作家でごはん!鍛練場
中小路昌宏

ワイン商社

ワイン商社 高倉貿易

 高倉家系譜

1907年 滋賀で江戸中期より酒類を商う高倉酒店の次男として高倉進二郎誕生。
1929年 高倉進二郎ワインを学ぶためフランスへ留学(この年世界大恐慌)
1937年 高倉進二郎30歳でフランス留学から帰り、高倉酒店でワインの取扱い開始
1941年 戦況逼迫のため閉店、在庫のワイン多数を滋賀県の山中に隠匿
1948年 高倉進二郎41歳でワイン商社高倉貿易を創業(戦後3年目)
1950年 二代目高倉信造誕生
1962年 (昭和37年、東京が世界初の1000万都市になり、日本のテレビ受信者が1000万人を超える) この頃高倉貿易は日本初の高級ワイン専門商社として隆盛を極める。55歳の高倉進二郎は三田(さんだ)市に800坪の土地を購入し、大邸宅を新築する
1982年 三代目高倉恒夫誕生、90年までに弟妹4人誕生、9人家族となる。
1990年 高倉信造40歳で社長就任
1993年 初代高倉進二郎86歳で逝去
2014年 高倉信造64歳で逝去、高倉恒夫32歳で三代目社長就任
2022年 高倉恒夫、春鈴を妻に迎え新しい時代が始まる。


 今日も夜明けと同時に目が覚めると、早速iPadを開き、春鈴(シュンリン)からのlineを確認した。春鈴は昨年、古川専務がシンガポールから連れてきた有能な秘書である。中国語、英語に加えてロシア語、スペイン語も不自由なく話せ、カタコトながらマレー語、タイ語、フィリッピンのタガログ語も話せる。そして勿論、もう日本語も大丈夫だ。
・・・・・・・・
 春鈴からのlineには次のように書かれてあった。
『明日10日、服部副社長は9時に関空に到着予定です。そのまま本社に直行するそうですから12時半にランチを兼ねて予定どおり役員会議を開催したいと思います。古川専務は本日9日に帰国済みで、他の役員も全員OKですが社長のご都合は如何ですか?』
 すぐに返事を書いた。
 『私も大丈夫だ。だが、君はしばらく休んでいないのではないかな?』
 『はい。会議の報告書を纏めたらキャシーにバトンタッチして退社し、14日まで休ませて頂きます』
高倉恒夫が社長を務める高倉貿易は、毎月10日に役員会議を開き、重要事項を話し合っている。高級ワインの輸入では、長年、国内トップを維持してきた商社である。祖父の代に実家である高倉酒店でワインの取り扱いをはじめたが、戦争で一旦店を閉じ、大量の在庫のワインを滋賀の山中に隠匿した。そしてそれを利用して、戦後に神戸でいまの高倉貿易を創業した。2代目の父がそれを引き継ぎ、恒夫の代になった今も高級ワインの専門商社としては国内トップを独走している。
兵庫県三田市の山あいにある自宅から神戸三ノ宮の本社までは、車でも電車でも1時間ほどの距離だ。祖父の代には運転手付きの高級車で通っていたが、今はそんな時代ではない。特別の用事がない限り恒夫は、車は使わず、電車で行く事にしていた。新しく入荷したワインのテイスティングをしなければならないことが多いからだ。
 祖父が購入した高倉家の屋敷は敷地が800坪、そこに建つ家は1階が120坪、2階が50坪もある大邸宅だ。祖父の代には祖父母のほかに両親と恒夫たち子供が5人、そして女中数名のほか門番を兼ねた警備員、専属の庭師なども含め20人前後の人が住む大所帯であった。
今はそれが恒夫のほかには通いの女中の雪美だけとなっている。祖父母と両親は亡くなり、弟や妹たちもそれぞれ家を出てしまって、おまけに恒夫の妻も若くしてあの世へ旅立ってしまったからである。
 川野雪美は両親の代から高倉家に勤めている。父が専属の庭師、母が女中頭をしていた。その頃は高倉家の家族に加え、来客も多く、女中頭の母にとって毎日の食事の世話が大変だったようだが、今の雪美の仕事は主人の寝室と台所や玄関周りの掃除をすることと、冷蔵庫のチェックをして不足している食品の補充をすること、そして週1回、清掃業者が来て全館の掃除をする時の立ち合い、それと月に1~2回の庭園業者の手配など、である。
外部から業者が来ているときには立ち会わなければならないが、それ以外の勤務時間は決められていない。だが週2回の休みの日以外は大体6時ぐらいまでは、お屋敷にとどまっていた。主人は何も言わないが、早く帰ってきた時には何か用事を言いつけられる場合もあると思っているからだ。
いまの主人、高倉恒夫は、朝食は自分で簡単なものを作って食べ、昼と夜は大抵どこかで済ませて来る事が多い。だから雪美は主人が朝食を済ませた後の食器を洗って片づけるだけで良い。

