作家でごはん!鍛練場
辛澄菜澄

非番警官と煙草紳士

 その夜は非番だったから、町を歩いていて出くわす怪人や変態、迷子の女子高生といった案件は徹底無視するように、とは本部の方針である。もし得体のしれぬ瘴気や酔漢吐瀉物の気配がアンテナに引っかかっても、その現場に脚から飛び出るホイールを駆使して急行しようとも、金は出ないと言うから、私は眼の前に突如現れた事態に極力関わるまいと思って即時撤退を試みた。
 が、非番のはずの私は逃げ出そうと出来ずにいた。恐怖で足が竦んだからでも地面に接着剤が塗ってあったでもない。単純な好奇心で、私は丑三つ時の暗黒にぼうっと浮かび上がる輪郭をなぞる――謎る。謎を解こうと触れてみる。

「……君も吸いますか。それとも、“お買いもの”ですか」

 細身の若い男は町の細い路地の突き当り、昭和から立つと思われるひびの入った木製の電柱に凭れ掛かるような格好で煙草を吸っていた。だけでは、私は敢えて立ち止まったりしない。男は口と、耳と、鼻で煙草を吸っていた。更に口から赤、耳から青、花から黄の紫煙をモクモクと排出し、スーツ姿のエリート風な外見と相まって異常に余剰に奇妙に見える。首から下の立ち居振る舞いは完全と言って申し分ないが、こと顔面周辺となると、正しくそれこそ怪物と呼称して然るべき変態である。男は三色紫煙(こう言うと団子みたいだ)の奥の眼鏡、そのもう一つ向こう側の世界に切れ味の鋭い双眸を覗かせた。左手で煙草の箱のような物を私に差し出している。

「吸うし、買う。アンタ名は?」
「……ではイケメンとお呼び下さい」
「ほうイケメン。そこで何してるのだ?」
「冗談が分からない人だ。本当の通り名は煙草紳士です」

 煙草紳士は苦笑して髪をかきあげ、口と耳と鼻に突っ込んでいた計六本の煙草を指に挟み、ふぅと吹いて辺りの紫煙を払い除けた。夜暗、に重なる一本だけの弱い電柱街灯の円域、に立ち込める虹のスモウク。私も倣って前髪をかきあげ、プリイツスカートを揺らして紳士に近づく。この下半身では服と下着の間に男が吐き出したニコチンが挟まるから、少しだけ不快、でもない。私は眼鏡萌えだから快感ですらある。だがしかし、それをも上回る圧倒的好奇心。
 抑えなくて良い。今宵は非番なのだから。

「まあ、自分で名乗っただけですが。今初めて名乗った。あ、どうぞ」
「どうもだ。それでは、取り敢えずメニュウを聞かせて貰おうか」
「幸福一回、一日の寿命。もっと幸福一回、一週間の寿命。更に幸福、一ヶ月。盛って幸福、一年。最高の幸福、残り一日までの寿命」

 世にも変わった御品書を興味深く吟味しつつ、私は受け取った煙草を一本取り出し、左人差し指を九十度に折った。この身体は何かと便利に事欠かない。カティ・フラムのように自分で自分を改造した訳ではないが、普段の仕事には大変役立っている。ただたまに左手のライターや収納ドライバーを近所の子供に見せるが「十徳ナイフ」との揶揄は絶対に許さないことにしている。言えば同じように左手の人差し指を九十度に三回折る腹積もりだ。まだ言われたことはない。
 赤色の火を喰った一本の煙草は数秒停滞したかと思うと、一つ、また一つと青い火花を散らす。どくんと脈動と共にやって来るのは鮮烈な印象だ。純白の本体に青い膜が張ったような強い火花。火花の周囲だけが昼間になる。だが昼間になるのは我々人間大の大きさの生命体からすると余りにも狭い範囲。やがて煙草は持ち手の反対から、写真を撮れば巨大な毛玉が付いているように見えるほどのバチバチ熱球を形作った。私は、物珍しさについふんふんふんと鼻息が荒くなる。

