の中で、自分だけは特別な存在だと思ってしまうのだろうか? 或いは『みんなを代表して俺が言ってやる』と言う気持ちなのだろうか? 兎に角、そう言う要求をして来る人は一定数存在する。
 中には、『毎日十九時丁度に電話しろ』
なんていうのも有る。そういった管理者レベルが対応しても解決出来ない案件を一箇所に集めて専門対応しようと言うのが『SWAT構想』なのだ。

 各部署から未解決のクレーム案件が一覧データとして送られてくる。それに架電対応するのがSWATの仕事だ。一般顧客への架電と違って全てがヘビークレームという部署なのだ。從ってSWATのオペレーター全てがSV並の裁量権を与えられることになる。
 そして、その業務は或る派遣会社が引受け、オペレーター付きでセンターを立ち上げることになった。そのセンターでSVやリーダーとして業務に当たる人材の実務研修を兼ねた訓練に、私はリーダーとして参加していた。

 彼らは総じて若い。外見的には男女とも金髪だったり、耳ばかりでなく唇にもピアスをしていたりと、通話相手が想像もしないような風貌の者も多いのだが、総じて彼らの業務スキルは高い。相手の話を聞きながら、相手が喋るスピードに合わせて、なんの苦もなくログを残すことが出来るし、言葉使いや対応もキチンとしている。それなりの研修を受け、経験も有る人達なのだ。コールセンターは声のみでの対応となるので、外見は問わない。キチンと喋れてキチンと対応出来れば、それで良いのだ。ただ、広く胸を開けた服、ミニスカートは禁止している。肩や腹を出した服もNGだが、カーディガンを羽織ったり、膝掛けを掛ければOKなどドレスコードは有るが、その辺は比較的緩い。通話相手は恐らく、紺のスーツを着た男女が対応していると思っていることだろう。

 二本指、チョキが上がった。私は足音を立てないように気を付けながら、その場所に走った。二十五、六の優秀なスタッフだ。センターが通常稼働するようになればSV(スーパーバイザー)として働いて貰う予定の男だ。側に寄ると音漏れがするほどの大声で相手が喋っているのが分かった。オペレーターが目配せをする。私はヘッドセットの端子を彼の電話機に繋ぐ。
「てめえ、聞いてんのか、こら!」
「はい。承っております」
「だから、どうすんだよ! ええっ? 昨日電話に出た女、なんて言ったと思う? 『ですから、それは出来ないと何度も言いました』って偉そうに言ったんだぞ。それが客に対する言い草か?」
「大変申し訳御座いませんでした。本人に代わりましてお詫び致します」
「お詫びしますじゃねえんだよ。そう言う態度取ってもいいと教えてんだろう、大した客じゃ無ければ……」
「申し訳御座いません。教育が徹底していなかったことをお詫びし、今後そのようなことが無いように徹底したいと思います」
「今後じゃねえんだよ。俺に対してどうするんだって聞いてんだ」
「大変申し訳有りませんでした。改めてお詫び致します」
「お詫びします。お詫びしますじゃねえだろう。口では何とでも言えるんだよ。どうすんだ!」
「申し訳御座いません」
「どうすんだって聞いてんだよ! お前じゃ話にならん。もっと上に代われ」
 私は、オペレーターに指でOKサインを出した。
「上司に代わりますので、少々保留にさせて頂いて宜しいでしょうか?」
「さっさと代われ。待たせんなよ」
 オペレーターがPC内のツールの保留ボタンをクリックし席を立つ。私は、わざと少しインターバルを取ってからオペレーターと代わって席に座る。そして、ツールの通話ボタンをクリックした。
「大変お待たせして申し訳御座いません。私、管理を担当しております黒川と申します」
「おう、黒川さんか。腹真っ黒な黒川さんじゃねえだろうな」
「そのようなことは御座いません。今、オペレーターから聞きましたところでは、吉田様には不適切な対応でご不快な思いをさせたということで、本当に申し訳ございませんでした。今後オペレーター教育を徹底して参りますので、どうぞご容赦下さい」
「今後は今後でいいんだけど、俺、どうしてくれんの?」
「申し訳御座いません。重ねてお詫びします」
「“ごめんなさい”で終わり? ふざけてんのか?」
「申し訳御座いません。私、吉田様の仰る意味を理解出来ておりませんで……」
「お前なあ、そう言うふざけたこと言ってるなら、帰り道、後ろ気を付けて歩けよ。行くからな」
「申し訳御座いません。仰る意味が分かりません」
「ボケーッ! てめえ、窓から飛び降りて死ねー。社員が一人自殺すりゃ、会社も少しは考えるだろうから、おい! 腹黒っ、今、窓から飛び降りろ、早く行けー!」
 ヘッドセットから漏れるほどの大声で喚いているので、当然音漏れしており、代わったオペレーターだけでなく、近くに居る他のオペレーターも、チラチラとこちらを見る。
「申し訳御座いません、吉田様。こちらのセンター一階に御座いますので(実際には八階)、ご要望にはお答え出来ませんが、吉田様のご要望、手前共のオペレーターの対応、録音を聞き起こしまして、今後の対応を検討させて頂きたいと思いますので、後日、また、改めさせて頂けますでしょうか?」
「録音? 何だそれ」
「はい。最初にお電話頂いた際、『対応の品質管理の為、会話を録音させて頂きますのでご了承下さい』と言うアナウンスが流れたと思いますが……」
「ああっ? 知らねえぞ」
「ご要件別の対応窓口の番号をプッシュした際、暫くお待ち下さいと言う案内に続いて流れておりますが」
「……混んでて待たされるから、そんなのいちいち聴いてやしねえよ。繋がってから耳に当てた」
「左様で御座いますか、大変お待たせして申し訳ございませんでした。また、改めさせて頂くと言うことで宜しゅう御座いますか?」
「……もう、いいよ! 何回話したって埒開かねえから、架けて来んな、馬鹿」
 通話はそれで切れた。
「有難う御座いました」
 代わったオペレーターが私に言った。
「反社ですかねぇ?」
「いや、違う。普通の人だ」
「でも、凄かったじゃないですか」
「お客さんの住所見てみなよ。番地と部屋番号しか載ってないだろう。その番地に有るのは公務員宿舎だ」
「ええっ? 公務員ですか、あの人」
「普段は普通の人なんだろう。仕事でストレス溜まってんのかな。運転すると人格変わるけど、普段は温厚な人、よく居るじゃん。事が大きくなり過ぎて困るのは、アチラの方ってことだ」
「……確かに」
「仮に本物の反社だったとしても、通話で殴られることは無いし、このセンターの所在地も分からない。仮に突き止めたとしてもこのビルで働く人の中から、会ったこともない君や俺をどうやって見分けられる? ドーンと構えて丁寧に対応する。こっちがストレス溜め込んじゃ駄目だ。気を付けなければならないのは、一歩外へ出たら、業務の話は絶対にしないことだ。居酒屋やカフェで、誰かの耳に入ったらアウトだからな」

