作家でごはん!鍛練場
アフリカ

曇天 ドンテンドンテンドンテン♪

【曇天】

愛人の仁志が触れた場所に、微かな熱が滞留しているような感覚が続いていて、野方彰子は握り締めた軽自動車のステアリングから手を離した。
熱が宿る場所に指を這わせると数時間前の情事を、つい先程の様に感じる。
記憶として、頭が思い返すのではなく体躯が感じるのだ。優しくて熱い。挿入れて擦るだけの夫とは天と地ほどの差がある愛という熱が伝わるセックス。
「仁志……」
独白して、唇を舐めてから現実に目覚めた。ゆっくりと余韻に浸る自分に妻であり母でもある現実を理解させる。
彰子は大きく深呼吸して車庫の奥に置かれている息子の自転車を眺めた。白濁とする感情を、日常に引き寄せ離脱していた世界から帰還する。
それが、二週間に一度の儀式に成ろうとしていた。
そもそも、仁志が年下の上司というありふれた存在から、淫猥な自分をさらけ出せる唯一の存在に成るのに時間は必要なかった。

昨年から勤め出した資材管理会社。倉庫の中にある電化製品の出し入れを主な業務にしていた。年末の残業続きが終わり気持ちも緩んだ忘年会。
「野方さんが、綺麗だから」
一次会終わり。同僚達に取り残され一人タクシー待ちをしている彰子の隣に立つと、仁志は冗談のように呟いて唇を奪った。
躊躇する瞬間さえ与えてはくれなかった。
だが、それは軽く触れるだけの曖昧な躊躇いでもなく、無理やり舌先をねじ込むような欲望ではなかった。
甘いチョコレートが唇の上でゆっくりと溶けていくような拒絶出来ない感覚。やわらかくてあたたかくて、拒もうとしても彰子の中に至極当たり前のように浸透してくる快感だった。
上質な快楽が全身にしみこむ。コントロールなど出来ずにそれに溺れる。その他の事が疎かになっても止められない。自分自身を抑制する事が出来ない。
最近に至っては同僚の目を盗み社内でも社外でも互いを求め合っている。善し悪しではなく倫理的なのかそうでないのかなんて関係のない。単純明快な快楽を貪るだけの時間。そこには責任も何も無い。二週間に一度は、支店間の打ち合わせの為に福岡まで出張する仁志に合わせて休みを取り、仁志と共に福岡へ向かう。
仕事が終わると、翌日の朝まで仁志に翻弄されるがままの自分を味わう。そして楽しむ。
全てを忘れる時間。
彰子は、現実に戻りきれずに目を閉じてその瞬間を取り戻そうとした。
だが、助手席に投げ置いていたスマートフォンが発する震動音がそれを拒む。
着信の表示は、夫の裕だ。
「はい……」
短く答えて返事を待った。
「あぁ、彰子。今、どこ?帰って来てるの?」
何気無い会話のつもりだろうか、夫の言動全てに彰子が辟易しているのだとまでは考えていないように聞こえる。
彰子は、もう一度息子の自転車を眺めてから答えた。
「着いたよ。今、車庫の中」
「そうか……毎週、大変だな……出張で朝帰りなんて」
「二週間に、一度だよ……それに、仕事だから仕方ないし」
探るような言葉に一々腹立たしさが増す。嘘に気付いているなら素直に浮気してるのか?と問われた方が楽な気さえする。
彰子は、運転席のパワーウインドを下げると、煙草を取り出しライターを擦る音がスマートフォンに届かないように火を着けた。
小さく吸い込んで、暫く息を止めてから窓の外に煙を吐き出す。
メンソールの爽快感だけが先に喉元を下りて、その後に不快な苦味が同じ場所に張り付いた。
「で、なに?」
尖った声色に成るのを抑えられない。追い詰めれば、追い詰めるほど夫の粘り付く様な執着心が増すことは避けられないのに自分を抑えられない。
彰子は飲み掛けの缶珈琲に煙草を落とすと、小さくため息を吐いた。
「ごめんなさい。眠いの疲れてるから」
言ってから後悔した。
惰性で繰り返される言葉が、夫婦という危ういバランスで保たれた 世界を崩壊させる可能性を高める。
しかし、同時に自分に必要なものは仁志を想う淡い熱だけだとも感じる。
それは、真夏のアスファルト路面に生まれた熱のように、視覚で感じなくとも決して容易く消滅したりはしない身体が感じる根深い熱だ。
彰子は、再度ため息を吐いてから訊ねた。
「ねぇ、疲れてるから家に入って寝たいの。電話、切っても良い?」
「あ……あぁ。それじゃ、帰ってから話せるかな?」
「多分」
「分かった」
これだけ短いやり取りでさえ、上手く演じる事の出来ない自分に苛立つ。
スマートフォンを助手席に投げ置く。
仁志との関係を公に出来ない今はまだ、不自由なく生活する為に夫の力が必要だ。
彰子は、再度小さくため息を吐いた。
それにしても、首筋の辺りが妙に熱い。
仁志が触れた部分が痛いほどに熱を帯びている。
それも、表皮ではなく体躯の奥がチリチリと痛むほど熱い。
彰子は右手でその部位を撫でたが特に何か傷があるようには感じられない。
「痛い……」
思わずもらして今度はサンシェードに設置された小型のミラーを使い、その部分を確認する。
「何?」
彰子は身を乗り出して更に、その部分を注視した。
肌に浮かぶ赤い小さな内出血。キスマークに見えるが微妙に違う。
「文字?」
楕円形の部位を注視し続ける。
確かに文字が浮き上がっているように見える。
小さな四つの文字。
彰子は更に目を凝らしそれを注視し続ける。
そして、飛び上がるように仰け反ると運転席のシートに身を預けた。
直ぐにスマートフォンを握りしめ仁志の番号を呼び出す。
何度、発信を繰り返しても返ってくるのは電話会社のアナウンスだけ。
自分に、ある種の能力があることに気が付いたのは幼い頃だった。
虫の知らせ。世間ではそう呼ばれる事が多い。
肌の奥。真皮と呼ばれる部分がヒリヒリと何かを訴える。それは映像を伴う場合もあればそうでない場合もある。
それでも、何かを感じる自分自身を否定できない。
彰子は今この瞬間に感じているイヤな感覚が間違えようのないものだと確信して降りかけていた軽自動車のスターターを捻る。
軽く唸るようにエンジンが振動する。
アクセルを底まで踏み込むと自宅の車庫から軽自動車が蛇行しながら勢いよく滑り出した。
仁志のマンションまで急げば三十分程度で辿り着く。
自宅近くの交差点を信号機も確認せずに突っ込む。
けたたましいクラクションが車の側面に向けて叩き付けられる。
次の瞬間。
金属が破裂する爆発的な炸裂音と衝撃波が身体を突き抜けた。
フロントガラス越しの景色が回転して、ゆっくりと上に振れてから上下して方向を見失う。
それでも視界に飛び込み続ける遠くの曇天が小さく割れて光が漏れている気がする。
彰子は甘いチョコレートを塗るように指先で唇を撫でた。
回転する世界と爆音がゆっくりと繰り返される。

