作家でごはん!鍛練場
中小路昌宏

榊原質店シリーズ・結婚相談所

榊原質店・結婚相談所
榊原久則五十六歳・榊原質店店主
妻・紀子五十三歳
長女由香里二十八歳・弁護士
浦島一太郎四十歳・浅草出版編集長
美佐子四十歳・アパート経営

 一
 「こんにちわ。いやあ、まだ五月なかばだというのに、今日も暑いですね。エアコンが良く効いていて、ここへ来るとホッとしますわ」
 「いらっしゃい、浦島君、もう早や、一か月経ちますかね」
 そうなんです。七月号の締め切りが五月二十日なので、そろそろ原稿を頂きたいのですが、六月号と同じでいいでしょうか?」
 「ああ、前と一緒でいいですよ。あんまり効果ないかと思っていたけど、やはり三千円と五千円とではお客さんの関心度はだいぶ違うので、良かったと思っているのですよ」
「そうでしょう。お宅の場合は何かの品物を売るというのでなくて、店のイメージアップを図るのが目的ですから、さりげなく、『よろず相談承ります』とひとこと添えただけで、人の目に留まるだろうという事は分かっていましたよ」
 「ところで浦島君、貴方も、もうそろそろ四十に近いのではないですか?」
 「えっ、はあ、そうですけど……」
 「付き合っている人はいないのですか?」
 「はあ、残念ながら……」
 「結婚しようという気持ちはあるのですね」
 「それはもちろんですが、こんな貧乏人の中年男なんか、誰も相手にしてくれないでしょう」
 「まあ、それは何とも言えないけど、どうですか? 私の所ではよろず相談の一つとして結婚相談所のような仕事もやろうと思っているのですが、駄目で元々のつもりで、登録だけして見ませんか?」
 「ええっ、そんなこと言われても……?」
 「いや、なにも心配いらないですよ。自己紹介の手紙文を書いてウチへ預けておいてもらうだけなのです。そして、女性側からも希望の人からそういう手紙文を預かっておいて、似合いの相手が見つかった時に、ウチから双方に連絡するというシステムです。その間、お金は一切頂きませんが、婚約内定となった時には双方から五万円だけ頂くことにしているのですよ」