SWAT

執筆の狙い

作者 青木 航
sp49-98-39-49.msd.spmode.ne.jp

コールセンターで起こるちょっとした出来事を切取りました

コメント

中小路昌宏
softbank060101002041.bbtec.net

 読みました。

 こんな仕事もあるのですね。
 職場の様子がよく分かる、良い作品だと思います。
 ただこれは電話をかけてきた顧客に問題があるように書かれていますが、商品を売る業者側に、相手の無知に付け込んだ不当な販売契約を結ばせるといった事例もあるような気がします。
 
 私の知人もそれに引っかかり、消費者センターに連絡して解決してもらったようです。

青木 航
sp49-96-244-198.msd.spmode.ne.jp

 中小路昌宏様、お読み頂いた上、感想を付けて頂き有難う御座います。 
 構成も甘い小品ですが、お褒めの言葉を頂き嬉しいです。

>商品を売る業者側に、相手の無知に付け込んだ不当な販売契約を結ばせるといった事例もあるような気がします。

 仰ること良く分かります。ただ、そういったブラック企業は、テレアポを取ることはしてもカスタマーセンターのようなものは用意していないと思います。

 そういう会社の場合は、担当者が留守とか言って対応を引き伸ばし、例えばクーリングオフ期間が過ぎるようにするとか悪質です。仰る通り、その場合は早めに消費者センターに連絡するのが良いと思います。

 この作品では、例えば、原発事故後の電力会社とか、顧客情報漏れで問題になった通信教育会社とか、つい最近、大規模な通信障害を起こした携帯会社など、一応、まともな会社を想定しています。しかし、会社側がキチンと対応していないと言う例は当然有るはずです。

 顧客の言い分が正しい場合も多々有ると思いますが、この作品の場合は所謂クレーマーを描いたと言う風にご理解頂ければ有り難いと思います。

青木 航
sp49-96-26-149.msd.spmode.ne.jp

✢申し訳有りません。誤字訂正です。

誤 少なくとも部長級の人間が手土産持って誤りに来い』

正 少なくとも部長級の人間が手土産持って謝りに来い』

 他に“のの”と続いてしまっているところが有りますが、愛嬌と思ってお許し下さい。

ドリーム
softbank126077101161.bbtec.net

拝読いたしました。

コールセンターで多いの通販などがありますが

>私は或るコールセンターの立ち上げにリーダーとして参加することになった。名称も電話番号も外部には一切公開されない特殊な部署だ。

上記の説明を読んだ限り、違うようですね。
不思議なのは誰にも知られて居ないのに何故、電話が掛かってくるのでしょう。
それもクレーマーの輩から。
苦情処理する会社なのでしょうか。処で収益はなんでしょう。
ちょっと気になりました。

その辺を度外視して。内容は、なるほどと思いました。
相手が誰であろうと言い返さず処理して行く徹底さ。まさにプロ集団。
もしかして通販などから依頼されて苦情処理が収益かなとも思いました。
勝手に想像してしまいしまた(笑)
楽しませて貰いました。

青木 航
sp1-75-158-17.msc.spmode.ne.jp

ドリーム様、お読み頂き有難う御座います。

>不思議なのは誰にも知られて居ないのに何故、電話が掛かってくるのでしょう。
それもクレーマーの輩から。

 この疑問への答は本文の中に有りますので、貼り付けておきます。

>リーダー対応で納得しない場合は、SV若しくはベテランのオペレーターが折り返し電話することになる場合も有る。

 それでも収束しない場合対応する部署を立ち上げようと言うのです。  
 通常のコールセンターでヘビークレームの継続対応をすると、架電効率が悪くなったり、入電では、回線が塞がっていて他の顧客が長く待たされたり、中々繋がらないなどと言う弊害を招く為、専用部署を設けようと言う訳です。
 なれないスタッフが対応するより、専門スタッフが対応する方が効率は良い訳です。
  
→各部署から未解決のクレーム案件が一覧データとして送られてくる。それに架電対応するのがSWATの仕事だ。

→管理者レベルが対応しても解決出来ない案件を一箇所に集めて専門対応しようと言うのが『SWAT構想』なのだ。

>苦情処理する会社なのでしょうか。処で収益はなんでしょう。

→その業務は或る派遣会社が引受け、オペレーター付きでセンターを立ち上げることになった。

>処で収益はなんでしょう。

 このご質問は、中小路昌宏さんのコメントへの既回答の中から引用させて頂きます。

→例えば、原発事故後の電力会社とか、顧客情報漏れで問題になった通信教育会社とか、つい最近、大規模な通信障害を起こした携帯会社など、

を想定しています。当然、元の事業で収益を上げていますし、カスタマーセンターくらいどの会社も持っています。ただ、丸投げ委託というのも結構ありまして。

>もしかして通販などから依頼されて苦情処理が収益かなとも思いました。

 委託を受ける派遣会社にすれば、正にその通りです。
 本題から外れますが、私、あのTV通販の白々しさが大嫌いでして、始まるとチャンネル替えます。余談ですが、あのトークで通販に嵌る人って詐欺にも引っかかり易い人なんじゃないかなって思ってしまいます。語弊が有りますかね。