曇天 ドンテンドンテンドンテン♪

執筆の狙い

作者 アフリカ
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なんか最近来てなかったので宜しくお願い致します

コメント

月長石 -THE MOONSTONE-
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画面ぼぼっと傍観。(←まだ読んではいない状態)



これ、2〜3回書き直して、前の企画でも「使い回し」してなかった??

ストーリーとキャラ設定に強烈に見覚えある。
見覚えしかない。


不倫主婦の年齢と、息子の年齢が書いてない。
息子が園児なのと、小学校低学年なのと、中学生なのとでは「全然違って来る」から、そこは設定して書いて〜?

ブランクあって(だろう)就職してすぐに、たびたび出張不倫?
子持ちの中途採用だけど、はなっから正社員で総合職??


このテキトーヒロインは、なんで不倫してんのか、理由が分からん。(説得力がない、必然性も感じられない)

ただ『作者都合でなんとなく不倫させられてる』としか思えん。

それほどに、アフリカさんの原稿は【不倫ありき!】なんだ。



「首の後ろにちりり」な不思議展開も・・
前に確かにここで見た。
このヒロインは見た。


「楕円形の中の4つの文字」って、なんじゃ? カルトゥーシュ的なんか? それとも神聖4文字か??

↑ ってコメントも、前に書いてる。


すべてが気のせい! ただのデジャヴ! で片付けるにしては、この原稿、手垢つきすぎてるし、
既視感ありすぎる。



ストーリーは、「だらだら始まって、なんとなく匂わせて、なんもかんもテキトー・ほったらかしのまんま、ぶっつり終わる」とゆー、

作者が『書いた気になってる』わけわかめ原稿だ。




>軽自動車のスターターを捻る。
軽く唸るようにエンジンが振動する。
アクセルを底まで踏み込むと自宅の車庫から軽自動車が蛇行しながら勢いよく滑り出し

↑ たりはしない!! アクセル底まで踏んだら、自宅の外壁に激突か、お向かいのお宅に激突だ。



もうちょっと考えて書いたらいいのじゃないでしょうか???



つまらなかったです。

月長石 -THE MOONSTONE-
n219100086103.nct9.ne.jp

ただなんとなく漫然と不倫して、

ラストになんとなく車で事故った匂わせで片付けーーたつもり!

これはそんだけ。


芯もテーマも、起承転結もなーーんもなく、

だらだら〜っと垂れ流し・・ 締めもせんと、放りっぱなし。


そう指摘すると、『読者の想像に委ねます』とか言うタイプの、

サボり切った原稿。



なんも書けてない漫然不倫だけで、「小説になる」とか思ってんのが、

ここのサイトの末期症状。



安易な「手遊び」に流れず、

心入れ替えて、

「基礎と土台からしっかり作る」ようにした方がいいと、

ワタシは思ってる。

月長石 -THE MOONSTONE-
n219100086103.nct9.ne.jp

だいたい、なんでコレで『曇天』なんだ??


『チョコレート』でも『アクセル』でもなんでもいいような状態の、

とにかく散漫原稿だから、

何のタイトルつけてももやっと行ける状態なんだけど、


カチッと嵌ってはいない。


お題消化できていない。


ただただ、だらしなく「なんとなく」なのが、、、



だめじゃん。

月長石 -THE MOONSTONE-
n219100086103.nct9.ne.jp

まあどうでもいいよ。


でしょさんと、そうげんにお追従もらいまくれ。


それが「この欄の目的」だし、


「この欄のありかた」だからなー

アフリカ
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あはは

つきさんお久しぶり(⌒‐⌒)

気付いたって事は、内容!読んでくれたんだ〰️
つきさんが内容読む!
凄い事です!
ありがとです!
ってか最近は読むのかな?

実は最近。。。

僕は、全く読んでも書いてもないんだよね
でも、これだいぶ修正したんだよ?

今回はさぁ
久しぶりに来たらなんか面白い人とかいなくて
暇だからここに来てる筈なのに
蘊蓄ばっか振り回してて、楽しんでる人が減ったのかな〰️って思って。
ここを面白がって使ってる人と繋がりたいな〰️と思って

そしたらまた自分自身も書きたいとか読みたいとか思えるだろうなって( ̄▽ ̄;)

怒られるか。。。こんな吐露。。。

あはは

とにもかくにもありがとです

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