作家でごはん!鍛練場
パロウズ

思索の海の底

 んでもって俺ちゃんが直面してる現実から目を逸らすために人間の性質を知るべきだという命題に思考の曲がり角でつき当たった。何故これからの生き方を他人に縛られなきゃならねぇんだって疑問を打ち砕く斧みてぇな凶器が欲しくて脳が疼いてる。立ちくらみだ、立ちくらみがして、俺の脆弱な足が膝を突こうとした。んで柔かな膜を破りたいと願ってる俺ちゃんの脳のネジが勢いよく外れて電柱にぶち当たり甲高い音を立てて跳ね返ってくると俺の眼球に入りこんだ。入りこんだってか注入されたってかぶちこまれたってかそんな感じ。生きるのはもう疲れた、疲弊だ疲弊。でも人生は嫌になるほど長く続いてくんだって誰にでも分かる事柄に頭を巡らせちゃう。巡らせちゃうんだ。人生ってのは何て厄介な代物なんだろうね、だってさ絶望した後も生きなきゃならねぇからさ。それはとっても窮屈な棺の中に収められた死体が感じるような感情を覚えちゃうってわけだけど、俺はまだ生きていてぇのか? それは自分にも分からねぇし、答えを俺の旋毛に垂らしてくれる奴は何処にもいねぇし、退廃的な雰囲気のする街の中に佇んでるしで、うんざりしちまいそうだよ、実際のとこ。下らねぇ、クソくらえだ、俺なんて精神を孤独っていう病魔に犯された駄物だ。代替えの効かない俺の俺だけの人生を生きて来たって自負はあるんだ。ただ、ただね、楽しかったかって問いかけられたら俺ちゃんはそいつの頭蓋に鋭利な刃物を突き刺しちゃうだろうね、ってそんな想像をするとちょっとだけご機嫌になっちゃう。血にまみれた脳漿をぶちまけそれをすする俺ちゃんは破滅型の人間だ。回路が狂ってるのさ、思考がイカレてるのさ、人生の歯車は破壊されちまったのさ。俺は栄光を感じさせるオレンジ色の夕陽を浴びながら全裸になりてぇと考えてた。服や靴や帽子なんてわずらわしいもん取っ払っちゃえってな気分だ。タバコを吸いたい、タバコを吸いたいんだ、脳がニコチン切れで気が狂いそうなんだ。ポケットの中の小銭をしなやかな指先で探ると、百円玉が三枚でて来た。あの薄い膜みてぇな白いフィルターにラム酒が着香されたハイライトを吸引して脳を宇宙旅行させたいんだけど、あと二百二十円足りねぇ。オイルが半分ほど減ったプラスティック製のちゃちなライターならある。半透明な入れ物の中で揺らめくオイルの内部で陽光が暴れまわってるってな感じ。んでもってもう腐敗は御免だから再生を望むほかないって信じたい気持ちが欠片くらいはある。その欠片は光の粒子みてぇに極小の物質なんだ。つまりは目に見えねぇけど確かに俺の内部に存在してる紛れもない感情の断片。加速だ、加速、鍵盤の上をオイルにまみれた猫が滑ってくみてぇに超高速で突き進んでいきてぇ。猫は自分の毛を湿らせてるオイルの刺激臭に顔をしかめるだろうし、滑らかで艶やかな棘の密生した生き物じみた舌で己の身体から油を拭おうと躍起になるのかもしれねぇ。猫の滑らかな曲線美にうっとりしちゃう俺の脳の回路を歯車をタイヤを破壊してその欠片を深呼吸して肺に取りこんでくれないか、ってな感じで生きる生きる生きる生きる生きる。生きてくべきだっていう結論に探査機が月面着陸するみてぇに帰着しちゃうんだ。もうこれ以上ないくらいの誤魔化が効かない俺の栄光っていう名のカーテンじみたオーロラに包まれたチンポコの射精先を求めて求めて、でもその発散先が見つからなくて悲しんで途方に暮れるしかないのかよ。人生の命題について思考を巡らせるのは疲れるからよそう、予想をよそうってな感じに韻を踏んじゃって楽しむ俺の思考の歯車が超高速でぐるぐると回転してて塗装の禿げた鉄の棒を無理やり歯車に突っこんでみても回転は止まらねぇのよ。歯車が鉄の棒を巻き込みながらも目まぐるしく回転し続けて、思考の果てに見出すべき未来が見つからねぇ。それを発見できなきゃ俺の人生はジ・エンドだよ、マジでさ。