>内容は、なるほどと思いました。

とのお言葉は有り難く頂きました。

RB
p7606195-ipoefx.ipoe.ocn.ne.jp

 コールセンターで働いた経験があり、電話対応中に手を挙げてヘルプを出したりリーダーやSVに対応を変わってもらうという書かれていたことを思い出して懐かしくなりました。
 クレームというか怒っている人にはただただ寄り添って謝り続けることになりますよね。
 部分の切り取りと説明の仕方を上手く小説の形にまとめられているなと思いました。
 ほっこりするような優しい高齢者との電話対応のお話なんかも同じように作れるのかなと思いました。

青木 航
sp49-96-30-142.msd.spmode.ne.jp

RB様、お読み頂き有難う御座います。

>部分の切り取りと説明の仕方を上手く小説の形にまとめられているなと思いました。

と仰って頂いて有難う御座います。しかし、小説と言うには恥ずかしいほどの小品です。

>クレームというか怒っている人にはただただ寄り添って謝り続けることになりますよね。

 日本の大企業と言うのは、特に電話対応では基本こういうスタンスなんですが、それが所謂“モンスター・クレーマー”を増やしているのではないかという議論も近年行われています。
『お客様は神様です』と言う建前。企業がそういうスタンスに立つのは良いかも知れませんが、顧客側に。“何を言ってもいいんだ”という勘違いをする人が一部生まれていることも確かなのです。SNS同様、日頃のストレスをそういった形で発散する人たちも一部存在しますよね。
 ホテルや高級飲食店などでは低姿勢に徹していますが、コンビニや外資系企業のサポートセンターなどでは、『出来ません』『有りません』など、結構平気で言っています。

>ほっこりするような優しい高齢者との電話対応のお話なんかも同じように作れるのかなと思いました。

 なるほどと思いますが、私には結構ハードル高いです。

夜の雨
ai195158.d.west.v6connect.net

「SWAT」読みました。

>コールセンターで起こるちょっとした出来事を切取りました<

結構詳しく書いてありましたので、興味深く読ませていただきました。
こちらに書かれているお話は、作り話なのですかね?
それとも、リアルな内容ですか?

小説とは少し違うような「コールセンター」の説明を聞かされているような感じでしたが、後半でやっとエピソードになりました。
ただ、もめごとの顛末が描かれていたので、面白かったですが。

それでは頑張ってください。

お疲れさまでした。

青木 航
sp49-97-25-133.msc.spmode.ne.jp

 夜の雨様、コメント有難う御座います。一つ前に、コールセンターでの就業経験が有ると言うPBさんも感想を寄せて頂いていますが、実態です。実態ですが、或日或る時起こった実話では有りません。単に有りがちな話です。

 夜の雨様の評価を頂けるほどのものではなく、オチだけは付けているので、落語で言えば枕か小話ですね。

 ただ、情け無いことに力を入れて書いたものより、分岐点、ロボット、SWATなどの小品の方が大方の感触はいいようです。

京王J
M106073002160.v4.enabler.ne.jp

青木 様

拝読しました。

青木様らしい作品ですね。

夜の雨様も、

>>小説とは少し違うような「コールセンター」の説明を聞かされているような感じでしたが、後半でやっとエピソードになりました。

と書いている通り、

これは小説というよりエッセイですね。
いつも青木様がジャンルを間違うのは、おそらく読者のことを考えていないからでしょう。
まあ、ごはんに投稿するだけなら、それでもいいんじゃないですか。
夜の雨様のように、忖度して読んでくれる有難い方がいるので。
ただし、青木様の書きたい歴史小説や時代物を投稿する時は、読者のことをもっと考えたほうがいいですよ。

>>ただ、情け無いことに力を入れて書いたものより、分岐点、ロボット、SWATなどの小品の方が大方の感触はいいようです。

と、ご自身でおっしゃってますが、

要するに青木様は、小説は「他人に伝わる文章」で書けないが、エッセイは(ある程度)他人に伝わる文章で書けるということでしょう。

今回はある程度は「他人に伝わる文章」で書けているので「大方の感触」が良いのだと思いますよ。
ただ、文体がとても上松様に似ていて読みにくいので、そこは直したほうがもっと読まれるかもしれませんね。

とは言え、素晴らしい作品で私は好きです。
今後もどんどんエッセイを書いてください笑

京王J
M106073002160.v4.enabler.ne.jp

あと、作品と作者の人格はリンクしていますから、青木様のように「他人に伝わらない文章」を書く人は、基本的にずっとそのままだと思います。

永久に「売り物にならない文章」を書き続けることになると思います。
この点は、月婆様のおっしゃっていたことが正しいですね。

でも、私は青木様の作品も人格も面白いと思っていますから、これからもごはんで書いてください。

青木 航
sp49-96-33-75.msd.spmode.ne.jp

京王j様、お読み頂き丁寧なコメント有難う御座います。作品評なので、『そうお取りになったのか』とご意見ご感想として、有り難く頂戴します。

Zen
sp49-106-207-195.msf.spmode.ne.jp

「SWAT」読ませていただきました。

狙いが「コールセンターで起こるちょっとした出来事を切取りました」ということなのですが、リアリティーが感じられれば良いということでしょうか?
そういう意味ではリアリティーは感じました。というか実情を紹介している話かと思って読んでいました…。もちろん小説仕立てになっているわけですが。
SWAT相当の組織が実際にあるのかは知りませんが、あっても特に不思議ではないかな、と思いましたし…。

青木 航
sp49-98-117-96.msd.spmode.ne.jp

 Zen様、有難う御座います。

>リアリティーが感じられれば良いということでしょうか?