その日、高倉が家を出たのは11時、会社へは12時5分に着いた。すでに全員着席していたので会議を始めることになった。
「副社長、南米出張ご苦労様でした。チリのカーサ・ラポストールでは、なにか収穫はありましたか?」
「はい、初取引なので、取り敢えずクロ・アパルタの2003年物の赤を220本、ほぼ全量を総額15,000ドルで買い付けて来ました。その他としては中級品ばかり1000本ほどです。あと、今回は契約にまでは行きませんでしたが、ほかにチリの2社とアルゼンチンの1社とは、今後前向きに取引の話を進める事になっています。
「ほおー、それは楽しみですね。ところでそのクロ・アパルタというのはチリ産としてはいい値段だが、味の方はどうでした?」
春鈴「いま試飲の用意をしています。キャシー、お願いします」
キャシー「はい、ただいま」
キャシーによって参加者7人にグラスが配られると春鈴が一人一人に注いで回った。
古川「うん、これは上物ですね、イタリア産に比べても引けを取らないように思いますが・・・社長、どう思われますか?」
高倉「いいですね。これだったら末端価格18,000円ぐらいでしょうかね」
服部「いや、私は22,000円ぐらいかと思っていたのですが・・・」
服部副社長は父の代から勤めている忠臣と言ってもよい、高倉の良き指南役だった。経営のことはともかく、ワインの目利きにかけては彼の右に出る者はいない。還暦を過ぎた今も世界中を飛び回って、各地のワイナリーの隠れた逸品を見つけ出して来るのを生きがいにしている男だ。
高倉「じゃあ副社長のいうとおり取り敢えず22,000円で行きましょうか。220本だけだから専門店に回すかデパートで売るか、どちらかに絞った方がいいかな?」
古川「私は先ずデパートで売って、足が遅いようだったら少しディスカウントして専門店に回したらどうかと思いますが・・・」
高倉「分かりました。ではそれは専務にお任せします。
古川には地域別に分けた3人の支社長の総括を任せてある。古川も1~2か月に一度はヨーロッパへ行って、イタリア、フランス、ドイツでの買い付けの仕事をしている。
高倉「では次に古川専務、報告をお願いします」
古川「はい、今までイタリアでは北部のピエモンテ州やヴェネト州あたりのワイナリーが中心でしたがトスカーナやシチリアにも「神の雫(しずく)」で紹介されたワイナリーがあると聞いて行ってきました。今は人気絶頂なので向こうも強気ですが、少し落ち着いてきたら良い取引が出来るのではないかと思っています。
高倉「神の雫というのはすごい人気らしいね、あのマンガによってワイン人気に拍車がかかり、我が社も今年は目標を大きく上回りそうですね」
「神の雫」というのは2009年に発表されてベストセラーになった日本の漫画作品だが、2021年になって、フランスで注目されることになり、8月より映画化され2022年には全世界で放映されることになっている国際色豊かなドラマである。物語の中では世界各国の有名ワインが紹介される、ワイン業者にとってはまさに救いの神と言ってもよいドラマだ。
キャシー「そろそろランチのご用意をさせて頂いてもいいでしょうか?」
春鈴「そうね、お願いします。副社長も専務も日本食をご希望だと伺いましたので今日はお寿司をご用意させて頂きました」
服部「それは有り難い。チリやアルゼンチンにも寿司らしきものはあるが、不味くてとても食べられたものじゃ無いんですよ」

ランチのあと、高倉は関東、東北、北海道を束ねる北日本の田中支社長、関西、中部の責任者である中日本の大山支社長、そして中国四国、九州を担当する南日本の吉岡支社長を、それぞれ個別に社長室に呼んで古川と共に面談し、今後の販売見通しや問題点などを聞いた。北日本は大きく伸びているが中日本、南日本は思ったほどには伸びていない。スタッフの力不足ではなく、関東に比べ高所得者の層が薄いためであろうと思われる。5,000円以下で売れる中級品の商品アイテムを増やしてはどうかと、助言をしておいた。それを受け入れるかどうかは各々の支社長が判断するであろう。
その後、社長室に春鈴を呼んで話を聞いた。
「今日はこれからシンガポールですか?」
「はい、母が寂しがっているものですから・・・・」
「お母さん一人だけですか、向こうにいらっしゃるのは?」
「はい。兄はロンドンですし、妹はシンガポール航空のアテンダントで、ほとんど家に帰って来ないものですから・・・」
「そうか、君をこちらへ引っ張って来て悪かったのかな?」
「いいえ、社長、どっちみち私はヨーロッパで通訳をしたり、ニューヨークの貿易会社に就職したりしていましたから・・・・まだ日本だと近いので母も喜んでいるのですよ。ここだと1~2か月に一回は帰ることが出来ますから・・・」
「ところで君は、結婚は考えていないのかね」
「ええ、そのうち・・・と思ってはいますけど・・・・家に縛り付けられるのは苦手なので、思い悩んでいるのですよ。それと、こんなお転婆娘、貰ってくれる人も現れなくて・・・」
高倉も妻を亡くしてもう2年になり、そろそろ誰かいい人はいないかなと思っていたところだ。春鈴だと年恰好もちょうど良く、話は合いそうだが、やはり、結婚したら妻には家にいてもらいたいと思う気持ちが強くて、春鈴を妻に迎えるのはちょっと無理かと思われた。

