仮想変態ゲーム「悪徳の栄え」プレイ日誌
某月某日
今日は痴漢する事にして、電車に乗って痴漢をした。女の尻を撫でて、胸部を鷲掴みにしたりした。何人も何人もの相手にそうした。
痴漢するという行為は、僕にとっては性欲でそうする、というより、痴漢という卑劣な悪をなす、ということ自体に魅力を感じて、そうしていた。
数百人の女に痴漢をすると、カルマが上がり、レベルアップした。
某月某日
今日は上水道に、毒でも流そうと思って、そうした。
数時間もすると、街の人たちがバタバタと死んでいった。その様を見ると性的に興奮してきて、手淫をした。そして死にかけている女に、顔射した。
カルマが上がり、レベルアップした。
街を歩いていると、広場でオッサンが演説していた。神を罵倒する言葉を吐いていた。今どきアンチクリストもあるかよ馬鹿がよと思った。
某月某日
放火でもしようかと思って、街全体を放火した。燃える街を、丘の上で眺めた。ゲーム上での恋人と一緒に眺めた。彼女は現実では男かもしれないと思うこともあったが、どうでもいいかと思った。遠くから眺める燃える街はうつくしく、それを背景に僕たちはキスをした。
ふと、燃える街から逃れてきた人が数人いたので、拳銃でパンパンと撃ち殺した。
レベルアップはしなかった。
某月某日
ガンショップで大量の銃を購入した。拳銃に小銃にサブマシンガンに散弾銃、ナイフも購入した。街の広場へ行った。無数の人々が往来している。僕はまずナイフで、ブスブスと人をさした。五、六人を刺した。悲鳴が上がったので散弾銃で人を撃ちまくった。次々と人が爆発していった。そして小銃でめちゃくちゃに撃ちまくった。辺りは血の海になって、赤いそれは綺麗な雲を反射させていた。
カルマが上がり、レベルアップした。
某月某日
恋人と結婚する事にした。こういった不穏なゲーム上のことだから、こういう狂った人と出会ったと考えると感無量である。彼女は僕と同程度か、それ以上の悪徳の魂の持ち主であった。
結婚式場の教会には、多くの悪徳漢が集まって、祝福してくれた。僕は嬉しかった。
四月十六日
有休が終わって、労働をした。僕は製造の仕事をしている。
卑小な善人のなかで生活をするのは、憂鬱だ。良識派を気取りたいという小人物ばかりで、反吐がでる。しかも彼らは善人にもなり切れてないのだ。ちょっとだけ悪い面をチラチラと出す。彼らは精神的には弱者だが、しかし量的には強者なのだ。
ゲームに逃げずにそういった人たちと徹底的に交戦するのも良いのかもしれないが、何しろ量が多いので、かったるいのである。
執筆の狙い
ありがとうございます。よろしくお願いします。