 それ以上は角が立つと思って言葉を控えられたのでしょうが、その後には『私には小説とは思えなかったのですが』とでも続けたかったのではないでしょうか?(笑い)

>>小説とは少し違うような「コールセンター」の説明を聞かされているような感じでしたが、

と夜の雨様にも指摘されているので、多分そうなのでしょう。

 自分の中では、ある種のトレーニングのつもりなのですが長いばかりで、一向に読んでいただけないものばかり書いてきましたので、サラット読んで気楽にコメントを頂けるだけでも楽しいです。

Zen
sp49-106-217-253.msf.spmode.ne.jp

青木様

> それ以上は角が立つと思って言葉を控えられたのでしょうが、その後には『私には小説とは思えなかったのですが』とでも続けたかったのではないでしょうか?(笑い)

いいえ。私はそういう忖度はしませんので…。そもそも、「小説仕立てになっている」と書きましたし…
純粋に、狙いが分からなかっただけです。
どういうポイントでコメントして欲しいのかを表明しておいた方が、よりコメントしやすい気はします。

青木 航
sp1-75-224-189.msc.spmode.ne.jp

 狙い…… ですか? 電話やNetでは、普通の人が反社みたいなこと平気で言えますよってことですかね。

“なりすまし反社”なんてうじやうじやいますからね。

 後、大企業や役所では、社員や職員が通常業務の片手間に顧客や利用者に対応してる訳じゃありませんよと言う実態とか『お客様は神様です』みたいな対応が、実はモンスターを生む原因になっているとか、でも、そのモンスター・クレーマーって実は、世の中に不満タラタラな抑圧された弱き庶民で、安全なところで別人格を演じてストレス発散しているだけとか色々有りますけど、『執筆の狙い』に書けるほど小説として描けてる訳じゃないので、読んでそう感じた人がニヤっとしてくれればいいがなってなところですかね。

 でも、そう書いたら、全く描けていないと言う反応しか無くなるでしょうけど……

Zen
sp183-74-192-113.msb.spmode.ne.jp

すみません。省略し過ぎました。
「内容の狙い」ではなく、「執筆の狙い」という意味です。
なので、
> 小説として描けてる訳じゃないので、読んでそう感じた人がニヤっとしてくれればいいがな

といったところが「執筆の狙い」に書いてあったら、迷わずコメントできたように思えました。

青木 航
sp49-98-224-171.msd.spmode.ne.jp

 いえ、こちらこそ気を使わせ過ぎたようですいません。

『執筆の狙い』って、『私はこういうつもりで書いたので負が、そう描けていますか?』と問いかけて、それに付いての皆さんの感想を頂くためのものなのでしょうね。

 ただ、お笑い芸人がギャグを言って誰も笑わなかった時、何故面白いかを説明するってのも変ですよね。

 黙って作品を提示して、誰もそう取らなかったら、伝わらない描けていないってことなんでしょうけどね……

 だから、作者の意図と違うか取り方をされて、『読めて無い』なんて反論するのは本末転倒なんでしょうね。そう読んで貰える人が少なければ書けてないと言うことでしか無い訳です。

 有難うございました。

青木 航
sp49-98-224-171.msd.spmode.ne.jp

訂正です。すいません。

☓私はこういうつもりで書いたので負が、
○私はこういうつもりで書いたのですが、

☓作者の意図と違うか取り方をされて、
○作者の意図と違う取り方をされて、

失礼しました。

久々の男
softbank126081125061.bbtec.net

どうも、青木さん、作品拝読させていただきました。

こりゃ、凄いですね! めっちゃ、リアル感がある。

どうしようもないクレーマーの男と、SWATの主人公の電話のやり取り。その攻防は、「録音してます」の一言で終着する。

特に執拗な恐らく普段は温厚であろう公務員の男のねちねちとした台詞は、僕も舌を巻きました。

絶対、何某かの経験があってのことだろう、と思わせるだけのストーリーテラーだと思います。

話は逸れるのですが、僕はヤンマガを年甲斐もなく買っていて、その中のお気に入りの作品に「税金で買った本」という漫画があるんです。コレ、原作者がついていて、ずいのっていう人なんですが、図書館の内部や職員さんのことにめちゃめちゃ精通しているんです。作画の人と相まって、独特の雰囲気を醸し出しているんですが、青木さんもそんな漫画原作者とかできるんじゃないかなと思いました。

その根拠は、原作者ってただ知識があればいいってもんじゃないと思うんですね、僕は。
ちゃんと、知識があるにしろ、それが生きた人間や社会を書いていないと駄目だと思うんですよ。

僕は青木さんの作品をこれ一つしか知りませんが、そんな才能の片鱗を感じたように思うんです。

ただ、それはあくまで片鱗です。必要条件ではあるが、十分条件ではない。

それは他の方々の指摘のように、まだ掌編であるため、作家として必要な全体図が見えていない。

もっともそれは僕が青木さんの長編の作品を読んでいないからかもしれませんが、でも、あの三島由紀夫も「花ざかりの森」は処女作だったけど、短編だった!(これは僕が読書家やで~という見え透いたマウントをとるために書いている~)

青木さん、資質は十分だと思いますよ~。頑張って自分の武器を活かす長編を書いてください!!!