その後、北と中と南の担当役員はみなそれぞれの任地へ行き、服部と古川、それに春鈴も3日間ほどの休暇を取って、会社は総務の人たちとキャシーだけになってしまったので、翌日、高倉は滋賀の倉庫と中日本支社へ視察に向かった。雪美には2日間留守にすると伝えておいた。
滋賀の倉庫は全館適温に保たれた3階建て延べ1,200坪の無人倉庫である。高倉家が明治以前から所有している山の斜面を奥に掘り進めて建てたものなので冷房費もほとんどかからず、万一停電になっても4~5日は大丈夫だ。
倉庫は無人だが、そこを管理する事務所にはオペレーター5人が交代で詰めていて、全国各支店から送られてくる配送依頼書を機械に読み込ませ、商品を自動でピックアップさせてパレットに乗せ、それがトラックに積み込まれるところまでを確認する仕事をしている。
今の在庫はほとんどが瓶詰の商品で、200万本を超えているが金額にすれば60億円ほど、末端価格で150億円ほどだ。収容能力は500万本なので、もっとどんどん積み増しをしたいところだが仕入れの能力が追い付いていないことが実情だ。服部と古川だけではとても無理なので、あと数人、仕入れ担当者を増やさなければならないだろう。
滋賀倉庫へ行ったついでに大津にある滋賀支店にも立ち寄って見た。土曜日なので出勤している社員は少ないが、皆テキパキと動き回っていた。高倉貿易では日曜日は全休だが、もう1日は週のうちどこかで交代で休むことになっている。
「高倉です」
と言ったが誰も社長の顔を知らないようだった。
「支店長は?」
と聞いて初めて、この人が社長だとわかったようで、
「あっ、社長ですか?」
と一人が言って、事務所は騒然となった。
「いや、ただちょっと倉庫へ行ったついでに寄って見ただけです。どうぞ私に構わず仕事を続けて下さい。支店長が留守なら結構です。喉が渇いたのでお茶を一杯頂けませんか?」
と言って出されたお茶を飲んで、待たせていたタクシーに乗った。
それだけで大体の様子は分かった。特に問題のありそうな支店でないことは分かった。
大津駅前で軽い昼食を取り、新幹線で次に向かったのは名古屋にある中日本支社だ。先ほどの滋賀支店を含め21の支店を総括する支社で、大山支社長の下の佐々木次長が各支店を巡回し、指導している。大山とは昨日話し合ったばかりだが、佐々木は役員会議のメンバーではないので、どれだけ本社の意向が伝わっているか、また本社に対してどういう要望を持っているかを聞くために、こうして年に数回は各支社を訪問することにしている。
「佐々木さん、いつもご苦労さまです。佐々木さんは父の代からのベテラン社員なので会社のこともワインのこともお詳しいと思いますが、なにか会社に対して、こうして欲しいとか、これだけは止めて下さいとか、いう事がありましたら、どうか遠慮せずおっしゃって頂きたいのですが・・・」
「いや、役立たずのこんな年寄りをいつまでも使って頂いて有難うございます。希望といえば私ももう還暦は過ぎていますが、体は元気でワインが大好きなものですから、出来れば販売の仕事だけでは無くて、たまは服部副社長のように仕入れの方の仕事もさせて頂けないかと・・・・いや勝手なお願いを言ってすみません。社長にもいろいろお考えあってのことでしょうから無理をして頂かなくとも結構です。どうか忘れて下さい」
「ほう、服部副社長をよくご存じだったのですね? それはどうも・・・」
大山「佐々木さんは副社長とは同期入社なのですよ。若い頃にはたしかマドリード駐在だったこともあったようですね?」
「ええそうなのです。その後も服部さんは仕入れの仕事を続けられましたが、私は販売の方をやれと言われて・・・・」
「そうだったのですか? それはいい事を聞きました。実は今、売り上げは大きく伸びていますが、仕入れの方は服部副社長と古川専務のほかには適当な人がいなくて困っていたのですよ。マドリード駐在だったのならスペイン語やポルトガル語は大丈夫ですね?
今度、副社長がチリへ出張の時に一緒に行って頂いて、チリとアルゼンチンのワイナリーとの契約をまとめる仕事をして頂きましょうかね。どうですか大山さん」
大山「はい、いいと思います。佐々木次長の後任には今の名古屋支店長の影山が適任かと思います。それにしても佐々木さんにそんな意欲があったとは、私も気づきませんでした。ごめんなさい」
佐々木「いやいやとんでもない。私が何も言わなかったから悪いのです。部長にはよくしてもらっています。社長さんから遠慮せんと言ってくれと言われたので、つい、甘えてしまって・・・・」
高倉「いやぁ、今日は来た甲斐がありました。どうですか、今日はもういい時間だし、今夜はここで泊まりますので、3人で1杯やりませんか?」
大山「有難うございます。私は大丈夫です」
佐々木「私も大丈夫です。どこがいいでしょうかね、ワインをゆっくり味わえて、料理のおいしい店と言えば・・・」
高倉「それはもちろん佐々木さんにお任せします。さっき言われた影山支店長にも、最近私は会っていませんので、出来ればお誘いして頂けませんか?」
大山「分かりました。それは私の方から連絡させて頂きます」
高倉は今40歳。32歳の時父が死んで社長になって8年目である。服部副社長や古川専務、ほか先代からの優秀なスタッフに助けられて順調に会社経営を続けられてきた。佐々木というのは、かなり雄弁な男らしい。だから販売の仕事を任されたのだろう。佐々木をどういう役職にするかは副社長や専務と相談しなければならないが、今またこの古いスタッフを新しく経営陣の一人に加えることが出来ればさらにいっそう会社を発展させることが出来るだろう。
社内にはまだまだ自分が気づいていない有能な人材が埋もれているかもしれない。北と南の支社にももっと頻繁に、そして全国に60以上もある支店にもときどきは訪問して、600人余りもいる社員との交流の機会をもっと増やさなければならないと思った。