 浦島一太郎は四十歳になる。
 名刺には浅草出版編集長と書いてあるが、要するに「浅草タイムス」という、商店街のミニコミ誌を発行している会社だ。スタッフは社長夫婦と浦島のほかには事務のおばちゃんが一人という四人だけの会社だ。高校生のときにアルバイトで勤め始めて以来、もう二十三年もこの会社で働いている。
 仕事はもっぱら近くの商店を回って広告の注文を貰ってくるだけだ。たいして宣伝効果があるとも思えないが、小さいコマなら一コマ三千円という手軽さなので、お付き合いで毎回四百軒以上のお客さんから注文を貰っている。
 彼の住まいは会社から五分ほど自転車で行った先にあるボロアパートだ。一階が家主のおばさんの家になっていて二階に貸室五部屋があり、そのうちの一部屋を借りて住んでいる。煤けた六畳間に小さなキッチンとトイレがあるだけのみすぼらしい部屋だが、家賃は三万円という安さで、何より会社から近くて便利なのでここに長く住んでいる。
 冴えない仕事なので一太郎には彼女が出来ない。若い時には何人かの女性と付き合ってみたが、いずれも仕事内容を聞いて彼の部屋を見ただけで、向こうから断って来た。もともと老け顔なので三十五歳を過ぎる頃になると、もう誰も相手にしてくれない。
 そんな彼を見て、彼のお得意先の一つでもある榊原質店から声が掛かったというわけだ。やり方は、ただ、二百文字から五百文字ぐらいの自己紹介文を書いて預けておくだけだと聞いた。写真もいらないし、本名でなくともいい。ただ、嘘を書いてはいけないよ、と言われた。年齢をごまかしたり、嘘の職業を書いてはいけないという事だ。お金は婚約内定したときに払えばいいという事だったので。それなら、という事で名文?を書いて預けることにした。仕事柄、文章を書くのは慣れている。
・・・・・・
≪私は四十歳。千葉県の高校を出て、今は東京都心の小さな出版社で編集長として働いています。身長百七十センチ、体重六十三キロ、趣味は小説を書く事です。離婚歴はありません。自宅は会社の近くです。両親は千葉県在住で、兄夫婦と同居しています。私は次男なので親の扶養義務はありません。兄弟は他に妹がふたり、いずれもそれぞれ千葉県と埼玉県に嫁いでいます。
お相手については、三十歳から四十歳ぐらいまでで、健康で性格の穏やかな方を希望します。仕事を持っている方でも、専業主婦を希望される方でも構いませんが、私はお金持ちではありませんので、贅沢な暮らしは出来ませんことをご承知ください。よろしくお願いします。
U-1より≫
・・・・・・
 どうせ何の反応も無いだろうと思っていたのだが、意外にも数日後に、榊原質店から電話があり、良い相手が見つかったので、相手側の自己紹介文を見に来ないかと言ってきた。
すると、
・・・・・・
≪初めまして。
私は四十歳です。両親とともにアパート経営をしていましたが、今は両親とも亡くなり、自宅でアパート経営のほかに、ホーム頁作成などのアルバイトをしています。今まで両親の面倒を見ていたのと、外へ出歩く機会が無かったので、これまでご縁に恵まれなかったのですが、そろそろ家庭を持ちたいと思うようになりました。こんなおばさんですが、贅沢は申しませんので、貰っていただける方がありましたらよろしくお願いします。 美佐子≫
・・・・・・
 どんな人なのか会って見なければ分からないが、自分としては贅沢なことを言える身分ではない。アパート経営のほかにホームページ作成で収入を得ているのなら自分の安月給を補って少しは暮らしも楽になるだろうと思ったので、
「榊原さん、一度お会いしてみたいので、良かったら連絡をお願いします」
と伝えた。すると、
「そうですか?先方さんにも貴方の紹介文を見せたら、是非会って見たいと言っていたので、時間と場所はあなたの方でお決めになってお手紙を書いてください。それを見て先方さんがオーケイなら連絡します」
と言われた。
 四十歳にもなって恥ずかしいがこんなことは初めてだ。ドキドキしてきた。
少し気後れするが駄目で元々だ。そこで
≪美佐子さん。初めまして、U1と申します。・・・榊原質店のご主人から、私にお会いして頂けると聞きました。有難うございます。しがない安サラリーマンですが、真心だけは誰にも負けないつもりです。きっと幸せな家庭を築けるのではないかと思っております。
お逢いする場所としては、お互いに若くは無いので、あまり目立たない場所がいいのではないかと思います。次の日曜日午前十一時半に榊原質店のすぐ近くの「レストラン・パリ」の、二階のいちばん奥の席を予約しておきました。目印としては(浅草タイムス六月号)をテーブルの右手前に置いておきますので、よろしくお願いします≫
と書いたものを榊原質店の親父さんに預けた。
 浦島は昔仕立てた背広を今も毎日着て、仕事に出掛けている。もう、ボロボロなので、まさかこんな格好でお見合いという訳には行かないだろうと思って二十年ぶりに新調した。
前日には散髪にも行き、久しぶりに薄い髪に櫛を入れ、丁寧に顔を洗って、鏡に向かって緩んだ顔を引き締めてお得意先の一つでもある、「レストラン・パリ」へ向かった。
店の主人からは、ニヤリ、と笑われたが、澄ました顔をして階段を上がった。
すると、まだ約束の時間には十五分ほど早いが、涼しそうな、白地に紺の筋の入ったワンピースの後ろ姿が眼に入った。後ろ姿だけではよく分からないが思ったより若い感じだ。
そろりそろりと右横から回り込んで声をかけた。浅草タイムス六月号が右横に置いてあるのを確認した。間違いない。この人だ。横に立って、
「こんにちわ。美佐子さんでしょうか?」
すると顔を上げた途端に、お互いに
 「あっ」
 と言った。なんと、その女性は若作りをしているが、間違いなく、彼のアパートの家主のおばさんだったのである。五十歳は過ぎていると思っていたのに四十歳だったとは……
「いやあ、これはどうも!!びっくりです」
「あはは、いやだわ、浦島さんだったのですか? そういえば浦島さんも出版関係でしたわね」
真っ赤になり、汗をびっしょりかいたが、帰るわけにもいかず、前に座った。いつも部屋代を払いに行く時に会うだけで、化粧っけの無い顔しか見ていないが、女というのは化粧ひとつでこんなにも変わるのかとびっくりした。よく見ると、四十歳どころか、三十五歳と言ってもいいような、なかなかの美人である。
何を話していいのか分からなかったが、向こうからは仕事のことや趣味の小説のことなどをいろいろ聞かれた。
「そうなの?一度貴方の書かれたものを読ませてくださいな。本を出版されたことはあるのですか?」
「ええ、一応、短編集を二冊だけ……でもさっぱり売れなくて赤字ですよ。ところで大家さんはホームページを作っていらっしゃるとか? どういう仕事なんですか?」
「昔、父が飲食業の組合に勤めていた関係で、主に浅草界隈のレストランなんかのホームページを今でも時々頼まれるのですよ」
「あっ、そういえばこの「レストラン・パリ」のホームページも見たことありますけど、あれも大家さんが作られたのですか?」
「ええ、そうよ、でもその「大家さん」はやめて頂けませんか? 美佐子と呼んでくださいな」
「あ、はい。美佐子さん。今日はどうも有難うございました」
「えっ、もうそれだけ? 今日は何で、ここで会っているのかしら?」
「えっ、と言いますと……?」
「いやだわ。これはお見合いじゃなかったのかしら?」
「あ、いちおう、そういうことになっていますけど……」
「じゃあ、これでおしまい? それともこれからお付き合いして頂けるのかしら?」
「えっ、お付き合いですか? 今まで考えたことも無かったのですが」
「それは私もよ。でもよく考えて見たら、お互いにいい歳だし、こう言うのを(割れ鍋にとじ蓋)というのじゃないかしら、アハハ」