青木 航
sp49-96-243-92.msd.spmode.ne.jp

 久々の男様、有難う御座います。私が参加する前に活躍されていた方なのか、私が参加した後もいらしたが拙作は読んで頂いていないと言うことなのか分かりかねますが、なんとなく褒められてるのかな? っと感じて嬉しいです。有難う御座います。


>青木さんもそんな漫画原作者とかできるんじゃないかなと思いました。

とのコメントは意外性が有ります。何故かと言えば、私、ストーリーを考えることは好きなのですが、多くの人が『面白い』と思うストーリーではないようなので、漫画の原作とは意外なご提案です。因みにラノベも苦手でして……

>頑張って自分の武器を活かす長編を書いてください!!!

って言われると直ぐその気になる阿呆なもので、ご迷惑でなければ、下記をざっとでも読んで頂ければと調子に乗ったお願いをしても宜しいでしょうか?

https://www.alphapolis.co.jp/novel/674006547/962749626/episode/7048087

久々の男
softbank126081125061.bbtec.net

どうも、青木さん、リンク先を貼って頂いてありがとうございます。
本格歴史小説「修羅を征く」第一章「貴族への道(1)」をざっとですが、読ませて頂きました。

父、源経基に最初は無関心だった周囲の貴族連中が、平将門の乱のどさくさで、経基が官位を取った途端、掌を返して媚びてくる様子をつぶさに見ている主人公の源満仲。
そして、彼が悟ったことは「よくよく人間の本性を見極めなければ!」

NHK大河ドラマ「風林火山」の信玄に仕えた山本勘助が言いそうなセリフだと思いました(古い喩えですみません)。

ただ、僕は古い人間なんですが、最近、こういった時代モノは漫画やドラマなんかで読んでいるんですよ……。

松井優征先生の最後の執権北条高時の息子の北条時行の生涯を描いた「逃げ上手の若君」。コレ、南北朝時代の争いを描いているようで、もはや妖怪と化した足利尊氏と戦う時行は異能の敵と仲間たちと戦う。要するに「ブリーチ」みたいなジャンプのバトルものです。

あるいは、去年の大河「鎌倉殿の13人」。段々、ダークサイトに染まっていく小栗旬演じる北条義時と、その主君の大泉洋の頼朝や、ラスボスの尾上松也演じる後鳥羽上皇。怪演する役者さんたちのオーラは凄まじかったです。

これらの最近の歴史モノってもの凄く、際立っているんですね、僕には。
特に初回とか凄いですよ。「鎌倉殿の13人」では、若き義時が女に化けた頼朝を馬で包囲網から脱出する。
冒頭では姫を連れて逃げてるんだな、と思いきや、ラストではおっさんを連れているんだ、と落差が激しい。
そんな視覚的な演出で僕の心は鷲掴みにされました。

そんな刺激物に慣れている僕には青木さんの初回はちょっと弱かったですね。
また、時間があれば、続きを読むかもしれません。
ただ、今から風呂に入って、趣味の絵画制作を始めないといけないので失礼します。
頑張ってくださいね~~~。

fj168.net112140023.thn.ne.jp

拝読しました。
題名からして、どれ程特別な、高度なクレーム対応をするのかと思いきや、普通でしたね。しかも最後は「録音されている」という当たり前の脅し(脅しとも言えないが)で幕ひきですか……?
これでは特別、教育を受けるなどは要りません。ひとしきり謝罪したあと脅し文句を言えば事足りる。学生アルバイトでも出来る仕事ですね。
つまりあなたの小説の伏線は「SWAT」という大それた題名に集約されているのです。読者はどのように、崇高にその伏線が回収されるか期待をもって読んでいるのですよ。わかりますか?

青木 航
sp49-97-25-126.msc.spmode.ne.jp

 久々の男様、図々しいお願いにも関わらずお忙しいところ目を通して頂いたこと御礼申し上げます。

>そんな刺激物に慣れている僕には青木さんの初回はちょっと弱かったですね。

 仰る通りエンタメ性に欠けるかも知れません。大河、今の『どうする家康』はちょっと頂けませんが、『鎌倉殿の13人』は配役が発表された時点で面白そうと思いました。
 北条義時、陰険な策師というイメージなのでヒーローとしては扱い難いキャラですから、どう描くのかと思いました。また、小池栄子の北条政子も面白そうだと思いました。嫉妬に狂って愛人が住む館を打ち壊させるところとか賊軍となることを恐れる鎌倉武士達に大演説をするシーンとか楽しみだと思いました。打ち壊しに義経が関わっているとしたのは意外でした。
 欠点満載、自己中だがちらっと凄みを見せる頼朝。大泉洋、役者として凄いと思いました。
 上総広常役の佐藤浩市も良かった。まんまと頼朝に操られる歴史的には完全脇役の広常の存在感、凄かったと思います。
 三谷幸喜の現代物では好きでない作品も有りますが、この作品は手放しで喝采です。

 私も実は大河の台本のようなものを書きたいのです。立ち上がりが物足りないとの感想ですが、もしお時間が許せば最後まで目を通して頂ければと思っています。有難う御座いました。満仲も義時同様ダークヒーローです。

 私の不徳のいたすところから、お見苦しいコメントが付いていることをお詫びします。

青木 航
sp49-97-25-126.msc.spmode.ne.jp

 凪様、入れ違いで感想頂いていたことに気づかず、大変失礼いたしました。

 固有名詞一切出せませんが、これは、或時期、ある企業で実際に行われていた対応にきわめて近いです。か寧ろノンフィクションに近いですね。或時期、或企業に内部で『SWAT』と呼ばれていた部署が存在したことも事実です。そう言う意味ではエンタメ性に欠けるというご指摘は甘んじてお受けします。

>学生アルバイトでも出来る仕事ですね。

 仰る通りです。多くのコールセンターは外部委託で、実際の対応をしているのは派遣労働者が多いのが現状です。社員が電話を取っているケースの方が稀でしょう。ですから、主婦でも学生でも出来なければいけない訳です。