んでもって空中で回り続ける俺の思考っていう車輪の回転速度は果てしない速さだ。高速だ、いや光速だ、いやいや拘束だ。思考に拘束されて生きるなんて最低最悪な生き方じゃんね、おまけにそれって俗悪でもある気がする。滑らかな車輪が空気を引きずりこみながら回転し続けて、つまり俺の思考は止まらなくてもうどうしようもないからもう死にたいってのは冗談で毒汁をすすりながらも生きていてぇよ、実際のとこ。んでチンポコからぶわっと広がるオルガズムが脳天に直撃して俺ちゃんちょっと陶酔気味。まぁ年中無休で自己陶酔してんだけどね、って注釈付き。でもでも注釈にしては余りにも短すぎて自分に嫌気が差しちまいそうだよ。歯車、車輪、タイヤ、どの表現でもいいから誰か俺の思考が回るのを止めてくれ! んで死は良質なスープの味をしてるんだと想像してみても、生にしがみついて生きるのが本来の人間の在り方じゃね? んでんでんでんでんでんでんで俺ちゃんもう速度が上がりまくりで脳内でドーパミンが射精しまくって気持ちよすぎてこのままじゃ悪酔いしちまいそうだ。酒も飲んでねぇのに悪酔いってのは余りにも冗談が過ぎるよ。まぁ惰性に彩られた日々には愛情を感じちまうんだけどね、女を愛するように日常とセックスキメたいね。堪らねぇよ、これが生きることの本質だよ、本来の獣じみた俺ちゃんの本性だよ。琥珀色のスープの底に沈んだ一筋の希望にしがみついて生きるだなんてバカげた真似もう止める、って決意した瞬間にほとばしり出る俺の感情、感情、感情の食物連鎖。ああ、もう終わりにしよう、ここを終着点にしよう、この場所を思考っていう列車の終点にしよう。あれー、俺の思考って自転車でも車でもバイクでもなくて電車だったのぉー? だったら乗客で一杯のぎゅうぎゅう詰めの満員電車だな。この列車はどこまで行くんだろうか、もしかして異国に存在する一滴の雨も降らない乾いた砂漠に続いてるのかなぁ、って疑問が噴出しちゃって脳がおかしくなっちゃいそうだよ。猫は、俺の想像上の猫はどこに行っちゃったんだ。太陽の光を反射させてる鍵盤の上を跳ねまわってる猫ちゃんの映像が脳裏によぎるものの俺はそれを一瞬で拭い去っちゃった。愛液で湿ってる柔らかな襞、襞、襞。それに薄い透明な膜、膜、膜。俺と他者との間にある隔たりは鉄の壁みてぇな強固なもんじゃなくて、爪を食いこませたらすぐに破れてしまいそうな脆い膜なんだ、って答えを神によって提示された気がした。まぁ神の存在なんてこれっぽっちも信じてねぇ無神論者の俺ちゃんに聖書を与えてみたところで豚に真珠なんだけどね。あれーこの表現って合ってるかな、正解かな、それとも不正解かな、って前後左右に揺らぐ俺ちゃんの思考。思考なんてわずらわしいもん取り払っちゃえ。思考じゃなくて精神で外界と接すれば俺ちゃんの内部で眠ってるパンドラの箱が開いて底の知れねぇその四角い箱から混沌が放出される、ってもう俺の生き方って混沌としてるんだけどね、って自覚してもいるのよねん。混沌、腐敗、混乱、そのどれでもいいから現状を打破する策を俺ちゃんに伝授してくれないか。それは誰でもいいんだ、誰でもいいんだよ。いや、誰でも良いわけじゃねぇ、ある特定の知性的な人物に伝授して貰わねぇことには前進できねぇ気がする。気がしちゃうんだ。超高速の俺ちゃんの頭ん中に詰まってる文字を指先でなぞれば銃口が欲しい欲しいと脳が疼く。疼いてるのは脳だけじゃなくて心もだ。爆発だ、放出だ、破壊だ! 破壊、破壊、破壊、すべてを粉砕する俺ちゃんだけのハンマーを求めすぎて思考停止。いやーようやく思考が停止したか、って安堵してるとまた思考が回り始めてキリがねぇよ、マジでさ。詩を書ければ、詩人になれれば俺は現在とは違ったレールの上をゆっくりとまったりと心穏やかに歩けたのかなぁ。歩くってのは結構しんどいね、って誰に言ってんだ俺ちゃんは、って他の誰でもない自分自身に言ってるのさ。