作家でごはん!鍛練場
ドリーム

超能力者 

  人は生まれた時から、その環境によって人生が大きく左右される。
 生まれながらにして裕福な家に生まれ育った人間。普通に行けば贅沢な暮らしと幸せが保証される。では生まれながらにして貧乏な家に生まれた人間は? 運か努力で這い上がるしかない。

 武将で有名な一説がある。徳川三代将軍、家光である。将軍就任時に、諸大名を集めて、こう語った。
「余は生まれながらにしての将軍である、良いか!  皆の者とは身分が違うのだ」
 と諸大名達を威嚇し黙らせた説がある。初代将軍家康は誰もが認める武将で天下を取ったが二代目秀忠はどちらかと云うと父の後ろ盾でなんとか将軍職が務まったが三代目目となると家康の後ろ盾もなく失敗すれば徳川政権も終わり再び乱世の時代に入るだろう。それを狙う諸大名達は虎視眈々と次の天下を狙う武将が出てもおかしくはない中で、家光の一喝が効いた。私はお前達と身分が違うのだと権力の違いを誇示、侮れない将軍だと植えつけた。

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 時代は変わっても身分の違いと富裕層と貧困層は存在する。彼女は幸か不幸か貧乏な家に生まれた。ただ彼女には貧乏だが神の悪戯か褒美か、ある特殊能力が備わっていた。そして今回も、その能力が目覚めた瞬間でもあった。
「京子、なんか嫌な予感がする。ここで少し休んで行きましょう」
「なんで?  お姉ちゃんもうすぐなのに」
「でもこの先で何かが起きる、だから待って」
それから数分後、前方で何故か道路が陥没する事故が起き、数台の車がまき込まれる被害にあった。妹の京子は驚き呆然と姉を見た。

 ここに対照的な二人が遭遇するところから物語は動き出す。
 京子より三才上の姉である日陰暗子(ひかげくらこ)だ。暗子は生まれた時から貧乏だった。いや日陰家全員が貧乏に苦しんでいる。名前の通り、日陰家は代々貧乏から抜け出せなくて日陰のように生きて来た。誰が悪い訳でもないが。そんな家に生まれた運命には逆らえない。日陰暮らしで暗い子……最悪な名前。何故、暗子なのだろうと疑問に思うだろうが、それは後に明らかになる。
  長女の暗子は小学生の時から家事の手伝いをして家計を助けて来た。
そんな暗子には宝物があった。妹の時が三度目で何故か危険を察知するようになっていた。最近になって暗子は予知能力が以前より働くようなっていた。そして今日もまた。
「お母さん、今からお仕事に行くのでしょう。だけど今日は別の道を通って」
「えっ? また何かを感じたの。分かった、そうするよ」
母が仕事に出掛けまもなく、いつも通る道でマンホールの蓋が天高く飛び跳ねた。溜まったガスが引火し爆発、数人の怪我人が出た。暗子の予知能力でまたも母は救われた。貧乏でも暖かい家族、何故か暗子にはちょっと先の出来事が分かるのだ。つまり予知能力が備わっていた。貧乏でも慎ましく生きて来た暗子へ神様の褒美なのだろうか。
家は河川敷のほとりにあり、家族は六人、父は現代行方知れず。平屋で十五坪のバラック建てはトタン屋根で、風で飛ばされないように屋根には沢山の石が積まれている。誰もが浮浪者が住んでいると思っているようだ。
 その予知能力が暗子の宝物だが、ただ実感としてそれが予知能力だという認識を暗子は持っていない。ただの偶然の出来事と思い込んでいる。だから家族にも誰にもそんな事は話をした事もない。だが家族は薄々と感じていたようだ。

 そんな世の中に貧乏な人がいるかと思えば、生まれた時から恵まれた環境で育った人もいる。
 一方こちらの富田幸男(とみた・さちお)は貧乏とは、どう言うものかも知らないし裕福が幸福とも感じていない。今の生活が当たり前だと思って生きている。先祖代々から豪商の家系で育ち、現在は日本でも有数の財閥であり英才教育を受け将来は親の後を継ぐ身分である。幼い頃から側には執事が付き、メイドが身の回りの世話をしてくれる。高級車で送り迎えは当然の事で、出かける時も帰宅する時もメイド達が玄関前に勢ぞろいし、「いってらいしゃませ」「お帰りなさいませ」の生活だ。幼稚園から大学まで有名私立校で高校生の頃から経営学を学び、父の後を告ぐ準備は出来ていた。
 もちろん欲しい物はなんでも手に入るし、友達だって上流社会の人間ばかりだ。
 幸男の宝物と言われても何が宝物かは、裕福過ぎて分からないし考えた事もない。スポーツは万能で面構えも悪くない。特に人に対して気取る事もなく上から目線で話をしないから人を惹きつける魅力を兼ね備えていた。まさに富と幸を持つ男である。

 そんな対照的な二人、日陰暗子と富田幸男が偶然にもコンサート会場での帰りに出会うことになるが。共に二十五歳だが、そのコンサートのチケットを暗子はカップラーメンの懸賞で偶然にも当たったものだ。
 一方の幸男は今日コンサートを開くイベント会社は、富田財閥の子会社にあたる。だからチケットは好きなだけ自由に手に入れる事が出来る。交際範囲も広く、数人の友人達とコンサートを観に来たのだ。二人は対照的なチケットの入手方法だった。上流社会で生きる人間と、その日、食べる物にも苦労する人間、なんの接点もないそんな二人を暗子の持つ宝物(予知能力)が引き寄せたのだろうか。二人が出会う前に、ここで日掛暗子の生い立ちを少し語らなければならない。

 暗子には三才下の妹と幼い三つ子の妹弟がいた。随分と年下の妹弟だが、七年数ぶりに子供が授かった。暗子や母は喜び、妹弟が出来て喜んだのだが、それも束の間、父の表情は曇った。妻と暗子と京子を養うだけでも大変だったのに、いっぺんに三人も増えては養う自信を無くした父は、家族を捨てて家を出て行方知れずとなった。
家族を捨てたのも許せないが、父は暗子が産まれた時に酔った勢いで暗子の名前を、ふざけ半分で暗子として出生届けを出した事だ。最初は母と相談して蔵子と付ける予定だったのに。ふざけた名前のせいで暗子は友達に笑われた。しかし簡単に名前を変更も出来ず辛い思いをして来た。その父が家出して母はそのショックからか病にふけ、母に代わり生活を支えて来たのは暗子一人となった。三才下の京子は家事手伝いに励み、暗子は昼も夜も働いて来た。

 暗子の家は東京板橋区にある。その板橋は東京と埼玉の間を流れる荒川がある。その荒川土手の近くにバラック建ての家が日陰家である。平屋で敷地は十五坪程度しかない。救いと言えば借家じゃない事だけだが、立地条件が悪く、この一帯に家を建てる者がいない。
 貧乏過ぎて暗子は高校など行けるゆとりもなく、中学を卒業してすぐ工場で働きながら定時制高校を出た。やはり日陰家は常に貧乏とは縁が切れなかったようだ。それから十年が過ぎて三つ子達も小学生になると家事を手伝ってくれようになった。そんな家族にも一つの楽しみがあった。八月に行われる花火大会は目の前で行われる。家の目の前は特等席に変わるのだ。
母も体調を見ながらパートに出て家計を支えて来た。それは暗子が十五歳の時から始まり二十五歳の今日に至る。