翌日は本社へ立ち寄ってみた。日曜日なので、誰もいないことは分かっていたが、何も問題がないかを確認してからお昼前には自宅に戻った。雪美も休みなので広い屋敷には誰もいない。祖父や父が健在だったころはいつでも大勢の人がいて、屋敷が無人になることなどありえない事だった。
その次の日、13日は月曜日だが会社へ行っても役員連中は誰もいないので、一日休養を取ることにした。
13日朝、出勤してきた雪美に声をかけた。
「雪美さん、お早うございます。留守中、何もなかったですか?」
「はい。庭師さんから電話があって、15,16,17日の3日間、剪定作業に行ってもいいかと言われましたのでお願いしますと返事をしておきました」
「そうですか?ありがとう。
ところで今日は一日休みを取ることにしたのだが、お天気も良さそうだからお昼には庭に出てバーベキューをしようかと思っているんだよ。でも一人では詰まんないから、雪美さん、付き合ってくれないかな?」
「えっ、私がですか?・・・早くお嫁さん貰わなくちゃ駄目ですね。・・・・分かりました。じゃあ、材料はどうしますか?」
「それは私が後で買ってきます。炭などはあっただろうか?」
「ええ、まだいっぱい残っていた筈です。お飲み物は大丈夫ですね」
「それはもちろん、入荷したばかりの、チリ産の美味しいワインを飲ませてあげるよ」
「そうですか? でも私、ワインの味なんか分からないんですけど・・・・」
雪美は42歳、会社員の旦那との間に中学生と高校生の娘がいる。母の代から高倉家に仕えていて高倉家のことは知り尽くしていた。
「社長、奥様が亡くなられてからもう2年になりますが、こんな私を相手にお昼をお召し上がりになるようでは駄目ですね。どなたか、社長の奥様にふさわしい方はいらっしゃらないのですか?」
「うん、分かってはいるけどなかなか・・・・・」
家柄とか財産にこだわるわけでは無いけど、高倉の妻となる女性は関西の社交界に出しても恥ずかしくない程度に一定の教養を身に着けていて、恒夫とも話が合う人でなければならない。雪美には思い当たる人はいなかった。
古川専務は何も言わないが、シンガポールから春鈴を連れてきたのはそういう意図があったのかも知れない。
「社長、このお屋敷も昔はずいぶん賑やかだったと聞いていますが、今はいつも社長一人だけがお住まいで、大きなお屋敷なのに勿体ないですね」
「うん、今思いついたのだが、たまにはここで、本社の社員を呼んで、パーティーを開くというのはどうだろう?」
「それは素晴らしいと思いますよ。でも社員様のパーティーとなると日曜日ですね。だったら娘たちも学校は休みなので、手伝わせようかと思いますけど、駄目ですか?」
「ええっ、娘さんたちに?・・・それは悪いなぁ」
「いいえ、娘たちはいつも、このお屋敷に興味があるらしく、何やかやと聞いてくるのですよ。もちろん私はお屋敷の中のことは喋りませんけど・・・だから、手伝いに来るように言ったらきっと二人とも大喜びのはずですよ」
「そおかぁ、・・・だったら早速、次の日曜日に本社と近くの支店の社員を20人ほど呼んでみようかな?」
「そうなさいまし、きっと、社長さんと社員さんたちとの距離がグンと縮まりますわ」
「わかった。さあ、肉も焼けてきたようだし、乾杯と行こうか」
「はーい、カンパーイ・・・・あ、これがチリのワインですか?まろやかで、美味しいですね? 高いんでしょうね? 5万円ぐらいかしら?」
「いや、そんなに高くはないよ。取り敢えず末端価格で22,000円ぐらいの予定なのだ。だけど2003年のもので220本しか残っていない貴重品だからすぐに売れてしまうだろうな」

翌日、会社へ行くと早速、服部副社長と古川専務を呼んで話をした。
「服部さん、中日本支社の佐々木次長とは同期入社だそうですね、この前話をしたのですが、昔は一緒に仕入れの仕事などもされていたとか・・・」
「はい、佐々木に会われたのですか? そうです。あいつは口が達者なものですから販売の方が向いているのではないかと2代目社長から言われて、南や北の支社の販売強化をしたり、そして今は中日本支社で支店回りをしてもらっているのですよ・・・・佐々木がなにか?」
「いや、出来れば時々でもいいので、昔のように仕入れの仕事もさせてもらえないかと言われたのでね、今はほら、古川専務と二人だけでやって貰っているだけだから、滋賀の倉庫はいつも品薄気味でしょう。これから売り上げも増えて来るだろうから少し在庫の積み増しをしなければならないかと思ってね・・・」
「そうですか? 佐々木がそんなことを・・・・・いや確かに奴に手伝ってもらえれば心強いですね。私も南米とヨーロッパとの掛け持ちでは思うようにいかなくて・・・」
「じゃぁそれで決まりですね、佐々木さんには南米を担当してもらおうと思っているんだが、次のチリ出張は来月初めでしたか?」
「いや、そういう事ならヨーロッパは後にして先にチリへ行きましょうか? だったら20日ぐらいからでもいいですよ」
「分かりました。では事前の打ち合わせもあるでしょうから中日本の後始末を片付けて貰って来週ぐらいから来てもらいましょうかね」
・・・・・・・
「それからもう一つ、突然ですが今度の日曜日、私の家で社員を何人か呼んでパーティーをしようかと思っているのですがそれについてはどう思われますか?」
服部「えっ、それはまた急に、どうしたのですか?」
高倉「いや、実はきのう、お手伝いさんと二人だけでウチでバーベキューをしたのですが、お手伝いの雪美さんから、こんな広い屋敷にはもっと大勢の人に集まってもらわなければ勿体ないといわれて、それもそうだなと思ったものですから・・・」
古川「なるほど・・・・昔はよく、そうやって人が大勢集まったことがあったと聞いていますが、いいですね、是非お願いします。でもそうなると誰を呼ぶかが問題ですね。50人も100人も呼ぶわけにいかないだろうし・・・」
高倉「ええ、まあ20人ぐらいがちょうどいいかなと思っているのですよ。だから最初は役員と本社スタッフの人たちと、あとは神戸支店と大阪支店、そして新大阪支店から3人ずつぐらい、そして次回は今回参加できなかった人のうちから希望者を募る、という具合に月に一度ぐらい開催してはどうかと思っているのですよ」
服部「いいですね、昔が懐かしいですよ」
高倉「じゃあ、キャシー、参加者を募ってくれるかな、20名より一人二人の増減は構わないからね。それから春鈴は何か準備するものが必要かどうかキャシーと一緒に考えてくれませんか?」
二人「了解しました」