レストラン・パリで大恥をかいた浦島は、結果報告がてら、その帰りに榊原質店に立ち寄ってみた。
「おや、浦島くん、今日は確か、お見合いの日でしたね、いかがでしたか?」
「いやあ、赤っ恥をかきましたよ。相手が私のアパートの大家さんだなんて、榊原さん、知っていて、あんないたずらされたんじゃないですか?」
「ええっ、あんたの所の大家さんだったのですか? あんたがどこに住んでいるか、私が知るわけ無いじゃないですか? それはびっくりしたでしょう。アッハッハ」
「びっくりも何も、ホント冷や汗が出ましたよ。でも、五十歳は過ぎていると思っていたのに、女というのは化粧ひとつであんなに変わるものかとびっくりしましたよ」
「そうですか? それで、どうなったのですか?」
「いや、こんなことがあったからには、もう、とても同じ屋根の下に住むわけにもいかないので、アパートを引っ越ししなければならないのかなと思ったのですが、お付き合いしてもいいと言ってくれたので、またまたびっくりですよ」
「そうですか? ではとりあえず、お見合いは成功だったわけですね。
浦島君が考えた『よろず相談承ります』という、あの広告を見て美佐子さん、つまり藤川アパートの大家さんがこちらへ相談に来られたのですよ。ですから、元はと言えば、全部、浦島君のアイデアから出た話なのですよ。でもとにかく、良かったですね、お目出とうございます」

それからは毎日、家を出る時に美佐子に会うかどうか、気にしながら出かけることになった。
お付き合い、というからには、たまには食事に誘うなどしなければいけないのだろうが、あまりそういう経験も無いし、相手が大家さんとなるとなかなか気恥ずかしくて、言い出すきっかけを掴む事がとても難しいと思えるのであった。
だが、十日ぐらい経った夕暮れ時、たまたま会社から帰って来ると、買い物から帰ったらしい美佐子が玄関から中に入るところだったので、声をかけた。
「大家さん、こんにちは。先日は失礼しました」
「あら、浦島さん、こんにちは、こちらこそ失礼しました」
「あのう、それで……」
「はい。なにかしら?……もしかしたらデートのお誘いかしら?」
「はあ、いちおう、お付き合いさせて頂くと言った以上……たまにはお食事でもと思って……」
「そうね、うれしいわ、でも堅苦しいことは抜きにしましょうよ。今日は何も用意していないから、明日の夜はウチでなにか、すき焼きでもしましょうか?」
「あ、すき焼きをご馳走して頂けるのですか? 有難うございます。では、お肉だけでも僕の方で買って持って行きますので、……六時頃でいいでしょうか?」
「そうお? でも無理しないでくださいね、そんなに高い肉でなくてもいいですからね」
なにかまだ、ぎこちない感じは抜けないが、少しずつ慣れていくだろう。まさかこんな展開になるとは思ってもいなかったが、どうやら、嫌われてはいないようだと分かって、安心した。
翌日、いつもは玄関先で話をするだけだったのだが、初めて部屋の中へ入った。建物の外観からは想像出来なかったが、そこは広い、おしゃれなリビングとなっていた。ピアノもあり、仕事用と思われるパソコンデスクもそこにあった。
あの日以来、大家、いや美佐子の様子はすっかり変わった。おばさんだったのが、さなぎを脱いで蝶に代わったのである。いつも化粧をして、小ざっぱりした服装をするようになった。
浦島自身も、無意識のうちに、身だしなみに気を付けるようになっていた。毎日ひげをそり、ヘアリキッドを振りかけ、少ない毛を櫛で梳くようになった。