 そんな苦労をして来た暗子に、神様は褒美のチケットを当ててくれたのだろうか。暗子には夢のようなコンサートのチケットが手に入ったのだ。
 バラック建ての小さい家を、暗子はジーンズに上はジャケットを羽織って出かけた。靴だって安物のスニーカーを洗って小奇麗にしただけだ。
 とても二十五才の若い娘がコンサートに出かけるような服装ではないが、それでも今日のコンサートを楽しみに暗子はウキウキして家を出たのだ。
 暗子だって年頃の娘だ。恋もしたいし青春も楽しみたい。ちょっとはお洒落もしたいし綺麗な洋服だって欲しい。三才下の妹も今では社会人だが定時制高校にしか行けなかった。幼い妹弟達だってヨレヨレの洋服を着ている。母だって辛い思いをして病を押して働いている。どうして贅沢な事が出来ようか、でも今回はタダで入ったチケットだ。母は妹弟達に遠慮しないで楽しんでらっしゃいと言われ、後ろ髪をひかれながらも行く事にした。

 暗子は生まれて初めての贅沢な日になるだろう。この年まで殆んど化粧もした事がない暗子は百円ショップで買った口紅を付け、それで十分と言い聞かせている。お洒落もしたい、だけど鏡を見ると辛くなるから余り見ない事にしている。いったい自分が綺麗なのかどうか判断する前に、着飾るような洋服も持っていないせいかも知れない。本当は友人と行けたら楽しいのに、友人と付き合うにも金が要るため職場の同僚達との付き合いも控えて淋しい毎日を送って来た。暗子は電車を乗り継いで代々木に着いた。もう沢山の人が来ている。
 テレビで見たあの女性シンガーが見られる。まるで夢のようだ。
 チケットを入り口で渡し会場の中に入った。そして間もなくライブが始まる。
まだ開演前だというのにファンは待ちきれず周りの人が立ち上がって一緒に唄っている。暗子もつられて一緒に唄った。
 いまここには貧乏も金持ちもない。気持ちは高ぶり今だけは全てを忘れて楽しみたい。女性シンガーが登場した瞬間、会場は興奮の頂点に達した。
コンサートホールはテレビでよく見る有名な女性シンガーが目の前で観客に手を振る。日本ではトップクラスの人気を誇るだけに会場は大いに盛り上がった。ホールは一体化して、赤の他人同士がみんな友達のような雰囲気で声援を送った。暗子はこれまで感じた事がない感動に酔いしれ、時間はあっと言う間に過ぎ去っていった。そして最後の曲を歌い終わりコンサートは幕を閉じた。暗子は夢のような気分で、その時間を過ごした。

 コンサートが終りホールを出た所で、暗子の予知能力が危険を察知した。
なんでこのタイミングで予知能力が目覚めたのか暗子にも分からない。
偶然、前を歩いている富田幸男を見た時に暗子が叫んだ。
 「あ! 貴方、貴方はこれから車に乗って帰るのでしょう。危ないわ。事故が起きる予感がする。行っては駄目よ! もう少し時間を置いてからにした方が」
 「え? なんだって」
 後ろから叫ぶように言った声の主を振り返る。
普段、温厚な幸男も突然、妙な事を言われて、つい言ってしまった。
 「なんて言ったの? ……あんた何を言っている。少し頭が可笑しいじゃないのか。事故が起きるって? 何故わかるのだ。馬鹿な事を言うなよ」

 それはそうだ。誰もそんな話を信じてはくれない。そう思われても仕方がない事だ。でも暗子には神が与えてくれた、ささやかな贈り物がある。この先の出来事が脳裏に浮かぶのだ。つまり予知能力だ。それが暗子の宝物。ただ自分自身にさえ自覚のない宝物。その予知能力がいつもある訳ではないが、時々そんな事があった。だが富田幸男が間もなく驚きの事態を迎えてしまうとは思いもよらなかっただろう。しかし今は信じろという方が無理な話しだ。
 幸男の眼から見た日陰暗子は、いかにも貧しさが滲み出た容姿をしていた。
 ど近眼のメガネに、いつ美容院に行ったのか服装も使い古したような姿だった。どうせ親切に媚でも売って自分に、あやかろうとしたのだと思われても仕方がない。金持ちならではの発想の仕方だ。だが暗子には見える。幸男がこれから起ころうとする事が脳裏に浮かんで来るのだった。
 「分かっているわ。見ず知らずの私が貴方に訳の分からない事を言っているのだもの。でも騙されたと思って信じて……車に乗るのを十分くらい遅らせて。お願い信じて」

 暗子と違って幸男はカジュアルなファッションで、英国製の生地を使ったオーダーメイドの物で時計は勿論ロレックスだ。身に着けている物は全て超一流品だ。そんな幸男が待たせて置いた、お抱え運転手と眼を合わせ呆れた顔した。運転手は路上に車を停車させ幸男を迎えに来た所だった。
「幸男様、いかが致しましょうか」
「いいんですよ。運転手さん気にせず、いま乗りますから」
そんなやりとりに暗子は口を挟む。暗子は悲痛の表情を浮かべ引き留める。
「お願いです。私を信じて大変な事が起こるの」
 幸男は三人の友人と待たせてあるが、彼等と一緒に車に乗り込む寸前の所で再び暗子に声を掛けられたのだ。
「まだ言うの? あんたね、そんな馬鹿な事を言って何も起きなかったらどうするつもりだ。からかうのもいい加減にして欲しいな」
「いいわ、十数分後に分かる事だから。その無駄になった十数分間なんでも貴方の言う事を聞くわ。それならいいでしょう」
 幸男と一緒にコンサートに来ていた仲間の一人が笑いながら暗子に言った。

 「ほう、それは面白い。もし何も起きなかったら裸にでもなるかい。それが嫌なら御免なさいと言って帰りなさい。悪い事は言わないから」
 それと同時に幸男の仲間が腹を抱えて大笑いした。
 幸男は仕方なく車に乗り込むのを止めて時間潰しに友人と談笑し始めた。
「幸男様、仕方ありませんね。長く路上駐車出来ないので私、その辺を一周して戻って参ります」
「ああ、悪いね。そうして下さい」
運転手も笑いながら停めてある車に戻った。やがて幸男は暗子の顔を覗き笑いながら言う。
 「よし決まった。余裕をみて、じゃあ十五分にしょう。いまさら逃げないでよ」
 「ちょっと待って! 運転手さんは何処へ行ったの? 運転手さんが危ないわ」
 「おいおい、今度は運転手のことを心配してくれるのかい。ハッハハ彼はA級ライセンスを持っているんだ。事故なんて百%考えられんよ」
 「技術の問題じゃないの、もう遅いわ。私にはどうする事も出来ないの……」

 暗子は、そう言いながら震えていた。
幸男と仲間達は暗子を見て気味が悪がって仲間内で囁いた。
 「幸男、とんでもない女に引っ掛かったんじゃないのか」
 そう言いながらも、その仲間達から笑顔が消えて冷めた眼で暗子を見た。
 それでも幸男は暗子に最後の忠告をした。
 「ねぇ君、悪い事を言わないから早く帰りなさい。みんなに笑われるだけだよ」
 「貴方達は何も分かっていない……信じろと言っても無理もないけどね。もう遅いわ。私が危険を察知しても誰も信じてくれない。もうどうする事も出来ないもの」 
 もう幸男も仲間も首を振るしかなかった。すると暗子は耳を塞いで悲鳴をあげた。
 「嗚呼!! 爆発する。逃げて! 逃げて」
 数秒後、表通りの方から凄い爆発音と地響きと振動が伝わりビルの上まで炎が燃え上がるのが見えた。
 「なんだ!? 何が起きたんだ」
 幸男と仲間達は表通りと暗子を見比べた。
 「だから信じてと言ったのに……私は危険が予知出来るの、でも止める事は出来ない」
 呆然と立ち尽くし幸男と仲間達。彼女は予知能力者なのか?
 それから数分後の事。表の通りからサイレンの音がけたたましく鳴り響いた。
 沢山の消防車や救急車からサイレンの音が街中に響き渡る。
 