いよいよその日、役員6名と佐々木、春鈴、キャシー、その他本社スタッフ4名、そして近隣の各支店から3名ずつ、合計22名が参加することになった。昔の賑やかなパーティーのことを知っているのは服部と佐々木だけだった。初めてのことなので3つの支店からは、くじ引きで当たった人が大喜びでやって来た。
11時半ごろ開始と言っていたのだが1時間ぐらい前から次々とやって来て、高倉と挨拶を交わしたあとは、数人ずつまとめて雪美が広い屋敷内を案内していた。
そして最後に古川の運転する車に同乗してやって来た春鈴は素晴らしい着物姿で、みんなをアッと驚かせた。
「おっ、春鈴、びっくりしたよ、素晴らしい ‼」
と、居合わせた者は口々に驚きの声を発した。
春鈴は中国人、イギリス人、ロシア人、マレーシア人の血が混じるクオーターである。まだ日本へ来てから1年しか経っていないが、何の違和感もなく日本人社会に溶け込んでいた。着物姿が良く似合って、美しいというだけでなく、身振り動作が着物を着慣れている人そのもののようであった。おそらくは着付けをしてもらった人から、身振り動作についても自分から求めて厳しく指導を受けたのであろう。春鈴はそういう女だった。
料理は祖父の代からよくやっていたように、神戸の一流シェフを呼んで自宅のキッチンで調理してもらうという方式をとったので、雪美やその娘たちは飲み物を配ったり、空いた皿を下げるだけでよく、パーティーはスムーズに流れた。
早い人は1時半ごろから帰り始め、人が少なくなってきたのを見届けた古川は高倉の所へ来て、
「社長、どうですか?春鈴はいい女でしょう。確かに彼女は家庭向きの女性ではないかも知れませんが、歳ももう32歳ですからそろそろ落ち着きたいと思っている筈です。結婚すれば今までのように世界を跳び回っているだけでなく、案外、家庭に落ち着いてくれるのではないかと私は思っているのですが、どうですか、彼女を奥さんに迎えるお気持ちはありませんか? 何なら私の方から彼女の気持ちを聞いてみましょうか?」
最初見た時から高倉にも春鈴に惹かれるところはあった。だが妻に迎えるには彼女はちょっと活動的過ぎて無理だと思っていたのだが、今日の着物姿を見て気持ちが揺らいだことは確かである。
「いや、本人がどう思っているのか分からないが、私が自分で話をします」
と答えた。
毎日、身近にいる女性なので、仕事の話なら、ひとこと言えばすぐに通じる間柄だったが、結婚の話となるとかえって話しにくく、どう言おうかと迷ったが、単刀直入に話すことにした。
「春鈴、仕事の話では無いので社長と社員ではなく・・・・つまりその・・・私生活に関わることなので・・・」
「何でしょう? なんか私悪い事しましたでしょうか?」
「いやいやとんでもない。つまりその・・・・私と一緒になってはもらえないかと・・・」
「ええっ、ご冗談でしょう。私みたいなじゃじゃ馬を・・・・とっても社長の奥様になれるようなお淑やか女ではございませんのに・・・・」
「いや私も・・・前にはとても無理だと思っていたけれど、今は君以外には考えられないという事に気がついたのだよ。
君の性格はよく分かっているつもりだから、不必要に縛り付けたりはしないから・・・今のように時々はシンガポールに帰ってもいいし、年に一度ぐらいは一緒に海外旅行にも、と
思っているんだが・・・ダメかね?」
「ダメかなんて・・・わたし、ああどうしよう・・・・」
・・・・・・・
社長室の前では服部副社長と古川専務が固唾をのんで待ち受けていた。そして顔を赤らめた春鈴がドアを開けて出て来るのを確認するとそこにいたスタッフ全員が一斉に
「お目出とうございます」
と言って拍手が鳴り響いた。

こうして高倉貿易は新しい一ページを迎えた。

ワイン商社

執筆の狙い

作者 中小路昌宏
124-241-080-219.pool.fctv.ne.jp

 この物語の主人公は、日本一のワイン商社の3代目として、先代からの忠臣に支えられて社長業を全うし、良き伴侶にも恵まれるという、私たち一般庶民には羨ましい存在です。
たぶん、平成生まれの若い人には、こんな小説は、つまらないと感じるかも知れません。

 長くなると最後まで読んで頂けないかと思いますので10,000字を少し超えたところで一旦、完結としますが、この物語にはもう少し、続編もあります。

 面白いので続きも読んでやろうと言われる方は、ヤフーファイナンスの掲示板までお越しください。 行き方は簡単です。
 ヤフーのホームページ→ファイナンス→掲示板→株式雑談→カテゴリー1欄→と来たところで、キーワードで「株と小説創作」と、打ち込んで下さい。

コメント

そうげん
119-231-66-154f1.shg1.eonet.ne.jp

大量の在庫のワインを滋賀の山中に隠匿した。そしてそれを利用して、戦後に神戸でいまの高倉貿易を創業した。

夏を超したでしょうけど、山中では温度管理が難しくありませんか。
高級ワインであれば、味の質の変化は深刻な問題になると思います。

中小路昌宏
124-241-080-197.pool.fctv.ne.jp

 コメントありがとうございます。

 私もワインの専門家ではありませんが、ふつう、地下で、年間の温度差があまり無いところでワインを熟成していると聞いています。

 車で走っている時、トンネルの中間付近では夏でも涼しいので、山中の、深いところなら同じような環境だと思ったのですが、違ってましたかね?