クソ下らねぇゲロにも劣る蠅ヤロウが! 俺ちゃんなんて蠅以下のクソ以下のゴミ以下のチリ以下の物体だ。いやいやそんな事はねぇ、そんな事信じたくねぇ、そんな事考えたくもねぇ。けどさ、そんな思考に頭蓋っていう檻に閉じこめられた脳を支配されちゃう時もあるのさ。どうでも良いけど俺の人生を白紙に戻したいね。俺の人生ときたら色んな色彩の絵具で塗りつぶされて薄気味わりぃ色をしてやがる。もうダメだ、もう終わりだ、もうこれ以上は生きられねぇ。でも人生は続く、続く、続く、続いてく。どうしたら良いんだって疑問に答えてくれる奴を探し行くための旅支度をしなくちゃならねぇ。加速だ、加速、物事はすべて加速っていう一言に終着する、どこからか風に運ばれて獣臭がしてきた。この臭気の発生源は一体どこにあるんだろうね。もう咀嚼して飲みこむだけの怪物に成り下がって獣じみた精神で思考を放棄して生きてぇのよねん。楽園だよここは、この密室的な空間はさぁ、って誰にともなく言っちゃう。言う時はイクべきさ、ってつまり絶頂って奴ね。網目細工の思考により俺ちゃんは一時的に身動きが取れなくなったけど、今は全身をぐるぐる巻きにしてた鎖から解放されて自由の身。んでもって肛門に注射器をぶちこんで熱を孕んだ液体を注入したいのさ、って感じってそれって一体どんな感じなんだよ。その液体は、その液体はさぁ、琥珀色に輝く点滴用の液体なんだ。先端の尖った注射針を静脈に打ち込めば思考が宇宙旅行して眼球が裏返って白目剥きそうになる。なっちゃうんだ。鼓膜の奥の奥の奥の方で蠢く轟音を手中に収めたくてどうにかなりそうだ。実際にはもう俺ちゃんって奴は狂ってるのかもしれねぇ。とっくのとうに理性っていう歯車なんて外れて人としての機能が不全になっちゃってるのかもしれねぇ。ああ、滑らかな口当たりのクリームチーズを食べてぇよ。生きるなら食事を取るってのは必須だな、って当然の心理にたどり着くまでにかなりの時間が掛かっちゃった。でもでも俺はまだ若いからこの先にゴールの見えねぇ時間が流れてる、今まさに流れてる! んでもって思考について考える時点でもう思考を使っちゃってるじゃんね。考えすぎるからイケねぇって言われてもさ、俺は思索にふけるのが癖になってるってかこれ俺ちゃんの悪癖ね。考えがまとまらねぇよ、思考が頭蓋の中で飛び交ってるよ、空気中で乱反射しそうな勢いを遺憾なく発揮しちゃってるよ。食べたい、食べたい、食べたい、他人の妄想を食してそれを栄養にして宇宙が膨張するみてぇに成長してぇ。そうすりゃ俺は満腹、満足、最高ってなとこ。んで俺の姑息な生き方ときたらハイエナでも真似できねぇ最低さなんだ。柔らかな口当たりのクリームチーズを一切れ口の中に放り込んで咀嚼中の俺ちゃんの回路の狂い方を誰かに解説ってか実況するべきだね。まぁ俺ちゃんなんてさ、結局のところ快感に隷属してるケダモノじみた人間の一人ってわけね。注意して聞いて欲しい、俺ちゃんは理性を持った獣なんだ。でもでもでもでもでもでもでもでも最近になって理性なんて必要ねぇんじゃねぇのって思うようになった。人間本来の生き方を取りもどすにはさ、原始時代に回帰しなきゃならねぇのさ、って強く思うわけよ。それは催眠術でなされる幼児退行でもねぇ、もっと別の何かだ。美しいのは若い女やギラついた灼熱の太陽や素晴らしい景色だけに宿ってるもんじゃねぇ。人間共よ本質をあぶり出せ! 本質にこそ正解が内在してるハズじゃん。音楽や絵画や文学にも本質は隠されてるのかもしれねぇけど、己を冷静に見つめて発見した答えも本質の一つだ。あれーじゃあ本質ってのは星の数ほども存在するのかなぁ、どうかなぁ、分かんないなぁ。でも自分の考えに確信を持って人間は生きるべきだと思うんよ。まぁ難しく考えすぎてるだけなのかもしれねぇけどさ、薄膜に銃弾をぶち込んだ瞬間の快楽ってのはさ、堪らねぇものがあるぜ。