「まさかぁ? ……おい! 誰か表通りの方を見て来てくれよ」
 幸男は仲間に告げた。暗子は近くのベンチに座り下を向いたまま相変わらず震えている。数分後、幸男の仲間が息を切らしながら戻って来た。その顔は真っ青だ。
 「た! 大変だ。タンクローリーが横転して幸男とこの車が事故に巻き込まれたらしく運転手が……」
 「な、なに!! それは本当か?」
 今度は仲間と幸男が真っ青になり、ガタガタと震い始めるのだった。慌てて幸男達は表通りに走った。やがて目の前にした事故現場の惨状は凄まじいものだった。タンクローリーの前輪タイヤがバーストしてバランスを失ったタンクローリーが対向車線にはみだし数台の車と正面衝突した。現場は戦場さながらの大惨事になった。流石にA級ライセンスの腕前でも、突発的な事故は防ぎようがなかったようだ。衝突の反動でタンクローリーから油が漏れ出し引火し火柱をあげ更に他の乗用車も燃え上がった。時間は夜の十一時を回っていたが、大都会東京の夜は戦場そのものだった。片側三車線の広い通りは火の海となった。
 幸男は運転手が心配で飛び出したが、現場を警備している警官に止められた。
 集まった野次馬も激しく燃え上がる炎に逃げ回りパニックになった。

 その事故現場を目の前にし、幸男と仲間達それに暗子は呆然と立ち尽くしている。お抱え運転手とタンクローリーの運転手は重体だが生きてはいるそうだが、予断を許さない状況だと言う。幸男と仲間は改めて暗子を見た。先程までの威勢は何処にいったのか、幸男が蒼ざめた顔で暗子に言った。
「さっきは疑ってゴメン。君は俺達の命の恩人だよ。なんと言って感謝して良いか、もしも、あの車に乗っていたら僕等は多分死んでいたと思う。本当にありがとう。でもどうして、そんな事が分かったの?」
「いいえ、信じないのは当たり前です。けど私の心には見えたのです。しかし運転手さんが重傷を負ってしまった事は残念だわ」
「さっき家に電話して係りの者を病院に向かわせたよ。彼を今は祈るしかないけど、でもどうして?……本当に予知能力があるとでも」
「私にも良く分かりません……時々ですが、先の事が見えるのです。私も最初は夢を見ているような幻想に襲われて、ここ半年前からなのですが病気なのかも」
「病気じゃないよ。それは君の宝物だよ。その宝物が僕達を救ってくれたのだよ。でないと僕は多分いや間違いなく死んでいたかも知れない。今頃は車の中で火達磨になっていただろう。想像しただけで恐ろしくなるよ。本当にありがとう」 
 幸男は暗子にお礼を言ってその場を離れ際に、連絡先を教えてくれと言われた。暗子はお礼なんていらないと言ったが、命の恩人だから是非と言われ名前と電話番号だけ教えて別れた。
その翌日、テレビや新聞では大きく報道された。驚いた母は暗子に訪ねた。
「暗子この時間帯って貴女がコンサート終わった頃でしょう。良く無事だったわね」
「母さん、また閃いたの。大惨事が起きると。近くに居る人に今、動かないで、と伝えたの」
「それでその人は助かったの」
「うん、運転手付きの高級外車で来ていたわ。だけど最初は信じて貰いなくて気味悪がられだけど」
「やはりね。予知能力が目覚めたのね」
「え? 母さんどうしてそんな事を知っているの」
「だってお前の母親だよ。お前に予知能力がある事は薄々知っていたよ。弟の徹の時もそうだった。確かあの時、遊びに行くのを引き止めた事があったね。その後やはり交通事故があって洋子が通る道だった。それ以前にも似たような事があったし、今回の事で確信したよ。もしかしたら貴女にはそれ以上の、能力があるかも知れないわ」

 それから一週間後、幸男からお礼がしたいと連絡があった。
暗子はスマホも持っていないし家の電話を教えていた。名前も聞かれたが、ひがげ・くらこ。ひらがらでしか教えなかった。漢字を知ったらどう思うか嫌になる。
命の恩人に幸男の両親がぜひ会いたいと言われたそうだ。礼なんか要らないと何度も断ったのだが。何度も誘われては礼に欠くと仕方なく誘いに応じたのだった。
 幸男は今、父が経営する本社に勤めている。一応役職は主任だが、いずれは社長を継ぐ身だろう。幸男も親も忙しい身だ。時を改め二週間後に来て欲しいと暗子に伝えた。
 一方の暗子は招待を受けたのは良いが、財閥の家に招かれても貧乏な暗子は、どんな格好で行けば良いのか悩んだ末、事の次第を母に相談した。
「命の恩人って言われたのかい? お前が危険を感じて、その人を引き止めたんだね。それは困ったわね。気持ちは嬉しいけど。そんな金持ちの家にどんな格好で行けば良いか……」
「ほんとにこんな格好では行けないわ」
「幸い二週間の余裕があるもの任せて。私がなんとかするから心配しないで。でも予知能力の事はどう説明するつもり? 暗子の予知能力はどうやら進化しているようね。それ以上の能力が現れるかも」
「自分でも良く分からないの。予知能力が自分にあるなんて……。なに? それ以上の能力って? 私、病気なの怖いよ」
「う―んエスパーつまり超能力かな。決して病気じゃないよ」
「まさかぁ、ドラマじゃあるまいし」
「ううん、暗子は生まれた時から不思議な力があった。確信はないけど悪い事じゃないし。でもそんな人間は実際に居るのよ。有名なのはユリ・ゲラー。エドガー・ケイシーとか日本でも御船千鶴子なんて沢山いるのよ」
「不思議な力ねぇ……今回の事も確かに危険を予知したし、まぁいいわ。人の為になるのなら」
 他人が聞いたらエスパーとか超能力とか言っている二人は笑われるかも知れない話だった。話題は招待された話に戻った。

「でも招待されても、洋服もないし社交場のマナーなんて知らないし」
「それは心配ないわ。昔ね、母さん結婚式場に勤めていた事を知っているでしょ。だからある程度のマナーなら教えられるよ。まかせなさい」
「そっかぁ、そうだったね。母さん見直した」
 そう言って暗子は笑った。時間は二週間ある。暗子の社交マナーの特訓が始まった。挨拶の仕方、言葉使い、食事のマナー、歩き方など母は知っている限りの事を教えた。母は招待日の一週間前に昔、勤めていた結婚式場を訪ねた。遠い昔だが社長は知っている。そのよしみで貸衣装を安く貸してくれると云う。暗子を連れて衣装合わせをした。
 「母さん、勿体無いよ。それにこんなの着馴れていないし」
 「何を遠慮しているのよ。こんな日の為に少しは貯金しているのよ。心配しないで」
 暗子は身長一六八センチある。女性としては大きい方だ。ほっそりしているから大柄には見えない。普段はジーンズにスニーカーだから着替えたらまるで別人のようだった。そんな姿を見て母は涙が零れて来た。本当はこんな綺麗な娘なのに、貧乏から抜け出せなくて年頃の娘なのにと。