「綺麗極まりないな、これは。夜のレトロの町の路地の背景によくよくなかなか映えることだ。これ、その、キリヌミにアップしても良いだろうか」
「駄目です。何故なら、私のことを他の誰かに言ってはいけないから……それは閃光煙草ですね。箱に一ダース入ってた筈ですが、いきなり面白い一本を引いたものだ。オミクジなら中末吉といったところでしょうか」
「ふん、そんな珍しい判定はこの場以外では出まい? どうせ、あんたは二度と私の前に現れないつもりだろう。そんな雰囲気がするのだ」
「ノーコメントで。まあ、撮るだけなら結構、好きにしたまえ」
「個人で楽しめと?」
「個人で楽しむなら、勿論自由ですよ。青春の匂いがする花火を親しい友人と共有したくなるのは解りますが……だからといって、私とそれに類するアイテムが人気者になっては困る。限られた、狭い範囲だからこそ、趣味の追求は捗る」

 煙草紳士の独特な言い回しを適度に噛み砕くと、私はスマートフォンを肩から取り出して慎重に閃光煙草を撮影した。イマドキジェイケイのように連写機能は使わない。増幅する容量と一枚一枚のフィルムに封じ込められる感動濃度に配慮した結果だ。

「ああ、そう言えばえっと何だ、趣味って?」
「私の場合は煙草と、死神風商売と、あともう一つ」
「確かに死神取引チックなメニュウだったな」
「あくまで“風”です。私は死神じゃあない。でっかい鎌すら持ってない。いやほれ、見てご覧なさい、この生真面目な服装を! 命を刈り取る形をしていますか? 否していない! 物腰柔らか、この、無駄に艶の良いネックタイによるペチペチビンタくらいしか攻撃方法が無い!」

 死神に見えない風貌を気にしているのか、突然声を張り上げた煙草紳士である。そこまで案じているのならダークファンタジィ漫画でも読み漁って研究すれば良かろうに……邪悪な巨人や呪文詠唱、それこそ死神の何たるかが二次元絵の中で紳士の訪問を座して待っていると思う。
 私は「お気の毒に、カッコワライ」と目で応えつつ、漸く下火になってきた閃光煙草の吸口を口元に運んだ。一つ吸ってみると、肺に質量感のある紫煙が生き物のように蠢く感触を得た。心地良い程度に気体の音符が臓器の壁をノックする、あの過ぎ去った青色の時代が記憶を突っ突くスパークとして蘇る。一言で言えば、満足度は高い銘柄だった。何より鋼の肺に響く銘柄が有ること自体衝撃を受けた。上手く経路に乗せて軌道に乗れば、需要はあるだろう、町の掌握すら不可能ではないと想像してみた。

「それをしない理由が、趣味の拡散を防ぐためということ?」
「君だって自慰のスタイルを世間一般にばら撒きたくはないでしょう、それと同じことですよ」
「私に性器は最早無い。セクハラだぞ煙草野郎」
「ア失礼致しました。紳士を戻していただければ幸いです」
「煙草人事」
「濁点」
「ダバゴ人事」
「付けろとは言ってないです」

 満悦気味に一本吸い上げた私は、完璧な隙間にそっと差し込まれた漆黒の携帯灰皿に吸い殻を詰めた。慣れた手付きでそれを折り畳み、スーツの内ポケットに入れる煙草紳士。フフと知ったような笑みを唇の端から零す彼。それを絶えず好奇の色で凝視する私。「なぁおい」と早って云う私。そして夜。

「私の寿命、試しにやろう。サイボーグでも価値は出るのかね? あと、そうだな、買ったとして、顔に染みが発生する副作用とかないよな? 鉄でも女だ、伴侶探しも途中なのだ」
「ご安心ください――鉄に価値をつけ、女に傷はつけない。この、寂れた終わっていく町でも男は必ず心得ている」
「ハハッ、拝電町は終わっているか。力強い断言だな」
「エエ終わってますとも。現にヨミとかいうカカシがワインボトルで暴れてからこっち、我々一般市民は被害を被るばかりです。このままでも間違いなく滅ぶでしょうね、拝電は。私も実は先日引っ越し準備を済ませました」
「抱腹絶倒ジョウクだな。引っ越すってどこにだい? “この世界に拝電町以外、町なんてあるわきゃなかろう”。まあ、せいぜい雷神様に祈るくらいだな」