>これでは特別、教育を受けるなどは要りません。

 もし、貴方がコールセンターの管理者で、集めた人間に教育もせずいきなり電話を取らせて運営して行けたら、全国の派遣会社から最高給で迎えてもらえるでしょうね。賃金払いながら100人、200人を一週間も研修してから現場に出すのは大きなコストが掛かる訳ですから、“そんなもの無しで運営して見せる”と言う人がいたら是非お願いしたい訳です。
 勿論研修には、商品知識、或いは業務内容からコンプライアンス、対応事例、NGワードの理解その他諸々有り、ロープレをやった上、最初は先輩がモニタリングしながらの実践となる訳で、この時は、一本の電話に二人分の時給が発生している訳です。ですから、それが不要となれば企業は大喜びです。

 いきなり『社長の名前言ってみろ』という人もいるので、言われて『……ええとー』と口籠るだけでクレーム作ります。

 と言い訳は別として、面白く無かったというご指摘は謙虚に承ります。お読み頂き有難う御座いました。

久々の男
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どうも、青木さん、先日は熱い返信ありがとうございます。
青木さんの「鎌倉殿の13人」に惚れ込む熱量のある想いが伝わってきましたよ。

さて、青木さんの「修羅を征く」の第一章「貴族への道」1~4まで読み終えました。
そこで区切って、こうして感想を書いているのは、青木さんの文章の情報量が半端ないからです。
一文、一字でも読み飛ばすと、何が書いてあったのか分からなくなる。
それだけ要約して、密度の濃い文体を心がけているのだと思います。

でも、それでも、果たして内容を掴んだのか分からないのですが、源満仲という人物がどういう人間なのか?ということは、多少分かったように思います。

前回でも書きましたが、父親の失態の例と、そんな父のことを軽薄に取り扱う貴族。そんなうつろう無常の世界を見てきた満仲は、自分の力のみを信じる人間に成長していく。
身体を鍛え、表情筋もスマイルできるように鍛え、摂関政治全盛の公家に犬のように従い、出世する機会を伺っていく。
それは肉親であっても変わりはない。弟の脳筋の満季も手玉に取り、検非違使の地位に就けるように取り計り、実際そうなる。
一見、主君のように仕える源高明も、他のライバル藤原千晴が出たり、摂関家とのバランスが悪くなると、でっち上げのクーデターに乗じて、左大臣から引きずり下ろす。

現段階で思うことですが、この源満仲という人物に、読者が感情移入出来るか?ということがちょっと引っ掛かりました。ご存じのことと思うのですが、「鎌倉殿の13人」の北条義時という人物は、最初は、田舎の伊豆の豪族の次男坊で、勘定が得意というだけの気のいい優しい青年です。頼朝に取られることになりますが、八重という想い人がいます。
最初の段階では、義時演じる小栗旬は、好感度、感情移入度100パーセントでした、僕は。
でも、彼は頼朝との出会いや、様々な北条家のお家事情などで、だんだんと変わってゆきます。
後半では人の好さは全く消え、時折、自分の決断に涙することはあってもそれを見せず、闇の権力者になっていきます。
最終回のことは忘れられません、八重の忘れ形見の泰時のことを案じて、また「敵」を殺そうとする義時を政子は――。

そんな義時とこの青木さんの満仲の違いは何でしょうか?
それは、この満仲が最初から「悪人」ということです。
義時は、人を殺める時に良心の呵責があった。すくなくとも視聴者には。
でも、満仲は最初からそんなことを思ってもいない。身内に対しても。

かなり厳しい感想になってしまいましたが、この感想は僕が小説やドラマに求める条件の一つです。
ただ、一つ弁解すると、これだけ満仲という人物がステレオタイプで分かるということは、それだけそれを産み出した青木さんの表現力がクリアであるという証拠だと思います。
乱文乱筆失礼しました。

青木 航
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 久々の男様、お忙しいところ、貴重なお時間を割いて頂いて、第一章を読んで頂けたと言うことで、感謝致します。

>この源満仲という人物に、読者が感情移入出来るか?ということがちょっと引っ掛かりました。

とのご指摘。読んで頂く方の興味を繋げるかと言う懸念が出て来るのですが、史実では、満仲は義時とは逆の生き方をした男なのです。 

 悪評をものともせず出世しますが、永延元年、全ての職を辞し、多田の邸宅において郎党16人及び女房30余人と共に突然出家してしまいます。これは当時大きな驚きを以て都人に受け止められました。
 この出家について、藤原実資は日記『小右記』に「殺生放逸の者が菩薩心を起こして出家した」と記しています。

 実は、これがテーマで、何故出家したかを描いています。
 高僧の一言で悔い改めたなんていうのは、オハナシとしては面白いですが、絵空事っぽくなります。

 人生が上手く行かない者が、誰かの一言で目覚め、生き方を変えると言うなら有り得ますが、成功者が何故突然出家しなければならなかったか? それなりの段階と納得できる心理的な変化が描けているかどうか、それが問題です。
 後半は理屈っぽくなるかと思います。返信有難う御座いました。

久々の男
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どうも青木さん、「修羅を征く」をざっと全部読み終えました。
かなり、思考力を要求する硬質な文体だったと思います。

内容を全部読み切ったという自信はないのですが(特に満仲と源賢の仏道問答)、分かる範囲で感想を書きますね。

第二章では、世話になった藤原兼家の権力奪取に加担する満仲が描かれますね。
花山帝の、失恋しちゃったから仏門に入る! という我儘に乗じて、兼家の息子の道兼がうま~く帝をリードする様が印象的でした。満仲は現状の摂津守の官職で十分でしたが、兼家のお願いなら仕方ない!と一肌脱ぐ、ちょっとピークを過ぎたサラリーマン的な描写が良かったです(そして、これが第三章の、彼が無常観を抱くようになる伏線ですよね)。