 母はその帰りメガネ店に誘った。近眼のメガネではなくコンタクトにした。
 そして招待日の早朝、母が予約してくれた美容院に生まれて初めて行った。
 貸衣装を身に付け、美容院に行きメガネからコンタクトに代えた。馴れないコントクとも数時間したら目に違和感もなくなった。母はまた涙した。
「暗子……綺麗だよ。本当に綺麗だよ。こんな綺麗な娘だったと母でも気が付かなかったよ」
 「母さん誉めすぎだよ。娘にお世辞を言う親なんて聞いた事がないわ」
 「お世辞なものか、鏡を見てごらん。本当に綺麗なんだから」
 暗子は余り見ようとしない鏡を恐る恐る見た。これが私? 自分でも驚いていた。そして苦労をかけた暗子へのささやかな、母からの贈り物だと微笑んで送り出してくれた。

 当日、暗子は家の近くの表通りで待っていた。家まで行くと言われたが、バラック建ての家は見せられない。普段この辺では見かけない高級車が指定した場所に停まった。こんな高級車に乗るなんて上流階級ではあたり前なのか? 暗子はこれが貧富の格差というものなのか。改めて思い知らされた。
富田家が差し向けてくれた車に乗って暗子は緊張していた。まるで自分じゃない衣装に包まれた人形だ。暗子は気を取り直し運転手に訪ねた。
「あのう運転手さん。前の運転手の方はどうなさっていますか」
「ええ幸い、命は助かりましたが復帰は難しいそうで。でも幸男様が生涯に渡って面倒みて下さるそうですよ、本当に優しい方です。貴女が幸男様を救われたとか伺っておりますが」
「私はとくに何もしていません。生涯に渡って面倒みるなんて今時、そんな会社はありませんよね。優しい方なのですね」
 暗子は幸男って思ったより良い人なのだと思った。お礼のつもりの招待だろうが慣れない場所への招待は一苦労する。母からマナーは教わったが本当にキチンと出来るだろうかと気持ちが落ち着かない。
 車は青山通りに差し掛かった交差点、その時だった。またもや予知能力が察知した。信号を無視して飛び出して来た大型トラックに暗子は危険を感じていた。今回も予知能力は働いたが遅すぎた。マナーの事で心が乱れたからか? だが想像出来ない事が起こった。
 暗子が乗った車の脇に大型トラックが目の前に迫った。運転手は衝突されると目を瞑った瞬間だった。暗子は窓越しから、その車に手で遮るような仕草をした。
 すると何故か時間が止まったように、大型トラックはブレーキを掛けた訳でもなく静止した。いや動く物の全てが静止した。いやそう感じたのかは定かではないが時間が止まったような気がする。
 運転手は急ブレーキを掛けたが車が潰されると思いハンドルを握ったまま、眼を閉じて覚悟を決めていた。だが何事も起きなかった。暗子もまさか自分の不思議な力を働いた事を暫く認識出来なかった。

 だが交差点周辺に居た人達の数人はそれを目撃した。確かに歩く人も他の車も衝突しそうになったトラックも動く物の全てが止まったような気がしたと、後でそんな証言があった。
 「運転手さん大丈夫? 急がないと信号が変わるわよ」
 と、暗子が運転手に声を掛けた。運転手は我に返った。何も起きてない事に呆然としていたが再びアクセルを踏んで車は動き出した。だが心臓の鼓動は激しく冷や汗がドッと出ていた。
 運転手は暗子の超能力だとは知らなかったが、不思議な能力の持ち主だと聞いていた。当の暗子もこの時点では自分の力と思っていない。今回は予知能力と超能力の組み合わせだ。明らかに暗子の超能力はパワーを増している。そして何事もなく車は富田家に到着した。

 暗子は金持ちのお坊ちゃまだと思っていたが、屋敷を見て遥かに想像を超えた豪邸だった。覚悟はしていたけど上には上があるものだと思った。
屋敷に到着したが、しかし事の次第を運転手は主に告げなかった。心配もするだろうし誰がその奇跡を信じるだろうか。ただ幸男様にだけは伝えなければならない。現に事故が起きたニュースは報じられず、出くわした人々も記憶から消えていた。
運転手から聞かされた幸男は驚きを隠せない。
「なに、そんな事があったのかい。予知能力ではなく一瞬時間が止まったって」
「ええ、私はもう死ぬかと思いましたよ。思わず目を閉じたのですが、気が付いたら彼女に信号が変わるわよと言われました」
「そうですか、やはり彼女は特殊能力があるかも。運転手さんこれは此処だけの話ですよ」
幸男は運転手に釘を差した。どうやら彼女は本当に超能力を秘めているようだ。運転手は、その力をまざまざと見せつけられたのだ。今はお礼よりも無事に送り届けるのが自分の役目と心得、いずれお礼を述べなくてはならないが。
 暗子は富田家の広い中庭に降り立った。すると左右に数人のメイドと執事が深々と頭を下げて出迎え、その向こうに幸男の両親と幸男本人が軽く会釈して微笑んでいた。
 中庭だけでも五百坪はあろうか、その近くには池があり噴水があった。
 真夏の太陽が燦燦と降り注ぐ昼時だが、緑の芝生と噴水のせいか暑くは感じなかった。暗子は母が特訓してくれた礼儀作法に従い、メイド達以上に深々と頭を下げお辞儀をした。

処が両親も幸男も不思議な表情を浮かべている。母が幸男に小声で囁く。
「ねぇ幸男、命の恩人といった方はあの人なの。あんな美人だとは聞いてなかったけど」
「うん、僕も別人かと思った。信じられない。あの人があの、くらこさん……あの時は暗がりで良く見えなかったし確か眼鏡を掛けていたけど」
しかし目の前の彼女は、このように語った。
 「本日は私のような者を、お招き戴きありがとう御座いました」
戸惑った幸男の母は笑顔を取り戻し応えた。本人に間違いないようだ。
 「いいえ、こちらこそ無理なお誘い致しました。どうぞお入り下さい」
 幸男は容姿のまったく違う暗子に驚き、しばし唖然としていた。
 あのド近眼のメガネはなく髪が綺麗に整えられ、まるで別人のようだ。最も暗子が貧しい家で育った事は知らなかったが、目の前に居る暗子は上流社会のお嬢様のようだった。
 女性ってこうも化けられるものなのか? 最初見たと時は仮の姿でこっちが本物なのか。初対面の時はどう見ても垢抜けしない娘に見えたのだが、しかし歩く姿も堂々としていて長身であり、まるでファンションモデルのようだった。

 幸男の父も息子から聞いていた印象と余りに違う様子に驚きを隠せず、幸男に小声で囁いた。
 「おい、幸男。お前が言っていた女性は本当にこの人なのか」
 そう囁いた。垢抜けしていなくて貧しそうな娘だと聞いていた。
 それがモデルとまでは行かないが、とても綺麗で美しく輝いて見えた。
 だが当の暗子は、そんな自分の美貌に気づいていなかった。髪型と眼鏡からコンタクトに変えて、ちょっと綺麗な洋服にしただけなのに。
 それも金の力で化けただけでも、多少は綺麗に見えるかと思った程度だった。
 一夜だけのシンデレラ嬢と思っている。
 また明日からジーンズに、いつものジャケット姿に戻るのだからと。
 やがて広い応接間に通され幸男の両親が正面に二人並び、暗子と幸男がその前に座った。早速、執事が会釈してメイド達に目配りすると、豪華な飲み物や料理がテーブルに並べられた。