大きなテーブルを挟んで向かい合って座った。すでに準備は出来ていて、火がつけられ、浦島が買ってきた肉を鍋に入れるとすぐに、ぐつぐつと音を立て始めた。
「ピアノも弾かれるのですか?」
「いいえ、あれは母が若い頃に使っていたらしいけど、私は全然ダメなんです」
浦島は子供の頃に習っていたことがあって、少しは弾けるのだが、そんなことを自慢するつもりは無い。しかし、何を話していいのか分からず、気づまりだった。
そこで思い出して、紙袋に入れて持ってきた二冊の自分の著書を出して、
「へたくそな短編集ですけど、良かったら暇なときに読んでみてください」
と言った。
「あら、凄いじゃない? 立派なご本を書いていらっしゃる作家先生なのね」
「いや、とんでもない。仕事柄、製本は簡単に出来ますから、いたずら半分に書いたものを印刷してみただけですよ。でも大手出版社と違って我が社では、全国の書店へ売り込みに行く手づるが無いのですよ」
「そうなの? 後で読ませて頂くわ。有難う」
すき焼きが炊けてきたのでビールを開けて乾杯して、食べながら話を続けた。
「浦島さん、もう、今のお仕事を始めて何年になるのかしら?」
「はい、高校生のときにアルバイトで勤め始めてからですから、もう、ダラダラと二十三年になるのですよ。僕は面倒くさがり屋だから、ほかの仕事を探そうという気にもならなくて……」
「そうなの? 編集長って書いてあったけど、どんな仕事をなさってるのですか?」
「いや、あれはただ、お客さんの所へ行った時に、なにか肩書きが無いと相手にしてもらえないからと言って、社長があの名刺を作ってくれただけで、実際の仕事は、浅草周辺のお店などを回って広告を頼んでくるだけなんですよ」
「そうなの? 毎日毎日、大変なのね? だとすると、ここら辺のお店では浦島さんを知らない人はいないってわけね?」
「まあ、そうですね、ウチは無料配布の月刊誌ですが、一コマ三千円から広告を出せますので付き合いで出してくれるお客さんが四百軒以上あるのですよ。だから、あの榊原質店も、レストラン・パリもみんな、ウチのお客さんなのですよ」
・・・・・
どうにか話題が途切れることも無く、お腹いっぱい、良い雰囲気の中で食事を終わらせることが出来てホッとした。
「今日はどうも、ご馳走になりました。有難うございました」
「いや、こちらこそ、楽しかったわ。でもどうしよう、お肉を1キロも買って来て下さるのだもの、余ってしまったじゃない。私一人では食べられないわよ。あなたの責任だから、明日も来て下さらない?」
「えっ、明日もですか? それは有り難い。ではお言葉に甘えて、明日もお邪魔します」
浦島は浮き浮き気分だった。今まで女運には恵まれていないと思っていたので、こんなにうまい事、とんとん拍子に話が進むとは思っていなかった。浅草タイムスの広告取りという、この地味な仕事を続けてきてよかったと心から思った」
それからは、毎日という訳では無いが、仕事に差しさわりの無い限り、週に二~三回は食事に呼ばれるようになった。そこで、厚かましいかなと思ったが、
「出来れば、朝はパンとコーヒーだけでもいいので……」
というと、
「いいわよ、毎朝用意しておくからいらっしゃい」
と言ってくれたので、それからは毎朝、美佐子宅で朝食を摂ってから会社へ行くようになった。今までは殺風景な自分の部屋で、一人で、味気ない朝食を摂っていただけなので、これは本当に、色気抜きで有難かった。
まだ、夜を一緒に過ごすようにはなっていないが、それも時間の問題だと思った。ただ、どう言ってそれを切り出すかが問題だった。そこで思い切って、
「美佐子さん、僕たち、そろそろ、一緒に榊原質店へ挨拶に行きませんか?」
「えっ、それって、もしかしたらプロポーズのつもりかしら?」
「いけませんか?」
「いいえ、オーケイよ。でも、貴方らしいプロポーズね、どういう風に言ってくるかと思っていたけど、うまい言い方見つけたわね」
その二日後、二人で五万円ずつ包んでキューピッド役となった榊原質店を尋ねた。
その日店にいたのは奥さんだった。
「こんにちは。この度は大変お世話になりました。まだ正式に決まったわけではありませんが、お陰さまで私たち、どうやら、結婚することになりそうなので、ひとまず、ご挨拶にお伺いしました。それでお約束の仲介料金ですが、これでよかったでしょうか?」
と言って持ってきた料金を差し出すと、
「あなた、浦島さんと藤川美佐子さんよ。ちょっと出て来て」
といって、二人の婚約を告げると、
「そうですか?それはどうも、お目出とうございます。やったね、浦島君」
と言って、料金を受け取り、
「有難うございます」
と言って二人に五万円ずつの領収書を書いて渡すと、すぐに祝い袋を出してきて、今受け取ったばかりの十万円をそこに入れて、
「これはホンの気持ちだけです」
と言って返してくれたのである。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。まだ式の日取りも決まってないし、媒酌人をお願いしようと思っていたので、お祝いとして頂くのはちょっと早すぎるのではないでしょうか」
と言ったが、
「いや、その時はその時ですよ。私共としては初めての婚約成立なので嬉しくて、どうぞ受け取って貰わないと困ります」
とまで言われれば受け取らないわけには行かなくなったので、
「有難うございます。ではお言葉に甘えて頂戴いたします」
と言ってそこを出た。
榊原質店としては、初めから、お金を受け取るつもりは無かったのだが、持ってきた人の気持ちも考えて、こういう措置をとったのである。
「ところでどうしよう、式はいつにしようか?」
「それより、どういう人に来てもらうのかしら? 私には両親は亡くなってしまったし、兄弟と言ってもニューヨークに妹が一人いるだけで、あと親戚と言っても遠くにいる人ばかりで付き合いもほとんど無いんだけど・・・・」
「そうか、僕としては最低、両親又は兄夫婦と浅草出版の社長だけは呼ばないといけないかなと思うのだけど、いずれにしても、ほんの少人数でひっそりとやりましょうか」
という事で夏が終わり少し涼しくなると思われる九月下旬ごろに、近くの神社で式を挙げ、レストラン・パリの二階を借り切って近い身内だけの披露宴を開く事になった。