 拝電町は電気を崇める町である。
 発電と発展と発達が町の進むべき絶対の方向で、それさえ是としていれば基本的に何をしても許される地上の楽園だったが、一月ほど前途端に状況が変わった。ヨミという野良のセカンドシーズンカカシを含む三人組のテロリスト共は「拝電町ヲ出デ、生キ甲斐ヲ発見ス」と――法に則らないまま乗っ取った公共ラジオ放送の中で威勢良く宣った。私たち町民の殆どはラジオなくして生きていけないから、殆ど六万人が拝電町への宣戦布告を聞いた。そして殆ど六万人が馬鹿か、こいつら、と、思った。
 拝電町の外に世界なんて広がってないし、ていうか無いし、出口も無いし、外に出るメリットは一つも欠片も微塵も無い。拝電の民として町で暮せば幸福が約束されるというのに、愚かな奴らだと失笑。果たしてどんな思考回路をしているのか、一度技師に診て貰った方が遥かに正解だ。
 そして有言実行し始めたテロリストたちは見るも無惨な形に拝電町を改造していった。他のセカンドシーズンたちがアップデイトを駆使して応戦しているが、ヨミを筆頭とする三人組は自棄にでもなったのかと勘繰るほど強かった。私は絶望した、拝電町の幸福は絶対的なものではなかったのだと。
 眼の前の煙草紳士もそうだろう、最後まで拝電を愛し続けた彼も遂に崩れ去る故郷を憂い、出来もしない引っ越しの荷物まで纏めてしまった。それがジョウクだとしても、私にはとても笑えた話ではなかった。歯車とオイルで駆動く身体だから、町が滅びても私の肉体自体は死なないだろう。しかし周りの友人は食べ物も寝る場所も得られなくなって、最後には道端で野垂れ死んで、マルチソルジャーの再起動設備も人格復活委員会も悉く破壊された後だから、記憶データの回収すら不可能だ。であれば、独り灰色の瓦礫のレトロな町の夜に取り残された私は何を思うか。ツゥと嫌なオイルが目尻を落ちていく。
 でライターの火がついた。
 煙草紳士が咥えた煙草に青い炎を灯したところだった。

「寂しくないですよ。先んじて命を燃やし尽くしてしまえば」
「……私に自殺しろって?」
「残された命を幸せに使いましょうよ。ホラご存知ですか、君。一人の者が一生に獲得できる幸福の総量は全くの同一分配だそうですね。だから成功者と負け組が分かれて見えるのは、成功者はただ一度に舞い込んだ幸福が少し負け組の方より多かっただけなんですよ」
「いや、私にはそうは思えないな。いつだってね、幸運なヤツは幸運さ。滅びゆく世界の時代に生まれついた時点で私もアンタも負け組だ」
「一度絶大な成功を得た者は、次も成功できると確信のある希望も得ます。出来ると思って行動するとまた成功する。対して、長い人生チマチマとしかやってこない小粒な幸せを重要視しなかった者は、成功を夢見ることを忘れてしまう。だから獲得できる筈の幸福もおいそれと逃してしまう――嗚呼、勿体無いッ! ですよ、ねェ! だから私は濃い幸せが好きだ、濃い幸せを分け隔てなく平等均一に一括で直接に! 拝電町の六万人全員が絶大な幸福を得たまま死んでほしいです私はアッ!」

 そこで煙草紳士は熱弁の舌を休めたかと思うと、更に五本の煙草を一遍に取り出して着火した。中には先程私が吸った閃光煙草も混じっていたようで、一本が強く輝きを主張する。燃焼――激しく爆発的な炎を伴い瞬時に結合した酸素を喰らい尽くす化学。紳士は指の間に一本ずつ挟んだ煙草を右耳、右鼻、左鼻、左耳に突き刺す。眼鏡の奥に見える鋭角はそれでも尚、どこか厭世的な冷淡さを内包している。