「では改めて、ようこそいらっしゃいました。この度は幸男が命を助けて戴きまして本当にありがとう御座いました」
「とんでもないです。たまたま惨状が頭に浮かんだだけです。お礼を言われる程の事ではないのですから」
 暗子は母から学んだ礼儀作法も言葉遣いも、ドキドキだが今のところ旨くいっていると思った。だが富田家の人からは落ち着いた態度に言葉使い、さり気ない気遣いも好感を持たれたようだ。
 その後、家族と一緒に食事になったのだが、慣れない暗子には美味しさよりも極度の緊張で、ご馳走も喉を通らなかったが、それが逆に謙虚に映ったようだ。この日は無事に化けの皮が剥がれる事もなく終った。
いやこれで全て終る予定だった。こんな人達と住む世界が違うし、もう幸男とも二度と会う事はないだろうと思っていた。

 だが幸男は一目惚れしたようだ。暗子の魔法に取りつかれたかのように。帰り際に幸男が暗子に言った。幸男はなんとしても、お礼をさせてくれと、それも自尊心を傷つけないように気遣ってくれたのだが、お金では失礼だから宝石と高級乗用車を受け取ってくれと言うのだ。
 こんな豪華なお礼なんて聞いた事もない。大金持ちは、まるで金銭感覚が庶民とは桁外れで、まったく分かっていないようだ。それにお礼なら今日招かれた事で済んでいるのに。
 それでも気遣ったつもりのようだが例え高級な車を貰ったとしても維持費が大変だし車の免許も持っていない。でも、その気持ちだけは受け取らなくてはならない。暗子はお礼を述べながら丁重に断ったのだ。困った幸男は両親に相談した。どうすれば気持ちが伝わるのかと。
 両親は幸男の困った表情を見て、惚れたなと苦笑をしていた。
 しかし相手の幸男は尚も喰い下がる。それならと暗子に幸男が提案を出した。
 今度その予知能力の予兆があった時に、すぐ会ってくれと暗子に伝えた。
 それも予兆が現れたらすぐに電話をくれと。暗子は言っている意味が分からなかった。まあそれならば、と暗子はOKをしたのだ。

 暗子は正直困っていた。幸男は優しいしとても魅力がある男性だ。しかし身分というか住む世界が余りにも違う。第一、暗子は定時制高校しか出ていない。その日に生活して行くのもやっとの状態だ。万が一にも恋愛関係に発展しても結末は見えている。幸男は大会社の跡を継ぐ御曹司だ。
 両親は跡継ぎには家柄、高学歴そして容姿端麗な女性を望むだろう。だが幸男は何かにつけ口実を見つけて暗子を誘い出す。その度に母は新しい洋服を買ってくれたが、もう金銭的に限界だった。この際、幸男にハッキリ断ろうと考えていた。
それから一ヶ月後、その兆候が現れたと暗子は嘘をついた。暗子の予知能力は危険を感じた時にしか起こらない。約束通り幸男に連絡をした。ただ予知能力が芽生えたとして、いったい私に何をさせようと言うのか? すると幸男が、お抱え運転手抜きで、執事を従えて自ら車を飛ばして暗子と約束した場所にやってきた。
「くらこさん、これを見て下さい。そして貴女が浮かんだ数字を三つ当てて下さい」
 「え! ……なんの数字ですか? 2…3…7のような数字を感じがしますが、でも今回はハッキリしないのです。それでも良いのですか」
 それはそうだ。何も予知能力の予兆がないのだから。だから適当に言ったのです。幸男は暗子の問いに応えず聞いた数字を執事に伝えた。執事は競馬場で待っていた使用人に電話で伝え馬券を頼んだ。

 「2と3と7だ。それに一千万で一点買いだ。間に合うか」
 「ハイ分かりました。取り敢えず買います。一千万で宜しいですね」
 なんと幸男は競馬のオッズの予想紙を暗子に見せたのだった。勿論競馬を知らない暗子は予想と大きく違った数字を出していた。それから一時間後、暗子を連れて競馬場に行った。その競馬場の特別室に案内し、そこで暗子に大きな旅行カバンのような物を渡した。
「さあこれは貴女が当てた数字で買ったものです。見事に的中です」
「え! 的中ってなんですか、これは?」
「貴女が当てたのですよ。さっきの数字は競馬の予想だったのです。一千万で十二倍の配当金でした。つまり配当金が一億二千万円です。その内の一千万は立替えた私が貰います。残りは貴女に一億一千万円は貴女のものです。私は一円も損しない事になりますから遠慮なく受け取ってください」
競馬に詳しい人なら一発で外れているのが分かるが、暗子には何がなんだか分からない。
「そ!! そんなぁ……受け取れる訳がないでしょう」
 暗子は声も出なかった。なんかとんでもない冗談でも言っているように聞こえた。幸男は最初から現金を用意していたのだ。当たろうが外れようが最初から企てた事だ。
「それと……私からのお願いです。結婚してくれませんか」
「え――いきなり何を言うのですか、冗談はやめて下さい」
「いいえ真剣です。暗子さんに惚れました。両親も貴女ならきっと喜んでくれます」
「無理です! 私は幸男さんの行為に甘えて、つい食事などに何度も行きましたが貴方にはもっと相応しい方がいる筈です。私なんか貧乏で何の取り柄もない女なのです。冗談と思っても不思議じゃないと思います。それに御両親が私なんか認める訳がありませんよ」
「そんな事ありません。確かに僕達は不思議なめぐり合わせをしました。でも貴方の美しさや予知能力に惚れたのでもなく、何度も食事をして語り合っていて、貴方の謙虚な気持ちと物事の分別を臆せず指摘してくれるし、それも相手に嫌な感じを受けさせず、やんわりと過ちを述べてくれて、それがとても温かく感じてくる不思議な魅力があります。失礼ながらお名前と正反対に、いつも明るく振舞う貴女が好きです。それに将来、僕が父の後を継いだ時、きっと貴女なら僕の力になってくれる。そう思っています。だから冗談でもなく本気なのです」
 だが暗子は知っていた。あれは予知能力なんかじゃない。適当に言った数字が当たる訳がないのだ。最初からそう仕掛けた作戦だと見抜いた。それ程までにして私を必要とするのか。その気持ちだけは有難く頂く。
 幸男が本当に好きになってくれたのは分かった。だが幸男の両親は絶対に反対するだろう。それも分かりきっている。暗子の気持ちは幸男に少しずつ好意を抱くようにはなっていたが結婚は全体無理だと諦めていた。変な希望を抱き、その夢が破れた時のショックは計り知れないのだ。

 その時だった。今度は本当に予知能力が目覚めた。
 どうやら危険を感じた時だけ目覚めるようだ。暗子の表情が変だ。
「幸男さん大変! 貴方のお父さんが襲われる。場所はお父さんの本社ビルの前よ。早く、早く行って相手は二人。それもナイフを持っているわ。止めないと」
「ほっ本当ですか! じゃ早く車に乗って」
 なんと暗子の予知能力は超能力へと進化していた。こんなに具体的に分かるのか? 暗子自身不思議だった。幸男は執事と使用人と暗子を乗せて猛スピードで本社の前に急いだ。だが執事はなんの事だか分からない。幸男と数人だけが暗子の超能力の持ち主である事を知っていた。やがて猛スピードで本社ビル前に着いた。丁度、幸男の父が車に乗ろうとして、運転手が車のドアを開けた所だった。
 すると、どう見てもヤクザ風の男二人が走りより、幸男の父の背中を目掛けてナイフで刺そうとしていた。
 幸男と執事は父が刺されると悲鳴をあげる。もう間に合わない。血まみれの光景がよぎる。その時、暗子はあの時と同じように刺そうとしている男に無意識に手を向けた。その指先が熱くなり周りの空気が圧縮されて行く、そして空気が裂け波動となって放たれた。
 すると二人の男がナイフもろとも数メートも吹っ飛び、コンクリートの上に叩きつけられた。その間、時間が止まったような一瞬、誰も動かなかった。犯人だけが吹っ飛び呻き声をあげた。