もうこれで、今夜からは美佐子と一緒に寝られるのかと期待したのだが、美佐子から
「一太郎さん、結婚式までの間に、寝室をちょっと模様替えしようと思っているのよ。今は私一人だから、前に使っていた寝室は物置にしてしまって、あのリビングで寝ているのだけど、両親が使っていた部屋は広いから、そこをリフォームして私たちの寝室にしようと思っているの」
と言われれば、
「はあ、そうですか?」
というより仕方がなかった。
・・・・・
婚約が内定したことを伝えようと思って浅草出版の社長宅へ行った。奥さんが認知症になってしまったため、最近は社長も会社へはほとんど顔を出さない。広告が集まったら浦島が自分で版下を組んで、印刷所に出して、校正を終え、最終段階で社長に見せて承認を貰う、というやり方をこの二年ほどは続けていた。事実上、今は事務員のおばちゃんと浦島の二人だけで会社を運営しているようなものだ。
「社長。こんにちわ。奥様の具合はいかがですか?」
「おお、浦島君、いつもすまないね。女房は相変わらずだよ。もう、治る見込みは無いから、そろそろ施設に入れようかと思っているのだよ。ワシも体が弱って来て面倒見切れなくなっているのでね……」
「そうですか? 実は私、九月に結婚することになりまして……社長にも是非、式には出席をお願いしたいと思って今日お伺いしたのですが……」
「ええっ、本当か? いつの間にそんな人を見つけてきたんだ。お前もスミに置けんなあ。・・・お相手はどんな人なんだ?」
「はあ、それが実は、私のアパートの大家さんなんですよ」
「ええっ、大家さんって、たしか、だいぶ年上のおばさんでは無かったっけ?」
「私もそう思っていたのですが、あの大家さん、いつも地味な恰好をしていて気がつかなかったけれど、実は私と同じ歳だったのですよ」
「へええ、それはまた……」
と言って、絶句してしまったので、
「うちのお客さんで榊原質店というのがあるでしょう、あそこが結婚相談所というのを始めたので、私もいちおう、登録だけしておいたら、紹介された相手があの大家さんだったのですよ。いやぁ、私もビックリしてしまって……」
「そうか、ウーン、なるほど、それはお目出とう。
実は浦島君、前から話そうと思っていたのだが、ワシももう、歳だから、そろそろ仕事を辞めようかと思っているんだよ。そこで、どうかね、あの会社を君に引き継いで貰えないかと思っていたのだが、結婚するのなら、ちょうどいい機会だからどうだろう?
あの建物も土地もワシのものだが、君があそこで続けるつもりなら、家賃も安くしておくけど……」
「そうですか? それは有り難いのですが、美佐子と、いやつまり、婚約者のことですけど、いちおう、相談してから決めさせて頂いてもいいですか?」
「もちろん、それでいいよ、そうか、……君だってもう、いい歳なんだから嫁さんを貰って当たり前だよな、本当にお目出とう」

 会社の引継ぎについては、いずれ、そういう話になるだろうと思っていたので、驚きはしなかった。しかし、社員として勤めるのと、経営者として仕事をするのとでは責任の大きさが違い、改めて自分に出来るだろうかと考えなければならなかった。今はコロナのお陰で、お得意先の中には閉店に追い込まれたところもあり、浅草出版の業績も下降気味になっていたからだ。
 そこで、帰りに榊原質店に立ち寄って相談することにした。
 「榊原さん、ちょっとご相談したいのですが・・・実は先ほど私の結婚が決まったことをウチの社長に報告に行ったところ、あの社長ももう高齢(とし)だから、私に社長を代わってくれと言われたのですよ。まあ、仕事の内容は大体分かっていますけど、社長となるといろいろ責任も伴うでしょうから、私なんかに出来るでしょうか?」
 「そうですね、いいんじゃないですか? でも今はこのご時世だからなるべく経費の掛からないようにした方がいいと思いますよ。例えば事務所なんかも今住んでいるアパートのその部屋を使うようにしたらどうですかね?・・・電話番は奥さんに頼めばいいし、あの奥さんならパソコンを使って広告図面のレイアウトぐらい考えてくれるのではないでしょうか?」
 大体は自分の思っていた通りだが、榊原質店の親父さんに言われるとなぜか安心出来て、自信が湧いてくるのであった。
 その夜、家に帰ると、
「なあ美佐ちゃん、浅草出版の社長が、もう会社を辞めるから、跡を僕にやらないかと言っているのだが、どう思う?」
 と聞いてみた。大家さんと呼んでいたのが、美佐子さんになり、いまは美佐ちゃんと呼んでいた。いずれ、美佐子、と、呼ぶことになるだろう。
 「それで、会社は今の事務所をそのまま使ってもいいのだが、榊原質店の親父さんに相談したら、経費削減のため、この二階の、今の僕の部屋を仕事部屋にして、そして君にも仕事を手伝って貰ったら?・・・といわれたんだよ。どうかな?」
 「いいわよ、でも、それならそれで、二階の部屋も、いつお客さんが来てもいいように、少し改装した方がいいんじゃない? 今は貴方の隣の部屋も空いているし、その隣の秋田くんの部屋も来年卒業したら空く予定だから、三部屋使って事務所と応接室と作業部屋にしたらどうかしら?
ああ、あなたと二人でお仕事できるなんて、楽しみだわ」
 「ようし、それで決まりだな、じゃあそれまで、来年四月までは今の事務所を借りることにして、そのあと、こちらの部屋を改装してから移転、という事にしようか?」

 事務所の引っ越しは半年後だが、経営引継ぎは七月二十日の中間決算の時と決まった。
九月には結婚式を控えているが、出席者十人あまりの簡単なものなので、準備と言ってもほとんどすることも無い。
美佐子の提案で浅草タイムズの表紙デザインも、冊子の中身も大きく変えることにした。今までは九十%を広告が占めていたのだが、読者の興味を引き付けるように、地域のイベントや新規開店したお店の紹介、それと古くから商売をしている店の特集記事などでページを増やし、盛りだくさんな内容にしようと言うものであった。