「幸福一回、一日の寿命。もっと幸福一回、一週間の寿命。更に幸福、一ヶ月。盛って幸福、一年。最高の幸福、残り一日までの寿命」
「……ううん、非番だったからそうしないけれど、私は本来君を捕まえなくっちゃあいけなかったようだな。その面白そうな取引が本当に出来るかはさておき、義務で、仕事だから。まあいや、若干の私情も噛んでくるのだが」
「今更何を言っているのですか。ここまで話して解りましたよ、君は確かに心にモヤがかかっている。崩れ行く拝電と心中するなんて嫌だと言えないだけです……この怪人と共に、細やかな革命をしませんか? 無論、あのトリオ・テロリストたちのように町の外のありもしない異世界に旅立つ訳ではない。いっそ私たちの手で、拝電町を平らにしてしまいましょう! そうすれば私たちは何もせぬまま町に殺された訳ではなくなる! 私たちが! 町を、殺すのですッ! そこをすかさず私が、こうッ、ですよ! みんなで一斉に一つの幸せを頬張りましょう!!」

 緩やかな風に、路地の一角に吊られていた風鈴がざらついたガラス音を撒き散らした。とはいえそうか、それが最初からテロリズム行為の同胞集めがこの怪しげな若い男の目的だったのかと不思議に納得した。実際、コンクリイトと鉄線支配する現在の拝電町の夜に徘徊する痴れ者など極僅かだ。電池を隠すならロボの中とはよく言ったもので、アンダァグラウンドな住人をお買い求めの怪人は、暗くて不気味な建物の影で違法な煙でも吸収していれば良いのである。さすれば出逢うだろう、私のような、最早好奇心でしか活動することの出来ない哀れでどうしようもない、半分機械の女サイボーグに。

「期間は」

 私は自分の胸を右手で抑え、目を瞑る。深く息を吸って、そのまま右足を出す。次に左足を出して、結局一本進む形になる。被さるように「なに、一月もあれば完了しますよ」と、町を滅ぼす死神とはとても思えないような物腰柔らかで穏やかで慎ましやかな紳士的声音が飛んで来た。

「計画なくして、趣味は成り立ちません。何かを買うなら値段を、何処かへ行くなら乗り物を、町を殺すなら殺す町を……事前にきちんと調べておかないと」
「アンタ、さっき趣味は小規模であるべきと言っていなかったかな? 町を滅ぼすとは些か、町一個分ほど大きな趣味だ」
「私の心が、誰も町より小さいだなんて証明出来ません。ですが、私個人としては、町より私の心の方が遥かに大きいと、心から信じております」
「つまり死神風商売とはミクロな趣味なのだな。フフフ」
「アハハハ。ですとも」

 私たちは細長い路地を並んで歩いて行って、横に比較的開けた戸車通りに出た。道の対岸にはモダンな柵が刺してあって、その下には町を環状線さながら一周する回路川の水が大らかな流れで泳いでいた。回路川の両岸にはいよいよ咲き始めたオリバナの木がずっと続いていて、黄色に垂れ下がった花弁が横断幕みたいで、私たちの行く末を祝福してくれているようであった。
 煙草紳士は吸い終わったらしい計六本の煙草を一つずつ抜き取ると全て携帯灰皿にリズム良く入れていく。まるで自動改札機に吸い込まれる乗車切符だが、これから破壊する道路に対する謎の敬意が見て取れた。本当に好奇心を尽きさせない男である。ところで余談にはなるが、不肖私めは伴侶探しの途中だと言った。急な開示になるが実を言えば、眼鏡萌えの私にとって煙草紳士はかなり好みの男だった。
 だから次に会う待ち合わせの約束をデートの打合わせだと思い込んでやったし、戸車通りを反対側に歩いて別れる寸前に振り返って、唐突感とモラトリアムに塗れたラブコメディ風味の台詞をフォークっぽく投げてやった。

「死神風取引だ。残り一ヶ月までの寿命でアンタと町を殺すのは良いが、一ヶ月目の最期の一日にもう一度取引がしたい。残り五分、イヤ十分だけ寿命を残して、あとの時間はアンタと結婚させてくれ。イチャイチャっとキスして私はそれから町と死ぬ。それが私の最大の幸福になる気がする」
「君の貞操は刹那的すぎる。却下です」

 刹那的? アンタが言うか。
 煙草紳士は両手をヒラヒラやって、私のプロポウズを鼻で笑った。その鼻からピンクの紫煙がモクモクしていたのが妙に面白くて、私は余計彼のことが男として気になってきた。
 非番じゃなかったら、強制的に逮捕して自宅で監禁していた。