 ほんの数秒だが確かに静止した。半分失神状態の犯人二人を社長の秘書達が取り押さえた。幸男と執事は暗子を見た。幸子の手は相手の男達に向かって拳銃でも撃つような仕草をして凄い形相で立っていた。あの手から不思議なパワーが犯人を吹き飛ばしたのだろう。信じられないけど。
 暗子の能力は予知能力だけじゃなかった。まるでエスパーだ。その力は無意識に働いたのだ。
 「くらこさん? 大丈夫ですか貴女が何かしたのですか」
 暗子はそう言われ我に返った。だが自分の体が硬直して思うようには動かない。そして深呼吸するとやっと元に戻った。

 「私……私……自分が怖いわ。私は普通じゃない! 助けて」
 暗子は自分の不思議な能力が怖くなって震い始めた。
 あの交差点での出来事も自分の力で止めたのだ。
 そうして今回も、もう自分は化け物じゃないかと思った。このまま超能力が進化して自分の気にいらない人々を吹き飛ばす怪物になって行くのか?
 幸い幸男の父は無事だった。執事が駆け寄り呆然としている主に事態を説明した。
 「いったい何が起きたのだね。確かに私は襲われて刺される寸前だった。それなのに彼等は吹っ飛ばされた」
 「社長、ご無事で。たぶんあの彼女が社長を救ってくれたと思います」
 「くらこさんが……彼女は未来が見えるとか、しかし今は超能力なのか」
大会社の社長ゆえ狙われたのだろう。知らぬ間に誰かに恨まれたのか定かではない。幸男は父も襲われたのにも驚いたが、犯人が急に吹っ飛んだのにも驚いた。執事から事の次第を聞かされ幸男の父は、まさかあの子がなんと云う不思議な力だ。息子が助けられたのもこれかと思ったようだ。
 幸男に続き父親も救われた。これ以上の恩人が居るのだろうか。
彼女が居なかったら親子二人この世に居なかったかも知れない。
もはや社長と後を継ぐ息子が亡くなって居たら会社の存続も危うい。
 両親は幸男が暗子を好きな事は知っていた。だが結婚は別だ。財閥となれば家柄が大事だ。これは幸男に何度言い聞かせてきた事だ。だが幸男は暗子に夢中になり納得しなかった。しかしもう家柄や学歴なんてどうでも良い。社交的なマナーも備えているし、それに美貌も申し分ない。富田家の嫁として何が不満であろうか。命があってこそ人生ではないか。
そしてあの超能力は私達家族をこれからも救ってくれるだろう。
 
 それから幸男とは三ヶ月の間に何度か食事したりして、暗子も本気になりかけ好きなっていった。交際するにしても、洋服や交通費も大変だ。金銭的にも限界を超えていたが三才下の妹が姉の為と援助金を出してくれていた。
だが貧乏人の自分とでは身分が違いすぎると、自分に言い聞かせていたのだったのだ。暗子は心にブレーキを掛けている。これは夢なのだ、夢から覚めた時の落胆ぶりが怖い、怖くて堪らない。でも幸男は真剣だ。今度は本当に両親も賛成してくれていると説得した。それからも押しの一手で、ついに幸男の熱意を暗子は素直に受け止めたのだった。
ここまで来ては、いずれ住民票も提示する日がくるだろう。そうなると日影暗子の漢字も分かってしまう。苗字は変えられないが暗子は変えられると思う。母は役所に出向いた。しかしそう簡単に認めてくれないが『これから結婚するのです。暗子ではあまりにも可哀想でしょう。どうかその辺を考慮してお願いします』と哀願した。役所も気持ちは分かりますと承諾して蔵子と改名した。

 名前の件は解決したが、金持ちのする事は分からない。あの日(競馬当選金)のお金は受け取らなかったが金銭感覚が余りに違う。富田家は結納金として二億円を日陰家に渡したのだ。
 余りにも高額な結納金だが、受け取らなければ嫁入り道具も揃わないし、バラック建ての家から嫁いでは富田家も立場ないだろう。有難く受け取った。
 滞りなく結納を済ませ、結婚式は半年後という事になった。暗子の母は八十坪の土地付き家を買い、そして蔵子の弟妹達を世間に出しても恥ずかしくない礼儀作法の特訓をした。母は蔵子にも弟妹にも、肩身の狭い思いはさせたくなかった。

 これも富田家のお蔭で、もう貧しい生活をしなくて済む。財閥の親戚に相応しい生活をしなくては……そして蔵子も財閥に嫁ぐ嫁として恥ずかしくない教養を身に付けようと英語教室やパソコン教室、茶道に習字の練習に自動車学校にも通った。蔵子はやはり優れた能力を持っていた。人の数倍の速さで習い事をマスターしてしまった。
 母や弟妹達も綺麗な洋服を着て、財閥の親戚として笑われないように教養を身につけようと一生懸命だった。半年前には想像もつかない日陰家であった。
 蔵子は晴れて幸男と結婚式を迎えた。
 蔵子は母や妹、三つ子の妹弟達には残りの金をそっくり置いて蔵子は式に臨んだ。

 披露宴は盛大なものだった。政財界を始め芸能人、友人など出席者は千人を軽く超えた。驚いたのは幸男と蔵子が出会うきっかけとなった、あの有名女性シンガーソングライターがゲストとして招かれ二人の門出の為に唄ってくれた。そして直接二人の前に来て祝福の言葉まで貰った。
蔵子にとってこれ以上のサプライズはない。幸男の気配りに感謝した。
そんな華やかな宴に日陰家からは十五人そこそこだったが、しかし母は堂々としていた。どんな有名人だろうがセレブだろうが、臆する事なく母としての役目を果たした。蔵子は思った。母は役者の素質があったのではないかと、そんな母の姿に蔵子は心より喜んだ。そんな披露宴の中で招待された人々は綺麗だ。気品がある流石は富田家の嫁になるに相応しい人を選んだものだと褒め称えた。

 披露宴が終って暫くして蔵子は幸男に話したいと事があると伝えた。
幸男は少し驚く、この場に及んで今回の結婚はなかった事にしてくれと言うんじゃないかと思った。大勢の人を呼んで今更それは無理な話だ。
いや蔵子なら出来る。超能力なら出席し人や関係者の記憶さえ消せば可能なのだ。不安を感じながら幸男は聞いた。
「改まっなんだい」
「あのね、あの馬券の話だけど本当は当たってなかったでしょう」
幸男は焦った。あの時はなんとしても受け取って欲しかった苦肉作だった。
「でもそれはそれでいいの、幸男さんの気持は嬉しかったから。でも本当の事を言うと当たり馬券が分かっていたの」
「ええ――本当に……それなら当り数字を言ってくれれば良かったのに」
「そうは行かないわ。それから私は競馬の事を調べたの。試しに予想して当たり馬券をその後、全て当てたの」
「まさか本当に」
「そう全て予想通り当てたわ。おそらく買って居たら大金が入っていた事でしょう。貧乏人の私は、確かにお金は欲しかった。でもそれはルールに違反する事だわ。詐欺と同じよ。先が読める事は良い事でもあるけど犯罪にも繋がるわ。だから私は暫く超能力を封印するわ。但し人を救う事に役立ちなら、きっとまた使うかも知れないけど」
幸男は思った。蔵子なら超能力を使ったら世界一の富豪か、或いは世界をも思うように動かしたかも知れない。それを捨てて自分(幸男)との幸せの為に生きると言ってくたれ。
約束通り蔵子は超能力を封印した。幸せを掴んでから、もう何もいらない。
 幸せと引き換えに、その超能力は消えてしまったのか。やはり神の仕業だろうか。しかし危険を察知したらまた現れるかも知れない。
 愛する幸男の為、富田家と日陰家の為に使う時が、いつか来るかも知れない。
 その時はきっと超能力の威力は更に進化して、弾丸さえ止めてしまうかも知れない。