そうして浦島が新しい社長として発行することになった八月号には、浅草出版の、社長交代の案内と共に榊原質店の業務内容を詳しく紹介することにした。結婚紹介業というサービスの開始によって、すでに何組か、ゴールインした例もあって、その一例を匿名で紹介する記事も載せることになった。もちろんそれは浦島夫婦自身のことであったが、読者はそんなことは知らない。だがこの記事によって問い合わせは大きく増えて、何組もゴールインするカップルが生まれたのであった。

浦島としては、自分が経営者になったからには今までと違うカラーを出して、広告主を増やしたいところだが、これには美佐子の才能が大きく働くことになった。
 表紙のデザインがガラリと変わり、お客さんの目に付くようになった事と、個々の広告主にはその店に合った販売促進の提案をすることによって、今まで一コマ三千円だけの枠だったのが二コマ五千円の注文を受けるようになったところもある。
 榊原質店の場合は今までは五千円の枠取りだったのだが、今回は無料で、広告ではなく、紹介記事として開業以来の歴史を紹介し、地域の人たちにとって、無くてはならない存在になっていることを、表紙裏一頁を使って伝えようとしたのである。

 榊原質店にそのことを報告に行ったら、本来の質店としての業務のほかに、結婚相談所と、そしてもう一つ、顧問弁護士による法律相談という業務も定期的に開催することになったと聞かされた。
 これはもちろん、本来は三十分五千円という料金が発生することになっているのだが、一~二か月に一度だけ、娘さんの由香里弁護士が、無料で、予約制で相談を受け付けることにしたのである。
 東京弁護士会ではいつも交代で、定期的に、無料相談の日を設けているのだが、そこに所属する太田弁護士事務所は、自分の担当する日だけは相談場所として榊原質店を指定することにしたのである。
 所長の太田としては、由香里弁護士がそれを引き受けてくれるのであれば事務所も助かるし、由香里弁護士にとっても自分の実家の応援に繋がることなので、すんなり、話がまとまったという事らしい。もちろんそこから、無料ではなく、正式に顧問料収入が得られる仕事に繋がる場合もあることは言うまでもない。
 一方、今は浅草出版の事務員として働いている小川百合子は、浦島がアルバイトを始めた
頃には営業の仕事をしていて、浦島は、彼女の指導の下で得意先を一軒一軒回って仕事を覚えて行ったのである。今はその頃とは得意先も大きく変わり、ほとんどは浦島が営業で獲得してきた客である。
その小川も、もう還暦となり、息子が住んでいる千葉の田舎で孫の相手をして暮らしたいと思い始めた時だったので浦島の代になって事務所が変わるのなら、ついでに自分も退職すると言い始めた。
「浦島君、いつの間にかあなたも立派な出版マンになったわね、初め来た頃は何だか頼りない高校生で、こんな子が将来ウチの社長になるなんて思ってもいなかったわ。
私ももう歳だし、古狸の私がいてはあなたの奥さんもやりにくいでしょうから、事務所を移転する日までは勤めるけど、その後は息子の所へ行って孫の世話をしながらのんびり暮らすことにするわ」
そうして浅草出版は新しい体制で業務を続けることになり、榊原質店も、新しい業務として、結婚相談所に加え、法律相談という仕事も増えてますます地域社会で発展していくのであった。

榊原質店シリーズ・結婚相談所

執筆の狙い

作者 中小路昌宏
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ドリームさんの榊原質店シリーズの、エピソードの一つとして書きました。もちろん、ドリームさんのお許しは得てあります。
こういう、言わばコラボが成立するためには、いくつかの条件があると思います。それは先ず、
① 双方(つまりドリームさんと私)に互いを理解し、リスペクトする気持ちがあること。
② 作風に大きな違いがない事
③ 今までの物語の流れから逸脱していない事
④ 普段の考え方、主義主張に大きな隔たりがない事、
⑤ そして、その物語は1回で完結している事(跡がやりにくくならないように)
 だと思います。従って、最初にご提案したときから綿密に連絡を取り合って、別の場所(掲示板)で文章も見てもらって、その上で賛同して頂いたので、こうして掲載させて頂くことになりました。

皆さまには、作品についてのご講評はもちろんですが、このような試みについて、どうお感じになったかをお尋ねしたいと思っています。
どうかよろしくお願いします。

コメント

青井水脈
om126254180050.33.openmobile.ne.jp

読ませていただきました。
『榊原質店シリーズ』に中小路さんの名前があったので、はじめは「?」と思いましたが……。試みとして面白いというのか興味深いというのか、いいと思いました。
今作は作者が変わっても、不自然に感じるところはほとんどありませんでした。シリーズの中に於いても、浦島一太郎と見合い相手となる美佐子がメインで、榊原質店の面々の出番は脇役的だから、でしょうか。
それか、執筆の狙いに書かれている条件の、①の要素が大きいんじゃないかと。いやいや、いいじゃないですか、本当に。