思索の海の底

執筆の狙い

作者 パロウズ
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取り散らかった文字列です。思考が上手くまとまんないです。

コメント

大丘 忍
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文頭から俺の思念の長広舌に終始しており、人間の具体的な行動の描写がありませんね。いくら俺の心のうちの説明を聞いても退屈するだけだと思います。「小説は説明より描写を」と言いますがその好例かと……。

パロウズ
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大丘 忍さん

そうですね、今回は心理描写だけで書いてしまいました。次は行動描写と心理描写をバランスよく織り交ぜて書いてみようと思います。

チャカポコ批評家
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パロウズ様

読みました。
辛口批評します。

散り散りの思考を纏め上げる技量の高さについては、他の作品でも、美点としてあげたのであえては触れないので、今回は問題点のみの指摘をする。
 この手の小説は技巧的であるため作為的な表現は必然だが、作為的な印象を必要以上に抱かせないように書かないといけないというジレンマがある。正直、今作は作為的に感じる点が多かった。言葉選びと形容表現の選別の甘さがあるように思われる。脳みその中の混沌を描くときには、そのいわば意識の流れに沿ったものでないといけないと思う。意識の流れとは、作中人物にとってであって、作者にとってではない。その作中人物の脳みその中の混沌の必然というよりは作者が書きたいだけの表現に思える点が散見された。
 例を挙げる。「窮屈な棺の中に収められた死体が感じるような感情」という表現。まず第一に持ち出すタイミングが不自然に思えた。また、鬱屈の発露として死体を例に出すことにそもそも違和感がある。なぜならば、普通の感覚では死体は鬱屈などを感じたい虚無の存在に思えるからである。また、感じるような感情という言葉並びも締まらずあまり感心しない。これはあくまで極端な例だが、この作品の肝といえる脱線の思考も大げさな形容も、徒に糊塗するだけの余計な装飾に思えることが多かった。作者が糊塗したいという意図以上の必然性が見いだせず、作為性が勝っているように思えた。
 それもこれもキャラメイクの甘さという言葉に尽きるように思う。取り留めないカオスな思考はキャラのものであって、作者のものであってはならない。また、作品表現から見透かせる視座は作者が作品を見下ろす類のものではなく、作中人物がキャラとして見上げるものであるべきだと思うのである。このことは狂えない人間が狂った人間を描写するというジレンマゆえの混戦模様であるように思う。メタ視点のコントロール不全が、言葉選びと形容表現の選別の甘さに繋がっているのではと推察している。なお、酷評気味だが、実際はこの批評の印象ほどこの作品の評価は低くないことを最後に付け加えておく。

パロウズ
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チャカポコ批評家さん
 
今回も辛口で批評して下っさってありがとうございます。

そうなんですよ、狂人じゃない僕がいかに狂気的な人物を書くかが今の課題なんですよ。理性のある人間が狂人を書こうとすると、ご指摘通りどうしても作為的な文章になってしまいます。今回の作品も結構真剣に書いたんですが、偽物の狂気とでも言えばしっくりくるような内容になってますね。
このような文章を書こうとしてますけど、僕自身ぜんぜん狂人じゃない小市民ですからね。ウィリアムバロウズなんてドラッグやりながら書いてたみたいですし。
今後はウィリアムバロウズ、セリーヌ、ジャンジュネみたいな作品をこの文体で書いてみたいっていう願望があります。
でも理性のある書き手が、真性の狂気を書くのはかなり難しいです。絵画で言えばルイスウェインの猫が本物の狂気の良い例ですね。頑張れば限りなく狂気に近い文章を書くことは可能だと思うんですが、本当の狂人と同じ舞台で書くとなると圧倒的に不利ですね。
ご指摘の通りこ拙作は書き手である僕が、拙作の語り手を妙に冷静に俯瞰して見てる感じが、文章から滲みでてしまってるのかもしれません。