南の風
softbank060091003055.bbtec.net

中小路昌宏様、読ませていただきました。
どのような意図で、テーマで、この作品を書かれたのかよく理解できませんでした。
指示されたサイトまで行き、続きを読みましたが、その中の情報によれば、この会社は従業員が800人で平均年収が1500万円を超えるらしいのです。世の中にはそんな高利益率の企業もあるでしょうが、私にはまったく興味のないことでした。
YAHOO!のファイナンスのスレッドでは興味を持って読む読者もおられるのでしょう。
正直、読者を限定する内容だなと感じました。

中小路昌宏
124-241-080-247.pool.fctv.ne.jp

 南の風さま、お読みいただき有難うございます。

 正直言って、万人受けする作品では無いと、私も思っています。

 父が出征し、母は結核で亡くなり、自宅は空襲で焼け、ひとりぽっちで遠い親戚宅をたらいまわしにされ、飢餓体験もするなど、悲しい不幸な子供時代を過ごした戦中派の私にとっての、いわば憧れの世界を書いたものですから、平和な時代に、何不自由なく育った人には関心は持たれないでしょう。

そうげん
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地下で貯蔵というと、フランスの中でもブルゴーニュワインのオークションで有名なボーヌ(Beaune)だと、7月8月の平均気温が26℃。道は石畳の舗装が大半で、地下にはたしかにワインセラーが広がっていますし、わたしも三か所ほど入らせてもらったことがありました。夏場空調の援助を借りていられるかどうかはわからないのですが、たしかに秋・冬に行ったときには、しんと静まった空気の中で無数のタルや瓶が眠っておりました。

滋賀だと当時だと平均気温30℃前後、山の中の保管状況がどういうところなのか詳しく書かれてあって、外気の暑さから防がれているという表記があれば、納得できるかなと思いました。防空壕のようなくりぬいた空間とか、山中に深く縦穴を掘ってある場所にとか。

中小路昌宏
124-241-080-016.pool.fctv.ne.jp

 (滋賀の倉庫は全館適温に保たれた3階建て延べ1,200坪の無人倉庫である。高倉家が明治以前から所有している山の斜面を奥に掘り進めて建てたものなので冷房費もほとんどかからず、万一停電になっても4~5日は大丈夫だ。)

 と、書きましたが、これでは不十分ということでしょうか?

ドリーム
softbank126077101161.bbtec.net

拝読させていただきました。

流石は元商人、いかんなく発揮されていますね。
確かドラマか映画にあったかな華麗なる一族、そのような作品だと思います。
このような会社には優秀な秘書がいるものです。
一流企業の秘書ともなれば、容姿端麗にして頭が切れるのは当然。
勿論社長だって男ですから、惹かれて当然。春鈴(シュンリン)日本人じゃないのがまたいい。
これだけの女性ですから、その辺のかっこ良いだけの男では物足りない。
結ばれるべきして結ばれたカップル。目出度し目出度しですね。

中小路昌宏
124-241-080-170.pool.fctv.ne.jp

ドリームさん、ご講評有難うございます。
「春鈴」を描く時、容姿については、私はあの、アメリカで活躍中のローラをイメージしながら書いていました。おつむについてはローラがどんな女性なのかは知りませんが・・・・・

そうげん
119-231-66-154f1.shg1.eonet.ne.jp

中小路さまへ

わたしは冒頭の

>特別の用事がない限り恒夫は、車は使わず、電車で行く事にしていた。新しく入荷したワインのテイスティングをしなければならないことが多いからだ。

の文章までしかこの作品を読んでいませんでした。「四」になってから出てくる情報なのですね。
たしかにその記述であれば問題ないと思います。最後まで読んでから判断しなかったわたしが悪いですね。
しかしできれば少しでいいから、山をくりぬいた奥に貯蔵されていることがわかるヒントを出しておいてもらえれば、
よかったかなと思いました。失礼いたしました。

中小路昌宏
124-241-080-029.pool.fctv.ne.jp

いいえ、ご親切に丁寧なコメントありがとうございます。

私としては、ワインの温度管理に関する部分以外の所では、どういう風にお感じになったのか、少々気になります。

えんがわ
KD106155003095.au-net.ne.jp

うーん……

自分は確かに想定された読者層からは離れているなと思いました。

どうしてもアクション(動きor視覚情報)を求めてしまう自分は、最初の年表から説明とセリフの応酬にたじたじになっちゃいました……うう。

ちょっと説明的過ぎませんか。真面目というか。


からの春鈴の着物姿、パーティの豪勢さが出て来て、ここは自分は好きでした。
こういう何かビジュアル的なものや雰囲気的なものを、付けると面白い気がします。

でも、ちょっと不満があります。
ワインをテーマにした話だったので、パーティに出すワインをクローズアップしても良かったかなとか。

どっかで、特定の銘柄のワインが、作中で彩を添えて欲しかったような気がしたんです。

中小路昌宏
210.160.37.187

 えんがわさま
 ご講評ありがとうございます。

 説明的過ぎるという点については、私も未熟者ですので、そうなってしまうのだと思います。
 ワインの銘柄については、イタリア産高級ワインの事をネットで調べたのですが、私自身、素人ですし、読まれる方もよほどワインに詳しい人でなければ、そこは読み飛ばしてしまわれると思い、かえってそれが減点になるような気がしたので、省かせていただきました。

 でもそういう見方もあるという事なので、次作の参考にさせて頂きます。ありがとうございます。

 余談ですが、いま、私は旅の途中で、これを書いています。昨夜はおいしいワインをいただきました。

青井水脈
om126253210173.31.openmobile.ne.jp

「ワイン商社」読ませていただきました。
スラスラ読めましたが、二、三と章が変わるとき、改行があった方が読みやすいですね。

>祖父が購入した高倉家の屋敷は敷地が800坪、そこに建つ家は1階が120坪、2階が50坪もある大邸宅だ。

「華麗なる一族」も思い出したましたが、昼ドラなどにも出てきそうな豪邸ですかね。
高倉進二郎がフランスから戻って、興した商社で経営手腕を発揮するーー。この辺からのストーリーもザッとでも書かれて、二代目三代目と代替わりしていったら、朝ドラみたいにもなりそうですね。放送は数年前になりますが、ニッカウヰスキー創業者の半生を描いた「マッサン」を思い出します。
あと、自分の生活感と離れていてもストーリーそのものを楽しめたら、読者層がどうこう、そんなに気にしなくていいかと私は思います。

中小路昌宏
210.160.37.187

 青井水脈さま ご講評いただき有難うございます。
 最初は、主人公高倉恒夫と、春鈴、そして古川と服部という先代からの忠臣たちの物語として書き始めたのですが、物語の成り行き上、高倉家の系譜を先に書いた方が分かりやすいかな、と思い、次に商売の様子を書く事も必要か? と、だんだん膨れ上がって行きました。

 華麗なる一族、ということを意識したわけではありませんが、自分の意識の中にある成功願望・・・・が結果的にそういう方向に向かって行った、と言えばいいでしょうか?

