結局何も成せなかったよ(プロセカ)
注意
本作はプロセカの天馬司・朝比奈まふゆ“のみ“救われなかった、夢が叶わなかった世界線です
ちょっと闇司っぽいので自衛お願いいたします
では本編をどうぞ
朝、早々に支度を終え、リビングへと続く階段を降りる
時計を確認するとまだ出勤には早すぎることに気づいた為、しばらくテレビでも見ようとソファに座る
『突撃!あの天才演出家神代類の私生活は!?」
急いでテレビの電源を切った
「はぁ…はぁ…」
胸の辺りに触れる
心臓がドクドクと五月蝿い
しばらくし経った、やっと動悸が落ち着いてきて、再度テレビをつける
もうその番組のコーナーは終わってしまったらしく、興味の無い流行の服のコーナーが始まっていた
大学生になり、各々ショーに費やす時間が無くなり、ワンダーステージは解散
その後、類は演出家として頭角を見せ、今やさまざまなドラマや映画の演出家に
寧々はテレビで見ない日は無い程の歌手に
えむはフェニックスワンダーランドを継ぎ、経営者としてフェニックスワンダーランドの売り上げを伸ばし続けている
それぞれが自分の個性を生かしてさまざまな場で活躍している
オレは…オレは
役者を志すも全て落選
一応大手と呼ばれる企業に就職は出来たが、ただそれだけ
3人と比べたらあまりにも惨めで、いつからだか、3人をテレビ越しでも実際に会っていても、動悸と吐き気がおさまらない
「あ、お兄ちゃん!もう降りてきてたんだね、今日私、いっちゃん達とバンドの練習あるから、帰り遅くなっちゃうかも」
「ああ、分かった、いってらっしゃい」
「うん!いってきます!」
咲希も一歌達とのバンドで有名になり、度々ライブを開いていることを耳に挟む
オレは咲希の病気が再発した時対処出来るようにと一応家にいるが、おそらくそれは無いだろうし、ただ気を遣わせているだけに思えて正直居心地が悪い
気付けば、もうそろそろ家を出なければ電車に遅れる時間だ
いつもより憂鬱な気分の中、オレは家を出た
「うん…あはは、大丈夫だよ、うん、皆いい人で、もう支度しないとだから、うん、ありがとうお母さん」
電話をピッと切る
大学病院への就職が決まった後、一人暮らしを始めることになったけれど、毎日かかって来るお母さんの電話
私の職場の環境とか同僚のこととか聞いてくるけど、何の意味があるのだろう
とにかく、支度をしよう
適当に流していたテレビから、何だか聞き覚えのある曲が聞こえてきた
…奏の特集をやってるんだ
奏…結局奏の曲で救われることは無かったな
それなのに、奏の曲に救われない自分が、どうしようもなく苦しかったのは何でだろう
今となってはそんなこともわからないけど
あの時、苦しくて、奏の作った曲で救われたなんて嘘をついていなかったら、もっと何か、違かったのかな
私が抜けた後、ニーゴは解散したらしい
解散したって報告を聞いたすぐチャットを抜けちゃったから理由は分からないけど、悪いことでは無かったことが伝わってきた
絵名はその後絵師として
瑞稀は服飾だったり、MVの素材の製作だったりで
奏は持ち前のその作曲センスで
各々有名になっているらしい
3人と私を比べると何だか“あの時“も感じたよく分からない気持ちになるけど、“あの時“に比べれば頻度も少ないし、まだ耐えられる
はず
執筆の狙い
小説は書きたいけど文才が無い者なので、文才を育む為、作品を投稿していけたらを思っております。拙い字で申し訳ありませんが、付き合っていただけると幸いです。