現状だと登場人物に自分自身のの思考を投影させてる感じですね。だから語り手と書き手の描写に食い違いみたいなものが出来てるのかなぁ、と思ってます。
言葉選びと形容表現に関しては、何時も全力で書いてるんですか、確かにまだまだ甘いです。コツコツとした努力を重ねてもっと他者の追随を許さないくらいの自分なりの文章表現をしたいです。
技巧的という評価はありがたいんですが、僕は思考じゃなくてどっちかというと感覚で書いてます。
僕は名だたる文豪のような天才じゃなく、平凡な人間なんで努力して出来る限り天才に近づきたいです。
ちなみに結構打たれ強い方なんで、もっと酷評気味でも大丈夫ですよ。

チャカポコ批評家
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パロウズ様

批評ではなく雑談になるが。

狂人を書くのに作者が狂人である必要はないと思っている。
むしろ、真性の狂人の表現はただの怪文書になるだけで、それほど面白みがないのではと思っている。
卑近な例を出せば、酔っ払いの会話を素面で聞いていても面白くはないだろう。
 お察しのことと思うが、ハンドルネームのチャカポコ批評家は、夢野久作氏のドグラマグラという作品に由来している。あの作品は狂気の沙汰と表されるような構造の歪さが背景にあるだけで、そこに確かな知性が存在していて、言語化できない何らかの強いメッセージを受け取ったことを記憶している。
 さて、この作品の言葉遣いは、作者様も述懐されるように、いかにも狂人とはこういうものであるという枠を感じさせるものだ。その枠が弊害になっているという指摘もあるが、それ以上に問題なのは、表現されるタイミングに感じた。なんとなしに思いついた言葉がなんとなしに言いたいタイミングで吐かれるから、不釣合いに大げさだったり、変に脱線していたりして、作為的という印象に繋がる。一方で、「んでもって」や「俺ちゃん」という表現はユニークでオリジナリティがあったので、これをうまく混ぜて使ってやればいいのではないだろうかとも思った。
 脱線したが、狂人を書くのは作者自身を狂人に寄せることではなく、むしろ対極に位置する理性によるメタ視点のコントールによって為されるべきなのではと感じた。批評の最後にそのことを書いたつもりである。ただの怪文書と狂気小説の違いは何であろうか? それは正しいボタンの掛け違いにある。正しいという言葉はむしろ理性の側から生じるものだろう。メタ視点コントロールは、作者様の言葉にある、俯瞰と投影の調和に他ならないが、具体的な方策は思いつかないが、その調和のための距離を知るために狂人縛りを少し緩めて書いてみてもいいのかもしれない。

p4826132-ipxg23401hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp

久しぶりに。

相も変わらず、ぶつぶつ愚痴ってるだけの、「人生クソ」の四文字で事足りる退屈な文章のなか、私がフックに感じた箇所が以下、


>代替えの効かない俺の俺だけの人生を生きて来たって自負はあるんだ。

>詩人になれれば俺は現在とは違ったレールの上をゆっくりとまったりと心穏やかに歩けたのかなぁ。

>人間本来の生き方を取りもどすにはさ、原始時代に回帰しなきゃならねぇのさ、って強く思うわけよ。(中略)音楽や絵画や文学にも本質は隠されてるのかもしれねぇけど、己を冷静に見つめて発見した答えも本質の一つだ。(中略)でも自分の考えに確信を持って人間は生きるべきだと思うんよ。


語り手の数少ない実感を伴うような考えが見出される。これらが御作のなかで唯一、語られるべきことであるように思う。現時点では表層が語られたに過ぎないけど、これから深く潜るのか、どうなのか、期待してます。では

パロウズ
KD106180062148.ppp-bb.dion.ne.jp

チャカポコ批評家さん

なるほど、確かにドグラマグラはかなり理性の効いたミステリー的な小説ですよね。特に終盤の方は綿密に計算されて書いてる気がします。確か10年かけて完成したとか、どこかで耳にしました。理性的に書かれてるのに僕があの作品に抱いた感想は真性の狂気です。
夢野久作の他の作品も読んだんですけど、ミステリーが多くてあの作家さんはかなり知性的な人物なんだと思いました。

