夏のバス
夏の朝、ヒグラシの鳴き声が辺りに響く田舎の山村を寒男は走っていた。最近流行りのトレイルランニングに熱中している寒男は、まだ山には着いていなかった。山村の舗装された道がアキレス腱にくる。山はまだか、と山中毒の寒男は辺りを見回すと、古びた神社が見えた。神社は年季が経っていて、誰も管理をしていないのが見て取れた。神さまを粗末にしてはダメなのに、と寒男は思ったのであった。午前六時二十分に田舎の山村のバス停で降り、山を走り回って山のふもとにある駅で帰ろうと思っていた寒男だったが、予定を変更して神社を清掃してからトレイルランニングをしようと決めた。まだ時間は六時三十分だった。
古びた神社には狛犬と思われる一対の石造が鎮座していた。小銭が狛犬の石像に置かれていた。一枚、二枚、と数えると十三枚の小銭が置かれていた。恐らく、この狛犬と思われる石像にもご利益があるのだろう、と寒男は思った。
寒男は鳥居の前で一礼して境内の中に入った。草木が生い茂っていて清掃のし甲斐があると意気込み、腕まくりをして、ふと狛犬(と思われる)の石像の後ろに一人の眼鏡を掛けた女が立っているのに気付いた。寒男はさっきまで誰もいなかったのに、と不安と恐怖を押し殺しながら声を掛けた。
「お、おはようございます」と少し高い声で声を掛けた。恐らく恐怖心のせいだろう。
その女性はこちらを見ると、笑みを浮かべて寒男に向かってきた。
寒男は恐怖心の余り、おしっこをちびりそうになったが、遠目で見た時はとは違って、段々と近づいて来るその女性の美しさに見とれた。年齢は二十歳前後で黒髪の美しい眼鏡が似合う女性で寒男の理想の女性、そう、唐橋ユミに似ていた。
寒男は最初、足を恐怖心からガクブルとさせていたが、だんだんと腰をガクブルとさせはじめた。性欲をコントロールできなかったのである。
その女性をつい出来心で襲ってしまった寒男は腰を振り続けた、お猿さんのように。その女性の髪を触ると山ゆりのような、なまめかしい香りを感じた。腰を振り続けると、寒男はふと我に返った。これは合意なしの性行為、レイプではないか、と罪悪感に気付いた。性欲が発散された後に気付く罪の意識に寒男は気付いたのだった。
と、バスに揺られながら眠っていた寒男は目を開けた。眠っていた時の夢の続きが気になったが寒男は自分がレイプをしていない事に安堵した。
バスが山村のバス停に着いた。朝日が眩しくまだ早朝のせいかヒグラシが鳴いている。夏の早朝、寒男は自分のペニスを握ると朝だちしていた。それは未だかつてないほどの硬さだった。
執筆の狙い
この小説を書いた理由は、夏の朝を新鮮に書かれているか?
表現したいものは、面白い話か?ストーリーとして完成はしているか?
執筆上の挑戦は、エロくなってないか?