作家でごはん!鍛練場
はりねずみ

研究をしていたらとんでもないことになりました・・・。

「如月さーん。鎧塚です〜。抗がん剤の副作用についてなんですけど、ちょっと良いですか?」
 ドア越しにかけられる言葉。今すごく良いところなんだけどなぁ。実験を一度中断しドアを開ける。
「どうしたの?鎧塚ちゃん。」
「この抗がん剤なんですけど、どんな副作用が出るんでしたっけ?」
「も〜、また忘れたの?医学書使って調べなさい!」
「ちぇ〜。分かりました〜。」
「それでよし。ほら、早く行った行った。」
 忘れん坊の鎧塚ちゃんを早々に追い出し、私は再び実験器具と睨めっこを始めた。
                  ♢♦︎♢
 同じ体勢でいるのが辛くなり、ふと時計を見ると2時間ほどが経過していた。大きく伸びをしながら辺りを見回すと机の端にポツンと置かれた写真が目に入る。
「晴香・・・。」
 写真に写っているのは幼い頃の私と2つ年下の妹の晴香。どこに行くのも一緒でとても可愛かった大事な妹。でも、10歳の時に風邪をこじらせ肺炎で死んでしまった。幼かった私にはよく分からなかったけどとにかく悲しかった。悲しくて悲しくて何日も泣いて過ごした。何日かしてやっと涙が止まってから私は思ったんだ。晴香のように亡くなってしまう子たちを一人でも助けたいと。だから私は病理学研究者になった。それが私がここにきた理由。・・・よし、もう少しで今やっている研究も終わるし今日のうちに片付けちゃおう。気合を入れようと置いてあったコーヒーを一息に飲み込んだ。が、
「・・・うぇっ!にっが。しかも冷た!も〜、最悪。」
 苦かったけど、まぁ気合は入ったし結果オーライ。顔を顰めながらも実験再開。試薬を手に取り試験官の中の液体に垂らす。よし、次。順調に試薬を混ぜ合わせていき、最後の材料を入れた時、突如私の周りは試験管から発生した煙に包み込まれた。
「ぎゃーーーー!何これぇ!」
 私は窓を開けようとするも何かにひっかかってしまい転倒。そのまま頭をぶつけて気を失ってしまった・・・。
                   ♢♦︎♢
「ん・・・。」
 気が付くと知らない場所に立っていた。ん?どこか見覚えがあるような気もするけど・・・待って。私この場所知ってる。いや〜まさかね・・・。そんなことは有り得ないはず。気を取り直して辺りを見てみる。あ、通りの向こう側から人が歩いてきたので話を聞いてみよう。
「すみません。つかぬことをお聞きしますが、今って何年ですか?」
「え、今何年かって?ずいぶん変なこと聞くのね。2034年の11月13日に決まってるでしょ。」
「そ、そうですか。いや〜、そうですよね〜。ありがとうございました。」
「ちょっと大丈夫?あなた、顔が真っ青よ。」
「いや〜、大丈夫ですよ。あは、あははははははは・・・」
「そう?具合が悪いなら病院に行きなさいね?」
「はーい。ありがとうございまーす。」
 顔が真っ青になるのも無理がない。なぜなら、私は10年前の世界に来てしまったのだから。一番当たってほしくない予想が当たっちゃったよ。確か最後の薬を入れたら煙に包まれて・・・。あ、最後の薬間違えたかも。なんてことだ・・・。今まで私、使う薬間違えたことないのに。思わずその場に座り込むと目の前に小さな手が差し出された。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「だ、大丈夫。ありがと・・・う!?」
 びっくりしすぎて声が裏返ってしまった。なんとそこにいたのは10年前に亡くなったはずの晴香だったのだから!いや10年前の世界だから当たり前か・・・。じゃなくて!晴香が目の前にいる。私は感情がごちゃごちゃになってしまい晴香に抱きついて泣いたのだった。

研究をしていたらとんでもないことになりました・・・。

執筆の狙い

作者 はりねずみ
203.78.237.142

タイムスリップする系の話が書きたかったので書きました。好評だったら続きを出したいと思います!(多分好評じゃなくても出しますが・・・)アドバイス等ございましたら、よろしくお願いいたします!