非番警官と煙草紳士

執筆の狙い

作者 辛澄菜澄
KD113148223125.ppp-bb.dion.ne.jp

架空の町と、そこにいる奇妙な人間が好きだから感じるままに書いてみた。
この短編は拝電町という架空の町で出版された、かもしれないお話。よって、基本的に歪な物語と人物です。世界を越えることで生まれた歪みと思ってやってください。

コメント

青井水脈
om126205219237.34.openmobile.ne.jp

「非番警官と煙草紳士」読ませていただきました。
一度二度では分かったような分からないような、本日、また読み返してみましたが。


>その現場に脚から飛び出るホイールを駆使して急行しようとも、

近未来の移動手段と思いきや。

>この身体は何かと便利に事欠かない。カティ・フラムのように自分で自分を改造した訳ではないが、

改造?

>「私の寿命、試しにやろう。サイボーグでも価値は出るのかね? あと、そうだな、買ったとして、顔に染みが発生する副作用とかないよな? 鉄でも女だ、伴侶探しも途中なのだ」

非番警官のパーソナリティが、このセリフに集約されていますね。


>拝電町は電気を崇める町である。 発電と発展と発達が町の進むべき絶対の方向で、それさえ是としていれば基本的に何をしても許される地上の楽園だったが〜

肝心なのは二人の住む町ですが。
発電と一口にいっても火力、原子力、水力、風力など様々で。名前からして町で発電した電気を他の町に供給することで産業が成り立っている、と漠然とイメージしましたが。
町の外に世界は広がっていない、拝電町だけしか存在しない世界? テロリストが町を改造? それから煙草紳士の正体が明かされる辺りで、少し分かってきましたが。
設定自体はシリアスな雰囲気でしょうが、読んでみるとそうでもなかったです。締めはラブコメのノリですし。


異世界ファンタジーも、ダークファンタジー、バトルや冒険がメイン、ラブコメ、女性向けなど分けられるじゃないですか。今作は、続きがあるか分かりませんが、恋愛もの寄りでしょうか。
町の簡単な設定と、非番警官がサイボーグであることは早めに出しておいた方がいいかと(煙草紳士の目的が明かされるタイミングは、このままで)。
そうすると、もっと二人のやりとりメインで楽しめる話になるかと。

辛澄菜澄
KD113148223125.ppp-bb.dion.ne.jp

青井水脈さん、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、重要な設定の開示は早めにしておいた方が正解でしたね。作中であまり事細かに町の仕組みについて語っていないのは、輪郭重視と言いますか、読者様に自由に町を想像して楽しんで頂きたかったのが実情でした。
不思議な単語や、興味深い事件を散りばめて独特の世界観を作りたかったのです。もちろん事前に大筋の町の設定は考えておりましたが、全て見せびらかすのも品がないと思いまして……。
作るだけ作って、あとは放置していたような感じになってしまいました。読者様を置き去りにしないような作品を心がけたいですね。

青井水脈
om126205216187.34.openmobile.ne.jp

再訪失礼します。 

>男は口と、耳と、鼻で煙草を吸っていた。更に口から赤、耳から青、花から黄の紫煙をモクモクと排出し、

闇夜とカラフルな紫煙のコントラストだったり。

>道の対岸にはモダンな柵が刺してあって、その下には町を環状線さながら一周する回路川の水が大らかな流れで泳いでいた。回路川の両岸にはいよいよ咲き始めたオリバナの木がずっと続いていて、

コンクリートと鉄線だらけの町の、こういう光景だったり。あとは非番警官が勤務の時の、忙しそうな町の様子だったり、今作を読んで光景はイメージできました。ただ、ノッてくるまで少しかかったので、他に読む方がそれまでに脱落するのを懸念したもので。

辛澄菜澄
KD113148223125.ppp-bb.dion.ne.jp

青井水脈さん、再訪感謝です。
やはり小説で大事なのは「ツカミ」ですよね。序盤、それも出来れば本当は一文目で世界に引きずり込んで世界をお楽しみいただけるのが最も理想的な冒頭だと思います。青井さんのように世界を想像してくださる方も全員ではないと思いますので、より魅力的な書き出しを研究したいです。

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