第三章では、そんな満仲が今まで殺してきた敵だった者の悪夢を見ることから始まります。宿命のライバルだった藤原千晴が僧侶になって彼に仏道を説きます。最初はスルーしていた満仲も、老いには勝てず、仏門に出した6男の源賢に「俺は仏の教えでは地獄に落ちるのか?」という切実な問いを投げかけます。元々徹底したレアリストだった彼がこんなことを聞くのはよっぽどのことだったのでしょう。そして6男の誠実な答えに満足した満仲は、フィナーレ(出家)を迎えます。

……ってな理解でいいでしょうか? 青木さん。僕の読解力ではこれが限界だよ~

青木さんの論理力(もっと言えば長文の文章力)というのは、この作品を読んだ感じ、凄いと思います。章の小節にしても大体均等に6千字程度でまとめているし、その小節の中で起承転結が出来ている(新聞の連載小説を想起しました)。
僕も昔、長編の作品を書いていたことがありますが、まず完結に持っていけなかったし、ましてや、章分けなど全然できませんでした。

ただ、気になったことを言えば、これは僕個人の好き嫌いの問題なんですが、女性が出てこない(!!!)
三谷幸喜先生の大河ドラマで「真田丸」という作品がありますが、あれに登場する長澤まさみちゃん演じる「きり」(!!!)。こういうヒロインが欲しい! 彼女はドラマの中でも特異な存在で、時代劇なのに現代語を喋る所が僕は印象的だったんですよ。ちょっと、青木さんのこの作品、そんな色気がなかったかな~

もう一つ、北条義時と源満仲の比較の件ですが、これは、僕と青木さんの間に断絶があるかな~と思いました。「ダーク」な人物というイメージが違うというか……。僕が思う登場人物の「内面の変容」と、青木さんのとで違うので、どっちがいい、悪いという問題でない気がします。ただ、少しこちらの感想を言えば、人間の内面の変化というのは、平安時代の人物ならともかく、僕だったら、仏道も問答ではならないかな……。

でも、青木さんの作品を読んで、とても勉強になりました。実は僕、ユーチューバーの樺沢柴苑さんのインプット:アウトプット=3:7説を信じていて、本当に失礼なんですが、そんな訓練も兼ねて、久々にこの「作家でごはん!」サイトを覗いたんですよ。青木さんの作品は自分とは異質な能力と価値観を持っている人の書いたもので、それを自分流に理解しようとしたことが良かったです。青木さん、本当にありがとうございました。

瀬尾辰治
sp49-96-12-213.mse.spmode.ne.jp

別人になりすます青木さん。

ほう~、アルファポリスですか? あなたはごはんのサイトで騒ぎまくって女の子を追いかけ回していましたが、アルファポリスでも女の子を追いかけ回す気じゃないでしょうね。

あなたが追いかけ回していたあの女の子が、伝言板に書いていた内容を、あなたは知らないですか? あなたが他人になりすました数々のHNと、狂人とまで書いていましたが。

お前は、一人の女の子を追い詰めた数年前の旭川の事件を知らんか! お前はあの事件のクソガキと似たようなもんじゃ!

瀬尾辰治
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文春系ユーチューバーはおらんもんですかね?
別人になりすます青木氏ネタはまだまだあるぞ。ユーチューブで流したれ。

青木 航
sp49-96-31-180.msd.spmode.ne.jp

>かなり、思考力を要求する硬質な文体だったと思います。

→そうですか。意外でした。ストーリーの分かりにくさは有っても、文章だけはシンプルで分かり易い文章を心掛けているつもりでしたが……

>……ってな理解でいいでしょうか? 青木さん

→はい、その通りです。

>青木さんの論理力(もっと言えば長文の文章力)というのは、この作品を読んだ感じ、凄いと思います。

→うーん。自分ではシンプルで分かり易い短文を心掛けているつもりなんですが、やはり、分かり難いんですかね。

→ただ、気になったことを言えば、これは僕個人の好き嫌いの問題なんですが、女性が出てこない(!!!)

 そこですね。歴史資料には、高貴な女性以外は女性が出て来ないんですね。大作家は、そこに魅力的な女性を登場させますね。ストーリーを通してその女性を絡ませて描けないのが私の最大の欠点ですね。大作家は例外なくやっているのに……。『鎌倉殿の13人』でも、新垣結衣さん、やっぱり惹き付けてましたよね。
 ついつい男ばかりのストーリーになってしまうので、女性を書こうと思ったのですが、前作では、宇宙人に操られたロボットとイメージセックスをすると言う変な話を書いてしまいました。
 現代ものでは書くのですが、歴史事件を書くと女性が見えて来ないので、そこに魅力的なヒロインを創造してどう当てはめて行くか、今後の大きな課題ですね。
 
>平安時代の人物ならともかく、僕だったら、仏道も問答ではならないかな……。

→申し訳有りません、ちょっと仰る意味が汲み取れていません。

>青木さん、本当にありがとうございました。

と仰って頂いて恐縮です。こちらこそ本当に有難う御座います。

瀬尾辰治
sp49-96-12-213.mse.spmode.ne.jp

なりすましの青木さん。

いつかあなたが伝言板に書いていた、電車の中で暴力団員を一喝したという話しですが、ホラじゃあないですか? ほんまですか?(爆)

青木 航
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久々の男様、
すいません。前段が抜けてしまいました。全部お読み頂いたと言う事、まず御礼申し上げます。

久々の男
softbank126081125061.bbtec.net

青木さん、どうも丁重な返信ありがとうございます。
先ほどの僕のコメントで幾つか分かり辛い点があったので、補足で書きます。

>人間の内面の変化というのは、平安時代の人物ならともかく、僕だったら、仏道も問答ではならないかな……。

これは、「仏道問答」が正解で、打ち間違いです。
意味は、平たく言えば、満仲が僧侶の源賢との長文の問答で、自分の内面を更新していきますが、僕だったら、こんな長い会話のやり取りでは、自分の心は変わらないだろうな、という風に取って頂けたらありがたいです。
要するに「論理」ではなく、僕は「好き」「嫌い」のような感情重視の人間だと自分を思っているということです。
余談ですが、他のこの作品の地の文、会話のやり取りでも、僕とは違う青木さんのロジックな思考を感じました。
これはいい、とか悪いとかではなく、その人それぞれの特性と思っていただけると幸いです。