僕の場合はミステリー要素のある物語を書く時もあるんですけど、どちらかというと純文学的な作品が多いですね。なのでミステリー作家のように余り思考を使って計算して書くことはないです。感覚、というかその場の勢いで思いついたことを文章化してるだけにすぎないので、いかにも狂人って感じの作為的な作品になってしまうんだと思います。

純文学畑でも円城塔のように感覚というか、思考よりの作家さんもいますけどね。思考を使って書いてみるのも良いんですが、凄く疲れるし書いてて余り楽しくないんですよね。感覚で書いたほうが楽だし楽しいので。
ウィリアムバロウズの裸のランチは完全に感覚の世界だと思いますが、僕は大好きで何回も読んでます。あの作家に作品に知性はあまり無い気がします。

とりあえず僕は自分が楽しめて書けるかを優先したいです。

パロウズ
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ゐさん

そうです、人生クソの四文字をいかに長々と書くかをやりたかったんです。サリンジャーや村上春樹の作品みたいに無駄な要素が好きなんですよ。普段は短文で書けるところを無駄っていう贅肉を付けることで長編を書いてます。

もっと読み手の深層を抉るような文章を書きたいとは思うんですけど、まだまだ読書量が足りないですね。古典文学や現代文学も読みたいのは読み尽くして、公募用のも自分の中で全力を出し切った書いたものが6作出来上がったんで燃え尽き症候群になって最近すごく無気力です。

如何に自分が楽しんで書くかを優先した結果がこの作品なんだと思います。
まぁ楽しくなきゃ続かないですし。

p4826132-ipxg23401hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp

>人生クソの四文字をいかに長々と書くかをやりたかったんです。サリンジャーや村上春樹の作品みたいに無駄な要素が好きなんですよ。普段は短文で書けるところを無駄っていう贅肉を付けることで長編を書いてます。

"無駄"の意味を勘違いしてると思う。彼らがやってることは、思考やエピソードが逸脱したり飛躍したりまたは交錯する、おおよそ"脱線"と呼ばれるオーソドックスな文学的手法かと。貴方のは脱線などではなく、単線をひたすら進んでる、行儀が良過ぎて詰まらない。書かれてることもそうだけど、文章自体の破綻もなく、さらにその退屈さの自覚が本人にない。楽しんで書くのは当たり前だけど、それが趣味のレベルを超えてくれないと。

パロウズ
KD106180062148.ppp-bb.dion.ne.jp

ゐさん

確かに、サリンジャーや村上春樹と僕のやってることは違いますね。
自分では余り行儀が良い文章だとは思ってなかったんですが、そう受け止められてしまうのは僕の力不足です。

単線を進んでるというご指摘、胸に刺さりました。まったく自覚がなかったので。
次はもっと破綻させて書いてみようと思います。

再訪ありがとうございました。

真奈美
M014011066001.v4.enabler.ne.jp

本能に促されるまま殴り書きをしたような文章や主人公の荒々しい口調、私は結構好きかも。

「他人の妄想を食してそれを栄養にして宇宙が膨張するみてぇに成長してぇ」
理解は出来ないけど好き。

パロウズ
KD106180062148.ppp-bb.dion.ne.jp

真奈美さん

結構好きかもとおっしゃって頂けてありがとうございます。
拙作を投稿した際、辛口の批評が多いんだろうなぁと思っていたので、真奈美さんの感想を読んでちょっと驚きました。
あまり褒められ慣れてないので戸惑ってしまいます。

引用して頂いた箇所に関しては、僕自身も意味が分かってないです(汗)
今回は感情の垂れ流しみたいな文章で終始してますけど、新人賞に出す作品はストーリー性を重視してます。
この殴り書きみたないな文章をどう物語の中にバランスよく詰め込むかで苦戦してます。

このような文章を読んで頂き、ありがとうございます。

大河とせきがはらあ
M106073079225.v4.enabler.ne.jp

おつかれさまでしたあ。

パロウズ
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大河とせきがはらあさん

ありがとうございます!

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