 改行の取り方については、おっしゃるとおりだと思います。的確なご指摘、ありがとうございました。

京王J
161.140.5.103.wi-fi.wi2.ne.jp

読みました。

以前の作品もそうですが、NHKの連続テレビ小説の脚本(のようなもの)を読まされている気がしました。

キャラクターがまるで「渡る世間は鬼ばかり」の役者のように、セリフで逐一いろいろと説明してくれるところも、テレビドラマみたいでした。

作者様の発想の源が、日本のテレビドラマにあるような気がしないでもないです。
別にそれが悪いわけじゃありません。いいことだと思います笑

>>私としては、ワインの温度管理に関する部分以外の所では、どういう風にお感じになったのか、少々気になります。

そうげん様の「蘊蓄の披露笑」は別としても、
ワインに関する記述に説得力がないため、そこで読むのをやめてしまう人もいることは仕方ないことです。
そこを非難がましく言われますと、普通の人は作者の作品に感想が書けなくなります。

この作品の根本的問題は、作風の古さではなく、ワインビジネスの面白さがあまり伝わってこない点、主人公を含めたキャラクターがどんな人たちなのかよくわからない点にあると思われます。

おそらく作者様自身が、ワインビジネスの『どこが面白いのか』をよくわからないで書いてしまっているような気がしないでもありません。
キャラクターについて言えば、主人公はワイン商社を継ぎたかったのでしょうか?
先代や先々代のとの関係は?

先々代はワインビジネスで成功しましたが、それは山にワインを隠しただけで成功できたのでしょうか?
先々代の「商才」とはその程度のものなのですか?

3代続くワイン商社の伝統と格式も伝わってきません。
他の事業を行う会社でもいい気がします…
高倉家の名家性?は、ただ女中という奇妙な存在(舞台は令和の日本ですか?)が大きな家にいるだけです。  

上記は経済小説をたくさん読めば解決するお話だと思います笑

あと作品を他のサイトに「マルチポスト」するよりも、宣伝を頑張った方がいいと思います。

また拗ねさせてしまうかもしれませんが、私は素晴らしい作品だと思いました。

中小路昌宏
s117179.dc.mirai.ad.jp

 京王Jさま いつも辛口のご批評ありがとうございます。

 京王Jさまだったら、もっと激しい誹謗中傷、人格攻撃そして迷言、珍説の雨あられかと思いましたが、意外に普通で、ちょっと物足りない感じです。

通りすがり
119-173-139-201.rev.home.ne.jp

こんばんは
初めて読ませていただきました。
冒頭から、説明、説明なので、
どんな人が、何を感じているのかな、
いま悩んでいることは? 近い目標と遠い目標は?
とか小出しに挿入されていくといいかなと
思いました。お酒は一家言ある人がたーくさん
いるので、事実の描写はおろそかには
できませんが、心情と人間模様が多いといいなと。

コメントで戦中、敗戦後に相当のご苦労があったと
おありですが、スレた、ひねた感じが全くなく、
夢、憧れの世界を大事にしておられるところに、
感動しました。

中小路昌宏
s117179.dc.mirai.ad.jp

 通りすがりさま

 ご講評ありがとうございます。
 自分の欠点は、なかなか分かりにくいもので、最初は説明的、と言われても、それはその人だけの見解なのかな? と、思ってしまう場合があります。それが2人目、3人目の方から言われると、やはりこれは真剣に考えなければいけないのかな?と思い始めます。

 しかし、じゃあどう書けば説明的にならないかというと、これはなかなか難しいような気がします。恐れ入りますが2週間後に投稿する作品について、出来ればもう一度お立ち寄りいただき、今度はどうであったか、ご意見を賜わる事ができれば幸甚に存じます。

通りすがり
119-173-139-201.rev.home.ne.jp

こんにちは

説明と物語、境界があいまいなので、
たしかに難しいですね。

最初の年表からしてドラマチックなので、
いくらでも面白くしていけるお話だと
思います。

ちょっと冒頭を使わせていただき、
僭越ながら口出しいたしますね。

 今日も夜明けと同時に目が覚めると、
早速iPadを開き、春鈴(シュンリン)からのlineを確認した。


目が覚めた。いつも通り、夜明けに起床する。

とかで始めて、季節で空が明るんでくる時間とか
変わりますよね、日の出時刻に合わせて、目が覚める時間に
若干変化があるのかどうか、いまは春~冬の
いつで、冬の暗いうちに起きるのか、夏はいくら早起きしても
すっかり明るいなー、とか「思い」を出す。
天気は気温は、どうなのか、それについても、
「どう思うか」「何を支度するか」で、性格、場所、
立ち位置を少しずつ見せていくとよいかな、と。


春鈴は昨年、古川専務がシンガポールから連れてきた
有能な秘書である。
中国語、英語に加えてロシア語、スペイン語も不自由なく話せ、
カタコトながらマレー語、タイ語、フィリッピンのタガログ語も
話せる。
そして勿論、もう日本語も大丈夫だ。

感情がいっさい抜きの説明100%ですね。惜しい。
残念過ぎまする~。

(気が利くな)
と毎日のことながら感心する。
春鈴は、専務の古川がスカウトした~人の女性だ。
と春鈴と専務についてもチラ見せしていきましょう。

専務がいきなり「はい、この外国人女性を
秘書にどーぞ」と差し出したわけでは
ありませんよね。
秘書にした経緯を少し見せる。第一印象は、その後の
変化は?

