作家でごはん!鍛練場

私は目覚めない

アリスティーナ、レモネード。
ああ、その私を呼ぶ声。びろうどのように滑らかで、聞き心地がよく、脳髄を甘く痺れさせる。どこか冷たい場所でしばらく横たわっていた私は、うっすらと瞳を開いた。
真っ黒くて、艶やかな何か。それは、まだ朧げな視界の端に飛び込んでくる。
「アリスティー」
ここはどこ?私を呼んでいるのは、誰なの?
私の名をひっきりなしに呼ぶ声は、どこか懐かしげに響いた。不意に、胸の内がかき混ぜられたように息苦しくなる。
懐かしくて、切なくて。ずっとずっと大切にしていた宝物を、人生の途中で置き去りにしてしまったような感覚。
「アリス」
名前を呼ばれるたび、心臓が大きく飛び跳ねた。どくん、どくんと体の内側から確かに鼓動が聞こえてくる。全身の血が、何かを求めて荒れ狂うかのようだった。
「ティー、もう、目覚めないのか?」
今度は切なげな声。声を掛けてくる誰かさんは悲しんでいるみたいだ。と、私は思う。
なぜそんなにも、私の名を呼んで。

私は目覚めない

執筆の狙い

作者
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美しく幻想的で、でも刹那げな雰囲気を纏う小説を書きたかったからです。

コメント

大丘 忍
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小説というからにはストーリが必要ではないでしょうか。

pw126233253056.20.panda-world.ne.jp

大丘さま、コメントありがとうございます♪
ここに記載していないだけで、一応ストーリーはあります。ですが、私の説明不足かつ不手際であったことを、お詫びします。
文章はいかがでしたか?
もしお答えいただけるのなら、大変ありがたく思います

青井水脈
om126167083161.29.openmobile.ne.jp

「私は目覚めない」読ませていただきました。
私も、小説よりむしろ戯曲とかのワンシーンみたいな印象で。話は見えないことには、感想は書きにくいと思いましたが。文章の批評でしたら。

>ああ、その私を呼ぶ声。
>人生の途中で置き去りにしてしまったような感覚。
>今度は切なげな声。

ヒロインの一人称で、体言(名詞)止めの文章が多い。横たわったままで、呼びかける声によって引き起こされる身体の感覚が丁寧に描写されている。
うーん、やっぱり戯曲っぽい雰囲気かと。長編でこの調子が続いたら、読み手としては少し疲れそうですが、文章に読みにくい分かりにくいところは見当たらないし、完結までは読んでみたいですね。

大丘 忍
p0195755-vcngn.oska.nt.ngn2.ppp.ocn.ne.jp

美文を連ねたのが上手い小説だと思っている人が多いようですね。私はそうな文章には小説としての価値を認めません。

夜の雨
ai194129.d.west.v6connect.net

「私は目覚めない」読みました。

ひとつの出来上がった作品の「一部」のようですね。
だからこちらの作品の前後どちらかに伏線を張ると物語らしくなると思います。
または前後のどちらにもエピソードを書き込むとか。

そうすると御作が「ナニモノ」なのかが、読み手に伝わると思います。

たとえば醜い化け物が眠っている女性の顔を覗き込みながら「アリスティーナ、レモネード。」から「アリスティー」へ。
そして「アリス」と呼びかける。
そして……。
「ティー、もう、目覚めないのか?」
と、声を掛ける。
これだと「美女と野獣」をほうふつとさせたりします。
御作の後に続ける話しだいで「美しくも、怖くも」出来るお話になりますが。

まあ、容姿端麗の青年が声を掛けている状態から入ってもよいですが。

この声を掛けている人物、または人間意外のモノでもよいのですが。
御作の前後しだいのエピソードで面白くなるのでは。
そういった意味では御作はかなりイメージしやすい作品です。
内容がわかりよい、想像力をかきたてる文章になっています。
だから、この「アリスティーナ、レモネード。」自体が、モンスターであってもなんら不思議ではありません。
起こそうと、声を掛けているのが少女かもしれません。


>美しく幻想的で、でも刹那げな雰囲気を纏う小説を書きたかったからです。<
ということで、「執筆の狙い」にあるような「作品」の「一部が投稿されている」のではないかと思いました。

それでは頑張ってください。


お疲れさまでした。

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