コメント

ライシ
203.78.237.142

題名がなんか単純www

はりねずみ
203.78.237.147

ライシ様
 不快なお気持ちにさせてしまったのでしたら、申し訳ございません。ですが、「www」が入っていると冷やかし・嘲笑っているようにも受け取られますのでおやめください。アドバイスありがとうございました。

大丘 忍
p0197167-vcngn.oska.nt.ngn2.ppp.ocn.ne.jp

好評も不評も。とにかくタイムスリップしただけでは何とも言えません。

通りすがり
119-173-139-201.rev.home.ne.jp

こんばんは
さっき観てきた「ジュラシック・ワールド」に
遺伝子組み換えやクローンの話が出てきたので
興味深く、楽しく読ませていただきました。

が、粗探しのようで、不愉快になられたら
スルーしてくださって結構ですが、
小説の冒頭というのは、連続テレビドラマの
第1話の冒頭から初CMまでと同じで、
実に、とても、たいへん重要です。
ここで(退屈かも)(合わない)
(好みじゃない)とチャンネルをかえられたら、
呼び戻すのは大変です。

ちょっとだけいじらせていただきました。
拙くて、かえってお目汚しでしょうが、
二人の性格、上下関係が見える、かな、と。

「如月さーん」
ドア越しに、いつものような能天気な声。
「鎧塚です〜」
もう! 今すごく良いところなんだけどなぁ。
「はいはい、なんでしょう」
実験を一度中断し、ドアを開ける。
(ここに鎧塚さんの外見か表情がちょっと
あるといいと思います。好悪とかも)
「どうしたの? 鎧塚ちゃん」
「この抗がん剤についてなんですけど、ちょっと良いですか?」
「なに?」 
「これって、どんな副作用が出るんでしたっけ?」

偶然うまれた新薬でも、「あんた、勉強不足すぎ」
でもいいかなと。
セリフと、地の文で説明しつつ、読者を面白がらせ
(次は? 続きは?)と思わせるのは難しいですね。
お互いに精進しましょう。

偏差値45
KD111239161199.au-net.ne.jp

うーん、冒頭の会話文では状況が分からないですね。
場所は? 人間関係は?
そういう意味では失敗していると考えます。

>私と2つ年下の妹
>10歳の時に風邪をこじらせ肺炎で死んでしまった。
>私は10年前の世界に来てしまった

これから主人公が22歳ぐらいだとは分かりますが……。
大学を卒業したばかりかな。
どんな研究機関なのか、不明ですが、最初は見習いのようなもので
何かを主体的に実験させてくれるような身分ではない気がしますね。

はりねずみ
203.78.237.141

大丘忍様
 感想ありがとうございます。なるほど、そのように受け取られてしまう場合もあるのですね・・・。続きで如月ちゃんが何をするのか明らかにしていきたいと思います!

はりねずみ
203.78.237.153

通りすがり様
 おはようございます。投稿した後に冒頭部分の作りが甘かったかもな〜と思っていたのでとてもありがたいです!お話を作るって難しいですね・・・。お互い頑張りましょう!

ドリーム
softbank126077101161.bbtec.net

拝読させていただきました。

亡くなった妹と再会出来たのですね。

私の勘違いでなければ10年前に戻るのがおかしいかな。

「え、今何年かって?ずいぶん変なこと聞くのね。2034年の11月13日に決まってるでしょ。」

現在が2022年とすれば過去じゃなく12年先の未来に行ったことになりますが。

はりねずみ
203.78.237.142

偏差値45様
 感想ありがとうございます。すみません、投稿した後に登場人物紹介等入れれば良かったな、と思っていました・・・。そして如月ちゃんの研究等についてもご指摘ありがとうございました。今後も精進していきますので、よろしくお願いいたします。

はりねずみ
203.78.237.141

ドリーム様
 感想ありがとうございます。如月ちゃんのいた現代というのは2044年のことなので10年前にタイムスリップして2034年になっていた、という設定でした。すみません、はりねずみの説明不足でした・・・。今後気をつけます。

跳ね鳥
p2712061-omed01.osaka.ocn.ne.jp

拝読しました。筒井康隆の時をかける少女のラベンダーの蒸気を連想しました。筒井康隆って、最新作がオートマティスムの自動筆記で、作家の名前並べて書いていて破壊的なのですが、美術大学の教授の話しで断筆した後、新作が出たのは奇跡だなと思います。あの世代の作家はお年なので、もう一冊出して欲しいと思いつつ、筒井康隆などの動向を見ています。

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