訂正箇所

>「いらっしゃい、浦島君、もう早や、一か月経ちますかね」 そうなんです。七月号の締め切りが五月二十日なので、そろそろ原稿を頂きたいのですが、六月号と同じでいいでしょうか?」

「そうなんです。」浦島一太郎のセリフの、最初のカギカッコが抜けている。

>浅草タイムスの広告取りという、この地味な仕事を続けてきてよかったと心から思った」

ニ、すき焼きを食べた後で。思った」→思った。


>二百文字から五百文字ぐらいの自己紹介文を書いて預けておくだけだと聞いた。写真もいらないし、本名でなくともいい。ただ、嘘を書いてはいけないよ、と言われた。

写真がいらないのは、お見合いのシステムとしてどうだろうとは思いましたが……。
今回は一太郎と美佐子が婚約してから物事がトントン拍子に進んで、ベタな展開という感じもしましたが安心して読めました。これも、ドリームさんの作風を汲んでいるのでしょうか。
書かれてみて発見することも多かったでしょうし、こちらも読んで楽しかったです。

中小路昌宏
g240.124-44-109.ppp.wakwak.ne.jp

 青井水脈さん、お読みいただき、有難うございます。間違いがあってはいけないと思って、いつもより丁寧に、何度も推敲を繰り返したのですが、それでも句読点のミスがあったようで、恐れ入りました。

 写真の件はおっしゃる通りですが、そうするとこの作品は成立しなくなるので、これはしょうがないかなと、思っています。

 やってみて、結構、条件がいろいろ必要で、成功させるのはかなり難しいと、いうか、元の作品が今回の榊原質店のような応用の効くものでないと無理かなぁ、と感じました。

 条件が揃ったと思った時にはまた挑戦させていただきます。

 有難うございました。

夜の雨
ai227221.d.west.v6connect.net

「榊原質店シリーズ・結婚相談所」読みました。

すらスラスラとラストまで読めました。
なるほどなぁ、違和感がありません。
ドリームさんの「よろず相談、榊原質店シリーズ」のうちの一つとして、成功しています。
これってあれですよね。
テレビドラマなどの脚本等で複数の脚本家が一つのドラマを書いていたりしますが。
同じような作りですね。
一週間に一本の一時間ドラマの脚本一人で書いていたら無理があるので、複数の方が書いておられる。
そう思うと、今回のやり方はありだなぁと思います。

朝ドラの場合などはかなり以前から準備しているので、一人の脚本家が書いていますけれど。あれって、最終稿まで脚本を書いているのかな?

話がそれました。

御作の内容について。

榊原質店で「結婚相談所」を始めたわけですが、広告を取りに来た浅草出版の浦島一太郎が応募用紙を書く羽目になり、あれよあれよの間に、大家のアパート経営者である美佐子、四十歳と結ばれる方向へと話が進展するエピソードでしたが、うまく描かれていました。
この話は事件が起きるわけでもなくて、あんがい平凡な内容なのですが、身近にありそうもない平凡さがあり。
そのあたりの展開の面白み、という事になりましょうか。
で、御作は説得力があるのですが、それは細部の設定がしっかりとしているところからきていると思います。
「浅草タイムス」という、商店街のミニコミ誌を発行している会社の経営のやり方が、しっかりと描かれているのには感心しました。
社長が変わることとか、そのあとの経営のやり方とか、かなり突っ込んだことが書いてあり、なるほどと感じた次第です。
浦島と美佐子も、ともに四十歳ということで落ち着いた恋愛事情が描かれていて、「大人」と、思いました。

ドリームさんの「榊原質店シリーズ」の作風もよいのですが、中小路昌宏さんの「榊原質店シリーズ」の作風もよいですね。

>上に書きましたが、テレビドラマなどの脚本等で複数の脚本家が一つのドラマを書いているのと、同じような作りですね。<
まさに「これ」だと、思いましたが。

面白かったです。

それでは頑張ってください。


お疲れさまでした。

中小路昌宏
g240.124-44-109.ppp.wakwak.ne.jp

 夜の雨さん、お読みいただき有難うございます。

 自分ではうまく行ったと思っていても、どこかでツッコミを入れられる場合が多いので、今回もどこかで、問題点を指摘されるかと思っていましたが、今のところそういう話はなくてホッとしています。
 夜の雨さんの作風も、大きな隔たりは無いと思うので、ドリームさんにお断りしてから、別のエピソードをお考えになってはいかがですか?

ドリーム
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中小路さん榊原シリーズ使って頂きありがとうございます。

私と中小路さんの仲は皆さんもご存知でしたか(笑)
はい私達は深い関係にあります。
よって今回の作品も読んで知っています。
ただ少し修正を加えて見事に仕上げています。
こう言ったコラボも面白いかと思います。
誰かの作品とコラボしたいという人が出で来たら嬉しいですね。

以前リレー小説をやった事があるのですが
例えば2000字ほど書いて次の人にバトンを渡します。
すると予想外の方向に進んだりして難しいものです。結局は失敗に終りました。
今回のように一話完結型なら面白いかも知れませんね。

お疲れ様でした。

中小路昌宏
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ドリームさん、榊原質店シリーズに便乗させて頂いてありがとうございます。