超能力者 

執筆の狙い

作者 ドリーム
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あとがき

現代で言う白雪姫物語。いや彼女は超能力の持ち主。
勿論、有り得ない事がポンポン飛び出すのですから現実離れした物語です。
でもそれは小説の醍醐味ではないでしょうか。
馬鹿げている、いや小説だから許される。賛否両論があると思います。
小説とは書き手に委ねられ、好きに描ける。それが小説の面白さですね。
ただ私は単純な人間で上手く恋愛感情を書けませんが今回は恋愛より超能力を中心に描きました。
皆様のご意見をお待ちしております。

コメント

どうでもいいけど
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日本は敗戦後、GHQによって財閥解体がされたこと、知らないんですか?
だから「〇〇財閥」なんて、面でも陰でも呼ばれません。バカにされますから。
メガ企業なら「フォールディング」と名乗りますが、古いんですよ根本が。
メルヘンものだから馬鹿馬鹿しいなんて感想は思っても記しませんがね。
モロありきたりの「予知能力モノ」。
スティーブン・キングの小説「デッドゾーン」とか読んで見ては?

中小路昌宏
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 こんばんわ。

 まあこんなうまい話、小説の世界だから許されるのでしょうね。
 今年ももう、あと僅かです。今年あった悪い事にはこれでケジメをつけて、来年はいい年になりますように・・・・・

ドリーム
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確かに財閥解体によって、財閥は日本経済の表舞台からは姿を消すことになりましたが、いまなおその名前が残っているのは財閥の影響が広く日本国内に浸透し、いまの日本経済を作り上げてきたから存在であるでしょう。

日本の四大財閥はこの言葉が好きなのです。
因って財閥と言って笑う人は居ないでしょう。
フォールディングは近年、使われた商号で、読みが良いだけ。

横道にそれましたが、読んで欲しいのは中味で。
まぁどうでもいいけど

ドリーム
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中小路昌宏さん いつもどうもです。


来年はいい年になりますように・・・・・

ちょっと早いんじゃない(笑)

凡人
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 読ませて頂きました。

  まず褒めさせて頂きます。文章は飾り気が無く素直でスラスラと読めました。 

 問題は中身です。失礼ながら、これは漫画の原作か? 韓流ドラマか? と言う感じですね。 
 名前を始めとしてすべてがパターンでしか無い。例えパターンでも、ピンチに陥って危機一髪逆転するとか、起伏が有ればまだしも、それも有りませんでした。申し訳な有りませんが途中で飽きてしまい、やめようかとも思ったのですが、最後のどんでん返しを期待して読み切りました。お伽話で終わってしまいましたね。

 相沢沙呼の[霊媒探偵城塚翡翠]シリーズを始めとして、今、日本の作品では一捻りどころか、ニ捻りも三捻りも加えるのが普通です。

 貧しかったからこそ必死で努力して成功した人はいくらもいますよね。坊っちゃんに生まれても没落して行く人も、ニュースや他の媒体で時々目にします。やはり、余りにも固定概念過ぎると思います。

 私なら、幸男に資金を出させて教団を作り、暗子が教祖様に収まってしまい、最後にインチキがバレて、「さて、どうする」ってな話を考えてしまいますね。失礼。

 それは余計なお世話として、具体的な部分に付いて少し言わせて頂くと、

 まず、徳川家光の話は要らないと思います。少しでも歴史に興味が有る人なら知っている話ですし、トリビアみたいにひけらかされても白けてしまいます。本編の内容とも合っていないと思います。

 次に、
>A級ライセンスを持っているんだ。事故なんて百%考えられんよ

と有りますが、そんな大したもんじゃありません。
 私も持っていますが、まず簡単な講習を受けてB級ライセンスを取ります。寝てないで講義聞いていれば誰でも取れます。A級は、B級を持っていることが受験資格となり、午前中にレースのルールやチェッカーフラッグの振り方による意味と対処法などについて講義と簡単な筆記試験が有ります。これも、寝ていなければ殆ど受かります。午後にジムカーナと言う、パイロンを置いての、スラローム走行。勝敗を争うものでは有りません。その後にコースに出て、パイロットカーの先導でコース走行を行いますが、スピードの感覚が分からなくなるのか、ヘヤピンでスピンしてしまう人もいますが、それで落ちたりはしません。

 文章は読みやすいし、これだけの長さをストーリーの破綻無く書ける力をお持ちですが、残念ながら、面白さがないですね。

どうでもいいけど
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いわゆる「上流階級」あるいは「上流国民」に作者さんは憧れているんでしょう。
けどね、上辺だけのイメージに囚われすぎなのでは?執事に幾人のメイドなんて、やんごとなき、
とある一家くらいなものですよ、右の人らが大好きな。

財閥、に憧れを抱くのは結構。
しかし、旧財閥(あたしならこう記します)が何を本業にしてるのかが不明なので、全く説得力が
ない。旧財閥の三菱・三井・住友(安田は含めない)が何をベースとしているのか、言えますか?
あたしは興味ないからどうでもいいですけどね、三菱には商事、銀行、重工業などとありますが、
三菱の根幹、というか最も古いのは日本郵船です。だから日本郵船の社員は三菱グループの中で
最もプライドが高い。
日産(コンツェルン)はもともと「鮎川財閥」。

前に「上流」のお嬢様奮闘記を書かれましたよね。それにも全くリアリティがなかった。
たかが貿易会社だか雑貨屋だったかが倒産して「リーマンショック」に匹敵する不況を
起こしたとか。
唯一の財産が一本数万円するワインが月額数千円の「ワインセラー」に収められていたとか(月極の
トランクルームじゃないのそりゃ。ワインはすぐに劣化する)。
お嬢様を強調したいあまり「聴く音楽はクラシック」とか(クラシック愛好家ならフォン・カラヤン
によるー、とか、フルトヴェングラーのーとか、小澤征爾によるー、とか一家言持っとる)

小説は細部に宿る、って言があるでしょう。メルヘンだのファンタジーとかの非現実な話は
細かいところを強調してリアリティを持たせ面白くさせるモノ、だと思いますよ。

ドリーム
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凡人さま

お読み頂きありがとうございます。


>申し訳な有りませんが途中で飽きてしまい、やめようかとも思ったのですが、最後のどんでん返しを期待して読み切りました。お伽話で終わってしまいましたね。


残念ながら一捻りもなく終わられてしまいしました。
強いて言えば、馬券が分かっていたのに買わなかった種明かしでしょうかね。
超能力者が法を犯して勝手な事をすれば秩序が乱れるから。
良く言えば真面目なんですね。

> 私なら、幸男に資金を出させて教団を作り、暗子が教祖様に収まってしまい、最後にインチキがバレて、「さて、どうする」ってな話を考えてしまいますね。失礼。

ハッハハ奇想天外なストーリーですね。
それも面白いかも知れませんね。
ありがとうございました。

上松 煌
18.235.74.110.ap.yournet.ne.jp

ドリームさん、こんばんは。

 いの一番に感想をつけたのは「どうでもいいけど=でしょ」だな。なにも恥じることはない。もとのHNで堂々と感想を述べるべきだワ。
あ? でしょ。

 さて、『超能力者』拝見しました。
面白いところに目をつけたなぁと思います。
これは書きようによっては、ヒッチャカメッチャカ・どたばたお笑い・超おバカご都合主義ドラマに発展する可能性を感じました。
まぁ、今のままでは題名からして再考の余地があり、執筆の狙いにある、

   >>小説とは書き手に委ねられ、好きに描ける。それが小説の面白さですね<<
     ↑
 は、作者だけが面白がっているだけで、読者はちっともノれないまま置いてきぼり。
おれはお話の「……車に乗るのを十分くらい遅らせて。お願い信じて」 あたりで見事に挫折しました。

 
 設定が上流階級・財閥なら、それはそれでいいけど、上流階級・財閥はこの地位財産を子々孫々にまで維持継承しなければならないので、意外に質素で、ほとんどの人がネットに情報が残るのを恐れてSNSもやりませんから小説の題材としては地味です。
ここはぜひ、『成り上がりセレブ』にすべきです!
どうせ夢物語なのですから、思い切りド派手のぽうが愉快でしょう?