海外進出も視野にいれ、人生の残りを賭けたい思いもある。
そこへ、数か国語が堪能な人物が現れたのを、天の声とも
思ったのだった。とかなんとか。

(日本人は外国語のできる人にコンプレックスとか、
嫉妬心を抱くことが少なくないので、~語も~語もと
列挙するより、生まれ育ったアジア圏の言語、それに
高校か大学で学んだ欧米の言語。というように大雑把に
流し、家族がいて習得したのか、あとから頑張ったのか、
主人公と、春鈴への興味を引っ張る) 続きます

日常の型通りのやりとりなら日本語もかなりのレベルだ。
商用でちょっとした会食なら問題ない。とか何とか。
ちょっと間の抜けたやりとりがあると説明のかたさがとれて
いいかもしれません。
昔は、中国人の日本語を揶揄するのに、~するあるよ、
なんて漫画でもしょっちゅうでしたが(今も?)、
「私が、注文するをした店」とか書いてきて、訂正の返信を
しようかと迷うけど、私用だし、ついくすっと笑って
許してしまう、とかで、主人公の鷹揚さ、優しさを
見せる。(それで古川専務に足をすくわれるんじゃね、
ハニトラ? と読者に何か予感を持たせたら、どんどん
お話にひきこめるのでは、と)
偉そうで申し訳ございません。

中小路昌宏
124-241-080-183.pool.fctv.ne.jp

 ますますわからなくなりました。
  
 丁寧に描写しようと思うと、どうしても説明的になってしまいますし、それを避けるために会話文に置き換えればいい、というわけでも無いと思います。

 自分の執筆スタイルとしては、必要な情報は漏らさないという前提で、ただ、それをどの部分で織り込むか、また、それが無駄でなく、1語1句、必要な言葉なのかどうかを検証しながら、そして言葉を選びながら、書き進めるしかないと、今も思っています。

 プロの文章でも、ここはちょっと説明がしつこいのでは? この部分は省略してもいいのではないか? と感じることはよくあります。ただし、私の好きな作家(例えば藤沢周平など)の場合は、そんな風に感じることはほとんどありません。

夜の雨
ai202076.d.west.v6connect.net

中小路昌宏さんへ。
御作と同じような会社を築き上げた人物を描いた、経済小説を読めばよいと思います。
大きな文学賞を多く受賞している作家がねらい目ですが。
もちろん下記の作家は一流ですが。
ウィキペディアからコピーしたので、代表作品が掲載されていますが。これらの中には経済小説とは違うものがあります。
作家名から、どういった経済小説を書いているのかを調べて、そのなかで自分の書きたい作品に近いものを選んで読めば参考になると思います。
ネットで検索して、「自分に合ったものを見つけると」借りるときは、図書館利用をお勧めします。

経済小説、代表的な作家

城山三郎 代表作『落日燃ゆ』
高杉良 代表作:『金融腐蝕列島』
清水一行 代表作:『動脈列島』
山崎豊子 代表作:『華麗なる一族』
池井戸潤 代表作:『下町ロケット』、半沢直樹シリーズ
真山仁 代表作:『ハゲタカ』
黒木亮 代表作:『巨大投資銀行』
楡周平 代表作:『プラチナタウン』
相場英雄 代表作:『トップリーグ』
梶山季之 代表作:『血と油と運河』
幸田真音 代表作:『スケープゴート』
沢しおん 代表作:『ブロックチェーン・ゲーム 平成最後のIT事件簿』『TOKYO2040』

● ちなみに御作投稿後、私も読んでみたのですが、導入部から説明が主体で読み進めることができませんでしたので、感想を書きませんでした。やはりエピソードで構成したほうがよさそうですね。上の先生方の作品を参考にしてください。

それでは頑張ってください。
以上です。

中小路昌宏
124-241-080-252.pool.fctv.ne.jp

夜の雨さま

 適切なアドバイス、有難うございます。
 経済小説? という意識は無いのですが、私は人生の大部分を流通業に関わってきましたので、いつもどこかで、自然に、商品の売り買いの場面が出てきます。
 
 そうですね、仰る通り、お勧めの小説の中には参考になるものもあると思います。

 何人かの方から、さまざまなご意見を頂きましたが、私が気になっていた部分については、どなたからも、ほとんどコメントは頂いていないように思います。それは何かというと、

 1 主人公の祖父、高倉進二郎は老舗酒店の次男坊ですが、兄の長男のことや、その家で彼がどういう立場だったのかについては書いてありません。またその酒店が戦後どうなったか、についても全く記載がありません。これは、高倉家の系譜というのは、後から付け足して書いたものだから、ですが、青井様はその事にも少し触れていた方がいい、というご意見だったのではないかと思います。
 2 1,929年にワインを学ぶためフランスに行ったという想定ですが、これもつじつま合わせのため後からそのように書き足したわけです。これも、この時代にフランスに行くなど、あり得ない事では無いかも知れませんが、極めてまれな生き方であり、近江商人の末裔としての進取の気性に富んだ進二郎のこういう行動にも、少しは触れておくべきではなかったかと、後で思いました。
 3 若くしてあの世に旅立ったという恒夫の前妻のことは何も説明がありませんが、少しは何か書いた方が良かったかなぁ、という思いがあります。
 4 恒夫には弟妹4人がいますが、その消息についても、全く触れていません。物語の本筋からは離れていますが財産分与などの問題も含め、少しは何か書いておくべきでは無かったのか、という疑問があります。

 以上、皆さんからご指摘頂いた点と、私が気になっている部分とが、少しずれていたような気がします。

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