 榊原質店を読んでいるときに、こういう展開になったら面白いだろうな、と、感じた部分があって、それを具現化して出来たのがこの作品ですが、あの時は何の迷いもなくスラスラ書けて、それをこのように掲載するところまで持って行けて楽しかったです。

 やはり、幾つかの条件が揃わないと書けないとは思いますが、機会があったらまた挑戦してみたいと思っています。と同時に他の方もこういう取り組みに参加して頂くことが出来たら「作家でごはん」を大いに盛り上げることになるのではないかと思っています。

 有難うございました。

凡人
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 先に拙作にコメントを頂きながら遅くなりました。申し訳ありません。

 申し訳有りませんがドリーム様の作品はまだ読ませて頂いていないので、この作品単体としての感想を述べさせて頂きます。

 拙作に優しいコメントを頂いていながら心苦しいのですが、正直、余りピント来ませんでした。

 会話の構成は巧みだと思いましたが、延々会話が続き、間に申し訳程度に地の文が入ると言う構成で、しかも、地の文が描写ではなくほぼ説明なので、小説と言うよりも脚本と言う印象です。

 大家さんが見合いの相手だったと言うのは面白い発想だなと思ったのですが、下町情緒、質屋、お見合い。タウン誌の編集者と来ると、時代設定は昭和かなと思ってしまいました。ところが、コロナが出て来るので、現代なんだと分かったというところです。

 お見合い相手との距離の詰め方にしても、やはり昭和を感じてしまいます。
 あと、おばさんと思っていた大家さんが意外と若く、化粧して着飾ったら結構綺麗だったと書いてあるだけで描写が無く、変な例えですが、議論で言えば、総論だけで各論が無いという感じなんですね。

 もし、台本として女優さんがこれを読んだら、どんな役作りをしようか、これから考える段階だと思います。そういう意味で脚本とも申し上げました。

 好意的なコメントを頂いているのにも関わらずズケズケと、多分、貴方に取って不快であろうコメントとなってしまった事をお詫びします。

中小路昌宏
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 凡人さん、コメント頂き、有難うございます。

 いろいろな意見、見方があるのは当然です。むしろ心にもない誉め言葉より、疑問点をご指摘頂いた方が参考になります。

 100%、読んで頂いた全員の方から好意的なコメントを頂くようなことは、むしろあり得ません。ですからお感じになった通りのコメントを頂いて結構かと思います。

 今後ともよろしくお願いします。

 

えんがわ
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拝見しました。
シリーズ物の一つとして、違和感がないです。
やはり短編として完結しているのと、主要人物をオリジナルの編集者カップルに置いたからかな?
古風な感じはしましたが、それは原作と似たような空気で、はんなり。
ただ、原作の持つ人情味までは、いってないかなぁ。そこは漠然とした感覚的なところでなんとも言えないのですが。

とんとん拍子に話が進み過ぎるので、ちょいとした波乱を期待してしまうのですが、こういうのも短編ならアリなのかも。でも、何かあってよろず屋さんに相談するとかあってもとか。

説明的な文が多いのは、毎度指摘してしまうのですが、たぶん中小路さんの作風なのかなって気がします。

すき焼きを食べて、二人の仲が縮むシーンが好きですね。
もっと目に映るような描写を入れれば、たまらなく温かいシーンになりそう。

中小路昌宏
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 えんがわさん ご講評頂きありがとうございます。

 《もっと目に映るような描写を入れれば、たまらなく温かいシーンになりそう。》

 そうですね、そういうところを、えんがわさんに学ばなければいけないのでしょうが、そういう繊細な神経を持ち合わせていないので、なかなか思うように描けません。

 少しでも近づけるように努力します。

凡人
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 物語としては下町の雰囲気が出ていていいなと思います。やくざの襲名披露の引き出物受注というのも設定が面白い。何か不手際が生じててハラハラドキドキと言うのも一つの持って行き方かとは思いますが、利害が生じていなければ堅気と普通に近所付き合いしているやくざもいますから、これはこれで良いと思います。

 ただ、気になるところは二つ有って、一つは時代設定ですね。
 今回、時代が明示されていませんが、前作では、昭和の話と思っていたのにいきなりコロナが出て来て、相当違和感を感じてしまいました。昭和の話として提示するなら良と思いますが、現代とするのはやめた方が良いと思います。
 もう一つ、将棋の話なのですが、素人でも三段はとんでもなく強いですよ。覚えたての俄将棋では十番に一番勝つどころか全く歯が立ちません。
 私の幼馴染にアマチュア二段が居て、飛車角落ちにしても、私が間違った手を一手でも指せば、あっという間に負けてしまいます。素人でも、有段者ともなれば定石が頭に入っていますから、囲い方くらいしか知らないこちらが一手間違えただけで攻め込まれ、後は何もさせてくれません。御作の流れで見る限りは、村井甚之助に有段者の力は無く、ヘボ将棋の域かと思います。大体、有段者が初心者とやっても全く面白く無いはずです。教えるために相手してくれるくらいです。私の幼馴染など、私が考えている間盤面など見ていません。私が指した瞬間次の手を打ち、私に間違いが有れば攻めの連続となり、あっという間に詰まされてしまいます。

 話は面白く読ませて頂きましたが、将棋のエピソードはリアリティーが無いと思いました。

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