 令息の棲家はいかにも成り上がりっぽく「千葉のワンハンドレット・ヒルズの大豪邸」や「湾岸にある自分の最新タワー・マンションの最上階で、ワンフロアすべて自宅」とか、「本宅はアメリカのヴィヴァリー・ヒルズ北部で、日本の自宅は別荘感覚」とかのほうが夢が広がります。
もちろん移動手段の自家用へりやジェット、海のクルーザーも忘れてはいけません。
日本でお忍びで近場に行く時は専属のハイヤーで、わざわざ人件費のかかる運転手など雇いませんし、自分で運転もします。

 改まった場で着るものや身につけるものはすべて1点もの。
一流デザイナーよりも、セレブ仲間で人気のある職人に自分の好みで製作させた使い勝手の良いものを好みます。
そのくせ、普段はラフな一般人の格好ですが、よく見ると素材が超上質。
これは普段着でも良いものは着心地もよく、しかも長く着られるので経済的という感覚です。
確かにシャツひとつ取ってもいいものは着心地と満足度が違う。

 自宅にワインセラーを持つのもいいですが、東京都心には高級リカー・ショップはいくらでもありますから、そこから調達したり、日本酒なら蔵元、ビールなら地ビール店や各地のアンテナ・ショップからのほうがお手軽でしょう。
おれなんかですら酒や海産物・特産品が食べたくなると、調布や埼玉のホンダ航空から小型機で飛んだり、新幹線や長距離バス利用で現地調達したりするのだから、成り上がりセレブはそれを世界に広げてやっているはず。


ね、こんだけ書いただけでもセレブって面白いでしょう?
創作意欲がわいてきたのでは??
さぁ、今度はあなたが想像力とリアリティを駆使してあなたの夢物語を再構築してください。
楽しみです。

ドリーム
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上松 煌さま

お読み頂きありがとうございます。

 >>小説とは書き手に委ねられ、好きに描ける。それが小説の面白さですね<<
     ↑
 は、作者だけが面白がっているだけで、読者はちっともノれないまま置いてきぼり。

ハッハハ確かに書き手は面白くてしょうがありません。
でも読者が勝手にやっていろと、では駄目ですね。

>もちろん移動手段の自家用へりやジェット、海のクルーザーも忘れてはいけません。

日本有数の豪商なら、なんでも可能ですね。
日本でプライベートジェット機を持っているのは前澤社長くらいですかね。
勿論も会社所有で大企業の社長クラスは乗るそうですが。

>ね、こんだけ書いただけでもセレブって面白いでしょう?>
創作意欲がわいてきたのでは??

創作意欲よりもレベルが高くてついて行けませんよ(笑)
今回は失敗作のようでした。次回は人情物で行きます。
因み正月が近いですから、そのものズバリ(お正月)にします。

色々とアドバイスありがとうございました。

えんがわ
KD106154144222.au-net.ne.jp

拝読しましたー。思ったよりボリューミーだった―。

自分的にはこのセリフにきゅんと来ましたね。

>「私にも良く分かりません……時々ですが、先の事が見えるのです。私も最初は夢を見ているような幻想に襲われて、ここ半年前からなのですが病気なのかも」
>「病気じゃないよ。それは君の宝物だよ。その宝物が僕達を救ってくれたのだよ。

超能力を異常かもと悩む暗子に、それがその人の持つ個性、宝物と説いてくれる幸男。
ひじょーに女の子の弱っていた心をとらえる決め台詞だったような気がします。


主人公のネーミング、大げさな設定から、こういうのは漫画みたいなフィクション性は出ますけど、
それはそれで肩を張らないで読めて、好感触です。


ずかずかいきます。

今回、幸男を許せないのは馬券が当たったからお金を数億揚げる、→からの「結婚してくれ」のプロポーズですよね。
そりゃあ、受けないだろう?
愛を金で買う感じで、幸男への好感度は一気に下がりました。


個人的に、幸男の魅力を、お金以外の部分でも、もっと掘り下げて欲しい。(父母に反抗するところとか)
ケガを負ったドライバーに、生涯をかけてお金を援助、とかそういうのはけっこう良いと思うんだけど。


やはり、プロポーズシーンですよね。善意が溢れた思いきったお金の使い方を魅せつけて欲しいです。

たとえば、出会いになったコンサートの歌手に、「YUKIO IS LOVING KURAKO FOREVER」とか(これはダサいけど)歌わせてプロポーズとか、スカイツリーの屋上で「これからのことを予知できる?」と聞いて、「予知できてしまったら君は怪物だから別れた方が良いかもしれないけど」とか言いながら、結婚指輪の箱を取り出して、「どうだい? 僕の気持ちわかる? 開けてごらん」とか。


とりあえずプロポーズは色々あるはずなんで、ロマンチック且つ庶民には出来ないものを放ってれば、嬉しかったです。
競馬の馬券を当てたよーは、お金持ちの夢なんだけど、ラブロマンスではロマンを感じなくて。
どうせなら予想は外れたけど、一着になったのが自分が馬主で持っている馬とか、そこまで飛んでほしー。


後半はアドバイスというよりも自分の妄想になって恥ずかしーなー。ごめんねー。いらんこと書いて―。
でも、いろいろ妄想できるテーマですよねー。

凡人
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 どうでもいいけど、コメントの中で『フォールディングス』って書いてる人居るけど、FじゃなくてHだから『ホールディングス』だよね。
 foldings『折りたたみの, たたみ込みの』の複数形。
 自分も誤字脱字だらけのコメント付けてる癖に、なんか気になって頭から離れないんだよね。
 すいませんねぇ。自分、大雑把なくせに、他人の事だと細かいことが気になってしまう性格なんで……。

ドリーム
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えんがわ様

お読み頂きありがとうございます・

>主人公のネーミング、大げさな設定から、こういうのは漫画みたいなフィクション性は出ますけど、
>それはそれで肩を張らないで読めて、好感触です。


ネーミングが少し極端過ぎましたね。
日陰暮らしで暗い子 日陰暗子
富と幸 で富田幸男
付け方が漫画的でした。

>やはり、プロポーズシーンですよね。善意が溢れた思いきったお金の使い方を魅せつけて欲しいです。
善人だけど愛情の表現の仕方が分かってないようですね(笑)

ありがとうございました。

ドリーム
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凡人さま

再訪問ありがとうございます。


> どうでもいいけど、コメントの中で『フォールディングス』って書いてる人居るけど、FじゃなくてHだから『ホールディングス』だよね。

私もつられてコピペしましたがホールディングスが正しいですね。
昨今は社長でなくCEOなんて横文字の方が受けが良いのですか。

その内、専務も部長も課長も横文字 さてなんて呼べば良いのか(笑)

ありがとうございました。

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