>かなり、思考力を要求する硬質な文体だったと思います。

これについては、青木さんは分かり易い文章を心がけているとのことですが、僕の経験上、ある意味、それは仕方がないと思います。以前、とある古本屋の若い店主さんで、西洋哲学が専門の方がいたのですが、その方曰く、中国や日本の歴史モノは難解で分かり辛い、と。僕から言わせれば、「弁証法」とか「現存在」とか勝手に数学みたいに言葉を特殊に定義づけする西欧の思想書の方が遥かに分かり辛いのですが、相手から言わせれば、短い文章に漢字の人名がわらわら出てくる方が分かり辛いみたいです。
ただ、それにしても、青木さんの文体は良く言えば無駄がないのですが、逆にそれが仇となっている面も僕個人では思いました。僕の、こうした文章からも分かるように、僕自身は無駄な表現、言葉が多い人間です。多分、この問題も、いいとか悪いとかではなく、その人それぞれの特性、あるいは個性だと思っていただけると助かります。

>青木さんの論理力(もっと言えば長文の文章力)

これは自分の文章が分かり辛い意味なのか?と青木さんは誤解されているみたいですが、それは違います。これは青木さんの他人よりも優れている特性です。恐らく、何年、何作と物語を書き続けてきた青木さんのトレーニングで獲得したスキルと思っていただいても構いません。
ただ、意味不明の文章を書き綴る方々も大勢います。それが悪いとは言いませんが、一つの結末、テーマで長文が書ける人はそう大勢はいないと僕は思っています。
僕自身できないことを青木さんが持っているので、この言葉は僕の青木さんへの最大のリスペクトだと思ってください。

青木 航
sp49-96-32-101.msd.spmode.ne.jp

 久々の男様、ご丁寧な返信有難う御座います。私の勘違いや意味の取れなかった部分も丁寧にご説明頂き、全て理解いたしました。

 過分なお褒めを頂き、何か戸惑ってしまいます。有難う御座いました。

 本題から離れますが、頂くコメントの間に見苦しい嫌がらせコメントが挟まっていて申し訳有りません。私も満仲同様ひとの恨みを買う男なのですらしいです。以前幾つも付いていた嫌がらせコメントが消されたと思ったら、別のハンネで内容が似た嫌がらせが付き始めたので同一人物と思われます。
 お恥ずかしい次第です。

青井水脈
om126167090220.29.openmobile.ne.jp

まずはじめに、今作を読んだ感想ではないのですが。失礼を承知で。

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/jisin.jp/entertainment/interview/1615642/amp/%3Fusqp%3Dmq331AQGsAEggAID

・「篤姫」「江」「おんな城主 直虎」脚本家、田渕久美子氏のインタビュー。女性に関する資料がなかったのが苦労した点、これが共通項ですね。


https://www.tenkatsu.net/blog/2017/07/24/1520

・「大河ドラマにおける女性の描かれ方」こちらはタイトルまんまで。やや主観的ではありますが、ズバッとした意見もあり。
他には「おんな太閤記」橋田壽賀子脚本で、先生の描くねねの女性像がよかったとか、そういうインタビュー記事がでてきたり。

>三谷幸喜先生の大河ドラマで「真田丸」という作品がありますが、あれに登場する長澤まさみちゃん演じる「きり」(!!!)。こういうヒロインが欲しい!
こちらは率直な読者の、貴重な意見ではないかと。
それが私も、当時は感想に書いてはなかったはずですが、「坂東の風」の侑菜はあまり存在感がなかった記憶が。露女の方が覚えているんですよね、千方から見た人物像みたいなのが書いてあったはずで。もちろん彼女、侑菜が脇役なのは承知ですが、もう少し色を添えるみたいな? そういう風なエピソードがあってもよかったのでしょうかね。

やっぱり女性を描くのは難しいようですね。そもそも大河ドラマは日曜午後8時放送、視聴者を性別とかで限定するわけにいかず。特に今どきは女性の描き方が問われるようで。
それに「坂東の風」や「修羅を征く」は史実に基づいた歴史時代小説で、女性が主人公とかそういう話じゃないですし。歴史資料同様、女性はあまり出てこない、で通してもよさそうですけどね。

青木 航
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青井様、いつも有難う御座います。

>まずはじめに、今作を読んだ感想ではないのですが。失礼を承知で。

→とんでもないです。余分なリンク貼り付けたのはこちらですから。

>「坂東の風」の侑菜まで覚えていて頂いたのは有り難いと共に驚きです。青井さんが読んでいる数は半端ないのに良くそんなことまでと思います。驚異的な記憶力ですね。或いは、こまめにテキストのコピーを取って整理されているのでしょうかね。いずれにしてもすごいです。

 ところで本題ですが、本当にヒロインが書けないのが悩みなんです。
 特に平安時代辺りですと、高貴な女性以外名前も分かりません。妻が居たのかどうかさえ資料からは確認出来ないことがほとんどです。逆に何人も居たりした訳でしょうけど。

 まず、魅力的な女性像を作り出すこと。次に、史的事件の中で動く主人公にどう絡めて、どんな魅力的なエピソードを紡いで行くか。本当に難しいのですが、歴史小説を書いている作家は皆それをやっている訳ですよね。逆に言えばヒロインを登場させないで読者の興味、関心を繋いで行くことは本当に難しいと思います。

 現代ものでも、余り魅力的な女性を書けているとは言えませんので、今、一番の勉強課題かも知れません。有難う御座いました。

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